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妊婦の受動喫煙と多環芳香族炭化水素(PAHs)代謝関連遺伝子多型が児の出生時体格に及ぼす影響

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Academic year: 2018

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学 位 論 文 審 査 の 概 要

博士の専攻分野の名称 博士(医 学) 氏 名 小林 澄貴

主査 教授 有賀 正

審査担当者 副査 教授 玉腰 暁子

副査 教授 大滝 純司

副査 教授 水上 尚典

学 位 論 文 題 名

妊婦の受動喫煙と多環芳香族炭化水素(PAHs)代謝関連遺伝子多型が児の出生時体格に及ぼす影響

(Adverse Effects of Maternal Passive Smoking during Pregnancy and

Polycyclic Aromatic Hydrocarbon-metabolizing Genes on Birth Size)

妊娠中の受動喫煙曝露が児の出生時体格に及ぼす影響の結果は一致しておらず、一致しない理

由の一つに妊婦の遺伝要因が示唆されている。妊婦の喫煙に関しては遺伝要因との交互作用によ

り児の出生時体格に影響することが報告されているが、主にシトクロム P450 (CYP) 1A1 およびグ

ルタチオン S-転移酵素

(GST)遺伝子多型の報告に限られている。一方、妊婦の受動喫煙の遺伝-環境交互作用に関する報告はまだ少ない。そこで妊婦の受動喫煙と芳香族炭化水素(PAHs)代謝関

連遺伝子多型の出生時体格への影響を性差も含めて、出生前向きコーホートで検討することを目

的とした。北海道内の40産科病院で2003年2月から2007年12月までの間に参加の同意を得た

参加登録妊婦(除外基準該当者を除く5,118名)から、ランダムサンプリングした1,633名を対

象に母体血中の PAHs 代謝関連遺伝子多型を解析し、妊娠後期の受動喫煙情報をあわせて検討した。

その結果、非喫煙妊婦の児と比較して、受動喫煙妊婦の児は出生時体格の減少を示し、特に男児

で減少が大きかった。また今回検討した 7 つの PAHs 代謝に関わる遺伝子多型のうち、出生時体格

に有意差を示したのはCYP1A2、CYP1B1および DNA 修復遺伝子のXRCC1遺伝子多型であった。本研

究を通じて、妊婦の受動喫煙の遺伝-環境交互作用による性差を含めた胎児発育への影響が示され

た。

審査において、副査の大滝教授から平均出生時体重と低出生体重児割合の厚生労働省の年次推

移データと本研究対象者の早産に関する質問、次いで水上教授から本研究の意義、本研究対象者

の一般化、受動喫煙の定義に関する質問、さらに玉腰教授から本研究のサンプルサイズ、ランダ

ムサンプリング、そして研究結果の性差に関する質問があった。最後に主査の有賀教授から受動

喫煙の定義と本研究で検討した遺伝子多型の組合せに関する質問があった。申請者は各質問に対

し、先行研究と本研究のデータを引用して、適切に回答した。

審査員一同は、これらの成果を高く評価し、大学院博士課程における研鑚、修得単位等も併せ

参照

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