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第6章第2岩陰の現状

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Academic year: 2021

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第6章 第2岩陰の現状

上黒岩第2岩陰遺跡は,上黒岩二番耕地(通称岩屋)に所在する。面河川と久万川が合流する御 三戸嶽から久万川を2km遡った所に上黒岩遺跡があるが,さらに500m南に遡った川の蛇行点の 谷奥を山の中腹まで登ったところに第2岩陰遺跡が位置する(図2)。現在,谷部の麓には林道が めぐっており,そこから谷間の尾根筋をかき分けて登れば岩陰が見える。

岩陰は上の方に庇状に石灰岩が張り出し,根本が窪んだ形状で,3,4人程度が雨露をしのぐ程 度の広さであり,現状では数畳分程度の畑の跡が残る。また,ふた抱えほどの巨大な落石が残って いる(図15・写真9―28,29)。上黒岩遺跡近隣と同じ所有者の地所であり,以前はこの場所に芋壷 を埋めて冬越しをしたともいわれている。

1962年10月に試掘調査が行われており,地表から15cmの黒土層からは縄文時代早期の押型文 土器や剥片石器,凹石,カワニナなどが発見されているが,遺物の数は少数である。遺物は現在,

慶應義塾大学文学部旧江坂研究室に保管されている。

岩陰部は南向きに張り出して開口し,その前庭部にも20m程度の長さに幅5mほどの平坦地が ある。その南は急斜面で落ち込み,約100m下の久万川をはるか下に望む。

2005年度に,小林・兵頭・遠部で平板測量により,現状の略測を行った。遺跡は畑地付近に試 掘の跡と考えられる柔らかい部分を残すが,雨だれラインの内側に充分な堆積が残っており,面積 は小さいながらも縄文早期の包含層の遺存が期待でき,遺存状態は良好と思われる。

(小林謙一)

図15 第2岩陰(S=1/200)

国立歴史民俗博物館研究報告 154 20099

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