特 別養護老人 ホーム 『陽光 の園』 にお ける 入 園者 の食事調査 と職員 の食生活調査 の報告
大 久保 洋子 ・渋谷 梢 ・長 尾 慶子
1目 的
皿 方法
我 が 国 は 島 国 とい う特 殊 な 環 境 の 中 で,中 国 や 西 洋 の 食 文 化 を巧 み に取 り込 み,そ の ま ま受 け 入 れ る の で は な く,融 合 させ て様 々 な 食 形 態 を創 造 し,結 果 日本 独 自の 食 文 化 を作 り出 して き て い る。 食 料 とな る作 物 の栽 培 は 我 が 国 の 気 候 が 四季 に分 か れ て い る た め,そ れ ぞ れ にあ わせ た 多 種 多 様 な 食 物 に恵 ま れ て い る とい え る。 また,食 品 の 保 存 加 工,調 理 内 容 な ど幾 多 の 変 遷 を経 て,江 戸 時 代 に い わ ゆ る 日本 料 理 の基 礎 が 完 成 した と言 わ れ て い る 。そ れ を 受 け て,明 治 の 西 洋 化 が 加 わ り, 和 洋 折 衷 の 食 事 形 態 を受 け入 れ る基 盤 が 出 来
上 が っ た 。 そ こへ 第 二 次 世 界 大 戦 の 食 糧 難 が お こ り,ゼ ロ か らの 出発 か ら,経 済 成 長 に よ る飽 食,グ ル メ 時代 を経 て,昨 今 の 健 康 志 向 に よ る食 事 の あ り方 へ と変 化 して き た。 現 在, 我 が 国 は 高 度 な健 康 環 境 が整 っ た た め,世 界
一 の 長 寿 国 と して め ぐま れ た 食 生 活 をお くっ て い る 。 そ して,日 本 の食 事 構 成 が 世 界 レベ ル で 評 価 され て い る。 そ の よ うな なか で 高 齢 者 の 問題 が 浮 上 し,い か に理 想 的 な高 齢 者 社 会 を迎 え る か が 課 題 と な っ て い る 。
我 々 は これ ま で に 短 大 生 を は じめ と して 勤 労 者 や ス ポ ー ツ教 室 に通 う高 齢 者 な ど を対 象 に 同 様 の 調査 を行 っ て き た。 そ して 今 回 は 高 齢 者 の 中 で も施 設 入 園 者 とい う特 殊 な人 々 の 食 生 活 を知 る こ とで,さ らに今 後 の 研 究 を広 げ る こ とを 目的 と し,ま た,多 くの 先 行 研 究 に加 え るべ く,一 事 例 と して の 調査 を計 画 し た。
神 奈 川 県 小 田 原 市 に あ る特 別 養 護 老 人 ホ ー ム 「陽 光 の 園 」 にお い て 入 園 者 と勤 務 者 の食 環;境調 査 を行 っ た 。
期 間 は1997年8月13日 〜15日 の3日 間 。 調 杢 内容 は
① 入 園者 の 食 事 調 査
入 園 者 の うち 食 堂 で の 食 事 可 能者 につ い て 配 膳 量 が あ らか じ め 決 め ら れ て い る た め, 残 査 を測 定 し,摂 取 量 お よ び栄 養 摂 取 量 を 測 定 した。
② 勤 務 者 の体 脂 肪 率 測 定
ユ
既 報 と同様 に タニ タTBF‑102体 内脂 肪 計(イ ン ピー ダ ン ス法)に よ り測 定 した 。
③ 勤 務 者 の 食 事 摂i取ア ンケ ー ト
既 報 と 同 内 容 、形 式 の ア ン ケ ー ト用 紙 を 使 用 し,調 査 者 が 聞 き取 り に よ り行 っ た 。
④ ヘ ルパ ー の 歩 数 調 査
ユ
既 報 と同器 の カ ロ リー カ ウ ン ター を用 い て 各 自 で管 理 し,そ の 測 定 値 を 回収 した 。
尚,陽 光 の 園 の概 略 は次 の 通 り。
社 会 福 祉 法 人 長 寿 会 の 一 施 設 と して,昭 和 53年 に 開 園 され た 施 設 で あ る。 こ の 長 寿 会 は 昭 和29年 に現 在 地 の 小 田 原 市 入 生 田 に 有 料 老 人 ホ ー ム と して 開 館 し,そ の 時 は 定 員10 名 で 入 居 者 は5名 で あ っ た 。 昭 和35年 に は 定 員20名 と な り,昭 和41年 に 鉄 筋5階 建 て, 各 部 屋 電 話 付 きの 新 館 を 開 設 し,定 員 も50 名 と な っ た 。 昭 和46年 に は 軽 費 老 人 ホ ー ム 箱 根 山 荘 を 開 設 し,定 員70名 と し,総 合 老
人 ホ ー ム と して の発 展 をす る。 そ して 昭 和53 年 に は 特 別 養 護 老 人 ホ ー ム を 開 設 し,昭 和61 年 に は デ イ ケ ア セ ン タ ー を 開 所 。 平 成3年 小 田 原 市 ホ ー ム ヘ ル パ ー 派 遣 業 開始 。 平 成6年 老 人 等 食 事 サ ー ビス 事 業 を 開 始 し,現 在 に 至
っ て い る 。 こ の長 寿 会 の 動 きは,日 本 の 高 齢 者 対 策 の 歴 史 に重 ね て み る こ とが で き る。
本 研 究 の 最 初 の 目的 は健 常 者 の 高 齢 者 に つ い て の 食 事 調 査 を計 画 し た の だ が,有 料 施 設 入 居 者 は 必 ず し も食 堂 の メ ニ ュ ー に従 っ て お らず,間 食 ・外 食 な どの 正 確 な デ ー タ ー を得 る こ とが 困 難 で あ る こ と が 判 明 した た め に, 特 別 養 護 老 人 ホ ー ム 「陽 光 の 園 」 の 入 園者 を 対 象 とす る こ と に な っ た 。
皿 結果および考察
1,入 園者 の 食 事 調 査 表一1入 国者の年齢区分
年齢区分 1男 子 女子
60歳 代 5 5
70歳 代 7 11
80歳 代 2 21
90歳 以上 3 12
年齢幅 168〜105歳 67〜98歳
① 入 園 者 に つ い て
入 園 者 数 は82名 で あ る が,自 力 で 食 事 を す る こ と を 条件 と した た め,調 査 対 象 者 は66 名 で あ る 。 う ち男 性17名,女 性49名 で あ っ た 。 尚,平 均 年 齢 は 男 性77.5歳,女 性82.8歳 で あ っ た 。
年 齢 分 布 は表 一1の 通 りで あ る。
② メ ニ ュ ー に つ い て 8月13日
昼 食:
御 飯
豚 肉 の カ レ ー 風 味
(豚 ス ラ イ ス55g,鶏 卵1/8ヶ,古 根,醤
油3g,オ レ ン ジ1/8,片 栗 粉8g) 米 茄 子 の 卸 し煮(大 根40g,米 茄 子1/2ケ) と こ ろ 天(と こ ろ 天1/3ケ,青 の り,粉 辛 子)
果 物(パ イ ン缶1枚) 間 食:
牛 乳200cc, ヤ ク ル ト80cc, ウ エ ハ ー ス2枚 タ 食=
御 飯
煮 魚(煮 魚 用1切 れ,古 根3g)
五 目 き ん ぴ ら(人 参20g,ご ぼ う40g, 糸 こ ん に ゃ く1/2玉,白 胡 麻1g)
か に 酢(か に 棒 肉30g,き ゅ う り50g) 漬 物(刻 み た く わ ん9g)
果 物(パ イ ン 缶1枚) 8月14日
朝 食1 御 飯
味 噌 汁(里 芋25g,わ か め1g) 厚 焼 卵(厚 焼 卵1/6枚,大 根40g) 梅 干
キ ャ ベ ツ 煮 浸 し(さ つ ま 揚 げ20g,人 参 5g,キ ャ ベ ツ40g)
昼 食:
茶 そ ば(茶 蕎 麦3/4玉,長 ね ぎ15g,切 り の り1g,粉 わ さ び1g)
か ぶ の そ ぼ ろ 煮(か ぶ60g,豚 ひ き20g, グ リ ー ン ピ ー ス5g)
酢 の 物
大 学 芋(さ つ ま 芋100g,黒 ご ま1g) 間 食=
牛 乳200g カ ス テ ラ1個 タ 食:
御 飯
肉 豆 腐(豚 ス ラ イ ス25g,木 綿 豆 腐1/5丁, 椎 茸1枚,ち ん げ ん 菜20g,シ メ ジ20g,
油,唐 辛 子 漬 物(白 菜 漬35g)
ほ う れ ん 草 胡 麻 和 え(ち く わ7g,ほ う れ ん 草25g,根 み つ ば15g,ご ま)
果 物(白 桃 缶1ケ) 8月15日
朝 食=
御 飯
味 噌 汁(も や し20g,し め じ20g) レ バ ー の 煮 付(鶏 レ バ ー85g,牛 乳20cc, 古 根)
漬 物(桜 大 根9g)
小 松 菜 お 浸 し(小 松 菜40g,キ ャ ベ ツ25 9,糸 が き)
昼 食=
御 飯
コ ー ン コ ロ ッ ケ(ト マ ト25g,サ ニ ー レ タ ス10g,男 爵 コ ロ ッ ケ(バ タ ー)1ケ) グ リ ー ン サ ラ ダ(き ゅ う り30g,レ タ ス
8g,み か ん 缶,和 風 ド レ ッ シ ン グ18g, グ リ ー ン ア ス パ ラ ガ ス2本)
豆 昆 布(豆 昆 布60g) ア イ ス ク リ ー ム1パ ッ ク 間 食:
牛 乳200cc
ア イ ス ク リ ー ム1パ ッ ク タ 食:
稲 荷 寿 司(寿 司 米,油 揚1枚,白 胡 麻1g) の り巻(ね り梅25g,桜 田 麩8g,厚 焼 卵 1/15枚,キ ュ ウ リ10g,焼 の り,干 し 椎 茸2g,干 瓢1、5g甘 口 が り)
吸 物(魚 そ う め ん6g,根 三 つ 葉15g) 炒 め 物(牛 ス ラ イ ス100g,ト マ ト25g, ク レ ソ ン1本)
野 菜 炊 き 合 わ せ(里 芋40g,冬 瓜20g, 人 参15g果 物(み か ん 缶)
以 上 の 献 立 は 予 定 通 り 実 施 さ れ た が,0‑
157の 予 防 対 策 で サ ラ ダ の よ う に,本 来 生 で の 調 理 は 今 回 す べ て 火 を 通 し て の 調 理 に な っ
た。 一 日 目 の昼 食 は予 備 調 査,夕 食 か ら本 調 査 と し,第3日 目の 昼 食 まで の 丸 二 日 間 の 実 測 値 を も と に集 計 を行 っ た。
③ 栄 養 計 算 結 果 に つ い て
残 査 測 定 を行 い,栄 養 計 算 ソ フ ト 「健 康 くん 」 を 用 い て 行 っ た 結 果 は 表 一2の 通 りで あ る 。 ま た,エ ネ ル ギ ー 量 につ い て 年 齢 分 布 に 応 じ て あ らわ した もの が,表 一3で あ る。 調 味 料 の測 定 は献 立 中 に は表 示 され て い な い が,調 理 担 当 者 か ら 配 合 確 認 を し,計 算 を 行 っ た 。 若 干 測 定 不 可 の もの が あ る た め,そ れ ら を考 慮 す る と表 に お け る値 よ りは少 し高 い と考 え られ る が,お お む ね うす 味 で あ る の で ほ ぼ こ の値 に 近 い とみ て 差 し支 え ない と考 え る。 そ の結 果,年 齢 区 分 にお け る エ ネ ル ギ ー摂 取 量 の差 異 は認 め られ な か っ た 。 ま た,性 別 に よ るエ ネ ル ギ ー摂 取 量 は栄 養 所 要 量 基 準 値 と比 較 す る と い ず れ も100か ら200Kcal程 す くな か っ た 。 調 査 対 象 者 の年 齢 ・性 別 に よる 平 均 体 重 は基 準 値 に 比 較 して わ ず か に低 か っ た が, そ の差 をエ ネ ル ギ ー 摂 取 量 の 差 の理 由 に は 出 来 な い と考 え る 。 そ して 車椅 子 で の生 活 で あ る こ と,園 内 で の 行 動 範 囲 が 限 られ る こ とが こ の差 を生 じて い る と考 え られ る の で,エ ネ ル ギ ー 量 が 基 準 値 に比 して 少 な い傾 向 で はあ るが,ほ ぼ適 正 値 で あ る とい っ て さ しつ か え な い と思 わ れ る 。
そ の他 の 栄 養 摂 取 量 に性 別 に よ る顕 著 な 開 きは見 出 さ れ な い 。 強 い て あ げ る と ビ タ ミ ン Aで あ るが,残 査 量 が 男 性 の 方 が 少 な い こ と が,こ の 結 果 とな っ て い る 。 す な わ ち女 性 に お け る残 査 内容 に は緑 黄 色 の 野 菜 が 多 い 傾 向
に あ る こ とが わ か る 。
④ 職 員 に つ い て
女 性20名 と男 性4名 の計24名 の 協 力 を得 ら れ た 。そ の う ち 女 性6名 と男 性1名 は ホ ー ム ヘ ルパ ー で あ る 。
測 定 内容 は 身 長 ・体 重 よ りBMI値 。 体 脂
表 一2栄 養 摂 取 状 況(1日 平 均 値)
男性 女性 1全 体
N 17 49 66
エ ネ ル ギ ーKcal 949.6 832.6 891.1 タ ンパ ク 質9 36.3 30.5 33.4
脂質9 18.4 16.8 17.6
糖質9 185.2 136.7 160.9
繊維9 【 エ96 1.7 1.8
食物繊維g 4.62 4.1s 1.40 カ ル シ ウ ムmg 266.1 251.8 258.9
鉄mg 6.06 4.97 5.51
食塩9 2.7 2.47 2.58
ViAIU 9155 7028 8091
Bmg 0.57 0.48 0.52
Bzmg 1.04 0.85 0.94
Cmg 45.12 39.86 42.49
Emg 3.21 2.71 2.96
表 一3年 齢 別 エ ネ ル ギ ー 摂 取 量
年齢区分 男性 女性
60〜64歳 1,046Kca1 1,317Kca1
65‑79 983 1,147
80〜 923 1,063
名 と少 ない た め比 較 す る の は 無 理 と思 わ れ る が,対 象 グ ル ー プの 男 性 値 と比 較 す る と ほ ぼ 同様 の 傾 向 を示 した こ とか ら表 や 図 に 取 り込 ん で 表 して あ る 。 全 体 的 に男 性 よ り も女 性 の 方 が 意 識 して食 事 の 取 り方 を工 夫 して い る と い う こ とが 伺 え る と 同時 に 知 識 や 関心 度 が 高 い と推 察 され る 。 そ して,特 別 に 陽光 園 の方 達 と対 象 グ ル ー プ との 差 異 は 認 め られ なか っ た。
表 一4‑1陽 光 園 の 調 査 結 果
1男 性 女性
体脂肪率 17.0 24.6
BMI 22.3 21.2
意識調査点 65.5 71.5
N 4 20
表 一4‑2対 象 グ ル ー プ の 調 査 結 果
男性 女性
体脂肪率 19.7 24.7
BMI 24.3 20.9
意識調査 点 64.8 71.3
N 23 33
*BMI:BodyMassIndexの 略
*BMI=体 重(Kg)/身 長 の2乗(m)
肪 計 測 値 に よ る 体 脂 肪 率 。 食 生 活 意 識 調 査 ア ンケ ー トの 聞 き取 りを行 っ た 。 ま た ホ ー ム ヘ ルパ ー7名 の 方 に カ ロ リ ー カ ウ ン タ ー に よ る 歩 数 記 録 調 査 を行 っ た 。
比 較 対 象 と して 学 校 職 員 に つ い て の 記 録 を 用 い た 。BMI値 と食 生 活 意 識 ア ン ケ ー トの 意 識 点 を 表 一4に 示 した 。 食 生 活 意 識 ア ンケ ー トの 意 識 点 とは 望 ま しい と思 わ れ る項 目 を 5点 〜1点 と して 計 算 した もの で あ る 。
例 え ば 「牛 乳 を飲 む 」 とい う項 目 で毎 日飲 む は5点 。 厂お 酒 を 飲 む か 」 と い う項 目の 場 合 毎 日飲 む は1点 計 算 と した。 す な わ ち 望 ま しい と思 わ れ る項 目が 多 い 者 ほ ど点 数 が 高 く な る。 意 識 点 の 平 均 を見 る と女 性 の 方 が 高 い 値 を示 した 。 調 査 対 象 者 が 陽 光 園 の 男 性 は4
次 に ア ン ケ ー ト内 容 項 目別 に み る と 図 一1, 2の よ うで あ っ た。
1,卵 の摂 取 につ い て は対 象 グ ル ー プ の女 性 と陽 光 の 園 の 女 性,男 性 が ほ ぼ 同 値 で 対 象 グ ル ー プ の 男 性 が わ ず か に 低 い 値 を 示 し た が,
4者 の 差 は0.5ポ イ ン ト と わ ず か で あ っ た 。 す な わ ち卵 は 比 較 的 よ く意 識 して 摂 取 さ れ て い る と考 え られ る。
2,緑 黄 色 野 菜 は4者 と も に3.5ポ イ ン ト以 上 を 示 し,特 に 両 女 性 は4ポ イ ン ト と高 い 。
この 値 は予 想 外 で あ っ た の で緑 黄 色 野 菜 の効 用 が 女 性 に は か な り浸 透 し て い る と考 え られ
る 。
3,牛 乳 に つ い て み る と対 象 グ ル ー プ の 男 女 性 が 共 に低 く,陽 光 の 園 が3ポ イ ン トを上 回
卵 牛 乳
※アル コー ル
※甘 い飲 料
※動物 脂 芋 類 その他 の野 菜 緑黄 色野 菜 咀嚼回 数 好 き嫌 いの有 無 外 食(夕 食)
朝 食 の有 無 食事 回 数
靉 事務 女性
■ 事務 男性
□ 陽光園 女性 囲 陽光園 男性
0.00.51.01.52ρ2.53 .()3.54.04.55.0
点 数
図1対 象 グ ル ー プ と 陽 光 園 の 食 事 意 識 調 査
卵 牛 乳
※アル コ ール
※甘 い飲 料
※動物 脂 芋 類 その他 の野 菜 緑黄 色野 菜 咀 嚼回 数 好 き嫌 いの有 無 外 食(夕 食)
朝 食 の有 無 食事 回 数
鬮 女性
□ 男性
0.00.51.01.52.02。53 .()3.54.04.55.0
点 数
図2陽 光 園 の 食 事 意 識 調 査
って い た 。 原 因 は この ア ン ケ ー トか らは わ か ら な い 。
4,ア ル コ ー ル は対 象 グ ル ー プ の 男 性 が 目立 って 低 く,憂 慮 す べ き点 で あ る。
5,甘 い 飲 料 に つ い て は 陽光 の 園 の 男 性 が 低 い 値 を 示 した。
6,食 習 慣 上 の 意 識 をみ る と,好 き嫌 い は 全 体 的 に あ ま り見 られ ず,夕 食 の摂 取 も高値 を 示 して い る の で 望 ま しい 点 数 で あ っ た。 しか し,朝 食,食 事 回 数 につ い て は 陽 光 の 園 の 男 性 が 低 い 値 を示 した 。 改 善 され る こ と を望 む
も の で あ る。
咀 嚼 回 数 は現 実 に どの 位 噛 ん で い る か を示 す もの で は な く,本 人 の 自覚 で あ る が 良 く噛 ん で食 べ る こ とが 望 ま れ る 。全 体 的 に 良 く噛 ん で い る とい う意 識 が 低 い傾 向 に あ る 。 特 に 陽光 の 園 の男 性 は余 り噛 ま な い とい う意 識 で 食 事 を 行 っ て い る。 生 活 習慣 上,忙 しい 生 活 は食 事 も落 ち着 い て 食 べ られ ない 状 況 が 増 え る と思 わ れ る が,健 康 維 持 の た め に も よ くか む習 慣 が 望 まれ る。
最 後 に 「陽 光 の 園 」 の男 女 別 食 事 意 識 調 査 の結 果 を グ ラ フ ー2に 示 した 。
男 性 が 女 性 よ りも高 い値 を示 した項 目 は好 き嫌 い の 有 無 と外 食(夕 食)で あ っ た 。 反 対 に女 性 の 場 合 は 動 物 脂 肪,咀 嚼 回数,朝 食 の 有 無,食 事 回 数 で あ っ た 。 両 者 に あ ま り差 が 見 られ な か っ た 項 目 は卵,牛 乳,ア ル コ ー ル, 芋,そ の他 の 野 菜,緑 黄 色 野 菜 で あ った 。3
ポ イ ン トを平 均 値 と して見 る と咀 嚼 回 数,甘 い飲 料 の 項 目 につ い て男 性 の 意 識 が低 い の で, 今 後 意 識 を 高 め,よ く噛 む こ と と甘 い 飲 料 を 控 え め にす る こ とが 望 ま れ る 。
⑤ ヘ ル パ ー の 方 の 歩 数 に つ い て
今 回7名 に つ い て カ ロ リー カ ウ ン ター つ け て い た だ い て測 定 を行 っ た 。 そ の結 果 は表 一 5で あ る。 全 体 で最 高 歩 数 は27907歩,最 小 が10872歩 で あ っ た 。 そ の 差 は17000歩 と か な りの 差 が 見 られ た 。 そ れ に して もす べ て 一
万 歩 以 上 で あ り,ヘ ルパ ー の 仕 事 は 歩 数 が 高 い職 業 で あ る こ とが わ か る 。 この 対 象 者 の体 脂 肪 率 は14.1〜23.8で あ り,ど ち らか とい え ば痩 せ が た で あ る。 よ く動 く こ と が体 脂 肪 率 を 下 げ て い る と思 わ れ る。
14.1の 体 脂 肪 率 は 低 す ぎ る の で 食 事 や 睡 眠 で も う少 し上 げ る こ とを 望 む 。 今 回 は 対 象 者 が 少 な か っ た の で 結 果 を示 す に留 め て お く。
表 一5歩 数 結 果(平 均)
No. 1万 歩 計結 果 体脂肪率
1 11123 23.8
2 14537 23.7
3 18034 14.1
4 18757 26.1
5 19212 21.2
6 21700 21.1
7 22919 19.0
最 高27907 最 小10872
1>'ま と め
特 別 養 護 老 人 ホ ー ム の 入 園者 とそ の介 護 に あ た る職 員 を対 象 に食 事 摂 取 内容 調 査(前 者)
と食 事 意 識 調 査 ア ンケ ー ト,体 脂 肪 率 測 定, カ ロ リ ー カ ウ ン タ ー 測 定(後 者)を 行 っ た 。 そ の 結 果 以 下 の 結 論 を 得 た 。
1,入 園 者 の エ ネ ル ギ ー摂 取 量 は 男 性949.6 Kcal,女 性832.6Kcalで あ っ た 。
2,入 園 者 の女 性 は 緑 黄 色 野 菜 の 残 査 値 が 高 い 傾 向 が み られ た 。 職 員 に お け る女 性 は 野 菜
を重 要 視 して い る の と対 称 的 で あ っ た 。 3,職 員 の 体 脂 肪 率 は 男 性17.0,女 性24.6で あ っ た 。 食 事 意 識 調 査 で は女 性 の ほ うが 男 性
よ り6ポ イ ン ト高 い 値 を示 した 。 対 象 グ ル ー プ もほ ぼ 同 様 の傾 向 に あ っ た 。 従 っ て男 性 よ り女 性 の 方 が 食 事 内 容 の 意 識 ・認 識 が 高 い 。 4,男 性 は女 性 に 比 較 して好 き嫌 い が 少 な く, 外 食(夕 食)が 少 な か った 。
5,全 体 と して は 男 性 の 咀 嚼 回 数,甘 い飲 料
の 摂 取 が平 均 値 を 下 回 っ た。
お わ り に
本 研 究 は 平 成8年 度 の 共 同研 究 費 に よ り行 っ た もの で あ る。
長 寿 会 理 事 で あ り,本 学 の 非 常 勤 講 師 の 荻 昌 朗 先 生 に は 長 寿 会 で の 調査 の仲 介 を して い た だ き,そ の 要 請 に快 く許 可 を くだ さ い ま し た 長 寿 会 理 事 長加 藤 泰 純 氏,陽 光 の 園 園 長加 藤 洋 子 氏,ま た本 調 査 に積 極 的 に御 協 力 下 さ
っ た 陽 光 の 園 ス タ ッ フの 皆 様,入 園 者 の皆 様 に心 よ り深 く感 謝 い た し ます 。
本 報 告 の 一 部 は 第5回 日本 健 康 体 力 栄 養 研 究 会 に て報 告 を行 っ た。
参 考 文 献
1)渋 谷 梢 ・大 久 保 洋 子 ・長 尾 慶 子 ・山 本 文 乃:文 教 大 学 女 子 短 大 紀 要,40,89‑97, (1996)
2)長 尾 慶 子 ・渋 谷 梢 ・大 久 保 洋 子:文 教 大 学 女 子 短 大 紀 要,41,71‑77,(1997)
3)相 良 多 喜 子:日 本 栄 養 改 善 学 会 公 演 集,42, 112,(1995)
4)井 川 聡 子 ・他:日 本 栄 養 改 善 学 会 公 演 集, 44,211,(1997)
5)田 中 弘 之 ・松 岡 綾 子:日 本 栄 養 改 善 学 会 公 演 集,44,235,(1997)