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儲かる農業の実現
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1 活動のねらい
水稲は、管内における主要な品目ですが、近年、米価の低迷が続く一方で、湿田が多 く水稲以外の品目の作付けが難しいといった状況にあります。そこで、地域の水田営農 の担い手でありリーダーの集まりである延岡地域稲作研究会を対象に、水稲の食味・品 質の向上や新しい転作品目である飼料用米の導入拡大を目的として、実証ほの設置及び 研修会の開催等による支援を行いました。
2 活動の経過又は普及の関わり
延岡地域稲作研究会は、平成 18 年に「高品質・良食味米の安定生産」と「単位収量 向上」による所得向上を目的に、JA延岡を中心に延岡地域の生産者リーダーと関係機 関の連携のもと発足しました。会員が技術員会の実証ほや展示ほの設計段階から検討に 加わるとともに、新しい技術の導入に主体的に取り組んでおり、晩生品種や高温耐性品 種の導入、気象災害に強い米づくり、飼料用米多収品種の検討等について、普及センタ ーでは、発足時から事務局として活動支援を行ってきました。
⑴ 主食用米「ヒノヒカリ」の食味及び品質の向上に向けた取組 ① 食味向上(平成 27 年∼)
食味の向上に効果が期待される適期中干しやケイ 酸質資材の追肥について、土壌診断及び生育診断に 基づく実証ほを設置しました。現地検討会では設置 会員以外も参加して、一体的な検討を行い、結果や 今後の活用についても技術員会と研究会合同で検討 を行いました。また、他産地の良食味米生産の情報 収集と、会員の食味向上に対する意識の啓発のた め、日本穀物検定協会が実施する全国食味ランキン グにおいて最高評価「特A」を取得したえびの市や 熊本県菊池市の取組について視察研修を行いまし た。
② 品質向上(平成 29 年∼)
平成 28 年度は出穂期の高温により乳白米・心白 米が多く発生して上位等級比率が低下したことか ら、平成 29 年には品質向上対策として、適正な移
植時期や施肥・水管理等について栽培講習会を開催しました。また、品質向上展示 ほを設置し、基本的な栽培管理に加え登熟向上に効果のある資材の検討を行いまし た。
現地検討会の様子
生産者と関係機関合同で検討 東臼杵北部農業改良普及センター
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⑵ 飼料用米の導入拡大及び低コスト・多収の取組(平成 27 年∼)
飼料用米については、規模拡大に当たっての作期分散を目的として近年導入されて きましたが、導入当初は反収が低く、収量の向上が課題でした。平成 26 年度までの 品種比較検討の中で選定された多収品種「ミズホチカラ」の導入推進・普及に向けて 講習会等で品種特性の周知を行いました。収量向上については追肥重視の多肥栽培の 実証ほを設置し、同時にコスト低減対策として栽植密度を 15%ほど下げた実証を行 い、現地検討や実績の検討を進めました。
3 活動の成果
⑴ 主食用米「ヒノヒカリ」の食味及び品質の向上 ① 食味向上
基本的な栽培管理や、ケイ酸質資材についての 有用性に対する理解が進み、ケイ酸質資材の利用 が増加しました。食味向上技術についても意識が 高まってきており、平成 29 年産米では、会員の 生産した米の食味が県の審査で評価され、一般社 団法人日本穀物検定協会の「特A」ランキング審 査への初めての出品が決定しました。
② 品質向上
品質については、栽培技術向上への積極的な取組により、平成 29 年産の「ヒノ ヒカリ」上位等級(1 等米・2 等米の計)比率が地域に比べ 2.1%上回りました。 ケイ酸質資材の利用促進も、品質向上につながったと考えられます。
⑵ 飼料用米の導入拡大及び低コスト・多収の取組
「ミズホチカラ」の導入が進むとともに、追肥重視の多肥栽培による収量の向上と、 疎植栽培によるコスト低減効果が確認されました。結果を会員に波及させることでこ れらの技術の導入が進み、栽培面積が拡大し収量も向上しました。また、地域全体に 技術が波及することにより、栽培面積の拡大、収量向上につながっています。
平成 29 年度にはこれらの取組が評価され、延岡地域稲作研究会は「宮崎日日新聞 農業技術賞」を受賞しました。
平成 27 年度 平成 28 年度 平成 29 年度 ヒノヒカリ上位等級比率 97.7 (92.3) 72.4 (77.3) 87.4 (85.3) 飼料用米栽培面積(ha) 52.1 (94.2) 63.7 (113.3) 72.6 (127.0) 飼料用米 10a あたり生産量(kg/10a) 籾 623(籾 569) 籾 666(籾 628) 集計中
表 延岡地域稲作研究会の実績 ※( )は延岡市全体の数値、上位等級は 1 等及び 2 等
4 今後の方向
今後も関係機関と連携しながら、水稲の食味・品質向上に向けた支援を行います。 加えて、飼料用米などの新規需要米の導入と作期の分散、畦畔管理の省力化といった、 水田営農を維持するための取組を支援します。
5 対象集団又は対象農家の声
技術員会と生産者が一体となって、課題解決に取り組むことにより「延岡の稲作には 活気がある」と産地の自信につながっています。また、「こういう試験に取り組みたい」 といった生産者の試験要望など、高品質米生産への意欲はますます高まっています。