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講演内容 平成28年度県外研修:熊谷市ホームページ

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(1)

平成28年10月26日

燕市吉田産業会館 にて

燕市吉田産業会館での研修風景

平成28年10月26日、自治会長174名が参加し、熊谷市自治会連合会 県外研修が行われました。

今回の研修は「 笈 おい

ケ が

島 しま

自主防災組織地区防災計画策定の取組に学ぶ」をテー マに、

Ⅰ「燕市の自主防災組織への活動支援策について」

燕市 総務部 防災課 防災対策係長

渡邉 徳昭 様

Ⅱ「笈ケ島自主防災会地区防災計画策定の取組」

笈ケ島自主防災会 前会長

藤井 秀人 様

の御講演をいただきました。

(2)

講演内容

Ⅰ 燕市の自主防災組織への活動支援策について

燕市総務部防災課

渡邉 徳昭 様 による講演

はじめに

燕市にようこそお越しくださいました。燕市は比較的災害が少ない地域で、

自慢できるような取組はないと思いますが、少しでも皆様の参考になれば幸い

です。

燕市で予測される災害について

燕市で予測される災害として、ま

ずは、地震があります。この近くに

は、国上山から弥彦山を通り佐渡沖

に至る長岡平野西縁断層帯が走っ

ています。東北北陸エリアで最大の

もので、大地震発生確率は30年で

2%と言われています。また、この

断層帯の海側で地震が発生すると、

津波が発生し、大河津分水路を遡上

してくる危険性もあります。

風水害関係では、大河津分水路の

堤防が破堤すると、未曽有の被害が

発生すると考えられます。また、豪雨により国上山で土砂災害が発生する危険

性もあります。

この他にも、大規模火災、雪害、大規模停電や北朝鮮からのテロ行為、柏崎

刈羽原発の事故(市内の一部がUPZ:緊急時防護措置準備区域の圏内である)

等が想定されます。

近年の燕市の主な被災状況

新潟は災害が多いイメージがあると思いますが、幸いなことに県内の他市と

比較すると、燕市は大きな自然災害による被害が少ない地域です。

平成16年には「7.13水害」という大きな水害がありました。隣の三条市では

多くの被害が発生した災害でしたが、市内では床上浸水 3、床下浸水 25、非住

(3)

※新潟県平均83.1%(H28.4.1) 全国平均81.0%(H27.4.1)

※28年は申込者数

※26年から全市一斉訓練開始 ※27 年 か ら シ ェ イ ク ア ウ ト 導 入 し、誰でも参加できるよう工夫

また、平成16年に「中越地震」、平成19年に「中越沖地震」が発生しました

が、市内では震度5強が最大の揺れでした。2名の方が亡くなり(震災関連死)

家屋の被害も出ましたが、震源地と比較すると被害は小さいものでした。

平成23年には「平成23年7月新潟福島豪雨」がありましたが、被害は床下

浸水までで、床上浸水の被害はありませんでした。平成24年に「爆弾低気圧に

よる暴風」がありましたが大きな被害はなく、平成26年には「台風の影響によ

る土砂災害の危険」があり燕市として初めて避難勧告を発令しましたが、被害

はありませんでした。

燕市の現状について

燕市民の防災意識は低い状態だと考えられます。これは被災経験が少なく、

燕市は安全という錯覚があるからだと思います。実際には、行政が全て対応す

ることは困難です。特に突発的に発生する地震などでは、行政がすぐに対応す

ることはできません。自分の命は自分で守るという考え方が原則です。

市の職員の災害対応能力も低い状態だと考えられます。職員の若返りで被災

経験が少ない職員が増加していることがその原因の一つです。また、東日本大

震災を契機に防災課という防災専門の部署を独立させましたが、災害対応は防

災課がやってくれるだろうという甘えもあるのだろうと思います。

このような現状を受けて、市民向けには、防災講習会や防災訓練等により防

災意識向上の啓発や自主防災組織結成促進の取組を実施しているところです。

また、職員向けには、図上訓練やHUG(避難所運営ゲーム)等で防災対応力の

向上を図っています。また、新潟大学災害・復興科学研究所と「防災まちづく

りに関する協定」を締結し、階層別に職員講習会を実施しています。さらに、

自衛官 OB を任期付き職員として雇用し、災害対策全般について指導を受けて

います。大学の先生や自衛官 OB が住民に対して講習会で説明することがあり

ますが、市職員とは説得力が違い、住民の反応がとても良いようです。

自主防災組織結成率は以下のとおりです。年々増加していますが、県内の平

均を下回っています。また、総合防災訓練の参加者数が徐々に増えていること

から、市民の防災意識も高まってきていると考えられます。

<自主防災組織結成率の推移>(各年4月1日現在)

(4)

自主防災組織への活動補助金について

(1)地域防災活動推進事業補助金

地域の防災活動に対する補助金で、防災訓練に要する消耗品や燃料費、研修

会や講習会の講師謝礼、防災マップづくりの印刷費などが補助対象になります。

補助対象経費の1/2が交付額で、各年度2万円が上限です。平成27年度は27

団体、534,000円を交付した実績があります。防災意識の高まりを受けて、活用

する団体は増加しています。

(2)自主防災組織資機材補助金

テントやリヤカーなどの資機材の購入経費を補助しています。補助対象経費

の 1/2 が交付額で、限度額 20 万円・1 回限りの補助金です。平成 27 年度は3

団体530,000円の交付実績があります。

燕市総合防災訓練について

燕市総合防災訓練を毎年7月第一日曜日に開催しています。(全体の流れは下

の図のとおりです。)

シェイクアウト訓練から始まり、情報収集訓練に移ります。災害時は自分か

ら情報を収集する姿勢が重要です。燕市では、7種類の情報伝達手段を使用し訓

練しています。また、総合防災訓練に合わせて、個別に独自の訓練を実施する

ようにお願いしています。市では、独自訓練の事例集の配布や自治会ごとの個

別説明会を開催し、活動を支援しています。

さらに、避難誘導訓練、避難所設置運営訓練や初期消火訓練(一部避難所の

(5)

燕市防災リーダー養成講座について

防災リーダー養成講座を平成24年度から始めました。自主防災組織を結成し

たが、どんな活動をしてよいか分からないという団体に対し、外部講師を招き

講習会を開催しています。1組織から1名を参加対象とし、組織を代表して参

加していただくことを原則としています。これは、受講後に地域の防災活動に

活かしていただくことを目的としているためです。

活動は年4回+オープン講座1回で、1回3時間

程度(土曜日の午前中)という構成です。今年度は

小学6年生が主体の防災キャンプも実施しました。

オープン講座とは、受講生以外でも公聴できる講

座で、毎年 130 名程度が参加しています。良い事

例を市内に広めることを目的に、講座受講生(3団

体程度)が講座で学んだことを活かした自地域での

防災活動を報告します。

この取組を実施したことで、独自の防災活動を行

う団体が増えました。しかし、受講して終わりの団

体も多く、進んでいる団体との差が開くばかりです。

市としては、講座修了生をフォローできるように横

のつながりを持続させるような団体の結成を検討中です。

講座は2ヶ年でセットとなっており、講義・視察・ワークショップ(マップ

(6)

地区防災計画策定の支援について

地区防災計画とは、平成25年の災害対策基本法の改正により創設され、地区

居住者等により自発的に行われる防災に関する計画のことです。各地区の特性

や想定される災害等に応じて、多様な形態をとることができ、内容は地区居住

者等が自由に決めることができます。笈ケ島自主防災組織では、平成26年度の

内閣府のモデル事業として地区防災計画策定に取組み、防災マップという形態

で作成しました。

大災害が発生すれば、自主防災組織や地元の商店・企業が被災直後から様々

な場面で機敏に支援活動を展開します。一つの災害でも、地域によって事前の

対策や被災後の対応は異なります。地区防災計画では、地域の実情に合わせた

「フレキシブル」な計画が作成でき、必要に応じて行政の地域防災計画に位置

付けが可能になります。

自主防災組織への窪地マップの提供について

窪地マップとは、地域の高低差を色付けし、「見える化」した地図です。

色 付 き の 部 分 は

周囲より低く、水が

た ま り や す い 場 所

と い う こ と が 分 か

ります。

燕市では、国土地

理 院 基 盤 地 図 情 報

を 活 用 し て 作 製 し 、

自 主 防 災 会 へ 最 大

A 0 判 を 無 償 で 配

布しています。

窪地マップは、冠

水 し や す い 場 所 が

見 た 目 で す ぐ 分 か

り、雨天時の注意箇

所 や 避 難 経 路 の 検

討に役立ちます。目

新 し い も の な の で 、

自 主 防 災 会 が 興 味

を持ちやすく、地域防災活動に取組むきっかけにもなります。 地域の高低差を色付けし「見える化」。色が付 いている部分は、周囲より低く、水がたまりや すい場所ということが分かる。

・当該地区が地図の中央に配置される。

・自治会境界線、避難場所、ランドマ

(7)

燕市の災害時における住民への情報伝達手段

災害時は情報が重要になります。自治会長は情報を入手して、会員に流す役

割もあると思いますが、まずは自ら情報を入手しようとする行動が重要です。

燕市では、緊急時に防災無線を活用してサイレンを鳴らすので、サイレンが聞

こえたら、FMラジオや市ホームページ等を活用し情報を入手するようお願いし

ているところです。

まとめ

地域の団結力が地域の防災力につながります。災害に強いまちづくりをとも

(8)

Ⅱ 笈ケ島自主防災会地区防災計画策定の取組

笈ケ島自主防災会

前会長 藤井 秀人 様 による講演

はじめに

本 日 は 、 こ の よ う な 場 を 設 け

ていただき ありがと う ございま

す。本年も 地震や台 風 の被害が

あり、日本 国内で安 全 な場所は

ないと言わ れていま す 。本日ご

出席の皆様 におかれ ま しては、

積極的に防 災を学び 、 地域のた

めに災害対 応に取り 組 もうとい

う姿勢に敬意を表します。

私の出身 は旧分水 町 で、明治

29年(1896年)に発生した「横

田切れ」の地点から1kmほどの

自治会に生まれました。「横田切

れ」とは、今から120 年前に発

生した大水 害です。 浸 水は、破

堤地点から 40km ほど離れた地

点(現在の 新潟駅付 近 )まで及

び、浸水家屋60,621戸、冠水田

畑58,254ha(東日本大震災によ

る津波浸水区域の倍以上の広さ)、死者 43 名の被害がありました。そして、こ

の大災害がきっかけとなり、大河津分水路が完成し、それ以降は大きな災害は

発生していません。

笈ケ島自主防災会の概要

(1)燕市について

燕市は、越後平野のほぼ中央に位置し、信濃川・大河津

分水路、信濃川の分流である中ノ口川・西川に沿って形成

されています。北陸自動車道三条燕 IC や上越新幹線燕三

条駅があり、交通網が充実しています。ものづくりのまち

として有名で、金属加工技術は世界に誇れるものです。ま

た、観光面では、4 月に大河津分水路で行われる「分水お

(9)

(2)笈ケ島自治会について

笈ケ島自治会は、人口688 名、

209世帯、面積約1.01㎢の自治会

です。燕市の南西に 位 置し、大河

津分水路と信濃川に 挟 まれた場所

に立地しています。 大 河津分水路

の恩恵により、外水 被 害は発生し

ていませんが、万一 、 河川が氾濫

した際には大きな被 害 が予想され

ます。その際は、燕 市 だけにとど

まらず広域的に被害 が 発生するこ

とから、市町村を超 え た避難計画

の策定が必要である と 感じていま

す。

(3)過去の災害と近年の状況

大河津分水路の恩恵により、外水被害は発生していま

せんが、2011年の新潟・福島豪雨では、越水ぎりぎりの

水位となりました。笈ケ島地内では、道路冠水などの内

水被害が発生しました。

また、近年は住宅の造成により田畑が減少し、排水の

逃げ場が無くなってきています。一昔前には発生しなか

った道路冠水が多発しているのが現状です。いざという

時のための避難路や避難場所を確保する「地域の避難計

画」の策定が急務の状態です。

笈ケ島「地区防災計画」策定

(1)これまでの笈ケ島の防災活動

笈ケ島自主防災会は、平成21年3月1日に結成しまし

た。これまで、大河津分水路の破堤に備え、消防団と連携

し、年1回の避難訓練を実施しています。誘導に必要なの

ぼり旗、発電機、テント、ミニ照明機などの防災資機材も

整備し、避難訓練で使用しています。資機材は普段の訓練

で使用できて、はじめて災害時に使用できるようになると

思います。特定の人間だけでなく、地区の多くの人が使用

できるよう心掛けています。

(10)

また、排水路の草刈りやゴミ拾いも実施しています。排水路にゴミや草があ

り、水の流れが悪くなると、内水被害の発生につながります。この活動を実施

することで、道路冠水などの内水被害を防ぐことができました。地域コミュニ

ティの普段の活動が、結果として防災活動につながった良い例だと思います。

上の写真は、左側<before>が平成16年の7.13水害当時のものです。樹木や

草木が障害になり、水がはけない状況でした。私が自治会長になって初めて行

ったことが、水路脇の樹木の伐採と水路内のゴミ拾いでした。右側<after>が

会長就任後に継続的に活動した後の状態です。

(2)「燕市防災リーダー養成講座」への参加

私自身、4年間「燕市防災リーダー養成講座」へ参加し、地域防災の重要性を

再認識しました。平成26年度の講座では、地域の防災マップづくりを学習する

内容でした。講座修了後には、フォローアップとして講師の方が地域に入り、

防災マップづくりを支援する体制になっていました。笈ケ島自治会は防災マッ

プづくりに手を挙げ、防災マップづくりを基に、地区防災計画の策定を始めま

した。

(3)活動スケジュール

活 動 ス ケ ジ ュ ー ル は

右のとおりです。平成26

年度には、内閣府の「地

区防災計画モデル事業」

の募集があり、応募した

ところ、全国 15 地区の

モ デ ル 事 業 の ひ と つ に

採択されました。平成27

(11)

年 3 月には、取組事例を国連世界防災会議「地区防災計画フォーラム」で発表 しました。

活動の進め方ですが、毎晩集会所に集まり会議をするというようなきっちり

したスケジュールではなく、無理のない範囲で活動することを心がけました。

防災というと重く考えがちですが、「何かのついでの防災活動」、「楽しむ要素を

入れる」ということを心がけることが、活動を長続きさせる秘訣だと思います。

講師からも「ついでの防災」「生活防災」ということを学びました。

(4)地域のワークショップの様子

地域でのワークショップは平成 26 年 12 月と平成

27 年 1 月の 2 回開催しました。地域の集会所である

笈ケ島ふれあい会館に地域住民が集まり、市の防災課

職員も参加しました。

具体的な作業ですが、A0 判の白図に大雨が降ると

冠水する箇所を落としこんでいきました。また、被害のなかった場所や冠水時

の水の流れなどの聞き取りも行いました。取りまとめは防災リーダー養成講座

担当講師が行い、暫定版のマップを完成させました。

(5)ワークショップで工夫した点

①笈ケ島が中心となる地図を用意

→これまでの燕市の白図は、市全体を格子状に切り分けたもので、必ずしも燕

市が中心ではありませんでした。自分たちの地域が地図の中心にくると、と

ても見やすい地図になります。

②白図には標高点が入っており、窪地が「見える化」

→低い部分が色づけされているので、周囲と比べて低い場所・冠水しやすい場

所が一目瞭然で分かります。参加者から過去の冠水箇所の聞き取りを行いま

したが、その内容とも一致していました。

③自治会役員だけでなく若手消防団も参画

→経験豊富な知識を有する世代(=自治会役員)だけでなく、災害の時に現場

で対応する実行部隊(=30代前後の若手消防団)もワークショップに参加し

ました。若手消防団からの意見も取り入れ、消防団のやる気にもつながりま

した。

④他の情報を追加

→防犯灯、防火水槽、消火栓の位置も地図に盛り込みました。一枚のマップで、

(12)

◎ワークショップで作成した地図

第2回

ワークショップ

(13)

計画策定中に見えてきた笈ケ島の防災の課題

(1) 避難場所の不足

笈ケ島自治会内の市指定避難場所は県立高校と市立保育園ですが、保育園は

平屋建てで水害時に使用することはできません。県立高校は3階建てですが、

市のハザードマップによると、1・2 階部分まで浸水すると想定されており、使

用できるのは 3 階部分だけです。平日に高校生がいる状態では、住民を収容で

きるか疑問が残ります。

◎避難場所不足の解消法

そこで、要援護者が優先的に避難できる場所として、地域内にある 3 階建て

の「福祉施設」(市指定避難場所隣)に着目しました。一般住民の避難場所とし

ては、お隣の自治会に立地し、地域の中央から徒歩10分の地元企業に着目しま

した。その企業は、年間数日を除き24時間稼働しています。地上3階建てと同

程度の高さで、500人収容できる体育館を所有しています。

お隣の自治会も交えて、『洪水災害時における緊急避難場所の利用に関する覚

書』の締結に向けて協議を開始したところ、企業側も地域の住民の安全が第一

という姿勢であり、自治会と企業で覚書を締結することができました。

(2)自治会の分断

自治会を国道 116 号

が分断しており、最寄り

の 市 指 定 避 難 場 所 も 異

なっています。いざ避難

行 動 が 必 要 に な っ た時 、

ま と ま っ た 避 難 行 動 が

で き る の だ ろ う か と い

う不安があります。

◎地域の分断の解決方法(思案中)

住民は今まで大きな災害にあったことがなく、特に国道の北側の地域は新興

住宅が主で、地域の事情がわからない部分もあることから、まずは防災意識を

高めるため、防災マップを活用した訓練を地道に実施しています。また、分断

した北部の住民が避難する場所では、他所の自治会と一緒の災害対応になるは

ずです。したがって、もっと広域での防災連携が必要になります。そこで、隣

接する4自治会と「防災・防犯・消防」について意見交換を始めました。自治

会ごとに活動への温度差があるのが現状ですが、近隣の自治会との連携は、活

動範囲が複数の自治会のエリアにまたがる消防団の活動の向上にもつながるは

(14)

今後のロードマップ

笈ケ島防災マップの配布

(1)防災マップの住民説明会

作成した防災マップのことをよく知ってもらおうと、平成27年8月に住民説

明会を開催しました。参加者は自治会役員、老人会、子ども会、消防団の皆さ

んで、防災リーダー養成講座の講師も参加くださいました。マップを見た住民

の反応は、自分の地域が中心で見やすい、高低差が一目で分かる、といった好

意的な反応でした。

また、せっかくの住民が集まる機会ということで、

防災訓練も同時開催しました。心肺蘇生法、AED講

習、担架づくり講習などの訓練と併せて、消防団に

よるポンプ操法の披露を行いました。これは消防団

か ら ポ ン プ 操 法 を 披 露 す る 機 会 を 設 け て ほ し い と

いう要望があって実現したものです。住民は消防団の機敏な行動を間近で見て、

彼らが地域を守っているということがよく分かったと思いますし、消防団のモ

チベーションのアップにもつながったと思います。

(2)マップの住民への配布

平成28年2月に全戸にA3判のマップを配布しま

した。さらに、地域内に4ヶ所ある集会所には、A0

判のものを掲示しました。

マップは、すぐに捨てられないようにラミネート

加工し、玄関にかけられるようにリングを取り付け

ました。また、裏面には、燕市の災害時情報伝達手

段一覧を掲載しました。災害から命を守るためには、

情報が重要です。作成には市の補助金(補助対象経

費の1/2上限2万円)を活用しました。

笈ケ島自主防災会の“希望的”展望

笈ケ島自主防災会は、現在STEP1の段階で

す。STEP3からは希望的な展望になりますが、

防災の取組みが近隣地域(小学校区)、市内全

域という形で、広域的に広がっていけばいい

と思います。

意識した防災活動ではなく、日々の営みの

中で防災力が向上していくのではないでしょ

(15)

まとめ

災害はいつどこで発生するか分かりません。中越地震から12年経ちましたが、

中越地震がきっかけで、国が自主防災組織の組織率を高める取組を始めました。

新潟県は震災当時の組織率が全国44位(23.7%)でしたが、今年度は82.5%ま

で高まりました。しかし、組織しただけで活動をしていない防災会もあります。

自主防災組織率だけを追い求める時期はもう過ぎたのではないでしょうか。こ

れからは、各々の自主防災会の活動(点)を線でつなぐ必要があると思います。

情報共有しながら、地域にあった取組が必要です。

笈ケ島自主防災会も、最初は市からの働きかけで組織し、受け身の状態でし

た。防災リーダー養成講座の受講、避難訓練の実施を経て、現在に至っていま

す。包括的な地域間の連携を実現させるために、これからも情報発信を続けて

いきたいと思います。

最後に(これまでの災害の体験から)

自分自身の過去を振り返ってみると、小学校 1 年生の時に一年間に 3 つの大

きな災害に遭いました。1 月に豪雪、8 月に水害、9 月に台風がありました。9

月の台風は第二室戸台風です。神社の大木が倒れ、同級生の家を直撃しました。

その後、昭和38年の豪雪、昭和39年の新潟地震も体験しました。平成16年の

7.13 水害では、ちょうど三条市の決壊箇所付近にいました。中越沖地震も体験

しました。新潟福島豪雨では、あと 50cm で水が堤防を超える状況を見て、恐

怖を感じました。

一つひとつの体験が防災意識の高さにつながったのだと思います。意識の高

さに年齢は関係ないと思います。必要なのは経験値です。経験値とは、自分の

地域で災害が発生したら、率先して写真などで状況を記録し、検証することで

す。さらに情熱も必要です。自治会長には、経験値と情熱が求められるのでは

ないでしょうか。

質疑応答

質問:身近に災害が発生しない状況だと、なかなか災害意識が高まらない。ど

のように意識を高めていけばよいか?

回答:個人間でも地域間でも災害意識には差があると思う。しかし、蒔いた種

はいつか芽が出ると信じて、地道な活動(笈ケ島自主防災会ではまずは水路

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