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JHFC川崎水素ステーション運用状況:ジャパン・エア・ガシス株式会社/真鍋岳史、田中武、井川高、高見直也、亀沢孝史

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Academic year: 2021

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水素エネルギーシステム Vol.30, No.1 (2005) 解 説

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JHFC 川崎水素ステーション運用状況

真鍋岳史

、田中 武、井川 高、高見直也、亀沢孝史

ジャパン・エア・ガシズ株式会社 工業・ヘルスケア事業本部

Operation of the JHFC Kawasaki Hydrogen Station

Takeshi Manabe, Takeshi Tanaka, Takashi Ikawa, Naoya Takami, Takashi Kamezawa Industrial & Healthcare Customers Division, JAPAN AIR GASES Ltd.

As one of the hydrogen stations for JHFC ( Japan Hydrogen and Fuel cell Demonstration ) project that is supported by METI ( Ministry of Economy, Trade and Industry ) , Japan Air Gases is operating the JHFC Kawasaki hydrogen station that has methanol reforming on-site hydrogen generator. This paper describes experience of operation of the JHFC Kawasaki hydrogen station mainly safety handling of hydrogen.

Keywords: JHFC, Hydrogen station, Methanol reforming, Fuel cell vehicle 1. まえがき

経済産業省の補助事業として平成14 年度から「固体

高分子形燃料電池システム実証等研究」の一部として JHFC ( Japan Hydrogen and Fuel cell Demonstration ) プロジェクトが進められている。燃料 電池自動車( FCV: Fuel Cell Vehicle )用の水素供給設 備は(財)エンジニアリング振興協会の指導のもとに、 (財)自動車研究所と情報交換しながら、ジャパン・エ ア・ガシズ(株)は川崎市川崎区小島町に建設したメタ ノール改質式オンサイト水素ステーションを運用してい る。この一年水素安全を中心に取り組んでいるステーシ ョンの運転状況について紹介する。 2. 安全のための設備追加 2.1 歩行者保護用の壁設置 水素スタンドの建設においては、一般高圧ガス保安規 則の定置式製造設備にかかる技術上の基準に基づくとと もに、圧縮天然ガススタンドに係る基準も準用し、ディ スペンサー本体の外面と公道の道路境界線の間は5m以 上の距離をとった。現行の国内法対応としては十分な設 備であるが、水素が噴出し、しかも着火して火炎が走っ た瞬間に歩行者が近くを通りかかった場合でも十分な安 全を確保するために壁を設置した。これはあくまでグル ープ企業の内部での安全思想であり、日本国内の見解で はないため明確な根拠を示す状況にはないが、圧力の高 い水素の噴流火炎長さが長いことは実験的に研究されて いる。[1] 高さ約2m 幅約 5m のポリカーボネート製の板を使っ た透明な衝立であり景観を損なうことはないと考えた。 水素の火炎が歩行者に向かって走った場合に透明なポリ カーボネートは瞬時に解け落ちることはないであろうか ら、歩行者に何が起こったかを理解させ、退避する時間 を与えることができる。火炎の原因となる水素漏えいは、 設備側の保安設備で遮断するようになっているので、噴 流火炎にさらされてから耐える時間に関する知見はない が、衝立は数秒持てばよいと考えた。また、ポリカーボ ネートはプラスチックの中でも強い強度を持つので、強 風時等、外部からの飛来物に対するディスペンサー保護 図1 ステーションと公道の間に設けた ポリカーボネート製の壁

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水素エネルギーシステム Vol.30, No.1 (2005) 解 説 - 63 - にも有効である。また、水素ガスの滞留を起こすような 大きさでもない。図 1 に設置した壁を示す。 2.2 ディスペンサーと充填スイッチの離隔 歩行者への配慮とともに操作員の保護も考えた。水素 ディスペンサーの充填ホースをFCVにつなぎ、充填ス イッチを押す瞬間がホース内の急激な圧力変化のために 外部への大きな漏えいが生じる危険性があると考えた。 制御装置では充填開始の瞬間には急激な圧力変化が起き ないようにしているし、水素の大きな外部漏えいが生じ る場合には過流量により流れを遮断するしくみになって いるが、異常かどうかの判断にタイムラグが生じるであ ろう。遮断弁が働く前のガス漏えい時に漏えい箇所近傍 に人がいない状況にしておきたい。腫れ物に触るようで あるが、充填開始時の作業員の安全確保の観点で、充填 開始は、ディスペンサーから尐し離れた場所で操作する ほうがよいと考えた。充填操作ボタンスイッチは、FC V運転者が休憩する部屋の中に設け、ステーション内で の運転者と操作員の安全性を同じレベルにした。 3. 充填性能 3.1 高圧ガス容器の圧力サイクル 昨年紹介したデータに加え今年 9 月までの充填デー タを図2 に示す。 高圧水素貯槽の充填・放出の圧力サイクルはまだ数回 でしかないし、充填回数も数十回でしかないが、設備設 計時における性能は発揮できている。 3.2 充填速度コントロール ガソリンをはじめとする液体燃料を車に充填する時間 を考えると、水素を充填する時間は安全が確保できる限 り早いほうがいい。水素ステーション建設時の共通仕様 として、FCV への水素充填が 10 分以内に終了すること とされ、実際の充填は数分で終了しているが、実充填の データはあまり紹介されていない。FCV の種類によって 充填条件は異なり、データの一般化を考え、一回あたり の充填量と平均充填速度の関係を見た。これを図3 に示 す。圧力差で充填するために蓄圧器ユニットの切替制御 0 15 30 45 0 5000 10000 15000 20000 ディスペンサー充填時間  秒 圧力  M P a 、   積算流量  m3  ( no rm a l )

充填量m3 ( normal ) バンク1圧力MPa バンク2圧力MPa

バンク3圧力MPa バンク4圧力MPa

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水素エネルギーシステム Vol.30, No.1 (2005) 解 説 - 64 - も包含しているので、車種によるレシピの違いは、必ず しも充填速度の違いにつながっておらず、この図から明 確な結論を導き出すことはできないが、川崎水素ステー ションの充填設備全体のパフォーマンスを紹介できたと 思う。 一回あたりの充填量が多くなると平均充填速度がばら つくのは、蓄圧器ユニットの圧力が様々で、圧力差で充 填するために配管抵抗からくる充填速度の違い、ステー ションの貯槽群(バンク)とFCV 搭載容器の圧力差が なくなって流量が低下しバンク切替に要する時間、が 様々で、総充填時間に差が出る。一回あたりの充填量が 尐ないと、バンクとFCV タンクの圧力差が尐なく、バ ンク切替がなかったり、あっても尐ないので総充填時間 の差があまり出ない。 4. 高圧水素設備の安全運転 4.1 メタノール改質器・PSA の運転 図 1 に示した充填作業を行うために運転した改質器 の稼働時間は数十時間で、運転時間そのものより、頻繁 な運転・停止に対する設備性能の維持を考えねばならな い。改質開始直後の反応器温度低下によるトリップ、 PSA 運転直後の吸着筒の切替時間タイムオーバーによ るシーケンストラブル、と長期停止後の運転開始直後の 不安定状態でのトラブルを経験したが、本質的な機器損 傷には見舞われていない。 4.2 圧縮機・蓄圧器ユニットの運転 ダイアフラム式圧縮機の運転も数十時間で、メンテナ ンスを行う基準としての3000 時間には遠く及ばず、全 く問題点はない。改質器から来る水素の流量が 20m3(normal)/h~50m3(normal)/h である一方、圧縮機 側では安定した運転をさせるように、回転数一定で、出 口圧力を保圧弁で保持し、処理量も一定になるように水 素ガスを吐出側から吸入側に減圧弁を介してバイパスさ せている。蓄圧器ユニットは、FCV 側タンクへ圧力差で 充填するので、バンクの圧力低下のモニターで改質器運 転~蓄圧器ユニット充填のタイミングを見計らっている。 4.3 蓄圧器ユニットの健全性検討 高圧水素下における蓄圧設備の健全性検討として、超 音波探傷試験を定期的に実行することにした。高圧水素 ガスの充填・放出回数が、図2 に示すように使い始めて から数回であり容器の変質が発生するにはまだ早いが、 数ヶ月の間があく、測定間の数値の変化を捉えるにあた って、同一場所で信号強度の変化がないか、場所の特定 がきちんと取れるか、という観点で、欠陥なのか、傷で はないレスポンスなのか、時間とともに信号強度が大き くなっていないか測定回数を重ねて考えていきたい。 蓄圧器ユニットの出荷前にはJIS で定められる試験方 法で欠陥のないことを確認している。納入後、約半年後 の検査では、出荷検査と同じ感度では欠陥は全く見当た らなかった。感度を上げると返ってくる信号がいくつか あったが、このレスポンスは微小な欠陥か、粒界か、表 面の凹凸による反射か、そのほかの影響からくるものな のか不明なので、それが時間経過とともに大きくなって いくかを今後注目していく。定置式貯蔵設備として継目 なし容器を鋼製の枠に組み込んでいるので、容器全周の 検査ができず、現在調査している場所は全表面の2%程 度であり、その部分が全体を代表しているかが問題では あるが、これまでの3年に一回の接ガス部表面の目視観 察とは、別の検査なので、有効な方法になるか検討のた め継続していく。 4.4 感震器 新潟中越地方で起きた地震は記憶に新しいが、川崎水 素ステーションに設置している感震器と気象庁発表のス テーション近くの測定点の測定値を見比べながら、感震 器の動作確認を適宜行っている。加速度80 ガルで警報、

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一回の充填量 m3 (normal)

平均充填速度 m 3 (n o rm al )/ h 図3 一回あたりの充填量と平均充填速度の関係

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水素エネルギーシステム Vol.30, No.1 (2005) 解 説 - 65 - 150 ガルで遮断させる設定にしているが、運転中の設備 遮断は経験していない。ステーション設置の感震器の示 す数値とステーション近くの地震計の数値と違いはなく、 万一の場合には、ステーションの感震器が警報や遮断信 号をちんと発して機能してくれるものと思う。 4.5 火炎検知器 漏えい時にはガス漏えい検知警報器で捕らえられる水 素は燃焼すると水になるので、燃焼している水素に対し ては、火炎を検知する必要がある。メタンに比べ水素炎 の長さは長く、水素炎は日中目視では確認できず、熱に よる空気の揺らぎによる風景の揺らぎでしかわからない。 火炎検知器が発報した経験は何度もあるが、実際は火炎 を検知したのではなく、たとえば太陽光線を車の窓に反 射し、さらにステーションの窓に反射した光に含まれる 紫外線に感じたような場合が多いようで、運用者の側か らは誤報による発報が設備の緊急停止につながると、そ の後の復旧作業が大変なので、作動信頼性の向上が求め られる。 5. まとめ 現時点では、高圧水素の取扱は、専門的な経験や知識 を持った責任者が事業所を管理することが義務付けられ ているものの、今後は、町中でだれもが安全に安心して 扱えるようにしなければならない。事故の起きる可能性 を低減するために、設備の追加を行うとともに、設備保 全に務めながら取り組んでいるメタノール改質式オンサ イト水素発生装置を持つJHFC 川崎水素ステーション の運用について充填結果を含めて紹介した。 参考文献 1. 武野計二、千歳敬子:第 22 回水素エネルギー協会大会予稿 集, p125, 2002. 2. 真鍋岳史:第 23 回水素エネルギー協会大会予稿集, p127, 2003.

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