あとがき
弁当屋シリーズは第1巻『データ分析のはじめかた』が2013年 に出版されました。その時は続巻のことまでは考えていませんでし たが、2014年の第2巻『因子分析大作戦』を経て、ここに第3巻 目を上梓することができました。読者の皆様、そして共立出版社 の社長さん、編集諸氏、営業の皆さんに、まずは御礼を申し上げま す。 さて、第3巻では、 ではやっているベイズ統計がテーマです。 ベイズ流の統計分析というのは、一昔前まではマイナーな手法だっ たはずですが、人工知能がブームのいま、むしろベイズこそが主流 であるかのような印象を受けます。ベイズ流がそれまでの統計分析 とどう違うかは難しい話ですが、しかしベイズ統計が注目されるこ とで、ユーザーの分析に対する姿勢は変わったように思えます。極 論すると、伝統的な統計解析でユーザーにとって重要なのは、デー タそのものではなく、分析手法(検定)と有意差でした。これに対 してベイズ流では、そもそもデータがどのような仕組みで発生した のかを強く意識する必要があります。この仕組みのことをモデルな どと呼びます。ベイズでは、有意差の有無よりも、仮定したモデル が適切かどうか、そしてこのモデルが使えるかがユーザーの関心に なるともいえます。 本書では、ベイズ流の考え方や方法の概要を紹介しようと努めま した。例によって、直感的な説明に心がけ、数式はできるだけ避け 女子高生乱子によるベイズ統計学入門講座―とある弁当屋の統計技師(データサイエンティスト) 3― 石田 基広・石田 和枝著・風乃 イラスト https://www.kyoritsu-pub.co.jp/bookdetail/9784320113459178 あとがき ようと試みました。が、そうはいってもテーマの性質上、数式を完 全に排除はできませんでした。例えば、ベイズ統計ではどうしても 積分が出てきます。しかし、読者の中には「積分なんか忘れた」と いう方もいるでしょう。そこで、高校で習う積分の公式についても 説明を加えています。では、ベイズでは、いつも積分を解く必要が あるかと問われれば、実はそんなことはありません。統計ソフトに データを指定すれば済みます。 例えば、Rというフリーの統計ソフトウェアが強力な助っ人と なってくれます。Rでのベイズ解析については、参考文献にあげ た『Rで学ぶベイズ統計学』(丸善出版)や『StanとRでベイズ 統計モデリング』(共立出版)がお勧めです。なお、後者の著者の 松浦健太郎さんには、本書の構想段階でいくつものアドバイスを いただきました。うまく活かすことができたかどうか心許ないです が、ここに記してお礼を申し上げます。 本書がベイズ統計モデリングへの窓口となれば幸いです。 2019年1月 石田基広・石田和枝 女子高生乱子によるベイズ統計学入門講座―とある弁当屋の統計技師(データサイエンティスト) 3― 石田 基広・石田 和枝著・風乃 イラスト https://www.kyoritsu-pub.co.jp/bookdetail/9784320113459