1−F−4 2003年日本オペレーションズ・リサーチ学会
秋季研究発表会
多段平滑ヒストグラムモデルに基づく画像2値化問題
01704426 京都府立大学
*吉富康成 YOSHITOMI%sunari
メディックエンジニアリング 谷尻豊寿 TWIJIRITbyohisa
1.緒言
画像の特徴を解析するには,画像における対象物
を背景と識別する必要がある.このため,各画素の
濃度に対する閥値処理である2値化が行われる.通
常,2値化の閥値決定方法として,.固定閥値法,ク
∴タイル法,可変闇値法,判別分析法などが用いら
れているrl】.これらの方法の内,自動で閥値が決ま
る方法は判別分析法【』だけであるが,その適用範囲
が必ずしも広くない.
本報では,画像の濃度ヒストグラムを「多段で平
滑である」と仮定したモデ/巧“多段平滑濃度ヒスト
グラムモデル”と表記)を基に画像の2値化問題を最
適化問題として定式化し,(近似)最適解を用いて得
れた閥値での2値化の効果を検討した.
2.多段平滑濃度ヒストグラムモデルと2値化閥値
濃度ヒストグラムが2つの領域に分かれ,その各
領域において,各濃度に対する画素数が一定(各々,
柚)である濃度ヒストグラムを“2段平滑濃度ヒス
トグラム’’と表記する(図1上図).この場合,図1
下図のように閥値と2値化抽出画素数(2値化で“1”
となる画素の数)の相関が,各闇値蘭域内で直線関係
となる・句≠ちの時,この2つの直線の交点の閥値
を用いて2値化することにより,高濃度の画素領域
と低濃度の画素領域を識別できる.
次に,濃度ヒストグラムが3つの領域に分かれ,
その各領域において,各濃度に対する画素数が一定
である濃度ヒストグラムを“3段平滑濃度ヒストグ
ラム”と表記する.この場合も,閥値と2値化抽出
画素数の相関が,各閉値領域内で直線関係となる.
そこで,隣接する閥値領域での対応する直線の交点
の開催を用いて2値化することにより,各濃度領域
の画素と他の濃度領域の画素を識別できる.ただし,
各濃度領域で一定である画素数の値が2つの隣接す
る濃度領域で一致する場合には,対応する2つの直
線は一致する.このため,2つの直線の交点は不定
となり,2値化の開値は決定できない.・
次節では,上記の2段平滑濃度ヒストグラムモデ
ル及び3段車痛濃度ヒストグラムモデルを基に,画
像2値化問題を最適化問題として定式化する.
画素数Ⅴ
濃度u
図12段平滑濃度ヒストグラム(上図)と
2値化閉値の決定法(下図)
3.画像2値化問題の定式化
3.12段平滑濃度ヒストグラムを基にした定式化
正の整数の集合をZとし,高濃度領域の最大濃度
(正の定数)を〟として,閉値fと2値化抽出画素数
C∫(定数)の相関において,2つの領域での回帰直線
の2乗誤差の荷重和′(のを最小にする高濃度領域
の最小濃度値βを決定する最適化問題即ま下記の
とおり定式化できる.
月‥Mhim王妃 ム(の
β一1 〟
′(の=∑(ci−α1(のト岬))2・w∑(?f−α2(のトち(の)2
f=O i=β
弘β
ム.(β丸β−1)
q(β)=
−126−
© 日本オペレーションズ・リサーチ学会. 無断複写・複製・転載を禁ず.
皇c∫ 刷β瑚
α2(β)=−
2
A(q,qXq+q−1)
β一lβ−1 2∑(2f−?+1)(cfβ一∑c′)
f=O f=0 壷二」 _
α】(ち)=
ムI(の=
β−t β∑(2′.−β・●1)ヱ∼
J=0
〟−ち+1 2
βl−t βI−t
2∑(2トβ・
. f冒0
〟 〟
A(q)=
2∑(2f−β一明(c′(〟−β・・1)−∑c′〉
・J=β fごβ
βl−1
年∑(2f二q+1)2
I=0
β,−1
ち(の= 〟
(〟−β+l)∑(2卜−〟)2
J=♂ ・
〃】−l
2∑(2トβ.−ち・l)〈c∫(ち一句)−∑c∫)
J=βl i=♂l
Su句ecttol≦0≦M−1,0∈Z
(1)
こ一三で,対象物が背景よ
と2値化抽出画索数の相関において,高閲値坂城で
の回帰直線の2乗誤差の荷重としてwを導入した.
原画像において,対象物が背景より低濃度である場
合は,前処理として濃度反転を行うこととする.荷
重wを導入した理由は,背景より対象物に対する閥
値領域でゐ回帰直線の2乗誤差を少なくすることが
より重要と考えたことによる.(近似)最適解β●を2
値化の閉値とする.
3.2 3段平滑濃度ヒ不トグラムを基にした定式化
他方,正の整数の集合をZとし,高濃度領域の最
大濃度(正の定紛を〟として,閉値∫と2値化抽出
画素数c∫(定数)の相関において,声つの領域での回
帰直線の2乗誤産の荷重和ム(β1,ち)を最小にする
中間濃度領域の最小濃度値qと高濃度領域の最小
濃度値ちを決定する最適化簡題ろは下記のと●おり
定村ヒできる.
ろ:MiI止mi次 ム(q,ち)
ム(q,ら)
句−I
ちl
=∑(q−q(q)f一月(q))2+γ∑(q
f=O J=q
〟
+∂∑(q一句(色)トA(色))2
′=ち
βl−l
A(q,ち)= ♂:−1
(ち一句)∑(2トq−ち+1)2
/=βl
1J A′
2∑(2トち−〟)(c‘(〟一色り)−■∑c′)
J=β】 J=βヱ
A(ち)= .1′
(〟一ち・l)∑(2fTち−〟)2
たβ】
Subjecttol≦01<02≦M−1,01∈Z;02∈Z・
(2)
ここで,対象物が背景より高濃度であるとし,その
2つの間に中間濃度領域が存在するとし,閥嘩と2
値化抽出画素数の相関において,中間閥値領域およ
び高閣値領域での回帰直線の・2乗誤差の荷重として
各々γ,∂を導入した.原画像において,対象物が背
景より低濃度である場合は,前処理として濃度反転
を行う
景より対象物に対する閥値領域での回帰直線の2乗
誤差を少なくすることがより重要と考え,かつ,中
間濃度域の申扱に自由度を与えキこ.と七よる.(近
似嵐朗紺.■,β2●の平均値を−2嘩化の圃値とする.
4.結言
多段平滑濃度ヒストグラムモデルを基に画像の2
値化問題を最適化問題として定式化した二適用例は
講演時に報告させて頂く.
参考文献
【1】田村秀行 監修,“コンピュータ画像処理入門’’,総研出
版,(1985),防・69.
凹大津展之,‘判別およて頗小2乗基準に基づく自動しきい
値選定皆,,電子通信学会論文誌の),J63・D(19鮒),42,
349・356.
∑cf・A(q ′=0 A(鋸 昭一1)
α】(q)=
q 2
−127−
© 日本オペレーションズ・リサーチ学会. 無断複写・複製・転載を禁ず.