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最適所得課税理論と日本の申告所得税

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Academic year: 2021

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(1)情報処理学会第68回全国大会. 2B-5. 最適所得課税理論と日本の申告所得税 市田浩三 京都産業大学経済学部. 1.はじめに Mirrlees の先駆的な研究以後,線形および非 線形モデルを扱った最適所得課税に関する多く の 論 文 等 が 発 表 さ れ て き た [1-4] . こ こ で は Lagrange の未定乗数法を利用して.この問題を 連立常微分方程式で表現した.そして,その結 果を平成 16 年度の申告所得金額階級別表と比較 した. 2.モデルの定式化 Mirrlees による最適所得課税モデルは次のと おりである[1].個人(家計)は同一の効用関数 u ( x, y ) をもつ. x は消費( x > 0 )で y は労働供. = u1 y (1 − T ′(ny )) = u1 y (−. u2 yu )=− 2 u1n n. となる.個々の効用 u が社会的厚生に与える影響 を社会的厚生関数 G ( u) で表すと,最適所得課税 は積分. W=. ∫. nN. (5). G (u) f (n)dn. n0. を最大にする課税政策である.社会の総生産額 に 対 す る 政 府 の 税 収 が 一 定 値 1− r ( 0 < r < 1 )であるとすると. 1− r =. ∫. nN. n0. ( z − x) f (n)dn. ∫. nN. n0. 給( 0 ≤ y < 1 )である. u は x > 0 , 0 ≤ y < 1 に. =. ∫. nN. T (ny ) f (n)dn. n0. zf (n)dn. ∫. nN. n0. nyf (n)dn (6). おいて連続微分可能であり,一般に ∂u / ∂x > 0 , と表され,これより ∂u / ∂y < 0 であると仮定される.個人の稼得能 nN. ∫. 力を表すパラメータ n は f (n) で表される連続な. n0. ( x − rz ) f (n)dn. 密 度 関 数 を 持 ち , 区 間 n0 ≤ n ≤ n N に お い て. f (n) ≥ 0 であるとする( n0 > 0, n N < ∞ ).課 税 前 所 得 z = ny に 対 す る 非 線 形 所 得 税 関 数 を T (z ) = T (ny ) とすると x = z − T ( z ) = ny − T (ny ) (1) であり,個人は効用関数を最大にするように y を 定めるので. nN. = ∫ (ny − rny − T (ny )) f (n)dn = 0. となる.(4)(7)を制約条件として(5)を最大にす るために,Lagrange 関数. L=. ∫. nN. n0. [(G (u ) + θ ( x − rz )) f (n) + λ (. g = g (u , y ) = −. yu 2 n. (9). である.(8)を部分積分すると nN. L = ∫ [(G (u ) + θ ( x − rz )) f (n) − u n0. (3). となる.ここで, u1 と u 2 はそれぞれ u の x と y. に関する偏微分を示し, T ′ は T の z に関する微 分を表す.(2)(3)を利用すると. du ∂u ∂u ∂y ∂u = + = = u1 ( y − yT ′(ny )) dn ∂n ∂y ∂n ∂n. du − g )]dn dn (8). より. u2 u1 n. (7). n0. を導入する.ただし. ∂ ∂ u ( x, y ) = u (ny − T (ny ), y ) ∂y ∂y = u1 (n − nT ′(ny )) + u2 = 0 (2) 1 − T ′(ny ) = −. (4). dλ − λg ]dn dn. + λ (n N )u (n N ) − λ (n0 )u (n0 ) (10) となる. L を u および y で微分して 0 とおくと dλ ∂G ∂x ∂g ( + θ ) f ( n) − −λ =0 (11) ∂u ∂u dn ∂u. 「Optimal Income Tax Theory and Individual Income Tax in Japan 」 †「Kozo Ichida, Faculty of Economics, Kyoto Sangyo Univerisity」. 1-185.

(2) 情報処理学会第68回全国大会. [. ∂G ∂u ∂x ∂z ∂u dλ ∂g + θ ( − r )] f (n) − −λ =0 ∂u ∂y ∂y ∂y ∂y dn ∂y. du = dn. (12) が得られる. u( x , y ) , G (u) , f (n) としては次の関数形を 仮定する[1]. (13) u( x , y ) = log x + log(1 − y ). G ( u) = −. 1 − βu e β. f ( n) =. (log n − µ ) 2 exp[− ] (15) 2σ 2 2π σn. となる. 3.方程式の解 解くべき方程式は次の通りである.. du y (18) = dn n(1 − y ) dλ = [e − βu + θ (ny − T )] f (n) (19) dn λ = θn(1 − y )[(ny − T ) − rn(1 − y )] f (20) (21) u = log(ny − T ) + log(1 − y ). ∫. nN. n0. (ny − rny − T ) f (n)dn = 0. (22). (18)∼(21)は常微分方程式2つと関数方程式2 つの連立方程式である. β と r はあらかじめ与 える定数で, θ は未知のパラメータである. n は独立変数で, u , λ , y , T はすべて n の 関数である.(18)∼(21)は4変数の連立方程式 であるが,(20)(21)から y と T を u と λ で表す ことができれば, u と λ の連立常微分方程式に なる.(21)から. ny − T =. eu 1− y. (23). となるから,(23)を(20)に代入すると. λ = θnfe u − θrn 2 f (1 − y ) 2. (24). 0<. θnfe u − λ θrn 2 f. θnfe u − λ ≤1 θrn 2 f. (28). である必要がある. 4.おわりに ここで取り上げたモデルは Mirrlees の論文を 未定乗数法を利用し連立常微分方程式として定 式化したもので,必ずしも先行研究と対応して いるわけではない.数値的に解があるかどうか を中心に調べた.常微分方程式の数値解法には 4次の Runge−Kutta 法を使用した. 定めるべきパラメータがいくつか存在し,解 は変化する.国税庁のホームページから得られ た平成 16 年度の申告所得金額階級別表(平成 16 年分の申告所得税の納税者について申告所得金 額区分とその所得者数が記載された表)とここで 得られた結果を比較してみた. 参考文献 [1] Mirrlees,J.A.(1971) ”An exploration in the theory of optimum income taxation,” Review of Economic Studies, vol.31, pp.175208. [2] Tuomala,M.(1990) Optimal Income Tax and Redistribution. Clarendon Press, Oxford. [3] Laramie,A.J. and Mair,D.(2000) A Dynamic Theory of Taxation. Edward Elgar, Cheltenham. [4] 田近栄治・古谷泉生(2000)「日本の所得 税――現状と理論――」『フィナンシャル・レ ビュー』,4 月号, pp.129-161.. から. 1− y =. (26). (27) となる.ただし, 0 ≤ y < 1 であるから(25)より. (13)(14)を用いると. dλ (16) = [e − βu + θ (ny − T )] f (n) dn λ = θn(1 − y )[(ny − T ) − rn(1 − y )] f (17). θnfe u − λ n θrn 2 f. dλ θeu θnfeu − λ − βu = (e + − rn )f dn θrn 2 f θnfeu − λ θrn 2 f. (14). 1. θnfe u − λ 1− θrn 2 f. (25). が得られる.(23)(25)を(18)(19)に代入すると. 1-186.

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参照

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