<研究ノート>経営管理者の職務と行動についての一
考察 : 類似性から相違性重視への転換
著者
幸田 浩文
著者別名
Kohda Hirohumi
雑誌名
経営論集
巻
32
ページ
105-124
発行年
1989-01-31
URL
http://id.nii.ac.jp/1060/00005739/
Creative Commons : 表示 - 非営利 - 改変禁止 http://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/3.0/deed.ja経営管理者 の職務 と行動につい ての一考察
目 I Ⅱ IV V VI類 似性か ら相違性重視への転換一
幸
田
浩
文
105 次 はじめに 職務活動学派の研究目的 従来の職務活動学派の研究成果 経営管理者の職務の相違性 経営管理者の行動の相違性 結 語 I. は じ め に 経営管理論の 研究 は, 経営 管理 者1)の職務平 行動か ら, マネジメント の 実践に 役立つ 理論を 引 き出す ことから 出発した。 た と え ば, フ ァヨ ー ル (Fayol,H. )の管理職能論は,当時 (1900年代初頭)の マネジ タソトが直面 し ていた実践的な課題を解決し ようとす る過程で導 き出 された原理・原則を 体系化した ものである。し かし,当時の企業が置かねていた環境と今日のそ れ とはかな り違ってい る。し たがって,フ ァヨ ―ルが意図した経営上の問題 の実践的解決法が, そ のま ま 今 日でも 通用するとい う 考え方には 疑問 があ る。当然,こ うした考え方は, 経営 管理論の研究者のテ ーマや態度にもあ ら わ れてくる。それは具体的 に,1950 年代に登場してきた職務活動学派(theworkactivityschoo1 ) と呼ば れる人たちの一連 の研究 にみられる2)。 彼ら は経営管理者 の職務や行動を現場 で直接 観察するこ とで,マネジタソトの理 論 と 実践の ギ 十ップ を 埋め ようとす る。 つ まり, いわ ゆる 古典学派(theclassicalschool )の管理過程論を批判 するのである。しかし,これに対七 で 古典学派から も職務 活動学派の研究方 法について疑義が唱えられ,その主張 に反論が加え られた。 し たがって,本稿では,従来 の古典 学派に対立的な姿勢を とる職務活動学1C6 派の研究成果 を取 り上げ ,以下のことを明らかにするこ とを 目的 としてい る。 第一に,職務活動学派の代表 的な研究者の所論を取 り上げ ,その研究テ ー マを 明らかにする。 第二に,職務活動学 派が現代の経営者の実態を これ まで以上 に説明してい る とはい え, 大きな問題を抱えてい るのも事実である。 た とえば,それはデ ータの集め方 とい ったたぶんに技術的な問題 であ る。こ うした点にも言及す ることにす る。 第三に,こ うした職務活動学派の研究方 法への批判に対し て,新しい視点 で研究を行お うとする人たちが登場し てきた。そ こで代表 的な研究者を取 り 上げ ,彼らの所 論を中心に新しい動きを考察す ることにす る。 具体的には, 経営管理者間 の類似性から相違性への研究 テーマ転換のねらいについてであ る。 最後 に,職 務活動学派が古典学派と比較し て, どの ような点 て経営管理の 理論 と実践に貢献しているか,また,職務活動学派のこれから の研究の方向 性や残 された問題 について も考 えてみるこ とにす る。 n. 職務活動学 派の研究 目的 ∧ ・・1. 理論と実践の橋渡し ファヨールはマ ネジ メント教育を 高等教育機関で行 うこ とが可 能であ り, またそ うす ることが必要であ るとし, 自らそ の知識 弔)成 文化に努めた3)。 し かし,フ ァヨ ールの後 継者たちは,次第に現実から離れた ところで経営管理 者の仕事( 職務や行動) の性質について論ずる ようになっていった呪 こう して理論 と実践の乖離の方向を 修正し ようとす る動きがみられる ようになっ た。い わゆる職務活動 学派の研究が始 まったのであ る。 し たがって ,ここでは職務活動学 派の代表的 な研究者であ る ミンツバーグ(Mintzberg,H.) ,スチ こ,ワード(Stewart,R.), コッタ ー(Kotter,J.P.) らの所論を取 り上げて検討を加えるこ とにす る。 彼らは, 異なる目的 と方 法 論を とっている が, アプJ2 ーチには共通点が みら れる。一つ は3 人 とも経営 管理 者の仕事についてのデ ータを実証的に収集する とい う方法を取 ったこと であ り,い ま一つ は一 般的なマネジ メント教育のプ ログラ ムの基 本的なあ り 方について言及し てい ることである。
経営管理者の職務と行動についての一考察1072. 技能開 発の重要性− ミンツバーゲー ペ ソ ツ バ ー ダは , そ の 著 作 におい て 「経営 者 は, 巨 大 な 組 織 を 運営 す る た め の技 法 を身 につ け るた め に ,数 多 く の課 程を こ なし , マ ネ ジ ノ ント につ い て多 く の 専門 用 語を 学習 す る。 し かし , 依 然 とし て 冒 頭 に記 し た( 経営 管 理 者 は何 を し て い る のか一 著者) とい った 質 問 に答 え る こ とが で き ない」 と理 論 と実 践 の ズレ を 嘆 く‰ こ うし か 問 題 意識 を もつ ミ ソッ バ ー グぱ ,マ ネ ジ タン トの 理 論 と実 践 の乖 離 を 指摘 し , そ の ギ ャ ッ プを 埋 め よ う とす る。 そ れ は ミペ 教師, 調 査 ・研 究 者 のた め の実 践 的 教 訓を 提示 し てい る こ とか ら もわか る≒ ミソ ツ バ ーグは , 経営 管理 者 が 科 学的 分 析 の結 果 に 基 づ い た 于 続 率方 法 に 従 って 仕 事 を し な い の で, 管 理 職 務 には 科 学 性が ない とい う7)。 し かし , 経 営 管理 者 は 現 実 に は 特定 の状 況 に応 じ て 自分 自身 が 保 有 す る数 多 くの 管理 プ ロ グラ ムを 用 い て そ れ に 対 処し てい る8)。 こ の管 理 プ ロ グラ ムを 明ら か にす る こ と,そ の 内 容を 詳 述 す る こ と,そ れ か管 理 職 務 で シ ミュレ ートす るこ と, 特定 プ1==・グラ ムを 体系 的 に 分析 し 改善 す る こ とが , 管 理 の科 学 性 を 高め るこ とであ り, い ま そ れが 要 請 され てい る の であ る。 ミソ ツバ ー グは , す べ て の径 営管 理 者 の 職 務 に は共 通 す る 一 連 の 役割 を 遂 行 する こ とが 義 務 づけ ら れ てい る こ とを 明 ら か にし た 。 し か し , ど の役 割を 遂 行す る に は ど の よ うな 学 習 が必 要 であ るか につ い て は , 残 念な が ら ほ とん ど 検討 し てい なし 。 た だ , 経営 管 理 者が よ り有 効 的 な 管 理 を 行 な うた め の ポ イ ント9)や チ ・^ツ ク・ リス ト10) そし て技 能 開 発 の 重 要 性 は 指摘 し てい る11)。 さら に, マ ネ ジ メ ント に 携 わ る研 究者 や 教 師 が , 実践 的 な マ ネ ジ メ ント教 育 を 行え る よ うに な る た め には , 何 に も増し て 経営 管理 者 の 職 務や 行 動 につ い て の調 査 結果 に 依 存し てい る こ とも示 唆し てい る1‰ 3。 職務に対する認知と信念− スチュワート。− スチュry トは,マ ーシ ャルてMarshall,J. ) とともに, イギリスにある 三つの企業の中級管理者86人 に対してインタヴューを行 った13)。そ の結果, 経営管理者は自らの職務を各自かな り異なって認知してい るこ とがわかった。 さらに, マネジ メントについ ての径営管理者の信念がマネジ メント教育の 受 容に影響を 与え てい るか どうかが検証された。そ の結果 ,ほ とんどの経営 管理者は自分の行動を変え る必要性を感じず, また行動を変え るこ とができ
108 ない と信じていることがわか った。そればか りか,彼らは職務に貢献してい るのは唯一 自分だけであ り,自分は職務遂行に全力を 注い でお り,正しい管 理技術を すでに身 に付け てい る と思い込んでい るこ ともわか った。つ まり, スチ ュワートら によれば,訓練者は経営管理 者たちがこ うした態度や信念に 基づい たマネジ メント観を もってト るこ とを 理解することが必要である とい うのであ る。 マネジメントの学術的 な貢献 とマネジ メント教育の実際的な価値につい て, 他の社会科学 の研究者や実務から強い 疑念が表明されているのは周知の通 り であ る。 今まで経営管理者が知 っておいた方がいい と思われる事柄が,ヤネ ジノソト論 として概念化 されてきたノし かし,マネジメント論にはこれらを 統合化す る概念が欠け てい た。 スチ ュワ ートは経営管 理者が何を 知 り, この ような知識をどの ように獲得 す べきかを決定する前に,経営管 理者が何をし てい るのかを 理解す ることが 必要であ り,マネジメント教育を 実施し ていく上で,その カリキ ュラムを ど う調整するか,教授法が 適切か ど うか,どうしたら うまく教えることができ るかを 決める必要があ るとい う14)。 4. マネジメント教育についての実践的教訓− コッター一一 コッターは,15 人のゼ ネラル・マ ネジャ ーの行動を①仕事の真 の性質, ② 職務の相違 性,状況要因の影響,③ 個人的・状況要因の行動 への影響,そし て④効率性や満足 度の相違 とい う観点 で分析する15)。そこで明らか になった のは,経営管理者の職務に対する非公式的な アジ ェンダの設定 と, 組織内外 での諸関係の協力 ネットワー クの構築 の重要性であ った。これに よって, ゼ ネ ラル・マネジャ ーは,一見非 能率的 であるが実際には能率的 な行動を とる ことが わかった16)。 コ ッターは,こうした 研究結果を 踏まえて,ゼネラル・フ ネジ ャーの業績 改善のために企業での人 材の選抜, 開発,・ 配置 と,公式のマネジメント教育 に役立つ実践的 教訓を提示する。 ゼネラル・マネジ ューは,彼らの仕事に適 合する個性をもっている とい った点 で,高度に専門化 されてい る。 このよう な専門化は,職務上の要求に対処す る能力を 必要とする。 ゼネラル・マネジ ャーが多方面の知識・技能を有するい わゆ るゼネラリス トで ないかもし れない とい うことは,人材の選抜,開発,配置に とって多 く
経営管理者の職務と行動についての一考察109 の意味を もつ 。 例え ば , 内 部 の ゼ ネ ラ ル ・ マ ネ ジ ャ ーを 開発 し , 昇 進 さ せ る 企業 は , 事業 と人 的資 源 に つ い て 正 確 な 予 測 を す る こ とが で き る17)。 また 有 能 な経営 管 理者 は ,① 対 人 技 能 , 知 識 , ② 事 業 と企業 につ い て の知 識, ③ 適 切 な諸 関 係 ,を 開発 す る こ とで 育 成 で き る18)。 具体的 に は, 社 内教 育 と ビジ ネ ス ・ ス ク ール とい っ た 外部 で提 供 され るプ ロ グラ ムの 活用 が重 要 で あ る 。 前 者 は , ① 職 場 で は 学 べ ない よ うな事 業 や 企 業 につい て の情 報 の 学習, ② 対 人 関 係 につ い て の技 能 の 開発 , ③ キ ャリ ア開 発 につい て 自己 認識 の促 進 を 目的 とし て い る19)。 後 者 は ,① 職務 の知 的 か つ 対 人的 な 側面 , ② 分析 力 と直 観 力 , ③ 長 ・中 ・短 期 の 活 動, 課 題 な らび に 責 任 ,④ 上 , 横, 下 との対 人 関 係, ⑤ ゼ ネ ラ ル ・ マ ネジ ャ ーの 仕 事 の真 の性 質 とそ の行 動 の 理由 , ⑥ ゼ ネ ラ ル ・ マ ネ ジ ャ ー間 の 効率 性 や 満 足 度 の相違 の理 由 , ⑦ 状 況 に よる 差 異 の理 由 , とい っ た 内 容 の カ リキ ュ ラ ム にす べ きで あ る20)。 要す る に, コ ッタ ーの マ ネ ジ タ ソ ト教 育 に 関 す る 考え 方 は , こ の よ うな 訓 練 プ ロ グラ ムを ゼ ネ ラ ル ・マ ネ ジ ャ ーに受け させ る こ とに よって ,つ ま りい ろ い ろ な人 々の 意 見や ア イデ ア, 事 業 の 可 能 性 や 問題 点 な どを 吟 味 させ る こ とで, 彼 らが 短 絡 的, 独 断 的 な 意 見 に陥 ら な い よ うに し よ うとす る こ とで あ る 。 Ⅲ。従来の職務活動学 派の 研究成果1. 経営管理者の職務に共通の要素 職務活動学 派の研究者たち は, 日記 法あ るい は観察法 といった手法を用い, 経営管理者の日常を 詳細に記述し ようとす る。つ まり同学派は経営管理者間 の職務行動上 の類似性に注目す るのであ る。 例えば, ミンクパークは,こ う した実証的研究から収集し たデ ー¬夕を時系列 的記録,郵便記録,接 触記録と いった ものに整理し,それを 基盤に経営管理者の仕事の特徴,役割,多 様性 に関する理論を構築する。 そこで,以下 これ までわかっている職務活動学派の研究成果を中心に,経 営管理者の職務の本質的要素 と行動 の特徴 についてみてみることにする。 表 Ⅲ-1 は,代表的 な6 人 の研究者に よる径営 管理者の仕事の内容を構成 する要素を まとめた ものであ る。 ハソフ ィル(Hemphill ,J.K.)の職位要素 には,経営 管理者的なものと専門 家的 なものが混じ ってい る21)。同じ職位 要
no 表 Ⅲ−1 経 営 管 理 者 の 仕 事 に 共 通 の 要 素 − ゛`ソフ イノレー “職位要素”1. オペレーショナルでない従業員サ ービスの提供2. 仕事の監督3. 内部のビジネ ス・ コントp ール4. 製品マーケットの技術的諸側面5. 人間的, 社会的,そして個人的諸側面6. 長期計画 ・.7. 権限四行使8. ビジネスの評判9. 個人的な ニーズ10. 資産の保持 − ミソ ツゾ:−グー “経営管理者の役割”A 対人役割A1 象徴A2 リーダーA3 連結B 情報役割B1 モニターB2 伝播者B3 広報者C 意思決定役割C1 企業家C2 妨害処理者C3 資源配分者C4 交 渉者 − フェイセイー1. 調停2. 先立っての計画3. 部下へ の簡潔な指示 ト4. 会議の指揮5. 部下 の仕事 の進捗状態のチェック6. 個人的な問題へ の関心
経営管理者の職務と行 動につ いて の一 考察m 表IE ―1 ( つ づ き) − セイルズー “経営管理者 の活動” :A 諸関俵を通じてり 外部の仕事の流れへの参加Al 仕事の流れA2 商売取引A3 サービスA4 アドヴァイスA5 監査A6 安定化A7 革新B モニターC リーダーシップ −・コ ッ タ ー− “経 営 管 理 者 の 行 動 の 類 似 性 ”1. ア ジ ェ ン ダ の 設 定 ( 計 画 す る こ と )2 ネ ッ ト ワ ー ク の 構 築 で接 触す る こ と)3. ネ ッ ト ワ ー ク の 利 用 ( 説 得 し て 物 事 を さ せ る こ と)4. ア ジ ェ ン ダ の 実 行 ( 意 思 決 定 す る こ と) し ー ス チ ュ ワ ー トーllA 繰 返 さ れ る 経 営 管 理 者 の 諸 活 動1. 連 結 / 接 触2. 仕 事 の 維 持3. 革 新 / 危 険4. 職 務 の 境 界 の 設 定B 経 営 管 理 者 の 職 務 (資料出 所)Hales,C.P. ,"WhatdoManagersdo?".JournalofManagementStudies,Vol.23,No.1,Jan.,1986,p.93. 素で 乱 フェイセ イ(Pheysey,D.C. )のものはハソフ ィルの ものとかな り異 なってい る2‰ このことは,経営管理者の職務の内容がマ ネジメソトや文 化 のレベルによって異なる可能性を暗示し ているとト え る2呪 ミソッ バーノ や セイルズ(SaylesノL.R.) は,表面的に異なる用語を 用いてい るか ,内容的 にはかな り似 通っている。 例えば,セ イルズのC リー昇 一シ ップ は√ ミンツ バ ―グのAl 象徴役割,A2 リヶ ダーシ ップ役割,そし てB3 スポ ークスマ
112 ソ役 割に対応す る。さらに,B モニタ ーは文字 どお りB1 モニタ ー役割に,A の外部の仕事の流れへの参加はC 意思決定 役割に対応する。 セイル ズと ミ ソ ツバーダの違いは,ミソ ツバ ー グが経営管理者の仕事を独立し たもの とす るのに対し,セ イルズは組織プ ロ グラムの流れで経営管理者の仕事を位置づ け てい たことであ る。つ まり, ミソ ツバ ーグは経営管理者の仕事を役割とい う形 で独立的に取 り上げ,その 相互関連性については若干 触れて はいるか, その過程的な流れについてはほ とんど言及し ていない とい うこ とであ る。最 後 の コッターとスチ ュワートの仕事要素は,経営管理者の 仕事におい て明白 な もの とい うよりも暗示されている ものといえ る24)。 2. 経営管理者の行動の特徴 この ように各研究者による経営管 理者の仕事 要素は,一見異なってい るよ うだが共通点 もみられる。これが驚 くほ ど古典学派の職務要素に類似してい る2‰ 職務活動学派の実証 的研究では,大きく分げ て間接的な調査手 法と直 接的 なものが用いられる。 とくに日記法 と観察法がもっとも よく使 われる。 それを用しヽて,経営管理者の諸活動 の所 要時間やその頻度が調査される。モ の結果 ,次のような経営管理者の仕事に共 通する特徴が描 き出される26)。つ ま り,経営管理者が長時間にわたって忙 くなく数多くの業務を対処的に遂行 し てい ることと,電話や会議を 通し ての情報の獲得,処理,伝播に時間の大 半を費やしてい るこ とであ る。 この ような経営管理者の仕事の諸特徴が,旧 来の テキストに 記載 されてい る もの と 異なっていても そ れほ どの 驚きはな い27)。 こ うしたことは,改めて書く まで もない ことであ ったからであ る。た だ同学 派の人類学的な フィールド ワー クによって,経営管 理者の仕事 が広範 囲 にわたってかなり補足 されたとい づていいだろ う。 実際の彼らの行動は, 切迫した,まとまりのない, 細分化 された, ストレ スに充 ちたものである28)。 3. 類似性から相違性重視への転換 職務活動学派の人たちは,経営 管理者の職務や行動 に対し て,二つの側面 から研究を行った。一つ は経営管 理者が課業や 責任を遂行す る際に,彼らが 取 る共 通の行動ぱ何かといったこ とを重視した アプp ーチ であ り,い ま一つ は経営管理者の職務間にみられる共 通し た特徴は何かとい う視点 でのアプl=1 −チであ る。前者から,経営管理者が従業員サ ービス,監督,内部統制にお
経営管理者の職務と行動についての一考察113 い て共 通 し た 行動 を 取 る こ とが わ か っ た29)。 また 後 者 か らは , 国や 時 代が 違 っ て も共 通 す る研 究 成果 が 得 ら れ る ご とが わ か っ た 。 こ の二 つ の アプ ロ ーチ は ともに , 経 営管 理 者 の職 務 と行 動を 調 査 す る も ので あ るが , そ の研究 対 象 は 異なっ てい た。 し た が って , そ の 結果 も違 っ た も の とな った 。 こ の よ うな 研 究方 向 があ る とは い え30) こ の 経 営 管 理 者 の 職務 と行動 の 類 似 性は , 職 務 活 動 学 派の研 究 テ ーマ に 対 す る 部 分 的 な 答え を 提 供 し て くれ る に すぎ な い 。 なぜ な ら, 職 務 と行 動 の 類 似 性一 職 務 の 本質 的 要 素 と行動 の 特 徴一 に は , 有 能な 経営 管 理 者 は 何を し て い る の か とい った 効 率 性 の概 念 が 含 まれて い な いか らであ る31)。 こ の 効 率 性 は 職 務 と行 動 の 相違 性 か ら導 き 出 さ れ よう。 こ の点 に 着 目し た の が ス チ ュ ワ ート と コ ッタ ーであ る 。 スチ ュ ワ ー トは職 務 の 相違 性 を , コ ッ タ ーは 行 動 の 相 違 性を 取 り上 げ , た んに経 営 管 理 者 が何を し てい る の か とい っ た こ とか ら , 有 能 な 経営 管 理者 は 何 をし てい る の か, さ ら には , そ うな るた め に は ど うし た ら よい の か , とい っ た こ とに ま で 視野を 広げ てい くの であ る。 IV. 経 営管 理者の職務の 相違性 R 。 ス チ ュ ワ ート の所 論 を 中 心 とし て 1. 職務の相違性の重視 スチュワートは, カール ソン(Carlson,S. )の観察手 法を 用い て上級お よ び中級管理者の職務の相違 性について の実証的研究を行 った3≒ そ れまで職 務活動学派の研究 者たちぱ経営管理者の職務 の類似 性を重要視し,その相違 性につい てあ ま り言及して こなかった。しかし,職務の 相違性からの知識だ け ではあ ま りに不十分であ る。経営管理 者の選抜,訓練,キ ャリア開発 プロ グラム,そし て職務評価の必要性から も職務の相違 性についてのより詳細な 知識の入手 が急務であ る。 スチ ュワートはこ うし た 目的意識を もって経営管 理者の職務を 分類し,記述し ようとした33)。 2. 研究の内容 まずスチ ュワートは組織,職階,職能 の異なる職務を担当 とす る184 人の 経営管理者に対して インタヴューを 行った。次いで職務を①接 触の範囲と性 質,②仕事の パタ ー乙 ③不確実性のタ イプ,④責任,⑤私生活への影響と いった視点で比較検討した。
114 ①については,他人 と話をするのに費やされた時間数や,そ の ような人 々 とどのような 目的で接触した り,彼らからどの ような影響を受け てい るか な どが調査 されたよ ②につい ては,担当職務が自発的,反応的,時間制約的な ものか どうかが 調査されたよ ご ③について は, 経営管 理者への不確実性下での影響を, 危険を 切 り抜け る 程度,統制で きないあるい は影響力のない要素の影響の程 度,間違 った情報 を使用する程度,計画を 立案できる程度, とい った四つ の尺 度で調査された。 ④につい ては,担当職務に対す る責任の範囲,職務遂行上の失 敗の露見の 程度,部下 以外に相談で きる人の有無といったことが調査 された。 ⑤につい ては,担当者の私生活 への職務の影響が調査 された。 この ような観点 での調 査に よって,経営管理者の職務は一 つ以上の下位区 分を もつ六つの タ イプ に区分された。 3. 職務の行動上の要求 すでにスチ ュワ ートは,初期の研究によって,職能や職階 レベ ルが異なれ ば職務のタイプ が異なることを 明らかにしていた。し かしその違いを分析す るツール( 道具) , そし て職務やそ の 困難度がそれぞれ違 う理由は 明らかに してい ない。そこで, スチ ュワートは,上述した ようなしヽろい ろな職務タイ プの類型を 用い て,実際に共通し た経営管理職務の行動上の 要求を 比較し, 職務の相違 性を 究明し ようとす る。つ ま り同こ の組織 の地位,職 能,職階の 職務担当者で 乱 かな り職務に要求されるものが異なっ てし るとい うのであ る。彼女は,経営管理 者の行動上の要求や困難度を視点 に据え,警部(policeinspector), 病院経営者, 支店銀 行の経営管理者, そし てチ ェ ーソ・ストア の経営管理者の職務を比 較す る“)。 表IV-1 は,この ような四つ の職務にどのような行動 上の要求がなされて い るかを比較,整 理し たものであ る35)。表 の下の数字は, 要求の点数 の合計 を示し てい る。各職 務につい ては,行動上の要求 に応じて,高,中( ふつ う), 低 とラソ クづけ がなさ れ,そ れぞれに点数が対応してい る。 4。 調査研究の結果 スチ ュワートは,職務についての タイプ及びプ ロフ ィ ールを 調査す るこ と
職 経営 管 理 者 の 職務 と行 動 に つ い て0 一 考 察115 表IV ―1 し四つの職務の行動上の要求についてのプ ロフ ィール 名 警 部 病院経営者 銀行管理者 職務内容の型 ハブ(hub)1 仕事パターンの型 行動上の要求: 部下による 同原やその他の先輩に よる 上司の依頼による 外部接触による 短期的な接触に よる 相反する要求による 私生活での 責恰度あるト は危険度 2b 中 中 低 高 高 高 高 高 ハブ2(apex) ス42b 中 高 高 中 中 高 低 中 低 低 低 高 高 一 中 高 チ ェ ーン ・ ス ト アヌ ネ ジ ャ ー 一 一 マ ン ・ マ ネ ジ メン ト0 1 中 低 低 低 低 -低 中 合 計131093 * 点数:高は2 点,中は1 点; 例外:責任度あるい は危険度= 高は4 点, 中は2 点; 相反す る 要求 =高は1 点( ふつ う以上 の要求), 中iitO点( 資料出所)Stewart,R.,"ToUnderstandingtheManager'sJob:ConsiderDemands,Constraints,Choices",OrganizationalDynamics,Spring1976,p.23. で,人材選抜や 訓練 に役立つ 職務につい ての新しい ツールを提示し た。一つ は,職務が必要 とす る接 触につい ての類型であ り,い ま一つ ぱ, 仕事パター ンの性質について の類型 であ る。仕事パターンのタイプ (自発的,反応的, 時間制約的)は,潜 在的 に人 材選抜に関係し ているレ とい うのは,それがた ぶんに習慣性を もっているからであ る。し たがって,一つ の仕事 パターンの 職務を長期間担当する と,異なるタ イプの職務に容易に 適合できな くなる。 とくに,反 応的 な職務から自発的 な職務への移動 は,か な り難しい ことがわ かっているよ将来 性のあ る人を反応的な職務タイプ にあ ま り長 く留 まらせる ことはよくない 。しなぜ なら反応的な仕事はあま りに習慣 性が強い ので,自発 的な活動に適合す るこ とが困難になる恐れが恋石からである。 ま七 職務によってか な り異なる欲求 とプレ ッシャーを 明らかにすること は,人を採用し た り,昇 進させ。たるするのに役立つ。空 席のポストに人を就 かぜる場合,そ れに必要 な訓練 とか経験が考慮されるがし,行動上の要求につ
116 いて十 分に検討されている ように思えない。対 人関係技能 は考慮されるか も し れないが,職務で必要 とさ れるいろいろ なタ イプの接 触( コン タクト) が 分析されて きた とは思えない。 こ うい った職 務の要求はふつ う職務記述書で は触れないが,特定の職務に担当者が適し てい るかど うかを判断する際便利 である。 V. 経営管 理者の行動の相違 性 J P 。 コ ッタ ーの所論を中心 として 1. 研究の視点と内容 コッタ ーは ミンクパ ークの ように,経営管理 者の仕事を一 連の課業と役割 で表現す る代わ りに,経営管理者の責任を対人 関係のネット ワークの形成 と 維持を結びつげ ようとす る。つ まり対人 ネ ット ワークの有用性と タデ ィアと しての経営管理者の仕事の重要 性につい て言 及す るのであ る。経営管理者の 仕事を 解明す るためには,彼らの難しい人 間関係ばか りでなく,仕事上の不 確実性や 潜在的に 関係する 情報 の 多榛 欧や その量を 考慮し なけ ればならな い36)。 コ ッタ ーは,1976 年から1981 年にかけ て,各種産業(9 社卜 の15人の 経営管理者に対して実証的研究を行った37)。そ こでは,観察, インタヴュー, 質問票( ア ンケート), 関連書類からの デ ¬夕収集とい った 研究方 法がとら れた。この調査目的 は,①ゼネラル・マネジ ャーの実際 の仕事や行動の観察, ②そ の類似点 と相違点,③②が生じ る原因を明らかにす ることであっ犬38)。 2. 行動の類似性の指摘 まず最初にコ ッターは,責任 と対人 関係とい った二つ の観点 から,ゼネラ ル・マネジ ャーたちの行動を 分析し,職 務の相違 性とそ の原因を 究明し よう とした。その結果 ,意思決定とそ の実行に際し て,被験 者たちの職務に課せ られた要求にかな りの違いがみられるこ とがわか った39)。 次 に, ゼネラル・ニマネジャーの行動の類似性 と仕事への取 り組み方今日 々 の行動 の類型の存在が調べられた。その結果,当該事業 や産業に違いがあ る とはいえ,彼らは きわめて類似した 行動 様式を とってい ることが明らかとな った。 ◇新任 のゼネ ラル・マ ネジ ャーは,自分自身の事業に対す るアジ ェンダ (a-genda 一戦略的企画) を開発する とともに, この アジ ェン ダを実現するた
経営管理者の職務と行動についての一考察117 め に 必要 と さ れる資 源 ネ ッ ト ワ ークを 構 築 し よ うとす る。 こ の アジ ェ ン ダは , ふつ う,長 期 ,中 期 , そし て短 期 的 な責 任 と, ゆ る や か に 結 びつ い た 目的 や 計 画か ら で き てい る。 そ の 項 目 に は, 財 務 , 製 品 ・ 市場 , 組 織 な どがあ る。 また ,協 力 関 係 のネ'ツト ワ ー クは , 同 僚, 部 外 者 ,上 司 の上 司 , そ し て部 下 の部下 を 網 羅 す る。 一 度 , こ の よ うな ア ジ ェ ン ダや ネ ット ワ ー クが設 定 , 構 築 され れ ば , ゼ ネ ラル ・マ ネ ジ 十− は ,そ の ア ジ ェ ン ダの 実 行 のた め に , ネ ット ワ ー クを 利 用 す る こ と に努 め る蝉 。 3. アジェンダの設定とネットワークの構築 コッタ ーは,ゼネ ラル・マネジ ャーの日常生活をお よそ2 年間,延500 時 間以上かけ て実際に観察し,彼ら の時 間の使い方に, ミン クパー クらの研究 と同じ ような パタ ーンを 発見した41)。つ ま り,ゼネラル・マ ネジ ャーの活動 は,組織内外の数多くの人 々との接 触が中心で,そ0 内容は多様 性に富み, 断片的,簡 潔なものであ る, とい うのであ る4‰ この ような活動 パターンは, ゼネラルI・マ ネジャーの職務に対する行動上の要求に起因してい る。具体的 にいえば,ゼネラル・マネジ ャーは,① アジ ェンダの設定,②協力関係ネ ッ ト ワークの構築,そして③ネ ット ワークを 通じてのアジ ェンダの実施 とい っ た相互依存的かつ 循環的過程 での効率的 な職務遂行を要 請されてい るのであ る。 そこで,設 定したアジェンダを 効率的 に実行していくためには,ど うし て も組織内外の継続的な協力を得る必要 があ る。 また, アジェンダの修正や更 新をす るために,そ のような機会を とらえて 情報の交換,収集を する必要が あ る。協力関係ネット ワークを 維持し てい くために,ゼ ネラル・マネジ ャー は,一見非 能率的 とも思える ような接 触をす ることもあ る。 彼らはこ うして 構築し た自分に好意的な協力ネ ット ワ ークを利用し て, アジェンダを実行し ていく。 こ==iツタ ーは,ゼネ ラル・マ ネジ ャーの効率的, 能率的行動についてのフレ ーム・ フーグを 提示し,類似した行動 パタ ーンを取るこ とを 明らかにした。 コ ッタ ーがゼネラル・マネジ ャーの行動の中 でとくに強調す る点は,協力関 係ネット ワークの重要性であ る。 これは, ミンクパ ークも指摘した対人役割 と情報役割の重要性と同一線上 にあ る。 ただコッターは, スチ ュワート同様,その 関係が縦, 横,斜めに伸びる複
118 雑な接 触 ネ ット ワアクを想定したのであ る。この関係り 方向につし て,コッ ターはかな りユ ニ ークな見解を示している。事業が拡大す るにっ れて,経営 管理者は, 次第 に職務遂行のため,横の関係に依存し なけ ればならなくなる。 し たがって,まったく命令系統から外れた仕事をす る場 合に備え,横の関係 の必要性を 強調し ている4呪 4. 行動の相違性の指摘 コッタ ーは, こ うしヽつた類似性を強調するー一方で,一 連の行動過程におい て,ゼネラル・マネジ ャーの行動に差異かお ることも指摘七 てい る。その相 違 性は,職務要求の差異 と個人特性の差異に起因す る。 前者は,職務の種類, 会社,事業 の違い とい った状況 要因によって, また後者 は,家庭 背景,教育, 職歴とい った生活 環境の違いに よって影響を受け る。その結果, この ような 差異を もったゼネ ラル・マネジャーによって設定,構築 されるアジ土ソダや ネット ワークにも差異が生じてくる“ )。 ■ ■■ さらに,ゼネ ラル・マネジ ャーの取 り組み方の違い や時間の使い方の違い に よって 乱 彼ら の行動に影響が出てくる。 例えば,アジ ェン ダに記載され る項 目が多 くなればなるほ ど,ゼネラル・マネジ ャーは,そ れを 実行するた めに,多くの時間を割かなけ ればならなくなる。 また,ネ ット ワ ークが大き くなればなるほど,関係者との接触が多 くなる。 こうし て,コ ッターは,ゼ ネラル・マネジ ャーの職務と行動の類似 性と相違 性を 明らか にす る。 以上,コッタ ーは, ゼネラル・マネジ ャーが能率的な行動を す るために, ど0 ようなこ とを しているかを,実証的研究を通じて解 明し ようとした。そ の過程におい て,彼らの行動にみ られる類似性や 相違 性の原因を 究明した。 そして,その 調査結果から,n 章で述べたマネジ メント教育に役立つ実践的 教訓を引き出すのであ る。 Ⅵ。 結 言 われわれはこ れまで古典学派と職 務活動学派の論争を 介し て,後者 の研究 の目的,方法そし て成果を 検討してきた。その結果 ,職務活動 学派の主張点 が次のように明ら かになった。 ① 職務活動 学派と古典学派では,経営管理者の職務や 行動 に関して異な る研究成果 がみられたこと。
経営管 理者 の職 務と行 動について の一 考察119 ② 職 務 活 動 学 派 の 多 く の 研 究 者 た ち が 用 い る 観 察 方 法 に よ る デ ー タ の収 集 の 仕 方 に は 問 題 が あ る こ と 。 ③ 職 務 活 動 学 派 の 研 究 者 た ち の 関 心 ( 研 究 テ ー マ ) が 経 営 管 理 者 の 職 務 や 行 動 に み ら れ る 類 似 性 か ら 相 違 性 へ の 転 換 し た こ と 。 職 務 活 動 学 派 の 出 発 点 は , 古 典 学 派 の 描 く 経 営 管 理 者 像 で は , 彼 ら が 何 を し て い る か を 正 確 に 記 述 す る こ と は で き な い と い う と こ ろ に あ う・だ 。 そ う し た 一 面 は 確 か に あ っ た こ と は 否 定 で き な い 。 と い う の は , 経 営 管 理 論 の 普 及 に っ と め た 人 々 の 手 に よ っ て , 経 営 管 理 者 の 役 割 は テ キ ス ト 化 し や す く す る た め に , つ ま り 普 遍 性 や 一 般 性 を も つ よ 言 に “ 唯 一 最 善 の も の ” と し て 抽 象 化 , 単 純 化 さ れ て き た か ら で あ る 。 し か し , そ う し た 傾 向 に 批 判 的 な 職 務 活 動 学 派 乱 ミ ソ ッ バ ー ダ の 役 割 論 に み ら れ る よ う に , 結 局 は , マ ネ ジ ノ ソ ト 教 育 の プ ロ グ ラ ム 作 り と い っ 九 方 向 に む か う こ と に な る 。 こ う し た 流 れ を み る と , 古 典 学 派 と 職 務 活 動 学 派 の 研 究 は , 同 じ 目 的 を 七 つ だ も の と し て , 対 立 的 と い う よ り は 補 完 的 な 関 係 に あ る と い え る 。r ・ ・ 次 に , 古 典 学 派 か ら の 職 務 活 動 学 派 の 研 究 方 法 に つ い て の 批 判 は , い わ ゆ る 職 務 分 析 手 法 に 対 す る も の と 同 じ で あ っ た 。 す な わ ち , デ ー タ の 収 集 方 法 め 妥 当 性 や 標 本 数 の 少 な さ か ら く る 信 頼 性 を 問 題 と し て い る 。 実 際 に 経 営 管 理 者 が 何 を 行 っ て い る の か を 正 確 に 記 述 し よ う と す る あ ま り , か え っ て そ の 実 像 が つ か め な く な っ て し ま う き ら い が あ る 。 た ん な る ネ オ ・ テ イ ラ リ ズ ム と で も い う べ き 動 作 研 究 の 繰 り 返 し に み え な く も な い 。 た だ , そ の 対 象 が 第 一 線 管 理 者 か ら ト ッ プ 経 営 者 と い っ た よ う に 高 い 管 理 レ ベ ル に 移 動 し た と こ ろ に 違 い は あ る 。 さ ら に , 職 務 活 動 学 派 の 研 究 者 だ も の テ ¬ マ ( 関 心 ) の シ フ ト が み ら れ た が , そ の 目 的 は , ① こ れ まで 職 務 記 述 書 で は 描 け な か っ た 職 務 遂 行 上 の 要 件 を 明 ら か に す る こ と , ② 有 能 な 経 営 管 理 者 は 何 を し て い る の か , あ る い は ど う し た ら そ う な れ る の か と い っ た こ と を 明 ら か に す る こ と に あ っ た 。 た だ , こう し た 間 題 意 識 は 決 し て 目 新 し い も の で は な い 。 そ れ は 一 連 の リ ー ダ ー シ ッ プ 研 究 め テ ー マ で あ る 。 し か し , 従 来 のi; ー ダ ー シ ッ プ 論 の 枠 組 み を そ の ま ま 借 用 し た の で は , 経 営 管 理 者 の 職 務 や 行 動 の 全 体 像 を 把 握 す る こ と は で き な い の で あ る4 ‰ と い う の は , 経 営 管 理 者 は , ① 外 部 の 人 々 と 自 分 の 時 間 の 過 半 を 費 や し て い る こ と , ② 公 式 的 な 計 画 や 管 理 シ ス テ ム に そ っ
120 て行動し てい ないこ とが 明らかであるからである46)。 この ように,経営管理者が職務を効率的に遂行するために,非公式 的で戦 略 的,革新的な企画を設 定し ,外部からの情報を獲得す るための独自の情報 システ ムを構築し ようとする姿を描いたことは,これまでの職務活動 学派の 研究を一歩前進 させた といえ よう。 しかし,職務活動学派の研究では,結局,①対人処理機 能つ ま りヒ ューマ ン・スキル(human-skill ) の 重 要性 と,②経営管理者が何をし てい るのか を 自己認識す る必要性が指摘されたにすぎない。 とはいえ, コッターが対人処理機能の必要性のところで触れたよ うに, ア ジェン ダを実行する際,諸関係の協力ネ ット ワークを通じて断片 的な情報に よって構築された,知識ベ ー不の解明にこれから の職務活動学 派の研究方 向 が見い出されるのではない だろ うか。 なぜ なら,それを古典学派が早くから 技術的知識や行政的知識を 経営管理者の成功に重要な意味を もっ 決定因であ る と指摘 してい るにもかかわらず,これまでほとんど研究し てこなかった分 野であるからであ る。 注 1 ) 一 般 的 に , マ ネ ジ ャ ー と い う 用 語 に は , 組 織 階 層 の 一 定 レ ベ ル 以 上 の す べ て の も のを 指 す 場 合 と , も う少 し 制 限 さ れ た 意 味 で用 い る 場 合 が あ る 。 と こ ろ が , 職 務 活 動 学 派 の 研 究 に お い て 調 査 対 象 者 が , 職 長 か らト ップ 経 営 者 ま で と そ の 範 囲 が 広 い こ と と , 研 究 者 た ち 昿 そ れ ほ ど 明 確 に 管 理 者 と 経 営 者 と の 区 別 せ ず に 使 用七 てい る こ とを 考 慮 し て , 用 語 の 混 乱 を 避 け るた め , 本 稿 で は,manager ( マ ネ ジ ャ ー ) を 経 営 管 理 者 と い う 用 語 に 統 一 し , 折 衷 的 か つ 包 括 的 な 意 味 合 い も た せ 使 用 し て い る 。 こ れ に つ い て の 詳 細 は , 拙 稿 「 古 典 学 派 と 職 務 活 動 学 派 」『 現 代 経 営 学 説 の 探 究 』( 大 平 浩 二 , 幸 田 浩 文 , 早 坂 明 彦 著 ) 中 央 経 済 社 ,1988 年 ,pp.109 ∼110 の注12 を 参 照 の こ と 。2 ) 職 務 活 動 学 派 の 研 究 者 た ち は , 古 典 学 派 に。対 し て , ①マ ネジ メ ン ト を 一 連 の管 理 要 素 ( 例 え ば , 計 画 化 , 組 織 化 , 命 令, 調 整 , 統 制 ) とし て 捉 え る と い っ た 分 析 方 法 が ど の 位 役 に 立 つ の か, ② こ の よ うな 職 能 と 実 際 の 経 営 管 理 者 の 行 動 が 本 質 的 に関 係 あ る のだ ろ う か , ③ 経 営 管 理 者 の実 際 の 仕 事 を ど こ ま で 記 述 し て い る の か , とい った 視 点 で 疑 問 を 投 げ か け る 。 そ れ は 主 に 研 究 手 法 の妥 当 性 と 有 用 性 に 向 け ら れ て い る 。3 ) 北 野 利 信「 フ ァ ヨ ー ル の 逡 巡 」『 大 阪 大 学 経 済 学JVol.35,No.1,1985,p.321.4 』Wren,D.A. 八TheEvolutionofManagementThought,2nd.ed.,JohnWiley&Sons,Inc.,NewYork,1979,p.467. 車 戸 賓 監 訳 『 現 代 経 営 管 理 思 想 /
経営管理者の職務と行 動について の一 考察121 そ の 進 化 の 系 譜 』( 下 九 マ グ ロ ウ ヒ ル,1984 年,pp.557 ∼558.5 )Mintzberg,H.,TheNatureofManagerialWork,Prentice-Hill,Inc.,1973,pp.1 ∼2.6 )Ibid.,pp.132 ∼198.7 )Ibid.,p.173.8 )Ibid.,p.162.9 )Mintzberg ,op.cit.,1973,pp.177 ∼186.10 )Mintzberg,H.,"TheManager'sJob:FolkloreandFact",HarvardBusinessReview,Ju レAug.,1976,pp.49 ∼61,11 )Mintzberg,op.cit.,!976,pp.195 ∼198.12 )Ibid ・.pp.188 ∼193.13
)Stewart,R. ,andMarshall,J., ① “ManagerialBeliefsAboutManaging:ImplicationsforManagementTraining",PersonnelReview,Vo!
。11,No.2 ,1982,pp 。21∼24, ②"Managers'JobPerception.PartI:TheirOverallFrame-worksandWorkingStrategies' ≒JournalofManagementStudies,Vol.18,No.2,Apr.,1981,pp.177 ∼190, ③"Managers'JobPerception.PartII;Op-portunitiesfor,andAttitudesto.choice",JournalofManagementStudies,Vol.18,No.3,Jul.,1981,pp.263 ∼275.14 )Stewart,R.,"TheNatureofManagement?AProblemforManagementEducation",JournalofManagementStudies,Vol.21,No.3,JuL,1984,pp.323 ∼330.!5 )Kotter,J.P.,TheGenenalManagers,TheFreePress,N.Y. ,1982,p.147. 金 井 寿 宏 , 加 護 野 忠 男 , 谷 光 太 郎 。 宇 圧1川 富 秋 訳 『 ザ ・ ゼ ネ ラル ・ マ ネ ジ ャ ー』 ダ イ ヤ モ ン ド社,1984 年 ,p .215 ニ16 )Ibid ・,pp ,128∼134.17 )Kotter,J.P.,"GeneralManagersareNotGeneralists",OrganizationalDynamics,Vol.10,No.4,Spr.,1982,pp.4 ∼19.18 )Kotter,J.P.,"TheCareandFeedingofGeneralManager",ModernOfficeTechnology,Vol.28,No.12,Dec,1983,pp.14 ∼20.19
)Kotter ,TheGeneralManagers,pp.137 ∼138. 『邦 訳 書 』,pp.200 ∼201.20)Ibid.,p.144.
『邦 訳 書 』,p.211.21 )Hemphill,J.K.,"JobDescriptionsforExecutive",HarvardBusinessReview,Vol.37,No.5,:1959,p.64.22 )Pheysey ,D.C,"ActivitiesofMiddleManagers-ATrainingGuide",Jou-rnalofManagentStudies,Vol.158 ∼171.23 )Hales,C.P 。“WhatdoManagersdo?",JournalofManagementStudies,Vol.23,No.1 ,Jan.,1986,p.93.24 )Ibid.,p.93.
122 25) どのような状況でも, ①組織単位の象徴やリーダーとし七の行動, ②連結, 情報 のモニター,ろ過,伝播,④資源配分, ⑤妨害処理 と仕事の流れの維持, 交渉,⑦革新, ⑧計画化,⑤部下の統制と指揮とい った要素が共通である。 ③ ⑥ 26)McCall,M.W 。Jr.,Morrison,A.M.,&Hannan,R.L.,StudiesofMan-agerialWork:ResultsandMethods,TechnicalReport,No.9,CenterforCreativeLeadership,Greensboro,N.C,1978,pp.6 ∼18.27 ) こ こ で 問 題 と な る の は , 経 営 管 理 者 は , 計 画 立 案 に 際 し 熟 考 し て い る 時 間的 余 裕 が な い とい う点 て あ る 。 こ れ に つ い て は , す で に 拙 稿 で 検 討 ず み な の でそ ち ら を 参 照 の こ と 。 拙 著 「I\^ 古 典 学 派 と職 務 活 動 学 派 の 評 価 」『 前 掲 書 』 ,pp.104 ∼107.28 ) そ の よ う に 感 じ た の は ミ ン ツ バ-―■ダ ば か り で は な い 。 セ イ ル ズ も また , す で に 見 て き た よ うな , 数 多 く の仕 事 に 追 い ま く ら れ , 一 つ の こ と に あ ま り時 間 を 割 け ず ,刺 激 反 応 的 に 職 務 を 処 理 す る 経 営 管 理 者 像 を 描 き 出 す 。Sayles,L.R ・,Lead-ership:WhatEffectiveManagersReallyDo...andHowTheyDoIt,McGraw-HillBookCompany,NewYork,1979,p.13.29 )Whitely,op.cit.,pp.344 ∼345.130 ) ホ ワ イ ト リ ー (Whitely,W. ) は , ま ず , 最 初 に , 経 営 管 理 者 の 行 動 内 容 とプ ロ セ ス特 性 の 類 似 点 と 相違 点 を 明 ら か に し よ う と し た 。 次 い で , 経 営 管 理 者 の 仕 事 が に 行 動 内 容 に おじヽて , ど の 程 度 ま で プr=・セ ス 栓 陛 に 類 似 し て い る か , 第 三 に , プl=・セ ス 特 性 は 異 な る が , 行 動 内 容 が 同 じ と い う経 営 管 理 者 の 仕 事 を 記 述 し , 比 較 す る こ と, そ し て 最 後 に , こ の 二 つ の ア プ ロ ー チ の 調 査 結 果 , す な わ ち 経 営 管 理 者 の 仕 事 の 類 似 点 と 相 違 点 に つ い て の よ り包 括 的 な 記 述 を し よ うとし た 。 ホ ワ イ ト リ ー は , い ま ま で 統 合 し よ う と す る 試 み 勿 な か っ た こ の二 つ の ア プ リ ー チ の 調 査 結 果 を 整 理 , 統 合 し よ う と し た の で あ る 。Ibid・,pp.344 ∼362.31 ) 経 営 管 理 者 の 効 率 性 に はい くつ か の 意 味 が あ る 。 例 え ば , イ ンプ ット に 対 す る ア ウ ト プ ット の 比 率 , 決 め ら れ た 仕 事 へ の貢 献 の 度 合 , 部 下 に 対 す る管 理 の 程 度 , 意 思 決 定 の 質 の 程 度 と い っ た こ と や , 効 率 性 を ど の 階 層 レ ベ ル で 捉 え る か と い っ た こ と も 考 慮 し な け れ ば な ら な い 。32 ) カ ー ル ソ ン は , 職 務 活 動 学 派 の 始 祖 と も考 え ら れ る研 究 者 で あ る 。 彼 凪 スウ ユー デ ン 企 業 の9 人 の経 営 者 (managingdirector ) の 行 動 を 日 記 法 を 用 い て 観 察 し , 彼 ら に は 作 業 に お い て 共 通 の パ タ ー ン ( と く に コ ミ ー。ニ ケ ー シ ョ ン ) が あ \ る こ と を 発 見 し た 。Carlson,S.,E χecutiveBehavior,Strombergs,Stockholm,1951. ま た ス チ ュ ワ ー ト は , 実 質 的 に は カ ー ル ソ ン の 観 察 方 式 を 用 い て,4 週 間 に わ た り イ ギ リ スに お い て,160 人 の 上 級 ・ 中 級 の 管 理 者 の 職 務 の 相違 性 につ い て 調 査 研 究 し た 。 こ れ に つ い て の 詳 細 は , 下 記 の女 史 の 著 作 を 参 照 の こ と。Stewart,R.,TheRealityofManagement,Heinemann,London,1963,ManagerandtheirJob:AStudyoftheSimilaritiesandDifferencesinthe
経 営 管 理 者 の 職 務 と 行 動 に つ い て の 一 考 察123WaysManagersspendtheirtime,Macmillan,London,1967 (r 管 理 者 と そ の 仕 事 』 近 代 資 本 主 義 研 究 会 ,1967 年 )33 )Stewart,R., ヅ'TheManager'sJob:Discretionvs.Demand",Organizati-onalDymanics,Vol.2,No.3,1974,pp.67 ∼73.34 )Stewart,R.,"ToUnderstandingtheManager'sJob:ConsiderDemands,Constraints,Choices",OrganizationalDynamics,Spr.,1976,pp.22 ∼32.35) こ の 要 求 (demand ) と は , 職 務 遂 行 上 し な け れ ば な ら な い こ と で 業 積 の 最 低 基 準 を 意 味 す る 。 ニKast,F.R.,andRosenzweig,J.E.,OrganizationandManagement:ASystemandContingentApproach,4thed. ,McGraw 一HillBook,1985.pp.410 ∼411. 経 営 管 理 者 り 職 務 の 相 違 性 に あ ま り 注 意 を 払 っ て こ な か っ た こ と に 疑 問 を 抱 く ス チ ュ ワ ー ト は , 調 査 結 果 に 基 づ い て 経 営 管 理 者 の 職 務 の 性 質 を 理 解 す る の に 役 立 つ フ レ ー ム ・ ワ ー ク を 提 示 す る 。 そ れ は 要 求, ( 資 源 の 限 界 , 法 的 制 約9 技 術 的 限 界 と ド つ た ) 制 約 (constraints), ( 自・由 裁 量 を 意 味 す る ) 選 択 (choice ) と い っ た 次 元 で 経 営 管 理 者 を 捉 え る こ と で あ る 。 各 経 営 管 理 者 の 職 務 は , 外 部 環 境 , 産 業 , 活 動 の 内 容 , さ ら に は 経 営 管 理 者 の 階 層 レ ベ ル , 所 有 形 態 に よ っ て , こ の 三 つ の 相 対 的 比 重 は 異 な る 。 こ れ を と く に 組 織 の 階 層 レ ベ ル や サ ブ シ ス テ ム の 観 点 で み て み る と , 第 一 線 管 理 者 に は ト ッ プ 経 営 者 よ り も 多 く の 制 約 と 要 求 が か か る 。 し た が っ て 選 択 の 余 地 が 少 な く な る 。 ま た , ト ッ プ 経 営 者 は , 下 級 管 理 者 の 定 型 的 な 職 務 よ り も , 相 対 的 に 非 定 型 的 , 戦 略 的 な 職 務 を 遂 行 し な け れ ば な ら な い 。 中 級 管 理 者 は , ど ち ら か と い ケ と 調 整 的 な 職 務 を 遂 行 す る こ と が 要 求 さ れ る 。36 )Kotter,J.P.,"WhatEffectiveGeneralManagersReallyDo",Oct.-Nov.,1982,p.160.37 ) コ ッ タ ー は と く に ゼ ネ ラ ル ・ マ ネ ジ ャ ー (generalmanager ) を 研 究 対 象 と し た 。 彼 に よ れ ば レ ー 般 的 に ゼ ネ ラ ル ・ マ ネ ジ ャ ー と い う 役 職 名 が , 会 社 のCEO ( 最 高 経 営 責 任 者 ) あ る い は 社 長 を 指 す 場 合 が あ る が , 同 書 で は 広 義 的 に , あ る 事 業 の 遂 行 の た め に , 複 数 の 織 能 責 任 を も っ 地 位 に 就 い て い る 人 々 と 定 義 づ け て い るoIjKotter,op.cit, ,p.2,196. 『 邦 訳 書 』.p.4,275.38 ) こ の 調 査 の 目 標 は , 以 下 に 示 す よ う に か な り 広 範 な も の と な っ た 。 ① ゼ ネ ラ ル ・ マ ネ ジ ャ ー ( 以 降,GM と す る ) の 職 務 と は , 実 際 に は ど の よ う な も の か ? ② そ の 職 務 の 特 徴 は , 状 況 の 違 い に よ っ て ど の 程 度 異 な る の か ? ③ ま た , そ の よ う な 状 況 の 違 い に よ っ て 職 務 の 特 徴 が 異 な る の は ど う い う 理 由 か ら か? ④ ど の よ う な 人 々 がGM に な る の か? ⑤GM に は ど の よ う な 類 似 点 が あ る の か ? ⑥ そ し て そ の 理 由 は な に か ? ⑦GM の 行 動 に は ど の よ う な 類 似 性 が み ら れ る か? ⑧GM の 仕 事 へ の 取 り 組 み 方 や 日 々 の 行 動 に は , ど の よ う な 共 通 の パ タ ー ン が 存 在 す る の か
124 ? ⑨GM の 行 動 に は ど の よ うな 相 違 性 が み ら れ る の か? ⑩ こ の よ うな 多 様 性 の 原 因 何 か? ⑨ こ の 調 査 結 果 に 照 ら し て み る と, 企 業 の 人 材 選 抜 ・ 育 成 ・ 配 置 に と っ て の 重 要 ポ イ ン ト ( 実 践 的 教 訓 ) に は ど の よ う な沌 の が あ る か? ⑩GM の管 理 に と っ て の 重 要 ポ イ ン ト は ?正 規 のマ ネジ メ ン ト 教育 の 役 割 に と っ て の重 要 ポ イ ン ト は ?経 営 管 理 ( マ ネ ジ メ ン ト ) 理 論 や 調 査 研 究 に と っ て の 重 要 ポ イ ン ト は ?ibid ・,p.6. 『邦 訳 書 』,pp ,10∼11.39 )Ibid ・,p.30,32. 『 邦 訳 書』,p.49.40 )Kotter,J.P.,"AgendaSettingandNetworkingToolsoftheManagementTrade",ModernO 伍ceTechnology,Vol.23,No.11,Nov.,1983,pp.10 ∼14.41 ) コ ッ タ ー は , 時 間 の 使 い 方 を 以 下 の よ うな12 通 り のパ タ ー ン に 分 類 し て い る 。 ① ゼ ネ ラ ル ・ マ ネジ ャ ー は, 他 人 と多 く の時 間 を 費 や し て い た 。 ② 直 層 の 部 下 , 上 司 以 外 の人 と 接 触 し て い た 。 ③ 会 話 の 内 容 は , 広 範 囲 に 及 ん で い た 。 ④会 話 に お い て , 多 く の 質 問 を し てい た 。 ⑤会 話 中 に 大 き な 決 定 を 下 す こ と は ほ と ん ど な か っ た。 ⑥ 仕 事 以 外 の 話 題 を 議 論 し てい た 。 ⑦ 浪 費 的 な 活 動 に も 参 加 し て い た 。 ⑧人 に 対 し て 命 令 を 下 す こ と は な か っ た 。 ⑨ 他 人 に 対 し て 頻 繁 に 自 分 の 影 響 力 を 及 ぼ そ う とし て い た 。 ⑩ 予 定 外 の 会 合 が多 か っ た 。 四 接 触 時 間 の 大 半 は , 短 く, 脈 絡 の ない 会 話 に 費 や さ れ て い た 。 ⑩勤 務 時 間 は 長 時 間 に 及 ん だ 。Ibid ・,pp.79 ∼81. 『 邦 訳 書Jpp.115 ∼118.42 』 ミ ン ツ バ ー グに よる 経 営 管 理 者 の 活 動 パ タ ー ン に つ い て の 調 査 結 果 を 参 照 の こ と 。 拙 著 『 前 掲 書0p.129.43
』Kotter ,J.p.,"Management ニTheReturnoftheVelvetGlove",WorkingWoman,Vol.10,No.8,Aug.,1985,pp.19
∼23.44 )Kotter,TheGeneralManagers,pp.97 ∼99. 『 邦 訳 書 』 ,pp.143 ∼145.45 ) そ れは り ー ダ ーシ ヅ プ の 評 価基 準 昿 ① も っ ぱ ら 組 織 内 の 部 下 の 動 機 づけ と, ② 経 営 管 理 者 が 当 然 行 わ なげ れ ば な ら な い 基 本 的 行 動 に 焦 点 を 合 わ せ て い た か ら で あ る 。46 ) 金 井 壽 宏 「 依 存 性 対 処 の 管 理 者 行 動 / 戦 略 ・ 革 新 指 向 の ミ ド ル ・ マ ネ ジ ャ ー の 課 題 」『 国 民 経 済 雑 誌JVol.150,No.6,1984 年.p.90. 同 稿 は , 一 連 の 職 務 活 動 学 派 の 調 査 結 果 か ら 判 明 し た , 経 営 管 理 者 が 日常 行 動 の50 % 以 上 を 対 外 行 動 に 割 い て い る 事 実 を 踏 ま え , ① 部 下 の対 外 行 動 と ② 基 本的 行 動 を 超 え る 戦 略 ・ 革 新 指 向 の 行 動 に 関 す る ア ン ケ ー ト調 査 と 分 析 の 報 告 書 で あ る 。 そ こ で は ,「 部 門 独 自 の 戦 略 的 企 画 ・ 革 新 的 試 行 を 通 じ て , い か に 他 部 門 ( 水 平 関 係 ), 経 営 ト ッ プ ( 情 報 影 響カト を 動 員 す る か の ス キ ル に も 重 点 を お い た ト レ ー ニ ン グ・ プ ラ ン を 模 索 す る 必 要 性 」 が 指 摘 さ れ て い る (P.118 )。