Title
クォーターフェニル及びテトラゾール誘導体の相転移及び
物性に関する研究( 内容の要旨(Summary) )
Author(s)
佐原, 将彦
Report No.(Doctoral
Degree)
博士(工学) 甲第021号
Issue Date
1995-03-24
Type
博士論文
Version
publisher
URL
http://hdl.handle.net/20.500.12099/1742
※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。氏名(本籍) 学位の種類 学位記番号 学位授与年月日 専 攻 学位論文超目 佐 原 将 彦(静岡県) 博 士(工学) 甲第 21号 平成 7 年 3 月 24 日 物質工学専攻 クオーターフェニル及びテトラゾール誘導体の相転移及び物性に関する 研究 学位論文審査委員 (主査)教授矢 野 紳 -(副査)教授塗 師 幸 夫 教授柴 田 勝 喜 助教授 三 輪 車 l■・【--一 一 ・一一 ---1・・ -論文内容の要旨 典型的な液晶形成化合物は棒状であり、剛直性をもつCOreを中央に持ち、さらに その両末端に屈曲性のある末端基を持つものである。ビフェニルは代表的なCOre部 を形成するもので現在最も良く使われている。最近ビフェニルにべンゼン環を一つ 伸ばしたターウェニルも注目されつつあるが、クオーターフエニルはさはど研究さ れておらず、その液晶性については2、3の研究者たちによって報告されているだけ である。本研究はクオーターフエニルの4,4…位にアルキルオキシ基(-OCnH2n十l) 及びアルキルオキシカルポニル基卜COOR)を導入した一連の化合物を合成し、その液 晶相転移挙動を示差走査熱量測定及び偏光顕微鏡観察により検討している。 一連の4,4=,-ジアルキルオキシクオーターフエニル(CnH2n十10-C6H4C6H4C6H4 c6I.-OCnI2n十.,n=l-18)を4一プロモー4,-アルキルオキシピフエニ)レをPd-C触媒を用い て脱臭素化反応させることにより合成した○アルキルオキシ基の炭素数(n)が1∼8の 化合物はスメクチックA(SA)相を示し、nが9の化合物はSA及びスメクチックC(Sc)相 を示し、nが10∼18の化合物はS。相を示すことを見出した。これらのクオータ フエ ニル液晶化合物はビフェニル及びターフエニル化合物より液晶の熱安定性が著しく 高いことを見出している。 ジアルキルクオーターフエニルー4,4‥'-ジカルポキシレート(ROOC-C6Ⅱ4C誹4-c6I4C6I4-COOR)はアルキル4-ブロモビフェニルイーカルポキシレートをPdpC触媒 を用いて脱臭素化反応することにより合成した○アルキルオキシカルポニル基のRが プロピル、プチル、ペン.チルの化合物はSÅ相を示し、Rがオクチル、ドデシルの化合 物はSA及びS。相を示した。また、Rがイソプロピル、イソプチル、2-エチルヘキシル、 シクロヘキシルの化合物は、S。相を示した。Rが分岐のものは液晶の熱安定性が低下 することを見出した。 次に液晶性分子をハードセグメントとするブロック共重合体は新しいタイプの熱
ー58-可塑性エラストマーの開発の可能性を示すものとしてとして注目されている。アジ ピン酸とエチレングリコールからなるポリエステルをソフトセグメントとし、ハー ドセグメントとしてクオーターフエニルを導入した共重合ポリエステルは興味ある 熱可塑性エラストマーである○この共重合ポリエステルは、仁木らによってハード セグメントドメインとソフトセグメントドメインがミクロ相分離構造を取ること、 またハードセグメント相は擬液晶相をもつことが報告されている。本研究では、ク ォーターフエニルの含量がそれぞれ2・50,3・75・5・00・7・50・10・Omol%の共重合体 に対して示差走査熱量測定、誘電測定、直流電気伝導度測定及びねじれ振動法によ る動的粘弾性の測定を行い、ハードセグメントとソフトセグメントの相分離構造及 び分子運動について検討した。 すべての共重合体はガラス転移湿度(T。)が230E付近にあり、クオータ フエニル 含量にほとんど依存していない○このことはクオーターフエニルからなるハードセ グメントとアジピン酸-エチレングリコ嶋ルからなるソフトセグメントが相分離構 造を取ることを示している。280附近にクオーターフエニルにより乱されたソフト セグメント領域の結晶部分の融解が見られ、また320附近にソフトセグメント領域 の結晶部分の融解が見られた0320E以上の高温域においてハードセグメントの分子 運動に起因する変化が見出された○これは高温域においてハードセグメント相がソ
フト化することに基づくものであ卑ことを指摘した。
一般に非線形光学特性を持つ有創ヒ合物は非局在化した打電子系を有し、置換基として電子吸引性と電子供与性の塞を合わせ持った構造のものが多いことが知られ
ている。ヘテロ環を持つ有機化合物に関しても非線形光学特性の存在が報告されて いるが、テトラゾール誘導体の非線形光学特性に関する研究はほとんど行われてい ない。本研究では、1H-テトラゾールの1位及び5位を種々の置換基で置き換えた48種 類の化合物に対して粉末法による第2高調波発生(SEG)を調べた。UV測定及び半経験 的分子軌道法プログラムパッケージMOPACによる分子超分極率β・基底状態における 永久双極子モーメント〟の計算を行い、S肌と分子骨格との関係について考察した。 Hトテトラゾールはそれ自身で対尿素比0・33のSRG光を発生させる。川-テトラゾー ルの5位を打電子系を有するフエニル基、3-アミノフエニル基で置換するとS那強度 は増大し、1位をフユニル基やトルイル基などで置換するとSⅡG強度は減少、もしく は消失した。分子骨格だけから考えると、1位よりも5位に打電子系を有する置換基 を導入した場合、S耶強度の増大が期待されることが見出された。班0印Cの計算結果 からはβが大きいとSⅡG強度も大きくなる傾向があることが見出された。〟の備についてはほとんどのものは5∼6b呵eであり、特に相関は得られなかった。UV測定より
求められたテトラゾール誘導体の吸収端波長は350n似下であり、今までに報告され ている典型的な非線形光学材料に比べて40∼100nm程短い。このことは半導体レーザ ーなどの短波長の光源からS那光を取り出すのに有効である。 一59一論文審査の結果の要旨 表示用液晶化合物は常温液晶で化学的な安定性が良く、さらに優秀な電気光学 特性をもつ必要がある。これらの要求を満たす最も重要な化合物としてビフェニ ル誘導体がある。しかしながら、最近ターフエニル誘導体についての研究が急増 しているが、一連のポリプエニル誘導体の研究はさほど注目されてこなかった。 本研究は第一にクオーターフエニルをコア部にもつ液晶化合物の液晶性を明らか にしている。はじめに申請者は一般に難しいとされる一連の4,4‥'-ジアルキルオ キシクオーターフエニル(DAQP)同族体及びジアルキル クオーターフユニルー4・ 4,‥-ジカルポキシレート(DCQP)同族体の合成に成功し、液晶相転移挙動を詳細に