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韓国における電気事業の再編

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(1)

韓国における電気事業の再編

著者

木船 久雄

雑誌名

名古屋学院大学論集 社会科学篇

42

2

ページ

13-39

発行年

2005-10-31

URL

http://doi.org/10.15012/00000820

(2)

名古屋学院大学論集 社会科学篇 第42巻 第2号 (2005年 10月)

韓国における電気事業の再編

*

は じめに 目 次

1.韓

国電気事業の概要

2.電

気事業再編の議論 と構想

3.電

気事業再編の実際

4.規

制変更の評価と課題 おわりに

はじめに

韓国では

,1990年

代央から電気事業関連規制 の見直 しに着手 し

,実

際の再編計画は 1990年 代末に出来上が った。その青写真は

,垂

直統合 された韓国電力公社

(KEPCO)を

発電・送電 。 配電 。小売 (販売

)と

機能別に構造分離 し

,そ

れらを民営化 しながら

,卸

市場 。小売 ともに完 全な競争市場を目指すものであった。いわゆる 英国型 。オース トラリア型 と呼ばれる市場モデ ルである。 しか し

,2001年

か ら断行 された大改革 は, 2003年 になると一気に トーンダウンする。労 働組合の反発

,先

行する海外諸国での停電など 電力自由化に伴なう問題点の露呈

,左

派系の慮 武鉱政権の誕生がその原因である。 この改革の 牽引車 となったのが

,1997年

の通貨危機に端を 発 した

IMF主

導による経済改革圧力である。改 *本稿は,2004年度名古屋学院大学共同研究「産業 ネットヮーク研究会」の研究成果の一部である。 同研究会では2005年3月 に韓国の関連機関を訪 問 し, ヒア リング調査を行なった。関係各位のご 尽力に対 し

,心

から感謝申し上げたい。 革は中折れ状態にあるが

,既

IMF圧

力から逃 れた現在は

,韓

国が再度

,電

気事業再編のため の制度設計を再考 しようという時期でもある。 本稿では

,

こうした韓国の電気事業再編につ いてその計画と実際を分析 し

,わ

が国にとって の教訓を探 ることを目的 としている。以下で は

,

まず韓国の電気事業の概要に触れた後

,電

気事業再編の構想 と実際について明 らかにす る。その後に

,

この制度改革の評価や学ぶべ く 教訓を整理 してゆ く。

1.韓

国電気事業の概要

1.1 韓国電力公社

(KEPCO)と

規制体制

(1)電

気事業の発展慨史 韓国の電気事業 の発祥 は

,李

王朝末期の 1898 年 1月 26日 に ソウルで設立 され た漢城電気株 式会社 にある。米国電気事業の発足 は1881年 であ り,わが国では1886年であることか ら,こ れ らに遅れ ること10余年 であ る1。 しか しその 1 ,米 国ではエジソンが 1881年 にニューヨークで 電灯事業を開始 し,日 本では 1886年 に東京電灯が 初の電気事業者 として事業を開始 した。

(3)

後 の韓国電気事業 の発展 は

,ほ

ぼ世界の電気事 業 の歩 み とシンクロしている。 漢城電気会社 の設立以降

,小

規模 で私営 の電 力会社が各地 に雨後 の竹 の子 のよ うに育 ってい く。 これ らは競争 と統廃合を続 けてゆ くが

,朝

鮮戦争 によ って電力設備 が著 し く被害 を受 け, 1950年代前半 は著 しい電力供給不足 の状況 に あ った。統廃合を続 けた電気事業業界は

,1960

年 代初頭 に大手

3社

の寡 占状態 にな って い っ た。大手

3社

とは

,①

朝鮮電力株式会社

,②

京 城電力株式会社

,③

南鮮電力株式会社である2。 1961年 7月 1日 に

,時

の朴政権 は

3社

の企業 統合を進め

,韓

国電力株式会社

(KECO)を

誕 生 させた。 これは

,戦

争 によって大 きな損害を 受 けた電力設備を早急 に復 旧 させ ることが 目的 で あ った。

KECOは

設 立 当初 か ら積極 的 に電 力設備の整備 を進 め

,1964年

には電力供給制限 を解除す るまでに至 った。 さらに

,1982年

1月 1日 に

KECOは

国有化 され

,韓

国電力公社

(KEPCO)と

なる。政府が

KECOの

国有化 を図 った理 由は

,長

期的な電源 開発や原子力発電促進 などを一元的に行 う必要 性 を認識 していたか らである。

KEPCOの

株式 は1989年 2月 にその

21%が

公開 されている。 その後 も株式公開は進め られ て きたが

,企

業分割が行われ た2001年では

,全

株式 の

54%が

政府保有 であ った。 2001年4月 に

KEPCOの

発電部門が分離 され るまで

,韓

国の電気事業 は一部 の発電事業 を除 き

,ほ

KEPCOに

よ って独 占的に営 まれてい た。

KEPCOは

,発

電・ 送電・ 配電 。小売 の各 機能を垂直的に統合 しなが ら

,国

民経済 に安定 的 な 電 力 供 給 を 行 う責 務 を 担 っ て い た。 2 KEPCO(2004),p.10。 以下

,KEPCOの

歴 史 概要についてはKEPCO(2004)等を参考にした。

KEPCOの

資本金は

3兆

1,411億ウォンで

,従

業 員数は 34,753人 であった (2001年)。

(2)規

制当局 韓 国 の電気事 業 を管轄 す る規制 当局 は

,産

業 資源部

(MOCIE:MinistW Of CommeК

Q Indus―

try,and Enery)で あ る。 これ に加 えて

,環

境庁 (MOE:Ministry of EnviЮ nment)と 科学技 術庁

GTA:Science and■

chnolog Agency)が 関与 す る。 例 え ば

,KEPCOの

長 期 電 源 開 発 計 画 は,

KEPCOに

よ って公開 され るが

,

これは公聴会 を経た後 に行われ る

MOCIEに

よる承認を待 っ て効力を持つ。 さらに

,電

気料金 は

,計

画予算庁 (以前 の経 済企画院

)や

財務省 との連携の もとに

,MOCIE

の認可 を必要 としているため

,MOCIEが

直接 的に管理 してい ることになる。

STAは

安全関連 の 規 則 と原 子 力 関 連 の技 術 開 発 を 担 当 し,

MOEは

環境関連 の事柄 で特 に環境影響評価 の プ ロセスにおいて

KEPCOを

規制 している。 しか し

,電

気料金 の認可 を別 とすれば

,韓

国 政府の

KEPCOに

対す る規則 は

,し

ば しば寛大 であ り過ぎる くらいの ものであ ったと評 されて いる。

1.2 1990年

代の規制変更

(1)規

制改革 の潮流 ところで

,韓

国における経済的な規制 の見直 しや改革 は

,1993年

に発足 した金泳三政権か ら 始 まる。世界的に も

,市

場志 向の規制改革 は一 大潮流 になろ うとしていた時期である。同政権 が発表 した「新経済 5カ 年計画 (1993∼)」 で は

,規

制改革 は財政改革 。金融改革 と並 んで, 経済制度

3改

革 のひとつ と位置づ け られた。参 入退 出規制が課 せ られて きた電気事業 に対 し

(4)

韓国 におけ る電気事業 の再編 て

,門

戸 を開放 しようとい う議論が この時期に 行 われている。 さらに

,1997年

の通貨危機の翌年 に誕生 した 金大中政権では

,金

融・ 財閥・ 公共部門・ 労働 の

4大

構造改革 を推進す ることを公約 とした。 規制改革 は

,公

共部門改革の一環 として位置づ け られ

,KEPCO改

革 は名実 ともに政治 日程 に 上 った。同政権では

,規

制改革 を専門的に担 う 「規制改革委員会」 を発足 させている。

(2)IPP(独

立系発電会社) こうした規制改革が政治的な課題 となるなか で

,1990年

代半ばに

,政

府 は独立系発電事業者

CPP:Independent POwer PrOduceDの発電市場 へ の参入 を認 め ることにな った。発電市場 に

IPP事

業 として参入 したのは

,LGグ

ループや現 代 グループなどで ある。 ただ し

,彼

らが発電 した電力の販売先は唯一

KEPCOに

限 られ てお り

,KEPCOと

の間 に電 力引 き取 り契約 を交わ しなが ら

,発

電 した電力 は指定 された価格で供給す ることが義務付 けら れていた。 また

,2001年

以降の電気事業再編以前 におい て は

,電

気事業 に拘 わ る設備 の圧 倒 的部 分 は

KEPCOに

よ って所有 されていたが

,一

部 の発 電設備 はそ うで はなか った。韓 国水資源会社

(KWRC:Korea Water ResouК

es Coつ OratioD と

Hanhwaエ

ナジー社は

,国

全体の発電設備の 約

7%を

所有 していた(2001年)。 しか し

,彼

ら もIPPと同様 に発電 す る電力 は全量 を

KEPCO

に販売せざるを得なか った。 唯 一 の例 外 は

,LG Power社

が コー ジ ェ ネ レーシ ョンを用 いてビルの一棟 に電力の直接供 給 を している事例である (2000年)。

(3)KEPCOの

株式公開 先 に も触れた

KEPCO株

の一部公開は

,1990

年 代 に さ らに加 速 した。

KEPCOが

発 足 した 1982年当初 において

,KEPCO株

の全量は政府 によ って所有 されていた。 しか し

,1989年

8月 20日 にその

21%が

公開 され

,KEPCOは

100%

の公営か ら一部民間が株式を有す る会社へ と脱 皮 している。 加 えて

,1994年

には

,KEPCOは

外国資金 を 直接調達す る方法 として

,ニ

ュー ヨー ク株式市 場 で1500万株 の

ADRs(Ame

can DepositoW

Receipts)を 発行 している。 こうした方法を通 じて

,KEPCOは

一部民営化 の方 向を模索 して きた。 韓 国政 府 の持 ち株 比 率 は

58%(2001年

末) であるため

,依

然 として政府 は

KEPCOの

筆頭 株主であ り

,役

員会の長 とメンバ ーの任命権 を 有 している。 しか し

,形

式的には民間の意思 も 反映 され易い体制 に変化 して きていた。

(4)構

造改革の外圧 韓国では1997年 11月 に通貨危機が起 き

,国

内経済 は大 きな痛手 を受 けた。 その復興 を 目指 した韓国政府は

,IMFに

総額

583億

ドルの緊急 支 援 を要 請 した。 この 通 貨 危 機 は

,韓

国 で 「

IMF危

機」 と呼ばれてい るが

,も

ちろん

IMF

が原因 となって もた らされた危機ではない。通 貨危機か ら脱出す る処方箋 として

,IMFが

韓国 政府 に求 めた ドラステ ィックな構造改革 こそ が,「 危機」 と呼ばれ る由縁である。 つ まり

,IMFが

支援 の条件 として韓国政府 に 要求 した ことは

,国

内経済の構造改革 を進 め る ことで あ った。1998年 2月 に誕生 した金大 中 大 統 領 は これ に対 処 す る た め

,同

7月

,

KEPCOを

は じめ とす る6つの国営企業の段階 的な民営化

,さ

らに韓国重工業

(HanJuno,浦

(5)

韓 国

=100

1999 2000 2001 2002 2003 図

1

産業用電力価格の国際比較 (資料

)経

済産業省 (2004)か ら作成 ―く "‐ ドイツ

0香

港 H)… 日本 →卜 米国 ¬トー中国

-0-シ

ンガポール △ 台湾 ロー 韓国 項総合製鉄

(POSCO),韓

国総合化学工業 など 5つ国営企業 については即時に民営化す ること を決定 した。

IMF危

機 を契機 として

,韓

国の電気事業 は, 半ば強制的に再編を推 し進 めざるを得 な くな っ たのである。

1.3 KEPCO独

占体制の評価

(1)KEPCO体

制の成果

KEPCOが

一社独 占とい う体制で電気事業を 担 って きた ことは

,そ

れ な りに評価を受 けてい る。 まず

,KEPCO成

立時の 目的である原子力 を始 めとした大規模電源開発 は

,確

実 に進捗を 見た。 また

,全

国一律のユニバーサル・ サービスと 低 い電気料金の実現 は

,KEPCOの

大 いなる貢 献 で あ る。家庭用 や商業用 の電気料金 の水準 は

,産

業用のそれ に比べて倍近 いものの

,総

合 単価 はおよそ5セン ト

/kWhで

,国

際的に極 め て低 い水準 にある。例えば

,2001年

の産業用電 力料金を諸外国 と比較 してみれば

,韓

国のそれ は先進国 の

5分

の1∼

3分

の1の水準 で あ る し

,中

国や台湾, シンガポールよ りも安い (図

1参

照)。 後述 す る内部相互補助 の問題 はある ものの

,圧

倒的 な国際競争力を持つ電気料金の 姿が ここにある。 さらに

,平

均発電効率 の

39%や

送配電損失率 が

5%前

後 とい うのは

,先

進諸国で も トップ ク ラスの技術水準である'。 従業員一 人当 りの生 産性は

,1990年

代後半 には

8000MWh(販

売量) と

4億

ウ ォン (売上

)の

水準 で

,1980年

以降, 著 しい成長 を遂げている。 こうした成果 は

,市

場競争 に さらされ ること のない独 占体制であるがゆえの成果であるとい えよ う。

(2)KEPCO体

制 の問題点 しか し一方で

,幾

つかの問題 も顕在化 させて いた。 それ らは

,第

1に 環境問題であ り

,第

2

3

韓国の送配電損失率は47%(2000年)であり,

OECD平

均の6.8%に比べて,著しく良いパフォー マンスを示 している。 これは,送電 ネットヮーク の多 くが比較的新 しい ことに由来す るよ うだ。 OECD//1EA(2002), p.55。 ネ `L

``ミ

(6)

韓 国 にお け る電気事業 の再編 に

,内

部相互補助を通 じた産業優先の電気料金 体系であ り

,第

3に

KEPCOの

財政悪化であ る。

KEPCOに

よる大規模電源開発は

,海

外炭 に よ る石炭火力 と原子力 を中心 に推進 されて き た。 日本 と同様にエネルギー資源に乏 しい韓国 では

,安

価 な海外炭による石炭火力の利用は経 済的であ った し

,準

国産 エネルギー となる原子 力はエネルギ ーセキ ュ リテ ィー上好 ましい電源 であ った。 しか し

,現

在では石炭火力は温暖化 ガ ス排出源 と認識 され

,原

子力 も社会的受容性 の問題か ら

,容

易に拡張 はで きない。 第2の内部相互補助問題は

,経

済成長 と産業 振興 のために

,産

業用の電力料金を意図的に安 価 に設定 して きた ことである。 これは

,総

括原 価か ら個別原価配賦を行 う過程で

,家

庭用 と商 業用 の需要家に犠牲を強 いなが ら産業需要家の 料 金 を割引 くことで成立 す るシステムであ っ た4。 そのため

,相

対 的 に安価 な電力価格 は必 要以上 に需要を増加 させ

,経

済効率 を悪化 させ て きた

,と

考 え られている。 第3の問題点 で あ る

KEPCOの

財政悪化 は, 直接的には電力供給設備に対す る投資資金確保 のために行 った膨大な借入金に由来す る。 しか し

,民

間企業 に比べて相対的に低 い報酬率

,株

主である政府に対す る低配当

,そ

の結果 として の安 い電力料金

,

とい った構造的問題 もまた原 因である。 既 に筆頭株主である韓国政府には

KEPCOに

対 して資本を注入す る財政余力は乏 しく

,か

と 言 って電気料金を大幅値上げす ることもままな らない。そのため

,KEPCOの

資本負債比率 は, 1998年には

180%と

い うレベルに達 していた。

4

需要家別の料金水準 とコス トとの関係は

,農

業 用料金が コス トの48%,産業用料金では同96%で あるのに対 し

,商

業用は同134%と推計 されてい るc OECD/1EA(2002),p.60。 それで も

,KEPCOは

資金調達 のために ます ま す国内外での債券発行に依存せざるをえなか っ た。1999年 の

KEPCOの

負債 は

,約

250億ドル, そ の うち外 貨分 が

90億

ドル以上 に達 して い

2.電

気事業再編の議論 と構想

先述 した よ うに

,産

業 資源部 は1999年 1月 に「電気事業再編基本計画」を公表 している。 こ れは

,韓

国の電気事業の再編成 に関わる設計図 であ り

,同

年以降の改革はこれを基 に して ドラ ステ ィックに進 め られ よ うとしていた。2003 年 に慮武鉱氏が大統領 に就任す ると

,

この設計 図はかな り色 あせて しまうが, まずは当初の設 計図を確認 してお こう。

2.1

産業再編の議論

(1)IMF危

機以前

KEPCOの

リストラと民営化を含む電力産業 の再編については

,1990年

代の半ばに議論が開 始 されている。例えば

,韓

国政府は 1994年 に 広範 囲 にわた る公共部 門改革 の一貫 として

KEPCOの

経営評価を命 じて いる。 この評価

,韓

国産業経済研究所 (KIERI:Korean lnd■ stry and Economy Research lnstitutυが」巨イ本と なってAhttin会計事務所 とSamil会計事務所の

5

た だ し,その後 にお いて も

KEPCOの

債 権 が ジャンクとされているわけではない。例えば, 2002年末に株式会社日本格付研究所

CCDの

行っ

KEPCO債

権格の付けは「

A/安

定的」である。 その理由を

,①

KEPCOと 政府 との強い関係性, ②公益事業法人としての事業の安定性,③電気事 業会社としては比較的良好な財務ポジションなど のポジティブな要因,をあげている(2002年12 月13日)。 た5。

(7)

協力を得て実施 された。

2年

後 の1996年に出された彼 らの報告書 は,

KEPCOの

経済的・ 技術的パ フ ォーマ ンスは他 の公社に比べて相対的に良好であると結論付け た。 しか し同時に

,経

済効率を一段 と高 めるた めには

KEPCOの

経営や組織 の改革 を検討すべ きであるとも指摘 した。加えて

,産

業再編 と民 営化 に関す る問題 については

,KEPCOが

発電 部門を分離・ 子会社化 し

,そ

れ らを段階的に民 営化す ることを提案 している。評価 チームの提 案 は法的拘束力を持つ ものではなか ったが

,彼

らの活動 と評価結果は政府 と

KEPCOに

真剣 に 受 け止 め られた。 一方

,電

気事業 の規制見直 しの圧力 は

,上

述 の評価チームとは別の

,規

制改革委員会 (RRC:

Regulatory Rebrm CommitteOか

らも生 じて きた。

RRCは

共同議長 として

,首

相 と韓国商工 会議所会頭 を冠 している。 この委員会 の下部組 織 である「経済的規制改革小委員会 (公正取引 委員会委員長が議長)」は

,1997年

4月 に電力市 場への参入を規制緩和す る政策案を採択 した。 全 国経 済人連合会 (FKI:Federation of Ko, ean lndustries)は

,こ

の委員会 で送配電線 の オープ ンア クセスと需要家への直接小売 につい て も注意を喚起 した。

FKIは

大規模 コング ロマ リッ トの利害 を代表す る組織 であ る。1997年 5月

,RRCは

先 の小委員会提案 を確認 し

,同

時 に

,IPPや

自家発業者が送電線へのオープ ンア クセスと直接小売 に道を開 くための電気事業法 の修正案を提案 した。 こうした動 きを受 けて

,産

業資源部 は

,1997

6月

に「電 気 事 業 再 編 委 員 会 (CEPIR: COnllnittee for Electric Power lndustry

RestructurinD」 を設置 し

,電

気事業の改革に関 する政府内組織を統一的にコントロールするこ とに努めた。同委員会は

,産

業再編 と民営化の 検討 を 目的 とし

,12人

の構成 メンバーは政府・ 学界・ 産業 界 の専門家 で あ った。翌年 12月 ま でに

,都

合12回の会合を行 っている。 ただ し

,当

初 この委員会 は実質的 な権限を備 えていたわけで もな く

,改

革 を断行 しよ うとい う意識 も希薄であ った。。 ところが

,1997年

後 半 に通貨危機が発生 し

,そ

の対応策 として金大 中政権が規制改革 を断行 し始 めると

,CEPIRは

一躍議論 の中心 に踊 り出た。

(2)「

電気事業再編基本計画」の成立 通貨危機 に際 して

,IMFは

韓国政府 に対 して 主要公社の民営化を求めた。 また

,韓

国の対外 負 債 総額 の

16%は

,KEPCOが

抱 え るそれ で あ った。 その た め

,産

業 資 源 部 と

CEPIRは

,

KEPCOの

民営化計画 を加速せ ぎるを得 ない状 況 に直面 した。 1998年に誕生 した金大中政権 は

,当

,対

外 債務 を返済す るのに必要 な ドル資金の確保策 と して

,KEPCO火

力発電所 の全量 をで きれば外 国資本 に売却 す る ことを考 えて いたよ うで あ る'。 これに対 して

,CEPIRは

民営化 について の段階的アプ ローチを提案 し

,同

時に民営化 の 前提 として

,KEPCOの

アンバ ン ド リングと改 革 を主張 した。 これは

,民

営化を先行 させ ると 電気事業再編 そ ものに障害がでて くる可台旨陛が あ る, と懸念 されたか らである。 1999年 1月 に

CEPIRの

提案 に基づ いた「電 気事業再編基本計画」が成立 し

,公

開 され た。 この計画 の実行部 隊 として産業資源部 の中 に 「電気事業再編事務局 (EPIRB:Electnc Power

lndustw Restructuring Bu“aのが創設 され,こ れに伴い

CEPIRは

解散 された。

CEPIRの

活動

6 Mum(2002),p.9&

(8)

韓国 におけ る電気事業 の再編 は

,そ

の まま

EPIRBに

吸収 されてい く。 「電気事業再編基本計画」の取 りまとめのプ ロ セスは

,官

僚機構 と

KEPCO経

営者 および数人 の産業界か らの専門家による

,極

めて内部的な 作業 で あ った

,と

指摘 されて い る8。 最終取 り まとめの前には

,形

式的な公開 ヒア リングが催 されてはいるものの

,そ

れは市民グループの系 統 だ った意思 を代表す るものではなか った し, 透 明性 も欠 いて いた。 こうした意志決定 に対 し

,環

境団体 や

KEPCO労

組か ら強 い批難 の声 が あげ られた。 つ まり

,電

気事業 の再編 と民営化 は

,主

とし て韓国政府が直面す る財政危機 と大 コング ロマ リットとによ って強いられたとい うのである9。 電気事業 に横 たわ る経済 。社会・ 環境 といった 問題か ら当該産業の改革 は必要 に迫 られていた ものの

,CEPIRを

中心 に実際 に行なわれた議論 か らは

,

これ らの問題を総合的に精査す るわけ で もな く

,社

会的なコンセンサスを得た もので もなか った, とい うのである。

2.2

タイムスケジ ュール

(1)段

階的アプ ローチ 「電気事業再編基本計画」は

,産

業再編 と民営 化を段階的 に進 めよ うとしていた。 大 きな段階の流れは以下のとお りである1%

8 Mum(2002),p.9%

9

民営化に反対する議論 として

,外

資系 コングロ マ リットの利害を代表する「米国陰謀論」という ものも存在す る。韓国―米国間の外交文書を根拠 に

,米

国が韓国公益企業の外資導入を迫 る姿があ る。民族時報 (2001年5月 1日)。 10 段階分類 として,本稿では産業資源部(MOCIE, 2002)に倣い準備段階を含めた4段階で示 したが, 著者によっては準備段階を省いた3段階で整理 し ている文献 もある。 第

3段

階 第

4段

階 まず

,1999年

からの

2年

間を第 1の 準備段階 とし

,

これを関連する法制度の整備や電力取引 所の試行期間として位置づける。続 く2001年 4月からが第

2段

階の発電競争のフェーズに入 る。そこでは

,KEPCOか

ら発電部門が切 り離 され

,複

数の発電会社が市場競争 を繰 り広げ る。 さ ら に

2004年

に は 第

3段

階 に 進 み,

KEPCOか

ら配電部門が分離 され

,卸

売 り競争 が展開され る。そして

,仕

上げが 2009年 に予 定 される第

4段

階・ 完全小売競争のフェーズで ある。 こうした段階的なプ ログ ラムの タイムスケ ジュールと市場の模式は

,図

2に 示 した。 こ れらの段階をもう少 し詳細に見てゆこう。

(2)発

電競争

:2001年

∼ これ まで

,KEPCOは

発電・ 送電・ 配電

/小

売 (販売

)と

い う電気事業の各機能を垂直統合 して きた。 その体制を変えて

,KEPCOの

発電 分野 をアンバ ン ドリング し

,発

電市場 に競争を 導 入 させ よ うとい うのが この段 階の狙 いであ る。

KEPCOの

発 電 部 門 は

6つ

の 発 電 子 会 社 (Gencos)に 分割 され,その5つはその後数年内 に民営化 され ることが計画 されている。分割 さ れ た 発 電 会 社 は

,韓

国 電 力 取 引 所 (KPX: Korean Power Exchange)に 入札す ることを通

じて

,発

電 した電力の卸販売を行 う。 第

1段

階 第

2段

階 準備期間 (1999年∼) 発電競争 (2001年4月 ∼

)発

電部門の分離 卸売 り競争 (2004年∼

)配

電 部門の分離 完全小売競争 (2009年∼

)販

売部門の分離

(9)

陛 間 段 期 1 一 蒲

菫上壁階 発電競争 笙上段階 卸売 り競争 笙上量匿 完全小売競争 原 火 火 送 電 酉己 西己 酉己 販 販 電力取引所 販 1999.1 発 電 送 電 配 電 2001.4 図

2

電気事業再編計画の タイムスケジュール (出所

)金

(2005),p.30 この段階における送配電 ネットワー クは

,従

来 どお り継続 的 に

KEPCOが

所有 し運営 す る。 しか し

,発

電会社の送電線へのオープ ンアクセ ス (自由な利用

)が

保証 され る。 また

,一

つの独立 した規制監督官庁 として韓 国電気委員会が設置 され る。 この委員会の役 目 は

,消

費者保護 と市場監視

,民

営化プ ロセスの 管理である。

(3)卸

売 り競争

:2004年

∼2008年 この段階は

,卸

電力市場 に需給双方での競争 導入 を意図 してい る。

KEPCOか

ら配電

/小

売 (販売

)部

門が切 り離 され

,い

くつかの地域配電 会社が誕生す る。 また

,

この分離・ 分割 に続い て

,

これ ら地域配電会社の民営化が予定 されて いる。地域配電会社は

,卸

し電力市場 における 需要家 としての役割 を担 う。

KEPCOの

持 つ送電 ネ ッ トワー クは

,非

差別 的 な使用を確実 にす るためにすべての市場関係 者 に対 して開放 され る。同時 に

,大

口需要家に っいては

,地

域配電会社 と同様 に供給先 を選択 す ることがで きるよ うになる。 ただ し

,小

口需 要家や家庭需要家には選択権は無 く

,従

来通 り 地域の配電会社から供給を受ける。

(4)完

全小売競争

:2009年

∼ この段階は

,電

力小売市場を完全に競争的市 場にすることを意図 している。 ここでは

,家

庭 需要家まで含めて

,す

べての需要家が自らの電 力供給者を選ぶことができるようになる。いわ ば

,電

力市場規制緩和の仕上げ段階である。

2.3

準備期間に行われたこと 「電気事業再編基本計画」に基づ いて

,準

備期 間 にお いて実 際 に様 々な施策が行 われて きた。 それ らをまとめると次のようになる。 第一 に

,KEPCOか

ら発電部門を分離・ 分割 す るために

,KEPCOが

持 つ発電所 の分類が行 われた(1999年 9月)。

KEPCOの

火力発電資産 を5つの発電会社 に分離・分割す るために

,42

の火力発電所は

,発

電設備容量 。収益 。資産価 値等か らみてバ ランスが とれ るよ うに分類 され た。原子力 と水力発電プ ラン トについては

,放

射性廃棄物 の安全 な管理 と水資源の効率的利用 電力取引所 原 火 火 送 電 配 電 原 火 火 電力取 引所 送 電 酉己 西己 酉己

(10)

韓国 にお け る電 気事業 の再編 を確保するために単一会社 に統合 された。 第 二 に

,電

力 取 引 市 場 の模 擬 実 験 で あ る (2000年4月 ∼2001年 3月)。 卸 し電力取引の 中心的市場 になる電力取 引所 (KPЮ が法的根 拠 を備 えた「場」や組織 となるのは

,2001年

4 月である。 しか し

,そ

の本格稼動を開始す る前 の1年間を

,試

験的な運用期間 とした。 第 二 は

,関

連 法 規 の 整 備 で あ る。当 初,

KEPCOの

発電部門を幾つかの発電会社 に分割 す る ことを 目的 と した「電気事業再編促進法 (Act on iPronlotion of Restructuring of the Electric hwer lndustw)」 は1999年中に成立を み る予定であった。 しか し

,労

働組合他が この法案 に抵抗 を示 し

,与

野党 ともに国会議員 は翌年 に控え る国政 選挙への影響を考慮 したことか ら

,同

年 の成立 には至 らなか った。当該法案 は

,翌

2000年の 12月 23日に与野党 ともの賛成を得て成立 した。 また

,電

力取引所

(KPX)と

韓国電力委員会の 設置を法的に裏付 ける必要性か ら

,電

気事業法 の改正が行われた。 これは

,2001年

2月 24日 に成立 している。 第 四は

,韓

国電力取引所 の設立 である。

KPX

,電

力取 引市場が透明で公正 な管理を容易 に す ることを 目的 として

,非

営利 の独立機関 とし て設立 された (2001年 4月 2日)。 第五 には

,韓

国電力委員会 の設立 であ る。韓 国電 力委 員会

(KOREC)は

2001年 4月 27日 に設立 され

,電

気市場の規制

,市

場運営 の監視, および民営化の手続 きについて責任を持つ機関 として設置 された。同委員会は

,消

費者保護や 適正 な競争の確保のための具体的な施策につい て も権限を持つ。 さらに

,電

気事業 に関わ る許 認可 について も

,KORECの

権限 とな っている。

3.電

気事業再編の実際

3.l KEPCOの

アンバ ン ドリング と発電会社

(1)6社

の発電会社の設立 2001年 4月 2日

,KEPCOの

発電部門は構造 分離が施 され

,6社

の発電会社 に生 まれ変わ っ た。 これに先立つ lヶ 月半前

,KEPCO役

員会 は この分離を決定 (2001年2月 24日

)し

,引

き続 き株主総会で承認をえた (2001年3月 16 日)。

KEPCOか

ら分離 。独立 した発電子会社 は, 次の

6社

である。

①韓国南東発電株式会社

(KOSEPCO)

②韓国中部発電株式会社

(KOMIPO)

③韓国西部発電株式会社

(KOWEPO)

④韓国南部発電株式会社

(KOSPO)

⑤韓国東西発電株式会社

(KEWESPO)

⑥韓国水力原子力発電株式会社

(KHNP)

火力を中心 とした上記①∼⑤の

5社

への分割 に際しては

,次

のような点が考慮 された。それ らは

,1)発

電所が立地する地域的分割ではない こと

,2)石

炭 。

LNG・

石油・揚水をほぼ同容 量に振 り分けること

,3)競

争体制を構築するた めに発電設備の資産がバランスよ く配分 される こと

,な

どである。一方

,水

力 と原子力は

,⑥

韓国水力原子力発電株式会社

(KHNP)に

継承 された。 これ ら

6つ

の発電会社 は

,分

離後 も

KEPCOが

株式の全量を保有するが

,そ

れ らは 民営化を進める過程で

,漸

KEPCOの

手から 離れてゆ く予定であった。 なお

,発

電資産を中心 とした

KEPCOの

アン バンドリングの姿は図 3に

,分

離 された発電会 社 の詳 細 に つ い て は表

1に

示 して い る。

KEPCOの

立場から見れば

,2001年

4月 2日以

(11)

降において

,発

電機能は 6つ の子会社に

,送

電 ネットワークに付随 していた「システムオペ レーター」機能は

KPXに

,委

ねることになった。

(2)発

電会社の民営化計画 発電部門が子会社 として

KEPCO本

体か ら分 離 され ると

,次

のステ ップはこの発電会社の民 営化 で あ る。2001年 5月 29日に韓 国政府 は, 韓国開発銀行

(KDB)に

対 して

,KEPCOと

発 電会社 に関連す る問題を解決するための支援を 求 めた。 発電会社民営化プ ログラムについては

,2001

年 6月 に「電気事業民営化研究 チーム (POwer

lndustry Privatization ReseaК h Team)」 が設置 され

,

これが主体 となって検討 された。同チー ム の メ ンバ ー は

,学

界 。市 民 団 体・ 政 府・

KEPCO実

務者 などか ら構成 され る14人であ っ た。同チームの検討結果は「発電会社民営化基 本計画」として まとめ られ

,2001年

末 に労使政 府説明会が開催 されている。 また翌

2002年

1 月には

,

これに関す る公聴会 も持たれた11。 こうした手続 きを経て

,最

終的に産業資源部 は「発電会社民営化基本計画」を公表 した (2002 11 発電会社の民営化に反対する韓国電力労組は, 2002年2月 25日から大規模 ス トライキに突入 し た。 ス トライキには全組合員5,591名中 180名 を 除いた全員が参加 し,37日間続いて4月 2日に収 束 した。その後, ス トライキに参加 した組合員に 対する懲罰的な行為などが行なわれ,今で も反発 は大 きい。例えば,ス ト期間中の3月 25日までに 業務に復帰 しなか った組合員のうち積極的な加担 者 として分類 された 348人 は懲戒対象に付 され, 解雇。 さらに会社側は4月 2日 の労政合意に従 っ て復帰 した3,400余人すべてを第4次懲戒対象者 としてあげ

,懲

戒手続 きを行 うといった具合だ。 (「ハンギ ョレ21」 第405号,2002年4月 25日 付, チ ョ・ ゲワン記者)。 年4月 9日)。 その内容は

,5社

の火力発電会社 を漸次民営化すること

,水

力原子力発電会社は この計画から除外すること

,で

ある。 また

,火

5社

の民営化プロセスは

,2つ

の 段階か ら構成 されていた。2002年 か ら開始 さ れる第

1段

階では

,

まず民営化の対象 となる2 つの火力発電会社を選定 し

,そ

の 1社 について 手続 きを始める。最初の発電会社が民営化 され た後に

,2番

目の発電会社 も同様な手続 きを行 う。そして

,

この第

1段

階が終了 した時点から 第

2段

階に進み

,そ

こでは残る火力

3社

が民営 化の対象 となる。計画では

,遅

くても2005年 までに第 1段 階が終了 し

,第

2段

階に移行する という予定であった。 さらに

,売

却方式は経営権売却を基本方針 と するが

,IPO(新

規株式上場

)に

ついても並行 的に検討を行 うものとした。加えて

,独

占や外 国資本の過度な影響を危惧 した政府は

,①

l投

資家が買収できる発電会社は 1社 までに限定す ること

,②

外資比率は

,火

力発電会社の総設備 容量の

30%を

上限とすること,といった制限を 設けた。

(3)民

営化計画の実際

2002年

7月

,政

府および

KEPCOは

,民

営 化対象の第

1号

となる発電会社 として

,韓

国南 東発電会社

(KOSEPCO)を

選定 した。当該発 電会社が選ばれた理由は

,財

務状況が相対的に 良か ったことにある。 この背景には

,KOSEP

COの

発電設備規模や資産評価額は

5社

中最低 であるものの

,同

社が抱える設備は稼働率の高 いベース電源が中心であること

,

しかも比較的 減価償却が進んでいるものが多か ったこと

,が

あ る。平均発電単価 は

5社

中最 も安 い49.27 ウォン

/kWh(2001年

)で

あ り

,発

電設備の 稼働率 は高い。その結果

,売

上高は第

4位

(12)

発 電 送 電 配 電 2001年4月1日まで 韓国取 引所 (KPX) 図

3 KEPCOの

ア ンバ ン ド リング 表

1

分割 された発電会社の概要 (資料)本卜(2002),p.11お よび大橋 (2004,a),p.40か ら作圧魅 韓 国 におけ る電気事業 の再編 2001生 グ

2旦

以隆 韓 国南東発電 (7,165MW) 韓国中部発電 (7,993MW) 韓 国西部 発電 (7,946MW) 韓国南部発電 (7,875MW) 韓国東西発電 (7,500MW) 韓国水力原子力発電 (18,251MW) 6社

100%KEPCO

r―ヘ L一

/

送 電 配電/販売 火力発電会社 区分 会社名 南東発電 中部発電 西部発電 南部発電 東西発電 水力原子力 発電会社 発 電 所 ベ ー ス 三千浦 保 寧 泰安 1∼ 4号 河東1∼4号 唐津 1∼ 2号 湖南 古里 1∼ 4号, 霊光 1∼ 4号, 月城 1∼4号, 蔚珍 1∼ 4号 ミドル 嶺東

,麗

水 盆唐 揚水 茂朱 舒川, ソウ ル

,仁

川 平澤

,群

山 釜山

,寧

越, 嶺南 東海蔚山 水力全体 ピ ー ク 保寧複合 平澤複合, 西仁川1・ 2号

,三

浪 津揚水 西仁川3・ 4号 清平揚 水 蔚山複合 一山複合 容量

(MW)

5,565 6,138 6,346 4,910 5,800 14,251 建 設 中 着 工 永 興 襄陽揚水 保寧複合 泰安5。 6号 河東5・ 6号 山清揚水唐 津3・ 4号 霊光 蔚珍 5 6号 6号 5 未着工 1,600 青松揚水 釜山揚水 容量

(MW)

1,600 1,600 2,800 1,700 4,000 容量総計

(MW)

7,165 7,738 7,946 7,710 7,500 18,251 資産 (10億 ウォン) 2,491 2,662 2,904 3,628 4,655 16,340 負債 (10億 ウォン) 1,259 1,336 1,461 1,831 2,333 8,220 資本金 (10億 ウォン) 166 153 176 231 307 1,034

(13)

名古屋学 院大学論集 あった(同年)。 なお

,従

業員数は1,370名 (2001 年末

)で

あった。 民営化対象の会社選定に当たっては

,事

前に JPモ ルガン

,UBSヴ

ァールブル クといった投資 会社 とも協議を行 っている。 2002年 10月 10日

,KOSEPCO株

を競売 に かけるための準備が始 まった。

KEPCOは

,投

資家に対 して

,当

該株式譲渡に関心の有無を確 認す る「投資意向書 (LOI:Letter of lnterest) の提出を求める公示を行 った。公示期間は11 月10日 まで の lヶ 月 間 と し

,対

象 とす る

KOSEPCOの

株式は

KEPCOが

保有する株式の 34∼

51%で

あった。 公示期間が終了 した時点で

,LOIを

提出して きた企業・ グループは

,国

6社

(SK浦

項綜 合製鉄

(POSCo)な

),海

8社

(日本のJ パ ワー(旧

,電

源開発株式会社

),三

,九

州電 力, シェブロンテキサコ, シンガポールパ ヮー インターナショナル

,豪

州の

BHPな

)の

計 14社 にのばった。 2002年 の年末にかけて

,KEPCOは

1次 入札 の準備にかか り

,国

内外の投資家に対する巡回 説明会を行 っている。翌 2003年 1月 22日が1 次入札の締め切 り日であり

,

これに応 じたのは

4社

であった。それらは

,韓

国系では①

SK

POSCO,外

資系では③韓国総合エナジー社(韓 国総合エナジー・ マレーシア電カ コンソーシア ム

),④

日本の

Jパ

ヮーである。 2003年2月に

KEPCOは

応札企業の実態調査 を行 うが

,3月

28日には

,1次

入札で応札 して きた候補企業の

3社

が入札辞退を申し出て き た。これによって,政府 と

KEPCOは

KOSEPCO

株売却の一時延期を余儀な くされる。候補企業 が入札不参加を決めた理由は

,韓

国の経済状況 が悪化 し株式市場が低迷 していること

,韓

国企 業のパー トナーとの不協和音

,な

どがあげられ ている12。 株 式 の一 括売却 を断念 した政府 と

KEPCO

,そ

れ以降の民営化推進計画 として

,次

のよ うな策を考えていた。 それは

,2004年

1月∼2 月 に

KOSEPCOの

総株式の10∼

20%を

株式市 場へ上場することを目指 し

,上

場 のための幹事 会社 を選定 す る

,投

資家心理 の回復 を待 って, 経営権売却を再度推進す る

,

とい うものであ っ た。 しか し

,

これ も事実上断念せざるを得ない 状況である。現在の麿武鉱政権は労働組合の立 場 を優先 しが ちであるし

,株

式市場の大 きな好 転 も見ていない。 政権が発足 して間 もな く

,麿

武鉱大統領 は, 鉄道 や電力の構造改編 について「既定方針どお り推進す るのではな く

,原

点 に返 って討論 して 検討す る姿勢で臨むのが良い」 と発言 している (2003年4月)。 上 のよ うな発電会社民営化 に関連 した出来事 は

,以

下 に時系列で まとめた。 2002年7月 15日 発電会社民営化第

1号

として南東発電株式会 社を選定 2002年 9月 13日 同社売却の計画案の公 開 2002年 10月 10日∼11月 10日 同社に対する投資意向 書

(LOI)提

出要請に, 国 内

6社

,海

8社

(計14社

)が

呼応 2002年11月 18日 同社に対する入札提案 書

(RFP)を

配布

2002年

12月

国内外の投資者に対す る巡回説明会の開催 12 韓国電気委員会 (2003),p.30

(14)

韓 国 におけ る電気事業 の再編 2003年 1月 22日

1次

入札の締め切 り 2003年 2月

入札企業の実態調査 2003年3月 28日 各投資者の最終入札参 加が放棄される 南東発電株式会社の経 営権売却は

,暫

定的に 中断

3.2 KPXと

コス トベース・ プール 韓国の電気事業の再編計画において

,大

きな 特徴 の一 つ として独 自の「電力取 引所

(KPЮ

」が ある。 その入札形態や価格決定方式は

,競

争市 場 へ の過 渡期 にあ ることを意識 した極 めてユ ニークなものであ り

,

これが欧米の先行事例 と 異 なる特徴点 になっている。以下では

,

この特 異 な電力取引所の姿を概観 しておきたい。

(1)韓

国電力取引所

(KPЮ

(a)KPXの

機能 と構成 メンバー

韓国電力取引所 (KPX:Korean Power Excha―

nge)は

,競

争的な卸電力市場を実現 し管理す る コア組織 として

,2001年

4月 に操業 を開始 し た。 その主 たる機能は

,需

要予測

,卸

電力価格 の決定

,

リアル タイムの給電

,取

引電力量 の計 量

,お

よび卸電力売買に関 した決済

,な

どであ る。 つ まり

,KPXは

,卸

電力市場のオペレータで あると同時に

,給

電 や供給信頼度確保のための シ ステムオペ レー ター

(SO)と

しての役割 を 担 っている。 そのため

,KPXは

非営利 の独立機 関である。

KPX理

事会 メンバ ーの構成は

,KPX

役員が3名

,政

府か ら1名

,KPX正

会員代表者 3名

,非

営利・ 公共団体か ら3名の合計 10名 で ある。

KPXの

正会員は

,KEPCOと

6つの発電 会社 そ して

IPPで

あ り

,2004年

末現在

56社

で あ り

,KPXと

の協働会社 も客員 として参加で き る13。

(b)取

引所 としての

KPX

電力取引所 としての

KPX市

場 で は

,買

い手 は単独の

KEPCOで

あ り

,売

り手は6つの発電 会社 とIPPたちである。50社強が これに参加 し てい る。売 り手 の発電会社が入札す るのは

,発

電設備容量だけであ り

,価

格 は入札要件ではな い。各発電設備 の発電 コス トは

,事

前 に

KPX

に届 け済 みなので ある。

KPXは

各発電設備 の 技術情報のみならず

,発

電 コス トについて も詳 細 なデ ー タを入手 している。 この発電 コス トの デー タは

,発

電会社の申請を元に「発電 コス ト 評価委員会 (Generation Cost Evaluation Com― mittee)」 で承認を受 けた ものである。

(c)シ

ステムオペレーターとしての

KPX

さらに

SOと

しての

KPXは

,各

時間帯 の需要 と供給 を一致 させ る役 目を担 って い る。

KPX

は翌 日の需要想定を行 い

,そ

れに見合 う供給力 を

,応

札 して きた発電会社の供給力によって賄 う。 その際

,発

電 コス トの安い順に落札 してゆ き

,受

け容れた最終設備の発電 コス トが

,市

場 での落札価格 となる。 この価格決定 は

,需

要が 発生 す る前 日の 10時 までに行い

,微

修正 を行い なが ら最終的に前 日の15時までに決定する。

KPXは

,落

札 した供給力を基 に翌 日の給電計 画 を立 て

,そ

れ を落札 した発電会社 に伝達 す る。 それが前 日の18時である。 実 際 の物理的 な需給 が発生 す る当 日にな る と

,KPXは

現実の需要 に合致 させ るように供給 力の運用を行 う。周波数変動や電圧変化 などに 対応す るためのアンシラ リーサービスについて は

,個

別契約を結んだ発電会社 と連繋を取 りな

13 KPXホ

ームページ

(15)

需要予測

KPX

発 電 会社 の オ フ ァー 精 算 給 電 指 令 計 量 価 格 決 定 作 業 系 統 限 界 費 用 給 電 計 画 当 日 図

4 KPXに

おける入札か ら精算 までのプ ロセス (資料

)KPXホ

ームページか ら作成 2日後 承認 仮計算:2日後 最終精算:22日 あ り,「発電 コス ト評価委員会」によ って審査を 受 けている。 そのため

,こ

の取引所 システムは 「 コス トベース・プール(CBP:COSt BaSed P001)」 と称 され る。 市場価格 は

,発

電 コス トに基づ く二 つの限界 価 格

(BLMPと

SMDと

容 量 支 払 い額 (CP:

c″

aciサ

Lyment)と

によ って構成 され る。 コ ス トベース・ プールの下で形成 され る二つの限 界何計各とは,BLヽ 4P(Base Load larginal Pnce)

SMP System Mattinal Pncc)で

あ る。前 者 はベース負荷需要 に対応 した供給力の限界費 用 に基づ く価格

,後

者 は非ベース負荷需要 に対 応 した それ で あ る。

BLMPは

石炭火 力 と原子 力発電 ユニ ットに適用 され

,一

方 の

SMPは

,石

油火力

,LNG火

力などが適用対象 となる。 さらに容量支払 い額

(CP)は

,1日

における 発電設備 の利用価値 について支払われ る対価で あ る。限界費用のみで価格付 けを行えば

,発

電 設備 の資本費回収が保証 され ない。 そのため, 入札電源には

,落

札 の成否 に関わ らず

CPが

支 払 われ る。 これは

,英

国など強制 プール市場で 用い られたキ ャパ シテ ィ・ エレメン トと同様 な 役割 を担 い

,発

電設備への投資 インセ ンテ ィブ を もたらす ことになる。

BLMPや

SMPの

決 まり方 は

,図

5のよ うに なる。図の

1時

5時

はベース負荷の需要 しか 存 在 しな い た め

,石

炭 火 力 の 発 電 コス トが

BLMPと

して採用 され る。 また

,2時

4時

は, 前 日 10:00 前 日 15:00 前 日 18:00 が ら供給信頼度を維持す るよう努めている。

(d)決

済機関 としての

KPX

KPXの

取 引市場 で売 買 され た電 力 に対 す る 決 済 は

,実

際 の 需 給 が 発 生 し た

2日

後 に

KEPCOお

よび発電会社へ連絡 し

,承

認 を得 る。 そのため

,会

社 ご との計量 は

KPXに

とって重 要 な機能 となる。仮決済 は取引か ら 2日 後であ るものの

,最

終決済 日は取 引 日か ら22日 目にな る。 入札 か ら取 引 の精算 まで のプ ロセ スの概要 は

,図

4に示 した。

(2)CBP(コ

ス トベース・ プール)

KPXが

採用 している市場価格 には,ホッケー ステ ィック入札14などの策略的な価格吊 り上げ 行為を生 み出す余地が無 い。純粋 に発電 コス ト を反映 した ものである。 なぜなら

,個

別発電所 の発電 コス トは事前 に提 出され る透明な情報で 14 米国テキサス州の

ELCOT市

場で見られた価格 の吊 り上げ行為。例えば,発電会社は最初の100

MWの

電 力 に つ いて は20ド ル で売 りの オ ッ ファー行い,追加

2 MWに

ついては999ドルで入 札する。系統上の電力が不足 しているとき, シス テムオペレーターは需給の一致を実現 させるため に,こ の999ド ル を受 け入 れ さ るを え な い。

Dallas MorningNews Cune 19,2002)お よびReut― ers電 (March 13,2003)。

(16)

MW 韓国 にお け る電気事業 の再編 2 3 4 図

5 BLMPや

SMPの

決 ま り方 (出所

)KPXホ

ームペ ージ,http:〃WWWkpX.0■kr/ 5時 表

2

発電会社への精算金額 (注

)可

変費用の大部分は燃料費を示す。 (出所)大橋 (2002),p.55,およびKPXのホームページ 非 ベース負荷の需要が顕在化 し

,そ

れに対応す る石油火力が稼動を余儀 な くされ るため

,

この 時間帯 の

SMPは

石油火力 の発電 コス トとな る

(BLMPは

石炭火力 のそれ)。 さらに

,3時

の時 間帯では

,負

荷の増加 によ って最 も割高 な

LNG

火力が稼動 を開始す るため

,

この時の

SMPは

LNG火

力の発電 コス トを根拠 とす る。 一方

,発

電会社への支払 い額 は表2の通 りで ある。 ここでは

,応

札 したけれど も落札で きな か った発電設備 に対 して も

CPが

支払 われ るこ と

,落

札 したけれど も実際には発電 しなか った 発電設備 に対 して も

SMPの

一部が支払われ る こと

,な

どに注意 してお きたい。

(3)BL卜

IPと Sヽ4P それ で は

,実

際 の

BLMPや SMPが

どの程度 の水準 にあ るのか を確認 して お こ う。

KPXの

ホー ムペ ー ジには

,毎

日の

BLMPと

SMPお

よ び需要規模 につ いて

,そ

れぞれ最高 。平均・ 最 小が掲示 されている。 このデータを基 に過去2 年 (2003年6月 ∼2005年 6月

)ほ

どの値を月 別 に平均 した ものが図6である。 同図か ら幾 つかの特徴 を確認す ることがで き る。 第一 には

,SMPの

最大や平均で見 る限 り

,価

格 の変動率 はそれ ほど大 き くない ことだ。 とり わけ

,SMPの

最大でそれが確認で きる。 同期間 の

SMPの

標準偏差 が最大 は5.8ウ ォン

/kWh

であ り

,平

均 の8.4ウ ォンや最小の17.8に比べ て明 らかに/1ヽさい。 第二 には

,夏

場 の

SMPの

最小価格 が大 き く 下落す る局面が幾度か確認で きることである。 これは

,夏

場需要 に備 えて

,KPX側

か ら発電会 社 に対 して定期点検の時期を当該期間か ら外す よ う勧告が出され

,そ

うした状況で需要が事前 想定以下に留 まると

,SMPが

大 き く下落するた めである。 また

,そ

の際の

SMPは BLMPと

等 し くな り

,ベ

ース電源だけで供給力を賄 ってい 非 ベース負荷

LNG火

ベース負荷 石炭火力 原子力 落札 された場合 落札 されなか った場合 実際に発電 したユニ ット

SiMiP+CP

可変費用

+CP

実際 には

,発

電 しなか っ たユニ ット

SMP+CP―

可変費用 CP

(17)

単位:ウォン

/kWh

6 BLMPと

SMPの

実績 (資料

)KPXホ

ームページのデータより作成 80 70 60 50 40 30 20 10

ござ∫∫∫写∫∫∫

`ア

(ぶ

く`δ‐

' C,D

た とい うのである。 第二には

,BLMPは

,最

大・ 平均 。最小のど れを とって も極 めて安定的に推移 して きたこと で ある。

BLMPを

決定付 けるのは

,原

子力や石 炭火力である。 ベース電源の価格 の安定性が あ らためて確認で きる。 第 四には

,近

年 の化石燃料価格 の高騰 を受 け て

,SMPが

緩 やか な上昇傾 向を示 している点で ある。 これは

,韓

国に限 らず世界的な傾向であ ろ う。

(4)電

力委員会

(KOREC)

競争的な電力市場の形成のために

,KPXが

創 設 された直後 に「韓国電力委員会

(KOREC:

Korean Electriciw Commission)が

,産

業資源部 の中に設置された。電力委員会が設立 されたの は

,電

力の競争市場が円滑に機能 させることを 目的として

,①

市場監視

,②

消費者保護を図 り なが ら

,規

制担当

(KOREC)と

政策担当 (産 業資源部

)と

を分離する必要性があったからで ある。 この委員会構成は

,1994年

以降

,KEPCOに

対す る経営改革診断を行 って きた メンバーが中 心 とな った。 また

,事

務局職員 も産業資源部で 電気事業再編を司 って きたグループ職員の転籍 組 である。 さらに

,委

員会 は1人の委員長 と8 名 の委員か ら構成 され

,委

員長 は産業資源部 の 大臣によ り任命 され る。 電力委員会の役 目は

,①

法 と制度を整備 し て

,公

正な競争環境を確保すること

,②

市場監 視に必要な制度をつ くり

,定

着 させること

,③

電気事業の再編プ ログラムを推進 してゆ くこ と

,で

ある。そのため

,本

委員会には次の 5つ の専門委員会が設置されている。それらは①競 争促進全般の政策

,②

市場管理

,③

電カシステ ム管理

,④

消費者保護

,お

よび⑤競争計画の策 定である。 また

,電

力委員会の機能 としては

,①

基準や 規則を定めること

,②

事業者間での紛争を調整 すること

,③

違法行為を調査すること

,④

配電

/ゝ

=卜

SMP最

大 呵卜・

SMP平

均 → ―

SMP最

小 ◇

BLMP最

大 ―o―

BLMP平

均 ―吾―

BLMP平

(18)

韓国 におけ る電気事業 の再編 の分割

,発

電・配電の民営化の構造改編作業を 遂行すること

,で

ある。

3.3

配電会社分割 と民営化

(1)配

電0小売 (販売

)会

社分離 と

TWBP

当初の「電気事業再編基本計画」では

,配

電・ 小売 (販売

)部

門の

KEPCOか

らの切 り離 しは, 2004年に も実施 され ることにな っていた。 ま た

,当

該部門の切 り離 しは

,競

争的な卸電力市 場 の形成 には不可欠 な要素 と考 え られ

,

この構 造分離 によって こそ電力取引所 における入札形 態 はよ り自然で競争的なものに移行で きるとさ れていた。 それが

,

コス トベース・ プールか ら

,双

方 向 入札プール(TWBP:TwO Way Bidding Pool)へ

の移行 とその実現 で あ る。現在 の コス トベ ー ス・ プールは

,需

要家 は

KEPCO一

社 に限定 さ れ るため

,い

わゆ る買い手独 占市場である。 ま た

,発

電会社が入札する内容 も「供給力」で し か な い。 しか し

,配

電 。小 売 (販売

)部

門 が

KEPCOか

ら分離・ 分割 されれば

,卸

電力市場 での需要家は複数 (配電会社や大 口需要家

)に

な り

,発

電会社の入札要件 も自社が決める量 と 価格,と なる。 つ ま り

TWBPへ

の移行は

,需

要 と供給 ともに入札を行い

,市

場価格 は両者 の付 け値で決定 され る

,

とい う極めて自然な売買市 場 の形成 に向か うことを意味 していた。 2001年6月 に

KORECが

認可 した

TWBP実

施 に関す るガ イドラインでは

,TWBPに

ついて 次 のよ うな運用が想定 されていた。 それ らは, ①

KPXは

,唯

一 の電力取所 であ リシステ ムオペレーターである。 ②全 ての供給者 と需要者 は

KPXに

取 引の 価 格 と量 を 入 札 を しな け れ ば な ら な い。

③市場の決済価格は

,5分

毎の給電スケ

ジュール

(UFMD)に

おける供給 と需要 のバランスで決定 される。 ④実際の給電は

5分

毎の給電 スケジュール

(UFMD)に

従 って行われる。 ⑤

KPXは

アンシラ リー・ サービス・ プ ロ バ イダー(ASP:Ancillary Ser cc PЮvi■ er)と の契約を通 してアンシラリーサー ビスを入手する。 このように

,電

力取引所がより自然な競争的 な市場に脱皮するためには,つ まりは

TWBPの

実現のためには

,KEPCOか

ら配電 。小売 (販 売

)部

門を分離・分割す ることが前提条件で あった。

(2)配

電・小売 (販売

)会

社の分離・分割計 画

TWBPへ

の移 行予定 時期 を翌年 に控 え た 2003年 において

,政

府や

KEPCOは

配電部門を どのように分割を行 うかについて集中的な議論 を重ねた。そして

,次

のような案をまとめた。 配電・ 小売 (販売

)部

門は

,公

正で競争的な 市場環境を形成するために

,6つ

の異なった地 方配電会社 に分割す る。配電会社 はひとまず

KEPCO内

部に創設 し

,1年

の試験運用期間を経 て

,法

的な分離 と子会社化を行 う

,

というもの であった。提案 された 6つ の配電会社の地域割 りは

,次

の表 3で ある。

(3)分

離 0分 割から

KEPCO事

業部制へ しかし

,上

のような提案に対 して労働組合側 は猛反発 し

,政

治的問題 も多いことから

,

この 計画は暗礁に乗 り上げている。そして

,現

在は 配電・小売 (販売

)部

門の分離 。分割に留まら ず

,電

気事業再編の基本計画そのものも頓挫 し た状態 といって も過言ではない。 この理由は, 基本計画を策定 していた時期 と 2003年 以降 と

(19)

名古屋学院大学論集 表

3

配電会社の分割案 ソウル (北部)・ 京畿道 (北部) ソウル (南部)。 仁川 京畿道 (南部)。 江原道 。江陵 忠清北道 。忠清南道 大邸・ 慶尚北道・ 全羅北道 釜山・ 慶尚南道 。全羅南道・済州島 政府の

3者

によ って構成 され る「労使政委員会」 が設置 された。

KEPCOか

らの配電 。小売 (販 売

)会

社の分離・ 分割の問題 について も

,

この 委員会が

,再

,検

討す ることにな った。 2003年 8月 ,「労使政委員会」 による配電 。 小売 (販売

)部

門の分離・分割問題 の検討では, 先 の海外事例 の研究 を優先 させ ることにな っ た。当該委員会 は

,共

同研究団 を結成 し

,9カ

国32機関を訪問調査 し,それを踏 まえて同年末 に「最終報告書」をまとめた。 その報告書 は

,電

力 の卸売市場 に競争を導入 す ることが

,電

気料金 を安価 にす ることを保証 す るわけではな く

,供

給信頼度の確保にも問題 が あ りそ うだ

,

と結論付けた。つまり

,期

待便 益が不確実で

,場

合 によっては卸電力市場 の競 争 は相 当危 険 で あ る

,と

したので あ る。 そ し て

,配

電・ 小売 (販売

)部

門の分離 。分割 とい う政 策 を 中 断 す る こ と

,そ

の 代 案 と して

KEPCO内

に独立事業部制を導入す ること

,を

提案 した。 こ うして

,2004年

6月 に産業 資源部 は

,配

電 。小売 (販売

)部

門の分離・ 分割政策の変更 を表明 した。 今後 の スケジュールは

,2005年

1月 から10 月 にか けて

,KEPCOに

事業部制 を導入す るた めの具体策を諮問す る会社を選定 し

,そ

こが推 進策を検討す る。 そして

,提

案 され る事業部制 は

2006年

1月か ら導入 され る予定である。

3.4

新電気事業制度 (地域電気事業

)の

導入 一連の電気事業再編の中で

,新

しい電気事業 の形態が誕生 している。 それは「地域電気事業 (CES:Community Energy Supply System)」 制 度 の導入である。 地域電気事業 とは「許可 された一定規模の発 電設備で電気を生産 し

,電

力取引所を経 由せず グループ名 対象地域 グル ープ1 グル ープ2 グループ3 グル ープ4 グループ5 グループ6 (出所)産業 資源部 ホームペ ー ジ:http:〃、研wmOc_ ie.go.kプ では

,国

の内外における情勢が大 きく変化 して しまったことに由来する。 海外情勢では

,2000年

末に起 きたカリフォル ニアの電力危機以降

,電

気事業の規制緩和に関 する風向きに微妙な変化が起 きた。電気事業の 規制緩和が先行する欧米や豪州においては

,供

給力不足から生 じる停電や不当な価格つり上げ が顕在化 した。 これらは

,電

力が他の商品とは 異なる特性 (資本集約的で

,商

品は貯蔵が利か ず

,生

産 と消費が常に一致 していな くてはなら ない

)を

あらためて知 らしめた。そのため

,電

力供給における供給信頼度確保や市場操作の可 育旨性排除という問題は

,制

度設計上極めて難 し いことが明らかにされてきた。 一方国内情勢では

,政

治体制が労働組合側に 有利 なものに変わ っている。2003年 2月 に発 足 した慮武鉱政権 の支持母体は左派系である し

,大

統領 自身 も弁護士 として長 らく労働組合 側を支援 してきた背景がある。 また

,公

社の民 営化に反対を唱えて始まった 2002年 2月 25日 からの大規模ス トライキでは

,電

力労組は37日 間にわたって抵抗を続けた。 ス トライキ後の収 拾策やその後のストライキに参加 した組合員ヘ の処遇は

,政

府 と

KEPCO経

営陣への不信感を 募 らせている。 ス トライキ終結後には

,労

働組合 。経営者 。

(20)

韓 国 におけ る電気事業 の再編 表

4

地域電気事業 会社名 事業地域

顧客 口数 発電設備容量 (kW) 2004年 末現在 事業許可

事業開始 (1珠:):Kenetec

Daegu City Gas 大韓住宅公社 Daesung lndustrial APT(3,544)

AIT(4,098)及

び 商業施設

APT(7,708)及

び 商業施設 APr(5,000) 2004.11 2004.12 2004.12 申 し込 み中 2005.01 2007.01 2008.01 2008.01(予定) Seoul Daegu Asan Seoul 2,000 9,000 102,000 10,530 言十 (出所)金 (2005),p.32 に

,許

可された特定の供給区域内の電気使用者 に電力を直接供給する事業」のことである。 日 本でいえば,「特定電気事業者(1995年 の電気事 業法の改正により導入)」 のことである。 韓国の「地域電気事業者」は

,2003年

12月 の電気事業法の改正によって導入された。当該 事業者になるためには

,供

給する区域内の電力 需要の

70%以

上にあたる発電設備を自らが整 備すればよい。不足の供給力や余剰になった電 力は

,KEPCOへ

,あ

るいは電力取引所で売買 できる

,と

している。 地域電気事業者の実際的な姿を見ると

,

コー ジェネレーシ ョン等の発電設備を用いなが ら 3,000∼ 8,000軒の集合住宅に

,熱

と電力を供給 しよ うとい うものである。首都 ソウルを例 に とって も

,東

京に比べて寒冷地 に位置す るた め

,一

般住宅の熱需要は日本のそれよりも大 き い。そのため

,熱

電併給のコージェネレーショ ンのニーズは

,

日本以上に大 きなものがあると 考え られる。

2004年

末における地域電気事業 者の概要は

,表

4に 示される。 電気事業再編に伴い「地域電気事業」制度の ほかに,「直接購買制度」,「新規販売事業制度」 という新たな供給形態が制度 として認められて 124,350 きた。 しか し

,

これ らの制度を利用 した直接購 買需要家 も

,新

規販売事業のビジネスに参入 し て きた者 は未だいない。 この理 由は,「市場 は

,KEPCOが

巨人で安全 確実 な供給者であ り

,新

たな供給者を模索す る ことは リスクが高いと判断 している」 ためであ る15。

4.規

制変更の評価 と課題

さて

,

これまで韓国で繰 り広げられてきた電 気事業の再編の計画 と実際を見てきた。産業再 編の設計図である「電気事業再編基本計画」に 照合 させれば

,2005年

央の現状は産業再編が 滞 ったままである。2001年 に改革のための最 初の一歩を踏み出したものの

,二

の足が出せな い状態である。そのため

,規

制変更の評価を厳 密に検証することは

,

もちろん時期早尚だし不 可能に近い。 しかし

,そ

れでも何が変わり

,何

が不変なのか

,ど

のような課題を抱えているの か

,を

明 らかにしてお くことは重要であろう。 15 韓国電力研究院,NamSung Ahn経営経済研究 センター長の談 (2005年3月 9日)。

(21)

以下では

,

こうした点を整理 してお きたい。

4.1

産業組織

(1)変

わ らない

KEPCO体

制 現状が産業再編 の設計図の「第

2段

階 :発 電 競争」 のステージにあるとして も

,本

当に発電 競争が展開 されているかは疑間である。発電会 社 が

KPXへ

入札す る際の要件 は

,設

備利用可 能容量だけであ り

,価

格 は含 まれ ない。価格要 件 に代わるコス ト情報については

,事

前 に

KPX

側が所持 してお り

,

しか もそれは第三者が審査 したデ ー タであ る。 それを基 に

KPXは

落札者 の決定を行 う。 こ うした姿 は

,ア

ンバ ン ド リング され る以 前

,KEPCOが

給 電 計 画 を行 うた め に 内部 で 行 って きた姿 と何 も変わ っていない。 コス トが 透明な状態で

,発

電会社 は何の競争がで きると い うのであろ う。 アンバ ンドル した ものの

,給

電 に至 る過程で行われ ることが以前のままであ れば

,結

,取

引 コス トを増加 させただけとい うことにな って しまう。

(2)乏

しい産業再編の推進力 しかし

,そ

うだからと言 って

,

さらに設計図 どお りに電気事業再編を推進するための牽引力 は

,現

状では極めて乏 しい。現政権は少な くて も積極的とはいえないし

,本

,規

制緩和の恩 恵を受けるはずの需要家の世論 も高まっていな い。 需要家の反応は

,現

在の料金が内部相互補助 の構造を温存 したままであるために

,複

雑であ る。一般に

,最

も強力な政治的圧力団体 となる のは

,製

造業の大口需要家である。 ところが,

KEPCOの

電力料金では

,産

業需要家や農業用 需要家の料金は実際のコス トよりも安 く抑えら れている。その原資は

,商

業用や家庭用の需要 家 によ って賄われているが

,

こうした需要家は 圧力団体 として非力である。 内部相互補助 は

,地

域 間で も行 われて い る。 海底 ケーブルによ って直流送電 されている済州 島では

,小

売競争が実現 されれば

,明

らかに価 格上昇は避 けられない。 そのために

,小

売競争 を実現 しよ うとすれば

,再

び大 きな政治問題 に な りかねないのである。

4.2

市場の価格

(1)KPXの

市場価格 発電部門はアンバ ンドル されたものの

,実

質 上 変 わ って い な い もの と して 価 格 が あ る。

KPXは

強制的 な電カプールであ り

,電

力の卸売 買市場である。 しか し

,

ここで決定 され る市場 価格 は

,現

況では

,会

計上 の総括原価 に基づ い た歴史的価格である。 その理 由は

,入

札方式が コス トベースである ためだ。 しか も

,決

済 され る価格 は

SMPと CP

が あ り

,SMPは

発電 コス トの変動費分

,CPは

発電 コス トの固定費用 (資本費

)分

である。 と すれば

,

こうした市場価格の構造 は

,従

来の総 括原価方式 と大 き く変わらない。 さらに

,小

売価格 は

,相

変わ らず規制 による 認可料金 となっている。 そのため

,

これ もまた 規制変更以前 と変わ っていない。

(2)発

電設備別の市場分類 しかし

,市

場価格の形成に

,先

行海外事例 と は異なった新 しいアイデアが加えられている。 それは

,電

力市場 には

,ベ

ース負荷市場 と非 ベース負荷市場が存在 し

,そ

れぞれ市場は異な り

,価

格形成 も異なるはずだ

,

と認識 している 点である。 これは

,英

国の強制プールなどでは そうした差別化を行 ってこなかったために

,発

電設備の間で不公平な入札の仕方が生 じた反省

参照

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