• 検索結果がありません。

JR九州肥薩線・嘉例川駅に見るノスタルジア形成の仕組みー高度情報社会が後押しする産業遺産の観光資源化 [ PDF

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "JR九州肥薩線・嘉例川駅に見るノスタルジア形成の仕組みー高度情報社会が後押しする産業遺産の観光資源化 [ PDF"

Copied!
4
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

32-1

JR

九州肥薩線・嘉例川駅に見るノスタルジア形成の仕組み

-

高度情報社会が後押しする産業遺産の観光資源化

-江崎

1.

研究の背景と目的  近年、山岳・河川・海浜などの自然資源や寺社仏閣・ 遺跡などの人文資源とは異なり、人の生活に密着した存 在である鉃道駅舎・団地・工場などの産業遺産が観光資 源として注目されている。産業遺産を目的としたツアー は産業観光と呼ばれ、その定義として「歴史的・文化的 価値のある産業文化財(産業遺構)や工場・工房及び産 業製品、コンテンツなどソフト資源を観光資源とする新 しい観光形態1)」とされている。産業観光が誕生した背 景には、観光客が産業遺産に対して、これまでとは異な る新たな価値を見出していることが考えられる。  本研究では産業観光資源の事例として九州旅客鉄道株 式会社(以下、JR 九州)肥薩線の嘉例川駅(図 1)を 挙げる。嘉例川駅は 1903(M36)年竣工当時の姿を現 代に残す貴重な産業遺産であるが、建築学的な研究はま だなされていない。そこで文献及び実測調査によって嘉 例川駅の歴史及び建築的特徴を明らかにするとともに、 近年のノスタルジア志向と観光におけるポストモダニズ ム論から嘉例川駅が持つ産業観光資源としての価値につ いて考察することを目的とする。

2.

小規模鉃道駅舎について

2.1

標準設計及び設計資料の平面構成比較  明治後期以降、鉃道敷設の合理化と形式統一のために、 営繕組織によって小規模駅舎の標準設計や設計資料(以 下、駅舎標準設計)が作成されるようになる2)-9)(表 1)。 駅舎空間をその用途から以下の 6 つに分類し、駅舎標準 設計の平面構成を比較したものを図 2 に示す10) 廣間: 駅舎入口とホームとを結び、その他の各室への動 線となる空間。 待合室: 電車を待つための空間。男女や旅客の等級で区 分し、それぞれに設ける場合もあるが、本論で はこれらを区別しない。 駅務室: 出札室(駅員が切符類を販売する空間)、小手 荷物取扱所(輸送する荷物を預かる空間)、駅 長室等の駅務を行う空間。 駅員室: 休憩室等の駅員が勤務時間外を過ごす空間。 タブレット室: タブレット閉塞機を設置するための空間。 その他: 物置や小口貨物扱場等。駅舎の等級や貨物の取 扱いの有無によって付加される場合とされない 場合があるため、本論では考察の対象としない。

2.2

小規模駅舎の性質変化  1898(M31)年「鐵道工事設計参考圖面 停車場之部」 から 1930(S5)年「小停車場本屋標準圖」まではその配 置に多少の違いはあるが、待合室が駅舎面積の 3-4 割を占 め、規模が大きいものには一二等待合室が併設されている。 また廣間は設けず、木造切妻・瓦屋根・真壁といった地域 性のある和風の意匠とすることが一般的であった6)。一方 で 1941(S16)年「建築設計資料集成1」では、1932(S7) 年に伊藤滋11)が提唱した流動の理論(2.3 に詳述)に 基づき、待合室が駅舎面積の 1.5 割、廣間が 3-4 割となっ 一号 二号 三号 四号甲 四号乙 第一号型 第二号型 第三号型 第四号型 第五号型 乙号 甲号 五等停車場 四等停車場 貳参等停車場 休 湯 待❷ 荷 駅 出 待 廣 1898年:鐵道工事設計参考図面 1918年:小停車場本屋標準圖 1930年:小停車場本屋標準圖 1941年:建築設計資料集成 3號 4號 5號 2號 1號 195.0㎡ 367.7㎡ 51.2㎡ 駅 荷 出 廣 待 駅 荷 出 廣 待 駅 荷 出 廣 待 124.0㎡ 200.0㎡ 236.0㎡ 63.5㎡ 71.9㎡ 待 駅 湯 休 71.1㎡41.9% 待 駅 湯 休 85.9㎡46.1% 54.2% 31.5% 32.3% 15.5% 15.5% 駅 荷 出 廣 待102.5㎡15.5% 15.5% 駅 荷 廣 待 84.5㎡15.5% 34.5% 34.5% 57.5㎡ 33.7% 126.9㎡41.4% 待 荷 駅 出 湯休 休 湯 待❷ 荷 駅 出 待 152.0㎡ 156.2㎡ 53.3% 51.9% 待 駅 湯 休 待❷ 貨 待 駅 湯 休 待❷ 100.8㎡44.3% 待 駅 休 湯 貨 待 駅 湯 休 貨 待 物湯休 駅 物湯 駅 待 待 駅 湯 物 休 87.5㎡ 41.1% 待 駅 休 湯 物 116.5㎡41.2% 待 湯 駅 休 139.5㎡45.2% 待 湯 駅 休 廣間 待合室 駅務室 駅員室 その他 標準設計 待合室占有率(%) 駅舎面積(㎡) タブレット 凡例 年 標準設計(設計資料) 所轄省 1898 (鐵道工事設計参考圖面) 1900 鐵道建築定規 逓信省 内閣 小停車場本屋標準圖 鉃道建設規程 停車場定規 1918 鉄道省 國有鐵道建設規程 1921 小停車場本屋標準圖 1930 建設線建物基準 1935 小停車場設備標準 1939 (建築設計資料集成1) 1941 嘉例川驛の写真 図 1 観光客で賑わう嘉例川駅 図 2 標準設計の平面構成比較 表 1 標準設計/設計資料の年表

(2)

32-2 ている。またこの時期は 1923(T12)年の関東大震災 がきっかけとなり、木造駅舎から鉄筋・鉄骨コンクリー ト造駅舎への転換が積極的に行われていた12)。つまり、 「建築設計資料集成 1」を境に、待合室に重点をおいた「滞 在型の和風木造駅舎」から効率よく旅客をさばく「流動 型の鉄筋・鉄骨コンクリート造駅舎」へと変化している といえる。

2.3

流動の理論について  伊藤は、鉃道利用客の増加、通勤・通学ラッシュの始 まり、高頻度な運転間隔等の変化を的確に捉え、「停車 場建築とは旅客を収容する器ではなく、旅客を流し通す パイプであると云ふ新しい設計方法13)」を御茶ノ水駅(図 3)で実践している。これまでの小規模駅舎にはなかっ た廣間を設けた「流動型」の駅舎はその後の主流となる。

2.4

鉃道営繕組織とその設計体制について  日本の官庁営繕組織の多くが中央集権的であったのに 対し、鉃道営繕組織は地方分権体制であったという所に 特徴がある14)。合理性と経済性において不利ではある が、この設計体制によって、駅舎を地域性のある和風の 意匠とすることが可能となった考えられる。

3.

嘉例川駅について

3.1

実測調査  2010(H22)年 9 月 18 日に嘉例川駅の実測調査を行っ た。結果を図 4 に示す。

3.2

駅舎開業から現在までの平面構成の変遷  嘉例川駅は、九州で初めての官設鉃道・鹿児島線(現 : 肥薩線)の中間駅として 1900(M33)年 5 月に請負業者・ 星野鏡三郎が着工、1903(M36)年 1 月 15 日に開業し た15)。当時の図面は残されていないが、歴代の駅員が 書き記した「嘉例川驛史16)」に「驛本屋及ビ附属建築 物・官舎等ノ新改築・拡張移転等ソノ他」として「大正 5年 1 月 21 日 従来ノ駅長室・手小荷物室・電信出札 室・宿直室及ビ駅夫控所ノ五宿ヲ駅長事務室・駅夫控所 ノ二室ニ改造」という記述 があることから図 5 に示す 平面構成の変化があったと 考えられる。

3.3

駅舎標準設計との比較  2.1で述べた駅舎標準設計のうち、嘉例川駅と面積的 に同程度のものを時間軸に沿って図 6 に示す。 ①嘉例川駅が 5,535 × 15,575mm、同じく肥薩線の 中間駅である大隅横川駅が 7,272 × 17,271mm17) いう平面であること、②開業当初の営業状況18)19)(表 2) の 2 点から嘉例川駅を含む肥薩線の駅舎は「停車場定規」 を参考に設計された「滞在型の和風木造駅舎」であり、 その営業状況によって五等甲・乙を使い分けていたと考 えられる。  また「停車場定規」の詳細な平面図はまだ明らかにさ れていないが、①駅務室は竣工当時壁で仕切られていた、 ②正面から見て右に待合室、線路に面してタブレット室 を配置するという嘉例川駅の平面構成の 2 点から、すで に「小停車場本屋標準圖(T7)」と同様の平面構成をと りつつも駅務室は「鐵道工事設計参考図面」のように壁 で仕切られたものであった可能性が高いと考えられる。

4.

産業観光資源としての嘉例川駅

4.1

観光事業化に伴う改修  2004 年の九州新幹線八代−鹿児島中央間の部分開業 により肥薩線の依存度が低下することを予想した JR 九 州は、嘉例川駅を始めとする産業遺産群を活かした産業 0 5 10m 3 2 1 6 7 4 5 8 11 9 10 乗 降 場 乗 降 場 1-8 出札室 2-9 改集札員室 3 手小荷物取扱室 4 驛長室 5-10便所 6 休憩室 7 湯呑所 11 廣間 1898年(M31)「鐵道工事設計参考図面 」 五等停車場 待合室 出札室 小手荷物取扱所 タブレット室 駅長室 1918年5月「小停車場本屋標準圖」 二號 1915年1月 5室から2室へ改造 待合室 駅長事務室 タブレット室 駅夫控所 貨物倉庫 待合室 出札室 タブレット室 手小荷物取扱所 駅長室 宿直室・駅夫控所 1903年1月 駅舎本屋竣工時 1900年5月 駅舎周辺の工事開始 1900年3月「停車場定規」 五等甲 5,486 17,374 五等乙 15,545 5,486 駅名 年 乗車 降車 旅客(人) 貨物(単位なし) 小手荷物 発 着 発送 明治36年 1 明治37年 11,959 12,851 294 118 4 嘉例川駅 12,069 229 明治36年 1 明治37年 29,303 28,919 2840 2079 2 大隅横川駅 47,679 4470 図 5 嘉例川駅の平面構成の変遷 図 6 駅舎標設計の平面構成の変遷 図 3 昭和 7 年開業当時の御茶ノ水駅の平面図 図 4 現在の嘉例川駅の平面 表 2 各駅の営業状況 2,719 2,802 4,577 1,731 3,626 3,666 旅客 3,616 3,675 2,940 4,324 4,636 1,815 5,485 待合室 展示スペース 事務室 休憩室 10,090 5,535 15,575 3,636 1,567 隼人 吉松 駅員 N S=1:300

(3)

32-3 観光事業を企画した。それに伴い嘉例川駅の改修が行わ れ、風景にそぐわない蛍光灯やポリバケツをペンダント 灯や籠に取替える、雨樋をブリキ製のものに取替えるな どの懐かしい風情を取り戻す作業が行われた20)(図 7)。

4.2

ブログ記事に見る嘉例川駅の産業観光資源的価値  観光客が、嘉例川駅に対してどのような価値を見出し ているのかを明らかにするために、インターネット上に アップされた嘉例川駅に関するブログ記事を以下の条件 で収集した。 ・検索エンジンは、google ブログ検索を用いる。 ・ 「嘉例川駅」で 2005-2010 年まで年ごとに検索をかけ、 ヒットしたもののうち調査対象となりうる記事を上位 100件ずつ計 500 件収集(2010 年 8 月 9 日現在)。  収集した記事から、嘉例川駅を評価する語句(以下、 評価語句)を抽出し、カテゴリー分けを行った(表 3)。 なお1つの評価語句が同一ブログ内で複数回用いられて いる場合は、これを 1 とカウントした。 抽出した評価語句は以下の 2 つに分類が可能である。 ①駅舎空間がつくり出す雰囲気に対するもの ②駅舎の物理的な特徴や歴史に対するもの 歴史・規模・意匠・保存状態などの観点から専門的・客 観的な価値評価が可能な②に対して、①は主観的なもの である。しかし産業観光資源の多くが、その魅力をブロ グなどの個人サイトを通して発信・共有されている21) ことを考えると、①のような主観的な価値は嘉例川駅が 持つ産業観光資源としての価値にとって大きな側面とな り得るものであると考えられる。そこで①のうち、嘉例 川駅に初めて訪れたにも関わらず「懐かしい」というノス タルジアを抱く観光客が多いことに着目し、考察したい。

5.

ノスタルジアの対象としての産業観光資源

5.1

ノスタルジアの定義  もともとノスタルジアとはホームシックの病的状態を 指すものであり、広辞苑には「故郷をなつかしみ、恋し がること。また、懐旧の念。郷愁。ノスタルジー。」とあ る。しかし交通手段や通信技術が発達し、物理的な距離 がなくなったとも言える今日では、故郷のように空間的 に離れた場所だけでなく、時間的に遡った過去の特定の 時期もノスタルジアの対象となっているといえる。また、 ノスタルジアは肯定的な感情をともなうという特徴もあ る。本論では、ノスタルジアについて「過去に思いを馳 せるときに生じる肯定的感情経験全般」という堀内22) 定義を用いる。

5.2

ノスタルジアの分類  近年ノスタルジアはマーケティングに活用されてお り、消費者行動研究の領域では様々な分類が試みられて いる。本論では以下に述べるスターン23)による分類を 用いて考察を行う。 ①個人的(

personal

)ノスタルジア 自分の過去(一般的に 20-30 年前)について心地よい 部分だけを取り出したもの。 ②歴史的(

historical

)ノスタルジア 自分が生まれる以前の古き良き時代の、歴史的物語や歴 史上の人物への感情移入によって生じるもの。 観光客が嘉例川駅に抱くノスタルジアの多くは、この歴 史的ノスタルジアに該当すると考えられる。

5.3

歴史的ノスタルジアが喚起される要因  スターンは、歴史的ノスタルジアを喚起するものは日 頃の生活場面とは異なっており、理想化されているとし ている。しかし堀内が、忍者屋敷について「日常とは異 なり、理想化されているが、ノスタルジアは喚起されな い」と指摘するように、この条件だけでは歴史的ノスタ ルジアは喚起されないと考えられる。そこで社会学者デ イビスが指摘する「ノスタルジア志向が強まるのは 文 化的非連続 が起こったあと」24)であるという見解を用 いる。これに関しては、シヴェルブシュも「新しい技術 古い 歴史がある 開業以来変わらない 時間がとまっている 昔ながら 時代を感じる 静寂 こじんまり ひっそり さりげない のんびりできる 落ち着く 癒される 時間がゆっくり 心地よい ほのぼの 和む のんびり/ 心地よい 古い/ 歴史がある 静寂/ こじんまり 趣がある 味がある 渋い 風情がある ひなびた 哀愁がある 熟成された 深みがある 趣がある 雰囲気がいい 温かみがある 優しい雰囲気 雰囲気がいい 懐かしい タイムトリップした ノスタルジ-を覚える 思い出す 既視感がある 48 78 59 107 懐かしい レトロ 映画のワンシーン すごい すてき 感動 うれしい 満足 じんとする 楽しい 惹かれる おもしろい びっくり 風格がある 立派 凛とした 威厳がある 堂々としている 重厚 貫禄がある 神社のよう 幻想的 非日常 分類 カテゴリー 評価語句 合計 駅舎空間 が 作 り 出す 雰囲気 に 対す る も の 33 236 分類 カテゴリー 評価語句 合計 特徴 や 来歴 に 対す る も の 大切にされている 愛されている きれい 美しい 貴重 素朴 なんてことない どこにでもある 大切に されている 整備 されている 貴重 素朴 21 9 8 8 合計 カテゴリー 評価語句 風格がある 神社のよう 28 4 45 すごい 合計 カテゴリー 評価語句 表 3 抽出された評価語句 図 7蛍光灯(改修前)と、懐かしさを感じさせるペンダント灯(改修後)

(4)

32-4 が古いものに終わりを告知したとき、古いものが初めて 詩的な姿をとり始める」25)という概ね同じ内容の見解 を示している。つまり、存続しているある事柄に何らか の文化的非連続が起こり、過去のそれが日常の生活とは 異なる理想像となったとき、歴史的ノスタルジアが喚起 されると考えられる。

5.4

鉃道駅舎における文化的非連続  鉃道駅舎における文化的非連続は、2 章で述べた「滞 在型の和風木造駅舎」から「流動型の鉄筋・鉄骨コンク リート造駅舎」へという性質・素材・意匠・構造形式の 変化であると考えられる。

5.5

ポストモダニズム論からみる鉃道駅舎の理想化  消費者にノスタルジアを抱かせることを狙ったものは ❶ かつて実在した商品やメッセージをそのまま使うもの。 例:菓子類の復刻版パッケージ(図 8)など。 ❷ 史実との関係は弱いが、過去のある時代を感じさせる もの。例:レトロな町並みを再現したテーマパークや、 レトロなインテリアを施した飲食施設(図 9)など。 という2つに分類できる22)。❷は特定の指示対象を持 たない記号によって構成され、厳密な時代設定を持た ない「〈懐かしいあの頃〉というフィクショナルな過去 26)」をつくりだしているといえる。ポストモダニズム的 であると評されるこれらの観光資源は 1990 年代に登場 し、現在では一般的な手法となっている。  観光客がポストモダニズム的な観光資源にノスタルジ アを抱くのは、そこに用いられた記号をあらかじめメ ディアで体験し、「過去」のものだと認識しているから である。同様に嘉例川駅に訪れる観光客は、「古き良き 日本」の象徴として理想化された「滞在型の和風木造駅 舎」を、映画やドラマを通してすでに体験しているのだ。 また 3.4 で述べた「懐かしい風情を取り戻す」ための 改修自体がポストモダニズム的であり、嘉例川駅をより 理想像に近づけるものであったともいえる。ブログ調査 では竣工当時から設置されたものと、改修時に取付けら れたものとを混同し、すべて「懐かしい」とする記事が 多くみられた。

6.

まとめ 本研究では、以下のことを指摘した。 1.嘉例川駅は、以下の要因からノスタルジアの対象と  図 8ビスコ(江崎グリコ)の現行 (左)と復刻版パッケージ(右)図 9年式の古い自動販売機や琺瑯看板などのインテリアを施した店舗 【注釈・参考文献】 1)平成 18 年 3 月に観光産業推進会議により定められた。 2)長尾篤 /わが国における中・小規模駅舎の標準設計について/ 2004 年/日本建 築学会九州支部研究報告第 43 号 3)中森勉/戦前期における官営鉃道 営繕組織による駅舎建築の標準化について/ 1993 年/日本建築学会北 陸支部研究報告集 4)日本工學會/明治工業史/ 1926 年/啓明会 5) 鉄道院建設部/鉄道法規類抄/ 1905 年/鉄道院建設部 6)木原英一講 述/線路及停車場/ 1927 年/鐵道學會出版部 7)張管雄 遠藤金之助  藤田金一郎/高等建築学 19 逓信省の建築 旅客駅 刑務所/ 1933 年/常磐書房 8)鐵道工學研究會/メートル式鐵道工事線路停車場設計 資料/ 1931 年/鐵道圖書局 9)日本建築学会図書館デジタルアーカイ ブス/ http://www.ai8xor.jp/jpn/tosho/ 10)表記が尺貫法の場合は 1 間 =6 尺 =1,818mm、ヤード・ポンド法の場合は 1yd=3ft=914.4mm とし て計算した。 11)1923 年(T12)3 月に東京帝国大学建築学科を卒業 後、鉄道省に入省して工務局建築家に配属された。1942 年鉃道省工務局 建築課長、1947 年日本建築学会副会長、1951 年同会会長を歴任している。 12)小野田滋/鉃道建築のモダニスト 伊藤滋/ RRR:railwayresearch review / 1997 年/鉃道総合技術研究所Vol.54no.9) 13)内田青蔵監 修/国際建築/ 1932 年/国際建築協会 14)佐藤和人/鉄道院・鉄道 省における営繕組織とその設計体制について/ 1987 年/日本建築学会大 会学術講演梗概集 15)1)日本鉄道請負業史 明治編/ 1967 年/社団 法人鉄道建設業協会 16)著者不明/嘉例川驛史/発行年不明/霧島市 立隼人図書館所蔵 17)磯田桂史/ JR 肥薩線における開業当初の駅舎平 面形について/ 2009 年/産業考古学第 134 号 18)野田正穂、原田勝正、 青木栄一/明治期鉄道史資料 第1集第 8 巻 鉃道局年報明治 36 年/ 1980 年/日本経済評論社 19)野田正穂、原田勝正、青木栄一/明治期 鉄道史資料 第1集第 9 巻 鉃道局年報明治 37 年/ 1980 年/日本経済 評論社 20)JR 九州施設部へのインタビュー及び提供資料 21)駅舎 に関する書籍を多数出版している横見浩彦氏や、「工場萌え」「団地さん」 の著者である大山顕氏など、産業観光資源の魅力を発信するツールとし てウェブサイトを利用する人が多い。 22)堀内圭子/消費者のノスタ ルジア−研究の動向と今後の課題−/ 2007 年/成城文藝 23)Stern Barbara B/ Nostalgia in Advertising Text : Romancing the Past, / 1992年/ Advances in Consumer Research 24)F. デーヴィス(著) 荻野美穂、細辻恵子訳/ノスタルジアの社会学/ 1990 年/世界思想社 25)シヴェルブシュ ,W(加藤二郎訳)/鉃道旅行の歴史̶19 世紀にお ける空間と時間の工業化/ 1982 年/法政大学出版局 26)大塚英志/ 仮想現実批評 : 消費社会は終わらない / 1992 年/新曜社  なっていると考えられる。  ①「滞在型の和風木造駅舎」から「流動型の鉄筋・鉄  骨コンクリート造駅舎」へという駅舎性質の非連続。  ②標準設計により全国的に統一され、日本になじみの  ある意匠をもつ「滞在型の和風木造駅舎」は、メディ  アの中で「古き良き日本」の象徴として描かれ、理想  化された。 2.スタルジアの対象となった「滞在型の和風木造駅舎」  は、主観的な価値を発信することが容易になった現代  の高度情報社会を背景に観光資源となった。 3.改修によって理想化された嘉例川は、ポストモダニズ  ム的な観光資源と同様に「懐かしいあの頃というフィ  クショナルな過去」として捉えられていることが考え  られる。  観光資源という性格上、ポストモダニズム的な改修は 避けられないものではあるが、今後その在り方を考えて いく必要がある。

参照

関連したドキュメント

 固定資産は、キャッシュ・フローを生み出す最小単位として、各事業部を基本単位としてグルーピングし、遊休資産に

に文化庁が策定した「文化財活用・理解促進戦略プログラム 2020 」では、文化財を貴重 な地域・観光資源として活用するための取組みとして、平成 32

 県民のリサイクルに対する意識の高揚や活動の定着化を図ることを目的に、「環境を守り、資源を

[No.20 優良処理業者が市場で正当 に評価され、優位に立つことができる環 境の醸成].

対策等の実施に際し、物資供給事業者等の協力を得ること を必要とする事態に備え、

 事業アプローチは,貸借対照表の借方に着目し,投下資本とは総資産額

将来の需要や電源構成 等を踏まえ、設備計画を 見直すとともに仕様の 見直し等を通じて投資の 削減を実施.

企業会計審議会による「固定資産の減損に係る会計基準」の対象となる。減損の兆 候が認められる場合は、