刀
生
2000P鳥
取県西部地震 による下水道施設の被害
(2)藤村
尚
Damages to the sewerage systeln by the Tottori― ken Seibu Earthquake,2000
Hisashi FUJIMURA
Departrllent of Civil Engineering,Faculty of Engineering Tottori
University.Tottori,680‐
8552 Japan
E―maili釣
け
imura@cЧ
tottori‐u.ac.jpAbstractiThe earthquake occurred on the 6th of October 2000 in the、 vestern part of Tottori prefecture, Cknamed
Tottori‐ken Seibu Earthquake 2000,caused a lot oF damage to the sewerage syste14,inCluding sewer pipelines and treatment plants,in the coastal region catted Yuttligahama.This region covers YonagO and Sakai14inatO cities.In this stu玲,the Overall damage to the seⅢ verage system in the study area is assessed,and a statistical analysis is carried out.Besides,the damage characteristtts are summarized based on ield surveys and engineering design
aspects of damaged structures.Some areas,particularly Takenouchi Danchi in Sakailninato city and Uchihama
sewerage treatment plant in Yonago cittt suffered froni severe liquefaction.The damages in these areas are studied in inore detail,including the geological characteristics ofthe area.
Key wordsI Tottori― kenn Earthquake,Sewerage syste14,Liquefaction,Damege structure
1.
はじめに2000年
10月 6日 午後 1時30分
,鳥取県西部(北 緯35.5° 東経 133.4° 深 さ10km)を
震源 とす るマ グニチュー ド7.3の 地震が発生 し,日
野町 と境港市で震度
6強
を,中 国・四国地方の広い範囲で震度
, ∼4が
記録 された。 この地震 に よる死者 はいなか っ た ものの,負
傷者147人
,全
半壊家屋約3500戸
, 崖崩 れ670箇
所 等 の被害が生 じ,ライフライ ン構造 物 に も大 きな被害 を もた らした。 地震 に よる下水 道施 設へ のお もな被 害 は、 米子 市・境港市 ・淀江 町 。西伯 町 に集 中 し,震
源 に近 い 日野町な どの山間部では,下
水道施設 に関す る被害 は報告 されてい ない。お もな被害 内容 は,マ
ンホー ルの浮上,マンホールブロ ックのずれ,管渠 のずれ, たわみ などであ り被害金額 は約5億円 と報告 されて いる. 本報告 では第一報 に引 き続いて行 う。具体 的 な内 容 は、下水道被害 と地盤特性、2000年
鳥取県西部地 震 と1995年
兵庫県南部地震の下水道被害の比較、 竹内工業団地 の下水道被害 と地盤変状、境港市下水 道 セ ンターの被災 である。2.鳥
取 県西部地震 での液状化 と地盤概要 図-1は
、下水道被害分布 図であ る。 それ に よる と、内浜処 理 区及 び境港処理 区は、外 浜処理 区 に比 べ埋め立 て 。千拓区域が多 く、地震 による下水道被 害 も、その埋 め立 て ,干 拓 区域 の多 い内浜処理区及 び境港処理 区 に集 中 している。外浜処理 区の場合 、 終末処理場 である皆生処理場 の被害 は軽微 である。 ― 瞳 ・ 千彊 区 域 …\ 報( ^鳴 浮 処 0日日 下水道施設被害衝酎 図-1
下水道被害分布図42 藤村 尚 ,2000鳥 取県西部地震による下水道施設の被害 鳥取県西部地震 ではすべての埋立て地 が液状化 し たわけではな く、同一地 区の埋立地で も液状化の著 しい場所 とそ うでない場所 とが混在 してお り、埋 め 立て材 の性質や埋 め立て方法及び埋立て層以深 の地 層構成 な ども影響 してい る と考 え られ る。埋 立て地 を除いた内陸部 においては、顕著な液状化 が発生 し た と考 え られ るよ うな墳 砂の痕跡 は、あま り見 られ ていない。 この よ うな埋立地 と自然地盤 とで差が見 られた ことが被 災の特徴 である。 これ らの原 因を考 えるために、支持層 の等深線 を図
-2に
、上部砂層 の等厚線図-3に
、上部粘 土層 の等厚線 を図-4に
示す。 また、図-5は
淀江町∼島 田町 に至 る東西方 向の地盤 断面図 を示す。 これ らの図か らわかるよ うに、液状化発生の可能 性 が高い と思われ る上部砂層 の層厚 は、最大10m程
度 であるこ と、また埋立地の水深 も最大10m前
後 で あ り、 これ らの層 が全 て液状化 した とは限 らず、比 較的液状化発生層 が うすかった可能性 が高い と思わ れ る。一方 、上部砂層以深 の地表構成 に着 目す る と、 図-2に
よれ ば、境水道付近 は比較 的支持層深度 が 浅 くなってお り、昭和町、竹 内団地 (両者 とも埋立 地)の
ある場所 で は上部粘 土層 の層厚 が厚 くなつて い る。また図-3,図-4に
よれ ば、特 に竹 内団地付 近では深 くなつてい ることがわか る。 また、半島中 央 か ら米 子 市 内 にか けて は 中海 側 に厚 く粘 性 土層(Lc,Uc)が
堆積 してお り、表層地盤 が外界 に比べ 対照的に軟 らかい といえる。つま り、地盤被 害の差 は、単 に埋 め立て地盤 と上部砂層 の層厚 の差 だけで はな く、地域 によ り軟弱 な層 の厚 さや下部粘 土層 の 存在 の有無 な ど、表層厚 の違い とその上性分布 の違 いによ り、地震動分布 の違いにも影響 し、ひいては 液状化発生程度∼地盤被害程度 の差 に現れ た一つの 要因 と考 え られ る。♪ 図-4の
上部粘性土層 と図-1の
下水道被 害図を み ると被害 を受 けてい る地域 と粘性 土層 の分布地域 とがほぼ一致 してい るこ とが伺 える。3.鳥
取県西部地震 と兵庫県南部地震の下水道被害 比較31 2000年
鳥取 県西部地震 に伴 う下水道被害 鳥取県西部地震 の被害 として、液状化 による管渠 の浮上 。本管部の円周方 向クラック・本管継 ぎ手部 の管軸方 向ズ レが多 く見 られた。特に鋼性管渠は、 図-2D
支持層(N値
50以
上)の等深線 図-3の 上部砂層 の等厚線 図-4D
上部粘性土層の等厚線手 言 い 日 園 静
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8フ44 藤村 尚 :2000鳥 取県西部地震による下水道施設の被害 表
-1
鳥取県西部地震 と兵庫県南部地震 との比較 種 別 単 位 鳥取 県西部地震 兵庫県南部地震 被 災 箇 所 数 汚水 鮨合流管 スハ°シ η ′ つ 0 8,805マンホール
個 99 3,373 雨 水 箇 所 4 3,791 被 災 率 汚水 口合流管ス
ハ
ン
/km 0.4 0.8マンホール
個
/km 0.3 雨 水箇所
/km 0.06 3.6 米子市・境港 ともに可 と う性管渠 に比べ被災率が高 かった。矩形渠 については、被 災 はな く、開渠 につ いては、米子市で一番川 、二番川、大沢川、境港市 で下の川 の一部が被 災 した。マ ンホール の被害は、 埋立地や造成地 において浮 き沈みの変化 が大 き く、 直壁 、管取付 け壁 の接合部、マ ンホール、管での継 ぎ手部 の被害が多かった。 なかで もゴムパ ッキンの 飛び 出 しが多 く、開いた隙間か らの漏水が多 く見 ら れた。 写真-1、 及び写真-2は
、米子市児童文化セ ンタ ー ビル周辺で地 中か ら噴 出 して地面 を流れ る噴水の 様子である。樋 口氏 の話 では、墳砂 は振動直後 に始 ま り、15分
間 くらい続 いた との ことであった。3.2 1995年
兵庫 県南部地震に伴 う下水道被害 管渠の被害形態 は、 コンク リー ト管では継 ぎ手 の 損傷・管軸方 向のクラ ック・取付 け管 の突出、陶管 では割れ、な どであ り勾配 と線形 の変化 も多 く見 ら れた。人孔の被害形態 はブ ロックの くずれや破 断、 ベースコンク リー トの破損、管の突 出 と周方 向の破 断、鉄蓋 の移動 が多 く見 られた。桝 と取付 け管の破 損 もかな りの数 に及 んでい る。 表-1は
鳥取県西部地震 と兵庫県南部地震 との比 較 を行 った ものであ り、管渠施設 の被害 をスパ ン別 に計上 し、全布 設延長 で割 った時の被 災率 を算定 し、 兵庫県南部地震 の平均被害率 と比べた場合、鳥取県 西部地震 においては被 災率が小 さか つた ことが伺 え る。4
竹内工業団地の下水道埋設物の被害 と地盤 下水道管渠 の被害 を見てみ ると、液状化 に よる被 災 (墳砂 、側方流動、地盤沈下等)が
多 く、マ ンホ ール蓋や本管 に被 害(浮き上が り、沈下、 クラ ック、 ズ レ、た るみ、破損、逆勾配等)が確認 され た。特 に マ ンホール直壁部及びマ ンホールか ら一本 目の管渠 で被 災が多かった。震災前 と震災後 のマ ンホール天 端高、地盤 高、管底高の変位 を示す。変位 の様子 は 以下 の よ うである。(図-6,図
-7)
。全体的に変位量は、0。20m程
度 の浮 き上 が りと沈 下であ る 。マ ンホール天端 は、浮き上が りと沈下の割合が同 程度 で あった。 ・地盤高は、全体的に沈下す る傾 向が多い 。管低高 も、全体的に沈下す る傾 向が多い 。管低高は、マンホール天端及び地盤高 と比べて変 位 量が少 ない 竹 内工業団地 にお ける下水道被害原 因 ・埋立地である 。沈下水位 が高い 。N値
が10以
下 と緩 く、均― な微砂 が多い 。墳砂・噴水がいたる所に見 られ る 。団地全体で地盤の沈下が見 られ る 等 の現象 か ら、液状化 の発生 による被 災が 明確 で あ る。 また、変位 量 か ら開削区間の変位 量 は、推進 区 間に比べ相対的 に大 きい。 この ことは液状化 に よ り 開削工での埋 め戻 し土が、著 しく流動沈 下 し、マ ン ホール構造被害や 地盤変状 に影響 を及 ば した と思 わ れ る。rJ ttl i__ 蒔 目 0 911116 環津黒憲望諫せ患沖0 学IIII渉 薄馨ド蹂ご苫き勝菖 0 甲titi由 黒鵞黒會虚群 島庫 tE二︶EB けと部 ・対閉澪離建 ・対翻☆1こ︶ヽこ と一・u 〓一・い 0一華と〓山3
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9フ46 藤村 尚 ,2000鳥 取県西部地震による下水道施設の被害 図
-7
マ ンホール変位量断面図 写真-1
米子市の児童文化セ ンター ビル周辺で 噴出 して流れ る地下水 (撮影 :樋 口氏) 写真-2
米子市の児童文化セ ンター ビル周辺 で 噴 出 して流れ る地下水 (撮影 :樋口氏)5
境港市下水道セ ンター の被災形態及 び原因 境港市下水道セ ンター は、米子空港の東方約 800 m、 」R境
線 の大篠津駅 の北方約700mで
、国道431 号線 と主要地方道米子・境線 の間に位 置す る。 地形及び地質 は、 中海 と美保湾 を区切 る弓ヶ浜砂 州 の外浜砂州 上に位 置す る。 弓ヶ浜砂州 は、 日野川 左岸 か ら中海 と美保湾 に突 き出す全長18血
、幅 4 km前後 の砂州 であ る。砂州全般 は、標高TP+6m程
度 以下であ り、ほ とん どが砂 か らなる低 平地である。 境港市下水道セ ンター は、砂州上の砂 を整 地あるい は一部 を盛 土 した造成 地 内にある。 被災 は、建物周辺 の地盤 沈下 と部分 的な液状化 に よる墳砂 が主体で、下水道セ ンター全林 に被害が分 布 してい る。主な項 目を列挙 して示す と以下の よ う にな る。 ・管廊 (電廊)の
浮 き上 が りに伴 うクラ ック及 び 目 地 に隙間・水漏れ ・ 自由勾配側溝 ・現場 打側溝等の沈下・隆起・クラ ック・破損 ・管理本館、主ポ ンプ場、水処理施設な どの周辺地 盤 が沈下・ 陥没 。場内道路の沈下・陥没・ クラック 管理等及 び汚泥処理棟 の壁 にクラ ック ・倉庫 の不動沈下鳥 取 大 学 工 学 部 研 究 報 告 第 33号 施設 の被 災原 因 につ いて考察す る(写真