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仲間と立てた作戦が上手くいくと喜びを感じる運動である 思った通りにボールを打てないと楽しくない運動である 守備の場面 フライやゴロを捕球できると楽しい運動である 狙ったところに送球し 走者の進塁を阻止できると楽しい運動である 相手の得を阻止できたときに喜びを感じる運動である 仲間と立てた作戦が上手く

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平成 29 年度 つくば実習 ベースボール型 「ティー&トスボール」班 学習指導案 メンバー:◎久野幹也、市川佑平、中田雅皓、松川想(MC2) 大嶋祥之、斎須克久、宮内貴圭(MC1) 星野日和(UG4)、秋岡弘樹、榊田佳文、田組孝幸(UG3) 担当教員:長谷川悦示 三田部勇 1.単元名 球技:ベースボール型 2.対象学年 中学校第 1・2 学年 男女 36 名(男子 18 名、女子 18 名) 3.授業場所 筑波大学 セキショウフィールド (雨天時は中央体育館) 4.単元目標 1)基本的なバット操作と走塁での攻撃、ボール操作と定位位置での守備などによって攻防を展開することができ る。(技能) 2)分担した役割を果たそうとすることや作戦などについての話し合いに参加しようとすることができるようにす る。(態度) 3) チームの課題の課題に応じた運動の取り組み方を工夫できるようにする。(知識、思考・判断) (中学校学習指導要領 保健体育編、2008 より抜粋) 5.単元について 1)ベースボール型の一般特性 ・身体やバットの操作と走塁での攻撃、ボール操作と定位置での守備などによって攻守を規則的に交代し、一定の回 数内で相手チームより多くの得点を競い合うゲームである。 (中学校学習指導要領解説 保健体育編、2008、p85) ・「打つ」「走る」「捕る」「投げる」の動きが現れ、きわめてオールラウンドな身体への効果がある。 ・攻撃においては、必ず一人ひとりに打撃の機会が保証されていて、それぞれの存在感が認められて安心してプレー が出来る。(内田、2004) ・「走者が速いか、守備側の共同作業が速いかを特定の塁上で競い合う」運動である。(岩田、2016) ・社会体育で行われる野球やソフトボールは、アウトカウントや走者の位置などによって一球ごとに状況判断が変化 し、戦術的な状況判断が複雑すぎる。 ・ボール操作にかかわる運動技能の習得が難しい。 2)生徒から見た特性 〈攻撃の場面〉 ○遠くへ、もしくはねらったところへ打てると楽しい運動である。 ○状況を判断しながら、走塁できると楽しい運動である。 ○多くの得点をとれたときに喜びを感じる運動である。

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○仲間と立てた作戦が上手くいくと喜びを感じる運動である。 △思った通りにボールを打てないと楽しくない運動である。 〈守備の場面〉 ○フライやゴロを捕球できると楽しい運動である。 ○狙ったところに送球し、走者の進塁を阻止できると楽しい運動である。 ○相手の得点を阻止できたときに喜びを感じる運動である。 ○仲間と立てた作戦が上手くいくと喜びを感じる運動である。 △思った通りにボールを捕球できなかったり、ねらったところに投げられなかったりすると楽しくない運動である。 △守備の動き方がわからず、実質的にゲームに参加出来ないと楽しくない運動である。 3)単元構成・教材作成の意図 現行の中学校学習指導要領解説 保健体育編(pp85-87,pp92-93)を参照とした教科内容の整理。 表 1.ベースボール型の技能に関する教科内容の例 (中学校学習指導要領解説 保健体育編、2008) 6.ベースボール型授業における課題 ベースボール型授業において、宮内(2001)は、「ゲームに実質的に参加できずに友達と関われないまま終わっ てしまうケースが少なくない」こと、その要因として、「ボールの捕球・送球といった運動技能もさることながら、 ゲーム中に求められる状況の『判断』が複雑すぎる」ことを問題視している。 滝沢ほか(2004)は、ベースボール型ゲームの学習指導の難しさが大きく横たわっていることを述べ、「その原因と して、子どもにとってルールが非常に複雑で、運動技術的にも戦術的にもプレーの課題性が高く、ゲームの本質的な

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面白さを保証しにくいことや、ゲームの中で個々の子どもがプレーに直接関与する学習機会が他のゲームに比較して 少なく、運動量の低さの問題が掲げられてきた」(滝澤ほか、2004、p.102)と述べている。 これらの課題を解決するための工夫として、本吉ら(2017)は、中学校1年生の男女を対象としたベースボール 型授業の実践を報告している。そこでは、生徒の学びを支える工夫として、系統表を使った段階的な指導を行ってお り、戦術的課題を徐々に複雑にしていくことで無理のない授業展開をねらっている。 また、原田ら(2016)では、小学校 6 年生の男女を対象に、ベースボール型授業の実践を報告している。そこで は、ゲームにおいて、攻撃では得点を取るためのイメージ、守備では得点を取らせないイメージを具現していくため の、状況判断とその動きを重視した指導を行っている。また、ベースボール型授業の課題である”運動量の確保”とい う点を解消するために、パス線などの工夫を設けた。それにより、「一部の児童だけでゲームが進んでいくことがな く、運動量の確保ができた」と報告している。さらに、コーチング BOX を設置したことにより、走者の”状況判断” の手助けになっただけでなく、自分自身にとってもボールの位置を見て走者がどうするのが良いかの状況判断をする 機会ができた、とも報告している。一方で「同じ児童が同じ動きをすることが多かった」という課題も挙げられてい る。 以上を踏まえて、本単元ではベースボール型授業における課題として以下の3点に注目し、これらを改善する授業 を提案させていただくこととした。 (1)実質的なゲームへの参加(学習機会の保証) (2)運動量の確保 (3)技術的・戦術的課題の困難さ 1)課題に対する手立て (1)学習機会の保証 ➢ 想定される役割行動の数と守備のプレーヤーの人数を対応させたゲーム(中垣ほか、2009) ➢ 捕球者はボールを持って、走ってアウトゾーンには入れないルール設定(原田ほか、2016) ➢ アウトゾーンに複数人が集まらなければならないルール設定(ゲーム 3 に関しては例外) ➢ 打席ごとに守備位置をローテーションすることで、ポジションごとの動きを学べるようにする ➢ ゲームの時間内は打順を進ませ続ける時間交代制(一巡後も時間が来るまで打ち続ける) (2)運動量の確保 ➢ アウトゾーンに複数人が集まらなければならないルール設定(課題 1 にも対応) ➢ 一人一人が役割を果たすために動かなければ課題が解決できないゲーム(課題 1 にも対応) (3)技術的・戦術的困難さ ➢ 戦術的課題が徐々に複雑になるようにゲームを発展させていく(本吉ほか、2017) 具体的内容:・進塁戦を設けることで、走者の「進塁するかしないか」を誇張する ・ゲームの人数を減らすことで、役割を明確にする(課題 1 と 2 にも対応) ・ランナーなしからランナーありにすることで、戦術的課題を増やす ➢ バットやボールなどの教具の工夫 具体的内容:・トス or ティー選択制 ・グローブが要らないボール ➢ トスに関する手立て

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具体的内容:・トスは打者の腰をめがけて投げるように指導する。 ・打者と打つポイントを確認し合い、打ちやすいように山なりのボールを投げるよう指導する。 さらに、指導方略として「戦術学習」と「スポーツ教育モデル」の要素を含めつつ、グリフィン(1999)の「戦 術的複雑さのレベル」を参考にし、新たに作成した「ゲームの発展案」(表 2)をもとに単元計画を構成することとし た。グループ編成としては、「きょうだいチーム制」を導入した。また、原田ら(2016)の実践や茨城県教育委員 会が作成した体育授業モデル集で紹介されている教材案を参考に、本単元で行う教材を作成した。 表 2.ゲームの発展案 ゲーム ゲーム2 ゲーム3 ・ライト方向へ打つ ・定位置を理解する ・どこでアウトにするか ・役割行動(ベースカバー・バックアップ)  を理解する ・どちらのランナーをアウトにするか ・ポジションごとでどのように役割行動をするか 打撃判断 ランナーがより進みやすい方向へ打つ 走塁判断 守備判断 走者が進もうとしている塁に投げる (ランナー2人) 得点 ランナー 常にランナー1塁 攻守チェンジ 塁間 アウトゾーン アウトゾーンに 入る人数 2人以上 1人以上 バット ボール グローブ ピッチャー ゲーム1 学習のポイント ・レフト方向へ打つ 走者が進もうとしている塁に投げる (ランナー1人) トスバッティングの場合は攻撃側がトス (ティーバッティングまたはトスバッティング) ティーボール12(TOEI) なし なし (ティーバッティング) ・ケンコーティーボールバットS ・トーエイティーボールPUバットL 4つ(各塁付近) 3人以上 ・どこまで走るか 進塁線までに次の塁を狙うか狙わないか 打者が出塁しやすい方向へ打つ 15m 1塁1点、2塁2点、3塁3点、本塁4点 (ゲーム3では2人のランナーの合計得点) なし 時間制(4分30秒)

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〈ゲーム 1〉(基本となるルール)守備 5 人のゲーム、4 分 30 秒で攻守交代 【攻撃】 ・打者は相手チームの守りの準備状況と自チームのローテーションを確認してから、ティー台に載せられたボールを フェアゾーンに打つ。フェアゾーンに入らなければファウルとなり、再度打ち直す。なお、3 回空振りまたはファ ールをした場合、アウトとする。 ・各塁間に進塁線を引く。走者は進塁線までに守備の状況に応じて進塁するか、元の塁に戻るかを判断する。進塁線 を越えてしまった場合は必ず進塁しなくてはならない。なお、走塁判断の助けとして、攻撃側から 1 人 3 塁コーチ ャーをつける。 ・守備側がアウトゾーンにボールを運ぶまでの打者が進んだ塁を得点とし、1 塁が 1 点、2 塁が 2 点、3 塁が 3 点、 ホームが 4 点とする。 ・打者は打撃後、バットをコーンの中に入れてから走塁する(入れなかった場合、0 点)。 ・残塁なし。 ・フライは直接キャッチされてもインプレーとする。 ・柵越えはファールとする。 【守備】 ・内野 2 人、外野 3 人が定位置で守備をし、1 人は守備コーチ役をする。守備位置はワンプレーごとに時計回りにロ ーテーションしていく。 ・1 塁、2 塁、3 塁の後ろおよびホームベース前にアウトゾーンを設置し、捕球後ボールを打者の走塁状況に応じて アウトゾーンに運ぶ。 ・アウトゾーンにボールを入れる時は、守備側が 3 人以上アウトゾーンにおり、「アウト」コールをする。 ・アウトゾーン外で打球を捕り直接アウトゾーンに入るのは禁止(送球したボールがそれてアウトゾーンにいた人が ゾーンの外でボールを捕って直接ボールを入れるのは可)。 ・送球の際、他のコートにボールが入った場合、走者が 1 ベース進む。 図 1.ゲーム 1 バッ ト 入れコ ーン 15m ア ウト ゾ ーン (直径3m) 進塁線 6m 守備コ ーチ 得点板 ④ ② ③ ① ⑤ ①打者 ↓ ②3塁コ ー チャ ー+守備 から ボールを も ら う 人 ↓ ③審判 ↓ ④記録係 ↓ ⑤得点係 ↓ ⑥次打者+ ト スorテ ィ ー台 を 直す 二三塁間 ↓ レ フ ト ↓ セン タ ー ↓ ラ イ ト ↓ 一二塁間 ↓ 守備コ ーチ 守備側 攻撃側 テ ィ ー台 ⑥ 7m フ ァ ール線

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〈ゲーム 2〉守備 5 人のゲーム、4 分 30 秒で攻守交代 【攻撃】 ・打者は相手チームの守りの準備状況と自チームのローテーションを確認してから、ティー台に載せられたボールま たは、味方がトスしたボールをフェアゾーンに打つ。フェアゾーンに入らなければファウルとなり、再度打ち直す。 なお、3 回空振りまたはファールをした場合、アウトとする。 ・各塁間に進塁線を引く。走者は進塁線までに守備の状況に応じて進塁するか、元の塁に戻るかを判断する。進塁線 を越えてしまった場合は必ず進塁しなくてはならない。なお、走塁判断の助けとして、攻撃側から 1 人 3 塁コーチ ャーをつける。 ・守備側がアウトゾーンにボールを運ぶまでの打者が進んだ塁を得点とし、1 塁が 1 点、2 塁が 2 点、3 塁が 3 点、 ホームが 4 点とする。 ・打者は打撃後、バットをコーンの中に入れてから走塁する(入れなかった場合、0 点)。 ・残塁なし。 ・フライは直接キャッチされてもインプレーとする。 ・柵越えはファールとする。 【守備】 ・内野 2 人、外野 3 人が定位置で守備をし、1 人は観察役をする。守備位置はワンプレーごとに時計回りにローテー ションしていく。 ・1 塁、2 塁、3 塁の後ろおよびホームベース前にアウトゾーンを設置し、捕球後、打者の走塁の状況に応じて、進 塁を阻止できるアウトゾーンにボールを運ぶ。 ・アウトゾーンにボールを入れる時は、守備側が 2 人以上アウトゾーンにおり、「アウト」コールをする。 ・アウトゾーン外で打球を捕り直接アウトゾーンに入るのは禁止(送球したボールがそれてアウトゾーンにいた人が ゾーンの外でボールを捕って直接ボールを入れるのは可)。 ・送球の際、他のコートにボールが入った場合、走者が 1 ベース進む。 図 2.ゲーム 2 バッ ト 入れコ ーン 15m ア ウト ゾ ーン (直径3m) 進塁線 6m 守備コ ーチ 得点板 ④ ② ③ ① ⑤ ①打者 ↓ ②3塁コ ー チャ ー+守備 から ボールを も ら う 人 ↓ ③審判 ↓ ④記録係 ↓ ⑤得点係 ↓ ⑥次打者+ ト スorテ ィ ー台 を 直す 二三塁間 ↓ レ フ ト ↓ セン タ ー ↓ ラ イ ト ↓ 一二塁間 ↓ 守備コ ーチ 守備側 攻撃側 テ ィ ー台 ⑥ 7m フ ァ ール線

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〈ゲーム 3〉守備 5 人のゲーム、4 分 30 秒で攻守交代 【攻撃】 ・走者 1 塁の状態からプレーを行う。 ・打者は相手チームの守備の準備状況を確認してから、ティーに載せられたボールまたは味方がトスしたボールをフ ェアゾーンに打つ。フェアゾーンに入らなければファウルとなり、再度打ち直す。なお、3 回空振りをした場合、 アウトとする。 ・各塁間に進塁線を引く。走者は進塁線までに守備の状況に応じて進塁するか、元の塁に戻るかを判断する。進塁線 を越えてしまった場合は必ず進塁しなくてはならない。なお、走塁判断の助けとして、攻撃側から 1 人 3 塁コーチ ャーをつける。 ・守備側がアウトゾーンにボールを運ぶまでの打者と 1 塁走者が進んだ塁の合計得点とし、1 塁が 1 点、2 塁が 2 点、 3 塁が 3 点、ホームが 4 点とする。なお、進塁した先の塁でアウトになった走者は無得点となり、この場合、走塁 が成功した走者のみの得点となる。 ・打者は打撃後、バットをゾーンの中に入れてから走塁する(入れなかった場合、0 点)。 ・残塁なし。 ・フライは直接キャッチされてもインプレーとする。 ・柵越えはファールとする。 【守備】 ・内野 2 人、外野 3 人が定位置で、残り 1 人は守備コーチ役をする。守備位置はワンプレーごとに時計回りにロー テーションしていく。 ・1 塁、2 塁、3 塁の後ろおよびホームベース前にアウトゾーンを設置し、捕球後、打者の走塁の状況に応じて、進 塁を阻止できるアウトゾーンにボールを運ぶ。 ・アウトゾーンにボールを入れる時は、守備側が 1 人以上アウトゾーンにおり、「アウト」コールをする。 ・アウトゾーン外で打球を捕り直接アウトゾーンに入るのは禁止(送球したボールがそれてアウトゾーンにいた人が ゾーンの外でボールを捕って直接ボールを入れるのは可)。 ・送球の際、他のコートにボールが入った場合、走者が 1 ベース進む。 図 3.ゲーム 3 15m ア ウト ゾ ーン (直径3m) 走者1塁から スタ ート 進塁線 6m 守備コ ーチ テ ィ ー台 二三塁間 ↓ レ フ ト ↓ セン タ ー ↓ ラ イ ト ↓ 一二塁間 ↓ 守備コ ーチ 守備側 ② ③ ⑤ ① 得点板 ④ ⑥ ①打者 ↓ ②1塁走者 ↓ ③3塁コ ー チャ ー+守備 から ボールを も ら う 人 ↓ ④審判 ↓ ⑤得点+記録 係 ↓ ⑥次打者+ ト スorテ ィ ー台 を 直す 攻撃側 バッ ト 入れコ ーン フ ァ ール線 7m

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8.授業を構成する要素 1)戦術学習(TGfU)

1982 年に英国のラフバラ大学の Bunker と Thorpe によって提唱された TGfU(Teaching Games for

Understanding)の開発背景には、成功体験を味わえないままゲームが終わっていたり、ゲームについてわかること が保証されていなかったりする授業の実態であった(岡出、2017)。そこで示されていたのは、技術中心の授業に 対する批判と、戦術的な思考に焦点化された授業、つまり、ゲームの教科内容を技術ベースから戦術ベースに移行 させるというものであった。その背景には、戦術的気づきの不足が、ゲームパフォーマンスの向上を妨げていると いう認識があり、しかも、戦術的気づきの不足は、技術レベルとは無関係にみられるとの認識があった。このよう な現状を打開すべく、ゲームを楽しむためには戦術は教えられるべきであるとされた。そして、子どもたちの理解 を促すために、発問やルール作りといった方法論での工夫が求められるようになる。それが、ゲームの修正(教材づ くり)による「戦術的気づき」の創出と必要な技術の認識、その技術の習得のための練習場面の設定によって、ゲー ムパフォーマンスが向上するという教授モデルの提案であった(岡出ほか、2000)。 さらに、1997 年には TGfU を理論的基盤として、Griffin らの「戦術アプローチ」が提案された。そこでは、技 術練習を適切な時期に行うことや、ゲームにおける戦術的状況の中で技術を用いることを強調し、技術と戦術を結 びつける意図があった(グリフィンほか、高橋健夫・岡出美則監訳、1999、p6)。戦術アプローチの特徴として、 ゲーム中心の授業の立場をとり、「ゲーム-発問−練習−ゲーム」という流れで展開される。このモデルを用いる際、 教師は、単元の時間数などの制約がある授業内で取り挙げる戦術的課題の選択をしなければならない。また、岡出 ほか(2000)は、「教科内容の学習を保障していくには教材づくりや教師行動、単元計画の検討といった、学習指 導上の手続きが必要になる」としている。 2)スポーツ教育モデル このモデルは、スポーツの特性に基づいたスポーツの多様な楽しさを児童・生徒に保障することを意図したプログ ラムである。米国のシーデントップ(2003)によって提唱され、現在では英語圏で広く採用されている。このモデ ルの特徴は、「シーズン」「チームへの所属」「公式試合」「クライマックスのイベント」「記録の保持」「祭典性」 などである。シーズン(単元)では、公式試合(対抗戦やリーグ戦など)を位置付けたり、シーズンの終わりにはク ライマックスのイベントとなる大会を企画したりすることで、児童・生徒が真のスポーツの楽しさを味わうことがで きるとされる(吉永、2010)。また、スポーツ教育モデルの具体的な目標は、Siedentop(2011) によれば、①スポ ーツの特別な技術とフィットネスの発達、②スポーツの特別な戦略的遊びを実行することができるし正しく評価する、 ③発展的に適用するレベルで参加する、④スポーツ経験の管理と計画を分けること、⑤責任あるリーダーシップをも たらす⑥儀礼の尊重、⑦スポーツの問題解決能力、⑧実践的な知識、⑨スポーツへの自発的な参加と多岐にわたる。 図 2.スポーツ教育モデルの概念図

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3)きょうだいチーム制の導⼊ きょうだいチームとは、複数のチームで構成された合同チームのことで、兄チームと姉チームで練習を合同で⾏ ったり、互いの試合の得点を合計して他のきょうだいチームと競い合ったりするなど、チームを構成している複数 のチームが利害関係を共有しているグループ編成である。中川(2015)は『きょうだいチーム制の授業展開について、 「チーム間協同のあるチーム間競争」がある指導⽅略である』と述べている。 図 3.きょうだいチーム制の概念図 また、中川(2015)は、戦術学習に基づいて発問ならびに技術練習をゲームで、挟むことにより授業ならびにゲー ム運営が複雑になり困難であるという課題に対して、「きょうだいチーム制」を採⽤することによってゲームの進 ⾏を円滑に進められ、運動学習場⾯を多く確保することが出来るということを指摘している。また、合わせて「き ょうだいチーム制」は前述した「戦術学習」と「スポーツ教育モデル」の 2 つの学習モデルを結ぶ役割があること を明らかにしている。 本単元では、男⼦ 5 名のチームと⼥⼦ 5 名のチームできょうだいチームを編成し、同じチームカラーのゼッケンを 着⽤させる。男⼥共習であっても、球技単元では、男⼥別々に活動することが多くなり、男⼥のかかわり合いが希薄 になりがちである。また、⽣徒数や施設の条件によっては、全員が⼀度に運動ができないという問題が⽣じる可能性 もある。そこで、きょうだいチーム制を導⼊することにより、同じチーム内で⼀緒にチーム練習を⾏うことができる。 また、対戦相⼿の視点からチームの課題を指摘することができ、⽣徒同⼠の相互作⽤が活発になる。運動をしていな い時間も運動しているチームメイトを⽀える活動を⾏うことや、きょうだいチームで同じ練習場所を使って練習を⾏ うなど、マネジメントの⾯でも良い効果が期待できる。本単元では、きょうだいチームを導⼊することによるメリッ トがより⼤きくなるよう、試合のローテーションを⼯夫したり、男⼥混合チームで合同練習を⾏ったりするなどの⼯ 夫を取り⼊れた。

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9.学習活動に即した評価規準 運動への関心・意欲・態度 運動についての思考・判断 運動の技能 運動についての知識・理解 ・ベースボール型の学習に 自主的に取り組もうとして いる。 ・フェアなプレイを大切に しようとしている。 ・作戦などについての話し 合いに参加しようとしてい る。 ・分担した役割を果たそう としている。 ・仲間と協力して教え合っ たり、励まし合ったりしよ うとしている。 ・練習やゲームから、チー ムや自己の課題を見つけて いる。 ・練習やゲームから、課題 に応じた方法を選んでい る。 ・分担した役割に応じた協 力の仕方を見つけている。 ・攻防を展開するための基 本的なバット操作と走塁で の攻撃ができる。 ・ボール操作と定位置での 守備などの動きができる。 ・ベースボール型の特性や 成り立ちについて、学習し た具体例を挙げている。 ・ベースボール型の技術の 名称や行い方について、学 習した具体例を挙げてい る。 ・試合の行い方について理 解している。 ※参照:評価規準の作成のための参考資料、国立教育政策研究所(online,2017/04/07) ※今回は、模擬授業提案のため、評価計画については省略してある。

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10.4 時間目の時案 (午前) 1)本時の目標 ・走者をアウトにするために、自らの役割行動をとる動きができるようにする。(技能) ・チームの課題の解決に向け、作戦などを話し合うことができるようにする。(態度) ・走者をアウトにするために、どこに投げればよいか、どのような役割を果たせばよいか判断できるようにする。 (知 識、思考・判断) 2)準備物・資料 バット 8 本、ボール 24 球、ベース(滑り止めで代用 14 枚)、コーン 8 個、ペットボトル 8 個、新聞ボール 80 個 3)本時の展開 時間 学習内容・発問 指導上の留意点・評価 0 分 (5) 5 分 (7) 1.集合・整列・挨拶・出欠確認・健康観察をする。 ・きょうだいチームごとに集合する。 ・出欠確認および健康観察、見学者の確認を行う。 2.前時のふりかえり、本時の流れの確認を行う。 前回から新しいゲームが始まりましたね。今 日も同じゲームをやっていきたいと思いま す。 ・本時の流れ ①スキルアップ練習 ②チームでの話し合い ③メインゲーム ④まとめ 3.スキル練習 ①フリーバッティング ・6 人 1 人(攻撃側は打者、トス、ボールを受け取 る人の 3 人 1 組、守備側は守備 2 人、中継)で行 う。 ・打者→トス者→ボールを受け取る人の順でローテ ーションする。 ・1 分×3 人を行い、攻撃側と守備側を交代する。 ・リーダー中心に出欠確認をさせ、教師はリーダー にチームの出欠確認を行う。 ・集合場所はグラウンドの中央とし、太陽の位置に よって整列の向きを変更する。 ・前時のふりかえりを簡単にし、流れを確認する。 ・きょうだいチームごとスキルアップ練習に移るよ う指示する。 ・教師は巡視しながら、しっかりとバットを振れて いるか確認し、適宜アドバイス等の声をかける。

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12 分 (8) 20 分 (5) ・守備者は捕球後、中継者に送球する。 ② 連携ゲーム ・攻撃側は守備者がいないところにボールを投 げ、守備側はそれに対応する守備を取る。 ・守備側は一塁→二塁→三塁→ホームの順にボー ルをまわす。 ・攻撃側はボールを投げた後、ベースを一周する。 ・きょうだいチームで行う。 ・1 チーム 3 分で攻守交代 ・用具を集めてグループごとに整列させる。 4.チームでの話し合い ・メインゲームについて、前時の目標の振り返本時 ・終了後バットとボールはカゴに即座に集める。 ・ボールを捕球の際に腰を低くすることを意識させ る。 ・以下の図のように配置をする。 ・3 コートに分かれ行う。 ・きょうだいチームごと連携ゲームに移るよう指示 する。 ・守備の動き方の確認が目的のため、ボールを遠く に飛ばさせないように気を付ける。 ・用具は指定の箇所に集めさせる。 女子ベー ス 守備側 ② ③ ④ ① アウトゾーン 守備コーチ 投球者 二三塁間 ↓ レフト ↓ センター ↓ ライト ↓ 一二塁間 ↓ 守備コーチ 進塁線 打者 トス者 次打者 守備2人 強打 カゴ 中継者

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25 分 (20) の目標を発表した後、それを踏まえチームで戦術や 動き方の確認を行う。 ・前時の振り返りをする。 (発問)前回の授業の目標を覚えている人 はいますか。また、目標達成のためにはど のような工夫をしましたか。 〈予想される生徒の反応〉 ・大声ダイヤモンド。チームメイトに大きな声で指 示を出した。 ・仲間とコミュニケーションをとって動いた。 ・本時の目標の提示をする。 仲間のことを想う BC (発問)守備側は追いかけっこが起きない ためにはどうすればいいでしょうか。 〈予想される反応〉 ・先に次の塁を埋める。 (発問)ギリギリのタイミングだったらど うかな? 〈予想される反応〉 ・仲間が指示する ・どっちにも行ける位置にいる。 ・チームごとに話し合い (声かけ) ・どこに打球が飛んだら誰がどこに入れば良 いか話しあってみよう ・逆にバッターはどこに打てばとられないか な 5.メインゲーム〈ゲーム 2〉 ・説明後、対戦表通りにメインゲーム〈ゲーム 2〉 を行う。 1チーム 6 人×6 ・BC はベースカバーである。前回は追いかけっこ が頻繁に起きていたことから走者の進塁を防ぐた めにはベースカバーをし、進塁を防ぐことで得点を 抑えることに繋がることを伝え、目標の解説をす る。 ・最初からアウトゾーンに 2 人入るのではなく、カ バーの動きを意識させる。 ・話し合いがスムーズに行われるよう、巡視をし、 声をかける。 〇グループでの話し合いに積極的に参加している。 (態度) ・打撃前にバッターは大きな声で合図を出すことを 徹底する。 ・攻撃、守備のローテーションが終わったことを確 認し、次の攻撃に移る。

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45 分 (5) 時間制 1 イニング 4 分 30 秒 2 イニング ・1 イニング終了時に軽くチームごとに作戦タイム をとらせる。 (声かけ) ・チームメイトが迷っていたらチームメイト (とくに観察役)が指示を出してあげよう。 ・外野の奥深くに飛んだら中継に入ってあげよ う。 ・どこに打てば相手にとられないか考えて打っ てみよう。 ・3 塁コーチャーはランナーに支持を出してあ げよう。 ・ゲーム終了後、整列し、挨拶をする。 6.整理体操 ・前後左右の人とぶつからない程度に広がった状態 で整列させ、整理体操を行う。 7.まとめ ・試合の結果の確認を行う。 ・試合の振り返りを行う。 (発問)今回の目標はベースカバーでした。前 回の試合と比べて工夫したことやチームでの作 戦がある人? 〈予想される生徒の反応〉 ・すぐにベースカバーを出来る位置にいた。 ・ランナーをよく見てどこに動くか判断できた。 ・本時のまとめ 失点を少なくするにはベースカバーはとても 大切な動きです。 ・次時の流れの確認を行う。 8.挨拶を行う。 ・両コートを巡視しながら、生徒のプレーをフィー ドバックする。 ・ランナーは自分の点数を叫んでから戻る。 ・攻撃側のローテーション、特に審判を明確にする。 ・ゲーム前後は整列して挨拶。 〇走者をアウトにするためのベースカバーの動きを 理解し、自ら判断して動こうとする。(知識・思考・ 判断) ・整理体操を行わせ、心身を落ち着かせる。 ・本時の試合結果・及び通算の試合結果の確認を行 う。 ・本時の内容を全員が理解できたか確認する。 ・一旦チームで軽く話し合いをさせ、発表してもら う。 ・本時の振り返りを抽出して本時のまとめを行う。 ・けが人の有無を確認し、次時の確認をする。

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〈ゲーム 2〉守備 5 人のゲーム、4 分 30 秒で攻守交代 【攻撃】 ・打者は相手チームの守りの準備状況と自チームのローテーションを確認してから、ティー台に載せられたボールま たは、味方がトスしたボールをフェアゾーンに打つ。フェアゾーンに入らなければファウルとなり、再度打ち直す。 なお、3 回空振りまたはファールをした場合、アウトとする。 ・各塁間に進塁線を引く。走者は進塁線までに守備の状況に応じて進塁するか、元の塁に戻るかを判断する。進塁線 を越えてしまった場合は必ず進塁しなくてはならない。なお、走塁判断の助けとして、攻撃側から 1 人 3 塁コーチャ ーをつける。 ・守備側がアウトゾーンにボールを運ぶまでの打者が進んだ塁を得点とし、1 塁が 1 点、2 塁が 2 点、3 塁が 3 点、 ホームが 4 点とする。 ・打者は打撃後、バットをコーンの中に入れてから走塁する(入れなかった場合、0 点)。 ・1 プレーごとに帰塁させ、ゲームが完全に止まってから次のプレーに展開する。(残塁なし) ・フライは直接キャッチされてもインプレーとする。 ・柵越えはファールとする。 【守備】 ・内野 2 人、外野 3 人が定位置で守備をし、1 人は観察役をする。守備位置はワンプレーごとに時計回りにローテー ションしていく。 ・1 塁、2 塁、3 塁の後ろおよびホームベース前にアウトゾーンを設置し、捕球後、打者の走塁の状況に応じて、進 塁を阻止できるアウトゾーンにボールを運ぶ。 ・アウトゾーンにボールを入れる時は、守備側が 2 人以上アウトゾーンにおり、「アウト」コールをする。 ・アウトゾーン外で打球を捕り直接アウトゾーンに入るのは禁止(送球したボールがそれてアウトゾーンにいた人が ゾーンの外でボールを捕って直接ボールを入れるのは可)。 ・1 プレー終了後、三塁コーチャーにボールを返球し、ローテーションを行う。 ・送球の際、他のコートにボールが入った場合、走者が 1 ベース進む。 ゲーム 2 グラウンド図 バッ ト 入れコ ーン 15m ア ウト ゾ ーン (直径3m) 進塁線 6m 守備コ ーチ 得点板 ④ ② ③ ① ⑤ ①打者 ↓ ②3塁コ ー チャ ー+守備 から ボールを も ら う 人 ↓ ③審判 ↓ ④記録係 ↓ ⑤得点係 ↓ ⑥次打者+ ト スorテ ィ ー台 を 直す 二三塁間 ↓ レ フ ト ↓ セン タ ー ↓ ラ イ ト ↓ 一二塁間 ↓ 守備コ ーチ 守備側 攻撃側 テ ィ ー台 ⑥ 7m フ ァ ール線

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11.8 時間目 (午後) 1)本時の目標 ・走者と守備者に応じて、狙ったところに打つことができるようにする。(技能) ・攻防を通して仲間と協力するとともに、フェアプレイを守り、作戦などを積極的に話し合いに参加することができる ようにする。(態度) ・攻撃はアウトにならないためにどこまで走塁するのか、守備はどちらのランナーをアウトにするかを判断できるよう にする。(知識、思考・判断) 2)準備物・資料 バット 8 本、ボール 24 球、ベース(滑り止めで代用 14 枚)、コーン 8 個、ペットボトル 8 個、新聞ボール 80 個 3)本時の展開 時間 学習内容・発問 指導上の留意点・評価 0分 (1) 1 分 (4) 1.集合、整列、挨拶、出欠確認、健康観察をする。 ・きょうだいチームごとに集合する。 ・出欠確認および健康観察、見学者の確認を行う。 2.前時の振り返り、本時の目標、本時の流れの確認 を行う。 ・前時の振り返りをする。 <発問> 前時の目標設定のためにはどのような工夫を しましたか。 <予想される生徒の反応> ・二兎追うものは一兎も得ず。点数を抑えるためには、 一塁ランナーをアウトにしたほうがよかった。 ・どっちをアウトにするか明確に声を出して決めた。 ・仲間と連携して動いた ・本時の目標の提示をする。 ・リーダー中心に出欠確認をさせ、教師はリーダー にチームの出欠確認を行う。 ・集合場所はグラウンドの中央とし、太陽の位置に よって整列の向きを変更する。 ・前時の振り返りをもとに本時の目標を明確に示す。 ・前時の目標「二兎追うものは一兎も得ず」を確認 する。 ・10 点取られても、11 点取れば勝つことを例に挙 げて、より多く得点を取ることで勝利につながるた め、攻撃の大切さを示唆する。 ・前回の授業で点数を多く取ることができた生徒に、 どのような工夫をしたか問う。

<本時の目標>

攻撃は最大の防御なり。

(18)

5 分 (8) <発問> 攻撃側はどこを狙えば多くの点数を取ること ができるでしょうか。 そのためにはどうしたらいいだろうか。 <予想される生徒の反応> ・遠くに打つ ・守備がいないところに打つ <発問> 守備が嫌がる攻撃の仕方はどのようなものが ありますか? <予想される生徒の反応> ・遠くに打つ ・三塁から遠いところに打つ ・本時の流れを確認する メインゲーム・前半 チームタイム メインゲーム・後半 まとめ 3.スキル練習 ①6 人一組・フリーバッティング(打者・トス・次打 者で一組、守備 3 人一組) ・打者→ティー補助→次打者の順番でローテーション する。 ・トス、ティー台を選択できる。 ・攻撃側が終わったら守備側と交代する。 ・守備者は捕球後、中継者に送球する。 ・1 分×3 人を行い、攻撃側、守備側合わせて 2 セッ ト行う。 ・右打ちをさせるために以下の配置で練習させる。 ・どのベースに走塁されたくないかを考えさせ、守 備が嫌がる攻撃の 1 つとしてライト方向に打つこと を気付かせる。 ・ホワイトボードを用いて視覚的にイメージしやす くし、説明を行う。 ・ライト方向に打つことは有効な手立てであるが 1 つの作戦であることを理解させる。 ・きょうだいチームごとスキルアップ練習に移るよ う指示する。 ・教師は巡視をしながら十分に動けているか、右打 ちが理解できているか声をかける。 ・バッティング終了後バットとボールはカゴに即座 に集める。 ・ボールを捕球の際に腰を低くすることを意識させ る。 ・以下の図のように配置をする。 トス者 トス者補助 右打ち カゴ 中継者 打者 守備2人 右打ち 中継者

(19)

14 分 (10) 24 分 (3) 27 分 (7) 4.メインゲーム③・前半 ・3 コートでゲームを行う ・ルール詳細は別紙参照 ・4 分 30 秒で交代 5.メインゲーム③・前半の振り返り ・生徒は最初の体形に集合する。 <発問> ライト方向に打たれた時に、守備はどういう ところが難しかったですか。 <予想される生徒の反応> ・三塁が遠くなることでボールが繋がらない。 ・どこに投げるかがわからなくなる。 6.連携ゲーム ・攻撃側はライト方向へボールを投げ、守備側はそれ に対応する守備を取る。 ・きょうだいチームで行う。 ・打者一巡で交代をする。 ・ゲームのルールの確認、本時の目標を再度確認し てからゲームを実施する。 ・3 コートを巡視しながら、生徒のプレーをフィー ドバックする。 ・ライト方向に打つことは有効な手立てであるが 1 つの作戦であることを理解させる。 ・守備の連係の練習をする必要性を気付かせる。 ・連携ゲームの説明を行い、守備の動きを理解させ る。 ・きょうだいチームごとに練習を行なわせる。 ・守備の練習ということを生徒に意識させ、遠くに 投げさせすぎないように留意させる。 女子ベー ス 守備側 ② ③ ④ ① アウトゾーン 守備コーチ 投球者 二三塁間 ↓ レフト ↓ センター ↓ ライト ↓ 一二塁間 ↓ 守備コーチ 進塁線 <評価> 狙ったところ、空いたところを狙った打撃

を打

つことができる。(技能:観察)

(20)

34 分 (3) 37 分 (10) 47 分 (3) 50 分 (0) 7.作戦タイム ☆後に向けてチームで作戦を立てる ・発問内容、練習に応じてチーム間で話し合い後半の 作戦を立てる。 8. メインゲーム③・後半 ・3 コートでゲームを行う。 ・4 分 30 秒で交代 9.まとめ ・試合の結果の確認、振り返りを行う。 <発問> 前半の反省を生かして、各チームでどのよう な作戦を立てましたか。 <予想される生徒の反応> ・人によってライト方向を狙ったり、遠くに飛ばした りした。 ・相手の守備位置によって打ち分けた。 ・本時のまとめ、次時の課題の確認を行う。 10.挨拶を行う。 ・話し合いがスムーズに行われるよう、巡視をし、 声をかける。 ・3 コートを巡視しながら、生徒のプレーをフィー ドバックする。 ・片づけをしてから集合をさせる。 ・本時の試合結果・及び通算の試合結果を確認させ る。 ・本時の内容を全員が理解できたか確認する。 ・個人カードを利用してメインゲーム③・前半との 打撃の違いに気づかせる。 ・各チームの作戦を全体で共有させる。 ・1 塁ランナーを活かすためにはライト方向へ狙う ことが有効な手立ての 1 つではあるが、一方向だけ を狙うと相手に読まれるため、相手の守備に応じて、 打ち分けることが大切であることに気付かせる。 ・次時では、各チームで課題に出た内容をもとに、 チーム練習をすることを確認させる。 ・健康観察を行い、次時の確認をする。 〈ゲーム 3〉守備 5 人のゲーム、4 分 30 秒で攻守交代 【攻撃】 ・打者→一塁ランナー→三塁コーチャー兼守備からボールをもらう→審判→得点&記録係→次打者&トス者もしくは ボール置く係(ティー台直す)の順に各役割を 1 人ずつローテーションさせる。 ・走者 1 塁の状態からプレーを行う。 ・打者は相手チームの守備の準備状況を確認してから、ティーに載せられたボールまたは味方がトスしたボールをフ ェアゾーンに打つ。フェアゾーンに入らなければファウルとなり、再度打ち直す。なお、3 回空振りをした場合、ア ウトとする。 ・走者は進塁線までに守備の状況に応じて進塁するか、元の塁に戻るかを判断する。進塁線を越えてしまった場合は 必ず進塁しなくてはならない。なお、走塁判断の助けとして、攻撃側から 1 人 3 塁コーチャーをつける。 目次のエントリが見つかりませんでした。・守備側がアウトゾーンにボールを運ぶまでの打者と 1 塁走者が進んだ塁 の合計得点とし、1 塁が 1 点、2 塁が 2 点、3 塁が 3 点、ホームが 4 点とする。なお、進塁した先の塁でアウトにな った走者は無得点となり、この場合、走塁が成功した走者のみの得点となる。 <評価> 作戦を立てることに積極的に参加している。 (態度:観察)

(21)

・打者は打撃後、バットをゾーンの中に入れてから走塁する(入れなかった場合、0 点)。 ・1 プレーごとに帰塁させ、ゲームが完全に止まってから次のプレーに展開する。(残塁は無し) ・フライは直接キャッチされてもインプレーとする。 ・柵越えはファールとする。 【守備】 ・内野 2 人、外野 3 人が定位置で、残り 1 人は守備コーチ役をする。守備位置はワンプレーごとに時計回りにロー テーションしていく。 ・1 塁、2 塁、3 塁の後ろおよびホームベース前にアウトゾーンを設置し、捕球後、打者の走塁の状況に応じて、進 塁を阻止できるアウトゾーンにボールを運ぶ。 ・アウトゾーンにボールを入れる時は、守備側が 1 人以上アウトゾーンにおり、「アウト」コールをする。 ・アウトゾーン外で打球を捕り直接アウトゾーンに入るのは禁止(送球したボールがそれてアウトゾーンにいた人が ゾーンの外でボールを捕って直接ボールを入れるのは可)。 ・1 プレー終了後、三塁コーチャーにボールを返球し、ローテーションを行う。 ・送球の際、他のコートにボールが入った場合、走者が 1 ベース進む。 ゲーム 3 グラウンド図 15m ア ウト ゾ ーン (直径3m) 走者1塁から スタ ート 進塁線 6m 守備コ ーチ テ ィ ー台 二三塁間 ↓ レ フ ト ↓ セン タ ー ↓ ラ イ ト ↓ 一二塁間 ↓ 守備コ ーチ 守備側 ② ③ ⑤ ① 得点板 ④ ⑥ ①打者 ↓ ②1塁走者 ↓ ③3塁コ ー チャ ー+守備 から ボールを も ら う 人 ↓ ④審判 ↓ ⑤得点+記録 係 ↓ ⑥次打者+ ト ス orテ ィ ー台 を 直す 攻撃側 バッ ト 入れコ ーン フ ァ ール線 7m

(22)

【資料】 ①打者 ↓ ②3塁コーチャー +守備からボール をもらう係 ↓ ③審判係 ↓ ④記録係 ↓ ⑤得点係 ↓ ⑥トスorティー台 を直す係(次打者) ア ウト ゾ ーン 進塁線 フ ァ ール線 2,3塁間 ↓ レフト ↓ センター ↓ ライト ↓ 1,2塁間 ↓ 観察役 守備側 得点板 攻撃側 バッ ト 入れコ ー ン

(23)

23

アウトゾーン 進塁線 ファール線 守備側 得点板 攻撃側 バット入れコー ン

(24)

24

リーグ戦星取表

1

A

C

B

E

D

F

2

B

D

A

E

C

F

3

C

E

A

D

B

F

4

D

E

B

C

A

F

第3グラウンド

第2グラウンド

第1グラウンド

対戦表

打順 打者名 合計得点 1番 点 点 点 点 2番 点 点 点 点 3番 点 点 点 点 4番 点 点 点 点 5番 点 点 点 点 6番 点 点 点 点 チ ーム合計 点 打球の方向を記録しよう! 書き方:ゴロは− − →(点線の矢印)      ライナー・フライは       (実線の矢印) 記入例:ライト方向にライナーを打った。 1 打席目 2 打席目 3 打席目

(25)

25

【引用・参考文献】

Bunker, D.and Thorpe, R.(1982) A Model for the Teaching of Games in Secondary Schools. Bulletin of Physical Education ,18 (1):5‐8. D.シーデントップ 高橋健夫監訳(2003)新しい体育授業の創造−スポーツ教育の実践モデル(1994).大修館書 店:東京. 原田憲一・大澤秀行・江川秀文・山田雄一朗(2016)ボール運動(ベースボール型)の教材開発研究.岐阜大学教 育学部研究報告教育実践研究,(18):65-73. 岩田靖(2016)ボール運動の教材を創る−ゲームの魅力をクローズアップする授業づくりの探求.大修館書店. 国立教育政策研究所(online,2017/4/7)評価の規準の作成、評価方法等の工夫改善のための参考資料 http://www.nier.go.jp/kaihatsu/shidousiryou.html リンダ・L・グリフィン他(著) ,高橋健夫・岡出美則(監訳) (1999) ボール運動の指導プログラム‐楽しい戦術学 習の進め方.大修館書店:東京. 文部科学省(2008)中学校学習指導要領解説 保健体育編.東山書房:京都. 本吉篤・近藤智靖(2017)男女が共に学ぶベースボール型の授業(中学校一年生).体育科教育,(4):76-77. 宮内孝・河野典子・岩田靖(2001)小学校中学年のベースボール型ゲームの実践−ゲームの面白さと子どもの関わ り合いを求めて.体育科教育 49(4):52-54. 岡出美則・吉永武史(2000)イギリスのゲーム理解のための指導論(TGFU)−戦術学習の教科内容とその指導方法論 検討に向けて−.筑波大学体育科学系紀要 23:21‐35. 岡出美則(2017)TGfU に係る議論から学ぶべきこと.体育科教育,(2)p.9.

Siedentop, D.Hastie, P. Hans van der Mars.(2011) Complete Guide to Sport Education -2nd.Human Kinetics:Champaign. 滝澤祟・岩田靖(2004) 体育におけるベースボール型ゲームの教材づくりの傾向と課題‐「戦術中心のアプローチ」 の視点からの分析.信州大学教育学部付属教育実践総合センター紀要教育実践研究(5):101‐110. 内田圭志(2004)ティーボールによるベースボール型ゲームのカリキュラムづくり.体育科教育 52(13):34‐37. 吉永武史(2010)新学習指導要領におけるボール運動の指導(3)−ベースボール型の授業づくり.小学校体育ジャ ーナル,63:1−5.

参照

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