ほ し が き
l
さきに︑わたくしほ︑﹁労働契約と労仇関係﹂と題した拙稿のなかで︑ほぼ︑二つの論点にふれながら︑労伐関係の成立に関連してヾ若干の論述をこころみた︒論点の第蒜︑労肋間係の本質は︑これを単なる債権関係において
は展開しえないと′いう点についてである︒債権関係は物財取引の範囁であり︑債権者と債務者との問の給付を請求
しぁぅ対立的個人間の法律関係である︒これに対して︑労肋間係は使用者と労仇者との間の個別的な法律関係であ
ノ
るにとどまらず︑民法の債権関係から完全に離脱せる組織的な法律関係でもある︒このような労仇関係の成立ほ二の社会的・機能的な事態を意味t︑そこでは︑あまたの労助力が共通の経営指揮に服し︑これによって集団附に組
労働関係の解約告知 五三
恕働関係の解約嘗知! 仁一蓼マウスの﹁労仇関係論﹂を中心にー1■一
住 甲 姶 男
ほ し が き
て解約告知の法理と問題
一て 解約告知の制度と吟味
■
オ
む す ぴ
論点の第二は︑かかる労仇関係の成立と労伐契約との関係についてでも烏︒尊貴︑労仇関係は組織的な法律関係
であり︑団体協同の関係であるとなすとき︑労仇関係の成立について︑二段の行為め存在がかえりみられなけれは
ならない︒その二段の行為とは︑労仇関係を成立せしめんとする﹁義務負担行為﹂と︑かかる義務を実現し形成す
べきr義務履行行為﹂とを指す︒そして︑′いわゆる﹁労仇契約﹂は︑このような組織的協同の関係を成立せしめる
義務負担契約として考察され︑労肋契約は労仇関係の実現をめざし︑かつ︑契約当事者に締約上の目的を実現せし
める一.連の責任を根拠づける︒そして︑さらに︑この責任にもとづき契約当事者は︑やがてい協同の関係としての ㈱ 労仇関係を実現L形成するために︑切のこ
は︑具体的虹は︑労彷者にとっては就業またほ就労であり︑使用者にと
それに該当する︒これを要するに︑血労肋契約によって発生した法律状態は︑羞の意味での契約の履行によって︑直
接に形成せられる︒労仇関係は労仇契約︵億忠泰示︶によってでなく︑労仇契約に対応する履行行為たる就業︑就
労︑配置ヾ一編入等のいわゆる権利形成行為︵事実︶があって︑はじめて有効に成立することができる︒従って︑労仇
関係の具体的内容たる誠実義務︑保護義務︑労仇義務︑賃金支払義務その他山切の権利義務ほ︑ことごとくこの時
期をもって︑有効に成立しなければならない︒このように説くのが右の拙稿の基調であったのである︒
ところで︑労仇関係の成立についてところみた右の考察を︑そのまま︑労伽関係の終了する場合について応隠す
ること軋許され克いであろチか?⊥体︑解約告知は労仇関係を終了せしめる地位にある意思表示として存在するの
か︑または︑労切開係れ終了はかかる意思表示によってでほなく︑事実上の消滅によってのみもたらぎれるのか︑ 空十大巻第四号
倒 織せられてぃるとこ︑ちに︑・その特質がみいだされる︒ 五四
従来⁚問題ほ必ずしも明白な結論をえていないようである︒すでに取扱ったとおりに︑労伐契約は法律上も事実上
も︑一ほとんど︑労仇関係を﹁壕匿﹂形成せしめるものではなく︑却って︑組織への編入∵就労といういわゆる権利
変更行為︵形成的行登が登場しなけれほならなか?た︒しからほ︑おなじく解約告知もまた︑藤仇関係を終了せ
心める地位にないのではなかろうか︒むしそ解約告知妃ついても︑労仇契約の場合とおなじく︑さらに︑労伐関
係を終了せし・めるための権利変更行為を登場せしめるべきでほないのか︒このように考えてくると︑ここにも労切
開係▲の成立について答えられなければならなかったと同山の間忍が生ずるように思われる︒
このような思いつきから1解約告知の性質一般を︑労仇関係の本質に即して考察し︑反省してみょうとするのが
今回の執筆の動機である︒しかし本稿では︑従来の学説の立場を独白の﹁労仇関係論﹂から批判するマウスが︑解
ヽl
、
4 約告知の性質並び・に効力に関してどのように把握しているか︑これせ参照し考察を加えながら︑労仇関係終了の時
期に関する彼のいわゆる﹁労切離脱論﹂を浮彫的に取扱ってみようと思う︒
Ⅲ 香川大学経済論叢 第二奏巻欝号所載 ﹁労働契約と労働関係﹂︒
潮 前掲書六−一二貢︒
㈱前掲譲二七−二〇貢︒
㈱ここで・参考文献として使用したのはDasDe喜heArb計undS︒Nla−rech⁚童DT÷T・′空Felm M㌻IBd・Das
Arbe−雷くer訂−t已s︶ ︻慧声
ー解約告知の法理と問題
労働関係の解約告知
ノ
東宝
労伐関係ほ労肋契約の終了賢って消滅するといわれる︒労仇契約の終了事由としては︑期間の満了︑約定終了 事由の発生または当事者完亡︑その他︑企業の消滅などと並んで︑本稿の嘉にぞくする﹁労肋契約の解約告知﹂ をあげることができる︒
解約告知︵ぎdig邑は表に︑契約当薯妄の意思票︵W2en邑冨u邑賢って︑継贋債権関係 Ⅲ
︵ を終了させ︑その効力憲来島って消滅量ることである是誉れている◇いま︑これを労仇関係にっいて眺 励 めると︑期間の定めがない労仇契約の場合には︑当著のいずれの側からでも︑何時でも︑また特別の′理由を附せ
ずして︑偲できるが︑諸関係違約告知の日よ豊週間を経て消滅ヱ根誓羞鮎︶︒しかし︑︑この民法 上 の原則ほ労仇契約についてほ修雷れ︑右期間望古に延長される︒但し︑三十日分の賃金を支払えは︑即時 鰍
約ができる︵㌶讃︶〇 期間の定めがある場合にも︑やむ㌢急い事由があるときは︑当要は直ちに契
約忍除づる︒とがでぺ︵謂躯等解約芸が使用者誓って発言れるならば︑それは思であり︑労幼 者誓ってなされるときは退職である︒そのいずれ紅しても︑解約告知は当事者のふ方が︑既存の労肋間係を将来 島って消滅せしめることを欲してなす単独の意思票である憲れは︑契約当雲間碇何ら特別の合意を必管
しない▼﹁干渉権﹂︑︵E首i穿echt︶ないしは﹁権利否定的形成権﹂古2Chts竃nichte註sGe蔓tu壱reCht︶ 3 とし七描かれているということができる︒
このような定義は︑早くから支配的となった通説のそれである︒これに対してマウスC解約理論正﹁労偽団体の
責の行う解約告漂︑単に契約当事者笹対する意思表示たる賢どまらず︑同時・に労偽印体に対して表明される 4
ところのもQである﹂となす点から発足している︒
第二十大巻 欝四号﹁解約告知の忠義
通説によれは︑解約告知は︑それ自身で労仇関係を終了せしめる形成権的意思表示である︒ここから︑その本質
はつねに債権関係の線にそって︑展開せちれたとい▼えよう︒従って︑従来の態度からは′︑団体協同の関係を問題と
オペきだという点は︑ほとんど全く︑これをうかがうことがでせない︒孝た︑継続的債権関係の終了と労仇関係も
の他︑団体協同関係の解消との差異に関して︑一として明かにされた点をみないのである︒と.ころで︑現在におい
ても︑依然として解約告知ほ︑本質的紅従来のままの法律関係に適合するものとして︑これを理解してさしづかえ
ないであろうか︒いなむしろ︑全く別箇の意義が生成した点を認むべきではなかろうか︒マウスに率いても︑労伐
関係を団体協同の関係として捉え︑その組織的性格を重視する立場のゆえ虹︑このような疑いのなか忙︑あらたな
問題と遭遇せざるをえなかった事情ほ︑極めて当然のことであったと.いえよう︒
ミ労肋間係の債権的把握と団体的把握労働関係の解約告知
り有斐閣﹁法律学辞典﹂七七頁参照︒故に解約は契約の数カを預及的に消滅させる解除R賢tTittと凝る︒民法は継統
的債権関係について︑解約せ解像†もいうが︑この用法は正確ではない︒J﹂れを解除から明隠に区別するために従来︑
学者は告知の語を用いてい毛解約の申入と同義であり︑最近ほこれがよて用いむれるが︑本稿では﹁解約告知﹂とし
ている︒
切 石井 ﹁労働法﹂八卦頁 法停学講座︑参照︒
昌i童i芳一e︒Ft〃ないし才㌢どs牒旨冨ndes G邑a−tunの告eCF−〃の名称ほ︑告知権者がその権利を行使するによっ
て︑自己のみでなく他人の楯利圏に介入し︑当事者間の契約関係を職えて広く職場の全法葎関係に︑疲果を波及形成せ
しめるところによるものといえよう︒
射 Ma宏﹀ a.a.〇.V S.誓P
五 第二十六巻′簡四号 l 餌 マウスほ労仇関係その他の団体関係の解約告知が︑はたして︑債権関係の終了時に展開するところと同山の
意味を有するかの点を問題として︑次のように述べている︒
﹁団体的法律関係の解約告知と債権的法律関係のそれとの問匿みられる山の本質的差異として二般に債権関係ほ
契約両当事者間の関係であるから︑︑その解約が両当事者の朝田に限定される点は胡がである︒このような債権関係
は解約告知の数力発生の時期をもって終了する︒しかるに︑協同関係の解約告部は︑団体構成員の法律上の地位に
影響し︑また︑労仇者の生活上の地位自体とも関係をもつ︒ことに︑労肋関係の解約告知ほ単に契約当事者に対す
る意思教示として︑使用者と労仇者上の間の個人的法律関係に関するだけではない◇それほ同時に労他団体に対し
で波及し︑労幼者とあまねく職場の全従業員間取法律関係が︑将来に向って靡止せられるという点に注乱すべき特
色を示している︒それが退職であれ︑解雇であれ︑解約告知の効果は︑労仇者が労他社会から離脱する点にある︒
その意味するところ軋︑労仇者が麗会的労仇集団とkての職場に所属し.て具有した権利の二望敵襲失することに
ある沌ここから︑使用者の労仇者に対する義務ほ終了し︑これに対応して︑労他者の義務も消滅する︒要するに︑
解約告知の効力発生と同時に︑労他者の有する就業規則上の小切の法的地位は溌止をみる︒仙般た︑債権関係に生ず
る結果ほ労肋関係にもみられるがゆえに︑さしたる差異を示すことはあるまい宣ぞえられがちであるが︑労仇者が 他 職場を灘脱することによって︑職場秒団体的存立ぷ︑いかに影響をうけるやは︑まこと紅重大な点である︒﹂ 債権
由係の解約と労伽関係の解約と
ご︑条文において微妙な区別をたてた気配ほ︑すでにマウスの指摘しているところである︒例えば︑協同関係の解 ㈱
散には﹁解約﹂がみあたらない︒また︑出GB三九条は組合からの﹁脱退﹂と規定している︒モ‖ノー﹁−ルの態度に 4 うかがわれるよう吋もんこれらの規定を︑ただ漠然と考察して右の差異をみな小者は︑解約告知が予告を
ず︑触約告知期間なしに直ちに解約の効果を発偏する場合笹りいでほ︑︑当時︑用語として使用される佐要らなかっ た﹁解約﹂の語などは︑つとめてこれを避けて︑敢て問題としなかったのであろう︒しかし︑そのセめに︑継続的 債権関係と団体協同関係の法形成のなか忙ある基本的羞異は︑全く看過されるのほかなかったのであるり
㈱労仇関係せ単なる継続的債権関係︵U巴おrSCh已d義軍畳として眺めるならば︑その内容はか骨品りと られざるをえない︒債権関係においては︑労仇者は反覆継続して労仇を給付し︑これに対して使用者は賃金を支払 うという関係が考察されノるだけである︒ことに︑労伽契約理論如︑・従来︑附随的義務として論じた忠実義務や保護義
務その他︑広粛での﹁職場に帰属することによって生ずる関係﹂︵野計訂N鳥e卜寮gke萬﹀のすべては︑見おとされ
ざるをえないであろう︒また︑このような債権的把握に立脚するときほ︑すべての権利義務は︑.労切開係の約定現
ケ 間満γの時期において消滅するのほかないであろぅ︒この点についての典型的公式化を試みたのがモ‖ノート−ルであ
る︒モリテールによれば﹁それがいかに解約告知の本質に適応しょぅとも︑法律関係の既存の法禅効果は存続し︑
将来の法律効果ほ偲落するのみである︒そ′の結果︑すでに弁済期には逢したが履行の終って支い給付匿っいての 5伸
ほ︑ そして︑いわゆる\ 縮求権解約によっても消滅をみ軋ビ⁝・⁚⁚・あち︑通説の意味での雇傭の給付︵従って︑駁に労仇の給付と関連する償金の支払も含めて︶を考慮にいれるこ とはで
m る﹂と説明している︒マウスほこれに対して︑右の﹁解約︑の本質﹂とは何かを追究し︑形成権として表示せられる
ところからほ︑断じてその機能について推知することをえない点を指摘している︒けだ⊥︑そこで問題とされるの は︑分類された概念であるが︑このような概念から法的効果を導き︑この効果をモリトールのいわゆる﹁本質↑を 川
もって基礎づけようとすることが︑方法論的邪道であるとみられるからである︒
労働関係の解約告知
ついて′クスは︑二軍期間の満了︵終期の到来︶
告知はこれを単に法梓関係終了の前掟条件とし︑
拗 を厳に区別して概念構成すべきであると論ずる︒
背凝を注視すれば︑.何人とい宜ども︑語感約数果ぬよつて概念
一体︑概念の区別を問題とする軋あたって︑事物の本質的差別を重視するか︑それとも洗練された語感的効果をね らって概念の意義を改変するか︑そこにはたしかに考え方の問題があるであろう︒だが︑ひとたび客観的な事象の 三︑労仇関係の告知上の終了と事実上の消滅 マブスの労伐契約論における手法からみて︑解約告知論の構成紅おいても︑かれが解約効果の発生を告知の意思 表示に求めるか︑またほ︑事実上の消滅にその基調せぉくか︑帰結するところほすでにあきらかである︒この点に第二十大巻 第四号
ている∵㌫∴庭音声可皐−○−○﹀誓民芸切一句明
勿 芝au00︸ a.;.〇こ S.1彗㌢
㈱∴憲−・吻彗置戸−2やい挙忘出CB.
㈱ MO≡︒﹂Die警ndi胃g︵−諾い︶S・き芦
伍 P a.〇こ S.餌付−.
縛 a.a.〇.﹀ S.b柏ド
里 a.a.〇.> S. 帖望.
Ⅲ例えば︑良法の﹁組合の選﹂︵相二服︶︑﹁共有の分割﹂︵㌘梢︶など︒魔法紅ついて︑マウスほつぎの場合を例示し
.り とともに︑直接略終了の効果を生ずる解約告知の概念に対して︑
真の終了に時︑さら軋別簡の行為︵労仇離脱︶を必要とする場合 ーぷー∽帖﹀−∽∽>−∽汐 Abs.韓小 ∽冨HG厨 ㌘a.
意義を とが︑いか 六〇
∴閃とのことほ︑労仇阻係の終了に関する解約概念を構成する場合についてもおなじように.いえる︒ゆえにマウ
スは︑もし労肋関係の消汲を︑その事英的・▲社会軋経過に即して観察をすすめるならば︑団体協同の関係は解約岬 3
意思表示にょってではなく︑あきらか蒜利変更行為匿よってのみ廃止される芙を見るであろうと述べている㌔
そしてこの事英が重要な意義を有す計川に︑問題の核心が見出されなければならない︒けだし実際上周明を要する
∴適の重要問題は︑ことごとく権利変更行為の時期と結びつき︑この時期を決定するところに要点があるからで
ぁるパ 4 ここで重ねて繁雑をいとわず︑さき紅労仇関係の成立紅ついて論述した執を想起しょう︒労伐関係の成立は団体
︼ 協同の組織的関係を成立せしめるための義務負担契約と︑職場組織への編入︑配置︑就労等によって実現する義務の /
履行との二段の行為によって構成せられている︒いわゆる﹁労伐契約﹂︵Arbe賢牒邑ほ右の義務負担契約に該当
する︒それは︑労肋の給付や賃金の支払に関する債権法的契約ではなぐ︑労肋関係という団体協同の関係を成立せ
しめようとする当事者双方の義務負担を包含した契約である︒この契約は総織への編入︑職場への配置︑就労によ って︑ほじめて履行され満足なる実現をみるにいたるであろう︒労伐関係の成立による法的効果は︑すべてこの時
期をもって発生する︒すなわち︑労仇者︑使用者軌の債権法的効果︵労彷義務︑賃金支払義務︶のほか︑さらに
労仇契約に対応して︑労偽者が使用者の指揮統制に服して労仇を授供することに由来する組織法上の効果︵忠実義
務︑保護義務︶など︑労仇関係から流出する山切の個人的︑集団的権利義務ほ︑右の編入︑配琶就労などの事実
によって成立するのである︒
職場組織人の編入配置というこの事態は︑その毯梓行為的性格にもかかわらず︑強烈庵事実︵ヰats註許bkeit︶ 六〟 労働関係の解約告知
第二十六巻ノ節四号 六土 である
なく除外されなければならない︒従って︑編入行為の挙兵と反対に債権関係を朔及的に否定する消滅事由︵例えば
解除声露tritt︶などは︑すべぺ労仇関係にとっては問題とならないはずてぁる︒マウ云ほこ雪盲分析して︑つ 制
ぎⅥような考察を加えている︒
の編入行為によって︑︐すでに労伐関係の成立をみた場合にほ︑解除ほもはやありえない︒編入の事実と︑その
事実紅基づいて授供せられた労仇である結果のため紅︑法律行為の潮及的否定としての︑解除による保護ほ︑全く
これを考えることができないバもし解除権が労仇条件粧関する合意のなかに約定せられているとすれば︑それは解
除という表現が正確ではない︒しかし︑∵﹂のような意味で孤解除ほ︑これを労仇関係の ﹁即時﹂ ︵SOfO蔓ge︶か
今期問なき﹂︵fris旨e︶消滅として解釈を改めることほ妨げないであろう︒
何 編入行為による労伽関係の成立なく︑ただ︑延期的︑猶予附に労肋契約の締結をみる場合には︑労仇契約理
論としても︑それが﹁編入なしに約定の期日に成立する﹂と決定することは︑必ずしも容易ではない︒この点につ 6 いては︑すでに見解の岐類るところであるが︑満足すべき結論ほ解約告知の機能を観察することによってのみ可能
である︒解約告知は職場の協同関係から離脱する息めの準備として役立つが︑それは原則上して︑擢織への編入が
すでに完了した場合紅限って考えられることである︒編入行為以前には︑契約上の痍制の基礎たる義務負担契約が
成立しているだけである︒ただし︑義務負担契約は︑これを解除の通告によって漱及的に否定しうる︒けだし︑給
付は未だ履行せられず︑従って沸及的効力の影響は考えられないからである︒日本民法五四五条の解除はこれと対
立するものではな小︒
終了が︑舎知によって生ず草と規
種の終了型を考慮しなければならないとすれは︑それほ︑あまりにも煩わしい︒しかし︑規定をもって勝手に世の
中の事態を変更できるものでほない︒窮極においノて世の中の事態が一段と簸カである以上︑問題となるのは︑労仇
関係の乳芙上の終了が魂実態のなか・紅いかに先行するかの点でなければならない︒この間魔の解答を︑マウスは︑
通説Qいわゆる﹁労仇関係はつねに権利と調和してのみ終了する︒すなわち︑労仇契約の約定期間満了前には︑労 の 仇関係の消滅ほありえない﹂というその見解¢正否追究のなかに求めている︒そして解約告知の本質と課題も︑′こ
こから導き出されることを期待しているごとくである︒従って︑その満足なる成果を収めんがため紅は︑労仇関係
終了の際乾生ずる効果を検討することが最も有意義である点を強調している︒何となれば︑労仇関係の内容を決定
する本質的要素の脱濁する時期こそ︑必然的に労仇関係の終了し消滅する時期を示すと考えられるからである︒こ
の際︑﹁労仇の離脱﹂が﹁約定期間の満了﹂する時点主致する場合には︑この二うの事態は明らか濫矛盾を示さな
いから︑この場合紅ついてほ予め除外され問題とならない︒なお︑告知期間なき告知によって︑即時に労仇関係の
紆了する場合︑および約定期間満了前に労扱者が正偶の漕知によって﹁解雇﹂され︑即時にその労快哉務の免除さ
れる場合に問題があるかもしれないか︑労他の補償ほ告知期間満了まで紀文払われるであろう︒結局︑問題は二つ
隕軍隊転限られる︒職場における労幼者の酪後の労仇を︑使用者が放来する七とこれである︒
の支払を継続する虻ほいかなる場合にも︑一つの手続を避けんがための理屈によるだけであって︑そこには︑労仇
関係が・依然として存続するという承認は見いだしえない︒.むしろ︑労肋義務の即時免除のなかに︑法的重要性を看
取すべきで′ある︒しかし︑これほ決定的なことである︒
用ハ前出五八百∵︑二︑Ⅲ︶参照︒
労働関係の解紛告知
\
﹁条文上の根拠
労仇関係における解約告知の問題キ上述の視点にたって把握構成せんとするマウスの試みは︑つづいてこれを
法制の実際に徹して︑吟味されなけなればならない︒この点についで︑マウスは関係諸法規.のなかから︑労仇関係
の終了を規定したあらゆる条文をとりあげて︑詳密な検討をすすめている︒本稿でほ︑その場合をわけて︑いわゆ
る通常の告知︵Orde邑iche
するところを眺めることとしよう︒
如 これ軋よると︑ドイツ現行法制上︑労仇関係の消滅についての規定は︑その法的地位が必ずしも山様にほな
っていないようである︒ 第二十大巻 努四号
勿 M呂ヂ ㌘ P O: S.匝謡. ㈱ a● 2 0: S・N謡・㈱ 前掲拙稿仙七頁以下︒
㈲ a・P 〇・● S● 誓↓・ 牌 くg−・Hueck i月Anm・N∈RAG ARS−00一拍∽漕ご富○︼i言r.a.a.〇こ S.−∽.Amm.巴. m 後出大七頁︵ニ︑一︑拗︶参照︒溺G甲や昌G世の規定妃あっては︑ 解約告知の制度と吟味
l般に労伐関係は期間の満了︵N ab−a邑︶ によぅ
のとせられている︒そして︑潮間の満了軋よる終了は解約告知陀はって癒される︒しかるに︑この一般的結論 ︵従
って通説︶を問題とする鳩のとして︑望霊二ハニ五餐がある︒これによると︑労仇関係ほあ㌢らかに期間の満了に
七ってほ終了しない︒のみなちず︑.却って反対に︑期間ほ延長されるもの・としている︒約定の期間または告知期間
の満了後︑労他者ほ職場を離脱することなく仕事を継続し︑使用者が直ちに異遜を述べない場合がこれに相当す
る︒エれほ労仇関係の終了が︑解約告知の期間満了に加えて︑さらに︑営業条例︵∽−NかG一丈こ のいわゆる﹁労伽
放棄﹂紅該当すえ二箇の行為が必要である︑ごとを示し七いる︒宗望ハニ五条については︑労仏者の職場離脱が存
吻 在しないため︑労仇関係は消滅しないとなすことが︑可能な唯一の説明である︒従って︑労仇関係の消滅は︑溺G厨
叱の﹁労仇放棄﹂を﹁労助かむの脱退﹂︵Au菅ttPuSdeりArg.it︶という豪現をもって規定す響 これらの規定 ︵HGやY鑑よれば︑﹁労他の離脱﹂︵A針che許p戻de彗Arbeit︶という事態.のなかで表明された解約告知1のみ﹂ が︑これを実現すると説明するのは正しくない︒
回︒マクスは︑さらに営業条例の用語を観察することによちて︑通説め主張の正当性ほ︑一層疑わしくなると論 3 じて′いる︒そこには︑さらに他の構成要件によっても︑労仇関係の終了する場合が見うけられる点が指摘される︒
例えば︑営業条例欝小二三条常山項においてほ︑特定の事由あ渇場合打ついて︑約定期間満了前の解雇および予告
を必要としない解雇せ規定する︒また.第二一四条常山項においては︑その他の事由ある場合について︑約定期間
滴γ前または予告なしに︑労幼者は労仇を放棄しうるもの︵旨be訪責卜琵鐙n︶と規定する︒第ヒ項においてほ︑ 4
から㌢かがえるように︑営業条例では二つの異る時期︑すなわち労仇から事真上離脱する時期之約定期間の浦了す
る時期とが︑明かに区別して規定されている︒このように営業条例が︑労仇関係の靡止は必ず解約告知によらねば
ならぬということなく︑労他の放棄という事実紅よって蘭されうると考えているのは正しい︒かくして︑営業条例
汐労働関係の解約告知 六五
汐
第二十六巻∴欝四号 六大
のもとでは︑規定上の根拠の存することによって︑使用者や労仇者の﹁事実上の反応﹂︵d訂f路叶ische声epkt叶On︶
だけで︑︑労仇関係の廃止を強行できるわけである︒しかも︑それほ解約告知を必要としないまでに徹底したもので
ある︒これを決定するものほ・労仇からの脱退という事実である︒
なお︑マウスは︑′営業条例第∴ 副九条の規定もまた﹁離脱﹂の事実だけで︑労物関係の廃止を考慮しうると強調
し︑しかも︑それが︑直接︑解約告知の意思表示以上軋匹敵するものとして指摘している︒
㈹ 営業条例の概念構成紅あらわれた用語上の特異性はヾなお︑考察すべき問題を提供する︒営業条例は︑しぼ
\ 5
しば︑告知の代りに﹁予澄︵Au芹富dig巨g︶の語を使用している︒この概念は上述した諸規定においても︑労伐関係を即時に消滅せしめる場合の﹁通知﹂︵Ank旨digung︶や﹁通告﹂︵Anze隠e︶ のなかにも顕現する︒これらの
場合に︑労仇関係の消滅は通常のなかに含まれた意思表示によるものではなく︑予告に応じて生ずる事実として
の﹁労仇からの脱退﹂によって斎される︒従って︑予告ほ労伐関係の消滅の前提ではあるが︑濁の終了ほ︑さら阻
一箇の行為往﹁労仇からの脱退﹂とぃう権利変更行為︵声ecFts註e2ngSPkt︶kよってのみ達成せられるのであ
る一
喝∵同磯の問題ほ︑告知期間なき告知︵fri毘︒S2声音dig5g︶すなわち︑いわゆる樽別の告知についてもみう
けられるぺ営業条例の敗走紅よれば︑一定め場合紅解雇または退職︵従っ七労伐関係からの脱退︶によって︑労伐関
係が事実上終了する︒ところが︑この息について︑させに指摘した過説の代表する見解に従えば︑出G望胃G望の儲規
定は告知権者︵警ndigきg骨rec買gle︶に対して︑告知期間なき署知の権利な与え允のにすぎないとしている︒従っ
て︑∴潜の場合に労幼から.の脱退自体が︑労切開係の終了を実現せしめるのではない︒反対に︑﹁労仇関係は告知期間
の制止を楼つ息となく終了しうる﹂という点匠二般約′に包括された﹁期間なき告知↑1−﹁法的紅承認せられ
表示﹂・︵d訂⊥蒜cgC訂賀e旨呂ntenWi−訂nserk宮口届︶ 軋よってのみ︑労伐関係の消滅があると説\くのが濾説の
態度である畑これは民法のYいわゆる∴般解釈学人臣gemeinⅣD膏邑k︶ の立像に相応する滝のであろう︒かか
る立場では︑権利変更行為は形成権考の形成権紅ついて︑処分行為を通して示されるであろケ︒従って︑それほ契
約当事者が法的貯是認した意思紅よってのみ東現されるものとなるり ここから︑労伽関係はつねに∵﹁権利と調和
㈲ してのみ﹂ ︵i針占inkFn明mitdeヨRechte︶終了するという通艶の結論が生れるのである︒jけだし︑権利ほ識別
できる意思表示とのみ法律効果を結合し︑そし・て欲せられた法待効果ほ︑ただ︑1それが権利軋よ.って承認せられた
筋合だけ︑また権利によって承認せられるが改 m な特別告知︵diebefristetePuSSerOrden琵che賢邑官ng︶が承認せられ訂とともに︑告知期間なき特別告知に
ついても︑おなじく約定期間の満了によって︑労仇関係は消滅するもの皐ざれた実例がある︒
相 同様の立場紅ついで︑日本民法六二九条が規定を設けている︒
小叫 Ma亡∽u a.㌘ OVS.叩㍍r
㈲ a・a・〇∴ S・誓∞●
㈱ 営業条例山三四条二項の規定にも︑つぎのように漁網されている︒㌔已e声a−∽diein deH Arbei富rdn占ng Oder in
d昌明讐㌶喜d−Nか三晶eSehe莞n G品nde de↓Enl訂s仁志告d︑d認A邑邑音aGS d誓AH訂it d賢㌃niロ Arbeits一
言ユrage ni¢Ft︑表記inbart we乙eF烏
㈲∴ゴ㌣元物−NW︐−望G芸〇・
鱒例えば︑Diet=ざ苧e︒k去ipp雪d琴9etN−AOG︵牟S・∽−∵の箇所転・﹁労働関係紅と︑つて箪穿なのは︑事実上の協同関
労働関係切解約普知 六七
︑若干の適用
以上のように︑通説の見解に対立して理論と実際にわたって︑考察論証を試みたマウスは︑最後に︑労肋間係の
終了時に生ずる効果を検討することによって︑満足すべき成果を期待しているごとくである︒このために︑彼は﹁
Ⅲ 労伐関係の内容を決定する本質的要素の脱落する時期こそ︑当然に労伐関係の消滅する時期で挙る﹂と考え︑かか
る内容を表示し展開するものとして︑労肋関係における基本的義務以下各個の義務について︑その消滅する時期を 2 具体的に追究しっつ︑所論を確かめようとしている︒つぎに︑これらの点について紹遜してみよ恕
餌 労肋間係における労他者の基本的義務は﹁労伐義務﹂︵Arbe訂p琵c冨︶である︒労伐義務ほ編入配置の時期
に成立する.詳言すればそれは労偽契約上の義務負担によって成立することなく︑職場内にぉける就労︵Arbei詠一
誓fゴPFme︶の事実を通して明かとなった労偽者の意思︑すなわち︑経営目的のために労助力処分を使用者粧委ねる
という意思の実現︵Wi−iens旨s買ung︶に基くものでぁる︒
S′温説によれば︑労仇義務ほ労仇契約の法律的終了とともに消滅する︒故に退職∴野良p各ung∵の際でも労伽
義務は﹁法律上は﹂終了していない︒使用者ほ何時でも労仇義務の利用を許されくいる℃ところで︑この場合に使用者
は労仇の受領遅滞︵Ann巴訂計e諾rN轟︶濫あるのか︑またほ他の理由によっ七賃金の継親支払義務を負担するのか︑
周題七なるところであるが︑鹿論的紅ほ労仙薬務は継続成意も︑之のゆ1意貸金は凝腐心賀意払われ庵せれば庵思
.≠−
男二十六巻蜃四尊 大八
係では庵く法的協同関係である︒それは法に対抗して止揚されるものでほない﹂と述べられている旨のマウスの指摘が
ある︒
の つgl● RAG ARS.雀.−巴.
ない︒また受領遅滞の場合につノいてほ︑それは出示宙六∵五条によって帰結されるとなす︒通説のこの見解に対して︑マ 3
クスは︑本条の規定を別箇に理解して︑︵Jぎの説明を加えている︒すなわち︑本条は︑使用者が受領遅滞に陥る期間を通じて︑労仇者はその労伐カを利用すべき責任を負う旨を規定したものである︒従って︑それは︑受領遅滞の
期間中︑労他者が労仇義務を事実上いかに乳用するかの程度に応じて︑それだけ労仇者は使用者に対する労仇義務
を免がれシることを意味するものと解せられる︒このごとほ︑労他者に対する不当かつ即時解雇の場合︵受領遅滞
竜一場合にすぎない︶などに︑使用者が労仇関係の終了を欲する旨の承認を与えるならば︑頻繁に起りうると考え
られる︒この故に︑使用者は労仇関係の終了を決定した時期から以後は︑編入行為によって処分を委ねられた労助
力の利用について︑価値をおかないことを明らか紅するであろう︒労他力のこのような解放のなか笹ほ︑労伐義務
4
扮免除が含まれているとみなければならない︒けだし︑もし犬山五条による危険負担に身を曝さぬため紅は︑労幼者は他に職を求め︑その労仇力を利用せざるをえないからである︒上のようにして︑労仇義務の消滅後は︑かつて
疲用者に対する忠実義務の違反と考えられたもの︑すなわち︑経常内外で独立的︑競争的に行ゎれる労仇カの利巧
は︑いまや全ぐ労偽者のために許容せられている︒ノ労肋義務は︑かくて︑退職の場合においては︑労仇関係の事真
上の終了以上に永続することはないとの結論に達する︒
回 つぎに︑六山五条は純粋の貸金請求権︵LOFnpnspruch︶ を規定したものか︑または︑労仇者が受領遅滞の
期間に行使しうる債権について︑賃金請求権以外の請求権を問題どするものであるか︒遺脱はこの問題を一義的に
扱い﹁六ふ五条特損害賠償請求権 ︵許haden給rS琵N呂Spr宍ヱでなく︑履行請求権 ︵Eユ菖ungs賀SpruCh︶ を附
5
与するものである﹂と答えてい響この履行請求権は︑通説紅よると純粋の賃金請求権である︒この見解ほ法律関6
係の既存の効果が存続し︑従って法律関係の終了までの給付を支払うべぎであるとする点から説明されている︒こ労働関係の解約告知 六九
第二十大巻′東四号 七〇
の点紅ついて︑マウスは︑六血五条の械能を考案すれほ純粋の﹁損害賠償請求権﹂であることにほ疑問の余地がな
いとして′つ㌢のように論じている︒それは︑労偽者がその職場を寒失することに対する損害の填補である︒損害賠 阿 倍請求権の範囲が︑通常︑貸金請求権の範囲によって制限されること鱒考えられる︒この際︑ニキンユの指摘する
ように︑新しい損害についても︑本条の適用される可能性ほあるが︑渓際上ほほとんど問題とならないであろう︒
遅滞期間中︑労他者の小定の所得が考慮されねばならぬとすれば︑それは利益考畢︵ざrte訝呂邑eich喜g︶の場
合よりほかにはない︒
る限り︑′負担に帰せしめることができるからである︒六叫五条ほ︑労仇者がみずからのカでなしうる馴切をつくし
で︑別の職場を保持すべきことを︑痴的に条件づける規定である︒本条の基本執念ほ︑遵法な告知をうけた者もま ト た︑ノ発生する損害の軽減にカをつくす義務があるとなす点紅みられ聖従って︑慈恵にその義務を怠るときは︑本
来の請求権ほこれを寮失し︑をかは減少せざる繁えない︒こ秒ように考えてくかと︑結局︑犬山五条は労仇関係の
本賢から発生する誠実思想︵T㌢ge賢ke︶の具体的刻印以外町何ものでもない︒しかるに︑買切は大言条の
請求権を阻自紅﹁賃金請求権﹂として規定している︒これは︑債権関係として把握された労伐関係規定たること虹
原凶するものであって︑▲そのために約定期間の満了する時期まで︑な
規定したものである︒しかし右の時期に至る賃金請求権の規定をもととして︑労仇義務の事実上終了せる時期を越
えて︑︑労助関係の存続を推論せしめる可能性は山つもない︒
㊥ 労偽者あ側から︑′遵法虹即時に労仇関係が酪消せしめられた場合に︑特に︑使用者の﹁賃金支払義務﹂︵ど賢
ざEung鼠許hl︶に関して生ずる尚題は︑窟に述べたところと同㌦匿答えられる︒いうまでもなく︑労仇者はその
遵法な職場放棄によ∴つ七︑︑労彷義務を免がれるものではない︒しわし︑このことは︑すでに終了せる労仇関係から
ら帰結でほ應く︵.ひきつづき作用しっっあノる勢務履行契約︵労仇契約︶紅基づくものとなすのが︑マウスあ立場で
ある︒よ
の可能性は︑ない︵明00∞∞uA訂・弓NPO︶︒・ただ︑一般紅は損害賠償の請求が揖起されうるであろう︒・労他者が労助か
9 仰 ら離脱し︑労仇義務の遵守が不可能とみられる場合︑または﹂義務遵守の意思がないとみられる場合には︑離脱の暗から︑使用届の賃金支払義務ほ免除せられ︑官
㈱ 使用者︑︑労他者間の法律関係から生ずる本質的なものとして︑∴埴土のほか軋︑なお︑忠実義務︑.保革義務
︷Tre㌣計d苫rsOrgep芸c富 が残っ七いる︒この点についてキ問題は︑これらの義務の終了は︑労竹協同関係わ
の事実上の終了によるのか︑または契約上玖期間満了軋まで及ぶかの点にかかっている︒ 餌
呵黙秘義務の存続︵FO数呂e↓derSchwe常p巾−仰cht︶紅ついては︑・通説は労助からの離脱の時期を超えて︑
労肋関係の﹁法禅上の終了期﹂までこれを認めるのであるが︑︑労仇関係の終了が遵法かつ即時になされる場合にそ
れが使用者ぬよるか︑零たは労仇者によるかの点血ついては︑全然︑区別を設けていない
黙秘義務の終了する二駁的時期について︑右の通説の見解に反対する立場ほ︑不当な即時解雇の場合と退職の場
合とを全く同様に論ずることが正しいかを問題とする︒通説の決定が帰結するところほ︑即時かつ不当に解雇をう
けた労幼者といえども︑告知期間満了までは︑たとい労倣義務ほこれを免かれ︑従ってその労他力を他に利用しシ
る場合においても︑黙秘義務の拘束をうけ︑反対に適法に解雇せられた労仇者ほ︑その知れる限りの経営上の秘密
㈹ を利用し︑従前の使用者と兢業するこむすらも可能であるとなす点に要約せられる︒マクスは︑このような通説の見
解を不満として︑かぐては不当な即時解雇によ?て不利益をうけた労仇者の地位が︑いよいよ不利に速いやら︑れる
点を指摘し︑かつ︑正しい解決は不正競業に関する法律︵l明−↓d尋G︶欝∴七条の意味において見いだされると指
七山 労働関係の解約告知
第二十大巻 第四号 七二
摘している︒同条の明文上の禁止ほ︑親業目的や自己の利益または経営所持者への加害の目的で行われる秘密漏洩
などの制限紅関する︒不当な即時解雇紅よって労仇協同の関係が靡止せられ︑従って労仇力の処分を再び自由にな
しうるに至って︵ これを利用せんとするのほ自然の事情である︒ここからマウスほ︑いまや︑HG望ハ○条によっ
て禁止せられた一切のことをなしうるにいたる︑とみる︒従って︑労仇者ほ経営上の秘密についても︑その生計に
必要な限度紅おいて︑自由にこれを利用しうる︒この場合︑経営上の秘密の利用は権能なきものではなく︑ただ︑
特殊な事情によって道徳違反があった場合に︑反道儀的となるにすぎない︒
他方において︑不当に即時退職せる労仇者は︑解約告知期間の満了まで︑黙秘義務紅拘束されるであろうか︒支
配的見解はこれを骨定する︒しかし︑その根拠ないしは︑忠実義務の余後効︵Zghw小rk5g︶からくる黙秘義務
の効力として説明する根拠ほ︑いずれも納得しうるものでほない︒いな︑法律上の根拠が︑すでに破壊せられた労
働関係における信頼におかれるほずほない︒そうではなくて︑実に︑労他者を労仇協同の関係に再配置せんとする
義務負担簡約︑換言すれば︑労仇関係の留男上の終了後にも︑その拘束力の成立前と全く同様に展開する義務負担
契約にこそ︑︑その根拠を汲むべきものであると強調するのがマウスの立場である︒
回 しかるに注目すべ.きは︑冒GB六〇条の競業禁止の期間︵ロPuerdesWe誉レe莞rbsくe旨○訪︶に関連する通
説の立場が全く反対になっている︒ここでは︑通説は労仇関係の事芙辻の期間に主眼をおき︑法律上の期間をみ で ていない︒従って︑労肋関係の即時終了の際や︑労仇関係の成立︑終了ということのない業務不就労の際には︑ち
ねに競業の禁止ということほありえない︒この規定の態度ほ︑あきらか紅HG望ハ山条が︑現に職場に作業する補
助者のみを把握し︑従一って使用者は補助者の職場における従業期間中の労他力のみを処分しうるという事実に目途
をおいて規定するところと調和する︒ノマウスは︑J ここ紅HG也六〇条の正当性を認めようとする︒そしてこの帰結
を︵通説ととも巴労他者の不当退職紅よる労仇関係消滅の場合紅も適用せんとする︒六〇条の漁業祭止規定は︑
ざ﹂に意味ふかく考察されなければならない︒広汎に作用サるかの義務負担嚢約は︑ここでもある種Ⅵ忠実義務を
守成立せしめるのである︒すくなくとも︑労幼者は自己の信義則違反によ草灘職からは何らの利益を長めるものでは
ない︒この賢口紅も︑労幼者の忠真義層ほ労伐協同関係の事実上の終了とともに消滅する︒蚤︑爾後に⁚義務免
払契約︵労肋契約︶から生じた忠実義務が残るの
ほとんど意義を示さない︒
再 最後に︑使用者の﹁保護義務﹂︵雷rsO還ep︷詳bt︶ 廃止の時期についての問題を一瞥しよう︒問題となるの
鱒出G溺∵七条︑HG望ハ二条︑Gew〇一二〇条の諸規定であるが︑解答はこれら諸規定の意義を考察すること軋よ
ってえられるであろう︒これらの規定は︑いずれも︑職場にあっ七従業中の労仇者を保護せんとするもので︑労伐
者が職場から外に仙歩をふみだせば︑使用者にとって保護義務を遵守すべき事実上の可能性ほ存在し禿い︒すべて
これらの規定は︑労幼者が職場における活動を停止し︑職場を離れるや︑直ちにその意味を失うであろう︒このよ
ぅにし
●
ノ
川 前出六三貢二︑三︑㈲︶参照︒
㈲ 本稿では員数の制限があるため︑労働関係の組織法的放果としての労音js昌∽e君恩k巾its琵Ftのの終了の時期につい
ての検討を省略せざるをえなかった︒つぎの械会にゆずるはかない︒
劫 宣a宏.a.a.〇こ S.柏00∽.
㈱ ヨkis阜DasA計its喜邑tn−S imB⁝i㌻︵−岩手S.だ芦・・⁝⁝・﹁この時期までほ重大な義持違反ないし労働義務
七三 労傲関係の解約告知
このよう汽労仇関係は︑つね紅職場における労仇協同関係の事実上の終アによって解消すると論ずるマウスの
立場でほ︑解約告知巧一体︑いかなるものとして把握せられるであろうか︒す芝慧したごて︑﹁職場離脱 の審美﹂止してあらわれる権利変更行為のみが︑労伽関係の終了をもたらすものとすれは︑解約告知の本質と使命
ほ︑・遺託のいわゆる﹁労仇関係を直接陀終了せしめる告知しとしての機能のなかには︑これを見いだすこ.とはでき
ないだあろう︒畢発↓解約告知の本質紘︑労伐関係が解消せらるべきであるとする通告であり︑それは減
欝二十犬巻㍉笛毎号
への衡突として出現したものが︑い
引 2㌻ndt・句ri禁eeker か● A已1.A出こ↓r i㌢﹁ 甥中㌫.BGB.
朗 MO−itOH﹀ ㌘ a.〇.
の ヨki00eF−a.a.〇こ S.−∽↓.
㈲㈱ 諾−・空夢Abs・−Ni声▼書G芸○﹀ 聞ゴ.Nir叫.−HGP ㈲ 例えば︑過失相殺のなかにも︑こ凱ような観念が沈澱しているとみられる︒
囲 磨−・da昌芽ec粁・ヨppe乙ey︸L乱rbgF−V S.−箪
開 票粁iscF P a.〇.︸ S.−訣.
個 a.a.〇こ S.−笠.
紬 H望乱打⊥≠ppe乙童 a.㌢ ○: S.−雷.
む す び 七四
場から︑の離脱を静的とするものであるが︑感知受領者払︑ヰが七密るべき労伐関係の終了に′閲し巧﹁準備﹂⁚の可熊
.性を与える鱒め匿︑′終了め効果のみを通告すべしとなすものである︑・をみられてい嵐ようセある︒しかし︑.こ
う檻解ずるこ左ほ︑ノ﹁告知﹂や一﹁予告﹂という語の意味紅もノ︑よぐ適合していると考えられる︒
約定または法定の告知期間満了後紅終了の勒果を生ずる通常告知に対して︑労仇関係終了の効果が︑何らの制止
なく︑即時に発生するものとして︑/トねゆる特別告知︑が区別され牒が︑マウスの立場では︑樽別告知をれ自体とし
七ほ︑何ら終了の効果をもたらすものではない︒以上︑解約告知の性質二蝦を労仇関係の本質に即して考察し︑反
省を加えようとサる動機から発足して︑これに閑適するマウスの見解を︑ほぼ︑あとづけえたのであるが︑ただ︑
本稿後半の吟味は︑労仇関係における使用者対労仇者の個人的関係にとどまるものであるにすぎない︒労仇関係の
本質的な分野は︑その組織的︑\集団的な領域としての︑労仇者対職場全体との関係に拡がるものである以上︑この
点軋ついての吟味を必要とするが︑稿を改めて論ずることとする︒