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小学校教員養成課程学生 の教科 に関す る 意識変化の縦 断的研究

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弘前大 学教育 学 部紀 要 58号 :45‑55(198710月)

Byll.Fac.EdfLC.HirosaktUm ‑i.58:45‑55(OclobeT 1987)

小学校教員養成課程学生 の教科 に関す る 意識変化の縦 断的研究

LongitudinalStudyoftheStudents'Opinionsontheir CurriculaforElementarySchoolEducation

信 義 * ・ 小 山 秀 哉 * NobuyoshiFumoto ShthyaOyama (1987.7.16受理)

論 文 要 旨

小学校教 員養成課程の昭和58年入学生につ いて, 3年次に,小学校で教 える8教科 の意識を中心 とした ア ンケー ト調査を実施 し, これ を, 1年次の調査 と比較 した。その結果,教科 の重要性の意識は,全体的に向 上 したが,好みや教 え易 さについては,評価が高 くなる教科 も低 くなる教科 もあ った。一方,実技教科 ( 楽 ・図画工作 ・体育)の必修化につ いては,賛成者がそれほ ど増 えなか ったが,不得意な ものは履修 させ る 必要はない, とい う完全反対者の率は,かな り低下 した。 この項 目‑ の回答は,体育の重要性や好みの評価, お よび,教員志望 の強 さとあ る程度の関連が見 られ た。以上の ことか ら,58年入学生については,教科 とし ての重要性の評価の高 ま りと必修の是非が連動 していない, と判断 された。 これを, 同様の調査 を行 った 54年入学生 と比較す ると,女子では,54年 入学生の万が意識 と行動が連動 していた と推察 された。

筆者等は小学校教員養成課程 (以下小学校課程 と称す る)学生に対す るア ンケー ト調査 を実施 し,教職 内 容に関す る学生の意識の変化を横断的に調査 し,教科の重要性に関 しては,在学中に意識が高 まるが,教え 易 さの意識は,各教科の授業や教育実習を経験 しているに もかかわ らず,それほ ど向上せず 1), 卒業後の教 師経験に よって向上す ること2)を報告 した。実技教科 (音楽 ・図画工作 ・体育)の重要性について も,教科 の重要性の意識 の一般的な向上 と連動 して意識が高 ま り,免許法上は実技 3教科の うち 2教科選択必修 とな っているが, 3教科 とも必修にすべ きであ るとい う意見が在学年数の増加に伴 い多 くなる傾向が 認 め ら れ た 1)。上述 した学年進行に伴 う変化は横断的調査に基づ くものであ ったので,今回は,それが縦断的調査に おいて も認め られ るか ど うかを確認す るた糾 こ,前回調査時に1年生であ った者が3年生 の終わ りに近づい 2月にほぼ同様 のア ンケー ト調査を実施 した。本報告は, この結果を前回報告 した1年生時 のデータと比 較 した ものであ るO

調査対象者は,昭和58年入学 の弘前大学教育学部小学校課程学生であ り,調査 は3年生の2月に,小学専 門体育実技 (以下小専体育 と呼ぶ) とい う科 目のテス ト待ちの時間に行われた。制度上は音楽 ・図画工作 ・ 体育の うち 2教科選択必修であ るが, この科 目は小学校課程学生の 8割程度が毎年受講 している。非受講者 については, 4年生になってか ら,個別に アンケー ト用紙 を渡 し回答 させたrJ彼 らにつ いては, この授業を 履修 しなか った理 由等 の調査 もあわせて行 った。

有効回答数は,履修者122名 (うち,男子60名),非履修老27名 (男子12名中8名,女子26名中19名か ら

*弘前大 学教育 学部保健体育科教室

DepartmentofHealthandPhysical Education,FacultyofEducation,HirosakiUnivers;Lty

(2)

46 麓 信義 ・小山秀哉

回答を得た)であ る。彼 らに対 してほ, 1年生 の5月に も調査 してお り,定員170名車 1年次160名, 3年次 149名の回答が得 られた ことにな り, この2回 ともほぼ,全体 の傾 向がつかめ ると思われ る。

ア ンケー トの内容は,大学入学時 と現在 の教 員志望の強 さ,小学校で教 え る8教科 の重要性,好み,教 え 易 さにつ いての5段階評価,実技3教科必修 の是非等 よ りなる。

1に, ア ンケー ト調査 の中か ら8教科 の5段階評価 の項 目以外 の結果を まとめて示 した。 1年次調査 と 1 ア ンケー ト調査 の単純集計 (括弧 内は,左が1年次調査,右が54年入学生の

3年次調査 の結果, ‑は,該 当選択肢な し :単位は%)

①教育学部が第1志望か

88(86,63) 77(77,73)

注 :括弧内の値 は本学部第1志望 と他大学教育学部第1志望 の合計

②入学時教 員志望か

いいえ 12(14,37) 23(23,27)

.. 91(86,55)

l 9 (14,45) 7 (23,36) 注 :前回の調査では教育学部第1志望 の老 のみに尋ねてお り,そ の回答数 の全体に対す る割合を示

したので,やや低めであ る。

③現在 の教 員志望 度は

ぜ ひな りた い Jなれれば な りたい Jあ ま りな りた くない l な りた くない

④現在3教科 とも履修 してい るか

l卒業 までに取 る予定 l 放棄 しそ う l 取 らない 1

1 64(‑,‑) 注 :1年次調査は ,履修予定 を尋ねた もの

⑤実技3教科は必修にすべ きか

⑥所属 クラブは

19(33,‑) 1 25(59,‑)

5 (33,‑) . 19(47,‑)

必修賛成 消極的必修賛成

31(19,26) 23(21,58)

43(32,34) 57(42,20)

4 (8,‑) 13(20,‑)

必修反対 26(49,40) 20(37,22)

運動部 35(30,50) 12(20,36)

文化部

l

同好会

1

12(ll,18) 23(19,43)

15(‑,‑) 2 38 (59,32)

荏 :前回の調査 では選択肢に同好会が ないので,同好会所属 の大部分 はなしと答えた と思われ る。

(3)

小学校教員養成課程学生の教科に関する意識変化の縦断的研究

⑦ 現役か浪人か

44(47,80) 72(75,86)

56(53,20) 28(25,14)

47

54年入学生3年 次調査 で比較 で きる ものがあ る場 合 は,表 中に並記 した。入学時 か ら教師志 望 の者が 多 い こ とや教 育学部第1志望が多 い ことな どは前 回調査 と同様 であ り,過去 を いつわ る, あ るいは曲げ て記憶 して いる者 は少 ない よ うであ る。 また,現在 の教 師志望 の強 さをみ ると, 男女 とも,教師志望 の者が 多い ものの, 女子では「で きれば な りた い」とやや現実 と妥協 した よ うな回答が多か った。 1年次 の調査 では, 教育学 部第

1志望 の者 に対 してのみ,教 員に志望 の理 由を尋ね てい るが, この時 は 「ど うして もな りたか った「な り たか ったが主 な理 由は勤務条件等であ る「なん とな く」 の中か ら選択 させ てい る。そ こで,「なん とな く」

を除 いた回答 を教 員志望 が強 い者 として,教 育学部 第1志望 の者 に対 す る割合を計算 した ところ, 男子69%, 女子68%とな り, 男子 につ いては,1年次調査 と大差 な い割合 とな った。 ただ し,この計算 には, 教育学部 を 1志望 としていなか った者 は含 まれ ていないので,実質 的には教 員志望 の強 い学生が あ る程度 男子では増 えた と言 え るか も知れ ない。54年入学生 の3年次調査 の値 は ,同様 に男子53%,女子61%であ った。

表 2 各 観点か らの評 価 の 8教科 内におけ る順 位

国語

l

算数

l

理科

l

社 会

l

家庭

l

音楽

l 図画工作

8教 科 の評価 を昭和54年入学生 の3年次 の調査結果 と比較す る と,平均値 では, 3つ の評価基準 ともほぼ 同様 の値 であ り, また, 8教科間 の順位 もほぼ 同 じであ り(図 1,表 2), 順位が 3以上違 った教科 は,女子 の家庭 の好み につ いて (54年入学生 で2,58年入学生で5位) のみであ った。具体的には, 国語 ・算 数 ・ 体育が重要性 を高 く評価 され,次が理 科 ・社 会 であ ること,男子は体育が好 きで家庭 が嫌 いであ り女子 は 国 語が好 きであ ること, 男女 とも算数 を教 え易 い と思 ってお り, 国語 を教 えに くい と思 ってい る こと等 であ る。

しか し,重要性 の平均点 は, 男子 の体育を除 くと, どの教科 も54年入学 生 の方 が平均 点が高か った。

次 に, これ ら教科 の意識 の1年次か ら3年次‑ の変化 をみ るため,5段階評価の平均 値の差 を図2に示 し た。前 回 の横断的研究 同様,全体的 にみ ると,各教科 の重要性 につ いての意識 は向上す る ものの,好みや教 え易 さの評 価 の変化 は まち まちであ る ことがわか る。 個 々に見 て行 くと もっとも重要性 の評価が高 く な っ た のが,女子では家庭, 男子では理科 であ り,好みでは算数 ・家庭 ・体育が男女 ともよ り好 まれ る よ うにな り,反対 に社会 は嫌 いの方 向‑ の変化が もっとも大 きか った。教 え易 さでは,家庭 が プラスに,社会 が マイ

(4)

図 書 社 理 体 算

5 4

年入学生 重要催

5 8

年入学生

5 4

年入学生

5 8

年入学生

5 4

年入学生 教え易さ

5 8

年入学生

8年入学生

体 理 算

図 社

3 5

家 図 書 理 算 国

理 体 社

̲ . =

国 社 体 家

=

]

書 理

3

1 昭和54年入学生 と58年入学生の評価平均値の比較 (左が男,右が女)

注 :評価は, 5‑ 1(非常に重要である〜あま り重要でない,好 き〜嫌い,教え易い〜教えに くい)の5段階評価

J」ノLU

(5)

小 学校教員養成課程学 生の教科に関す る意識変化 の縦断 的研究

算 図

49

教え易さ

図 理

算 音 国

‑1 0 +1

2 昭和58年入学生 の1年次調査 と3年次調査におけ る評価平均値の差 注 :プラスは3年次調査の方が評価が高 いことを示す。

ナスに変化 していたO男子の体育 も教え易い方に変化 したが.女子では,反対に教えに くい方‑変化 したO 次に,実技3教科 の履修状況 と3教科必修の是非についてみ ると (蓑 1‑④,(∋), 2教科 しか履修 しな い著は, 1年次に取 らない と答えた者のほぼ半数であ った。 また,女子 の実技3教科必修に賛成す る意見は 54年入学生の3年次調査 よ りもかな り少な く,今回調査の学生については,彼 らが1年 の時 の回答傾向 とあ ま り変わ らなか った。 したが って,大学で授業や教育実習を受け ると実技教科の重要性 の意識が高 ま り3 科必修 を是 とす る者が増え る, とい う仮説は,少な くとも58年入学生に関 しては支持 されなか った ことにな る。 しか し,不得意 な教科は取 らな くて よいので, とい う意見 (以下必修反対 とす る)は少な く,大部分の 学生は3教科 とも取 るか ら必修は2教科で よい とい う意見 (以下消極的必修賛成 とす る)に移行 しているよ

うであ る。

彼 らの所属サ‑ クルを見 ると (1‑⑥), 1年次 とあ ま り変わ らず.54年入学生 よ りもクラブ所属者の 割合が低 い。

3年次調査 の時点で,調査対象の学生は,3週間の教育実習を経験 し,各教科 の授業 も大半は履修 し終わ

(6)

50 麓 信義 ・小山秀哉

っている。 したが って,非履修者に対 して調査を行 った4年次 との意識の差はそれほ ど大 き くはないと思わ れ るが,前回調査 の結果か ら考え ると, 1年次 と3年次の意識にはかな りの差があって当然 と思われ る。 ま た、教員志望 の強 さについては,女子では多少現実に妥協す る面 も出てきているよ うであ るが, 一貫 して教 員を志望す る者が多いと言えそ うであ る。 したが って,本学部の小学校課程の学生は,教 員志望 を堅持 しな が ら学生生活を送 ってきていると考えて よいだろ う。 これ らの ことを念頭において,結果を考えてみ よう。

まず,8教科の意識の変化をみ ると,全体的傾向は,前回の横断的調査 と同様で,変化 したのは重要性の 意識のみであ った。変化の大 きさを8教科の中で比較す ると,結果で述べた とお りであ り,前回調査 とほぼ 同 じであった。 これは,前回の報告で行 った重要性 の認識は大学での経験で高まるが,教え易 さは,教育実 習を3週間経験 した程度では変化 しない, とい う考察がほぼ正 しいことを示 している。好み と教え易 さにつ いて個 々の教科の意識をみ ると, い くつかの教科はかな りの変化を示 した, これを,前回の横断的調査 の報 告 と比較 してみ ると,結果で示 した事実の大部分は前回 も同様であ った。 しか し,女子の体育については, 前回が,好みは高 まらず教 え易 さの評価は高 まったのに対 して,今回は,反 対に好みは高 まった ものの教 え 易 さの評価は変化 しなか った。 これは,図1の上下を結ぶ線の傾 きでわか るように,54年入学生 と58年入学 生の3年次調査 の時 の女子の体育の評価の平均点にかな りの差があることに よる。

次に,重要性 ・好み と教 え易 さの相互 の関連 をみてみ るO重要性 ・好み とも平均値が0.2以上上昇 した教 科を見 ると,男女の家庭 ・体育 と,男子の算数 ・理科 ・音楽であ る。 これ らの教科は,当然,教え易い と評 価 され ると考え られ るが,男子の算数 と音楽,女子の体育はかえって教え易 さの評価が低 くな っている。 こ れ らの教科は,高校時代 よ りも深 く学ぶ ことに よってその教科の意義 についての認識 も高 ま り, 自分 もよ り 好 きになったが,教科の奥行を知 ってむ しろ教え るのが大変だ とい う認識にな った もの と思われ る。

次に,表1の各項 目の回答を小専体育の履修者 と非履修者に分けて集計 してみ ると (3),女子の現在 3 小専体育履修老群 (上段) と非履修老群 (下段) の回答傾 向 (括弧内は女子,数字は%) (∋教育学部が第1志望か

L いいえ

90(81) 75(63)

10(19) 25(37) (参現在の教員志望度は

L3)入学時教員志望か

l いいえ

95(97) 63(79)

5 (3) 37(21)

ぜひな りたい l なれればな りたい l あ ま りな りた くない l な りた くない 79 (41)

63(63)

10(31) 13(26) (彰現在3教科 とも履修 してい るか

5(23) 13(5)

1 卒業 までに取 る予定 l 放棄 しそ う 58(79)

0(ll)

⑤実技3教科は必修にす るべ きか 必修賛成

32(21) 25(31)

22(5)

0(6)

消極的必修賛成 42(56) 50 (58)

20(10) 63(50)

3 (5) 13(5)

取 らない

0(6) 38 (33)

必修反対 27(23) 25(10)

(7)

小学校教員養成課程学生の教科に関する意識変化の縦断的研究

⑥所属 クラブは

51

文化部 l 同好会 l な し

34 (14) 13 (5)

⑦現役か浪人か

10 (21)

25 (32) lZ…2三三 j 3g

42 (68) 68 (84)

58(32) 38(16)

の教師志望 の強 さを除 いて,履修者 の方が,第1志望で入学 した者 の割合が高 く,入学時 も現在 も教師志望 の者 の割合が 高い傾 向にあ る。 また,履修者 の方が,運動部に所属す る者 の割合が 高 く,同好会に も所属 し ない無所属 の割合が低 い。 また,浪人 と現役 の割合は,男女 とも,非履修老群 で現役 の割合が高い。浪人 し てまで も本学部‑入学 しよ うとす る者 の方が全体 としては教 員志望 の意識が 高いとも考え られ る。

同様 に,各教科 に対す る意識をみ ると (図3),重要性につ いては,両群に差が あ ま り見 られず,特 に体 育の重要性を低 くみ てい るわけではない ことがわか る。男子においてはむ しろ履修老群 よ りも高 く評価 して いる。好み と教 え易 さの評価については群間に相違がみ られ,男女に共通 していた。 すなわ ち,非履修老群 の方が,体育を好 まず,音 楽 と家庭 を好みかつ教 え易 い と思 っている, とい う結果 であ る。 また,男子は, 図画工作を教 えに くいと思 っている者,女子では,理科を好 まず教 えに くい と思 っている者 に非履修者が 多 か った 。

3年次に小専体育を履修 しなか った者が4年次 で履修 しているかをみ ると (3一④),ほ とん どの者が 4年次で も履修 していない ことがわか る。 しか し,彼 らの3教科必修の是非 につ いての意見は履修老群 とあ ま り変わ らず (3‑⑤),女子では,む しろ,非履 修老群に必修を肯定す る者が多 い とい う結果 であ った。

一方, は じめか ら履修 しよ うとしなか った もっとも大 きな理 由を尋ねた付加 ア ンケー トに よると, けが を 除 くと,男子では, 「不得意「他に取 りたい科 目があ る」であ り,女子では, これ らの項 目の他に, 「取 らな くて も卒業で きるか ら」 とい う意見があ り, この3つにはば 3分 された。取 らな くとも卒業で きるか ら, とい う意見の者が男子に いなか った ことは,女子学生は ま じめ, とよ く言われ る評価 とは異 な る結果 であ っ た。 しか し,だか らこそ,必修 にすべ きだ, とい う意見が非履修老群女子で多か ったのか も知れ ない。

これ らの ことか ら,非履修者 につ いて考 えてみ ると,体育や運動を好 まない者が実技授業 の意義 は認めな が らも履修 しない方 向に考 えが進み,教 員志望 の度合 いが低 い と,履修 しな くて もよいのだか ら, とい う易

き方 向に流れ る, とい う傾 向が読み取れ る。

次に,実技3教科必修の是非‑ の回答を もとに クロス集計を してみ ると (4),前回報告 同様に,女子 で,体育 の重要性 と好みに低 い評価を与 えていた者 の中に必修反対者 が多い傾 向にあ った。一方,教 員志望 度 との関係をみ ると,男子では必修賛成 の者 は全 員が教員志望であ った。女子では この よ うな傾 向はなか っ たが,教 員志望 の もっとも高い グループには,必修反対 の者が少なか った。 この結果 か らも,教 員にな るべ き者 は実技教科 を取 るべ きであ る, とす る全体的傾 向が読み とれ よ う。

以上述べた よ うに,58年入学生に関す る限 り,大学での授業で各教科 の重要性 の認識は深 まった ものの, 実技教科必修に対す る賛成者 の割合は増 えなか った。重要性 の認識 と必修にすべ きだ とい う認識 と連動 しな い事態 を ど う考 え るべ きであろ うか。結果か ら言え ることは,彼 らの行動様式が,必要あ るいは重要だか ら 履修す る, とい う直接的な ものではな く,それが,各教科 の重要性 の認識は増す もののそれ らを必修にす る 意見に賛成す る者 の割合があ ま り増 えなか った理 由 と考 え られ る。54年入学生 と58年入学生で カ リキ ュラム の変更 は行われ ていないので,54年入学生で,特 に女子が必修賛成に傾 いた背景は推察が難 しいが,54年入 学生 の女子 の5割以上が入学時か ら実技3教科必修に賛成 とい う意見を持 っていた とは考えに くい。 なぜ な

(8)

履習者

重要催 非履習者

履 智者 好 み

非履習書

履習者 教え易さ

非履習者

+I+Lf . fr+++

昔 図 算 休

図 国 理

̀

音 国 家 社 理

=

図 理 社

[

書 体 図 家 書

理 算 国 書 理 家 算

3 5 1

3 小専体育履修者 と非履修者の評価平均値の比較 (左が乳 右が女)

/J,E

(9)

小学校教員養成課程学生の教科に関する意表変化の縦断的研究

蓑 4 実技3教科必修に対す る意見を もとに した クロス集計 (括弧 内は女子,実数表示)

①現在 の教員志望度

ABC

20(10)I 1(4)

;:('2…三日 …146三

̲ 三 二 三 1(6)12(1) (参体育の好み

(∋体育の重要性

53

5・4 1 3 1 2 ・1 1 平均値 18(16)

27(41) 16(9)

2(5)

2(6):

l

④体育の教え易 さ

2・1 1平均値 l 5・ 4 J 3 1 2・1 1平均値

\‑ノ162((′̲\010

\‑ノ\‑ノ5261′̲\((5031 ABC

ヽノ\ーノ\ーノ198188433′̲\(′.\979203444

(∋所属 クラブ

12(4) 10 (ll)

8(7) 15(18)

運動部 l 文化部 l 同好会 l な

1(8) 4(17)

0(5)

3.76(2.79) 3,21(2.78) 3.83(2.75)

A :必修賛成 B :消極的必修賛成 C:必修反対

ら,教師志望で入学 した者の割 合は58年入学生の方がは るかに多いか らであ るo Lた って,54年入学生では 必修に対す る意見が入学後に変化 した とす ると,少な くとも,実技教科の必要性 と重要性の認知が履修行動 58年入学生以上に結びついていた とは言えそ うである。58年入学生については,最近 よ く言われ る 「最近 の学生は授業には よ く出席 して単位を取 るが, 自主性や主体性に欠け るきらいがある」 とい う風潮を反映 し ていると考え るほ うが妥当であろ う。必修であれば文句を言わずに取 るが,必修を増やす ことには反対であ る, とい う主体性 のな さが,重要であ るとは思いなが らも,それでは,必修に しよ うか とい うと,選択で十 分 と回答す る,易 きに流れ る行動パ ターンを取 らせ ているとも言え るのではなかろ うか。

次に,非履修者群が,男女 とも,家庭 と音楽を好む傾 向にあ ることか ら, 8教科の評価にあ る程度の相関 が考え られた。そ こで,回答分布の正規性に若干問題があ るが,全体の傾向をつかむために,教科間の積率 相関係数を各評価観点別に計算 してみた(5)。 これをみ ると,重要性 の評価の相関係数はすべ てプラスで あ り, 国語・算数・体育を除いた5教科間の値はすべ て0.3以上であ った。 この解釈は難 しいが,最重要3 科以外については全体的に高 く評価す る者 と,低 く評価す る者がいると考え るとある程度は理解で きるか も 知れない。音楽 と図画工作の相関が男女 ともとびぬけて高いが, これは,芸術‑ の理解があ る学生 とない学 生がいるため と考え ると理解で きよ う。好み と教え易さについては プラスの場合 もマイナスの場合 もあ り, 相関係数が全体的に低いので,教科間の相関はない と言 って もよいであろ うo Lたが って,非履修老群で家 庭 と音楽の好みの評価が高か ったのは,好みに教科間の相関があ るためではなか った よ うであ る。

次に,各教科内で,重要仕,好み,そ して教え易 さの評価間の相関を見てみた (6)。 これをみ ると, 重要性 と教え易 さの間には相関がないが,その他の2つの評価間にはあ る程度 の相関があ ることがわか る。

しか し,その値は大 き くとも0.5程度であ る。 また,かな り低い係数 もある。一般的に考えて も,価値があ ると思 うものを好み,好む ものは人に教え るの も易 しいと考え られ るので,納得できる結果 と言え るが,相 関が低い部分につ いては,好みの評価が教員 としての責務 と切 り離 してな され るのに対 して,他の評価が結 びつ いて行われ るため と考え られ る。つ ま り,調査対象が,た また まある教科を好 まない集団であ った とし

(10)

54

重要性 (男)

5 3視点 か らの評価 につ いての8教科間 の相関係数 重要性 (女)

323949.5.5.2

12657296.6.4.4.1

31508T432411.5.5.3.4.1

441596128474.4.1.1.1.1.2

32305756969529.2.2.2.1.0.0.3

′し

.715 .350 .284 音 楽 図画 工 作

‑.164 ‑.136 .273 .287 ‑.171‑.034 .229 ‑.003‑.126 .163 .105 .375 .101 .210 .025 .146 .029 .244 .184 ‑.129 .160 .133 .330 .091 .037 ‑.062 ,225 .208

国語 算数 理科 社会 家庭 音 楽 図画工 作

教え易 さ (男) .205 .034 .289 .390 .088 .297

‑.104 ‑.033.026 ‑.007 .064 .009 .037 ‑.062 .042 .215 .339 .352 .187 .395 .395 .289

国語 算 数 理 科 社 会 .1.0 0339 .3 42

050410

.2.2.0 354605.2.2.3

02775598.5.2.2.2

2669177045.4.4.4.3.4

.

.謂

82522265543960.3.1.2.0.3.3.4

み (女) ‑.085 ‑.065 .259 .318 ‑.203 .202 ‑.004 .093 ‑.085 .135 ‑.047 .026 .162 国語 算数

939683.2.2.0

1722694831.2.1

2751985010.0.1.1.2.0

.702 .552 .444 音楽 図画工 作

.128 .149 .085 音楽 図画工作

教え易 さ (女) ‑.261 ‑.236 .328 .091 .003 ‑.021 .121 .109‑.012 ‑.064 .oo4 .045 .193 .111 .268 .219 ‑.068 .011 .179 .177 .357 ‑.017 .100 ,193 .222 .058 .169 .058

国語 算 数 理科 社 会 音 楽 図画工作

f叫JJノLlJ

(11)

小学校教員養成課程学生の教科に関する意識変化の縦断的研究 表 6 各教科の 3視点か らの評価間の相関係数

55

重要性 ×好み (男) (女) 重要性 ×教

易 さ

好み ×教え易さ (罪);

(女L

霊 三 十 ;27;

::;≡; 上 ;; 仁 ;: 上 ;75 仁 ..:≡; I ::; .557 .440

.394 ; .181

436056

523024 214451

て も,その教科 としての重要性は,普通に評価す るであろ うし.その教科を教 え る覚悟 で学習 していれば.

必ず しも教えに くいとは評価 しないだろ うか らであ る。 この ような場合は,評価間の相関係数は,低 くな る はずであ る。

引 用 文 献

1)麓 信義 ・小山秀故 「小学校教員養成課程学生の意識調査‑ 体育科の実技授業を中心 として‑ 弘前大学教育学部紀要,50,45‑60,1983.

2) 信義 ・小山秀哉 「小学校教員1年生の意識調査‑ 学生時代の調査 との比較 を中心 として‑ 弘前大学教育学部紀要,52,61‑70,1984.

参照

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