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数種金属のジエチルジチオカルバミン酸塩の

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(1)

78

数種金属のジエチルジチオカルバミン酸塩の

べ一パー吸着クロマトグラフ法に関する研究      7

補 遺 1.

(自然科学教育研究室) 齋 藤 儀 重 。 高 野 恒 雄       ・

Studies on Paper Adsorption Chromatography

       、 盾?@Diethyldithiocarbamates of several Metals.

Supplement I.

GIJu SAITo and TsuNEo TAKANo

著者らは前報1)におV・て数種金属をジエチルジチオカルバミン酸塩の形で試験紙に吸着,

分離させる新しいペーパー吸着クロマトグラフ法を提示した。そして本法を種々の実験条 件のもとで行い,得られるクロマトグラムに対する実験条件の影響についてしらべ・金属 のジエチルジチオカルバミン酸塩のクロマトグラムに現われる吸着順位を決定し,さらに Ni, Mn, Cu,お・よびFeのジェチルジチオカルバミン酸塩の CH:ゆ00C2H5抽出液につ いて異色ある変色現象を見出しこれについて定性的にしらべた。

そこで本報においては本法の展開剤として川うる有機溶媒を前報で用v・たCH3COOC2H5 以外の3種の溶媒すなわち,CCI4, i−Arnyl alcoho1,およびCHCI3とした場合にっいて 研究した結果を報告する。なお装置および展開方法は前報におけると同様である。また試 験紙はAl(OH)3を浸漬したものと濾紙(東洋濾紙No・2)のままとで実際の分離にほと んど差違が認められないので本報においては全部濾紙のまま用v・た。

      「

k1〕CC14による分離

諸金属のジエチルジチオカルバミン酸塩をCCI4にて抽出すると第1表のような抽出液

が得られる。

一      幽

@      、、

(2)

齋鷹高野:数種金属のジエチルジチオカ・レバミン酸塩の       79 ペーパP吸着クロマトグラフ法に関する研究

第  1  表

金    属 CC1些抽   出   液

A喜+ ほとんど抽出しない。

Bi+÷ かなり抽出し黄線色液となる。

Cd++ わずかに抽出し白色濁液となる。

Co++ 非常によく抽出し濃線色液となる。

Cu++ 極めてよく抽出し濃茶褐色液となる。

Fe++ 非常によく抽出し濃焦茶色液となる。

Hg++ ほとんど抽出しない。

Mn++ 非常によく抽出し濃紫色液となる。

Ni++ よく抽出し褐線色液となる。

Pb++ わずかに抽出し白色濁液となる。

Zn++

わずかに抽出し暗淡褐色液となる。     7

この場合本クロマトグラフ法を適用できる金属は前報のCH3COOqH5を用いた場合と

同様,Bi÷+, Co++, Cu++, Fe+÷, Mn++,お・よびNi++の6種である。展開は前報におけ ると同様i2度行うのであるが毎回に要する時聞は約4〜5時間である。得られたクロマト グラム上に現われる各金属のジエチルジチオカルバミン酸塩の色は前報のCH3COOC2H5 を用)・た場合と大体同じである。たじMnはCH:ICOOC2H5を用v・た場合と異つてあま

       一

關梵Fせす友紫色を呈する。これはMnのジエチルジチオカルバミン酸塩がCH3COOC2 H5中におけるよりもCC14中における方がより安定であることを示すものと解されるが詳

しぐは今後研究を進める予定である。

第1図      第1図に示してあるクロマト

}→溶媒前進物     グラムは金属の多数の糸胎ぜに

α+B乙 α 題B乙        ついて行つた実験の一部の少数 魑      例について得られたものであ

磁+NL α N三      る。

本法に用V・た 6種の金属の2

砿う(コ+雌

種つつの全ての組合せにおける α乱6 N乙

クロマトグラムより判定できる各金属のジエチルジチオカルバミン酸塩のペーパーに対す る被吸着性の強さを比較するとつぎのようになる。

Fe>Cu, Fe>Mn, Fe>Co♪Fe>Bi, Fe>Ni Cu>Co, Cu>Bi, Cu>Ni

      L ln>Co, Mn>Bi, Mn>Ni

Co>Bi, Co>Ni

Bi>Ni       

(3)

       、

W0       茨城大学教育学部紀要 第二号

これらの結果をまとめればつぎのような被吸茄性の強さの順位が得られる。

Fe>Cu, Mn>Co>Bl>Ni

なおCuとMnぱ被吸着性の強さが同程度で分離できない。

〔皿〕i−Amyl alcoholによる分離

諸金尉のジエチルジチオカルバミン酸塩をi−Amyl alcoho1にて抽出すると第2表のよ うな抽出液が得られる。

第  2 表

金  属i   i−Amy1・1・・h・1抽出液      }

A鍔+ ほとんど抽出しない。

Bi+一ト

よく抽出し黄織色液となる。

Cd++ おずかに抽出し白色濁液となる。

Co++ よく抽出し線色液となる。

Cu++ 非常によく抽出し濃茶褐色液となる。

Fe++ かなり抽出し茶色液となる。

11g++ ほとんど抽出しない。

Mn++ よく抽出し濃紫色液となる。

Ni++ かなり抽出し黄線色液となる。

Pb+÷ わずかに抽出し白色濁液となる。

Zn++     かなり抽出し暗淡褐色液となる。

 本法を行う場合2度の展開に各々約5〜6時聞要する。得られたクロマ      略

墲黷驫e金属のジェ≠ルジチオカルバミン酸塩の色はやはりCH,;COOC2H5

トグラム上に現

@およびCCI{

の場合と大体同じであるが各帯の幅がやや広く現われる傾向がある。

またMnのジェチルジチオカルバミン酸塩はi−Amyl alcohol中におv・ては不安定で

槌色するのでクロマトグラム上のMnの帯は不明瞭になりやすい。       /

@Niは単独では明瞭な帯を示すが他の金属と組合せるとv・すれの場合にも分離が不可能 となる。従つて本法を適用できる金属は下記の5種である。

第2図に金属の組合せの少数       第2図

例につv・て得られたクロマ トグ      ー溶媒前進労伺

ラムを示す。 6+(翼    6    (旗

ペーパーに対する被吸着性の

弧さの順位はつぎのよう        ノ ノな 6+巨   6   御・

る。

     ▼

bo>Fe>Cu>Bi>Mn ωα+良     髪

窃   d鵬Fe

(4)

齋藤,高野:数種金属のジェチルジチオカルバミン酸塩の         81 ペーパー・吸着クロ「マトグラフ法に関する研究

       凸

k皿〕CHCI3による分離

諸金属のジエチルジチオカルバミン酸塩をCHC13にて抽出すると第3表のような抽出 液が得られる。       

第  3  表

金    属        CHCI苫抽 出 液

Ag+ ほとんど抽出しない。

Bi++ よく抽出し黄線色液となる。

Cd++ わずかに抽出し白色濁液となる。

Co++ 非常によく抽出し濃線色液となる。

Cu++ 極めてよく抽出し濃茶褐色液となる。

Fe+← 極めてよく抽出し濃焦茶色液となる。

Hg++ ほとんど抽出しない。

8

Mn++ 極めてよく抽出し濃紫色液となる。

Ni++ かなり抽出し褐線色液となる。

Pb++ ほとんど抽出しない。

Zn++ わずかに抽出し暗淡褐色液となる。

前述した展開方法でクロマトグラムを得ると各金属のジエチルジチオカルバミン酸塩は 明瞭な帯を形成するのであるが,二者以上の金属の組合せになると各金属の帯が重なり合 い甚だ不明瞭となり識別困難である。

た穿第3図のようにCoとCuの組合せのみはわすかに明瞭さを示しペーパー一に対する 被吸着性の強さの順位がCo>Cu      第3図

であることが判断できるQ 一一黹於e媒爺進秀層同

6+(気     6  (気      γ      「

〔W〕各溶媒抽出液の変色現象

前報にお)・てCH3COOC2H5抽出液についてのかなり多彩な変色現象を見出したが,本 報にお)・て扱つた3種の溶媒によつて得られた抽出液につv・てはCHsCOOC2H5抽出液ほ

ど変化に富んだものではなV・がつぎのような変色現象が観察される。

1.Mnのジエチルジチオカルバミン酸塩は前報で報告した通りC琢COOC2H5抽出 液において時問の経過にともないかなり著しい槌色を示すがフ本報における3種の溶媒に ついても程度の差はあるがv・すれも槌色を示す。

最も著しv・槌色を示すのはi−Amyl alcohol抽出液であるが,これは抽出後数分にして

槌色し始め・約10分にして淡黄褐色となり,さらに次第に槌色を続けて最後には暗淡黄色

液となり器底には褐色沈澱が附着する。

(5)

82      茨城大学教育学部紀要 第二号        .

bHC1・抽出液は数時間放置した後偲色し始め,約10時間にして完全に槌色し上と同じ く賂底に沈澱が附着する。

CC14抽出液は最も安定にして10数時間放置後始めて裾色し始め赤味を帯び,約1昼夜 にして裾色完了し上と同じく器底に沈澱が附着する。

2.Znのジエチルジチオカルバミン酸塩のi−Amyl alcohol抽出液は貯需淡褐色液であ

んど無色の液となる。

要   約

(1) 前報で示した新しいペーパー吸着クロマトグラフ法をCH3COOC2H5以外の3種 溶媒すなわちCCI4, f−Amyl alcoholおよびCHCI3を展開剤とした場合について検討し

た。

(2) MnおよびZnのジエチルジチオカルバミン酸塩の抽出液につv・ての腿色現.象を 定性的にしらべた。

(本研究内容は1952年10月日本化学会i新潟地方大会におv・て著者らの一人高野が講演し

てある。)

参  考  文  献 1)齋藤儀重,高野憧雄:茨城大学教育学部紀要,1,97(1951).

Abstract

In a previous report a new type of paper adsorption chromatography    φ was described, which separated the several rnetals at the state of the

dfethyldithlocarbarDates instead of the meta11ic ions on the test paper.

The present report describes this chrornatography which use the three orgar立c solvents, that is, CC14, i−Amyl alcohol and CHCI3 as the eluants

』 instead of CH3COOC2H5 used in the prevゴous studies. And the discolouring

of the d{ethyldithiocarbamates of Mn and Zn in the three solvents were

observed qualitatively.

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