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能登半島の石灰質堆積物と超微化石(予報)

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奈良教育大学学術リポジトリNEAR

能登半島の石灰質堆積物と超微化石(予報)

著者 西田 史朗

雑誌名 奈良教育大学紀要. 自然科学

巻 16

号 2

ページ 53‑57

発行年 1968‑02‑29

その他のタイトル Preliminary note on the Calcareous sediments and Nannofossils in Noto Peninsula, Japan.

URL http://hdl.handle.net/10105/3214

(2)

能登半島の石灰質堆積物と超微化石(予報)

(付.図版1)

西  田  史  朗 (奈良教育大学地学教室) (昭和42年9月21日受理)

Preliminary note on the Calcareous sediments and Nannofossils in Noto Peninsula, Japan.

Shiro NISHIDA

(Department of Earth Science, Nara University of Education, Nara, Japan) (Received Sept.21 , 1967)

It is well known that the calcareous sandstones are scattered in Noto Penisula. But the calcareous sediments such as calcareous mudstones are not well known. Calcium rich sediments are distributed in some places of the northeastern part of Noto Peninsula.

The present author revealed the well preserved Miocene nannofossils in ahove men‑

tioned sediments by ordinary‑ and electronmicroscopical observations. This time, the existence of calcareous sediments in Noto Peninsula and electronmicrographs of nannofossils are presented here.

能登半島には含珪藻泥岩層が広範囲に分布することと共に,石灰質砂岩が各所に点在すること はよく知られている.これらの含珪藻泥岩,石灰質砂岩中の化石については多くの研究者により Foraminifera, Radiolaria, Ostracoda, Silicoflagellata, Diatom, Pollen, Sporeなどの徽化石 の報告がなされているが,超徽化石についての報告は末だ無い.筆者は能登半島の新第三紀層中 の超徽化石の研究を始めたが,現在までに二,三の新しい知見を得たので概報する.

能登半島の新第三紀層の中で,今まで含珪藻泥岩とか凝灰質泥岩,凝灰岩または単に泥岩,頁 岩と呼ばれていたものの中には,炭酸カルシウム含有量のかなり高い石灰質泥岩,石灰質頁岩と

も呼ぶべき堆積物が,かなりの範囲にわたり存在することである.そしてこれらの炭酸カルシウ ムは Foraminiferal testsやEchinoid spinesなどの石灰質の徽化石,方解石や霞石の徽結晶に 主な起源を求めることができるが,石灰質の超徴化石も大きく寄与している.これらの堆積物中 の徽化石は Foraminifera, Radiolaria, Ostracoda, Diatom, Silicoflagellataと超徽化石を主と し,部分的には含有化石がほとんどすべて石灰質の超徴化石であるCoccolithsとDiscoastersか らなりCoccoliths oozeとして堆積したと考えられる部分も多い.また石灰質砂岩の炭酸カルシ ウムはMolluscan shells, Echinoid spines, Foraminiferal testsなどに大部分の起源を求めら れるが,石灰質の超徽化石も検出される.

53

(3)

m. 西 田 史 朗

CAPE SUZU

第1図 超微化石の産出の確認された試料の採集地点

第1図は能登半島の新第三系中で今までに超徽化石の産出の確認された試料の採集地点を示 す.図中の記号は第2表の試料番号と一致する.

第1表 能登半島北部における中新統の層序区分

ゼミ'.'. Aこ 0 標 蝣^ K  T

北 陸 の 標 準 区 分

北  浦  階

船  川  階

女  川 階

‑l音

鰭 層

S.王shida (1959〕

珠[南志見泥岩層 飯塚含珪藻泥岩層

鷲蔵.疑'・';'VT同、肘II;>?kこ蝣iiY.w'K

累 こ.,1こ 抑 ビi 'i'l lぎ ;J;;l寺・:佃濁氾Vr'fi

東  印  内  互  層

柳   田   累   層

・v   こ  !」  ft

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第2表  石灰質超微化石の産地

∴ ft 'j‑         '[;!   i当  ri  :¥    '‑I''・:

'K¥ iiii:こ:.旨.'・       南:志蝣J.iV. iTrt

灰緑青色合珪藻泥岩 j飯塚含珪藻泥岩層

3a‑f 灰青馳泥岩 J飯略珪藻泥岩層

7a 7b 7C 8

珠州市狼煙町禄剛崎・燈台F 珠州市正院町飯塚・飯塚小学校裏 j.',i̲州Uせ〔川Ill]‥p"一蝣 IJ‑抜擢.:l'AWii

灰白色石灰質砂岩 灰白色石灰質砂岩 灰白色含化石石灰質砂岩

( ‑f!色…:i:i

灰黒色貞岩 灰白色泥岩 灰白色含珪藻泥岩

1

9 ‑!褐色今月化石砂岩

輪島崎石灰質砂岩層 関野昇石灰質砂岩闇 七尾石灰質砂岩闇 赤神頁岩層 赤神頁岩層 赤神貢岩層 法住寺含珪藻泥岩層

輪島市輪島・隅ケ浦 羽咋郡富来町関野昇

七尾市小島町・七尾海員学校前 珠州市上戸町見島

珠州市三崎町寺家 珠州市三崎町粟津 珠州市上戸町法住寺

)輪島砂岩泥岩互層  愉島市河井町公蘭入口

第1表,第2表からわかるように使用した試料は石灰質砂岩と輪島砂岩泥岩互層の褐色含員化 石砂岩を除いて,能登層群珠州累層に含まれ,中新世中期から後期にかけての堆私物であるとさ れている.輪島崎石灰質砂岩,関野鼻石灰質砂岩,七尾石灰質砂岩の層序区分は第1表に示され ていないが,赤神頁岩層の上部ないし栗蔵凝灰岩層に相当するもので東別所階に含まれる.また 輪島砂岩泥岩互層は東印内互層に対比され,黒瀬谷階上部にあたる.

第2表に示した試料からほ後に記した方法により石灰質のCoccoliths, Discoasters,畦質の Diatom, Silicoflagellata等の化石を検出した.注目すべきことはCoccoliths とDiscoastersは 試料番号の1から9までの全部に見出されるが,珪質の化石の非常に少ないものもあることであ

る.たとえば,飯田含珪藻泥岩[T]のある試料ではCoccolithsが優占的で,極くわずかにそれも 二次的と思われる珪藻の断片が見られるにすぎない.超徽化石についても産出が少なく光学顕微 鏡下では確認できても電子頗徽鏡観察の試料としてほ充分でないものもある.

採集した試料は粉砕後節分し,アルカリ前処理,コロイド除去,遠心分離によるコロイドと微 粒子の除去,次亜塩素酸ソーダ処理をし,さらに振動法,遠心分離法を併用し濃縮した.この方 法では石灰質の追徴化石と共に珪質の徽化石も残るが,これらの分離は沈降速度のちがいを利用

し容易に行なえる.

もちろん石灰質の超徽化石の存在を確かめるだけであれば,弗化水素酸により炭酸カルシウム を弗化カルシウムに置き換え同時に粘土鉱物や石英粒を除くことができ簡単に濃縮できるが, Coccolithsなどの表面構造が損傷され電子顕微鏡観察には向かない.光学顕微鏡下では弗化水素 酸処二理のものもそうでないものも大きな差異はない.

濃縮した超徽化石の試料のカ‑ボンレプリカを作り, r]木電子K.K.のJEM‑SS型電子顕微

鏡により観察撮影した.

(5)

56 西 田 史 朗

現在までの知見をまとめると,

能登半島の新生代層中には石灰質砂岩の他に石灰質泥岩または貢岩とも呼ぶべき堆積物がかな り分布する.その堆積の時期は黒瀬谷階後期より音川階中期にかけてである.

石灰質砂岩中の炭酸カルシウムは主に且化石の殻や石灰質徽化石によるがCoccolithsやDis‑

coastersなどの石灰質超微化石も一部分寄与している.

石灰質泥岩は石灰質の超微化石を多量に含み,一部にはこれら以外の化石を多く含まないで, Coccoliths oozeに起源すると考えられるような部分もある.

今後の問題として,超徽化石の古生物学的研究,石灰質堆積物の堆積学的検討があり,それに より堆積環境をより解明することができると考える.

最後に,この研究を進めるにあたり終始暖かい勧指導,御批判を下さった本学島倉巳三郎教 授,梅田甲子郎教授に厚く御礼申し上げる.京都大学石田志朗助教授には試料の一部を恵与さ

れ,また層序について有益な御助言を下さったことに深く感謝します.

文     献

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(6)

増田孝一郎・石田志朗. (1956) :能登半島北東部の地質,地質雑‥ vol.62, no.735. pp.703‑716.

Explanation at Plate

Electronmicrographs of Middle Miocene Coccoliths from Noto. Obtained from the Iida diatoma ceous mudstone bed (Sample No.3a‑NC009).

1. Umbihcosphaera sp.

NC009‑37, carbon replica, 6000 : 1.

2. Coccolithus sp.

NC009‑39, carbon replica, 7500 : 1.

3. Coccolithus consuetus Bramlette and Sullivan, 1961.

NC009‑77, carbon replica, 10000 : 1.

4. Cyclococcohthus sp.

NC009‑80, carbon replica, 2600 : 1.

5. Coccohthus sp.

NC009‑76. carbon replica, 10000 : 1.

6. Coccosphere.

NC009‑90, carbon replica, 8000 : 1.

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