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「 生活力 」 としての 「 言語カ」 : 小学校英語の場合

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‑ 特集 「 人間 力 」と 学 力 の 関 係を 問うく 4 )

「 生活力 」 としての 「 言語カ」 : 小学校英語の場合

コミュニケーション能力の伸長を目指す文字学習に焦点をあてた試み‑

上越教育大学 北 健 礼子 小学校英語における生活力 としての 「言語力

小学校英語 にお ける生活力 としての 「言語力とは, なんであろ うか。 ま ず,頭 に浮かぶのは,や は りコ ミュニケー シ ョン能力 とい うことになろ う。

実際,近 い将来小学校 に英語が導入 されることが予想 されてい るが,現状 は そのための準備 があ ま り整 っていない。確 か に, アジア諸 国 をみて も小学校 段 階で英語 を教科 として教 えてい ない国 はほ とん どな く,同 じEFL(外 国 語 としての英語)環境 にある中国,韓 国,台湾 と比べ て も小学校英語教育 は はるか に遅 れ を取 ってい る状況 にあ る といって も過言で はない。

本稿 で は,文部科学省 中央教育審議会教育課程部会分科会 「外 国語専 門部 が 日本 の小学校英語 をどの ように位置づ けているのか と文部科学省 の調 査結果か ら小学校英語教育 の現状が どの ようになってい るのか をま とめ,次 に児童 ・生徒 の文字指導へ の意識 に関す る調査結果 につ いて述べ ,最後 に, コ ミュニケー シ ョン能力 の一つであ り,教員,児童 に とって現実的 に必要 で あ り実現可能 な文字 に対す る理解 を伸張 させ る文字指導の例 を紹介す る。

1.小学校英語の位置づけ

平成183月 に文部科学省 中央教育審議会教育課程部会分科会 「外 国語専 門部会が審議結果 を報告 した。 「外 国語専 門部会」 に よる報告 内容 は,①

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小学校における英語教育の現状 と課題,②小学校 における英語教育の 目標 と 内容,③小学校における英語教育に関する教育条件,④小学校 における英語 教育の教育課程上の位置づけ,の4点にまとめ られている

ここでは,このうち,①小学校における英語教育の現状 と課題, と②小学 校 における英語教育の目標 と内容の2点を,簡単に概観する。

1. 1 小学校における英語教育の現状 と課題

まず,小学校における英語教育の現状 と課題については,次の3点におい て小学校英語教育を充実 させる必要があると報告 されている一つ 日は,小 学生の柔軟な適応力 を生かす ことによる英語力の向上である。これは最近の 小学生はテレビ等 を通 じて外国人や異文化に接する機会が多いことか ら,現 在中学校で実施 されている挨拶,自己紹介などの活動は小学生によりふさわ しいものであ り,このような活動が将来児童の実践的なコミュニケーション 能力 を育成するうえでの素地 となるという可能性である 二つ 目はグローバ ル化への進展への対応であるが,国際的に小学校での英語教育の必要性が高 まり,英語科の小学校‑の導入が進んでいることや,国内で も保護者等か ら 小学校英語教育の必修化への期待が強 くなってきていることか ら,小学校で の英語教育を充実することにより,次世代 を担 う子 どもたちの国際的視野に 立つコミュニケーション能力 を育成する必要性である。三つ 目は,教育の機 会均等の確保であるが,現在全国の90%を超える公立小学校で,総合的な各 週の時間等において英語活動が実施 されているが,活動内容や授業時間数に はかな りのばらつ きがあ り,中学校入学時に共通の基礎が もてるよう,必要 な教育内容を提供する必要性である。

1. 2 小学校における英語教育の目標 と内容

次に,小学校英語教育の 目標 と内容はどのように捉 えられているであろう か。外国語専門部会は以下のように報告 している。

1.2、 1 教育 目標

小学校段階の英語教育の目標 については,まず次の大 きな2つの考え方が

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生活力」 としての 「言語力」 :小学校英語の場合 示 されている。

①小学校段階では,音声 を柔軟 に受け止めるのに適 していることなどか ら, 音声 を中心 としたコミュニケーシ ョン活動や,ALT(外国語指導助手)

を中心 とした外国人 との交流 を通 して,音声,会話表現,文法などのス キル面 を中心 に英語力の向上 を図ることを重視する考え方

②小学校段階では,言語や文化 に対する関心や意欲 を高めるのに適 してい ることか ら,英語 を使 った活動 をすることを通 じて,国語や我が国の文 化 を含め,言語や文化 に対す る理解 を深めるとともに,ALTや留学生 等の外国人 との交流 を通 して,積極的にコミュニケーシ ョンを図ろうと する態度の育成 を図 り,国際理解 を深めることを重視する考え方 以上の2つの考 え方は,前者が英語のスキルをより重視する考え方である のに対 し,後者は国際 コミュニケーションをより重視する考え方である

その うえで,外国語専門部会 として,総合的に勘案 し,中学校での英語教 育を見通 して,何のために英語 を学ぶのか という動機づけを重視するとの観 点や,言語や コミュニケーションに対する理解 を深めることで国語力の育成 にも寄与するとの観点か ら,② の考え方 を基本 とすることが適当であるとし, この場合で も①の側面について,小学生の柔軟 な適応力 を生か して,英語の 音声や基本的な表現 に慣れ親 しみ,聞 く力 を育てることなどは,教育内容 と して適当 と考えられる, としている。 どちらにして も,実践的コミュニケー ション能力 を重視 していることになる

1.2.2 中 ・高等学校における英語教育 との関係

外国語専門部会は,小学校の英語教育 を充実するに当たって,小学校の教 育 目標 を以下のような方向で検討することが適当であると報告 している

その方向 とは,小学校段階の子 どもの柔軟な適応力 を生かす ことが有効で あ り,基本的な単語や表現 を用いて,英語で聞 くこと,話す ことなどの言語 活動 を実際に行ってみることにより,英語 を通 して積極的にコミュニケーシ ョンを図ろうとする態度の育成を図った り,言語や文化への体験的な理解 を 図った りすること,併せて英語の音声や会話に慣れることが適当であるとい うことである さらに同部会では,その際,英語に対する児童の関心 ・意欲

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を高めるため,子 どもの発達段階にふさわ しい言語の使用場面を設定するこ とが必要であるとしている。

1. 2. 3 教育内容

外国語専門部会は,教育内容 として,子 どもにとって身近な言語の使用場 面を設定 し,英語でのコミュニケーションに対する積極性 を身につけさせ, 適 したテーマで言語や文化 (国語 ・日本の伝統文化など)について理解 させ ることが適当であるとしている。 さらにテーマにふさわ しい基本的な単語や 表現例を用い,音声面中心のスキルを身につけさせ,また英語を学ぶことに より,異文化理解ばか りでな く,国語や 自国文化についても併せて理解 を深 めることが可能な内容必要であると述べている

ここか ら,小学校英語教育では, とくに音声面中心のコミュニケーション が重要視 されていることがわかる

2.小学校英語教育の実施状況現状

さて,それでは,小学校英語教育の実情はどうなっているのであろうか。

2. 1 平成18年度小学校英語活動実施状況調査結果から

文部科学省は,全国の公立小学校 を対象に,平成15年度か ら毎年小学校英 語活動実施状況調査 を実施 しているが,4回 日となる18年度は,対象校が 22,031枚であった。主な結果は以下の とお りである。

まず,英語活動実施学校 数で あ るが,全 国の公立小 学校22,031枚 の う ち,21,116校が何 らかの英語活動を実施 してお り,実施割合は95.8%になっ ている。なお,平壌17年度の実施割合 は93.6%であ り,前回よ り2.2ポイ ン

ト増加 していた。

また,平成18年度小学校英語年間実施時間数は表1に示す とお りである が,3年生以上では約85%が稔合的な学習の時間内で実施 されている。

次に,英語活動年間平均時間数は表2に示す とお りであるが,6年生でみ ると,14.8時間とな り,平成17年度は13.7時間であったので,1.1時間増 え

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生活力」 としての 「言語力」 :小学校英語 の場合 1 平成18年度小学校英語年間実施時間数

1学年 2学年 3学年 4学年 5学年 6学年 総合的 な学習の時間 85.6% 84.7% 84.7% 85.0% 特別活動 (クラブ活

動や学校行事 な ど) 59.0% 59.0% 1.9% 3.0% 2.9% 2.8% その他 (教育課程外

の時間) 31.3% 30.9% 1.8% 1.7% 1.7% 1.9%

研究開発学校 ,構造改革特 区にお ける教科等 としての実施 9.7% 10.0% 10.7% 10.5% 10.7% 10.3% (114080,%478 (115030,%098 (216030,%740 (120702%,ll (219100,%847 (、130040%,236

2 活動時間数別学校数

第 1学年 *?** 3学年 4学年 5学年 6学年 1‑ 3時 間 27.4% 26.4% 14.6% 13.6% 12.2% ll.1% 4‑11時 間 51.4% 52.0% 44.2% 43.9% 42.3% 42.7% 12‑22時 間 16.1% 16.2% 24.9% 25.5% 25.6% 25.7% 23‑35時 間 4.2% 4.5% 13.3% 13.9% 16.4% 16.8% 36‑70時 間 0.9% 0.9% 3.0% 3.1% 3.4% 3.6% 71時間以上 0.02% 0.02% 0.04% 0.04% 0.05% 0.1% 100.0% 100.0% 100.0% 100.0% 100.0% 100.0%

ていた。 ここか ら平成18年度 には6年生で毎月1回強の割合 で活動が行 われ たことがわか る。

また,英語活動 の主たる指導者であるが表3に示す とお りである。 この項 目は 「学級担任英語指導担 当教員「中 ・高等学校 の英語教 員特別非

常勤講師その他 (校長 ・教頭 な ど)5項 目で調査が行 われた。表2 ら,各学年 とも指導者 は学級担任が多 く,いずれ も90%以上 になっている。

さらに,活動内容であるが,その結果 は表4に示す とお りである。各学年 とも,歌 やゲームな ど英語 に親 しむ活動95%以上 となってい る 6 生でみ る と,歌やゲームな ど英語 に親 しむ活動97.6%となってお り, 前 回の調査時の97.1%よ りわずか に数億があがっている。

文部科学省 は,小学校英語教育 において文字指導 を推奨 していないが, こ

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3 英語活動の主 たる指導者別時間数

1学年 2学年 3学年 4学年 5学年 6学年 学級担任教 員 94.8% 94.7% 94.6% 94.1% 93.5% 92.9%

英語指 導担 当教 員 1.7% 1.8% 2.0% 2.1% 2.1% 20.8%

中 .高の英語教 員 0.4% 0.4% 0.5% 0.5% 0.9% 1.4%

特 別非常勤講師 1.8% 1.8% 1.7% 1.7% 1.8% 1.9% その他 (校長,教頭等) 1.3% 1.3% 1.3% 1.6% 1.9% 1.7% 11408,0.40%78 115030,.00%98 216030,.704%0 217020.,101%5 219100,.0%847 310004,2.036

4 活動内容 (複数回答)

1学年 第2学年 第3学年 第4学年 第5学年 第6学年 歌 やゲームな ど英語 に親 しむ活動 99.3% 99.3% 97.7% 98.5% 98.5% 97.6% 交流活動など実体験 を通 じて

英語や異文化 に触れる活動 36.5% 36.8% 40.3% 41.4% 43.7% 45.0% 簡単 な英会話 (挨拶 , 自己

紹介) の練習 84.5% 87.0% 93.2% 95.1% 96.3% 96.4% 英語 の発音 の練 習 63.3% 64.4% 72.6% 74.2% 76.9% 77.7% 文字 に触 れ る活動 17.7% 18.9% 29.0% 34.5% 42.8% 46.8% その他 (上記に属 さないもの) 2.5% 2.6% 3.1% 3.0% 3.7% 3.9%

の結果 をみると,文字 を扱 う活動が どのようなものなのかについての詳細 は 不明であるが,第1学年か ら17.7%の小学校が文字に触れる活動 を開始 して お り,第5学年では42.8%,第6学年では46.8%となってお り,小学校高学 年では全小学校の4割強の小学校が何 らかの文字に触れる活動 を行 っている

ことが見て取れる

3.英語の文字導入 に関する児童,生徒の意識について

3. 1 小学校英語活動における文字の導入に関する調査

筆者 は,平成15 (2002)12月に,CS町の小学校全8校 の6年生416 名,中学校全41年生468名,同2年生257名 を対象に小学校英語活動 に関 する意識について調査 を実施 した。なおここにあげた対象者は有効回答数で

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生活力」 としての 「言語力」 :小学校英語の場合 ある調査 を実施 した旧S町 は,首都 圏30kmに位置す る調査 当時人 口約 46,000人の町であったが,現在 は隣接 していたK市 と合併 している。旧S 町では平成124月 より町独 自の取 り組みを開始 した。国際理解教育の一環

としての 「小学校英語活動であったが,その 目的は,英語活動の実施 をと お して児童が異文化 を理解 し,共に生 きてい く資質や能力,コミュニケーシ ョンの基礎的能力 を育成す ることであった。旧S町では小学校教員のみ に より小学校英語活動 カリキュラムが作成 され,年間10時間程度の活動が実施 されていた。

当時,調査の対象者 となった中学 1年生は全員が小学校英語活動 を経験 し, 中学校2年生は小学校 自由裁量により,小学校英語活動 を経験 したことのな い生徒 もいた。 この調査の 目的は,小学校英語活動 を経験 している途中の6 年生,かつて小学校英語活動 を経験 したことのある中学1年生,中学2年生 の同活動に対する意識 を明 らかにすることであった。 また,中学校2年生 を 対象に小学校英語活動の経験の有無 による意識の差があるか どうか も併せて 明らかにすることを目的 としていた。

調査項 目は全部で39項 目であったが,ここではこの39項 目のうち文字の導 入に関する6項 目を取 り上げ,結果 を紹介する。文字の導入 に関する質問項 目内容は小学6年生用の項 目を例 に取 ると,「アルファベ ッ トを読めるよう にな りたい「アルファベ ッ トを書けるようにな りたいかんたんな英語の 単語を読めるようにな りたいかんたんな英語の単語 を書けるようにな り たいかんたんな英語の文 を読めるようにな りたいかんたんな英語の文 を書 けるようにな りたい」であった。なお,調査実施 当時旧S町の小学校 では英語の文字の導入は行われていなかった。

アンケー トの形式は,「5 まった くそ う思 う」「4 どちらか というとそ う思 う」「3 どち らで もない」「2 どち らか とい うとそ う思わない」「1 まった くそ う思わないか ら成る5段階尺度形式であ り,各項 目の結果 を1 から5の数値 に換算 した。

3.2 小学生の文字の導入に関する意識

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小学校6年生児童の文字導入に関する各項 目の平均 と標準偏差 を求めたが, その結果は表5に示す とお りである

5 小学校6年生児童の文字導入に関する各項 目の平均 と標準偏差(SD)(N=416)

項 目 項 目内容 平均 SD

1 アル ファベ ッ トを読 め るようにな りたい 4.19 1.22 2 アルフ ァベ ッ トを書 けるようにな りたい 4.23 1.19 3 かんたんな英語の単語 を読め る ようにな りたい 4.23 1.15 4 かんたんな英語 の単語 を書 けるようにな りたい 4.18 1.20 5 かんたんな英語 の文 を読 めるようにな りたい 4.24 1.17 6 かんたんな英語 の文 を書 けるようにな りたい 4.20 1.22 さらに,この6項 目について解釈 しやすいように5段階尺度の54を肯 定,3を中立,21を否定 とし,その度数 を再集計 し,x2検定 を行 った 結果は表6に示す とお りである。

6 小学校6年生児童の文字導入に関する各項 目の集計結果 とx2検定結果(N=416)

集計結果 x2検定結果

項 目 肯定 中立 ー 否定 x 2(2) p 多重比較 (p<.05) 1 311 66 39 323.88 ** 肯定>中立>否定 2 312 72 32 330.76 ** 肯定>中立>否定 3 319 61 36 354.03 ** 肯定>中立>否定 4 320 55 41 375.87 ** 肯定>中立 ≒否定 5 325 50 41 375.87 ** 肯定>中立≒否定

**p<.01 以上の表5,6の結果であるが,まず表5をみると,アルファベ ッ トの読 み書 き,簡単な英単語の読み書 き,簡単な英文の読み書 きについて,各項 目 の平均は5点満点中,4.19か ら4.24を推移 していた。次 に表6x2検定の 結果をみると,アルファベ ッ トの読み書 き,簡単な英単語 を読むことについ ては肯定的な意見が最 も多 く,次いで中立の意見,否定的な意見 という順 に なっていた。 また簡単な英単語 を書 くこと,簡単な英文の読み書 きについて は,すべての項 目において肯定的な意見が中立的な意見 と否定的な意見 より 強 く,中立的な意見 と否定的な意見の間に差はなかった。以上の結果か ら, 児童はアルファベ ッ トを読むこと,書 くこと,簡単な英単語 を読むこと,香 くこと,簡単な英文を読むこと,書 くことについて圧倒的に肯定的な意見が 多 く,児童の文字 を学びたい という意欲が強いことが明 らかになった。

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生活力」としての 「言語力」 :小学校英語の場合 2.3 小学校英語活動 を経験 した中学生の文字の導入に関する意識

次 に,小学校時代 に英語活動 を経験 した中学1年生468名,中学2年生219 名の以下の4項 目に対す る平均 と標準偏差 は表7に示す とお りである0

7 小学校英語活動を経験 した中学1年生,2年生の各項目の平均と標準偏差(SD)

項目 項目内容 平均中学(N‑416年生8)SD 平均中学(N‑212年生9)SD

1 2 3

4 小学校でかんたんな英語の単語を読む学習 3333....67669040 1111....22231468 3333....21211634 1111....41333599 をしてみたかった

小学校でかんたんな英語の単語を書く学習 をしてみたかった

小学校でかんたんな英語の文を読む学習を してみたかった

小学校でかんたんな英語の文を書く学習を

また, この4項 目の平均 と標準偏差 に基づ き,分散分析 を行 った結果 は表 8に示す とお りである。

8 中学1年生,2年生の文字導入に関する各項 目の分散分析結果 (N=416) 項目 1平均年生 (N‑4SD68) 2年生平均EX (N‑21SD9) F(1,685) 分散分析結果P 大小比較

1 3.69 1.24 3.16 1.41 25.25 ** 1>2 2 3.70 1.26 3.21 1.35 21.80 ** 1>2

3 3.64 1.28 3.23 1.39 14.52 ** 1>2

4 3.60 1.31 3.14 1.39 17.26 ** 1>2

**p<.01 7, 8をみる と,中学1年生の方が,英単語や簡単 な英文の読み書 きを 小学校時代 に経験 してみたかった とい う意識が強いことがわかった。 しか し, 各項 目の平均 は中学1年生で3.60か ら3.70,中学2年生で3.14か ら3.23を推 移 してお り,小学校時代の英語の文字学習へ の気持 ちが速い ものになってい

ると推測 され る結果 となっていた。

5.英語の文字導入 に関する試験的試みについて

5.1 コミュニケーション能力伸長 と しての文字指導 について

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これまで,文部科学省の小学校英語教育の位置づけと小学校英語活動実施 状況,児童 ・生徒の英語の文字指導に関す る意識についてみて きた。

まず,文部科学省 は小学校英語教育の 目標 として音声 によるコミュニケー ション能力の伸張を重視 していることが確認で きた。次に,平成18年度の調 査結果か ら全学年 をとお して活動の90%以上 を学級担任が担当 していた。 し か し,実際 にはALTが小学校 を訪問 した ときに,活動のほ とん どをALT に任せている場合 も多いのではないだろうか。 また,英語活動年間平均時間 数は6年生でみると,14.8時になっているが,年間の英語が小学校 に導入 さ れれば,過 1回の実施であった として も年間35回の予定であ り,学級担任が 指導する時間数が今以上に増加することは間違いがないであろう。 しか し, 英語 を専門としない小学校教員が多いことか ら,音声面中心のコミュニケー ション活動 を実施 してい くことはかな り困難であることが予想 される。英語 を専門としない小学校教員は,かな りのクラスルームイングリッシュを身に つければ,クラス内での児童の指導のほとんどの場面 をカバーで きると考え られる。 しか し,そ うはいって も教師の英語力がかな りの レベルに達 してい なければ,ア ドリブ的な英語表現 はかな りむずか しい し,ALTとの授業の 打 ち合わせ も困難であろう 英語の指導が音声面に偏重するのであればの英 語 を専門としない小学校教師の負担が ます ます増 えることになろうが,この ような教師の立場か らも,文字 を用いる指導が可能になれば,現在全国の公 立小学校で広 く実施 されているゲームの内容 として も,ただ楽 しいだけで遊 びに近い内容ではないゲームが考案で きると考 えられる

また,少 し前の資料 となるが,文部科学省 による小学校の英語教育に関す る意識調査結果の概要 (初等中等教育分科会教育課程部会外国語専門部会第 6 (2005311日)資料6)では,児童が英語活動が嫌いな理由として

英語 をうまく読むことがで きないか ら」が50.4%となっている。文部科学 省の指針では小学校では文字指導 を推奨 していないので,普通の公立小学校 では文字指導が積極的に行われているとは考 えられないことを考 えると,児 童が うまく読めないことを気 にしているもの と考 えられる。

事実,外国語教育において,文字はコミュニケーシ ョンの もう一つの道具

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生活力」 としての 「言語力」 :小学校英語の場合 であることが指摘 され,子 どもたちの表現力や コミュニケーシ ョン能力育成 のための文字指導のあ り方が,中学校での英語教育 との関連か らも, さらに 模索 されるべ きであることが述べ られている (樋 口編,2005)

また,小学生 に英語 を指導するうえで知ってお くべ き小学生の発達段階 と 学習特性 として,「9歳の壁があ り,それ以前 と以降に大別 されることが 多い。「読むこと」 について 9歳以前の小学生 は,人に読んで もらうことが 好 きだが 自分では読めないことと,絵本の どこを読んでいるかわか らず,絵 の方をみることが指摘 されている。一万,9歳以降の小学生は,読むこと ・ 読めることが嬉 しく,単語 をみて,聞いた り発音するうちに発音 と文字の関 連に慣れると言われている (樋 口他編,2005)

小学校では現在4年生でローマ字 を学習 していること,児童 はNHK,J ーグ,JR,JUSCO,P(パーキ ング)など,アルファベ ッ トの大文字 を日常生 活で 目にする機会が多いことか ら,児童の文字‑の抵抗感はかな り低い もの と推測 され,筆者は中学年か ら積極的に文字 を取 り入れてい くことが可能で あ り,児童 も無理 な く学習がで きるのではないか と考 えている

5.2 小学校英語教育での文字指導の試み

筆者は,かねてよ り小学校英語活動に文字 を積極的に取 り入れてい くこと に賛成である。

筆者は,現在小学校では4年生でローマ字の学習が行われるここと,以上 の児童の発達特性の理由か ら,ローマ字が未習の3年生段階でアルファベ ッ ト文字を導入 してみることを希望 していた。幸い筆者の所属する大学の附属 小学校 と当時3年生の学級担任の全面的協力が得 られ,2006年秋か ら,3 1クラスにおいてアルファベ ッ トを導入する試みが可能 となった。

授業の形式は,研究生1名,学部生2名の計3名によるティーム ・ティー チ ングとし,出張授業の形で,2006年の10月か ら12月にかけて原則 として2 週間に1度,計4回の授業 を行 った。授業の題材 は英語のアルファベ ッ トの 大文字 と小文字であ り,3年生児童が大文字26と小文字26を全部読めるよう になることが 目標であった。大文字は1 (30×2モジュールの60分)の

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授業で,小文字についてaか らZまでの26文字 を,①aか らj,②kか らt, (彰uか らZ3部に分け,3 (30×2モジュールの60分)の授業で行 っ た。

授業は毎回,敬,文字 を読む練習,ゲームの順で行った。 ここで用いた英 語 の歌 はABCStepsで あ るが,これ はNew Let'ssingTogether(阿部 フ ォー ド恵子編著,アプリコッ ト)か らの ものである。 この歌 はSevenSteps のメロディに乗せ,歌詞はアルファベ ッ トのみで構成 されている歌である

ゲームについては楽 しさの要素 を取 り入れなが ら,アルファベ ッ トの定着 を 図るものを工夫 した。大文字のみのカルタ取 り,小文字のみのカルタ取 り, 小文字 と大文字を混ぜたカルタ取 り,教師が大文字 を示 し児童がその小文字 を取 るカルタ取 り,大文字 と小文字の神経衰弱ゲームを行った。アルファベ ッ トを直接教 える部分 について も,毎回の児童の様子か ら,bdの鏡文字 に混乱が見 られたことか ら,bdについてはとくに何度 も読む練習 を繰 り 返 した。

大文字 と小文字のすべてを導入 した4回の授業終了後 に,「アルファベ ッ トを勉強 してよかったこと」 について児童に感想 を記述 して もらったが,以 下のような感想であった。

・子分が全部覚 えられてよかった

・子分26人の顔 を覚えた。

・小文字がた くさん覚えられて自分の名 も覚えられた

・26人の子分の顔 を覚えられたこと。

・小文字が覚えられたこと

・アルファベ ッ トを全部覚えた。

・何か言ってたこ.とが よく分か らなかったけど,やって きて,わかってよ かった。

・子分やカルタなどが よくわかった。

・小文字が全部を覚えて ,楽 しく授業で きたのが よかったです

・カルタや神経衰弱で26人の子分 を覚えられてよかった。

・子分 と親分の顔 を覚えられたこと

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生活力」 としての 「言語力」 :小学校英語の場合

・子分や親分が分かったことが よかった。

・前 よりもっと英語が好 きになった。英語が身についた

・くわ しく英語 をお しえて くれてよかった。

・26人の顔 を覚えてQが分か らなかったけど,分かるようになった

・いろいろわかった。(ABCソング)

・今 日は,大文字小文字を覚えられてよかったです

・完全 に小文字,大文字を覚えられた。

・前は大文字 しか分か らなかったけど小文字 も勉強 したか らす らす ら言え るようになった。

・自分か ら進んで楽 しくで きた

・大体小文字が覚えられた。

・子分26人を覚えられてす ご くよかった

・英語が覚 えられてす ごくうれ しかった

・小文字 を覚えた。ABCソングも覚えた。

・小文字 を覚えられてよかった。楽 しみなが ら勉強で きてよかった

・子分 を知っていたけど,で も楽 しく新 しく覚えられてよかった。

・ABCソングでアルファベ ッ トが上手に言えるようになった。

以上の児童の感想か ら,児童が楽 しんでアルファベ ッ トの大文字,小文字 を学習 したことが見て取れる。 とくに,小文字がわかるようにな り良かった など,小文字についての感想が半数以上であった。全国の小学校で通常行わ れていると思われる英語に親 しむことを目標 としたゲームではな く,筆者は 児童に英語 をなるべ く多 くインプッ トすることを目標 としたゲームをこれま で上越市内の公立小学校で学生の出張授業 を通 して実施 して きた経緯がある が,児童の感想の中には,少数ではあるが,つ まらなかった という否定的な ものもみ られることが普通であった。今回の文字学習の感想 には,そのよう な否定的な内容の感想がみ られなかった.̲

授業の実施 も2週間に1度のペースであ り,毎回児童が前回の授業内容 を どの くらい覚えているのかが不安であったが,実際には毎回の授業で短い時 間で復習 をするだけで,何の問題 もな くスムーズに学習が進んだ。

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今 回は対象が小学3年生であることもあ り,数値 によるデー タがあ ま り信 頼で きない こともあ り,客観的デー タとしては提示 していない。そ こでデー タによらない筆者の正直 な感想 に過 ぎないが,今 回の児童の様子 を観察 した ところ,児童の理解力 と積極性 には改めて 目を見張 る思い を味わった。

今 回の試みは,毎 回の所要時間は約45分であった。大文字1時間,小文字 3時間の計4回の授業で英語 の文字学習が終了で きることが確認で きた。本 稿 では扱 っていないが, この文字学習の後 にアルファベ ッ トの フオニ ックス 読み学習 も実施 している。今後の課題 は,今 回の試みの結果 を基 に, フオニ ックス読み学習 まで含 めて さらに内容 を修正 し,一つの方向性 としては短期 集中型文字学習, もう一つ はゆっ くり時間をかけ,授業の一つの活動 として 文字 を教 えてい く長期分散型文字学習の二つの タイプの英語の文字学習 プロ・

グラムを構築 してい くことである。

(引用 ・参考文献)

(1)樋口忠彦他編 『これからの小学校英語教育‑ 理論 と実践』2005,研究社.

(2)北候礼子 ・松崎邦守 「小学校英語教育に対する生徒 ・保護者の意識調査 :山 梨県 中学校の場合上越教育大学研究紀要』2003,23,1,pp.1‑10.

(3)岡秀夫 ・金森強編 『小学校英語教育の進め方』2007,成美堂

(4)特定非営利活動法人小学校英語指導者認定協議会編 『どうなる小学校英語 「 修化」のゆくえ』2004,アルク

(5)鳥飼久美子 『危うし !小学校英語』文春新書,2006,文蛮春秋社 (6)文部科学省HPhttp://www.mext.go.jp/

表 3 英語活動の主 たる指導者別時間数 第 1 学年 第 2 学年 第 3 学年 第 4 学年 第 5 学年 第 6 学年 学級担任教 員 9 4 . 8 % 9 4. 7 % 9 4

参照

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