精神薄弱児のPersonality
Ⅱ
「硬さ」に関する実験的研究 水 田 善 次 郎
研 究 目 的
Lewin, K:・(7)の力動理論にはじまった精神薄弱児の硬さ(rigidity)はその概念規定:
のあいまいさのために,:Kounin, J. S.(6)とWerner, H:.(12)の論争となり, Goldstein,
K.(3)(4)やSarason, S. B.(9)あるいはZigleちE.一派(10)(11)(14)の批判を受けた。
LewinやK:ou亘in(5)は精神薄弱児のパーソナリティーそれ自体が硬いのだと主張す る。これに対して,Goldsteinは「硬さ」は精神薄弱児のみの特性ではないと主張する。
また,Zigler一派は精神薄弱児はより多いrigidな反応を示すが,それは精神薄弱児なる・
が故のものでなく,彼らがおかれているSocial deprivationのためであると主張する。
Wemer(13)はGoldsteinが一次的硬さと二次的硬さとに分けてい,るように,視聴覚的面
心の再生実験の結果から,硬さは単一特性(uniform trai七)ではなく多様特性(multi−
form七rai七)であるという。しかし, McMurray, J. G.(8 は自分の実験結果から,
Wemerが指摘するようなsubnormahigidityとabnormal rigidityとに分けること.
はできなかったと述べている。
このように,①精神薄弱児のパーソナリティー構造自体が硬い特性を備えているのか。
②ある特定の状況に対してのみrigidな現象がみられるのか。③精神薄弱児の中のある種.
のtypeの個人だけがrigidな特性を有しているのかなどについて明確な実験的例証を 示してくれる研究はなされていないようである。
これらの問題を解明するためには,まず,精神薄弱児の硬さを測定すると思われる作業 課題を整理する必要があると思う。そこで,精神薄弱児の硬さあるいは固執性を測定する
と思われる数種の検査及び知能検査や性格検査を精神薄弱児及び正常児に実施し,因子分 析をすることにした。ただし,今回は精神薄弱児のみを対象にした。
研 究 方 法
1.被 験 者
某精神薄弱児収容施設の園児,男子26名,女子14名,合計40名を被験者として用いたσ
被験者のCA範囲は9才0カ月〜15才11ヵ月, IQ範囲は38〜77である。
2.実験課題
全被験者を対象に,次のような実験課題を実施した。
A WISC(日本版)知能検査
WISC知能検査(児玉・品川共著一日本文化科学社発行)の実施に当たっては言語性
検査として,一般知識理解問題,算数問題,類似問題,単語問題,動作性検査として,絵画完成,絵画配列,積木模様,組合せ問題,符号問題の10個の下位検査を実施した。
B 幼児・児童性格診断検査
幼児・児童性格検査(高木・坂本共著一金子書房発行)は①顕示性,②神経質,③情緒
50 長崎大学教育学部教育科学研究報告 第16号
不安定,④自制力,⑤依存力,⑥退行,⑦攻撃,⑧社会性,⑨家庭への適応,⑩学校への 適応,⑪体質的不安定の下位検査で構成されている。本研究においては被験者が施設収容 児であるために,⑨家庭への適応,⑩学校への適応の項は除外した。記録は担当の保母に
依頼した。
C 語の連想検査
語の連想検査はことばのはじめに「あ」のつく単語を知っているだけ答えさせる検査で
ある。同 じように,ことばのはじ,めに「さ」,「や」,「ま」のつく単語について答えさ
せた。検査時間はそれぞれ60秒である。4種の連想語の合計数を得点とした。D 注意分配の検査
注意分配の検査はイの課題とロの課題とに分かれている。イの課題は1〜20までの数字 がFig Iのように,順序正しく描かれている。その数字を1から順に呼唱しながら斜線で 消す作業である。ロの課題は1〜20までの数字がFig聾のように,直径10センチメートル
の円の中のでたらめな位置に描かれている。その数字を1から順に呼唱しながら消す作業 である。イの課題,ロの課題の作業の所要時間を求め,ロ/イの値を得点とした。
Fig五
:Fig I
1 2 3 4 5 6 7 8 910
11 121314151617181920
9 17
7 314 19
12 6
1813 4 8 1
15 2011
2 16
5 10
E 抹消検査
抹消検査はイの課題とロの課題とに分かれている。イの課題はFig皿のようなものを幽 しいて,上方の2つの見本と同じものを斜線で消していく作業である。ロの課題はイの課題
Fig皿
[ゴ{コ
ゴロ四コ[泊油漉ロロ
τコロ{コ白巨ロロ{コロ[ゴ
ロ1コ[ゴ{コnロ〔Hゴ 白[コ
[}ロ月[コ白鍵白鯨ロ[}
と全く同じ材料を用いるが,上方の2つの見本以外のものを斜線で消していく作業であ
る。制限時間はイの課題,ロの課題ともに60秒で,それぞれの課題において消した数を求め,ロ/イの値を得点とした。
:F 数字書記
数字書記検査はイの課題とロの課題とに分かれている。イの課題は1〜9までの数字を 順序正しく,くり返えし書く作業である。ロの課題は1〜9までの数字を,でたらめの順 序で書く作業である。制限時間はイの課題,ロの課題とも60秒で,書いた数字の数を求
め,ロ/イの値とロの課題における誤数(正しい順序で書いた数)とを得点とした。
G 打叩検査
打叩検査はイ,ロ,ハの3つの課題に分かれている。イの課題はFig Wのような枠の中 に,「3つの点」を打っていく作業である。ロの課題とハの課題もイの課題と同じ大きさ の枠の中に点を打っていく作業であるが,ロの課題は「2つの点」を,ハの課題は「3つ の点を打つたら,次の枠の中には2つの点」を打つというように,3個と2個とを交互に 打っていく作業である。制限時間はイ,ロ,ハの課題とも60秒で,それぞれの課題につい
て正しく点を打った枠の数を求め,ロ/イの値とハ/イの値とを得点とした。
Fig IV
1■
1 ノH 絵の認知検査
絵の認知検査としては「牛から馬へ」と少しずつ変化させて描いた10段階の絵を用い,
スライドで牛の絵から順に提示し,それぞれの絵について何の絵に見えるかを答えさせ た。そして,答えが馬に変化した段階の番号を求めた。その他,「蝶からトンボへ」,「
リンゴからクリへ」,「にわとりからアヒルへ」についても同様な検査を行なった。4種 の変化した段階番号の合計を求め,その値を得点とした。絵の提示時間,絵と絵との間の
時間はそれぞれ4秒である。トンボから蝶への10段階の絵は:Fig Vの通りである◎
:Fig. V
『
亀胴部
8 9 − lo
粥
粥
1 反応時間の検査
反応時間の検査は運転適性検査用の反応時間測定器(竹井機器K:.K.製作)を用いた。
52 長崎大学教育学部教育科学研究報告 第16号
この測定器は検者が,椅子にかけている被験老の前方150センチメートルのところにある 衝立に赤,黄,緑の3個のランプを別々に点灯し刺激を与えることができる。そして,赤 黄,緑の3個の光刺激に対して,被験者は右手のキイをはなすことによって緑を,左手の キイをはなすことによって黄を,右足のキイを押すことによって赤を消すことができる。
検者によってラ、ソプが点灯され,被験者の作動によってランプが消されるまでの時間が反
.応時間として測定される。この測定器を用いて,以下に述べる6つの課題の反応時間を求
め,12個の得点を出した。
イ 右手→左手
右手→左手は平常時の左手の反応時間(:Lo)(反応時間を5回求め,中間の3回の平均 である)を求める。ついで,右手を4回訓練した後の左手の反応時間(L1)を求める。
同様にして,L2,:L3を求め, L1, L2,:L3の平均(Dを求める。そして, L3/L1の
値とτ/:Loの値とを得点とした。以上の方法を記号で示すと次の通りである。
平常時の左手
L L L L L
L十L十L Lo= 3
右手を訓練した後の左手
RRRR:LIRRRRL2RRRRL3
τ一L1+㌔2+L3
ロ 左手→右手
左手→右手はイの課題を,反対側の手について行なう。R3/R1の値と豆/Roの値とを
一得点とした。
ハ 左手・右手→足
左手・右手→足は記号で示すと次のようになり,F3/F1の値とτ/Foの値とを得点と
した。
平常時の足の反応
F F F F F
Fo
左手・右手を訓練した後の足の反応
LRLR
ア=
:LR:LRFILR:LR:LR:LRF2LR:LRLR:LR F3
F1十F2十F3
3
二 右手・左手→足 以下同じ要領による。:F3/F1の値とrF/:Foの値とを得点とし
1た。
ホ 右手・足→左手 L3/:L1の値とτ/Loの値とを得点とした。
へ 左手・足→右手 R3/R1の値とR/Roの値とを得点とした。
(注)飽和と共飽和の検査 飽和と共飽和の検査はLewinやKouninの手続きと全く同じ方法を 用いて行なった。結果は余りにも個人差が大きく統計にのせられなかったので集計から割愛し た。
結果並びに考察
上記39個の測度について, ピアソンの積率相関係数により内部相関を求めた。 結果は
Table Iの通りである。
2 4 5
W I S C
知 能 検 査
口
紐
口口
性
動 作 性
知 理 算 類 単
識 解 数 似 語
1 2
34 5
完 成 6 配 列 7 積 木 8
組合せ 9
符 号 10
語 性 格 検 査
顕 神 情
自
依
退 攻 社 体
の示 経
緒不
制 存 行 撃i衝
会
質的
連
性 11 質 12 安 13 力 14 的 15 的 16 動 17 性 18 不 19 想 20 注 意 の
抹 消
数字書記
同 上
打 叩
分 配 21 ロ/イ 22 ロ/イ 23 誤 数 24 ロ/イ 25
同 上 ハ/イ 絵 の 認 知 右手→左手
反
左手→右手
応 左手右手→足 時 右手左手→足 間
右手足→左手 左手足→右手
26 27 28 29 30
31
32 33 34 35
36 37 38 39
(743)
658 (658)
743 450 (743)
640 371 517 (640)
217 −016 −007 197 (324)
543 570 431 571 565
429 460
191362 516
405 702 480 607 487
373 −009 (642)
482 107 421 (702)
400 044 642 433 289 079 587 564 233 320 468 642
(709)
709 (709)
391 502 (642)
一137 −081 −020 −092 −297 −099 −108 059 −076 −194 (638)
一167 −353 −161 −187 −240 −131 −061 −072 −174 −192 365 (591)
186 130 173 066 −003 −019 160 019 211 014 −107 368 (517)
051 160 079 032 −324 102 114 2∠鱒 044 124 335 545 295 (549)
253 182 285 056 −156 184 189 330 339 289 105 −004 349 484 (484)
189 312 149 194 −181
−085 −125 −084 −028 −173
153 172 −021 157 083044 −012 090 114
061 379 279 349 269 −070086 081 231 076 −002
−168 −188 −055 299 136
−104 103 −168 −060 098 156 074 054 −067 137 285 185 468 327 326
279 290 638 591 102 024 196 403
200−004
268 093 517 257 005
549 288 (952)
359 −076 277 (638)
123 224 068 −056 424 239 952 258 260 225 335 129
(517)
一107 (952)
005 205 (472)
540 503 477 156 106 021
−470 −420 −446
359 −248 430312 366 153
305 −015 361 476 334 523 541
097 275 040 271 432 283 123−251 −129 −449 −388 −293 −438 −552
053 一奮77 237 383 259 380 439 244 062 168 341 −001 035 361一124 130 219 135 268 018 027
−041 113 143 101 −056 007 012 289 175 −165 −035 −288 126 302
−257 −105 183 171 339 −029 −316
−204 −13r OO8 −135 036 051 −021
056 173 472 (541)
一〇12 086 003 −129 023 −040 −404 528
−049 032 239 −367 162 085 317 358
(432)
一101 (639)
一136 −639 (639)
078 227 −119 (658)
449 428
028 054
−039 088
109 160
−027 −043
332 161 065 038 −097 016
223 −034 −133
081 251 −030 142 048 −164179 046 203 4ア8 110
−278 −197 −157 一雀63 −274
−005 −191 −017 181 −004
027 002 016 −350 −123 225 041 116 048 093099
−073
−069
−052
122
−032 276 044
007
−094
166
−10了 398
−311
−203
−285 一128
−205
−182
−02Q
188 317 069 109 324 101 029
275 369 131 184 279 −129 011−182 007 −268 −162 033 −005 003
−070 151 −028 025 −031 221 224 040 −007 030 065 −159 154 −130
199 296 262 193 068
−193 −218 −108 −219 −086 015 −223 −051 −213 023
−040 −182 −039 −065 −056
−043 −003 −019
015 164356 106 039
−QO3
044
−135
035
−126
268 141
−044
0了3 127 068 103
−064
一〇38−037
067
145
083 −050 100 243 203 069 222 092 −079 147 −167 065 138 −011
−025 119 047 −220 091 061 099
−072 030 −276 257 280 −080 −239
−029 −099 −140 −128 一望77 −194 −061
025 −199 −066 −098 −184 −145 142 −118 −338
065 −139 −084 293 −049 −162
052 093 183
208 203 153 142
一〇45
司10
−031
−036
079 129
−047
−01了
一164 −324 −256
−095 −125 010
−002 245 −214 071 010 166
045 125
141143
078 240 232 285
331
263
−262 077
447 312 124 136 −119 658 (658)
一108 072 276 115 −092 −011 −110 (369)
一〇93 078 −124 175 −008 108 105 −159 (396)
一〇88 −144 −100 003 −209 301 169 −122 −282 (301)
213 034 −090 −154 215 −020 −171 −275 096 −118 (275)
000 −026 −314 −206 014 319 −008 253 −076 −396 153 −027 −084 017 213 −294 056 060 −133 −132 098
143 −098 −223 −110 −255 −095 050
161 190 233 324 304 −089 −122060
−032
−034 134
一〇75 069
−151
−104 020 054 094 313
257 236 248 204
021 019 384
−043
033
−081
−140 006
司72 司03
−287
−G了0
一〇24 −052 −180 154 −291 232 −058
−081 −030 −190 −069 079 228 −024
−007 128 −122 一!42 100 −173 074
−013 −165 056 −173 208 −078 −015 198 090 240 022 294 −077 −013
108 146 258 211
081
−275 215
0了8 一〇59
司76
230 345
一〇〇3 119
−247
−170 一396
−393
292
−0了6 一〇20
引77
−170
−258
192 134 217
−0了9
(478)
099 (396)
一〇22 338 (338)
一239 107 229 (350)
021 −124 −018 −196 (342)
205
−156
−122
−2了5 質0 026 029
−211 285 281
−173
059
019 157 188 175
024 148
−073
342
(398)
340 (393)
035 −152 (384)
159 201 266 (345)
精神薄弱児のPersonali七y(水田)
55
内部相関から,サーストンのセントロイド法によって因子分析(1)を行なった。タッカー の方法により第VI因子までが有効である。 Table皿は因子負荷量を示したものである。
Tble皿 Centmid因子行列
Tes七
知 識1 w言理 解2 1語算 数3 S性類 似4 C 単 語5 知 完 成6 能動配 列7 検早早 木8 査性組合せ9 符 号10
顕示性11 癖馬緒経不劉1
格最禦魏
検退行的16
査重言回想訓1 体質的不19
語の連想20
注意の分配21 抹消ロ/イ22
教字書懸軍/イ23
同上戸数24
打叩ロ/イ25 同上ハ/イ26
絵の認知27
右手→左手28
29
左手→右手30
反 31
応左手右手→足32
33 時 右手左手一今足 34
35
間
右手足→左手 36
37
左手足→右手 38
39
Factor
l Hl囲酬v固
724 556 606 485 049 562 684 615 672 657 084 123 394 409 458 519 158 196 433 540 493 255
−390 253 303 465 166
−173 077
−072 147
−321
司63 −191 286 264 064 085 163
337 132 284 455 265
371413 289 314 278 一465
−561
−278
−508
−300
−443
−411
−195
−549
−091
−105 187
−443 179 078
−200 138
−199 144 076 512 115 059
−128
−271 105
司55 −157
−373 109 147
−058 138 313
−249
!76
−343
−129 073
−194
161175
−161
−289
−163 074 377
−108
−314 296 i36 479
−516 372 314 215 157 229
−325
151−089
−229
−271
151−386
−500
−221
−244
一222 −205
−338 −169
−238 −253
−113 193
112司31
−074 053
058 −157050 163
−045 −091
−102 −277
−235 446
213 342371 −189
205 145
148 −331
176 409
−287 532
203−203 198 119−359 −038
−475 −097
316 124
−141 408
142 −453−455 −059
−491 −132
297 087
一一R34 −341
−106 363
−198 −093
079 380
−319 283
−277 257
−254 −093
−095 −145
−092 359
116 048−368 −410
−118 −188 一104
−149 180
−249
−218 062 242 262 378 175 164 244
−099 261 192 一439 278
−116
−194 司61 257 099 195 082
−233
−178
301258
−059
−063 148 132
−167 208
−192
−266
−185 248
−119 h2
552
513
604
673
448
528
756
677
720
632
542
578
446
582
552
883
642
314
592
555
643
244
802
594
501
645
279
389
226
168
479
323
253
243
245
438
328
446
289
更に・因子の解釈を有利にするために斜交軸回転を行なった。Table』は回転後の因子
負荷量を示したものである。
Table皿 回転後の因子負荷量 Test
1
2 3 4 5 6 7 8 9 10
1112 13
!4
15 16 17 18 19 20
2122 23 24 25 26 27 28 29 30
3132 33 34 35 36 37 38 39
Fac七〇r
1 Hl孤1wlv1M
16 24
0134
0110
−12 00
−19
−12 26
0100 00
−15 69
21−03 35 39 00
−09 00
−22
3133
−29
−29
2107
−02 03 30
司2
2149 23
−13 16
一〇1
−17
−13 00 09 10 41 24 35
21−25 05 00 00
−01
−49
−10 00
−24
−41
−01
33 00 08
−25
−37 47
−01
03
−17 40 00
−27
−08
−27
−29
−28
司1
−37 07
−07
−07 00 27
−05
4100 19 24
−43 09
3100 06
−34
−27 32
−15
−44 00 34 00 02
−11
−18 43
01−02
−28 21
−27
−44
−25
−05
−44
−32
司7 −28
一〇3 1120 00
−24 02
−38 00
−20
−21
46 13 00 24 23 68 30
司0 47 48 00
−35 00
−03 10 27
−39 00 司3
18
−31
05 30
11 2144 40 09 39
40 45 54 00
−03 08 28 00 29 42
01−11
00 00 23
−31
10 10
−09
3167
−25 00 09 43 58
−09 44
−08 07
−21
−01
−10 19 23
−24
−23 54 19
一20
−07
一27 18 23 27 00 12 12 00 02 08 00 00 26
31
一15
−09 25 53 00
−30
−43 35 13 27
−45 03
−21
30
−24
−07 20 18
2130 38 32 43 ※斜行軸回転による
ると言っているので,因子皿は「情緒」の因子と考えられる。因子IVは「自信」の因子で はないかと考えられる。秋山氏(15)も「硬さ」に関する因子分析の結果,自信の因子を見 出している。因子Vは「知的能力」の因子と考えられる。因子VIは「固執性」の因子と考
えられる。
Table mこよると,因子1は4番の類似 問題を中心に,16番の退行的,29番,33
番,36番の反応時間に高い負荷量を示して いる。因子Hは8番の積木模様を中心に,6番の絵画完成,7番の絵画配列,22番の抹 消検査,27番の絵の認知,31番の反応時間 に高い負荷量を示している。因子盟は13番 の情緒不安定を中心に,5番の単語問題,
7番の絵画配列,18番の社会性,22番の抹.
消検査に高い負荷量を示している。因子IV
は14番の自制力を中心に,11番の顕示性,
12番の神経質,17番の攻撃衝動,19番の体
質的不適応,30番,32番,33番,37番の反応
時間に高い負荷量を示している。因子Vは 21番の注意の分配検査を中心に,1番の知識問題,2番の理解問題,3番の算数問題 10番の符号問題,25番,26番の打叩検査,
28番,34番,35番,38番の反応時間に高い 負荷量を示している。因子Wは23番の数字 書記検査を中心に,12番の神経質,27番の 絵の認知,15番の依存的,20番の語の連想
検:査,24番の数字書記の誤数,30番,29番.
の反応時間に高い負荷量を示している。
従って,因子1は知的能力の因子のよ うであるが,はっきりしない。 因子皿は.
Dyamond, S・(2)がWl SCの因子分析の結
果,絵画完成,積木模様,組合せ問題の3つの下位検査は空間的なものであると指摘
しているので,「空間」因子と考えられ る。Dyamondは絵画配列は情緒因子であ
総 括
①精神薄弱児の硬さに関する文献的研究(15)の結果,精神薄弱児のパーソナリティー
精神薄弱児のPersonality(水田)
57
構造それ自体がrigidityなる特性を備えているのか,ある特定の状況に対してのみrigid な現象がみられるのか,あるいは精神薄弱児の中のある種のtypeの個人だけがrjgidな 特性を有しているのかなどについて明確な実験的例証を示してくれる研究はなされていな
いようである。
②そこで,まず精神薄弱児の硬さを測定すると思われる実験課題を整理する必要があ るのではないかと考え,施設にいる精神薄弱児40名を対象に,9種類の硬さに関する検査 とWISC知能検査,性格診断検査を実施し,変数39個について因子分析を行なった。
③その結果,6個の因子を抽出した。それらは一応,空間因子,情緒因子,自信の因
子,知的能力の因子,固執性の因子と考えられる。しかし,残り1つの因子に関しては明確な解釈をすることはできなかった。
④ 今後,各検査の吟味はもちろん,正常児にも同じ検査を実施し,Q技法による因子
分析を行ない個個人について検討を加えていきたいと思う。
本研究をまとめるに当って,終始御指導を賜った広島大学の三好先生,小林先生をはじ
め,教室の諸先生に深く感謝いたします。
参考文献
(1)Benjamin, F.:In七roduction to factor analysis. New York. Dvan Nostrand Co.,
1954, 56−86, 132−148.
(2)Diamond, S.:The Wechsler・Bellevue Intelligence scale and certain VocatioaaI aptitude tes七s. J, of PsychoL 1947,24・,278噂282.
〈3)Golds七ein, K.:Conceming rigidity, Character&Peτs.1943,11,209−226.
(4)Goldstein, K:Rigidity. PsychoL Bull.,1942,39,461一
く5)K:ounin, J・s・:Experimental studies of rigidi七y.1. The measurement of rigidity i丑