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油脂添加が米飯バンの製パン性に及ぼす影響

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(1)

油脂添加が米飯バンの製パン性に及ぼす影響

著者 藤田 沙南, 村上 陽子

雑誌名 静岡大学教育実践総合センター紀要

23

ページ 69‑75

発行年 2015‑02‑27

出版者 静岡大学教育学部附属教育実践総合センター

URL http://doi.org/10.14945/00008889

(2)

静 岡大学教育学部附属教育実践総合 セ ンター紀要 No23 p 69〜75(2015)

論文〉

油脂添加が米飯バ ンの製パン性に及ぼす影響

藤田沙南中,村上陽子オ*

Effects ofLiplds on the Phvsical Propertles ofBread〜 は にfrom Cooked Rice

Shanan FUJITA*and YokoヽJIυ痙訟ふI*ホ

Sunlmary

erect of addmg coOkcd● tO whcatflotr ttad was cxanmed by me ltS,け●CJ prOpcrtles Six● "As Of

h‐ead welc prcparcd■vc cOntal」鴫 10‑500/。 ●●OkOd nce and onc● ontlnmg w a■Olr Thc spcciflc 10afvOlume ofule ad om働面 ng 10‑200/。 cOOkcd●ce was ttdarto饉前 ofthe n heatllour bre認 ■

"10af"lumc was enlarged w addl埓 lplds Thc harancss of ttc whcat■ Ollr brcad was thc lowe As thc prOpomOn Of cookcd jcc addcd to thc brcad hcrcnscd, hardness increased as wcn Thc hardness Ofぬ c brcad cOntalnmg 50%cooked Hce was hardcr thallぬofwheat nour brcad

・hcn llplds were added,J■ Ough llplds tcnded reduce h haraness ofthe bread Ъe cOhcs市cncss of■ c brcnd cOntalnmg

∞ oked ice and Lplds was lowcr ulan dlat oftllc wheat nour brend The adhes市 clless Of ulc c∞ kcd五cc brcad宙ぬ Lpids wasiowu than that of ulc c。 ked五cc brcad widlout upids

キーワー ド パン,米,物理特性,油

目的

米は,我が国の主食 である。一方,食の洋風化 を背 景 として,米の消費量は減少の一途 を辿 つてお り,米

の消費拡大 と用途拡大が求め られている。農林水産省 では,主食 となるパ ンや麺等の小麦粉食 品における米 粉使用 を推進 し研究 を進 めている 。→。 しか し,米 にはグルテ ンが含まれていないため,グルテンや増粘 多糖な どの日1材料により膨化性 を補完す る必要がある

。。また,製パ ン性 向上のために,米粉パン用の米粉 にはデ ンプン損傷の抑制 と微細な製粉が求められ るが,

そのためには高価な製粉設備 と多大な コス トと手間を 要す る。

そこで本研究室では,添加す る米の形状 として炊飯 米に着 日して研究 を進 めている。炊飯米 を用いる利点 として,①製粉が不要であるため,手間や費用がかか らない,②予め炊飯す ることによ り,糊化 したデ ンプ ンの粘 りによるガス保持力が増加 し,膨化性が向上す ,③食味が良好であることが挙げ られ る。

前報 r)において,米飯 を用いてバ ンを調整 した と ころ,米飯パンは米粉パ ンより製パ ン性 と食味に優れ ていること,ま,米飯パ ンは米飯の配合割合が増加 す るに伴い,硬さが増カロす ることが示唆 された。一方,

奥西 ,炊飯米 を用 いたパ ンの硬 きは,米飯の配

*静岡大学大学院

*静岡大学家政教育講座

合割合に関わらず,小麦粉パンよ り顕著に低い として いる。 これ ら結果の相違は,油脂の影響が考 えられ る。

すなわち,奥西は油脂 を添加 してパ ンを調製 していた ",著者 らは米飯 自体がグルテ ン形成やパ ンの物 ,ならびに食 味特性 に及ぼす影響 を探 るために油脂 を添加 しなかった。油脂はパンの内相組織の改良や容 積の増大,機械耐 性の向上,風味の添加な ど製パ ン性 や風味に影響 を与 えるlll lか ̲方で油脂 は,主

原料 である粉・水・ 塩・イース トと異な り,製パ ン材料 と して必須成分ではな く,添加物 (副材料)の一つ と見 なされているlD 1つ

そこで,本研究では,油脂の添カロが米飯パ ンの製パ ン性に及ぼす影響 について検討 した。油脂の添加が米 飯パンの製パ ン性 に及ぼす影響について検討 した報告 はなく,本研究の新規性 といえる。

方法

(1)米試料および炊飯米の調製材料

米盪 ヽン用の米 として,自米 うるち種のキヌ ヒカ リ (静岡県産,平 24年)を用いた。米成分中の水

分含量は常圧加熱乾燥法,アミロース含量は簡易 ヨー ド比色定量法 1の によ り測定 した。 タンパ ク質含量は ケルダール法によって窒素量の測定 を行い,換算係数

595を乗 じて タ ンパ ク質含 量 と した (水分 含 量

16.4%,ア ミロー ス含 量 200%,タ ンパ ク質含量 88%)。 米 は玄米の状態のまま 5℃で貯蔵 し,実

69

(3)

藤 田沙南 ・村上陽子

時に精米機 (匠味米 M卜RC02SW,山本電気株 式会社)

を用いて 90%精自した もの (精自米)を試料 として 用いた。米(150υ3倍量の蒸留水で5回すす ぐよう に洗 い,20℃ (クールイ ンキュベーター CN 25C,三 菱電機エンジニア リング)に30分間吸水 させた。

炊飯 に用いる水の量は,吸水分 も含めて米重量の 15

倍 とした。炊飯は炊飯器 (タイガーマイ コン炊飯 ジャ ー炊 き立て ミニ JAI朝550 WU,タイガー魔法瓶)で

行い,炊飯終了後 しやも じでかき混ぜた後,ボールに

移 し,常温に冷ま してから使用 した。

(2)バンの調製

パ ンの調整 は既報 に準 じた 。食バンは自動ホー ムベーカ リー (SDttH104つ,松下電器産業)を用いて 中種法にて調製 した。小麦粉パ ン調整時は,本機の ド ライイー ス ト・食パンコース (ねり・ねか し・発酵・

焼成の合計時間4時),炊飯米使用時は,ごはん/

米粉・ ごはんコース (ねり・ねか し 。発酵・焼成の合 計時間4時)にて山型パンを調製 した。焼き上がっ た米飯パンには米粒は見 られない状態であつた。

パ ンの基本的な配合材料は,ホームベーカ リーの基 本生地の配合 に基づ き,強力小麦粉 250g(日清製粉,

カメ リヤ), ドライイー ス ト(日清フーズ,スーパー ドライ)288,ス ク ロ 17g,食 5g,蒸留水

180mlと ,これ を基本の生地 として 「小麦粉パ ン」

とした。油脂は,無塩バ ター (雪印メグミルク株式会

)を用いた。油脂 の配合 について,Carlinnは

麦粉に対 して 2〜6%が適当としてお り,奥西"は

飯米 を用いたバ ンにおいてバ ター10g(乾物重量に対 4%)を添加 していた ことか ら,本研究における油 脂添加量を 108(乾物重量に対 し4%)と した。基本 の生地の小麦粉の一部を米飯で置換 したパ ンは 「米飯 パ ン」 とし,乾物重量換算での置換割合 も同時に示 し

,<ya&#. 材料の配合量 (g)

(表 1)。 小麦粉 10%を米に置換 したパ ンを 「米 10%パン」 とし,本稿では 「米飯 10%パン」,ま

たは 「10%バン」のよ うに記載 した。

(3)比容積およびテタスチャー特性

製造 したパ ンは,焼成後,型から取 り出 し,常温に 1時間放冷 し,実験に供 した。パ ンは,菜種法 Ю) により比容積 (体/重)を算出 した。

パンは厚 さ20mloに切 り,外皮側2 0cmを除いた内 相部 (ク ラム)につ いて縦・横・ 高 さが 20× 20×

20nllになるよ う試料片 を作成 した。パンのテ クスチ ャー特性 ′)は,卓上型物性測定器 (TEkTUtt PROFILE UNIT TPU 2C,山),円柱状プランジャー (接触面 直径 60m)を用いて,ク リアランス51nn,上下移動 速度25m/secの条件で硬 さ,凝集性,付着性 を測定 した。測 定 した結果 は,自動解析 装置 (Model TA―

TPU2,山)で転送 し解析 した。製パ ン性 (比容積,

物理特性,色彩構成)に関 して得 られたデータは,分 散分析 (Tukey法)により有意差 を検討 した。

(4)バンの色彩構成

バ ンのクラム (内)およびクラス ト(外)の 彩構成は,「色彩色差計 Ct400/410」 (コニカ ミノ

ルタ センシング株式会社)により,い (明),

a*値 (a*は赤方向, a*は緑方向),b値 (bⅢは黄方 ,鋤*は青方向)を測定 した。

(5)官能評価

油脂添加が米飯パンの食味に及ぼす影響 について検 討 した:調査対象者は本学教育学部学生 14名 とし,

順位法 と評点法を用いた。米飯パン (10〜50%)に いて,油脂添加・無添加のものを調製 した。実験試料 ,物理特性 と同様 にクラムか ら切 り出した 20nu角 の立方体 とした。評価項 目については,生地の様子,

,香り,  しつとり感,もちもち感,軟らかさ,味,

総合的な好ま しさとし,油脂添カロした もの と無添加の ものについて,それぞれの配合害1合において どちらが 好ましいか評価 してもらつた。

結果および考察

(1)比容積

調製 した米飯パンの断面写真 を図 1,比容積 を図 2

に示 した。

小麦粉パ ンであるが,油脂無添加 4 17cm3/g,油 脂 添加4 65cn13/gであ り,油脂添カロにより比容積が有意 に増カロした。

米飯パ ンであるが,米飯の配合割合が比容積 に及ぼ す影響についてみると,油脂無添加の場合,米飯 の配 合割合が低い場合は小麦粉パ ンより高く,配合割合の

225 200 175 150

225    25 200    50 175     75 160    100 125    125

25    152 5      0 50    125 0      0 76     97 5      0 100      70 0      0 125     42 5      0 250     0    180 0     10

152 5     10 125 0    10 97 6    10 70 0     10 42 5     10

※各種パ ンについて,上記材料 にカロえて ドライイース ト288, スクロース170g,食 Ogを添加 した。

各種パンの配合割合

(4)

油脂添加が米飯バンの製パン性に及ぼす影響

1各種パンの断面 図

小麦粉′`ン,米飯パン(10%,20%,30%,40%,50%)について,断面図を撮影した。

油脂 添加

油 脂 添 加 が 米 飯 バ ンの 比 容 積 に 及 ぼ す 影 響 1旨添加の有無による有意差は,t検定を用いた (*pく005,林

pく001)。 米飯配合割合の影響については,油脂無添加,または 添加,それぞれの場合について有意差を検定 した (tukey法).

異なるアルファベ ッ トは有意差があることを示す(pく005)。

小文字は油脂無添加,大文字は油脂添加の場合を示す (F3)。

一 3

増加 に伴い有意に低下 した。油脂添加の場合において ,同様の傾向が見 られた。油脂添加 と無添加を比較 す ると,いずれの配合割合 においても,油脂添加 した ものは油脂無添加のものよ り比容積が増大 した。以上 より,油脂添加によつてl‐L4容積が有意に増加すること, 特に米飯の配合害」合が低い場合にその増加率が大きい ことが示唆 された。

一般に油E●Lは,パン生地中のグルテン とデ ンプンの 界面に沿つて単分子膜状に広が り,潤滑油 として作用 ,イース トの醗酵によつて生ず るガス保持力を増 し,

膨張力 を向上 させ る 鄭)。 本研究のfpt果よ り,米飯バ ン においても,油脂 による膨化増大効果があるといえる。

一方,米飯 の配合割合が高い場合,膨化性 は小麦粉バ ン より低かった。 これは米飯添加 によ リグルテ ン含有量 が低下 した ことに起因す ると考 えられ る。 グルテン添 加の影響 については今後検討 してい く。

(2)硬

小麦粉パ ンは,油脂添カロによつて硬 さがやや減少 し

た ものの,無添 加 の場合 と有意差 は見 られ なか った (図 3)。

米飯 の配合割合が米飯バ ンの硬 きに及 ぼす影響 につ いてであるが,油脂無 添加 の場合,米飯 の配合割合 の 増加 とと もに硬 さが増加 した。油脂添加 の影響につい てみ る と,40%まで は小麦粉パ ンとの間で有意差はみ られ なか つた が,米飯 の配合割合 の増加 に伴い,ガ 粉パ ンよ り有意 に硬 さが増加 した。以上 よ り,米飯 パ ンにおいては米飯 の配合割合の増加 に伴 い硬 さが増大 す るこ と,その傾 向は油脂添加時 より無添加時におい て顕著である とい える。

奥 西の報告 で は,米飯パ ンの硬 さは小麦粉バ ンと比 べて著 しく減少 し,米飯 添加 量 に関わ らず低 い値 を示 してい た 。。 しか し本研究 では,油脂 を添カロした場 ,50%パンにおいて小麦粉パ ンよ り硬 さが有意 に増 加 した。結果 の相違 の理 由の1つと して,米の品種 の

相違 が考 え られ る。本研究はキヌ ヒカ リを用いたが,

奥 西 "はコシ ヒカ リを用 いていた。米粉 バ ンにおい ては,米の品種 間の差 によ リパ ンの物理特性 に相違 が 生 じる こ とが報 告 され てい る 。)2つ 。 この こ とか ら,

10%パ 20%パ

漸鰤

L tt A tt fl占

(5)

藤田沙南 村上陽子

︲ ︲ A

油脂添加が米飯バ ンの硬 さに及ぼす影響

油脂添加の有無 による有意差は,t検定を用いた (*pく005,林

p<0.01)。 米飯配合割合の影響については,油脂無添加,または 添加,それぞれの場合について有意差 を検定 した (tukey法)。

異 なるアルファベ ッ トは有意差があることを示す0く005)。

小文字 は油脂無添加,大文字は油脂添加 の場合 を示す (F12)。

油 脂 添 加 が 米 飯 バ ンの 凝 集 性 に 及 ぼす 影 響 油脂添加の有無による有意差は,t検定を用いた (*pく005,将

pく001)。 米飯配合割合の影響については,油脂無添加,または 添加,それぞれの場合について有意差を検定した (tukey法)。

異なるアルファベ ッ トは有意差があることを示す0く005)。

小文字は油脂無添加,大文字は油脂添加の場合を示す 0=12)。

米 の品種 間の差 に よ り製バ ン性 に相違 が生 じた と考 え られ る。 油脂 添加 が米飯 パ ンの硬 さに及 ぼす影 響 につ い ては,品 種や 油脂添加量 を変 えて さらに検討 す る必 要 が ある。

(3)凝集性

小麦粉ノ`ンでは,油脂 添加 に よ り有意 に凝集 性 が増 カロした (図4)。

米飯パ ンについ て,米飯 の配合割合 が凝集性 に及 ぼ す影 響 をみ る と,油脂無 添加 の場 合,凝集性 は米飯 の 配 合割合 の増加 に伴 い低 下 した。 油脂 を添加 した場合 におい て も,同様 の傾 向が見 られ た。 油脂 添加 と油脂 無 添加 を比較す る と,油脂 添加 に よ り10%では凝集

性 が有意 に低下 し,40%〜50%では凝集 性 が有意 に増 カロした。

油脂 添加 に よ り凝集 性 が低 下 したのは,パン生地の

弾力性 が弱 く,変形 に対す る回復 力 が悪化 したた め と 考 え られ る2い 。反対 に,凝集性 が増加 したの は,米

飯 の配合割合の増加に伴い低下す る凝集性が油脂添加 によつて抑制 されため,すなわち,パン生地の弾力性 が強 くな り,変形に対する回復力が向上 したためと考 えられ る。

(4)付着性

小麦粉パ ンでは,油脂添加によ り付着性はやや減少 していたが,油脂添加・ 無添加の間に有意差は見 られ なかつた (図 5)。

米飯パ ンについて,米飯の配合割合が付着性に及 ぼ す影響をみると,油脂無添加の場合,40%までは小麦 粉パ ンと大きな差異は見 られず,米飯の配合割合が高 くなるに伴い付着性が増加 した。油脂添加の場合,米

飯の配合割合の増加に伴い増加す る傾 向が見 られたが, 油脂無添加 と比べると増加の程度は小 さく,小表粉パ ンと有意な差はみ られなかつた。50%パンの付着性 は,

油脂無添加 よりも油脂添加の方が有意に低かつた。

パ ン生地に練 りこまれた油脂は,グルテン層同士が

l平 ■撃:C■

(6)

油脂添加が米飯バ ンの製パ ン性 に及ぼす影響

︵Ъ

油 脂 添 加 が 米 飯 バ ンの 付 着 性 に 及 ぼす 影 響 油脂添加の有無による有意差は,t検定を用いた (*pく005,サ

ρく001)。 米飯配合割合の影響については,油脂無添加,または 添加,それぞれの場合について有意差を検定 した (t lkey法 )。

異なるアルファベ ッ トは有意差があることを示す(pく005)。

イヽ文字は油月旨無添加,大文字は油月旨添加 の場合を示す (n=12)。

2パンのいa*い 値に及ぼす油脂の影響

※米飯の添カロ割合の影響 について,有意差を検討 した (tukey法,n=12)。 異なるアルファベ ント は,異 なる配合割合間で有意差があることを示す(pく 005)。 油脂添加による影響はt検定により検討し,

有意差力ち る場合は,油脂和 ヽの数値に示した(*pく005)。

付着 し合 うのを防 ぐと同時に,生地が発酵によつて膨 張す る時にグルテン層が滑 らかにすべ り合 う作用 を助 ける働きをす る1。 。 また,米飯に油脂 を添加 した場 ,無添加 に比べて付着性 は減少することが報告 され ている2つ 。 したがって,米飯バンにおいても,こ

した油脂の作用 が影響 し,付着性が低下 した と考えら れ る。

(5)色彩構成

1)クラム (内)

A       A a 

油 朧

平均値  SD 平均値  SD

クラム

(内)

小麦粉パン 7604 ± 115 ‑101   008 987  ± 043

7872  006 7726 ± 053 7593  ± 012 7643   019 7582 ± 003

b

‑098  ± 001

‑104 ± 002

‑100  ± 006

‑116 ±002

‑137  ± 002

b

1159  010 1032 ± 011 1289 ± 001 1039  001 1008 ±002

b

b

小麦粉パン 5066  126 1398 ± 054 2494 上 o lo

4625 ± 020 4559  008 4693   004 4295 ± 012 3839  027

b

d

1325  ± 003 1451   005 1539   003 1510  020 1213  ± 007

b

d

2654  003 2390 ± 009 1654  021 1019 ± 025 337 ± ll

b

d

平均値  SEl 平均値  SD

クラム (内)

小麦粉パン 7636   026 ‑114 ±007 1085 ± 008

8041   024 7921  ± 019 7875 ■ 0143

7823 ± 011 7618  016

3*

bネ

b*

b*

bc

‑1 16  002

‑130 ± 011

‑1 15   上 O o3

‑127  上 O ol

‑1 37   ± 002

1091   028  aネ 1149  014  b*

1005 ± 002  c中

952  014 ●ネ

1014  012  c

クラスト (外)

小麦粉パン 5198  ± 047   1411   031 2534 ± 012  

5376 ± 004  aホ 4921 ■ O l12  b*

4580 ± 001  c*

4048   001  dホ 3875  ± 003  e

1579  = 014

1546 ±005 1677   002 1558  ± 1 18

1320 ± 002

´

b*

2196 = 012  

1683 ±l102 b幸 1326 = 003  c*

638  ± 002  dネ

(7)

藤 田沙南 村上陽子

小麦粉パ ンについて,油脂添加によ り L*値 とb*値 は増カロ,a*値は低 下す る傾 向が見 られ たが,油脂添 加・ 無添加の間で有意差は見 られなかつた (表 2)。

米飯パンについて,油脂無添加の場合,L*値は米飯 添加の増加に伴い有意に低下 した。クラムの色は,す

だちの大きさと均一性 に大きく左右 され るといわれて いる2・ 5)。 米飯 の配合割合が高いパンは比容積が小 さく,パン組織の 目がつまつていたため,小麦粉パン より明度が低下 した と考えられる。油脂 を添加す ると,

油脂無添加 よ り明度が高 くなった。

油脂添加 によ り L*値 が高 くなった理 由 として,油

脂添加による膨化性 向上のため (図 2),パン内相の すだちが細か くな り,明度が高 くなった と考えられ る。

また,小麦粉バ ンにおいて,油脂はパンのすだちを均 一に し,スライス面の光輝 を改良 して内部色相を自く す るといわれ てい るが あ),米飯パ ンにおいて も同様 の ことがいえると考えられる。

歩値について,米飯の配合割合 との関連 をみると, 米飯の配合割合の増加に伴い低下す る傾 向が見 られた。

油脂 を添加 した ものは油脂無添加 より低い傾向が見 ら れた。

b*値 は,米飯の配合割合 と い値 の間で相 関は見 ら れ なかつた が,油脂 添加 に よつて b*値 は減少 した (50%以外で有意差 あ り)。 また,10%〜50%の b値

の差が,油脂無添加 時は 281であったのに対 し,油

旨添加時は 197とな り,バラツキが小 さくなる傾向 が見 られた。

2)ク ラス ト(外)

小麦粉パ ンについて,油脂添加により い値,夢, い値いずれ も増カロした (レ,い値は有意あ り)。

米飯パンについて,米飯の配合割合の影響 をみ ると, 油脂添加 の有無 に関わ らず,配合割合の増加 に従い L*値は低下 した。また,油脂添加 により,明度が高 く なつた。

辞値は油脂無添カロの場合,米飯の配合割合の増カロに 伴い値が低下 し,赤みが減少する傾向が見 られた。油 脂 を添加 した場合 も同様であつた。油脂添加 と無添加 を比較す ると,油脂 添加 によ り a*値が増加 し,赤 が有意に増加 した (40%を除 く)。

b*値,油脂添加 の有無に関わらず,米飯の配合割 合の増加に伴い有意に低 くな り,黄みが減少 した。油

脂添加 と油脂無添加 と比べ ると,油脂添力日の方がb*

値が有意に低下 した。

奥西 "は,炊飯米 を添カロしたバ ンのクラス トの明 度 について,小麦粉パ ンと比較 して炊飯米置換率の増 加に比例 して暗色化 した としてお り,本研究において

も同様の/11向が見 られた。

(6)官能評価

米飯パンの食味に対する油脂添加の影響 を検討 した。

大学生を対象に官能検査を行つた ところ,見た 日 (生 地の様子,色 )については油脂添加の評価が高かった ,実際に食 した場合 (しっとり感,もちもち感,軟

らかさ,味 )の評価については無添加の方が有意に高 い評価 を得てお り,「もちもち していて美味 しい」 と す る者の割合が顕著に高かつた。 また,総合的な好 ま

しさについても,無添加の方が有意に高かつた。

前報 Ю)において,大学生を対象 に米飯バ ンに対す る嗜好性を検討 したところ,米飯バ ンのもつ 「しつ と り感」 「もちもち感」 「硬 さ (噛み ごたえ)」 な どの 特徴 を好ましく捉え,膨らみがよく軟 らかい小麦粉パ ンより高 く評価 していた。本研究によ り,油脂添加 し た米飯パンについては,「 (無添加 と比べて)もちも ち感や噛みごたえが感 じられないJ「弾力性がない」

「サクサクした歯切れ」 とい う意見が多 く,特に米飯 の配合割合の高い40〜50%パンにおいて顕著であっ た。つま り,大学生においては,軟らかい油脂添加パ ンよりも,もちもちとして噛みごたえのある,無添加 パ ンの方が好まれていた。油脂は,クラムを軟 らか く

,歯切れ をよくし食感 を改良す る役割 をもつ ")。

油脂添加により米飯バンの膨化性は増カロす るが,こ による硬 さ (噛みごたえ),凝集性 (弾力性),付 (もちもち感)の低下は,米飯パンの食味の低下に 繋がるといえる。

まとめ

本研究では,炊飯米を添加 した米飯パ ンについて,

油脂の添加が物理特性に及ぼす影響について検討 した。

米飯の配合割合の影響について,配合割合の増カロに伴 ,比容積・ 硬 さ・凝集性は低下 し,付着性 は増カロし た。油脂添加 の影響について,無添カロの場合 と比べて,

比容積は増加 した。また,硬さは油脂添加によ り減少 す る傾 向が見 られたが,米飯の配合割合が高 くなると,

小麦粉パンより有意に硬 くなつた。食味については, 軟 らかい油脂添加のものよりも適度な硬 きのある油脂 無添カロのものが好まれていた。

一方,油脂添加による硬 さの低下 と歯切れ の向上は,

咀疇力に課題 を抱 えた人きに有用であると考え られ る。

田中ら2つ ,高齢者は約半数の者がほぼ毎 日パ ンを 摂取 し主食代わ りに代用 しているが,一方でドライ マ ウス等の症状を有する高齢者は機能性パ ンヘの要望 が高 く,食感 として硬いものや噛み ごたえのあるもの を望まないとしている。江上 ら ,パン類 は若 い 世代の食品 としての位置づけが強 く,高齢者 を意識 し たバ ン類はほ とん ど販売 されてお らず,パンの凝集性 を高めることは,咀鳴・ 廉下機能の低下 した高齢者 に とつて食べやす くしていると報告 している。

米飯パンは凝集性が高 く,単位体積 あた りに含 まれ

Z

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油脂添加が米飯バ ンの製バ ン性 に及ぼす影響

る水分量が多いため,日中でま とま りやす い とい う特 性 を もつ Ю)。 カロえて,油脂 添加 に よ り,米飯パ ンの 軟 らか さが増 し,歯切 れ が向上す る こ とが明 らか とな った。 こ うした性質 を兼ね備 えた米飯パ ンは,咀唱機 能や燕 下機 能 の低 下 した高齢 者 に適 してい る と考 え ら れ る。 また,高齢 者 の 中には低栄養 の リスクを抱 えた 者 もい るた め,米飯 パ ンに よ り食事摂取量 が増 えれ ば エ ネル ギー補給 の一助 となる と考え られ る。今後 は, 高齢 者 な どの世 代や健 康状態に応 じた米飯パ ンを検討

してい く。

参考 文献

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参照

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