• 検索結果がありません。

法律 における人工知能研究の現状

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "法律 における人工知能研究の現状"

Copied!
28
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

法律 における人工知能研究の現状

杉 本 英 二

目 次

1 。人工知能

A.人工知能のは じまり

B. 初期の人工知能 :ゲームとコンピュータ

C . 閉 じたシステムか ら開 いたシステムへ

D.最初の知識中心の人工知能 : DE甲DRAL I

E. 知議処理を可能 にす るプロダクションシステム F. 新 しい人工知能 :知識工学

G.知識を表現する言語 と処理系 H. 自然言語の研究 における知識

Ⅰ .知識獲得 と知識表現言語 J . エキスパー トシステム

2。 . 法律における人工知能 A.法律 とコンピュータ

B.法律の知識を持っ知的なコンピュータの必要性

C. 日本における法律を扱 うコンピュータの研究 D▲ 法律の知識表現の変遷

E. まとめと今後の課題

要 約

人工知能の研究 は,初期のゲーム中心 の人工知能 の研究か ら知識中心の研究 に発虚 し, 種々の知識をコンピュータに搭載出来 るようにな って きた。 現在実用化をめざ して, 各 種 の専門分野 の知識 を搭載 した人工知能 であるエキスパ ‑ トシステムが開発途上 にあ る。法令検索 として始 まった法律のコンピュータ化の研究 は,初期的段階を脱 して,不十 分なが らも法律 としての知識を獲得可能 な状態にある。 しか し法律の分野の知識や法的 推論が機械化できるはど構造的にな っていないこと, 法文を表わ した日本語 と知識表現 言語 との構造が大 きく違 うために人間 による翻訳作業が必要である ことなどの問題点が 残 っている。

〔 1 7 3 〕

(2)

17 4 商 学 3 8 巻 第 3・4 号

1 。人工知能

A.人工知能のは じま り

人工知能 の研究 は, フ リーゲ, ホワイ ト‑ ッ ド, ラッセルに始 まる数理論理 学 ( mat he mat i c al l og ic ) と, ≠ ヤーチ, チュー リングに始 まる計算科学 ( c omput at i on) とい う 2 つの科学が コンピュータという具体的計算力 を手 に 入れてか ら始 まった と考 え られ る。 しか し [ Fa] によれば,論理 と計算 を も神 経 システムの動作 に関す る概念 と関係づ けた ウイ‑ナに始 まるサイバネテ ィッ

クスの思想が,初期 の人工知能研究者 らに数 々の影響 を直接与 えたとい う。 こ のように,単 に論理 と計算 とコンピュータがあれば人工知能が発生す るのでは な く, これ らが神経 システムのよ うな自己制御 を行 う 1つのまとまった シスチ ムを ターゲ ッ トとした時,人工的で知的な ものの存在 を意識 したのであろう

B . 初期の人工知能 :ゲームとコンピュータ

2 人ゲームの中で も必勝法がないチェスや将棋 などのゲームでは,先読 みを どれだけ行え るかが勝負のキーではある。しか し,先読みの 5 手先 1 0 手先 くら いは読 めて も,手 の選択 の数が 1手毎 にネズ ミ算的ペースで増加す るので色 々 な手 の組合せの数 は天文学的数 とな る。 これを組合せ的爆発 と呼んでいる。 こ れでは如何 に大型 コンピュータといえどもすべての先読 みを行 うことは出来 な い。組合せ的爆発 に至 らず有限個 の先読 みで勝負を競 う場合 には,枝刈 りと局 面 の評価 とい う 2 っの機能 が必要である

( 1 ) 枝刈 りとは,先を読んで も無駄 な手 を前 もって上手 に区別 し無駄 な努力 を少 な くす ることである。 これによって先読みの個数 を減 らす ことがで き るので,有効 な先読 みに専念で きる。

( 2) 局 面 の評価 とは, どのような勝負の局面 になれば有利 になるか とい う基 準 の ことである。 この基準 を使 って,先読みが出来 る範 囲内での最適 な手 を選択 出来 る。

特 に優れた競技者 は局面 を一瞥 しただけで考慮すべ き手 を見抜 き, どのよう

(3)

法律 における人工知能研究 の現状 17 5

な局面 に導 けば優勢 になるかを判断 し,次の手 を決定す る。 この時,手 の選択 において東技者 自身の豊富 な経験 や知識や定石 などが決定的 な役割 を演 じてい るであろ う

人間の経験 で裏打 ちされた知識 や定石 などを ヒュ‑ リステ ックな 知識 あるいは ヒュー リステ ック情報 と呼んでいる。 これだけで勝て るとい うも のではないが,勝負を有利 に導 く唯一 の有効 な方法である。

可能性 が有 るものの中か ら, あるものを見つけ出す ことを探索 とい う

探索 という言葉 を使 うと,ゲームは勝っ手筋 を様 々な手 の中か ら探索す ることにな る。盲 目的 な探索 では,探索の個数が組合せ的 に爆発 し調 べ ることが出来 な く なるので,人間の ヒュ‑ リステ ック情報 を基 に して探索 の範囲を限定 し,場面 の評価 を使 って探索 の方向づ けを行お うとい うのが ヒュー リステ ック探索 であ る。 ヒュー リステ ック探索 はグラフ探索 あ るいは木 の探索 とい う形 に形式化 さ れて研究 され, ゲーム以外 に も多方面 に応用 され人工知能 の支配的な考 え方 と な った 。1 9 7 1年 に出版 されたニル ソンの本 [ Ni l]が, この時代での人工知能 の集大成 である

C. 閉 じた システムか ら開いた システムへ

1 9 6 0 年代 の人工知能 の対象 は,主 としてゲームなどのよ うにル‑ルが単純で 結果 の評価 も容易で, しか も必要 なすべての情報が与 え られているシステムで あ った。 このよ うな閉 じた システムが対象である場合 には, システム内のルー ルや情報 をいかに上手 に組合す ことがで きるかが,人工知能 の最 も重要 な課題 であった。 この意味で情報 の組合せを行 うこと,つ ま り強力 な推論 エ ンジンを いかに作 るか という推論中心 の時代であ った 。

これに対 して,人間の周囲の システムにはルールや情報 が確実ではない もの が多 い。 また知 り得 る情報 に限 りがあるために,一部 の情報 しか得 られないと い̲ う開 いた システムであることが多 い。前者 の例では,天気予報 では 「 夕焼 け にな ると明 日は晴 れ る」 とい うことは確実 で はないがおおむね当たるであろ

が,複数 の典型的な症状 が重 なるはど病名の診断が確実 になるなどはこの例で

(4)

17 6 商 学 3 8 巻 第 3・4 号

ある。後者の例 では,資源探査 などがある。例えば漁業 における魚群探知 シス テムでは,魚の回遊 の仕組 みや海流の流れ,海水の温度,プ ランク トンの状況, 気象など様々なデータを基 に魚群 を探す ことになる。 ところが,海 の自然 の シ

ステムについてすべての情報 を把握 し尽 くす ことが出来 ないので,わずかに得 られた知識 を基 に判断す ることになる

D.最初の知識中心の人工知能 :DENDRAL

開いた システムを対象 とした時,推論中心 のアプローチではどうに も手 が出 ないことは明 らかである。対象 の システムが複雑 であるので, とにか くその シ ステムについて必要 な知識 を集 めて蓄積す ることが重要 になる。 こうして,知 識中心 の人工知能 の研究が開始 され,最初 に成功 したのがスタンフォー ド大学 で開発 された有機化合物の構造 を推定す る DENDRAL と呼ばれ るシステムで ある。 この研究 は 1 9 6 5 年 に始 め られ 1 9 6 9 年 には一定 の成果が得 られ [ Bu], その後 の人工知能 の研究 に大 きな影響 を与えた。

有機化合物 の分子式 を決定す ることは難 しいことではないが,同 じ分子式を 持つ物質であ って も結合構造が異 なる物質が非常 に多 く存在 しているので, こ の中か ら 「どの構造か」 を決定す ることは容易ではない。 しか し不十分 な方法 であるが,質量 スペ ク トルを使 って物質 の構造特性 を調べ る方法がある

つま り質量 スペ ク トルに表れた特徴 とそれに対す る化学者達の経験的知識 と突 き合 わせて,部分的な構造 を特定す る方法である。 この方法を繰 り返 し適用 して, 全体の構造を決 めるのである

化学者達 の経験的知識 は,次 のようにプ ロダク

ションルール と して整理 された。例 えばケ トン構造 を持っ条件が次 の様 に表わ せ る。 ここの M ̲ は分子量 を表わす変数 である

I F 次 の様 な条件 を満 たす 2 つの ピークが質量単位 Ⅹ 1と Ⅹ2 にある

a )Ⅹ 1 +Ⅹ2 ‑M 王2 8

b) Ⅹ1‑2 8 に高 い ピークがあ る

C )Ⅹ2‑2 8 に高 い ピークがあ る

(5)

法律 における人工知能研究の現状

d) Ⅹ 1あるいは Ⅹ2 の少 な くとも片方 に高 い ピークがある

' THEN

0 日

C

ケ トン

177

この研究 によって開発 された DENDRAL は,脂肪族 ケ トン,ア ミン,エーテ ル, アルコール, エス トロゲ ンステロイ ドなどを含む多 くの物質 について専門 的な分析 を実行 し得 ることを証明 した。

E . 知識処理 を可能 にするプ ロダクションシステム

このよ うな新 しい人工知能 を開発す るには, それ に見合 う知識 の表現方法 と, それ らの知識 を組合せて容易 に推論で きる形式的な枠組みを必要 とす る

この目的 にかな うもの として考 え られた表現形式 が, DENDRAL で も用 い ら れた前提 と結論 を持っ規則 ( ルール)形式であ った。

先 の例 の 「 夕焼 けになると明 日は晴れ る 」 は,次 のよ うに書 ける

I F 夕焼 け THEN 明 日は晴れ る

また この因果関係が成立 しないこともある場合 には,関係 の強 さを表わす こと に使われている相関係数 をっけて表わす。因果関係が 1 0 0 . パ ーセ ン トある時 は 相関係数 1 . 0 と し,因果関係がまった くない時 は 0 . 0 ,因果関係が反対 の時,つ まりこのよ うな因果関係 は決 して起 こらな い時 は‑ 1 . 0 である。 この例 の場合 には,かな り相関関係があると考えて ,0 . 9 とすれば次 のよ うに書 けよ う

I F '夕焼 け THEN 明 日は晴れ る ( 0 . 9 )

(6)

17 8 商 学 3 8 巻 第 3・4 号

特 に,人工知能 の分野 ではこの係数 のことを,確信度係数 ( Ce r t a i nt yFa c t o r )

と呼 び,因果関係が確実 とは言 えないような不確実 な推論 に利用 している

このよ うに知識 を表現す ると,知識 の検索 と推論 には大変都合が良 い。つま り,連想 ゲームのようなや り方で推論 を続 けることがで きる

その典型的な推 論が 「 風が吹 けば桶屋が もうかる」とい う話 である。各種 の説があるよ うだが, おおよそ次 のよ うな話 であ ったであろう :

I F 風が吹 く THEN ほこりが立っ I F ほこりが立っ THEN 盲人が増 え る I F 盲人 THEN あんまさんになる I F あんまさん THEN Lゃみせんを弾 く I F Lゃみせんの増産 THEN ネコの減少

I F ネコの減少 THEN ネズ ミの 増加

I F ,ネズ ミの増加 THEN 桶 がか じられ使 えな くな る I F 桶が売 れ る THEN 桶屋が もうか る

これだけ長 い関係 となると,結果の成立 はかな り怪 しいのではなかろ うか。先 はどの相関関係が 1 1 つの関係 には多少 あ って も, 8 個 も続 くとほとん ど関 係がな くなるのではないか と思われ るか らである。推論 において同時 に確か ら

しさも計算出来 ることは,不確実 な対象への応用上大変好 ま しい。例 えば,医 療 での感染症 と治療 に関す る助言 を行 う MYCI N とい うシステムは このあい

まい推論 を利用 して作 られている。

さて,風が吹 くとい う仮定か ら始 まって,桶屋が もうか るまでを推論す るや

り方 を前向 き推論 と言 う

これ とは逆 の方向の推論 もあ る

つま り 「 桶屋が も

うか るには,桶が売れれば良 い」,「 桶が売 れ るには,桶がネズ ミにか じられ使

えな くなれば良 い 」 ‥.とい う方向の推論である。これを後向 き推論 と言 う。ど

ちら向 きの推論が適切かは,応用 され る対象 によって異 なる。一般的 には次の

様 に言え る。前向 き推論 は,最初 に与え られた前提条件か ら推論 によって成立

(7)

法律 における人工知能研究 の現状 17 9

す ることが らを次っ ぎに発見 してい く時 に使われ るので,証明す ることが具体 的 に決 まってない時に も用 いることが出来 る。 ただ し,余 りに も多 くの ことを 証明 して しまうので情報 の山 とな り, その中か ら人間が本当に必要 と している 情報 を探 し出す ことが困難 にな った りす る。逆 に,後向 き推論 では証明す る目 標 を定 めることが先決 になる

システムは,定 め られた目標が成立す るか しな

いかを返答す るだけであるか ら, そ っけない印象を受 けるか もしれない。

以上のよ うなや り方 で知識 を表現 し,前向 きか後向 きかの推論 に利用す る方 法 を,規則中心 システム ( Rul ebas e ds ys t e m) とい う。あるいは,規則の こ

とをプロダクション ・ルール ( Pr oduc t i onRul e ) ,この方法をプ ロダクション システムと呼ぶ ことが多 い。 1 9 8 0 年 のニル ソンの教科書 [ Ni 2 ] がプロダク ションシステムの集大成 である。

ニルソンの教科書 に従 って, プロダクションシステムの構成 を [ 図 1] に示

す。「 推論管理 システム」によって起動 された 「プロダクション ・ルール」がそ

、 のルールの作業 を行 うための対象 として 「 作 業記憶」を利用す る。「 推論管理 シ ステム」 は,作業 の結果 と先 に選択 されたプ ロダクション ・ルール とか ら,釈

しいプロダクション ・ルールを選択 し,推論 を継続す る。. この人工知能 の能力 は, プロダクション ・ルールの内容か ら決 まる

.

また このルール選択 の良 し悪 Lが推論 の効率 を決定す る重要 なカギである

これをルール選択問題 といい, ゲームで開発 された種 々の技法が桓用 され る。

[ 図 1] プロダクションシステムによる人工知能 の構成

(8)

180 商 学 3 8 巻 第 3・4 号

初期 の人工知能で使われたゲームと対照 させてプ ロダクションシステムを説 明す ると, プ ロダクション ・ルールがゲームのルールや定石 などのゲームにつ いての知識 であ り,作業記憶がゲーム盤上 の駒の配置である。 このゲーム盛 と ゲームのルールとを脱みなが ら次 の手 のための推論 を行 うのが推論管理 システ ムである

この様 な対照 をす るとプロダクションシステムは,初期 の人工知能 の枠組 みを包括 した考えであることがわか るよ

F . 新 しい人工知能 :知識工学

DENDRAL や MYCI N を開発 したス タンフォー ド大学 の ファイゲ ンバ ウム 教授 は, 1 9 7 7 年 に, 知識 を対象 に した人工知能の分野を 「 知識工学 ( kno wト

e dgee ng ine e r i ng) 」とい う言葉で表わ した。知識工学 は 「 問題解決脚注

1]

にとっ て真 に必要 なのは専門家 の知識 であ り, この知識 を記憶 し利用す‑ ることがで き るシステムを作れば,実用的な システムを実現で きる」 と主張す るものであ っ た。 これは, これまでの人工知能 とは 「ヒュ、 ‑ リステ ック探索技法」 の ことだ とい う主張 とはまった く異 なる考 え方であるが, DENDRAL や MYCI N など の実用的な成果 と多 くの類似 の シス≠ムの成功 は , 実相的な人工知能 」 , 人工

知能 は商売 になる」′ とい う時代 を もた らした。

この新 しい人工知能では,知識 を格納す る機能 と知識 を推論す る機能 とい う

2 つの機能 が中心的な役割 を担 うことになる。 この 2 っをそれぞれ,知識 ベー ス,推論機構 と呼ぶ。知識工学 が主張す るよ うに,知識 を 「 知識 ベース」 とし て独立 させた ことの意義 は大変大 きい。独立 させた ことによ って,知識 の追 加 ・修正 ・一貫性 の維持 などが容易にな った。 この ことはまた,知 識だけを入 替え るだけで他の分野 に も応用が出来 るとい う汎用性 を もた らした。 このよ う

な汎用の システムは人工知能開発 ツールと呼ばれ, 例えば KEE , BRAI NS , EMYCI N , OPS 5 などさまざまな、 ツールが商品化 され販売 されている

[ 脚注 1]与 え られた問題 をどのよ うに解決す るのかを考え,それを解 くことを問題解決

と い う

(9)

法律 における人工知能研究の現状 181

人工知能への新 しいアプ ローチの方法が このよ うに もて はや され るように なって来たのは,次の様 な理 由がある。すなわち従来の FORTRAN や Pa s c a l

などの手続 き言語で,人工知能的な働 きをす るシステ ムを作れなか った訳では ない。 しか し, このような言語を用 いる従来の方嘩論では,知識がプログラム の中に埋 め込 まれて一体化 されているために,知識の拡張 ・修正が極 めて困難 であった。開 いた システム七 は知識 は本来的に未完成であるという宿命を持 っ ているので,知識の発展 にこのような不便があるのでは,実用 にはな らない訳 である。

G. 知識を表現する言語 と処理系

そ もそ も人間のみが知識を伝達で き, これを加工 し総合 し,新 しい知識 とし て変換 し得 る存在であると信 じられて きた。 ところが,機械が知識を処理す る となると,知識 とは何か とい うことが重要 になる こ 「 知識」とは 「 一定の構成規 則 に従 って形式化 され,計算機が推論 などの手法 により自律的に問題解決 に用 いることので きる記憶情報 を知識 と呼ぶ 」[ Oh] とい うものである。つまり,吹 の 2 つの条件である。

(1 )一定の, 構成規則に従 って形式化 さ‑ れていること

(2) 推論 などの手法 によ り自律的 に問題解決 に用 いることので きる記憶情戟 であること

この定義 は,そ う特別な ことではない。 この ことを人間 と比較す るとわか り 易 いであろう。例えば,本 に書かれている知識 と人間の関係を考察す る。 この 知誼 は, 日本語 な り,英語 な りの文法 を持っ形式的言語で書 かれているか ら ㌔

(1 )0 )条件 は満た している。それに人間は,人間の言葉で書かれた文章を読取 ー りその知識 を有効 に使えるだけの推論 と適用力を持 っているので, 自律的に問 題解決 に応用で きる。従 って (2)の条件を満た している。だか ら,人間の言 葉 で書かれた本 は, ここでいう 「 知識」であることがわか る。

(1 ) は言語 の形式 を, (2) は言語 をどう扱 うかについて述べている

この

概念 を言語 と処理系 とい う

上の例では , 「 言語」が人間の言葉で,その 「 処理

(10)

1 82

第 3 8 巻 第 3・4 号

系」が人間である。人工知能 の場合 に もコンピュータで知識 を表現 し処理す る ために,専用 の言語 と,処理系 としてのプログラムが必要 になる。 その条件が 上で定義 した 2 つの条件であ った。

H. 自然言語の研究 における知識

自然言語 の研究 は,人間の言語能力 と言語運用の研究 とい う言語学的方向か ら行われ,チ ョムスキーの生成文法 と変換文法 の理論 は自然言語 の研究 におい て大 きな影響 を与えている。生成文法 は,有限のルールを組合せて,可能 な無 限の表現を生成 ( 構成)す るとい う方法であるが, コンピュータ処理 にはこの 方法 はまことに都合が良 い。与 え られた言語表現 の集合 を生成出来 るルールは 存在 し得 るのか, また存在す るな らそのルールの最小 の組合せを見つけるとい うような問題 が言語 の認識理論 と して形式化 され,計量言語学 ・数理言語学 や オー トマ トン ・計算 の理論 の発展 を うなが した。

同時 にコンピュータによる構文解析や意味解析 の研究 も盛んに行われ るよう にな った。最 初 の実用 的 な システ ムは, 1 9 7 0 年, ウ ッ ドによ って作 られ た

ATN [ Wo] とい う構文解析 プログラムである。これは,月面 の資源探査 のため の化学的 ・鉱物学的データベースの検索 システムに使われた ものである 。1 9 7 2

年 のウイノグラー ドが作成 した SHRDLU [ W i ] は, ′積木 の世界 の ロボ ッ トに 積木 を移動 させ る作業命令 を自然言語で行 うシステムである。 これ は, 自然言 語 で与 え られた命令文 を解析 し, そ こで得 られた意味をロボ ッ トの命令 に書換 えて ロボ ッ トを動 かすのである

この 2 つの システムは,意味 をプ ログラムで 表現す るとい う 「 手続 き的表現」 であ り,意味の推論 はこれ らのプ ログラムを つ ぎつ ぎに実行 してい くことに対応 している。

自然言語で書かれた文の内容 を理解す るためには,文法や 1 つ 1 つの単語 の 意味を明 らかにす るだけでは足 りないということが ,1 9 6 0 年代中期 までのの機 械翻訳 プ ロ ジェク トの大 きな失敗 によ って明 らか にな った脚注

2

】 。文法 的 には 合 っていて も,意味が取 れない文 はい くらで も出て来 るか らである。 これを避

けるためには,文 の内容 を表わす動詞 と名詞 との関係 や,単語 が表わす概念 と

(11)

法律 における人工知能研究 の現状 183

の関係, さらに進んでその概念 の上位概念 ・下位概念 の知識,あるいは文が表 現 している対象の実世界で起 こり得 る事実 についての知識 などを積極的に構文 解析や意味解析 に利用す る必要が理解 されて来た。 これ らの工夫の中には,例

えば格表現 と常識 の表現 とがある

格表現 というのは,伝統的な文の中の名詞 の格,つまり文 にお ける名詞の役 割を表わ している語尾変化で示 された ものを,文の意味を構成す る重要な要素 であると見 る方法である

これを拡張 し,動詞が意味す る行為に関係す る格を まず考え,それ らの格が文の中のどの名詞 と対応 しているかを調べ ることで, 意味を表現す るのである

例えば,行為の主役 を行為者格,行為の結果を受 け る対象を対行為者格,行為の対象を目的格,行為の結果起 こる実体を結果格, 行為 に必要な道具を表わす道具格 などを様々な格が考え られている。 これ ら行 為の意味を構成す る格を深層格,文 に表われた格を表 層格 と呼び,格 の解析を 中心 に文 の解析を進 める文法を格文法 という。各々の動詞 について, どのよう な格があるのかを記述 した ものを用意 し, これを格 フレームとして知識 と意味 表現 に利用す るのが最近 の自然言語処理 の主 な方法である。

常識 の表現 を SHRDLU で説明 しよ う 。 「円錐 ブロックの上 に他の ブロック を置 くこ とは出来ない」 とか 「あるブロックの上 に乗 っているブロックを他の ブロックと交換す るには, そのブロックをはかの場所 に移動 させなければな ら ない」というような積木 の世界での基本的な知識がある 。一 SHRDLU は,この様 な意味で積木 の世界 とい う対象世界 の常識 を構文解析 ・意味解析 に使 い, ロ ボ ッ トとの会話 を極 めて自然 にし, 自然言語処理の考え方の発展 に大 きな影響 を与えた。

I .知識獲得 と知識表現言語

知識工学 の人工知能 にも自然言語の理解 にも, コンピュータが推論 に使える

[ 脚注 2 ] アメ リカ国立科学財団の ALPAC レポー ト上 して知 られている

(12)

184 商 学 討 究 第 3 8 巻 第 3・4 号

「 知識」が必要 で あ った。この意味 で現代 の人工知能 の主 な研究 は,知識 を機械 化す ることである言 え よ う。 この知識に は, 因果関係 や事実関係 などが は っき

り した もの とそ うで はない知識 とがあ る。前者 の知識 を構造化 され た知識 と呼 び,後者 を構造化 されて いない知識 と呼ぶO

「 機械化 された知識」を作 るためには,まず そのための知識 が構造化 されて い ることが必要 であ る。体系化 された学 問 は構造化 された知識 の例 であ る。 また DENDRAL システ ムで は,質量 スペ ク トル と化学構造 との関係 につ いて の化 学者 の経験 的知識 が使 われたが, それ らは人工知能 の技術者 が面接 によ って化 学者 か ら 1 つ ひ とつ聞 き出 した構造化 されて いない知識 であ った。構造化 され ていない場合 には, その知識 を得 るための特 別 な作業 が必要 であ る。 その作業 を知識獲得 と呼ぶ。

知識 が得 られた後 の問題 は, それ らを 「 機械化 された知識」 と して どの よ う な形 で コ ンピュー タに与 えた ら良 いのか とい うことが残 って い るQ つ ま りコ ン ビュヤ ク上 で の知識 表現 の問題 で あ る。 ATN や SHRDLU の よ うにプ ログラ ムの手続 きで知識 を表現す る場合 もあ るが,知識 を表現 す るための特別 な工夫 を用意す る方 が,知識工学的方法 と して は望 ま しい。 その よ うな工夫 が知識表 現言語 であ る。 この 目的の言語 と して主 に次 の ものがあ る [ An] 。

1) ル ールベ ース型 の言語 2) グラフ型言語脚注 3 】 3) オ ブジェク ト指 向型言語 4) 論理 プ ログラ ミング型言語

ル ールベース型 の言語 :これ は先 に説明 したプ ロダク シ ョンシステムで使 わ れて い る知識表現 であ る。 この言語 の大 きな特徴 は,知識 を互 に相互 関係 が少 ないルールの集合 と して記述 で きることで あ る。 この ことが大規模 な知識 ベ‑

[ 脚注 3 ]グラフ型言語 というのは著者の造語である.安西 は意味ネッ トワーク型言語 と

フレーム型言語 とを区別 しているが,他の 3 の言語 ほどにはこの 2 つは差がな

いと著者 は考えているので これ らをグラフ型言語 としてまとめた。

(13)

法律 における人工知能研究の現状 185

スシステムの多 くに用い られている最大の理 由であろう

) レールで表現す る方 法 は非常 に柔軟でプログラムを書 きやすいが, そのために記述 されたものの意 味論が不透明にな りやすい欠点がある。

グラフ型言語 :概念を点で,概念 と概念の関係 を線で表わす方法である。例 えば,概念間の関係 として上位 !下位の関係がある。 この関係 を詳細 に区別す

ると,包含関係 ( i ncl ude ), 構成要素関係 ( a‑ par t ‑ o f ),概念 の実現値関係 ( a‑

ki r l d‑ o f )などがある。このような関係づけで知識 を表現す る方法を意味 ネ ット ワーク型言語 とい う

このように意味関係を表現 した上 に, さらにその概念が どのように して使われるのかを記述 した手続 き的知識 を点 の部分 に埋 め込める よ うに した知識表現形式 をフ レーム型言語 とい う。 KRL はこの言語 の代表 と して著名である。この言語 は , 「フレーム」自体の定義が明確でないために自在 なプログラ ミングが可能であるが,唆昧 さがつ きまとうとい う欠点が ある。通 常,意味ネ ッ トワーク型言語 とフレーム型言語 とは,別々の言語 として分類 さ れているが, これは同 じ方法論であることを意識 した方が理解 し易いと思われ

るので, 1 つの分類 とした。

オブジェク ト指向型言語 :すべての計算対象をオブジェク トと呼ぶ表現形式 によって表現 し,計算 は基本的にメッセージ交換 によって表現す る。 この知識 表現形式 は簡潔で明快であ り,概念 に関す る知識 を自然な形で記述出来 る。知 識 によっては, この方法だけで表現す るよりもルールやその他の言語で表現す る方が適切 であるようなこともある。 まだプログラ ミングの歴史が少 ない。 こ の様 に安西 [ An] は力説 している。 ただ表現形式が完結で明快であるとして ら,概念の構成が完全 に階層的な木構造であれば確かにうま く行 くようである が,現実の知識構造をすべて木で表わす ことには無理があるように思 う

論理 プ ログラ ミング型言語 :論理 プログラ ミングの代表言語 は Pr ol og と答

えて異存 はないであろうと言 うほど, この言語 は普及 して来 た。 この言語の最

大の特徴 は,論理学の形式的意味論 に基礎を置 いているので単純明快 な知識表

現が可能で,推論が強力な ことである。 ところが認知心理学 の観点か ら形式的

意味論 を用 いて人間の知識や推論を適切 に表現す ることに,安西 は疑問を持 っ

(14)

186 3 8 巻 第 3・4 号

ている [ An] 。筆者 も,最近 までの論理 プログラ ミングの応用化研究 の経験か ら, この見解 に同意す る所がある

′しか し,論理 プ ログラ ミングにオブジェク

ト指向の工夫 を取入れて工業所有権法 の知識 を表現す るとい う研究 [ Ni T 1]

などか ら,論理 プ ログラ ミングを基礎 にして人間あるいは社会の知識構造 を表現 することが出来 そうであるということが,現時点での著者 の感想である。いずれにし ても論理 プログラミングだけでは,知識表現力が不足 していることは否 めない。

」. エキスパー トシステム

知識工学 の技術 を使 って, ある特定の専門領域 の知識を搭載 した人工知能 シ ステムのこ・ とを, エキスパ ー トシステムと呼んでいる。従 って,有機化合物 の 構造 とい う専門的知識 を搭載 している DENDRAL は, エキスパ ー トシステム であるが, 積木 の世界の常識 しか知 らない SHRDLU はエキスパ ー トシステム ではない。 エキスパ ー トシステムでは,知識 と推論以外 に,人間 と機械 の対話 環境,つまりマ ンマ シン ・イ ンターフェイス も同様 に知的 イ ンターフェイスと

して重要視 されている。人間 に良 くわか る適切 な方法で コンピュータとのや り とりを実現す ることが,知的イ ンターフェイスの役割である。 そ うした システ ムを実現す るための基本 モデルが [ 図 2] である。

[ 図 2 ] ェキ スパ ー トシス テ ムの基 本 モ デル

(15)

法律 における人工知能研究の現状 187

では, エキスパー トシステムが対象 としている分野 にはどのような ものが考 え られているのだろうか ? [ 表 1 ]はエキスパ ー トシステムの適用領域 の分類 を示す [ I s ] 。

[ 表 1 ]仕事の内容 により分類 したェキスパー トシステムの適用領域

仕事の内容 ∫

解釈 .解析 信号解析,化学構造解明∴音声理解,画像理解

診断 医療診酪 電子回路政障診断,機械故障診断, .プ ラン. ト診断 財務診断,プログラム診断など

監税 .奮理 くプラント運転,病 状監視, プロジェク ト管理,財務管理 予測 穀物収穫予測,株価 .為替予測,天気予報

プロジェク ト計画 、 指示 ̀教育 CAⅠ

設計1 vLS I回路設計∴建築設計,. 材料琴計,機械設計

2 。法律 における人工知能

A.法律 とコンピュータ

エキスパ ー トシステムが経済 ・社会の様々な分野で応用が進んでいる [ NK]

中で,法律の世界で もコンピュータの実用化 は,かな り早 い時点か ら始 まって

いる

判例のデータベースの中か ら関係する判例をすべて取 り出す とい う判例

検索 と呼ばれるシステムがそれである

現在 アメ リカでは 2 つの システムが商

用化 され,法律上 の活動 には欠かせない ものとして使われている

日本では,

これよりかな り遅れて行政上の必要性か ら法令検索が行政管理庁で実用化 され

た [ Gyo l] 。日本で この方面の夷用化が遅れた大 きな原因 は,英語文化圏で作

られたコンピュータが英文字以外 の文字 を受 けつけず, 日本語化が遅れたこと

であろうと思われ る。

(16)

1 88 商 学 討 究 3 8 巻 第 3・4 号

ら. 法律の知識を持つ知的なコンピュータの必要性

法律の主な知識 には,自然言語で書かれキ法文 とこれに関連 した運用解釈な どの知識がある。法律は,社会のあらゆる面で人間 と企業体の基本的活動の保 護であり,制約であり,規範であるためにこの影響力は強力である。 また社会 が複雑化 して くるほど法的な側面で,個々の権利についての関心が強まること も事実である。 また地方 自治体などでは,行政面でL 由 和ら関す る知識が必須の ことが多 く, 日常のいろいろな事態について法的判断が必要 とされているo

一般 に複雑な知識であるほど,その知識の修得 には時間がかかる。法律 も同 様にこの知識の学習 と教育 に多 くの労力が必要で,簡単 には大量の人材を確保 することが難 しい。 ここに知識の需要 と供給のバ ランスが崩れる要因があり, 簡単な問い合せのために,あるいは複雑な法的判断の支援のために , 機械化 さ

れた知識」を用いる可能性が開けて来 るであろう。

日米の法律 に対する環境の養 いか ら, コンピュータの法律への使い方 にも違 いがある。 アメ リカでは判例検索を重視 し, 日本では法令検索を重視す る。∴ 法 令検索 というのは,. 法令の中か ら,テーマに合わせて関連する法令文を ピック

ア ップす ることであるが,丁度巧 く関連 の法令文を自動的に取 り出すために は,その法令文の法律上の意味をコンビュ‑夕が理解 していないと取 り出せ る

ものではない。 ここに,「 知的なコンピュータ」が必要 となる理由がある。

また単なる法令検索にとどまらず,さらに進んだ法律エキスパートシステムが提案さ 礼,受 け持っ専門分野によって,次の 4 つのシステムが考えられていろ [ Yo3 ] 。

■埼律診断 システム‑‑法律相談

法律設計 システム‑‑ リーガルプランニ ング 法律予測 システム・ ‑‑訴訟 シミュレーション 法律教育 システ阜‑ ‑CAI

これ らのシステムを使 って,一般市民 には法律の相談のためた,法律の専門家

には法的実務の思考支援を目的 として活用 し,教育機関の学生 ・研修生 には法

的論理構造の学習や訴訟の実験 という教育用に使お うというのである。 こうし

た目標を達成するために,知識 と論理を処理する 「 知的なマンピューク」に対

(17)

法律 における人工知能研究の現状 す る期待がある

189

C . 日本 における法律を扱 うコンピュータの研究

1章で人工知能 を概観 したが, ここでは日本での法律をコンピュー タ化する 研究を, それに用 い られた知識表現言語か ら概観す る。

コンピュータ化前史 : 1 9 7 8年頃まで。法哲学 の分野で法的推論 の形式化を記 号論理学 を使 って研究 していた。主 に述語論理か らの考察があ り, さらに法律 上の様相を表わすために義務論理 などが提案 された [ Ao] 。

記号論理学の時代 : 1 9 7 0 年から 1 9 8 0 年頃まで。 法哲学 と初期 の人工知能I の 研究結果を直接 コンピュータ‑応用 した。 この方法 は,法文の意味を記号論理 式で表現 し,法的推論 を論理学 の推論で模倣す るものであ る。論理学 の推論に は,大別 して自然旗棒法 と導出原理 による方法 とがある。法律をコンピュータ に載せる研究 は水谷の研究 [ M i ]よって始 まり,その推論 には一定のパ ター̀ ン に分類 された自然演揮法が使われた。その他の研究には [ Gyo2 ]があ り,これ には導出原理 による推論方法が使われた。

Pr ol og 言語の時代 : 1 9 8 0 年以降。 単純明快 な知識表現が可能 な論理型言語 Pr ol og の登場 によって,推論を どのようにプログラムとして実現す るか とい う 1 9 7 0 年代の コンピュータ化の苦労が無 くなった。つまり論理式 の評価捌 焼 序をっけて表現できるので手続 き的表現が可能 にな ったこと,推論 の制御が極

めて簡単 になった ことなどが主 な ものである

このアプローチは,法文の意味 を Pr ol og プログラムとして表現す る方法であ り, Pr ol og プログラムの実行を 論理的推論 とするので,特別 な推論 システムが必要でない ことが特徴である。

傷害保険普通約款 の知識表現を研究 した杉本 [ Su 1 ,Su 2] ,民法を対象 とし た池田の研究 [ I kl],相続税 についての研究 [ I k 2] がある。

エキスパ ー トシステムの時代 : 1 9 8 5 年頃以降。 Pr ol og 言語を知識表現の基

礎言語 と して使 うが, Pr ol og 言語では表現で きない法律固有 の概念 ▲操作を

表現可能 とす るために知識表現技術 と推論方法を工夫 し,法律分野 に特殊化 し

た システムを開発す る。

(18)

190 商 学 討 究 3 8 巻 第 3・4 号

このアプローチの最初の成果 は,吉野 [ Yo l]によって もた らされた。吉野 らはこの研究で,法律文が自然言語で書かれていることを重視 し 「 法規範文が 自然言語で法規範的世界を表現 している様をそのように表現 しうる方法」を考 ) えること, さらに法的知識がダイナ ミックかつ相対的であるという性質か ら, 知識表現を複合的述語論理式 という形で形式化 し,契約法についての法律要件

た。

新田 らは,特許手続 きの支援 システムを作 るために,手続 きの有無によって 生ず る法律効果の関係 を適切 に表現す るためにクラスとオブジュク トの概念 と,法律効果の有効期間など時間に関 した取扱いのために区間論理式を導入 し た新 しい知識表現言語 KRI P を提案 した [ Ni T 1 ] 。

D. 法律の知識表現の変遷

水谷の記号論理表現の例 [ M i ]:特許法の第 5 5 条 1 項

「出願公告があったときは,何人 も,その日か ら 2 月以内に,特許庁長官に 特許異義の申立てをす ることができる 」

の記号論理による知識表現を示す。 この表現では,法的に可能 という様相を表 わす 「 J可能」を述語 として導入 しているのが特徴である。

(X ,p , S ) ∈特許願 < O‑ く く Ⅹ ,p , S ) ,特許願)< (0,t) ∈出願公告 < t ∈日⊃

ここで,読み方の説明を列挙 してお く。

(

Ⅹ ,p , S ) ∈特許願 「 事物 Ⅹに関 し, 人 p が時

S

において日本国政府 に特

許の出願をす る」

(19)

法律 における人工知能研究 の現状 191

0‑ く く Ⅹ ,p ,S) ,特許願 ) 「 事物 Ⅹに関 し, 人 p が時 S において日本国政府に特

く O ,t ) ∈出願公告

t ∈日

t +2 月 ≧u<u ≧t

許の出願をすることを

O

とする。 」く Ⅹ ,p , S ) ∈特許願 との違 いは,動詞表現を名詞表現に したことである。

「 Oの出願公告が時 t に行われる」

「 t は日単位で扱われる時である」

「 t か ら 2 ヵ月以内の日を uとする」

く q ,( y ,0 ,q ,特許庁長官,u),異義申立) ∈ J 可能

「 人 q が,く y ,0 ,q ,特許庁長官 ,u )のことで異義申立 てることが法的に可能である」

く y ,0 ,q ,特許庁長官 , u) のことで異義申立て るとは,

「 物事

O

に対する, y を内容 とする異義を, 人 qが特 許庁長官 に,時 uで申立てること 」 である。

ここで Ⅹ, p , S , 0 ,t , u ,q ,yは,全称化 されている変数である

・ 述語の書 き方 についての補足をす る

例えば 「 ( Ⅹ ,p , S ) ∈特許願」は,通常 の論理表現では,特許願 ( ,p ,S )と書かれる。しか し,こう書 いて しまうとこ のことを名詞扱 いす ることの表現が難 しくなる。ここでは,く く X ,p , S ) ,特許願) として実現することが出来 る。集合型の論理式表現にはこのような自在な工夫 が可能であるので,構造が単純な述語論理式なが ら文の表現力を高めていると 言える

池田の Pr ol og 表現の例 [ I k l] : 民法 8 8 7 条

「 被相続人の子 は相続人 となる」

「 被相続人の子が,相続の開始以前に死亡 したとき,叉 は第 8 9 1 条の規定に 該当 し, もしくは廃除によって,その相続権を失 ったときは,その ものの 子が これを代襲 して相続人 となる。 ただ し被相続人の直系卑属でない者

は, この限 りではない。 」

(20)

192 3 8 巻 第 3・4 号 の Pr ol og による知識表現 を示す。

相続人 ( Ⅹ,Y ,8 8 7‑1) :一子 ( Ⅹ,Y) .

相続人 ( Ⅹ, Y ,8 8 7‑2):一

子 ( Ⅹ,A) ,千 ( A ,Y) ,

代襲原因 ( A,Y) ,直系卑属 ( Ⅹ,Y).

代襲原因 ( Ⅹ,Y):‑相続開始以前 に死亡 ( Ⅹ,Y).

代襲原因 ( Ⅹ, Y): ‑相続欠格事由 ( Ⅹ, Y).

代襲原因 ( Ⅹ,Y) :‑廃嫡 ( Ⅹ,Y).

直系卑属 ( Ⅹ, Y) :一子 ( Ⅹ, Y) ,

not ( 養子の連れ子 ( Ⅹ, Y) ) . 直系卑属 ( Ⅹ, Y): 一子 ( Ⅹ, A) ,

not ( 養子の連れ子 ( Ⅹ,A)) ,直系卑属 ( A , Y) . /

‑を右辺が成 り立っな らば左辺が成 り立っ阜読むので,最初の式 は 「 Ⅹ が Y の子であるな らば,Ⅹ は Y に対 して 8 8 7 条 1 項の相続人である」 と読 む。

第 2 の式 は, 「 Ⅹが Y 8 8 7 条 2 項の相続人であるとは,Ⅹが A の子で, A が Y の子で,A は Y に対 して代襲原因があ り,Ⅹが Y の直系卑属であること である」 と読む。

以下 の式 は,Ⅹ は Y に対 して代襲原因があることを表わす代襲原因 ( Ⅹ,Y),

Ⅹ は Y の直系卑属であることを表わす直系卑属 ( Ⅹ,Y)を定義 している。これ らの定義のためにい くつかの定議 されていない述語が使われている。相続開始 以前 に死亡 ( Ⅹ,Y),相続欠格事由 ( Ⅹ,・ Y) ,廃嫡 ( Ⅹ,Y),養子の連れ子 ( Ⅹ,

Y) などは基本述語で, 人間の判断によってデータとして コンピュータに渡 さ

れる

(21)

法律 における人工知能研究 の現状 193

著者 は,この養子 の連れ子 ( Ⅹ, Y) の定義が違 っている' と考えている。つ ま り,Y を被相続人 とし,A が Y の養子で,Ⅹ が A の子であるとき,Ⅹ が Y の 直系卑属か どうかを区別す るのに, A の子 Ⅹ が Y と A の養子縁組以前の子 で あるか どうかで区別 しているので, この養子 の連れ子 という関係 は,Ⅹ,A ,Y の 3 人 の関係 でなければな らない。従 って,養子の連 れ子 ( Ⅹ, A , Y) で定義 され るべ きであろ う

関係 データベースの正規化理論 を考慮すれば,関係 の同 / 定 におけるこのよ うな間違 いが起 きなか ったであろ う思われ る。

この研究 は民法 とい う実体法をテーマに した最初の研究で,民法 の文 の意味 を Pr ol og 言語 で きちん と読 み取れ るよ うに書 いてあ/ り,一 先進的な意味を掩 っ ている

新 田のオブジェク ト指向の表現 [ Ni T2]:

「 Ⅹ が Y に借金をす ると,Y は Ⅹ に対 して 『 借金を返 して くれ』 と請求す る権利 ( 債権)が発生す る。」

の知識表現 を示す。

トに共通 の性質 を記述 した類概念 である。 この例では,「 Ⅹ さん」や 「 Y さん」

は′「 人」 の クラスのオ ブジェク ト,人間の社会 で行 なわれ る様 々な借金 は 「 借 金 とい う概念」の クラスのオブジェク トである

簡単 にいうと,概念が クラス であ り∴ その概念の実体の 1 1 つをオ ブジェク トとい うのである

従 って,

クラスを定義す るとい うことは, その. クラスの 1 っ 1つのオブジェク トに共通 な性質 を定義す ることであ る。

まず人 のオブジェク トを クラスとして次のよ うに記述す る。 ここで は人の上

位概念 の クラスを特 に決 めずに人 を定義す るめで, 上位 クラス を表わす s upe r

を obj e c t とす る。人 には名前 と住所があることを次 のように定義す る

(22)

194 商 学 3 8 巻 第 3・4 号

c l , as s ^.

s upe r:obj e c t . 住所 : ( s t r i ng) .

債権 の概念 も同様 にクラスとして定義す る

債権 には複数 の関係がある。貸 した側 の人間 は,債権 の主体 とい う関係がある。借 りた側の人間 は,債権 の相 手 とい う関係がある

借金の金額 は債権 の金額 とい う関係で整数値 をとるか ら

その値 を i nt e ge r と して定義す る。 借金 とい う行為 は,債権 の原因 と しての関 係である

以上 の ことを,次 のよ うに定義す る。

c l as s 債権.

s upe r:obj e c t .

主体 : ( 人) . 相手 : ( 人) . 金額 : ( i nt e ge r ) . 原因 ‑ : ( 借金) . e nd‑ c l a s s .

これで知識 ベースが出来 た。次 にイベ ン トを記述す る。 イベ ン トはオブジェク トの 1 種であるが,特定 の時刻 に発生す る出来事を表わす ことがその機能 であ る

例 えば債権 の原因 となる借金行為 は, まさに出来事である

この出来事 に よって債権が発生す る。そ こで借金 の上位 クラスを ,e ve nt とす る。借金 には, 借 り手 と貸 し手 とい う関係があるaもちろん,借金 の金額 も重要 な関係 である

O

さて借金のオブジェク トが生成 され る時,借金の 「 借手」,「 貸手」,「 金額」が

データと して確定す る

借金行為 の発生 は, オ ブジェク ト 「 債権」 を生成 しな

ければな らない。 そ こで,̲ , これ らの作業 を コンピュータの中で も自動的 に行 な

(23)

法律における人工知能研究の現状 195 うためのプ ログラム も借金 の クラスで定義 す る必要 があ る

e f f e ct 以 降が このためのプ ログラム, この表現言語 で はメ ッセー ジと呼 ばれ る部分で あ る 。e ve nt ‑ val( s e l f ,借手 ,s e l f # 時,Ⅹ)

[脚B4]

は,「 借金 の イベ ン ト 自身 の I D が生成 され た時刻 の借手 の値 を Ⅹ に求 め る」,す なわ ちデ ー タを取 り込 ん で この借金 の借手 が誰 なのか が Ⅹ に書 か れ る。 以下 同 じく貸手 の デ ー タが Y に,借金 の金額 が Z に求 め られ る

O

‑ c r e at e ( ‑ ,債権∴[ 主体 : Y ,相手 : ̀ Ⅹ,金額 : Z ,原因 : s el f ],s el f # 時)

脚 注5]

は,債権 のオ ブジェク トを適 当 な名前 で作 り, そのオ ブ ジェク トの主 体 を借金 の貸 し手 で あ る Y と し, 相手 を借金 の借 り手 であ る Ⅹ と し, 金額 を借金 の金 額 Z その もの と し,原 因 を この借金 自身 とす る

これで, あ る借金 のオ ブジェ

ク トが生成 され た時, 自動的 に債権 のオ ブジェク トを生成 す る ことが出来 る。

cl as s 借金.

Is upe r:e ve n t .

借手 : ( 人) . 貸手 : ( 人) . 金額 : ( i nt e ge r ) .

e f f e c t一 一> eve nt ‑ val( s el f ,借手 ,s e l f # 時, Ⅹ) , e ve nt ‑ val( s e l f ,貸手 ,s e l f # 時, Y) , e ve nt ‑ val( s e l f ,金額 ,s e l f # 時, Z) ,

[ 脚注 4 ]e ve nt ‑ v a l( I D,Sl ot ,Ti me ,Va l ue ) は , 「イベント I D の特定時刻 Ti me の スロット Sl o t の値 Va l ue を求める」 ということである

またプログラム中の s e l f # 時は, 、借金オブジェク ト自身が生成された時刻でという意味である

[ 脚注 5 ]0‑ c r e a t e( I D,Cl a s s ,Con ° ,Ti me ) は , 「クラス Cl a s s のオブジェク トを作 り,

その名前を I D とする。 I D はプログラムで指定 しても良いが, 指定 しない時

( I D が無名変数を表わす記号 の時)には,システムが適当な名前を付ける。そ

のオブジェクトの各スロットの値は条件 Co nd で指定 したものとし ,Co nd の

評価は時刻 Ti me で行なったものを用いる」ということである

b

(24)

196 3 8 3・4

0 ‑ c r e at e( ,債権,

[ 主体 : Y ,相手 :Ⅹ,金額 : Z ,原因 : s e l f ], s e l f # 時) .

このよ うに法律要件が揃 った とき,それに対応 した法律効果 を生成す ること が 自動的に出来 る。 これが KRI P 言語 の大 きな特徴 である。単 に人工知能用 と いわれ る言語 では,概念や個 々の事象を容易 には表現で きない。今回のよ り高 度 な知識 を直接表現 できる形式的な枠組 みの導入 の試みが,今後 の研究 の方向 を指 していると思われる。

これ らの法文の表現言語 とそれ らコンピュータ言語 との関係 を [ 図 3] に示

そ う。水谷等 [ M i ]は述語論理 を模倣す る言語 GLO を提案 し,事務用 のプ ログ ラム言語である COBOL 言語を用 いてその処理系を開発 した。 次 に言語 GLO

を用 いて特許法を模倣す るとい う 2 段構 えの方法を用 いた。これが [ 図 3 a ]で ある

杉本 [ Su l ,Su 2 ],池田 [ I k l] らは,推論 に Pr ol og 言語 をそのまま 用 いて法的な内容 を表わ した。これが [ 図 3b] である 。Pr ol og 言語を用 いる方 法 は条件 と結果の間の単純 な関係 を表現す るには強力であ ったが,時間的推移 を伴 う複雑 な関係 の表現 には都合良 くはいかなか った。新 田 [ Ni T l ]らは,法

的要件 と効果 の関係 を巧 く表現す るためにオ ブジェク ト指向を取入れ, さ らに

特許 法 民 法

rtlltI

P̲̲̲̲̲̲̲̲

[ a ]

1 1

1

I I

l l

I l

l

l

l

1

1 1

[ b ]

工業所有権草

7

[ C ]

[ 図 . 3 ]法律 とプログラム言語 の階層的関係

(25)

法律における人工知能研究の現状 1 97

ある条件が揃 った時だけ特定の法律が適用 され ることを明確に表現す るために 区間論理式 を導入 し, KRI p‑ とい う言語を提案 した。 これが [ 図 3 C ] である。

階層の各段の高 さは,おおよその表現力に対応 している。

E . まとめと今後の課題

法律 の意味 を コンピュー タの中で実現す る方法 に 2 っのアブ ロー・ チがあろ う。つまり,法律の知識表現の変遷で示 したように,表現力が低 い言語 を使 っ てより高 い表現力を持っ言語を開発す るとい うボ トムア ップアプローチと,一 旦法文の法的意味を分析 して小 さな計算可能 な概念 に分解 しそれを再構成す る

という トップダウンアプローチである

ボ トムア ップアプローチでは ,1 5 年足 らずの間に 1階述語論理 の表現か らオ ブジェク ト指向の表現 まで表現言語が豊かに発展 し,エキスパ ー トシステムと しての応用化研究が具体化 して きている。 しか し, ここでの問題点 は,法文を 書 いている自然言語 と知識表現言語 との構造が大 きく異 なるので, この翻訳 を プログラ ミングという人間の特殊 な技能で補わねばな らないことである。知識 表現言語 その ものが自然言語 まセ発展すれば, lこの翻訳操作が簡単 になると予 想 される。 しか し法文が, 自然言語理解の手法で簡単 に翻訳で きるものではな い。その大 きな理由は,法律 として夢味 している内容が法文の文章だけか らは 読み取れないか らである。 これは他の自然言語の文 にはない法律独特の性質で ある。法的習慣や判例や学説 とい う知識無 しでは,法文の意味理解 は成立 しな いか らである。従 って, この翻訳作業を機械化す ることは簡単ではない。

トップダウンアプローチは,法哲学 と関係 している。吉野 は法哲学 と法律 エ

キスパ ー トシステムのそれぞれについて次のように述べ,それ らが密接 に関係

していることを主張 している [ Yo 2 ] 。 法哲学 とは,法の領域 における言語の

論理分析を行 い,法的思考 の構造 を解明す る学問である.」また法律 エキスパ ー

トシステムを作 るには 「 法的知識の世界を厳密 に論理的に分析 ・整理 し七 ,構

造化 された法的知識のデータベースを積み上 げてい くこと」 ,「 法的推論 の論理

構造 を厳密 に分析 し,それに基づいて法的推論の実際に適合 した推論 エ ンジン

(26)

198 商 学 討 究 第 3 8 巻 第 3・4 号

を作成す ること」が必要 であると述べている。 そ して, これ故 に法哲学 と法律 エキスパ ー トシステムの開発 は 「 密接 に関連す る」 と述べている。吉野の指摘 のように,法律を コンピュータに搭載す るには,法律か らのアプ ローチが重要 なのである。

一方,法的知識 を容易 に表現 で きるよ うにコンビュ. 一夕言語 の拡張を指向す るボ トムア ップアプローチ; あるいは,法的知識 を整理構造化 し機械化 を指向 す る トップダウンアプローチとは異 なるアプ ローチがあ りうる

法文 が 日本語 で書かれている以上, 日本語 としての文 をどのように理解す るのか とい う観点 示 ら法律 と知識表現 を考察す るアプローチである

.

言語表現 を意識 しない法律 か らのアプ ローチと言語表現 中心 のアプ ローチとの対応 をとることが このアプ ローチのね らいである。清水 と杉本 は,清水 [ S i ]を発展 させて法文の知識表現 をボ トムア ップで行 な うのではな く,書かれている自然言語を尊重 して進める

とい う自然言語理解か らのアプ ローチを提案す る予定である。

参 考 文 献

[ Ao] 碧海純一 「 岩波講座 現代法 1 5 現代法学 の方法」岩波書店

[ An] 安西祐一郎 「 人工知能 における知識表現言語 と して どんな言語 が望 ま し いか」, Comput erToday.No. 1 0 ,サイエ ンス杜 ,1 9 8 5 .

[ Bu] Buc hanan , B .C , Sut he r l and , G.L .,and Fe i ge nbaum ,E. A.

" He ur i s t i c DENDRAL :A pr ogr am f or ge ne r at i ng e xpl anat or y hypot he s ei n or gani cc he mi s t r y" ,i n Mac hi ne .I nt el hge nc e 4.1 9 6 9 .

[ Fa] ファイゲ ンバ ウム編集 「 人工知能‑ ン ドブック」共立 由版, 1 9 8 3 .

[ Gyo l] 行政管理庁行政管理局 「 法令検索 システム利用 の手引」, 1 9 7 8 .

[ Gyo2] 行政情報 システム研究所 「 都道府県 の関係法令 および条例の検索 シス テムに関す る調査研究報告書」 ,1 9 8 1 .

[ I kl] 池 田純一 「 人工知能言語 による法律の解釈 と適用」,日経 コンピュータ,

1 9 8 4 , 7 月 9 日.

[ I k 2] 池田純一 「 相続税 エキスパ ー トシステム」,法律 エキスパ ー トシステム

1/ l

(27)

法律 における人工知能研究 の現状 199

の基礎, ぎょうせい ,1 9 8 6 .

[ I s ] 石塚満 「土キスパー トシステム 」 ,Comput e rTodayNo.l l ,1 9 8 6 . [ Mi ]水谷静夫,斎藤孝,花岡百合子,佐々木袈裟雄 「 記号論理式 による法令文

事柄検索の一方式」 ,東京芝浦電気株式会社, 1 97 3 .

[ Nil・ ]N i l l s on,N. J ." Pr obl 占 m‑s ol vi ngme t hodsi nar t i f i c i ali nt e l l i ge n

‑ c e " ,1 9 7 1 .和訳 「 人工知能」 コロナ社.

[ Ni2]Ni l l s on,N ・J ・ " Pr i nc i pl e sofar t i f i c i ali nt e l l i ge nc ? " ,1 9 8 0 .

[ Ni T1 ]新田克巳,長尾順太郎,水鳥哲也 「 工業所有権法の知識表現 システム KRI P」 情報処理学会論文誌, Vol. 27 , No.l l ,1 9 8 6 .

電子技術総合研究所内部資料.

[ NK] 日経 マグロウヒル 「エキスパ ー ト・システムの実用化に入 った大手金融 機関」 日経 コンピュータ ∴No .1 3 3 ,1 9 8 6 .

[ Oh] 大須賀節雄 「 知識情報処理」オ‑ム社, 1 9 8 6 .

[ S i ]清水卓,山下篤志,杉本英二 「 相続税 エキスパー トシステム (1) (2) 」 情報処理学会第 3 5 回全国大会, 1 9 87 .

[ Su l]杉本英二 「 傷害保険データベースの質問応答 システムの試作 して」小樽 商科大学商学討究, Vol .3 2 , No3,1 9 8 2 .

[ Su2] 杉本英二 「 論理構造の認識」コンピューティングと数学 ,bi tVol .1 5 , Nt ) . 8 ,共立出版, 1 9 8 3 .

l Wo]Woods , W.A. , " Tr a ns i t i onne t wor kgr ammar sf ornat ur all an‑

guageanal ys i s ' ' ,CACM γol .1 3 ,1 9 7 0 .

[ W i ] Wi nogr ad , T. , " Unde r s t andi ng na t ur all anguage" , Ac ade mi c Pr e s s ,1 9 7 2 . 和訳 「 言語理解の構造十産業図書.

[ Yo l ]吉野‑,近藤浩康 「 契約法 エキスパー トシステム ( LES‑ 1 ) 」 , 法律 エ キスパ ー トシステムの基礎, ぎょうせい ,1 9 8 6 .

[ Yo2 ] 吉野‑ 「 法律エキスパー トシステムと法哲学 」 , 書斎の窓 No.3 6 9 , 育

斐閣, 1 9 8 7 .

(28)

200 商 学 3 8 巻 第 3・4 号

[ Yo 3 ]吉野‑ 「 法律エキスパ‑ トシステムに関する調査研究報告書」財団法

人機械 システム振興協会, 1 9 8 6 .

参照

関連したドキュメント

わからない その他 がん検診を受けても見落としがあると思っているから がん検診そのものを知らないから

ヒュームがこのような表現をとるのは当然の ことながら、「人間は理性によって感情を支配

点から見たときに、 債務者に、 複数債権者の有する債権額を考慮することなく弁済することを可能にしているものとしては、

荒天の際に係留する場合は、1つのビットに 2 本(可能であれば 3

(自分で感じられ得る[もの])という用例は注目に値する(脚注 24 ).接頭辞の sam は「正しい」と

人の生涯を助ける。だからすべてこれを「貨物」という。また貨幣というのは、三種類の銭があ

   遠くに住んでいる、家に入られることに抵抗感があるなどの 療養中の子どもへの直接支援の難しさを、 IT という手段を使えば

断するだけではなく︑遺言者の真意を探求すべきものであ