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科 学 技 術 動 向 2012 年 1・2 月号
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図表 家庭用太陽光発電と風力発電による生産額と雇用 創出の推計
参考文献1)を基に科学技術動向研究センターにて作成
再生可能エネルギー技術の導入は、地球温暖化
抑制やエネルギーセキュリティの確保とともに、新 しい産業と雇用の創出も期待されている。横浜国 立大学の研究者は、家庭用太陽光発電と風力発電 を含む拡張産業連関表を用いて、約 400 部門の産 業連関から導入効果を詳細に分析し、経済波及効果 と雇用創出効果の特徴と相違点を明らかにした
1)。 研究者は、産業連関表に再生可能エネルギーに 関連する部門を新たに追加し、部門別の生産額と 雇用を製造、建設、運用・保守の 3 段階に分けて、
国内における家庭用太陽光発電と風力発電による 発電量あたりの部門別生産額(百万円・年/GWh)
と部門別雇用(人・年/GWh)を推計し、比較した。
家庭用太陽光発電の場合、運用・保守と太陽電 池製造において生産額は大きいが、雇用係数(= 従 業員数/生産額)が小さいために、これらについ ての雇用創出効果はさほど大きくない。むしろ、
太陽電池よりも耐用年数の短いインバータを含む 開閉制御装置および配電盤において、製造と運用・
保守の雇用が生まれる。また、太陽電池を構成す るシリコン結晶の製造などを含む電気機械器具の 製造段階の雇用、パネル設置など建設段階の雇用 も期待できる。このように、家庭用太陽光発電では、
運用・保守と太陽電池製造以外の雇用創出効果も あることが特徴的である。
一方、風力発電の場合には、風力発電の運用・
保守において生産額と雇用が他部門よりも大きい。
風車建設時の雇用創出も期待できるが、生産額は 大きくならない。また、台風や落雷などの事故に 対する損害保険の保守・運用の生産額と雇用が、
家庭用太陽光発電と比較して大きいという特徴が ある。
発電量あたりでは、家庭用太陽光発電と風力発
電の運用・保守により創出される雇用はほぼ等し い。大きく異なる点は、他の産業部門への波及効 果である。風力発電については、ブレードなどの 部品を含め、風力発電設備全体で輸入が多く、製 造段階の海外比率が 80% を占める。したがって、
風力発電では国内における経済・雇用への波及効 果は限定される結果となる。
トピックス
5 家庭用太陽光発電・風力発電による発電量あたりの雇用創出効果
横浜国立大学の研究者は、拡張産業連関表を用いて家庭用太陽光発電と風力発電による経済波及と 雇用創出の効果を比較した。産業連関表に再生可能エネルギーに関連する部門を追加し、部門別の生 産額と雇用を製造、建設、運用・保守の 3 段階に分けて推計している。家庭用太陽光発電と風力発電 を比較すると、発電量あたりでは、運用・保守により創出される国内の雇用はほぼ等しいが、他の産 業部門への波及効果が異なる。風力発電については、部品や設備の製造段階の海外比率が 80% を占 めるため、国内における経済・雇用への波及効果は限定される結果となる。
参 考
1) 松本 直也,本藤 祐樹 ,
拡張産業連関表を利用した再生可能エネルギー導入の雇用効果分析,
日本エネルギー学会誌,
Vol. 90, No. 3, pp. 258–267 (2011)
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