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雑誌名 静岡大学教育研究

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(1)

教員と職員の専門性をいかした協働の試み : 教職 科目における協働授業の実践

著者 渡邊 貴子

雑誌名 静岡大学教育研究

巻 9

ページ 55‑62

発行年 2013‑03‑15

出版者 静岡大学大学教育センター

URL http://doi.org/10.14945/00007363

(2)

教員 と職員 の専 門性 をいかした協働 の試 み

―教職科目における協働授業の実践―

はじめに

本研 究の 目的は ,教 員,図 書館職員 ,学 生,そ の 3 者 にとって効果 的な学習 とその学習 をいかす機 会 を 同時 に作ることと教員 と職員 の専 門性 をいかした協働 を試 みることにある。そのために行 つた授 業では ,学 生 が教員 に課 されたレポー トをしあげるために必 要 と する文献を適切 に探すことをめざした。

静 岡大学 附属 図書館 (静 岡キャンパス ,以 下附属 図書館 とする )は 毎年 4月 から 6月 にかけて,図 書館 利 用セミナーベ ーシック編 (以 下ベーシック編 とする

)

と毎年 6月 から7月 にかけて,図 書館利用セミナーア ドバ ンス編 (以 下アドバ ンス編 とする )を 行 つている。ベ ーシック編 は ,新 入生セミナー回の 1コ マで ,原 則 とし て学部の 1年 生全員 が受講するものであり,図 書館職 員 が図書館 の利 用方 法 ,図 書や雑 誌 の検 索 につ い て説 明する。アドバ ンス編 は希望者 が受講 し ,ベ ーシ ック編 と同様 に新入生セミナー

lllの

1コ マでの実施 が 多く ,静 岡キャンパスの 1年 生の約 半数が受講してい る。筆者 は平成 24年 4月 よりこのアドバンス編の講師 を担 当した。アドバ ンス編 は ,レ ファレンス係 が担 当し

,

その内容 はレポー ト作成 の段 取 り ,文 献検 索 (図 書・

雑誌 等)入 門 ,CiN五 Altた bsn実 習 ,論 文入 手方法

,

日本語データベースの説 明である。したがつて論文検 索の説 明や 実習 はアドバンス編で初 めて行 われる。こ れ によリアドバンス編 の受講者 にあたる 1年 生の約 半 数 は,論 文検 索ができるようになつているはずである。

しかし,現 実として定着しているとは考えいくい。なぜな ら ,実 施 時期等 の関係 から教員 がレポート課題 を出す タイミングとアドバンス編を実施する時期 が重なってい ないため ,学 生が論 文検 索 について反復 する機 会 が ほとんどないからである。実際に 2年 生以上 になって も論 文検 索 ができない学生 が多 く ,図 書館 職 員 は図 書館 のカウンターで繰 り返 し質 問を受 けている。アドバ ンス編 の講 師として学生 に接 した印象 としても説 明 内

渡 邊 貴 子 (静 岡大 学 図書館 情 報 課

)

容に興味や関心があまりないと感じることがあつた。現 実的に必要としていなければ,受 講しても定着しない のではないだろうか。そのようなことを本学大学教育セ ンターの講師である松尾 由希子先生に話をしたところ

,

松尾先生の講義のなかでも論文検索の方法を説明さ れていることが分かつた。そこで ,お 互いの専門性を いかして協力して授業を試行することになった。

これまで大学図書館では ,授 業やゼミのなかで図 書館職員が学生に図書館の利用案内,図 書館ガイダ ンス ,論 文検索の方法等の説 明やレポート指導が実 施 されており,そ の成果 は ,三 上彰(2010),堤 香苗

(2010〉 ,原 真由美ほか (2012),森 なを子 (2012)に よつて 紹介されている。これらの視点は 2点 に集約される。 1

つは,図 書館が実施したセミナー等の内容紹介が中 心であり,そ のセミナー等の効果について検討されて いない点にある。 2つ は図書館職員主体で行うという 点にある。教員と連携しているという事例もあるが,そ の時も主体は図書館職員であり ,授 業やゼミに出向き 図書館の利用方法や検索について説明し ,レ ポート 作成支援を行つていた。

そこで本研究では ,学 生の文献検索能力の向上を めざすために ,教 員と図書館職員がそれぞれの専門 性をいかして,協 力して授業を実施することにした。教 員と図書館職員が行つた授業について ,本 稿では「協 働授業」と称する。その中で ,実 際に 2人 で授業を行 った2012年 10月 29日 については

,「

論文・新聞検索 実習」と称する。

なお,本 稿における私見にわたる部分はあくまでも 筆者個人のものであり ,附 属図書館の組織としての公

的な見解ではないことをあらかじめお断りしておきた い。

1.学 生の文献検索能力の現状

協働授業を行う前に ,教 職科 日「教育の原理」の受

(3)

講生に対して「図書・雑誌等の検索に関するアンケー ト」を実施した。質問紙 (別 紙資料〉 の内容は ,学 年,学 部などの学生の属性 (以 外は無記名),ベ ーシック編と アドバンス編の内容の理解や活用 ,こ れまでの文献検 索 (図 書・雑誌等 )状 況 ,調 査等で困つていることや困 ったときの対処法 ,検 索に関する図書館への要望で ある。 81名 に質問調査用紙を配布し ,79名 から有効 回答を得た。

(1)学 生の属性

回答者の所属は ,人 文社会科学部 17名 ,理 学部 45 名 ,農 学部 16名 ,教 育学部 1名 (後 日 ,履 修を放棄し たため,後 述の 2協 働授業の試み (2)論 文・新聞検索 実習②評価においては該当なLlで ある。

学年は 1年 生が 0名 ,2年 生が 45名 ,3年 生が 5名

,

4年 生が 2名 である。主に 2年 生を中心とする授業で

ある。

(2)学生の文献検索方法について

学生がどのように文献検索を行つているかの現状を 把握するために「先生からレポート課題が出されたとき に ,ま ず何を使って調べますか」と問うた。その回答が 表 1で ある。

図書・雑誌と答えた人が20名 ,Yahoo,Coogle等 検索

ェンジンと答 えた人 が 50名 ,デ ータベ ース〈 ciN五

,

LEX/DB)と 答 えた人 が 4名 だった。有効回答 74名 の うちの 50名 ,68%が YahOO,Goo」 e等 検索エンジンで あると回答している。このことから ,CiNii Articlesp]な ど 論 文検 索を 目的としたデ ータベ ースを最初 に利 用 し ている学生が少ないことがわかる。調査を効率的に行 うために Yahoo,GooJe等 検索エンジンを使うことはよ いと考える。しかし ,多 くの学生が主 に Yahoo,Google 等検索エンジンから得た情報を使 つてレポート等の課 題 を仕上 げているのではないか ,と 懸念を抱いた。そ の一方 ,Yahoo,GooJe等 検 索エンジンは事前調 査 のために使用 し ,Yahoo,GoOde等 検 索エンジンと図 書・雑誌やデータベース等を使 い分 けしている学生も いた。

質問紙調査では ,調 査等で困つていることや困つた ときの対処法 について 自由記 述 してもらった。その内 容を見ると ,特 に YahOO,COOgle等 検 索エンジンにお

いては ,大 多数の学生が情報の信頼性や質に疑間を 感じていた。例えば,適 切にキーワードが選べなかつ たり ,思 うような情報を選べなかつたり ,見 つからない あるいは情報を取捨選択できなかったりすること等に 苦慮していることがわかった。それ以外 にも気になる 記述が複数あった。例えば ,CiN五 々

tた

lesИ 等を検索 し ,す ぐに PDFフ ァイルで論文が見られないとその論 文は見られないものと誤解していたり,開 架書架 にあ る資料だけで間に合わせていたりする場合がある。ま た無料で論文が見られない場合は論文を読むことを あきらめており ,書 庫回に資料がある場合は ,時 間が あれば出納を依頼するが,た いていの場合あきらめる という回答もあつた。特にすぐに PDFフ ァイルで論文 が見られないとその論文は見られないものと誤解して いる学生がいるのは ,本 学に限つた現象ではなく他大 学四でも同様のことが起きているようだ。事前の調査結 果 をふ まえて ,論 文・新 聞検 索 実 習 で は ,CiNii

Articles121を 使用してもらい,す ぐに PDFフ ァイルで論

文が見られない場合に学内や学外の所蔵資料を検 索し ,入 手する方法を強調して説明した。

(3)セ ミナーの効果について

附属図書館が行つているベーシック編とアドバンス 編の内容の理解や活用を確認するため「大学に入学 した 1年 生のときにベーシック編の受講した内容につ いて記憶して,そ れを普段の学習等でいかしています か」と問うた。その回答は,い かしているが 40名 ,いか していないが20名 ,わ からないが 19名 だった。いかし ていないあるいはわからないが全体の約 50%で ある。

いかしていないと回答した人にその理由を自由記述し てもらった。その主な内容は

,「

使う機会 (必 要性 )が な い」 「図書・雑誌の検索を必要とする場面がなかつた」

「記憶があいまいで検索できなかつた」 「図書館をあま り利用していない」であった。自由記述の部分で「必要 がない」 「機会がない」のほかに「普段から図書も雑誌 もあまり参考にしていない」という回答がある。これは

,

Yahoo,Goode等 検索エンジンのみの調査でレポート 等の課題を仕上げていることを推測させる回答であ る。

ベーシック編では図書と雑誌の検索について説 明

しているが,あ る教員から「図書と雑誌の違いがわから

ない学生がいる」と聞いていたので

,「

図書と雑誌の違

いがわかりますか」と問うたところ ,違 いがわかるが 59

(4)

名 ,違 いがわからないが 19名 だつた。受講者 の 75%

くらいがわかっているようだが,わ からないと自覚 して いる人も一定数いた。

「大学 に入学した 1年 生のときに「アドバ ンス編 」を 受 講しましたか Jの 問いに対 しては,受 講したが 59名

,

受講していないが 19名 ,わ からないが 1名 だつた。論 文 の検索を経験しているのは ,全 体の約 75%で ある。

先 に 1年 生の約 半数がアドバンス編を受講していると 述 べたが ,こ の授業の受講生のうち 7割 以上がアドバ ンスを受講しており,論 文検索ができるはずである。

(「

アドバ ンス編 」の )受 講 した内容 について記憶 し て,そ れを普段 の学習等でいかしていますか」の問い

に対する回答である。いかしているが 4名 ,い かしてい ないが 5名 ,わ からないが 9名 だつた。有効回答 の 18 名 のうち 14名 がいかしていない,わからないと答えて いる。また未 回答 が41名 もいた。これは質問紙の設問 の進 め方 に誤 りがあり ,未 回答 が多数 になったものと 思 われる。いかしていないと回答 した人 にその理 由を 自由記述してもらった。その主な内容 は

,「

必要とする 場 面がない

J「

使 う機 会がない」 「 1年 生の間は論文の 取 り寄せ をほとんどしないので ,方 法 を忘れ てしまっ た

J「

あまり図書や雑誌 の検索をしないため」であった。

総 じて ,論 文検 索を使 う場面やその必要 がないため

,

普段 の学習等でいかしていない実態 が分かった。

2.協 働授 業の試 み

質 問紙調査 によって学生 が参考 にしている主な情 報 が Yahoo,GOO」 e等 検 索エンジンから得た情報 の み でとまっているのではないか,ア ドバンス編 がうまく 機 能していないのではないか ,と 抱いていた懸念 が実 感 に変わつた。学生が適切 に論文 と新 聞記事 の検 索 を行 えるようにするために ,学 習 とその学習 をいかす 機 会 を同時 に作 り ,教 員 と図書館 職 員 が協力 して協 働 授業を試 みることになった。

(1)協働授 業の構 造

①質問紙調査の実施

図書館職員が第 1回 目の授業(2012年 10月 1日

)

に出向き ,質 問紙調査を実施した。質問紙調査を行う 目的と趣 旨を伝え,属 性以外は無記名で回答してもら つた後,回 収して結果をまとめた。

②レポート作成に関する説明

教員が第 3回 目の授業(2012年 10月 22日 )で レポ

―卜課題を出し ,レ ポート作成 に関する説 明を行つた。

講義 の中でプリント 「中間レポート作成要項」を配布し

,

具体的な説 明を行う。このときに「文献検索のワークシ ート」も配布し,第 4回 目の授業(2012年 10月 29日

)

までにレポー トテーマを決 めて記入す るよう指示 があ つた。

③論文・新聞検索実習

第 4回 目の授業(2012年 10月 29日 )で 論文・新聞 検索実習を行う。図書館職員がパワーポイント資料で 論文と新間の検索方法について説明し,パ ワーポイン ト資料を配布資料とした。文献検索のワークシートに はレポートテーマと実習の結果を記入し,第 4回 目の 授業の終わりに提出した。

④文献検索のワークシートの返却

第 5回 目の授業(2012年 ■ 月 6日 )に 教員と図書 館職員が確認した文献検索のワークシートを学生に 返却した。

⑤レポート提出

教員へのレポート提出期限は2012年 11月 22日 に なる。

(2)論文 。 新聞検索実習の実施

①構造

論文・新聞検索実習は,図 書館職員がパワーポィン ト資料で論文と新聞の検索方法を説明の後 ,2人 ない しは 3人 一組のグループになり ,1台 iPaご 切を使用し

,

各 自が設定したレポートテーマにそつた内容の論文と 新聞記事を探すという検索実習を行つた。

実習では ,文 献検索のワークシートに ,レ ポートテ ーマと検索した論文と新聞記事 (各 2件 )の 書誌事項を 記入するよう指示した。論文と新聞記事の書誌事項は

,

教員が指示した参考 (引 用 )文 献の書き方で記入し,グ ループ内で学生相互に記入内容を確認させ ,2012年 10月 29日 の 4回 目の授業の終わりに教員へ提出す ることを求めた。同じグループ内で相談しながら実習 を行い ,教 員と図書館職員が教室内をまわり ,質 問等 に対応した。レポート提出期限まで不明なことがあれ ば ,教 員または図書館職員へ質問するようアナウンス した。

実習で特に配慮したことは ,論 文と新 聞の検索方

法について,で きるだけ簡潔にし,ポイントを絞つて教

えることである。ベーシック編やアドバンス編で,長 時

間の説明に学生の集 中力が続かない様子を見てきた

(5)

ため ,短 い時間 に必要なことを説 明するよう努 めた。ま た説 明 に使 用したパワーポイント資料 は,図 書館 特有 の言葉 を使 わず ,で きるだけわかりやすい言葉で作成 した。その資料 を配布 し ,後 日再 び 自分 自身で検 索 できるようにした。後 日の支援 体制 を明確 にするため 配布 資料 に係名 と図書館 職員 の名 前を明記 し ,連 絡 先のメール アドレスを知 らせた。

②評価

第 4回 日の授業(2012年 10月 29日 )終 了後に教員 と図書館職員が ,提 出された文献検索のワークシート を確認した。その際 ,教 員がレポートテーマを確認し

,

教員と図書館職員が参考 (引 用 )文 献の書き方 ,検 索 した論文等を確認後 (○ ×やコメントをつけた後),学 生へ返却した。これは ,論 文・新聞検索実習で行つた 参考 (引 用 )文 献の書き方 ,論 文と新間の検索方法に ついて学生の習得の状況を確認するためである。論 文・新聞検索実習当 日の結果を図 1に 示す。

■ 理 解 できた 口 理 解 できなかつた

りはあるものの ,教 員 の指示通 り ,論 文 と新 聞記事 (各

2件 )を 検 索し ,参 考 (引 用 )文 献を明記 していた。レポ ートで各 自が参考 (引 用

)し

た論文や新 聞記事を見ると

,

レポー ト作成 について理解 し,適 切 な論 文や新 聞記 事の検索ができていた。

口理解できた 日理解 で嗜なかつた

人女l■ttrl学 部

   

理学部

     

雇 学部

図 2レ ポー ト提 出期限当 日の結果 (11/22)

3.効 果的な学習支援の要因

協働授業を通じて,多 くの学生が適切に論文と新聞 を探せるようになつた。その要因として3つ にまとめた い。

(1)情報通信機器の活用

今 回の論文・新 聞検 索実習の特徴 のひとつは ,iPad を使 用したことである。先行研 究 において ,iPadを 使 用 した事例 はない。しかしながら ,本 学ではほかの授 業でも lPadを 使用している国。教室を移動することなく

,

授 業 の中で論 文・新 聞検 索実習 が実施 できたのは

,

iPadを 使 用したからである。実習では ,iPadを 使 用し たことがない学生や操 作 に不慣 れな学生 が含 まれて いたが ,教 員 と図書館職員で教室 内を回り,iPad操 作 の補助もした。多くの学生が ,ス マートフォンの操作 に 慣れていることも影響 したのか,一 度機器 に触れると

,

ほとんど抵抗 なく操 作することができたようだ。 iPadの 利 用 が難 しかったという学生がごく少数 いたが ,興 を持つて操作 している学生 が多かつた印象 である。グ ループで 1台 の iPadを 使用したので,十 分 に検 索で きなかつた可能性 があるが ,か えつてこのことが全般 的にスムーズに進んだ理 由の一つであると推測 してい る。グル ープで検 索 し ,お 互い に協 力 し合 うことが効 果 的 に働 いたものと思われる。各 自が検 索方 法 等 に ついて相互 に確認することが,そ れぞれの理解 を助 け

人来社会科学部

図 1論 文・新聞検索実習当日の結果 (10/29)

人文社会科学部に所属する学生の 80%が ,理 学部と 農学部に所属する学生の 54%が 参考 (引 用 )文 献の 書き方と論文 。 新間の検索方法を理解できていた。全 体的に見ると,約 77%の 学生が参考 (引 用 )文 献の書き 方と論文。 新間の検索方法を理解していたことがわか った。一方で ,こ の時点で 23%の 学生は理解できてい なかつた。

レポート提出期限後 ,提 出されたレポートの最終確

認を行つた。レポート提出期限当日の結果を図 2に 示

す。新聞記事を参考 (引 用

)し

ていない,つ まり理解で

きなかった学生が全体で 10%い た。しかし,そ れ以外

の 90%の 学生が参考 (31用 )文 献の書き方に多少の誤

(6)

たのではないか ,と 考えられる。

(2)動機 づけ

論文・新 聞検索実習前 に教員からレポ‐ 卜課題 が出 され,論 文・新 聞検索実習 に対して動機 づ けがなされ た。つまリレポート課題 が出されたことで ,学 生 は論文 と新 聞の検 索方法の習得 が必要 になった。しかも論文 と新 聞記 事各 2件 ずつを参考 (引 用 )文 献 とするよう条 件 がつ けられた。学生 はレポートを提 出す るために論 文と新 聞記事 を探す必要性 が生じた。そのため論文・

新 聞検 索実習の受講からレポート提 出まで約 lヶ 月 間

,

ほとんどの学生 が図書館 で ,論 文や新 間の検 索を繰 り返し行 つていたようだ。この間,学 生は不 明な点は

,

図書館 のカウンター ,教 員や 図書館職員 へ質 問 にき た。適切な資料 を使つて繰 り返 し論文と新 聞記 事を探 し,そ れを参考 (引 用 )文 献 としてレポートを作成 する。

質 問紙 調 査 を行つた時点では多 くの学 生 がレポー ト 作成や論 文検 索 について理解 が不足していた。それ が論文・新 聞検 索実習後 には ,半 分くらいの学生が理 解 できるようになつた。その後 ,繰 り返 し論 文検 索し

,

レポー ト作成 まで一連 の流れ を経験 して ,ほ とんどの 学生がレポートの作成や論文検 索 について理解 でき るようになったと思われる。学習 とその学習 をいかす機 会を同時 に作ることが学生の理解 の定着 に大きく影響 したと考えられる。

(3)協 働 の意義

今 回の試 みの大きな特徴 は教員 と図書館職 員 がそ れぞれの専門性 をいかし ,担 当を棲 み分 けて ,協 働 し たことにある。その結果 ,教 員,図 書館職員 ,学 生 ,そ の 3者 にとつて効果 的に効率的 に授業を行うことがで きた。なぜ なら本 来,ア ドバンス編 の受講者 (1年 生の 約 半数 )は 論文検索ができるようになっているはずであ る。しかし質 問紙調 査 の結果から ,現 状では ,学 生 は アドバンス編 を受講 しても ,学 習をいかす機 会 がない まま過ごしている場合 が多く ,教 員からレポート課題 が 出された時 点では ,論 文検 索の方法がわからない (忘

れている

)。

そのため ,教 員 が授業の中で時間を作 り

,

論 文検 索 について教授 しているものと思 われる。つま り多くの学生は論文検 索について 2回 間くことになる。

また図書館 のカウンターでも論文検索の方法 がわから ない (忘 れている )学 生から質 問を受 けることになり,そ のたび に個 々 に対応 している。協働 授 業 で学習 とそ の学 習 をいかす機 会 を同時 に作ることで ,効 果 的 に

学習スキル を身 につけることを支援することができた。

おわりに

本研究 は教員 ,図 書館職員 ,学 生,そ の 3者 にとっ て学習とその学習をいかす機 会を同時 に作ることと教 員 と職員 の専門性 をいかした協働 を試 みることを目的 に行つたものである。協働授業では学生が教員 に課さ れたレポー トをしあげるために必要 とする文 献を適切 に探せ ることをめざした。その結果 ,学 生 の文献検 索 能力 は向上した。

文部科学省から出されている大学図書館の整備 に ついて (審 議 のまとめ

)日

のなかで,大 学図書館 に求め られる機能・役割 のなかに学習支援があげられている。

その試 みとして図書館 を会場 に ,教 員 が講師 になって レポートの書き方講座 を行 う大学が増 えている。教育 活動 をはじめとした学習支援 は教員 と協働 で行 うほう がよいと考える。特 にレポート指導 はなおのことである。

なぜなら ,教 員 が求めるレポートと職員 が教えるレポ ートのあり方が異なる可能性 があるからである。また

,

レポートの内容や形式は ,分 野 によつて大きく異なる。

教員 は各分野の専 門家であり ,研 究成果を文章で伝 える専門家でもある。そして ,レ ポートの採点や評価を するのは教員である。一方 ,図 書館職員の多くは文章 を書く専 門家ではない。そのため図書館職員がレポ ートの書き方を教授する場合 は ,ト レーニングやブラッ シュアップのための支援 が必要であろう。しかし,それ でもすべての分野を網羅するのは難しいだろう。以上 のようなバックグラウンドを考慮し ,教 員 と図書館職員 のそれぞれの専門性 をいかす意 味でも分担 し,協働 して行うことが効率的かつ効果 的であり,相 乗効果 が 期待できるだろう。

今後の課題 として 2点 あげたい。 1つ は,学 生の文

献検 索能 力 の維持 と向上を次年度 にはかる。具体的

には,協 働授 業を行 つた「教育 の原理 」の授業 は ,教

職 の必修 科 日であり ,本 講義 の受講 生 の多 くは次年

度 に別 の教職 の必修科 目を受講することになる。その

授業で今 回の受講生 に対し ,文 献検索能力の定着を

確認 す るために質 問紙調 査を行 い ,改 めて学習 とそ

の学習を同時にいかす機会をつくることの効果を検証

したい。 2つ は,附 属 図書館で文献検索能力をつける

ために行 われているセミナー等の見直 しである。具体

的 には ,質 問紙調 査 や協働 授 業 でわかったことを踏

まえ ,ア ドバンス編 の内容を見直したいと考 えている。

(7)

今後 は ,学 生の学習・研究の発展段階に応じて受講  5)和 田敦彦 2012 「調べ方の今昔から学ぶ、教える

:

できる仕組み作り国や今回の試みのような協働授業の   図書館情報講習の活用体験から」 『

実施 についても検討したい。′

ふみくら』 82,23

今後もよりよい方法を模  6)松 尾由希子 2012「 iPadを 使つた授業実践」 『 静岡 索しながら ,学 生がより効果的に文献検索の力をつけ ,   メ

レポート課題や論文作成に取り組めるように学       

こ 学 FDハ ンドブック』 ,17.

を整えていきたい。        i習

環境  7)大 学図書館の整備 について (審 議のまとめ )一 変革 リ

大学にあつて求められる大学図書館像―

4.参 考・引用文献       http:〃

い剛 mext go Jp/bttenu/shnJ/J卜 utu/g"

utu4/toushin/130 11602 htm 堀池 尚明 2010「 大学図書館における情報サービス   (2013年 1月 31

‑東 京学芸大

:

半附属図書館 における情報リラ 教育支援を中

日確認

)

心に 」 『 明治大学図書館情辱

ラシー  8)堀 池尚明 2010

会紀要』1,21‑

30。

      

「大学図書館における情報サービ 学研究    ス̲東京学芸大学

原真 由美ほか 2012「 横浜女 :             

附属図書館における情報リテラシ

・教育支援を中心に 」 『 明治大学図書館情報学 子短期大学図書館にお    研究会紀要』 1,2130

ける授業支援の試み 『保育方法論』における図書館ガ イダンス」 『横浜女子短期大学紀要』 3556.

三上彰 2010 「授業 『 大学での学びと経験』と図書館 との連携 による図書館活用の試み」 『 Obinn tOd町 :教 育の現場から』 10,2123

森なを子 2012「 白梅学園大学・短期大学における 情報リテラシー‐ 教育の実践」 『 白梅学園大学・

学情報教育研究』 15,1225       

短期大 堤香苗 2010 「授業課題解決のための図書館ガイダ ンスー拓殖大学」ヒ海道短期大学の事例―」 『 短期大学 図書館研究』 30,1721

和 田敦彦 2012「 調べ方の Z ヽ昔から学ぶ、教える

:

図書館情報講習の活用体験か

註       

ヽ ら」 『 ふみくら』 82,2‑3

1)静 岡大学全学共通科 目

http://www shizuoka ac lp/outline/info/education/

pdν zengakukyoiku.pdf〈 2013年 1月 31日 確認

)

2)CiNi Article(

国立情報学研究所が提供する学協会刊行物・大学 研究紀要 。 国立国会図書館

ベースなど、       D雑

̀

誌記事索引データ 学術論文情報を検索の対象と 文データベー ース・サービス          する論

httpプ /d j acル /(2013年 1月 31日 確認

)

3)本 学の書庫は閉架式のため

,

する場合は ,力         ウンターで出納 ‐ 利用者が資料替 J用

0文 部科学省 ]      

ナる

五 成 22年 度大寺奎 生の就業力育成支援 事業から貸与

http://career hedc shizuoka acい /

(2013年 1月 31日 確認

)

(8)

図書・雑誌等の検索に関するアンケート

このアンケートは、学生の皆さんの図書・雑誌等の検索に関する現状および 1年 生で受講している「新入生セミ ナー」の受講後の状況を把握するために行います。よりよく文献を探せるよう、今後の検討材料にしたいと思いま すので、ご協力をお願いいたします。

静岡大学 附属図書館 レファレンス係 渡邊貴子

2

1 学年 を教えてください。

11年 生  2 2年  3 3年 生  4 4年 生

所属学部を教えてください。

1人 文社会科 学部 2教 育学部 3理 学部 4農 学部

図書と雑誌 の違いはわかりますか。

1は い  2い いえ (理 由

:

4  大学に入学した 1年 生のときに「新入生セミナーアドバンス編」を受講しましたか。

1は い  2わ からない (覚 えていない )3い いえ

1で 「はい」と答えた方は 5へ 「いいえ」と答えた方は 6へ 進んでください。

5受 講した内容

(「

図書の検索」、 「雑誌の検索」、 「論文の検索」 )に ついて記憶して、それを普段の学習等でい かしていますか。

1は い   2わ からない (覚 えていない )3い いえ

65で 「いいえ」と答えた方はその理由を教えてください。

7.大 学に入学した 1年 生のときに受講した「新入生セミナーベイシック編」で受講した内容

(「

図書の検索」と 「雑 誌の検索」 )に ついて記憶して、それを普段の学習等でいかしていますか。

1は い   2わ からない (覚 えていない ) 3い いえ

(9)

8 7で 「いいえ」と答えた方はその理 由を教えてください。

9先 生からレポートや課題が出されたときに、まず何を使つて調べますか。

1図 書・雑誌   2イ ンターネット(Yah00,Goo」 e等 検索エンジン

)

3デ ータベース (使 用しているもの :      )

109に ついて、調べている時に困つたことや不便に思つたこと等はありませんか。その場合、どのように解決して いますか。 (解 決はしなかつたけれど、困つたこと ・不便に思つたことだけでもあれば記述してください

)

困つたこと ・不便 に思つたこと等

解決方法等

11  図書、雑誌、論文、その他検索に関して図書館への希望があれば自由に記述してく ださい。

ご協力ありがとうございました。

参照

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