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放射能と生物

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(1)

雑誌名 金沢大学放射性同位元素委員会(編)放射能要覧 (解 説付)

ページ 231‑261

発行年 1980‑11

URL http://hdl.handle.net/2297/00051745

Creative Commons : 表示 ‑ 非営利 ‑ 改変禁止 http://creativecommons.org/licenses/by‑nc‑nd/3.0/deed.ja

(2)

放 射 能 と 生 物

231 K−1

電離放射線に著しい生物作用かあることは,X線についてRaV'1℃EN"X線を発見して以来報告された障害例によって 知られた。放射線障害の歴史は第1期・職業的障害,第2期。放射線治療障害,第3期・統計的障害,第4期・危険度の 推定へと変遷してきた。

Ⅸ−3

励起とイオンの生物的効果の比較。放射線のエネルギーを励起作用のみの低エネルギー域から十分イオン化の起こる高 エネルギー域まで変えたとき,酵素の不活化効率がどのように変化するかを示した。不活化断面積とは酵素の不活化の割 合と単位面積あたりの通過粒子数の比をいう。紫外線と電子線で細部はちかうかイオン化の始まる10eV近くから急速に 不活化効率かあがるのは両者に共通している。したかって,電離放射線の効果の主因は励起分子かイオンの倍近くも生成 するにもかかわらずイオンによると結論できる。また,通常の紫外線は励起分子のみしか生じないから電離放射線とは質 的に異なる効果を与えている可能性か高い。

K−4

大腸菌に対するx線と熱の致死作用のカイネティクス。熱殺菌では一定のしきい値以上の作用量を与えて始めて殺菌が おきるか,X線ではしきい値は存在しない。また,X線は全エネルギー量としては極めて少ない量で著しい作用を呈する。

たとえば,1rad=100ergs/gであるから500rads=5×104ergs/gとなり,100〃の人か全身に500radsの照 射を受けたとすると,その全エネルギーは5×109ergs〜100calであって一杯のコーヒーの熱量よりもはるかにすぐ

ないか,ほとんどの人か死亡する。

Ⅸ−5

線量効果関係。生物か放射線照射を受けた時に線量の増加と共に作用をこうむるものの数がどのようになるかを普通次 のように示す。すなわち,生物の中,変化をこうむったものの全体に対する割合を作用率といい,これを縦軸に,そして 線量を横軸にとって線量作用率曲線を描く。このようにして得たものは,ここにあげた3つの型の何れかに属する。曲線A では,ある線量になるまで作用はあらわれない。哺乳動物の急性死などはこれになる。曲線Bはシグモイド型で,ハエの 卵の死亡率などはこれになる。曲線cは指数関数に相当するもので細菌の死亡率などはこれにあたる。

K−6

細胞の生存率(s)を対数にとり,線量(D)を普通目盛りにとったとき両者の関係が直線になることを数式では次の

ように表わす。S=e・‑KD=e‑Q/b。。ここで平均1個の致死ヒットか標的に生ずると(D=Do)S=e‑1=

0.3678.…・となる。したかって,生存率か37%のとき,標的に平均1個の致死ヒットか生じている。Doを平均致 死線量とよぶ。

Ⅸ−7

ヒット説hittheory

今,容積Vc,"のところに線量りだけ照射したとする。この線量は単位体積(cM)当たりのヒットという現象の数ではか る。ヒットの意味については後に論じるがここではただ不連続なでき事と思えばよい。ヒットという現象かPoisson分 布に従うものとすると,この容積Vの中でn個のヒットの起こる確率は,ヒットの期待数はVDであるから

(VD)ne‑vD

n!

となる。n=0である確率はe‑VDとなるから,No個かDだけ照射されたときに,まだヒットを受けないものの数Nは N==Noe‑vD

となる。この式は図1X‑5の曲線Cのそれである。さらにn=1,2,3,...,n‑1を求めていくと,nヒット以上は受けな いものの数Nは

。‑"("

となり,nを段々大きくすれば図1X‑5の曲線BからさらにAに近づく。

(3)

lX‑l

年 代

1895(明治28)

1896

1897 1898(明治31)

1899 1901 1902(明治35)

1903

発見事項 X線の発見 放射線(本態不明)

(ウラン化合物より)

発見者

R6NTGEN BEcQuRREL

障 害 報告者 10

︑︑︲︒︑八︑︑一︑S︑

︑ロロ坐︑︑︑

■●︑

︑ひ

●︑■

手 の X 線 皮 膚 炎 G R u B B E 脱 毛 D A N I E L 24例のX線皮膚炎GYRKuRIsT 英国レントケン協会が障害の報告を集め始

め た

血 管 内 皮 の 変 性 G L A s s M A N モルモットのX線急性死RoLLINs 慢性X線皮間炎のあとに癌発生FRIEBEN 動物の骨の発育障害PERTEs 雄兎およびモルモットの不妊

ALEERs‑SCH6NnERG 兎の血液変化MILcHIREsetal・

白 血 球 減 少 症 H E l N E c K E 白血球中リンパ球が最も敏感

HERBENetal.

10】

ラジウムの発見C lfandCuRIE

掛仲鍋 10

α,β,γ線の発見RuTHERFoRD

10

1904

1905

10

Bs−l Io 05

0 1 2 3 4 5 X線(10krad)または60℃処理(分)

大鵬曲B株とBS‑,株とのX線および

lX‑4熱による不雌化曲線(Haynesl9

より改写)

lX‑2

3つの代表的線量作用率関係 100

生存率

50

0

線量

仮想的感受性分布

称 | 長(nm)

iO'

:1

γ X

遠 紫 外 線 近 紫 外 線 可 視 光 線 近 赤 外 線 赤 外 線 遠 亦 外 線 マ イ ク ロ ・ ウ ェ ー ブ

0.001〜0.1 0.1〜10 10〜200 200〜380 380〜780 780〜3,000 3, 0〜30,0側 30,000〜300,血 3 ,000〜1,000,000,000

頻度

B' A'

致死線量

代表的な線量作用率関係の3つの型

lX‑5

100

1

N/No

lO

()2.0 DJ7

500A 1.0

■■■巴■■二舌■■

11一一一 0.5

0.2 0.1

︵ロ︶壕巨逼筆超担時蕊冷圃

︵︒︒︒︶骨昌昨劇蕊汝群

普倖剣 1

■■■■ⅡⅡ■■■■

■■l剛胆里!

■■■■■■■日■■■一■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■日■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■一■■■■■■■■■■■■■

0.01

0.1

FFP,

1

2 8 2 】 2

1 ,

0.㈹1 0.01

2 4 6 叩 ( I n g 亡 一

線量(R) 上・ソト説による生存率曲

lX‑6ヒトの培愛細胞(HeLa.s,株)のX線線の計算値(z1MM園"よ に よ る 不 活 性 化 り )

1ヒットで効果のある 実線は理論曲線を示す.(PuCkl959による)

ターケット政が"』 1,1のと

lX‑7き,vは一定とする.

1

、 1 0 1 0 0 1 , 噸 近子または紫外線のエネルギー(6V)

タンパク質不活性化効率と放射線エネルギーの関係 (Hutchinsonl954,Setlowl960より改写)

l

lX‑3

波長 10"l0"1p'10'100Ip,4XIO;8×10‑7lO−4IO−3IO−810−1IlO10zIO3 10{(

廼磁

一・おいな用途

、 波

麺マチュ荊 ラジオ 船舶用通信

遠距離通信テレピ

電贈の中継

レーダー

線赤外線写真

線殺菌・燈

物質構造研究

診断・透視

品種改良

ムロQQ■ロ

m==

■■

■■●︒●●■中

、‐/Do、

→上+一一一

QOI11

(4)

233 K−8

1.放射線影響の物理的および物蠅化学的増大,physicalandphysicochemicalamplification(〜10‑10秒)

生体の基本的構造にとらえられたエネルギーは,その分子構造中を移動して特定の部分に集中されると考えられてい る。その結果,分子構造中に化学的に特に不安定な部分が生じ,分‑f構造の破懐をまねく。また,水分子等からラジカ ルが発生する。

2.化学的増大,chemica,amplificati。n(10‑'0〜1『6秒)

一方,放射線照射によって発生したラジカルおよびラジカルから誘導された物質によって,生体中に異常な強い酸化 反応が発生する。こうして発生したラジカルのうち,HO・は生命が比較的長く,かつ,大分子と酸化反応を起こして,

それを分裂させやすいので,問題になるラジカルである。生体内ではこれらの反応が連鎖反応を起こすことが知られて いるので,異常な化学反応はますます大きくなっていく。

3.生化学的増大,biochemicalamplification(〜数時間)

異常な化学反応が生体内の諸酵素反応に影響を与える。このさい,生体内で一定の支配のもとで働いていた諸酵素が 一度にその支配からときはなたれて,爆発的に無統制に反応を起こすとおもわれている。このことが放射線障害の決定 的因子だとする考え方をenzymereleasetheory(Bacq)という。

4.岐終生物学的変化

ここに至って,細胞レベルでの変化が発生し,分裂の抑制,突然変異の発生を起こす。そして一部は死亡し,一部は 悪性新生物などの発生の原因となると思われている。この晩発性の効果を考えに入れると,最終的な効果が生ずるまで には,数十年を要するわけである。

K‑10

水が放射線照射された場合には,K−lOの反応の結果H+aq,OH aq,e‑aq,H・,OH・が生成される。H・,OH・

は遊離基freeradicalと呼ばれ,不対屯子をもつ分子種で非常に反応性に富む。H+aq,OH‑aq,e aqは水和Hイオ

ン,水和OHイオン,水和電子といわれるものである。

K−12

酵素などを水溶液の形で照射した場合には,放射線の作用を水の中に生じた拡散しうる物質の作用によると考えねばな らないことが明らかになって来た。このような作用を間接作用(indirecteffect)といい,これに対して的弾説によ る分子に対する放射線の直接の作用をlrI接作用(directeffect)という。間接作用の代表的なものは希釈効果(dil‑

utioneffect)といわれるものである。

これは図1X‑12のように,同一線埜の照射に対して溶液の濃度を変えた時に放射線による溶質の変化かどのように 変わるかということに基づいている。この図の横軸は何れも溶液の濃度であるか,縦軸は右では変化した溶質分子数であ り,左では溶質分子の変化率である。現象はまず右の図で考えた方か蝿解しやすい。線量は一定であるから溶質分子か放 射線によって直接ヒットされて変化するのであれば,濃度の高いほど単位溶液中の溶質分子数が多いから変化分子数も濃 度に比例して増加する。しかし,もし放射線によって水中に何かか生じ,それか溶質と反応して変化を起こすとすれば,

その何かの堂は線量か一定ならば一定で,したかって変化溶質分子数も濃度によらず一定になる。このような作用の仕方 を間接作用という。ただし余り濃度の低い時はその何かか互いに反応して変化分子数は低下する。これか右の図である。

以上のことを表現を変えると左の図のようになり,この時には間接作用のときには変化率は濃度か低いほど急激に著し くなる。これを希釈効果という。実験的には水溶液の照射の結果は希釈効果を示し,間接作用を支持する。

しかしならば,この水中に生じて拡散する何かとはどんなものであろうか。それは主に水の放射線による分解によって 生じた水和電子e‑aq,H原子またはOHのラジカル(H。,OH・)とその副産物である。ここに放射線化学か放射線 生物学との関連において登場してくる。

K‑13

このような保護物質の生物に対する作用機構についてはいろいろの説かあるか,これはその何れをもってしても保護効 果に兄られるすべての現象をうまく説明できないためである。

|)その物質自身か自由基の作用を受けやすくradicalscavengerとして働いて他の分子を護る(freeradicalhy‑

pothesis)

li)保護物質は一般に酸化されやすいものか多く,そのためそれかあると溶液の酸素分圧が低下し,酸素効果かあらわれ ず影響は軽減する(anoxiatheory)

lil)保護物質は酵素その他の重要な分子と一時的に結合し,その結果重要分‑fを放射線に対して安定にして護る。この結 合には主に一S‑S結合か考えられる(mixeddisulfidehypothesis)

Iv)さらに保護物質か生体内蛋白質からglutathioneを遊離させ,それか生体内遊離SH量を増大させる(SHrelea‑

sehypothesis)

v)さらにもっと複雑な生化学反応を起こさせて本来の感受性を変える(biochemicalshocktheory) まで色々のものがある。

1つの保護物質についてもいろいろの仮説か出されており,生体における防護作用を試験管内の現象だけから考える のは危険なように思われる。

(5)

︑︑nJ〆●●■剛一一一

①●拒叩一恥

HHleH 十+︾OO函q+2+a︒

一一一一

︵U々MMM|罰

丑 l ひ一e ++

生物朧造中でのエネル:1.2−の 柿捉,移動,災中

(放#│線影鞭の物理的および物j1l1化¥

的瑚大)

JJうう1234くくくく

1鼬埒雲塞

、垂ROO

10'0

ー ■ l q ■ ‐ ー ‐ I ■ ● ■ ・ ● 申 ■ 、 ● ー ● = ロ q ■ ‐ ‐ ● ● = = − 画 − ● ロ ー c ■ ● ● ● ● − ● 缶 毎 ■ 由 告

(放射線影響の化学的増大)

10‑秒

I ■ ■ 句 甲 一 ■ ● ■ ‐ や ■ ● ● ● 、 ■ ト ● ● ● 四 つ 。 。 ● 1 ■ 。 。 ゅ ● ○ m ● 争 や ‐ 申 や = 。 ‐ ● 色 色 今 ● つ ● P ● 。 。

(放射線影響の生化学的jW大)

亀︑ ︑ロ

仏刈りq

代謝過程の変化

形態学的変化 ‐ 、 ロ,/⑧

、。

水 分 子

数時間

妓終生物学的変化

志鴬急 耐耐 lX‑ll水和氾子(‑)の模型図

厩源畷産到[唖]………一

lX‑8哺乳動物放射線障害の発展過程(Kuz!"より)

100

変化分子数

変化率

直接作用

間接作用

0

濃度 間接作用の場合は変化分 子数は濃度によらず一定

濃 度 直接作用の場合は変化分 子数は濃度に比例する

J

I■■■

山OL3

大 き さ 射線の生 用 の 全 過 疏 さ .

放作

I I

1 1 1 1

祗子 核酸蛋白質炭水化物脂質プリン塩基ピリミジン塩基アミノ酸中性子 人州

僻禰

組織細胞赤血球ウイルス

I , , │ 放射線の生物作用の全過礎および通子と人IHlとの亜さや大さ

lX‑9 さ の 比 較 I1 1 I

lX‑l2 希釈効果の模型的説明 lX‑l3代表的な防護化合物とそのマウスについての特性

化 合 物 化 学 櫛 造 急性毒性LD50(mg/kg)投与並(mg,/g)DRF 00000864

s…"<醜Ⅲ

NH2‑CH2‑CH2‑SH

MW>N1

112N‑(CH2)3‑N''一CH2‑CH2‑

SPO3H2‑XII20 CII3‑CH−CO−NH−CHzCOOH

SH COOH N C N H 2 S H

CH2 CH2

CH2CONH−CH−CO−NII−CH2COOH

nI"'c""

H

H

誕匡遜函

7000

250

690

550 20帥

1200

150

400

400 20

1.7

1.7 1.45

2.60 1.4

1.28 cystelne

cysteamine A E T

WR‑272l 2‑MPG

glutathione

。l・dY

20

システイン役ノノ・して から照射

0864

︹訳︺暑誤制

L 一 一 一 一 ー

I

l O O 5 0 0

4000 4000

O 、 ◎

0

1000 9 0 1 . 8 5 scrotonin

2

1

l O O O l 5 0 0 2 0 0 0 線敵〔R〕

lX141の線凧反応曲線(PATTら1952に。よる)5'j

DRF:dosereductionfactor=処│趾動物の14放タ線吐/対照勤物の半致死線雌 WR‑2721:S‑2‑(3−aminopropylamino)ethylphosphorothioicacidhydrate 2−MPG:2−mercaptopropionyIglycine

L・↓』。

斗山!

0 6

ll

4

1J$

。JooJ Jb

O

↓ 。

(6)

235

K‑16〜21

このように放射線の生物作用は著しいものではあるが,すべての生物が同じように作用を受けるものではない。

表1X‑16にはいろいろの生物に対するX線の致死線量を示した。これから分かるように致死という現象をとっても 線量に103もの差がある。また,哺乳動物のような種々の組織からできているものに対しては,全身に一様に放射線を照 射しても,各組織に見られる変化は非常に異なっていて,非常にはげしく変化し,ほとんど正常な細胞の見られなくなる

ものから,一見何の変化も見られないものまである。

このように生物の種により,また同じ個体の中でも組織の種類によって,また同じ細胞でもその分裂周期の時期によっ て,同一線量の放射線に対して異なった反応を示すことを,それらのものの放射線感受性(radiosensitivity)が異な る た め で あ る と 記 述 す る 。

Ⅸ−19

/

BERGONIE‑TRIBONDEAUの法則

哺乳動物の細胞の放射線感受性はその種類と状態によって異なるということか古くからいわれ,それに対する一般則と

してBergoni3‑Tribondeauの法則というものか認められている。これはラットの精巣をRaのr線で照射した時の精

細管内の各種細胞の変化の程度の比較から得た結論を普遍化したものである。精細管の中では分化の最初の段階にある精 原細胞の障害が最も著しく,精母細胞,精娘細胞,精子と分化するにつれて障害は軽くなる。このことから彼等は次のよ

うに結論した。

i)細胞分裂の頻度の高いものほど感受性か高い。

il)将来行う細胞分裂の数の大きいものほど感受性か高い。

ili)形態および機能において未分化のものほど感受性か高い。

この法則にどこまで一般性かあるかということかよく論じられるけれど,それにはちょうど増殖性細胞への放射線作用 から,生体でのいろいろの細胞への放射線作用がどのように類推されるかというのと同じく,生体内の細胞の動態につい ての正しい理解の上に立たねばならない。

成熟した生体の中の細胞はその増殖についての動態から3つに大別できる。

l)cellrenewalsystem(細胞再生糸):骨髄,精細管,腸上皮,水晶体上皮,皮膚上皮などのように,幹細胞とい うべきものがたえず分裂増殖を行なっていて,それからできた細胞は分化して機能を果たして失われていくものである。

il)肝細胞のように正常ではほとんど分裂しないか,損傷などの刺激があればある程度の分裂能力を持っているもの。

筋 肉 の 一 部 も こ れ に 入 る 。

lii)神経細胞で代表されるもので,成熟後は分裂能力を完全に失っているもの。

放射線の影響か最も少ない線量であらわれるのが増殖過程に対するものであることは上の諸節で述べた通りであるし,

またその増殖障害の影響も著明に見られるのか細胞再生系であって,具体的にはその中の幹細胞の障害としてあらわれる

というのかBERGONIE‑TRIBONDEAUの法則の近代的意味であろう。

図1X‑29に示すように,細胞は同じ増殖条件におくとほとんど同じ感受性を示すので,この法則の示すものは,細 胞の生体内での動態によって影響の大きさか違うというふうに理解すべきものである。

神経組織は組織学的には放射線障害がみとめにくいが,機能的には障害を受けることか知られているので,最下位に置 くのは妥当ではないかもしれない。x線療法を受けた患者が,吐気を催したり目まいがしたりする(放射線宿酔)のは神 経性の現象である。また,X線療法後はもの忘れかひどくなるともいう。大線量をあびたときの中枢神経死はこれとは別 な現象であると思われる。大線量によって脳内の血管系の透過性に変化か生じ,急性脳水腫がおこる結果,脳内圧が高く なり神経障害をきたすのであるといわれている。頭蓋骨をはずして脳内圧の増加を緩和すると延命効果かあるという。

(7)

lX‑l9 主要器官の放射線感受性

lX‑l5

放 射 綴 感 受 性 の 相 対 値 組 織 擬 能 障 害

16

リンパ組織小リンノ

罰一議瀞能。低下棚

(胸腺)

瞬襄一伽鍵圃…

造 血 組 繊

(骨髄,脾)

眼 水 晶 体 上 皮 細 胞 一 白 内 障

"""ア繩:.

生殖腺磯駕震細胞

内分洲{嘉状割一…ンの分泌低下

内 臓 器 官

麿

脂 肪 組 織 脂 肪

神経組織摸憲一獅鮒の失調

264︵訳︶普鴎割

0

0 2 0 4 0 6 0 8 0 1 窒素中の酸素(%)

(a)ショウジョウパエ(DγosoPA"。,n2Iqnog !eγ)における X線誘発変災(│繩玖死)と酸素濃度との関係(4 R)'s

00000風4321

起噸遥懸慈橿

0 1 0 2 0 3 0 4 0 5 0 6 0 7 0 8 0 9 0 酸素(%)

(b)マウス腹水癌細胞浮遊液上の空気の酸素圧と

その遮射猟忠父性との関係'。

二汐 ︲P4

〆酔1︑

寺挿

○一

lX‑16種々の生物の急性死に対するX線半数致死線量(耽乳肋物では30日)

ぞうりむし β・加 e郡2γ畑祠 ア メ ー バ 酵 母 大腸菌 蝸 牛 金 魚 ラット

〃、ムスター マ ウ ス モ ル モ ッ ト 山 羊

300,000〜350,OOOR 15,000R 100,000R 30,0OOR 5,600R 8,000〜20,000R

10500R 700R 670R 900rad 840rad 900rad 900rad 398rad 255(?)rad 225〜270(?)rad

265rad 230rad l95rad l55rad

100 208

。CAF,

△A/He

▽BALB/G

・C3H 口C57BL oA(MaIICI

残存線量効果の百分率

伽 物 例 年 的 』 弓 て 放 射 聞 暮 受 性 か く世化する

64

翻画謬制

L 茎 三

0

2 2 4 6 8 1 0 1 2 1 4

照射後日数(350R)

ただしA(Manch)のみは未熟のものでを260R照射 マウスの全身照射効果よりの回復曲線 マウスの系統によって回復曲紳が災なること を示している.大体折放i澗放であらわされその 傾斜が異なるようである.

0 4 0 8 0 1 2 0 1 6 0 2 2 4 0 マウス年齢〔日〕

800RのX線を全身11({射し

lX‑l8だときのマウス年齢と4;

残時lMlとの│Rl係

(QuAsTLERl945による)

哺乳動物の値は体軸における吸収線逓(V・P・BONDによる)】

lX‑l7

100

80

0064

︹訳︶昏袈蝦︺

20

141516 胎 児 期 受胎後の日散(=照射した日)

いろいろな胎児発生11$期のマウスに200Rを剛射し

lX21(RussELLandRussELL1954

よ')改写)

燗11胞'1川:.系(通jMl縦・鵬」:皮,皮1M,ドル巣,水1N{体)ゾ)分化,成熟過f 11と11({射

lX‑20による変化(HENsIぃw1958上り改卿

細胞仰生系 遮 血 組 織 腸上皮 皮 府 締 巣 水 晶 体

幹細

フ ー マ

幹細胞

・ ●

● ●

● ●

● ●

● ●

率型

(分裂)

I

機能柵 胞 一 一 丁 一 一

(必化)

(死減) 腺 廟

(幹細胞) 推 服 細 胞(幹細胞)

角質}付

幹細胞

柿子 I

tIk (仲細胞)

水!}M (靴 亦jn部

正常な分化過程 正常な成熟過罹 照射による変化

4 4 4 4 日 1 7 − 1 0 7 1 ㈹ 日 免 疫 能 血 液 食 作 用 雌 素 輸 力 低 下 職 間 低 下 送 低 下時延 側ⅡJとⅢⅡprP毛

2日

2日 絨毛の短縮と 喪失 下痢

出血 2週間

紅斑 椴蛎

擾縮 3 〜 4 週 間

7〜8週'111

−.時的また は永久不妊

'/2〜3年

白内障

(8)

237

K−22照射線量と吸収線量。

X線の照射量はr単位であらわされる線量で示されていたか,これは生体に吸収されるエネルギー,すなわち吸収線量 にほぼ比例するものとして意味があったわけである。ところがX線のエネルギーの非常に高いものや,いろいろの粒子線 か加わってくると,空気の電離ではかったレントケン量と吸収エネルギーとは必ずしも比例しないことが分かって来た。

X線でも軟組織以外はエネルギーによって大きく変わることを図1X‑22に示した。

Ⅸ−23

高LET放射線の電離密度は高<,たとえ無酸素状態でも標的物質に十分効果を与えうるのに比し,低LET放射線の 場合は電離密度か低く酸素のない状態では反応生成物に乏しく,その拡散限界外に標的物質の存在することが多い。

K‑24LETとRBE(RelativeBiologicalEffectiveness)。

放射線はその種類により,またそのエネルギーにより吸収率が異なる。物体への吸収線量は透過1〃当たりのエネルギ ー付与(eV)をLET(linearenergytransfer,線エネルギー付与)で示し,その単位としてradか用いられる。

lradとは11当たり100ergか与えられる線量である。生体に対する作用は吸収線量のみによらず,放射線の種類や LETに準じて作用比力異なる。しかし,生物や生物反応の種類か非常にちかっていても60〜150KeV/"mのLET 値をもつ放射線が最大のRBE値を示すのは共通の原因か主役を演じていることを示唆する。

Ⅸ−25

放射線の線量率を変えると同一の線量を照射しても,放射線障害に大きなちかいかみられることは線量率効果として認 められている。ある線量を長時間かけて照射した場合に障害が小さいことの原因は,照射中に回復がおこるためと考えら れている。線量率効果は低LETの放射線に照射されるときには大きいが,LETの高い放射線の場合には著しくない。

これは高LET放射線では回復がおこらないためとされている。

K‑26

生物に対する放射線の作用は吸収線量のみによらず,放射線の種類やLETに準じて作用比か異なる。それを線質係数 (qualityfactor=QF)とよびLETとは1X‑26のような関係を示す。吸収線量(D)に対して,作用線量 doseequivalent=DE)はDE=D(QF)(DF)の関係である。

DFは放射性同位元素などが体内分布する場合の分布係数で,体外被爆では不要である。線質係数は生物効果比(re‑

lativebiologicaleffectiveness,RBE)と大体一致し,その単位としてrem(r6entgenequivalentmanrnal) が用いられ,放射線防護や健康管理のために使用される。

(9)

唾へ函へ⑱淫① 20C

15C 12C

■ ロ ■ ■ 一

IOC

6

=7.36

5587

60 50

10 J O Z O O 1 [

k e V M c V x線量子エネルギー

lX‑22x線量子エネルギーの変化に対する種々の生体組織の,レント

ケン当たりの吸収エネルギーの変化 lX‑23LETと酸素効果の関係を説明する模型図

(Andrとwsによる)

) 5 0 B

▲●ゴム¥,ムツサ々ツユクサの峻色体異常 A

▼ O マ ウ ス の 駒 腺 . 脾 風 の 、 量 低 下 x マ ウ ス

⑥師部菌(1日)

一 ◎ 大 砺 爾 り ん

◆大腸圃座,

一 ▼ T l フ ァ ー ジ 6

j/

△fx174プァージ・

(・乾爆状勉)

◎ ゴ ム ギ

聯簔』… ゾー。

▼アスペルギルス(醐凧〉夕'o

● 大 島 画 グ

20

10

10

隣国四国塵

臆、

1.0

1.0

ここL継塑鐙墾ミミ、

0 . 1 1 . 0 1 0 1 0 0

0

0.1 0.1

1000 0.1 1 . 0 1 0 1 0 0 1 0 0 0

飛跡平均LETL(kcV〃・水)

飛跡平均LETZ.(keV/"・水)

体細胞的効果(A)および突然変異誘発(B)に対する各種放射線のRBEとLETの関係 ムラサキツユクサ(COnger,A、,. α、1958Rad.R 、9:525),マウス(Storer,』.B・ α/,1957尺αd、RCS、6:188;

Bateman,』.L, αJ・l961Ra仏R 、15:694),コムギ(Matsumura,S、e2aI、l963Ra4Bofα"y3:29),酵母(致死:

Brustad,T,1961.Ra f、R '15:1396突然変異:Nakai,S、,Mortimerl967Raa.R .Sα〃/,7:172),大腸菌 (致死:Haynes,R、H、,I966Rad.R .S"〃ノ.6:1;突然変異:Deer;n9,R、A1963RaJ、Rcs、19:169),Tlと めXl74(SchambraandHutchinson,1964尺 .R 、23:514),アラピドプシス(商等│h'【物の変拠:Fujii,T、1964 J 』/》α"..ノ.C "rノ.39:91),カイコ(Mur飢1《、1,,i 八.an(lKondo,S・ 96イ ノα/W". ノ.G '"c/、39:102),シヨウジヨ ンバ エ(Lea2"),Edington,C、G,andRandolph,M、L,,1958cc,1噸 43:713),Aコルrgi""s(Stapleton,G、E・ α/,1951 J.α".α椀"・鮎y io1.39,s 〆、1:87).

lX‑24

線踊

報黄G暑寮鍋

lX‑26 L E T と Q F と の 関 係

妥毎

X線,γ線,β線 緩中性子線 速中性子線,陽子線 α線

重粒子線 100以下

100〜200 200〜650 650〜1500 1500〜5000

3.5以下 3.5〜7.0 7.0〜23

23〜53 53〜175

0025121一一一一1250

線趾率の刷すとき 線愚

線量および線品率による生物効果比の変化(ICRPおよび ICRUに対するRBE専門姿11会側fIfiI1963による)

lX‑25

筋肉 ZL=7.42

−…‑..‑‑‑.ざ

=13.8

ZL=5.82 (m

4 §8 1.0

==言==

Cu 1520

■ 、 ■

(10)

239

K−27培養細胞の線量効果関係。

図1X‑27はPuckら(1956)かHeLaS3細胞について初めて報告したもので、この曲線は図1X‑7のヒット説中

‑D/96)2に実験誤差の範囲で一致する。ここでSは生存率であり,ヒット数は2,

で 示 し た 形 S = 1 ‑ ( 1 ‑ e D37は96Rである。

K‑28生体内細胞の線量効果関係。

1X‑27のようにして,いろいろの細胞か同じような反応を示すとしても,それかすべて培養という条件によって作 られたというおそれかある。そこで生体の中で増殖している細胞の線量効果を求めることが必要であると考えられた。

これを初めに行なったのはHewittandWilson(1959)で,マウスの移植性白血病細胞を用いて,接種後の発病率 を50%にするために必要な細胞数の比から1X‑28のような線量効果関係を得た。これによるとD37は60Cor線に 対して162Rであった。

K‑29(a‑d)

いろいろの方法で求めた哺乳動物細胞の増殖能についての線量効果関係はみんな同じ形を示し,ヒット数とD37か若干 異なるだけである。ヒット数のことは最近ではヒットの意味か不明確であるから,ただ曲線のパラメーターとして外挿数

(extrapolationnumber)と呼ばれることか多い。

K‑30

増殖しつつある細胞での分裂周期(mitoticcycle)は,以前は分裂期と休止期とに分けられていたが,その後休止 期の中頃にDNA合成の行われる時期(DNAsyntheticphase,S期)があることが分かり,これを境にして休止期 はG,,S,G2の3期に分けられるようになった。その各期の時間の代表的な例を図1X‑30に示す。

K ‑ 3 1 細 胞 の 分 裂 周 期 と 感 受 性 。

以前から休止期の中で何時頃が放射線感受性か高いかということについて多くの研究かあるか,その結果は必ずしも一 致していない。それは普通に取扱う細胞集団はこの分裂周期のいろいろの時期のものを含んでいるので,どの時期の照射 の影響かどれであるということをきめるのは容易ではなく,解釈に違いを生ずる可能性か多分にある。そこでこの点を明 瞭にするためには,どうしても時期のそろった細胞集団を用いなければならない。このようにして行われた研究は未だ多 くはないが,増殖能と分裂遅延を指標としての結果はほぼ一致している。すなわち増殖能からみた生存率では分裂直後と s期の初め(分裂周期の短いものではこれか一緒になって見られる)に感受性の特に高い時期がある。分裂遅延の程度は 次の分裂までの時間か長いほど少なく,多分自然の回復があるのではなかと考えられる。

(11)

21000叩叩叩加000

生存率 生存率

1 0 0 2 0 0 3 0 0 4 0 0 5 0 0 6 0 0 7 0 0

線量(R)

lX‑27総織懸塁繩奮えられた

生存率はコロニー形成,したがって細 胞の瑚殖能による.材料はHeLa細胞

、OROO1−2OO1−62.00oz、4OL

線量(R)

lX‑28篭内撤篭洲R瀧霧 生存率=,織鰐,器制勝

移植性の白血炳細胞を用い,移植後90日 までの発病により半数発"iのための細│胞放 TDsoを求め,上の式より生存率を計押し

た.

7.0±1S3EQL̲→ぺ>‑L3.0"7hr20

〈、G @一ノ

9±3.31}r〜50%

哺乳動物の分裂周期の例

lX30L(TILに

%はランダムな細胞集団中での各 期の細胞の百分率

lX‑29‑0培養ヒト紙胞の線量‑生存率曲線の'《ヲ久一クー

− 綱 閲 一 面 一 「 扉 耐 云 一

捉 数 性 培 養 細 胞 系 HeLaS3

服結膜.肝,虫垂(Chang)

肝.眼結膜,虫垂(Chang)

白血病(Oog…)

骨髄細胞.D98/AG(Berman)

胎児肝(Westwood)

子宮癌HEp#1 腎 細 胞

新鮮分離細胞系(2倍体?)

胎児肺(上皮細胞性)

皮膚,脾,卵巣(線維芽細抱性)

PuCkら(1956)24)

PuCkら(l鰐7)25)

Morkovinら(1960)16)

Erikgonら(1961)27)

1963)29 Dewey(1960)2

(1963) Delihasら(1962)91)

Barendsenら(1960)誼

︑ノe︑ノ︑ノ︑ノ︑ノにxにいいに一n〃凸︑〃凸n〃︒●︽︑ソの可︾命くり八叩︾21

GG蛙SSSSP

96R l00R MOrad l80R 130R 1191.d l40md l30r五d l弱Xad

BBABAABBB

Puckら(1957) 2.0

1〜2

BB 166R

50〜lOOR

GG

0.5 lX‑29‑b"チャイニーズ.,、ムスター細胞の線斌̲生存率曲線の,《ラノークー

細 胞 秘 V7牙1(2倍体)

AAABABBB

文 紙

Mohlerら(1963)3コ)

Elkindら(1960)M)

Elkindら(1 1)ユ$)

SinclaIr1964)36 Elkind1960)37 gchnciderら(1963)3')

Pnck1960)39 一GGGPGSSG

0QO0冊倖剥e巡諒醗胃ら烏

A H−1 H−2(2倍体)

2倍体細胞系 3(e)

lX‑29‑C脾.画=‑.テストによるマウス細砲の線丘‑生存率曲練の,《ラメー,−

06284

00

︵胃﹄ヘ合巨︶潮劉副牢 拓 胞 楢 l 綴 源 | 照 射 条 件 D O | 外 挿 数 文 献SS・wSSMCCull産hら(1蝿2)00)

Tillら(1粥1)41>

McCulI唾bら(1962)40)

壁hneiderら(1鮪3) Bushら(1964)⑨)

マ ウ ス 正 常 骨 髄 細 胞 CCCBC 111 幅脂弱師刈 mmm画画 ddddd 2.5

2 1.5 2(e)

マ ウ ス A K R リ ン パ 肉 咽 細 胞 0.7

l)<‑29‑d実験的マウス移植塵の縁量‑生存曲鐸のバラ漢一ター

|綴瀕|照射条件│D。│外挿数 文献

細 胞 種

0864200QQO佃蔵e異緊狸暮弛ミで順

CBAリンパ球性白血病細胞 63CHEDリンパ肉腫細胞 エールリッヒ腹水癌細胞

低4倍体 低 2 倍 体 P−388白血病腹水細胞

匂(2倍体)

P‑288(4倍体)

CBBBCDD

Hewittら(1鴎9)の PC宙e壷ら(1妬3)"》

Homseyら(1妬1)45)

Siliniら(1962)46j Be】1iら(1963)7)

Berryら(1961)48〕

Berry13)4 趣峰﹄岬︾︾︾1111111 2

1.2

15.4 2.4 4.5 1.6 3.1

耐︽ご︵己︵己︒wow

0 2 6 1 0 1 4 1 8 2 2 時 間 細胞の時期による感受性の相違 琳殖能と分裂遅延について (TERAsIMAandToLMAcHより改写)

*A:150kV以下のX線;B:150〜300kV;C8foCoガンマ線;D:megavoltage G:ガラス面付着;P:プラスチック面付君;S:浮遊状魍;iv:生体内 (e):データからの推定

lX‑31

(12)

241 K−33

生体内でも生体外でも,大部分の哺乳動物細胞で求められた生存曲線はシグモイド型である。この曲線は致死かおこる までに傷害か蓄積されねばならないことを示している。すると生残曲線の直線部分は致死ターケットの大部分かすでにや られ,あと残る1コかやられると細胞か死ぬことを意味しているから,生残細胞は亜致死傷害を含んでいると考えられる。

Elkindらは,分割照射法をもちいて亜致死傷害の回復現象を証明した。

チャイニーズハムスター細胞に992radを照射すると生残率は0.00186である。もし992radを505radと 487radに二分割して照射すると,第1回めと第2回めの照射間隔をかえると細胞の生残率か変化した。この分割間隔 を12時間以上にすると生残率は0.0078となり,これは505radまたは487radを照射したときの生残率0.082 と0.095をかけあわせたものに等しくなった。このことは,両照射かまったく独立して細胞に働いたことを意味する。一 方,照射間隔を12時間以内にした時には,生残率は0.00186〜0.0078の間にきた。こうした結果から,第1回目の 照射によるX線傷害は12時間で完全に回復することがわかった。このような回復現象をSublethaldamage(SLD)の

repairと言う。

K−34

SLDのrepairに対して,細胞を集団として培養し,または生体内にあるままで放射線を照射し,これを数時間後にとり出 して,ばらばらにして培養して集落を作らせると,ここに示すように,照射直後に行なった場合に比して生存率か数倍に向上す ることかある。これをpotentiallylethaldamage(PLD)のrepairと言い,腫瘍内などでその役割か考えられてい る。

Ⅸ−35放射線による分裂遅延。

細胞の分裂周期上ではG2期からM期への移行が最も放射線に感受性か高く,非同調細胞にr線を照射するとその照射 線量に応じて分裂の一時的阻害か認められる。

Ⅸ−36

分裂遅延は極めてわずかな線量でも認められる。

(13)

線最〔krad〕

(4)

0.4870.5050.992

)0204Vb.608m[

の個順

3ンルルー→繍 Ⅱ卜酷︑了︿︑/面H0F﹂心Ⅲ旧ク

ンルトチ側スメヒの化

一一

匡岬一一 −1ノーフ7ロメ0リ6ポⅨA幽恥活一靹川拙一シ圭畑一胴歪︾酷

c・

の盛り

令l卸︽染拡 舟韻胡

0.U

DR2 0.0078 (0.095×0

0. 186

〕 、 K 3 0 4 C

ポリソーム

ポリソーム の 分 綱 分裂に し,要な

m剛Aの合成 (202

の形蝋に必要な

騨塑醗成 0

タンパク合成(10

lX‑33耐両紙綿蝋隙W"'≦よる

S期に心要 なタンパク の合成(24,25)

分 裂 に 必 要 な

タンパクの合成(26〜28)

K+イオン 濃 度 の 増加、,

%プレーティングエフィシェンシイ叩ぬ加︑

↑ ↑

Na+イオンK+イオン 濃 度 の ・ 濃 度 の 減 蠅 9 増 力

HGPRT 遺 伝 子 の複製(31,

Na+/K+

ATPase 遺 伝 子 の 複製伽

Y お よ び X性染色体 の 一 部 の 複製(33〜35)

← ÷

32 Na+/K+

ATPase 遺 伝 子 の 複製帥

10−

生存率

10 ・

I

lX‑32哺乳類細胞の細胞周期マップ 1

0 4 8 1 2 1 6 2 0 2 4 BSS中におりた時

BSS(BalancedSaltSolution)中における PLDのRepairの例:HA−1細胞

BSSのプレーティング・エフィシェンシイに対する効果を見 たもの.殆んど変化がない.

IX‑34

( 上 ) −

分裂細胞の頻度の対照に対する百分率

(下)一一過定状態で培養中のHA−l細胞を2,㈹0radsX線照射した 後BSS下に侭き,その後培養してコロニーを作らせPLDの repairのKinelicsを見たもの.生存率は上より得たプレー ティング・エフィシェンシイで補正してある.

C︑

00 0.0 00

XX

ofG2

2 3 4 5 6 時 間 照射後の培養時間

lX‑35照射後の分裂頻度の変動

培養鶏胚線維芽細胞をRaγ線33R/minで照射したとき

000000勺︒①●■eOOOOOO

︵麦z十二区○一 21 0111111

HeLaS3絢詣に対する300radSの効果を表わす(TeraSima

&To1mach,1963aより転写)

lX‑37

f::i2NAfc,│・!"

StageattimeDurationofG1

ofirradiation 00.51.01.52.02.53.03.54.04.5

照 射 後 の 時 間

MQSG

slighlyt prolonged verys1ightly prolonged proIong

slightly depressed verys】ightly depressed?

壷pressed

prolonged

rnjnima1ly pro1onged prolOnged maximally

prolmIg図 T祠負萱ITT1al

minima1 (atearlyG,)

1ong m克誼、可到1 approx・

norn]al slight】y

r 国 u 函

X線(9radS)照射後.分裂細胞の蓄積の割合の変

lX‑36(餓鯏鯉瀦欝謝を示す.

M G1 S G2 M

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