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幼児の加減算習得 にいたる数の理解 に関する発達順序性

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静岡大学教育学部研究報告 (教 科教育学篇 )第 31号 (2000.3)259〜 270

幼児の加減算習得 にいたる数の理解 に関する発達順序性

The process of acquisition of addition and subtraction in early childhood

大 塚 玲

Akira OTsuKA

(平 成11年 10月 4日 受理

)

I。 は じめに

足 し算や引 き算の習得が、算数学習 における重要な基礎 となることは疑いのない ことであろ う。足 し算や引 き算 は公式 には小学校で数記号 を使用す る正式な算数 として学習す るが、子 ど もたちは就学前 にすでに日常生活や遊 び といった経験 を通 してインフォーマルな加減算の方略 を身 につけていることはよ く知 られている (丸 山・無籐、 1997)。 就学前児が加減算の技能 を獲 得す るまでに、数 に関するどのような知識や能力 を発達 させてきているかについてはこれ まで 多 くの研究が積み重ね られてきた (Fuson、 1988:丸 山 。 無籐、 1997;吉 田、1997参 照 )。 そう した研究 によると足 し算や引 き算の前提 として数唱、計数、数詞 と数字の対応、数の合成 0分 解、多少判断、序数能力などのさまざまな数概念や知識の習得が関わっていることが指摘 され ている。 しか し、 これ らの研究 はそのほ とん どがそれぞれの数概念や能力の発達 を並列するに

とどまり、各能力の関連性や発達 1買 序が多次元的に表 されていない。

加減算 を習得することは、健常児 にとってそれほ ど困難 な ことではない といわれている。 し か しなが ら、学習障害や知的障害 をもつ子 どもたちに とっては、 1桁 の足 し算、引 き算でさえも 容易な ことではない。こうした子 どもたちが どのような過程 を経て数の概念や知識、 技能 を獲得

してい くのか、 またそれを援助するためにはどのような手立てが有効であるか、 とい う点 に関 しては今なお多 くの関心が よせ られている。

算数の学習では、ある段階の課題 を習得で きなければ、次の段階の課題の習得 は期待で きな い ということが少な くない。算数学習の指導にあたっては、課題の 1贋 序性 を把握することが重 要 になる。ところで、項 目間の多次元的な 1原 序系列 を決定す る手法 として Ordering analysisが ある。水野 (1974)に よれば、 Ordering analysisは 一次元の 1買 序系列 を求める尺度 としての

Guttmanの Scalogram分 析か ら派生 してきた ものであ り、多次元の順序系列 (ネ ッ トワーク )

を求める分析方法の総称である。鈴木・ 藤田 (1996)は 、 この手法 を用いて脳性 まひ児の要求 行動の発達順序性 を検討 している。 また、重度・ 重複障害児のコミュニケーション発達 におけ る機能連関 (細 渕・清水、 1985)や 自閉症児の初期言語発達の 1原 序性 (李 ・小林、 1996)、 知能 検査 (三 宅・ 綱川・ 清水、 1985)、 言語発達検査 (進 藤・前川・ 佐竹・ 小林、 1988)な どの研究 において もOrdering analysisが 用い られ、 この手法が項 目相互の発達的な連関 をもった順序 性 を解明す る方法 として有効 であるばか りでな く、 個々の子 どもの特徴 の理解 にも有益である

ことが示唆 されている (進 藤・ 前川・ 佐竹・ 小林、 1988)。

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大 塚

そこで本研究では、Ordering analysisを 用いて就学前児の数概念の発達順序性 を検討 し、数 の概念 に関する項 ロネ ッ トワークを構成することによって、 さまざまな数の概念の獲得か ら加 減算習得 にいたるまでの発達的な連関をモデル化することを目的 とする。

Ⅱ .方 法

1.被 験児

被験児 は、静岡市内の公立保育所 に通 う 3歳 30名 (男 児 13名 、女児 17名 :平 均年齢 3歳 6 か月、年齢の範囲 3歳 1か 月 ‑3歳 11か 月 )、 4歳 児30名 (男 児 12名 、女児 18名 :平 均年齢 4歳

4か 月、年齢の範囲 4歳 0か 月 ‑4歳 10か 月 )、 5歳 児30名 (男 児 17名 、女児 13名 :平 均年齢 5 歳 5か 月、年齢の範囲 5歳 0か ‑5歳 11か 月 )、 6歳 児30名 (男 児 16名 、女児 14名 :平 均年齢

6歳 4か 月、年齢の範囲 6歳 0か ‑6歳 6か )の 計120名 である。

2.実 施時期

実施時期 は1998年 11月 上旬か ら 12月 中旬 までの約 1カ 月間である。

3.手 続 き

実験の課題 は、数の概念に関する以下の 12課 題 102項 目で構成 される。課題は個別に、 2回 に 分けて実施 された。  1回 目に①数字・ 数詞対応課題、②計数課題、③数唱課題、④分割順唱課 題、⑤分割逆唱課題、⑥多少判断課題、⑦連続量課題、③序数課題を実施 し、 2回 目に⑨分解・

合成課題、⑩作業記憶課題、⑪足 し算課題、⑫引き算課題 を実施 した。課題の実施には 1回 に つき約 15分 かかった。被験児の反応は、記録用紙に記入するとともに 8ミ リビデオで録画した。

①数字・ 数詞対応課題 (Al― A20)

この課題は、文字 としての数字を視覚的にとらえ、数詞に転換する能力を測定するものである。

実験者は、それぞれ 1か ら 10ま での数字が書かれたカー ドを横一列にランダムな 1原 序で並べ、カー ドを 1枚 ずつ指差 し、「これはい くつですか」と被験児に尋ねる。 1か ら 10ま での数字をすべて 正確に答えることができた被験児には、 11か ら 20ま での数字についても同じ要領で実施する。

②計数課題 (Bl― B10)

計数課題は 2種 類の課題からなる。計数課題 (Bl― B5)は 、具体物集合から数詞への数 転換の能力を測る課題である。被験児におはじきを呈示 し、全部でい くつあるか答えさせる。

呈示されるおはじきの数は、 3、 5、 8、 10、 12個 の 5種 類である。 3歳 児は 3個 4歳 児は 5個 5歳 児は 8個 、 6歳 児は 10個 から始め、 2間 連続不正解で課題の実施を打ち切 る。最初 の項 目が不正解の場合は、前の項 目に戻 り、正解 した項 目で課題の実施を打ち切る。

計数課題 (B6‑B10)は 、数詞から具体物集合への数転換の能力を測る課題である。被験 児におはじきのかたまりの中から指示 した数のおはじきを取 り出すよう教示する。指示するお はじきの数は、 2、 5、 7、 10、 13個 の 5種 類である。 3歳 児は 2個 4歳 児は 5個 5歳 は 7個 6歳 児は 10個 から始め、 2問 連続不正解で課題の実施 を打ち切 る。最初の項 目が不正 解の場合は、前の項 目に戻 り、正解 した項 目で課題の実施 を打ち切 る。

③数唱課題 (Cl― C8)

数唱課題は、数詞を順序通 りに唱えることができるかどうかを測定する課題である。数詞「イ

チ」から 1贋 にできるだけ多 く数えるよう教示する。 1贋 序を間違えた り、数詞を抜かした りした

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幼児の加減算習得 にいたる数の理解 に関する発達順序性

場合 は、その時点で課題の実施 を打ち切 る。

④分割順唱課題 (Dl― D6)

分割順唱課題 は、数系列 を途中で分断 した り、途中か ら数 え始めた りする能力 を測定する課 題である。ある数 aか らある数 a+nま でを順唱す るよう被験児 に教示す る。課題 は以下の 6項

目か らな り、 2〜 5、 5〜 8、 3〜 7、 4〜 10、 10〜 17、 8〜 13の 順 に実施 し、 2問 連続不正 解 した時点で課題 の実施 を打ち切 る。

⑤分割逆唱課題 (El― E6)

分割逆唱課題 は、分割Л 贋唱課題で測定 した能力 を逆唱時 について測定す る課題である。ある 数 aか らある数 a― nま でを逆唱す るよう被験児 に教示する。課題 は以下の 6項 目か らな り、 5

〜 2、 8〜 5、 9〜 3、 10〜 4、 14〜 10、 15〜 6の 順 に実施 し、 2問 連続不正解 した時点で課 題の実施 を打 ち切 る。

⑥多少判断課題 (Fl― F6)

多少判断課題 は 2種 類 の課題 か らなる。多少判断課題 (Fl― F3)は 、具体物集合の多少 を視覚的に判断する能力 を測定する課題である。い くつかの円形のシールがランダムに貼 られ たカー ドを 2枚 呈示 し、被験児 にどち らのカー ドのほうが シールの数が多いかを答 えさせ る。

課題 は、 1個 3個 、 4個 7個 、 6個 対 9個 の組み合わせか らな り、 この 1贋 番 に実施する。

多少判断課題 (F4‑F6)は 、数字の多少 を判断す る能力 を測定する課題である。実験者 は数字が書かれた 2枚 のカー ドを呈示 し、被験児 にどちらの数字 ほうが大 きいかを答 えさせ る。

なお、実験者 はカー ドを呈示するさいにその数字 を声 に出 して読む。課題 は 4対 2、 8対 3、

6対 9の 組 み合わせか らなる 3項 目で、 この順番 に実施す る。

⑦連続量課題 (Gl― G2)

この課題 は、空間の視覚的な認知能力 と量 を相対的な数に転換する能力 を測定する課題であ る。 3本 のテープが貼 られたカー ドを呈示 し、被験児 に「 まんなかのテープの長 さが 4だ とす ると、長 さが x(項 Glで 5、 項 目 G2で 8)の テープはどち らで しょう」と尋ねる。残 りのテープの長 さは、項 目 Glで は 3、 項 目 G2で 6に 相当する。

③序数課題 (Hl― H3)

この課題 は序数の概念の理解 を測定す る課題 である。実験者 は10個 のおはじきを垂直方向に 配列 し、 「上か らx(項 目 Hlで は 3、 項 目 H2で は 5、 項 目 H3で は 8)番 目のおはじきを取 っ

て ください」 と教示する。 2問 連続不正解 した時点で課題 の実施 を打ち切 る。

⑨合成・ 分解課題 (11‑15)

この課題 は数の合成・ 分解能力 を測定するものである。被験児 にい くつかの丸がランダムな 配列で描かれたカー ドを呈示 し、丸の数 を数 えるよう教示する。その後で、カー ドの右半分 を 紙で隠 し、そこに丸がい くつ隠れているかを尋ねる。課題 は、 4(3)、 5(2)、 7(5)、 8

(2)、 10(3)の 5項 目か らなる (左 側の数字 は丸の総数、括弧内の数字 は隠す丸の数 を示す )。

2間 連続不正解 した時点で課題の実施 を打ち切 る。

⑩作業記憶課題 (Jl― J20)

この課題 は作業記憶の容量 を測 る課題で、 日本版 WISC― R(1989)の 言語性下位検査の「数 唱」を利用 し、 1買 唱課題 と逆唱課題の 2種 類が実施 された。実施方法 は、日本版 WISC― R(1989) の数唱問題 のそれに従 う。

1買 唱課題では、実験者が 「 これか らある数 をいいます。よ く注意 して聞いて、私がいい終わつ

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大 塚

て、「 はい」といった ら私 に続いてその数 をいって ください」と教示 し、 2〜 7桁 の数 を復唱 さ せ る。問題の呈示 は 1回 のみで、 1秒 間に 1つ の間隔で数 を告げる。同桁の 2間 を連続不正解

した時点で課題 の実施 を打ち切 る。

逆唱課題では、実験者が「今度 は私がいった数字の順番 を逆 にしていって ください。た とえ ば、私が「 4、 2」 といった ら、あなたはどういいますか」 と教示 し、「 2、 4」 と答 えた ら、

「 その とお り」 といってか ら項 目 Jlを 開始す る。 2〜 5桁 の数 について実施する。問題の呈 示 は 1回 のみで、 1秒 間に 1つ の間隔で数 を告 げる。同桁の 2間 を連続不正解 した時点で課題 の実施 を打ち切 る。

①足 し算課題 (Kl― K8)

被験児 にはあらか じめ指 を用いて もよい ことを伝 えておき、 「赤いあめが 2個 、青いあめが 2 個 あ ります。赤いあめ と青いあめをあわせ ると全部でい くつにな りますか」 といつた文章題 を

回頭で呈示す る。課題 は 8項 目か らな り、 2+2、 3+2、 2+6、 5+4、 8+2、 10+4、

9+3、 6+7の Л 原に実施する。 2問 連続不正解で課題の実施 を打ち切 る。

⑫引 き算課題 (Ll― L8)

被験児 にはあらか じめ指 を用いて もよい ことを伝 えておき、 「あめを 3個 持 っています。その あめを 1個 食べ ました。あめは何個残 っていますか」 といつた文章題 を回頭で呈示す る。課題 は 8項 口か らな り、  3‑1、  5‑3、  6‑2、  8‑5、  9‑7、 10‑6、 14‑3、 13‑4の 1買

に実施する。 2問 連続不正解で課題 の実施 を打 ち切 る。

4.結 果の処理

まず、各項 目について、正答 に 1(通 過 )、 誤答 または無答 に 0(未 通過 )を 与 え、年齢群別 に項 目ごとの通過率 を算出 した。また、全被験児 を合わせて各項 目ごとの総通過率 を求め、それ が高い 1贋 に全項 目を並べ替 えた。次 に、全ての 2項 目対 について Ordering analysisに 基づ き順 序性 を判定 し、項 ロネ ッ トワークを構成 した。項 目間の順序性の有無 を判定するための基準 と

して種々の手法が提案 されているが、本研究では三宅・ 清水・ 及川 (1985)に よって再現性が 高い とされた Airasian and Bart(1973)の 方法 に基づ き判定 した。

なお、全12課題 の うち連続量課題、合成・ 分解課題、作業記憶課題 については、課題設定の さいに意図 した能力 を正確 に測定で きていない と考 えられた ことと、項 ロネ ッ トワーク図の作 成の結果、他項 目との順序性が認 め られなかったため、項 ロネ ッ トワーク図か ら除外 した。 し たがって、項 ロネ ッ トワークの作成 には 9課 題75項 目が使用 された。

Ⅲ .結 果および考察

1.通 過率について

12課題102項 目について、各年齢群別 に通過率 を求め (表 1)、 その結果 を 50%、 70%、 90%

の範囲で帯状のグラフに表 した ものを図 1に 示 した。

通過率 70%以 上の項 目は、 3歳 児群で 5ま での数唱 (Cl、 C2)、 具体物 による多少判断 (F

l、 F2)の 4項 目にすぎず、 4歳 児群ではそれに加 えて数字 1を 読む (Al)、 3個 までの具 体物の計数 (Bl、 B6)、 3桁 の数の復唱 (Jl〜 J4)の 12項 目であった。 しか し、 5歳

群では通過率 70%以 上 を示す項 目は39項 目にな り、 6歳 児群では61項 目にもな り、 この時期 に

急速 に数の理解が拡大 してい くことが認 められ る。

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幼児の加減算習得にいたる数の理解 に関する発達順序性

表 1  各項 目の年齢別通過率

263

項 目 全 体 3歳 4歳 5歳  6歳    項 目   全体 3歳 4歳 5歳   6歳

Al A2 A3 A4 A5 A6 A7 A8 A9 A10 All A12 A13 A14 A15 A16 A17 A18 A19 A20 Bl B2 B3 B4 B5 B6 B7 B8 B9 B10 Cl C2 C3 C4 C5 C6 C7 Dl C8 D2 D3 D4 D5 D6 El E2 E3 E4 E5 E6 Fl

81.7   56.7 74.2   46.7 65.0   46.7

58.3   20。 0

63.3   26.7

52.5   20。 0

53.3   16.7 54.2   13.3 47.5   10.0 50.8    6.7 38.3    3.3 36.7    3.3 36.7    3.3 36.7    3.3 36.7    3.3 35.0    3.3 36.7    3.3 37.5    3.3 34.2    0.0 32.5    0.0 88.3   56.7 73.3   30.0 59.2   10.0 55.0   10.0 33.3    3.3 86.7   63.3 56.7    3.3 47.5    3.3 45.8    0.0 35.0    0.0

99.2  100。 0

93.3   83.3 82.5   66.7 56.7   10.0 48.3    6.7 36.7    3.3

28.3    0。 0

27.5    0.0 28.3    3.3 27.5    0.0 18.3    0.0 24.2    0.0 14.2    0.0 17.5    0.0 25.0    0。 0

19.2    0.0 21.7    0.0 18.3    0,0 11.7    0.0 8.3   0.0 90.8   83.3

70.0  100.0 60.0   90.0 33.3   90.0 33.3   86.7

43.3   90。 0

26.7   76.7 26.7   80.0 26.7   86.7 26.7   66.7 20.0   83.3 6.7   63.3 6.7   63.3 6.7   63.3 6.7   63.3 6.7   63.3 6.7   56.7 6.7   63.3 6.7   63.3 6.7   56.7

3.3   50。 0 96.7  100。 0

66.7   96.7 43.3   86.7 36.7   80.0 6.7   53.3 86.7  100.0 43.3   83.3 16.7   73.3 16.7   73.3 3.3   70.0 96.7  100.0 90.0  100.0 66.7   96.7 36.7   83.3 23.3   73.3 6.7   53.3 3.3   40.0 3.3   36.7 3.3   36.7 6.7   36.7 0.0   23.3 0.0   30.0 0.0   13.3 0.0   23.3 0.0   33.3 0.0   26.7 0.0   20.0 0.0   16.7 0.0   10.0 0.0   3.3 80.0  100.0

88.3   73.3 88.3   66.7 60.8   20.0 58.3   20.0 50.0   16.7 73.3   53.3 61,7   36.7 48.3   13.3 40.0   10.0 33.3    6.7 63.3   33.3 45.0    6.7

25。 8    3.3 35.0    3.3 25.8    0.0 89.2   63.3 89.2   63.3 86.7   56.7 78.3   50.0 48.3   23.3 33.3    3.3 12.5    3.3 11.7    0.0

0.8   0.0 1.7   0.0 0.8   0.0 0.8   0.0 34.2    3.3 35.0    6.7 14.2    0.0 20.0    0.0 0.8   0.0 0.8   0.0 0.8   0.0 0.8   0.0 52.5   16.7 48.3   10.0 17.5    0.0 24.2    0.0 15.8    0.0 13.3    0.0 10.0    0.0 5.8   0.0 43.3   13.3 35.8   13.3 18.3    0.0 13.3    0.0 11.7    0.0 12.5    0.0 2.5   0.0 2.5   0.0

83.3  100.0   96.7 86.7  100.0  100.0 40.0   90.0   93.3 36.7   86.7   90。 0

26.7   70.0   86.7 60.0   93.3   86.7 63.3   73.3   73.3 30.0   83.3   66.7

10。 0   66.7   73.3 3.3   53.3   70.0 46.7   83.3   90。 0

46.7   56.7   70.0 3.3   40.0   56.7 16.7   46.7   73.3 10.0   33.3   60.0 93.3  100.0  100.0

96.7  100。 0   96.7 93.3  100.0   96.7 80.0   96.7   86.7 36.7   50.0   83.3 23.3   50.0   56.7 0.0   23.3   23.3 3.3   13.3   30.0 0.0   0.0   3.3 0.0   0.0   6.7 0.0   3.3   0.0

0。 0   3.3   0.0 3.3   50.0   80.0 3.3   50.0   80.0 0.0   20.0   36.7 0.0   23.3   56.7 0.0   0.0   3.3 0.0   0.0   3.3 0.0   0.0   3.3 0.0   0.0   3.3 33.3   76.7   83.3 20.0   73.3   90.0 3.3   30.0   36.7 0.0   36.7   60.0 0.0   16.7   46。 7

0.0   10.0   43.3

0。 0   13.3   26.7 0.0    3.3   20.0 20.0   66.7   73.3 26.7   53.3   50.0 6.7   23.3   43.3 0.0   20.0   33.3 3.3   10.0   33.3 0.0   16.7   33.3

0.0    0。 0   10.0 0.0    0.0   10.0 100.0

100.0 90.0 93.3 93.3 86.7 90.0 90.0 86.7 93.3 80.0 73.3 73.3 73.3 73.3 73.3 73.3 76.7 73.3 76.7

100。 0 100.0 96.7 93.3 70.0 96.7 96.7 96.7 93.3 66.7 100.0 100.0 100.0 96.7 90.0 83.3 70.0 70.0 70.0 66.7 50.0 66.7 43.3 46.7 66.7 50.0 66.7 56.7 36.7 30.0 100.0

F2 F3 F4 F5 F6 Gl Hl G2 H2 H3 11 12 13 14 15

Jl J2 J3 J4 J5 J6 J7 J8 J9

J10

J ll

J12

J13

J14

J15

J16

J17

J18

J19

Kl J20

K2

K3

K4

K5

K6

K7

K8

Ll

L2

L3 L4

L5

L6 L7

L8

(6)

大   塚    玲

│::::彗 :::華 ]50%〜

 

70%〜

 

90%〜

項 目        年齢 3 4 5 6

Al 数字 1を 読 む 躙 轟

A2 数字 2を 読 む :― 華轟 =

… =

A3 数字 3を 読 む A4 数字 4を 読 む A5 数字 5を 読 む A6 数字 6を 読 む A7 数字 7を 読 む A8 数字 8を 読 む

A9 数字 9を 読 む ¨贈

A10 数字 10を 読 む

A ll 数字 11を 読 む :躍

1務

A12 数字 12を 読 む

A13 数字 13を 読 む

A14 数字 14を 読 む

A15 数字 15を 読 む

A16 数字 16を 読 む

A17 数字 17を 読 む

A18 数字 18を 読 む

A19 数字 19を 読 む

A20 数字 20を 読 む

Bl 3個 のおはじきを数 える B2 5個 のおはじきを数 える B3 8個 のおは じきを数 える B4 10個 のおはじきを数 える B5 13個 のおは じきを数 える

B7 おはじきを 5個 取 り出す B8 おはじきを 7個 取 り出す B9 おはじきを 10個 取 り出す

B10 おはじきを 12個 取 り出す 1::華 彗 lil難 i:菫

図 1  各項 目の平均通過年齢 (そ の 1)

(7)

幼児の加減算習得 にいたる数の理解 に関する発達順序性

躙辣鐵 50%〜

 

70%〜

 

90%〜

項 目        年齢 3 5 6

C3 10ま で数唱す る

一 ¨ 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一

一 ¨

= 一

¨ 一 一 一 一 一 一

C4 15ま で数唱す る C5 20ま で数唱す る C6 30ま で数唱す る C7 40ま で数唱す る C8 50ま で数唱す る Dl 2か ら 5ま で順 唱 す る D2 5か ら 8ま で順 唱 す る D3 3か ら 7ま で順 唱 す る D4 4か ら 10ま で順 唱 す る D5 10か ら 17ま で 1頁 唱 す る D6 8か ら 13ま で順 唱 す る El 5か ら 2ま で逆 唱 す る E2 8か ら 5ま で逆 唱 す る

E3 9か ら 3ま で逆唱す る 器総 難彗撃 華 奎

E4 10か ら 4ま で逆 唱 す る E5 14か ら 10ま で逆 唱 す る E6 15か ら 6ま で逆 唱 す る

F3 6と 9の 多少判断 (シ ール

) :│::::I:::│::│::│

F4 4と 2の 多少判断 (数 字

)

F5 8と 3の 多少判断 (数 字

)

F6 6と 9の 多少判断 (数 字

)

Gl 長 さ 4か ら長 さ 5を 推測す る 華 轟覇 轟華 :藝 轟 鮨 議

G2 長 さ 4か ら長 さ 8を 推測す る

111111::II::::::11:1:11:書1lI彙1:

::::1:::::::::::::1:::::::l:1:I:111:1:i

Hl 3番 目のおはじきを取 る

H2 5番 目のおはじきを取 る 蠅 難 盤珊

H3 8番 目のおはじきを取 る 轟 難

合成分解 (4は 3と 1) 合成分解 (5は 3と 2)

00

合成分解 (7は 5と 2) 合成分解 (8は 2と 6) 15 合成分解 (10は 3と 7)

図 1  各項 目の平均通過年齢 (そ の 2)

(8)

大 塚    玲

信 轟儡閻 m50%〜

 

70%〜

 

90%〜

項 目        年齢 3 4 5 6

J5 (3‑4‑1‑7)を 復唱す る

J6 (6‑1‑5‑8)を 復唱す る

(8‑4‑2‑3‑9)を 復唱する J8 (5‑2‑1‑8‑6)を 復唱する

J9 (3‑8‑9‑1‑7‑4)を 復唱する J10 (7‑9‑6‑4‑8‑3)を 復唱する J ll (5‑1‑7‑4‑2‑3‑8)を 復唱する J12 (9‑8‑5‑2‑1‑6‑3)を 復唱する J13 (2‑5)を 逆唱す る J14 (6‑3)を 逆唱す る J15 (5‑7‑4)を 逆 唱 す る

J16 (2‑5‑9)を 逆 唱 す る

J17 (7‑2‑9‑6)を 逆 唱 す る

J18 (8‑4‑9‑3)を 逆 唱 す る

J19 (4‑1‑3‑5‑7)を 逆唱する J20 (9‑7‑8‑5‑2)を 逆唱する Kl 文章題 (2+2)を 解 く K2 文章題 (3+2)を 解 く K3 文章題 (2+6)を 解 く K4 文章題 (5+4)を 解 く K5 文章題 (8+2)を 解 く K6 文章題 (10+4)を 解 く K7 文章題 (9+3)を 解 く K8 文章題 (6+7)を 解 く

Ll 文章題 (3‑1)を 解 く L2 文章題 (5‑3)を 解 く L3 文章題 (6‑2)を 解 く L4 文章題 (8‑5)を 解 く L5 文章題 (9‑7)を 解 く L6 文章題 (10‑6)を 解 く L7 文章題 (14‑3)を 解 く

L8 文章題 (13‑4)を 解 く

図 1  各項 目の平均通過年齢 (そ の 3)

(9)

幼児の加減算習得 にいた る数の理解 に関す る発達順序性 267

2.項 ロネ ッ トワークについて

前述の手続 きにしたがって構成 された項 ロネ ッ トワークを図 2に 示 した。図中の点線 は、各 年齢群の通過率 70%の 境界 を示 し、項 目獲得の目安 とした。

3歳 では、 まず 3ま での数 を唱 えること (Cl)が できるようにな り、その後 に 5ま での数 唱 (C2)が 可能 になる。それに続いて 3以 下の計数 (Bl)と 1個 3個 の多少の上ヒ較 (F

l)が 可能 になる。 この ことか ら、数唱能力 は計数能力や多少判断能力 に先行 して獲得 される ことが認め られた。 Fuson(1988)は 、計数能力の発達 を主に 5つ の段階に区分 した計数モデル を提唱 している。第 1段 階は鎖状の段階で、 数詞 を 1つ の系列 として機械的に記憶 しているにす ぎないため個々の数詞 を分割で きず、数詞が思考の対象 とな らない。第 2の 段階では 1か らある 程度の数 まで上昇方向へ唱 えることがで きるようにな り、数詞 と具体物 との一対一対応が可能 となる。本研究 において 3歳 の時期 にみ られた数唱 は、 この第 1段 階および第 2段 階の初期 に 相当す ると考 えられる。

また結果か ら、この時期 には 3ま での範囲で数の理解が進んでい くことが認 められた。乳児 は 3つ までの数 を弁別で きるとす る Strauss and Curtis(1981)の 知見や、幼児のスビタイジン グ (subitizing)が 3ま でであるとい う Chi and Klahr(1975)の 知見が示唆 しているように、

3ま での数 は計数 によらな くとも視覚的に判断で きる数であ り、 さまざまな数理解の発達の基 盤 となる数 と考 えられ る。

4歳 では、それ まで一次元的であった数の理解の発達が、 F2(4個 と 7個 の多少判断 )OF 3(6個 と 9個 の多少判断 )、 Al(数 字 1を 読む )、 B6(お はじきを 2個 取 り出す )の 3方

向へ と分岐 し、多次元的に発達 し始 める。 この時期 に確実に操作で きる数の範囲は 9以 下のよ うである。

5歳 では、操作で きる数の範囲が 10以 上 に拡大 し、数唱は 20ま で (C5)可 能 にな り、 計数 は

10ま で (B40B9)、 数字の読み も 10ま で (A10)可 能 となる。項 ロネ ッ トワークにおいて C

3→ B2→ C4→ A10→ C5→ B80B9と い う一連の系列が示すように、計数能力や数詞・

数字対応能力 に先行 して数唱能力が獲得 されることが認 められる。

また、 この時期 に和が 5以 下の初歩的な足 し算が可能 になる。 Kl(2+2)に 先行する項 目は、 A2(数 字 2を 読む )、 B2(5個 のおはじきを数 える )、 C3(10ま での数唱 )、 F3(6

個 と 9個 の多少判断 )で あ り、 K2(2+3)に 先行する項 目は、 A5(数 字 5を 読む )、 B2

(5個 のおはじきを数 える )、 C3(10ま での数唱 )、 F4(数 字 4と 2の 多少判断 )で あつた。

Fuson(1988)の 計数モデルでは、第 2段 階の後期 にな り計数能力が発達 して くると、集合数の 心内イメージ (心 内数直線 )が 形成 されはじめ、初期の足 し算が可能 になる。 この時期の足 し 算 は count― allと 呼ばれる 2つ の数 をすべて数 える最 も基本的な方略であるといわれ る。栗山 (1995)は 、 4歳 児 は 5以 下の数であれば足 し算 における count― all方略 を獲得 していると述べ ている。本研究の結果 は、この知見 よりも 1歳 ほどの遅れを示す。しか し、この種の知見 は、具 体物 あるいは半具体物 の足 し算課題か ら引 き出された もので、 本研究の ような数字 と口頭での 文章題 による問題呈示では必然的に正答率が低 くな り、 獲得年齢 の遅れ とい う結果 になった と 考 えられる。

6歳 では、それ まで複雑 に枝分かれ していた項 ロネ ッ トワークが、 11か ら 19ま での数字の読

み (All〜 A19)の 等価関係 にいったん収束 し、そこか らさらに B5(13個 のおはじきを数 え

る )、 B10(お はじきを 12個 取 り出す )、 C6(30ま で 1贋 唱する )の 3方 向に分岐 してい く。 こ

(10)

大   塚

〇 :等価関係を表す

(■

1`

:順序関係は不明

図 2  項 ロネ ッ トワーク

(11)

幼児の加減算習得 にいたる数の理解 に関する発達順序性 269

の ことか ら11か ら 19ま での数字の読みは、 この年齢の数理解の発達 を測定する一つの目安 とい えるか もしれない。 また、 この時期 に初歩的な引 き算 (Ll)も 獲得 される。

6歳 を過 ぎると、 まず 10以 内の数の範囲で分割順唱能力が獲得 され始めるようである。 これ はそれ までに獲得 されている順唱能力が より精緻化 された もので、指定 されたある数か ら数唱 を開始 し、指定 されたある数で停止す る能力である。 これは、 Fuson(1988)の 計数モデルの第

3段 階に相当する。続いて同 じく 10以 内の数の範囲で分割逆唱能力が獲得 され始める。これは、

下降方向の数唱 (逆 唱 )が 可能 にな り、逆唱を途中か ら開始 させた り、途中で停止 させた りす ることが可能 になる Fuson(1988)の 計数モデルの第 4段 階に相当す る。吉田 (1997)は 、 こ うした能力 を獲得す ることによって、足 し算の方略がそれ まで数唱の延長であった count― an

か ら count― onと 呼 ばれ るよ り高度 な方略 に変化す ることを示唆 している。 count― on方 略 と は、まず 2つ の数の大小 を判断 し、大 きい方の数 を頭の中にセ ッ トし、それに小 さい方の数 を数 え上 げてい く方略である (吉 田、 1997)。 数の大 きさを比較す る能力 を利用す る方法で、操作が 可能 になる数の範囲が拡大するといわれている。本研究で も足 し算項 目 K30K50K6や 引 き算項 目 L4〜 L6が 、分割順唱項 目 Dl〜 D40D6や 分割逆唱項 目 El〜 E4に 後続 して 獲得 されてお り、 これを支持する結果 となった。

繰 り上が りの足 し算 K8と 繰 り下が りの引 き算 L70L8に 関 しては、通過率が低 く順序性 が明確 に判定 されなかった。 こうした問題が解 けるようになるには、 Fuson(1988)の 計数モデ ルの第 5段 階で、作業記憶の容量が拡大 し、 部分 一全体の知識 を獲得 し、 十進法のシステムや位 取 りの原理が理解で きるようになる小学校就学後 と考 えられる。

本研究 によって構成 された項 ロネ ッ トワークは、従来の数概念や知識の発達過程 に関する知 見 とかな りの一致がみ られた。 しか しなが ら、 どの年齢段階である種の知識や技能 を習得する か といった点では、 これ までの知見 に比較 して 1、 2歳 の遅れを示す傾向がみ られた。た とえ ば、丸山 (1992)は 、数字か ら数詞への数転換 は 3歳 児では 5以 下の数で確実であ り、 4歳 児で

は10以下の数でほぼ確実、 5歳 児では 10以 下の数では完全 と報告 している。それに対 して、本研 究 において数字か ら数詞への数転換 は 4歳 で 1、 5歳 で 9以 下 という結果であつた。 また、数 唱 については、 3歳 ごろまでには20以 下の数 についてほぼ可能 とな り、 4歳 くらいまでには20以 上の数の数唱が可能 になるといわれているが (栗 山、 1995)、 本研究の結果 は、それ よりも 1、

2歳 遅い傾向がみ られた。これ らの結果 は、 通過率が何 %で あれば、その年齢の子 どもがで きる とみなすか といった、判断基準の設定 によって も違いが生 じると思われるが、その他の要因に ついて も、今後 さらに検討する必要があろう。

文   献

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(12)

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付   記

本研究のデータ収集 にあたって、嶋崎郁夫君 と増田智仁君 (平 成10年度教育学部卒業生 )に お 手伝いいただいた。記 して謝意 を表 します。

本研究 は、平成10年度文部省科学研究費助成 (奨 励研究 A、 課題番号 10780125)に より実施

された。

図 2  項 ロネ ッ トワーク

参照

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