えちぜん鉄道株式会社設立
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(2) (人/日). え ち ぜ ん 鉄 道 と し て 運 行 再 開 後 の 利 用 者 数 は 、 10,000 時 と と も に 回 復 し つ つ あ り 、 全 線 開 通 2 ヶ月後. 8,000. の平成 15 年 12 月 に は 、 京 福 電 鉄 運 行 休 止 直 前. 6,000. の 8 割程度にまで回復している。地域で支える 仕組みのもとで再開させたことを考慮すると、. H15.8.10 三国線開通. H13.6 約 8,300人 運 行 休 止. H15.10.20 勝山線開通 約6,500人. H15.7.20 部分開通. 京福電鉄 4,000 運 行 期 間 2,000. 代行バス 運行期間. 鉄道事業者だけでなく地域としても新鉄道の利. えちぜん鉄道再開後. 0. 用 者 増 を 図 る こ と が 最 重 要 課 題 といえる 。 (2) 調 査 方 法 及 び 結 果 の 概 要. H12. 図-1. 表-2. ア ン ケ ー ト 調 査 は 、 え ち ぜ ん 鉄道沿線 9 市町 村に居住する人を対象に実施した。 調査は、え. H14.8. H15.7. H15.8. H15.9. H15.10 H15.12. 京福電鉄運行時から現在までの利用者数の推移 アンケート配布・回収状況. 配布票数 区長を通して配布 5.387 票. 回収票数 区 長 を 通 し て 回収 3,704 票(69% ). ち ぜ ん 鉄 道全 線開 通 2 ヶ 月 後の 平成 15 年 12 月. 沿線住民 調査. 上 旬 に 実 施 し た 。 配 布 回 収 状 況 を 表 -2 に 示 す 。. ※分析では徒歩圏内(徒歩 5 分以内)住民の 2,394 票を用いる. なお以下の分析では、鉄道の利用可能性を考慮 し、最寄駅徒歩圏内居住者の回答分を用いるこ. 代行バス 代行バス. ととする。 以 上 の 運 行再 開 後 の 調 査 結 果 に 加 え 、「 運行. 36% 京福電鉄利用者 京福電鉄利用者 8% 27%. 路線バス 路線バス. 図-2. 14% 15%. 自動車運転 自動車運転. その他 その他. 自動車送迎 自動車送迎. 運行休止による交通手段の変化. 休 止/ バ ス 代 行 」 時 に も 同 様 な 調 査 を 実 施 し て 路線バス 路線バス. おり、運行有無比較の観点から分析においては そのデータも一部用いている。 3. 鉄 道 運 行 休 止 ・ 再 開 に よ る 交 通 行 動 の 変 化. 自動車運転 自動車運転. 12% 代行バス 代行バス. 図-3. 京 福 電 鉄 運 行 時 、 休 止 時 及 び 再 開 後 の 3 つの. 48%. 15%. 鉄 道 運 行 休 止 に よ る 旧京 福電 鉄利 用 者 の 手 段. その他 その他. 8% 9%. 新規利用者層 新規利用者層. 運行再開による交通手段の変化 代行バス運行開始後外出するようになった. 運行休止による 外出機会の変化. 与 え た 影 響 の 程 度 とそ の内 容 に つ い て 考 察 す る 。 (1)利用交通手段 の 変 化. 8%. えちぜん鉄道 えちぜん鉄道 利用者 利用者. 状 況 間 の 交 通 行 動 変 化 を 、 利 用 交通 手 段 、 外 出 機会 等の 点 か ら 捉 え 、 鉄 道 が 実 際 の 交 通 行 動 に. 自動車送迎 自動車送迎. 変わらない. 減った. 72%. 19%. 鉄道再開後外出するようになった 増えた. 運行再開による 外出機会の変化. 52%. 26%. 21%. 転換 状 況 及 び 運 行 再 開 に よ る え ち ぜ ん 鉄 道 へ の 手段 転 換状 況 は 図 -2、3 に 示 す 通 り で あ る 。 運 行 休 止 に よ る 代 行 バ ス へ の 転 換 は 、 旧 京福 電鉄 利 用 者 の 36% に 過 ぎ ず 、 送 迎 を 含 め た 自 動 車 系 手 段 へ の 転 換 が 42% と 代 行 バ ス へ の 転 換 を 上回っていることが注目される。運行再開後は、 代 行 バ ス か ら の 手 段 転 換 者 に 加 え 、23%が自動 車運転・送迎からの転換である。このことは、 バスは必ずしも鉄道の代替と成り得ないこと、 また車との競合という点でバスは鉄道に基本的 にかなわないことを示している。さらにえちぜ ん 鉄 道 の 利 用 者 の 約 9%が 新 規 利 用 者 で あ る と いうことは、鉄道の再開を機にその利用を通し て新たな生活活動の機会を持った人が少なから ず存在していることを示している。. 0%. 20%. 図-4. 40%. 60%. 80%. 100%. 外出機会の変化. (2) 外 出 機 会の変化 鉄道運行休止時の代行バス利用者、及び再開 後のえちぜん鉄道の利用者を対象として、それ ぞ れ の 外 出 機 会 の 増 減 状 況 を 示 し た も の が 図-4 である。運行休止により代行バス利用者の 19% の 人 が 外 出 機 会 を 減 少 さ せ た と し て い る 。 その一方、えちぜん鉄道利用者の中では「外出 機 会 が 増 え た 」 と す る 層 が 26% を 占 め て い る 。 加 え て 21% の 人 が 鉄 道 再 開 を き っ か け に 新 た に外出機会を持ったと回答しており、鉄道の運 行再開によって、その利用者の約半数が生活活 動そのものを大きく変化させたことがわかる。.
(3) 表-3 総合的な影響 良. 不変. 悪. 運行休止・再開による影響感. 外出機会. 交通費. 送迎機会. 家族心配. 休止に よる影響. 増. 不変. 不変. 減. 不変. 減. 増. 不変. 減. 増. 不変. 減. 鉄道利用有. 52%. 47%. 1%. 33%. 54%. 13%. 54%. 46%. 1%. 38%. 61%. 0%. 鉄道利用無. 8%. 91%. 1%. 5%. 94%. 1%. 34%. 66%. 0%. 19%. 81%. 0%. 総計. 28%. 71%. 1%. 17%. 77%. 6%. 40%. 60%. 0%. 27%. 73%. 0%. 再開に よる影響. 鉄道利用有. 91%. 9%. 0%. 1%. 72%. 27%. 6%. 67%. 27%. 3%. 59%. 38%. 2%. 68%. 30%. 鉄道利用無. 55%. 42%. 3%. 1%. 97%. 3%. 3%. 93%. 4%. 1%. 81%. 17%. 1%. 85%. 14%. 総計. 67%. 31%. 2%. 1%. 88%. 11%. 4%. 85%. 11%. 2%. 77%. 22%. 1%. 80%. 19%. 鉄道の再開は単に利用者数だけでは判断し得な. において、休止時にはマイ ナス、運行再開後に. い、利用者の生活活動の質的側面にもプラスの. はプラスの同じく 対照 的 な 評 価 を し て い る 。 実. 影 響 を も た ら し て い る とみ ることができる。. 際 に 利 用 す る こ と に よ る 直 接 的 便益 と は 別に、 鉄道の存在そのものが非利用者に対して間接的. 4. 鉄 道 運 行 休 止 ・ 再 開 に よ る 住 民 へ の 影 響. 便益をもたらしていることを示している。同時. これまでにみてきたように、鉄道の運行休. に運行していた鉄道が突然休止され、そして運. 止・再開 と い う一連の 交通条件変化 の中で 、交. 行が再開された状況を経験することを通して、. 通行動や生活活動 を変 化せ ざ る を得 な か っ た層 、. 利用者のみならず非利用者にも鉄道の価値、存. あるいは 場 面 が 生 じ た わ け であるが 。 ここでは. 在意義を実感として認識させることとなり、こ. こ う し た 状 況 を沿 線 住 民 が ど の よ う に 評価した. れが 再 開 に 向 け て の 地 域 合 意 を 形 成 す る 一 因 に. か 、 つま り そ の 影 響 を 種 々 の 面 で 主 観 的 に ど う. なったものと推察される。. 受 け 止 め て い る か に つ い て 考察 す る 。 そ こ で 、 鉄 道 利 用 の 有 無 と い う 属 性 別、また. 5. 沿 線 住 民 の 今 後 の 鉄 道 の 利 用 可 能 性. 休 止 に よ る 影 響 と 再 開 に よ る 影 響が 比 較 で き る. えちぜん鉄道として新たなかたちで運行を再. ように沿線住民の評価結果を集計したものの一. 開 し た現在、 そ れ がも た ら す社会的 便益を さら. 部 が 表-3 で あ る 。こ れ によると 鉄道利用 者の 9. に生 み 出 し、 存在価値 を確 固と す る た め に 、利. 割以上が、鉄道非利用者においても過半数の. 用 促 進 は 今 後 の 最 重 要 課 題 で あ る 。 そ こ で、本. 55% が 、 鉄 道 の 再 開 に 対 し て 「 良 か っ た 」 と 指. 節では沿線住民を各状況間における交通手段の. 摘している。. 選 択 パ タ ー ン か ら層 化 を 行 い 、 層 間 の 利 用 意. こうした総合影 響 評 価 の背景に あ る も の を み. 識・意向 の 差 異 を 明 ら か に す る こ と に よ り 今後. る た め に 、 個 別 影 響 内 容 ご と に みた 結 果、以下. の鉄道利用可能性について検討する。なお、本. の点が指摘できる。. 稿では新規利用者層の増大が利用促進において. 鉄 道利用者においては、外出機会や行動範囲. 重 要 と の 認 識 か ら 、 特 にえ ち ぜ ん非 鉄 道利用者. の減少や移動にかかる時間的、費用的負担等、. 層 に 着 目 す る 。 手 段選 択パ タ ー ンと そ の 構 成を. 運行休止によるマイナスの影響評価は様々な面. 表-4 に 示 す 。. に 及 ん で い る 。 一 方、 運 行 再 開 に よ る 影 響 に 関 しても同様な面でプラスの評価となっており、 鉄道の運行休止及び再開において、 両者のマイ ナス面とプラス面の影響は若干の程度差はある が、ほぼ 対照 を な す 結 果 と な っ て い る 。 こ の こ. 表-4. 手段選択パターンによる層化. 京福電鉄の 代行バスの えち鉄の 利用有無 利用有無 利用有無. 人数 (構成比). 層名. 〇. 〇. 〇. 287 人(16%). 継続利用層. 〇. ×. 〇. 330 人(18%). 鉄道再利用層. ×. ×. 〇. 118 人(6%). 新規利用層. とは 、鉄 道 の 運 行 休 止 と 再 開 の 両 面 か ら 地 域 に. 〇. ×. ×. 75 人(4%). 鉄道離れ層. おける鉄道の役割を実証している。. ×. ×. ×. 1020 人(56%). 非鉄道利用者に着目すると「家族の送迎機 会」や「家族の外出に対する心配」といった面. 有効回答数. 非利用層. 1830/2349:78%.
(4) (1) 鉄 道 利 用 者 の 利 用 増 大 可 能 性. 継続利用層. 18%. 82%. 現 鉄 道 利 用 者 で あ る 「 継 続 、 再利 用 、新規利 用層」の今後の 利用意向についてみたものが. 鉄道再利用層. 33%. 67%. 図 -5 で あ る 。「 新 規 利 用 層 」 で は 、 過 半 数 の 57% が「 条 件 次 第 で 今 以 上 利用 」 と し て お り 、. 新規利用層. 利用促進のターゲ ッ ト とな り え る 層 で あ る こ と. 0%. 図-5. 常的 か つ 拘 束 的 に 鉄 道 等 、 公 共 交 通 を 利 用 し て 100%. 「条件次第で今以上利用」との意向を示している。. 80%. (2) 非 鉄 道 利 用 者 の 利 用 可 能 性. 60%. 非 鉄 道 利 用 者 で あ る 「 鉄 道 離 れ、 非 利 用 層 」 40% 20%. ほとんど利用していない「 非利用層」に比べ、. 0%. 関心なし. 33%. 必要性 再認識. 70%. 63%. 必要と思う ようになった. 45%. 36%. 鉄道離れ層 非利用層. 利用可能性:大 鉄道離れ層 (〇⇒×⇒×). を示している。しかしながら「非利用層」にお い て も 70% も の 人 が 鉄 道 の 利 用 意 向 を 示 し て えちぜん鉄道 非利用者. いても鉄道を利用する可能性が十分にあること がわかる。 非利用層 (×⇒×⇒×). に ま と め た も の が 図-7 で あ る 。「 非 利 用 層 」 は 、 意識・意向の差異から「利用促進すべき層」. 鉄道の必要性認識度. 非鉄道利用者の利用意向及び必要性認識度. た「鉄道離れ層」において利用意向及び必要性. さ ら に 、 上 記 の 結 果 か ら 利 用 可 能 性 を程度別. 100%. 現鉄道利用者の利用意向. 条件次第 で利用. 図-6. 80%. 現在と変わりなく利用. 鉄道離れ層 非利用層. 以 前 (旧 京福 電鉄 運 行 時 ) に 鉄 道 を 利 用 し て い. が か な り み ら れ る こ と か ら 、「 非 利 用 層 」 にお. 60%. 利用するつ もりなし. 90 %. た も の が 図 -6 で あ る 。 こ れ よ り 、 公 共 交 通 を. いること、また鉄道の必要性を認識し始めた層. 40%. 鉄道の利用開始意向. い る 層 と い え る が 、 そ れ で も 20~30% の 人 が. の認識度は高く、鉄道へ手段転換しやすいこと. 20%. 43%. 条件次第で今以上に利用. を 示 し て い る 。 一 方「継続 、再 利 用 層 」 は 、 定. の今後の利用意向及び鉄道の必要性認識度をみ. 57%. ・利用意向は高い 6% ・鉄道の必要性も認識 ・以前に電車利用経験有. 積極的に 利用促進すべき層. ・利用意向は高い 66% ・鉄道の必要性も認識 ・全体の6割を占める. 積極的に 利用促進すべき層. ・利用意向は無し 19% ・鉄道の必要性は認識 ⇒鉄道のサポーター. 意識を 継続させるべき層. ・利用意向無し 9% ・鉄道に関心がない ⇒公共交通無関心層. 関心を 持たせるべき層. 利用可能性:小. 図-7. 非鉄道利用者の利用可能性に関する総括図. 「 意 識 を 継 続 さ せ る べ き 層 」「 関 心 を 持 た せ る べき層」に分けることができる。今後はそれぞ れの層を対象としたきめ細やかな利用促進策の 展開 、鉄 道 に 対 す る マ イ レ ー ル 意 識 の 醸 成 を 促 すことが 鉄 道 の 活 用 に 結 び つ く も の と 思 わ れ る 。. ったということである。さらに、上記のことが鉄道 の利用意向にも反映されており、非鉄道利用者にお いても、意識の変化を通して今後十分に利用する可 能性があることがわかった。 今後は、鉄道の運行再開により高まった関心を維. 6.まとめ 本研究では、同一地域で鉄道運行の有→無→有と. 持、拡大させていくこと、そして実際に利用増に結 びつけていくためのターゲットを絞ったきめ細やか. いう3つの状況を経験した福井地域において、沿線. な対策(例えばTFP2))等の展開が求められてい. 住民の交通行動・生活活動の変化及び影響をアンケ. る。. ート調査を用いて実証的に明らかにした。本研究で. 参考文献. 特に着目すべき点は、鉄道の「突然の運行休止」、. 1)地方鉄道問題に関する検討会;地方鉄道復活の. そして「新たなかたちでの再開」を地域が経験した. ためのシナリオ 2)谷口綾子;TDM の心理的方略としてのTFP(ト. ことを通して、利用者のみならず非利用者にも鉄道. ラベル・フィードバック・プログラム)−実践的課. の価値、存在意義を実感として認識させることにな. 題と展望―土木学会論文集(2003).
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