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7)鶴来・他: 日本地震工学論文集, 6(4), pp

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Academic year: 2022

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(1)

統計的グリーン関数法に用いる位相特性が地震動評価結果に与える影響

東京工業大学 総合理工学研究科(現 中部国際空港(株)) 正会員 ○鬼頭 順三 東京工業大学 総合理工学研究科 翠川 三郎 東京工業大学 総合理工学研究科 三浦 弘之 大成建設(株)技術センター 糸井 達哉

1.はじめに

実用的な地震動予測手法として用いられることの多い統計的グリーン関数法 1)ではω-2モデルに基づく振幅スペ クトルと,正規乱数と包絡関数形による位相特性から人工的な要素地震が作成される.従来の統計的グリーン関数 法では,位相特性として正規乱数の初期値をすべての要素地震波に与え,要素地震波の破壊開始点を要素断層面内 にランダムに配置することが多い 2).しかし,位相の選択には任意性があり,用いる位相により合成波形の位相が 安定しない問題点がある.そこで香川 3)によって長周期でコヒーレントとなる位相を選択する方法が提案されてい る.また,要素地震波に用いる

Boore

4)の包絡関数形は観測波形に比べて継続時間が極端に短くなる問題点がある.

そこで,これまでに震源距離によって継続時間が長くなる包 絡関数形が提案されている例えば5), 6).本研究では,統計的グ リーン関数法に与える手法の違いが地震動評価結果に与え る影響について検討する.

2.解析手法と解析条件

振幅スペクトルは

Boore

4)に基づくモデルとし,高周波 遮断フィルターは鶴来・他7)のモデル,

Q

値は佐藤・他8) のモデルを用いる.ラディエーション係数は

0.5Hz

以下で 理論値,

5Hz

以上で等方的な値とし,中間振動数を香川3)に 基づき補間する.包絡関数形は

Boore

4)のモデルと近畿地方 で観測された中小地震記録に基づく村上・他5),散乱理論 に基づく佐藤6)

3

種類を対象とする.本研究で行った位 相の与え方と包絡関数形の違いによる検討ケースを表

2

に示す.また,波形合成法は入倉・他9)の方法を用いる.香 川の手法を用いる場合は要素地震波ごとに位相を選択し,要 素断層面中心に配置する.想定した地震は

M

W

6.5

の横ずれ 断層であり,断層モデルは地震調査研究推進本部のレシピ10) に基づき設定する.設定した断層モデルを図

1

に,断層パラ メータを表

1

に示す.本研究では地震基盤面における合成波 形で検討を行うこととする.

3.解析結果

2

に正規乱数の初期値を位相としてすべての要素地震波 に与える手法(a)と香川の手法により選択した位相を与える 手法

(b)

による合成波形の断層直交

(FN)

成分を示す.ここでは

Boore

の包絡関数形を用いて位相の異なる

100

波を重ね合わ

せた.

キーワード 統計的グリーン関数法,位相特性,地殻内地震

連絡先 〒226-8502 神奈川県横浜市緑区長津田町 4259 G3-3 TEL045-924-5602

図 1 設定した断層モデル 表 1 設定した断層パラメータ モーメントマグニチュード 6.5

地震モーメント 7.2×1018 Nm

断層長さ 24 km

断層幅 15 km

断層上端深さ 1 km

傾斜角 90 °

断層近傍の密度 2.8 t/m3 断層近傍のS波速度 3.5 km/s 破壊伝播速度 2.7 km/s

破壊伝播様式 同心円状

メッシュサイズ 1.5 km×1.5 km アスペリティ面積 81 km2 アスペリティの地震モーメント 3.24×1018 N・m

アスペリティの平均すべり量 1.17 m アスペリティの平均応力降下量 138×105 Pa アスペリティの立ち上がり時間 1.67 sec

背景領域の面積 279 km2 背景領域の地震モーメント 3.96×1018 N・m

背景領域の平均すべり量 0.41m 背景領域の実効応力 29×105 Pa 背景領域の立ち上がり時間 2.78 sec アスペリティ

背景領域 破壊開始点 地表面

1-177 土木学会第63回年次学術講演会(平成20年9月)

-353-

(2)

従来行われている正規乱数の初期値を与える手法を用いた (a)の速度波形の位相は,要素地震波に用いる位相によって大 きく変化し,

S

波初動より前に振幅を持つ不自然な波形となっ ている.一方,香川の手法による位相を用いた(b)の速度波形 は安定した位相となっていることがわかる.

3

に包絡関数形を変えたときの合成波の加速度波形と

2000

年鳥取県西部地震の

KiK-net

地中観測記録を示す.Boore の包絡関数形はコーナー周波数のみの関数であるため,それ を用いた合成波形は震源距離が長くなっても継続時間が短い ままである.一方,村上・他や佐藤の包絡関数形による合成 波形は,震源距離が長くなるにしたがって継続時間が長くな る傾向が表現できている.ただし,村上・他の包絡関数形に よる合成波形の方が観測波形をより説明しているようにみえ える.

4.まとめ

統計的グリーン関数法による地殻内地震横ずれ断層の地震 動を作成した結果,香川の方法を用いて選択した位相を与え ることで合成波形の位相が安定することを確認した.また,

3

つの包絡関数形を用いた合成波形の比較を行ったところ,

Boore

や佐藤の包絡関数形に比べて,村上・他の包絡関数形に

よる合成波形が,

2000

年鳥取県西部地震の観測波形の包絡形をより説明できることを確認した.

謝辞

本研究では()防災科学技術研究所のKiK-netデータを使用させていただきました.本研究の一部は()原子力安全基盤機構の原子力安全基 盤調査研究「距離減衰式のバラツキの特性評価と地震ハザード解析の高度化研究」として実施しました.

参考文献

1)釜江・他:日本建築学会構造系論文集, 430, pp.1-9, 1991. 2)福喜多・他: 第12回日本地震工学シンポジウム, pp.438-441, 2006. 3)香川: 日本地 震工学会論文集, 4(2), pp.21-32, 2004. 4)Boore: BSSA, 73(6), pp.1865-1894, 1983. 5)村上・他: 日本建築学会学術講演概要集, 構造Ⅱ, pp.113-114, 2002. 6)佐藤: 日本建築学会構造系論文集, 586, pp.71-78, 2004. 7)鶴来・他: 日本地震工学論文集, 6(4), pp.94-112, 2006. 8)佐藤・他: 日本建築 学会構造系論文集, 462, pp.79-89, 1994. 9)入倉・他: 日本地震学会講演予稿集, No.2, B25, 1997. 10)地震調査研究推進本部: 「全国を概観した 地震動予測地図」報告書 震源断層を特定した地震の強震動予測手法, 2005.

村上・他(2002)

-200 0 200

佐藤(2004)

-200 0 200

Time(s)

TTRH02(日野)

0 20 40

-500 0 500 Acc.(cm/s2)

Boore(1983) 断層破壊方向 8km

FN成分

-200 0 200

村上・他(2002)

-100 0 100

佐藤(2004)

-100 0 100

Time(s)

OKYH14(北房)

0 20 40

-150 0 150 Acc.(cm/s2)

Boore(1983) FN成分 断層破壊方向 25km

-100 0 100

村上・他(2002)

-40 0 40

佐藤(2004)

-40 0 40

Time(s)

OKYH03(岡山)

0 20 40

-50 0 50 Acc.(cm/s2)

Boore(1983) FN成分 断層破壊方向 50km

-40 0 40

村上・他(2002)

-10 0 10

佐藤(2004)

-10 0 10

Time(s)

OKYH01(玉野)

0 20 40

-50 0 50 Acc.(cm/s2)

Boore(1983) FN成分 断層破壊方向 100km

-10 0 10

3

各種包絡関数形による合成波形と

2000

年鳥取県西部地震での観測波形の比較 表

2

検討ケース 位相の与え方 包絡関数形 正規乱数の初期値 Boore

Boore 村上・他

佐藤 香川の方法

断層破壊方向8km FN成分

Time(s) Acc.(cm/s2)

0 10 20

-250 0 250

Time(s) Vel.(cm/s)

0 10 20

-20 0 20

(a)

同一の位相

Time(s) Acc.(cm/s2)

0 10 20

-250 0 250

Time(s) Vel.(cm/s)

0 10 20

-20 0 20

(b)

香川の手法で選択した位相 図

2

位相の与え方を変化させたときの

合成波形の比較

比較 比較

1-177 土木学会第63回年次学術講演会(平成20年9月)

-354-

参照

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