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回転す る巻 糸体周 りの流 れ と動力損失 (第1報)実 験 とそ の考察

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Academic year: 2022

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(1)87. 論. 文. 回転す る巻 糸体周 りの流 れ と動力損失 (第1報)実. 験 とそ の考察. 金沢大学工学部 〃 〃. Air. flow Part. around. the. rotating. 1 : Experiment. pirn and. 新 尾. 宅 田. 山崎. and. power. 救 十. 徳(会 員) 八. 裕. 之(会 員). loss. consideration. Sukenori Shintaku, Juhachi Oda, Hiroyuki Yamazaki Faculty of Engineering, Kanazawa. University, Kanazawa. Abstract. The flow around the high speed rotating pirn and energy loss are measured experimentally . A technique to decrease the energy loss is considered. The results obtained are as follows : 1) It is shown quantitatively that the air around the rotating pirn is sucked from the upper and lower parts and is blown from the middle part. 2) When the cover, of which the cross sectional shape is triangle, is set aroundthe rotating pirn , the energy loss is improved about 20 percent. (Received April 18, 1989) 摘 要 目的 高 速回 転す る巻 糸体周 りの流 れ場 と流れ に伴 う動力損 失 を測定 して,動 力損失 の削 減 を計 る. 成 果 本 実験 によ って 得 られた結 果 を以下 に示 す.・ 1) 巻 糸体 周 りの空気 は,巻 糸 体周 りを回転 しな が らその上下 部 か ら中央 部 へ と集 ま り半径 方向 に吹 き出 して い る.本 実 験 で は これ を定 量的 に示 す こ とが で きた. 2) 巻糸 体周 りの流 れ の測定 結果 よ り,巻 糸 体周 りに断 面 が三角形 で この底辺 が巻 糸体 円柱 部 に沿 った カバ ーを設 置す れ ば良 い こ とが予 測 され,こ の実験 に よ り動力 は20%も 改 善 され た. (平成 元年4月18日 受 理). 1.. 緒. 言. 常時 高 速回転 して いる巻糸 体周 りの流 れ状 態 を知. じる流 れ は三 次 元的 で複雑 で あ る.そ の様相 は巻糸. り,流 れ場 を改善 す る ことは,こ れ ら回転機械 の消. 体 の上 下部 か ら吸 い込 まれ た空 気 は回転 しなが ら中. 費動 力 の減少へ とつ なが る重 要 な意味 を持 ち,も し 巻 糸体 周 りの流 れを人工 的 に制御 す る ことがで ぎ,. 央部 へ集 ま り,こ こか ら半 径方 向 へ と吹 き出 してい る.. 浮遊 繊維 の周 囲へ の飛散 をお さえ る ことが で き るな. 回転 によ る流 れ に関す る現在 までの研 究報 告 をみ. らば,現 場 での作 業環境 の改 善 に も役立 つ.本 研 究. ると,中 村 ら1〜3)の 低速 域 で の回転 円柱周 りの流 れや. で取扱 う巻 糸体 は円柱 の両端 に円錐 がつ いた複雑 な. 小林 ら4)の回転 円筒 面 上 の二 次元 乱 流境 界 層 とい っ た対 象物 が円柱 で あ る ごく限 られ た もの しかな い.. 形 を して お り,こ れ が高速 回転 す る ことによ って生 T1.

(2) 繊維機械学会誌. 88. そ こで本 研究 で は,巻 糸 体周 りの流 れの可 視化実. り に軸 方 向9点 ×半 径方 向16点 の計144点 上 に25 mm間 隔 で取 り付 けて流 れ場 の写 真撮 影 を行 う,. 験 に よ る定性 化 及 び巻糸体 周 りの流 速 の定量 化測 定 を試 み た.具 体 的 には,流 れ域 各点 の空気 抗 力 をひ. 以下,本 報 告 で は巻 糸 体上 端 部 中心 を原 点 に と り,巻 糸体 の半径 方向 は座標rは 半 径 が大 き くな る. ず み計 を利用 して測定 し,こ れを流速 に換 算 す る こ とに よ り高 速 回転 域 で の流 れ 状態 を定 量 化 した.. 方 向 を正 に,円 周 方 向へ座標 θは巻 糸体 の回 転方 向. 又,巻 糸 体 の動 力 を直 接測 定 して流 れ状態 との関連. を正 に,ま た軸方 向座 標zは 下方 向 を正 に と った円. 性 を考 察 した.そ して,回 転 す る巻糸 体 の摩擦 抵抗 に つ いて は巻 糸 体 を容 器 で囲 う と動 力 が30%下 が. 筒 座標 系 を用 いる.. る 例 等 を著 者 の1人5)が 報告 してい るので,本 報 で. 装 置 を図2に 示す.イ ンバ ー タ(1)によ りモ ー タ(2)の. 巻糸体 周 りの流 れ を定 量的 に測 定 す るため の実験. は これ を応 用 して,巻 糸 体周 りに流 れを ス ムーズ に. 回転 を制 御 し,プー リ(3)及びベ ル ト(4)を 介 して巻糸. 、 す るよ うな カバー 在上 の実験 結 果か ら予測 ・設 計 して,こ の カバ ーを設置 す る ことに よ り流 れ状態 の. 体(5)を回 転 させ る.流 速 測定 に は一方 向性 のUゲ ー ジの 先 に直 径10mmの 球 を取 り付 け た セ ンサ(6). 改 善 を図 りそ の効果 を検討 した.. を用 い る.円 筒 座標 の 円周 方 向 に速 度変 化 は ない と. 2. 2.1. 仮定 して,測 定面 は図2の よ うに任 意 の θにお け る r‑z平 面 を とる.測 定 点 は巻糸 体上 部 のテ ーパ部 で. 巻 糸 体 周 りの 流 れ. 5点,円 柱部 で40点,計45点. を設 け る.空 気抗 力 の 測 定値 は多少 のば らつ きがあ るので,測 定 値 が安定. 実験方法. 巻 糸 体 は通 常 の3kg巻 ビ ン径50mm,最 円 柱 部200mmで,又 して20degの. す るこ とを確 認 しなが ら行 った.な お,予 備実 験 に. で あ り,外 形 の 詳 細 は,ボ. 大 直 径116mm,高. さ420mm,. よ り巻糸 体上 下部 の流 れ の対 称性 が ほぼ確 認 されて い るため,測 定 は巻糸体 の上 部 を優先 した.こ の よ うな方法 で流 れ域 各点 にお いて,球 が流体 か ら受 け. テ ー パ 部 は巻 糸 体 中 心 軸 に対. 傾 きを 持 つ.. る抗 力bか. 巻 糸 体 周 りの 流 れ の 可 視 化 実 験 を す る た め に,本 実 験 で は種 々 の 可 視 化 法6)を試 み た が,こ 従 性 が 良 く,取. こで は追. (1) こ こで,Cd及. り扱 い も容 易 な タ フ ト法 を 用 い た.. 本 実 験 で 用 い た 単 繊 維 と ス ポ ン ジか らな る複 合 タ フ トを 図1に. 示 す.こ. 性 の 役 割 を,ス って い る.こ. びAbは. 投 影 面 積 で,ρ. の 複 合 タ フ トは単 繊 維 部 が 追 従. 球 の 空 気 抗 力 係 数(0.39)及. 測 定 値 の ば らつ き が大 き い. が,(1)式 の よ う にFbとV2と. 実験装 置 の巻糸 体周. で,Vの. ば らつ き はFbの. よ っ て,こ. び. は空 気 密 度 で あ り,以 上 は本 実 験 範. 囲 内 で 一 定 と す る.Vは. ポ ン ジ部 が 見 や す さ の役 割 を 受 け 持. の タ フ トを 図2の. ら流 速Vを 次 式 よ り算 出 す る.. は比例 の関 係 があ るの ば らつ き の 平 方 根 に な る.. の 方 法 に よ る流 速 決 定 は 直 接 測 定 する よ. り も容 易 で あ る. 用 意 した試 料 は,巻. 糸体表 面上 の違 いをみ るた め. に 表 面 が な め らか な 旭 化 成 ㈱ 製 の ナ イ.ロ ン巻 糸 体 (7.8tex/13F)と. 表 面 が あ ら い綿 巻 糸 体(前 者 の ナ. イ ロ ン巻 糸 体 の 表 面 に 大 和 紡 績 ㈱ 製 の19.7texの 糸 を 一 重 巻 い た もの)の2種 2.2. 類 で あ る.. 実験結果. 4000rpmで. 回 転 さ せ た ナ イ ロ ン巻 糸 体 周 りの 流. れ の可 視 化 の 撮 影 結 果 を図3(a),(b)に. 示 す.図3の. (a)によ り巻 糸 体 周 りの 半 径 方 向 と軸 方 向 の 流 れ が, 又(b)に よ り巻 糸 体 の 円 周 方 向 と 軸 方 向 の流 れ が 可 視 化 さ れ て い る.こ れ よ り,図3の(a),(b)を. 合成 す る. こ と に よ り巻 糸 体 周 りの 流 れ 状 態 を定 性 化 す る こ と が で き る. 図1複I合. タフ ト. T2.

(3) (論 文 集)Vo1.43,No.1(1990). 89. 図2流. 速測定 の実験装 置概略図 次 に,回 転 数 が7000rpmの. ナ イロ ン巻糸 体 の 円. 柱部 につ いて の流速 測定 値 を巻糸 体軸方 向矩離zに よ って整理 した結果 を図4番に示す.パ. ラメー タは測. 定 した半径 方向 距離rで あ る.こ こで は縦軸 の 各速 度 成 分 の符 号 は表1の 意 味 を持 つ.又 図5は,半 方 向距離68mm(巻. 糸 体表面 よ り10mm)で. 径 の速. 度成分 の回転 数 によ る違 い及 び表面 あ らさに よ る違 いを比 較 した 測定結果 を示す. 以 上 のVr及 びVzの 結 果 を利用 して,速度. をr‑z. 平 面上 でベ ク トル表示 し た もの を図6に 示す. (a)r‑z平〓. の 流れ. 2.3. 考. 察. 複合 タフ トを 用い た可視化 実験 の結 果 であ る図3 より,巻 糸体 周 りの空気 は巻 糸体 の上下 部 で吸 い込 まれ,中 央 部 で巻糸 体 に垂 直な方 向 に吹 き出 しで い る ことが定性 的 に確認 で巻 る.た だ し,流 速が小 さ い ところで は,可 視 化実 験 は タフ トΦ重力 の影響 に よ り正確 な方 向 を示 しで いな い. 次 に流 れ の速度 定量化 実番験 の結 果で あ る図4及 び 図5よ 分Vzの. (h)θ=z平面の流れ(半径方向〓離p=78(mm) 図3巻. り,半 径方 向速度 成 分Vr及 び軸方 向 速 度成 流 れ の逆 転 位置 は,半 径 方 向 題離,や 回転. 数 及 び試料 に よ らず ほ とん ど同 じ位置 で あ る ことが わ か る.又 図4の 各 速度成 分 につ いて 詳 し くみ る. 糸 体周りの流れの司視化. T3.

(4) 繊 維 機械 学 会 誌. 90. 図4巻. 糸 体 周 りの 流 速 測 定 値(ナ 7000rpm). 表1各速. イ ロ ン巻 糸 体,. 図5巻. 度 成 分 と符号 の意 味. 糸 体 周 りの 流 速 測 定 値(半 (mm)). 径方 向距 離r=68. な って い る もの と考 え られ る. 次 に図5よ. り,回 転 数 に 対 す る各 速 度 成 分 の 差 は. 小 さ い が,巻 糸 体 表 面 状 態 の 違 い に よ る各 速 度 成 分 の差 は大 き い こ と が確 認 で き る.表 面 が この よ う に あ ら く な る と 速 度 ヘ ッ ド及 び 流 量 が 大 き くな る の で,後. 述 す る これ らの 乗 算 で あ る動 力 は さ らに 大 き. な差 と な って 現 れ る.V.及 と,ま ずVrに. つ い て は,測 定 部 が 巻 糸 体 よ り遠 くな. る に 従 っ て 吹 き 出 しの 幅 及 びVrは して い る こ と が わ か る.こ. で はVrはVθ. わ ず かず つ増 加. れ は,巻 糸 体 か ら遠 ざ か. る に つ れ て 流 れ の 主 流 は,円. び 硫 は,Vθ に よ り発 生. す る二 次 的 な速 度 成 分 で あ る が,巻 の 半 分 を 越 え,無. 糸体 の中央 付近. 視 す る こ と はで き. な い ほ ど に 大 き くな る.. 周 方 向 か ら半 径 方 向 へ. 以 上 述 べ て きた 結 果 は 図6の. 流 速 の ベ ク ル ト表 示. と移 り,こ の 方 向 の 吸 き出 しの 幅 も大 き くな る こ と. を み れ ば さ らに 明 確 に な る.つ. ま り巻 糸 体 周 り の流. を 示 して い る.そ れ ゆ え,Vθ はrの 増 加 と と も に減. れ の 状 態 は,そ. 少 す る.こ. 空 気 が 巻 糸 体 中 央 の 円 柱 部 か ら半 径 方 向 へ と 吹 き 出. こ で は示 して い な い が,空 気 抗 力 セ ンサ. の 球 の 直 径 を 小 さ く した場 合 に,ま がVθ の 逆 流 が 確 認 さ れ た.こ と こ ろ で 多 くみ ら れ,こ. れに値 は小 さい. して お り,こ の 幅 は 円 柱 部 長 さの 約1/2で あ り,巻. の現 象 はrが 大 き い. 糸 体 全 長 の1/3で あ る.こ. の よ う な乱 流 せ ん 断 流 れ は. た.こ. の 図3の. 巻. あ る.. つ い て は,巻 糸 体 中 央 付 近 で そ れ. ら の 向 き が 逆 転 す る.即. の こ と は,先. 糸 体 周 りの 流 れ の 可 視 化 実 験 結 果 と ほ ぼ 同 じ結 果 で. 巻 糸 体 の 回 転 に 多 大 の 動 力 損 失 を与 え て い る と考 え られ る.又,Vzに. の 上 下 の テ ーパ 部 か ら吸 い 込 ま れ た. 又,流 れ の 方 向 は 回 転 数 及 び 表 面 状 態 に よ らず. ち流 れ の衝 突 が 確 認 され. 同 じで あ り,流 速 の 大 き さ の み が 変 化 して い る こ と. の よ う な 流 れ の 衝 突 現 象 は動 力 損 失 の要 因 と. が わ か る.さ. T4. ら に 図6(a)と(c)よ り,r‑z平. 面 の流 れ.

(5) (論 文 集))Vol.43,No.1(1990)). (a). 91. ナイロン巻 糸 体,7000rpm. (b). 図6r‑z平. 図7毛. ナイロン巻 糸 体,5000rpm. (c). 綿 巻 糸 体,7000rpm. 面 の速 度 ベ ク トル表 示. 羽周 りの渦流れ. の速度 ベ ク トルの大 きさは巻糸 体 の表面状 態 に大 き く影響 されて い る ことがわか る.こ れ は表面 に毛羽 があ る場合,図7の. よ うに毛羽 周 りに θ‑z平面 で の. 渦 流 れが形 成 され,こ れが速度境 界層 の厚 さ及 び大 気 との圧力 差 を増 大 させ て いるた めで あろ う. 以上 の実 験 によ って得 られ た流 れ状 態 に よ り,巻 糸 体 の動力損 失 を改善 す るため には,z方 向 の流 れ の衝突 を な くし,巻 糸体 中央付 近 の吹 き出 しの速度. 図8カ. バ ー. お よび流量 を小 さ くす れば良 い こ とが推察 で きる. そ こで,こ の よ うな流 れ 場 を 改善 す る一 方 法 と し. て,ナ. て,巻 糸体 の テーパ 部 を延長 した図8に 示す よ うな. 下 し,動 力 損 失 の 主 原 因 と な る吹 き 出 しは ほ と ん ど. カバ ーを巻 糸体周 りに設 置 してみ た.図9は. お さ え られ て い る こ と が わ か る.そ. カバ ー. イ ロ ン,綿 の 巻 糸 体 を 問 わ ず 全 体 の 速 度 は低. して この こ と が. 付 き巻 糸体 周 りの流 速 の測 定実 験 に よ り得 られ た速. 後 述す る消費 動力 を全体 的 に低減 させ る ことに な っ. 度 ベ ク トル図 で あ る.こ れ よ りカ バ ー設 置 に よ っ. た も の と考 え られ る.. T5.

(6) 繊維機械学会誌. 92. (d)ナイロ. (e)綿. ン巻 糸 体,7000rpm. 図9カ. 3. 3.1. 巻 糸 体,7000rpm. バ ー付 巻 糸 体 周 りの 流 れ のr‑z平 面 の 速 度 ベ ク トル 表 示. 巻 糸体 の動 力損 動力損失の実測. 巻 糸 体 の 回 転 す に 要 す る動 力 モ ー タ の 反 力 か ら求 め る実 験 装 置5)を図10に 示 す.そ 節 に 同 じで あ る が,モ. の 装 置 の 概 要 は2. ー タ に 作 用 す る反 力 を 測 定 す. る た め に モ ー タ の 両 端 を ベ ア リ ン グ(3)で支 持 す る. こ れ よ り モ ー タ(2)自体 は 自 軸 周 り を 自 由 に回 転 で き る状 態 と な る.そ. して,モ. ー タの 外 枠 に 巻 き 付 け た. 糸 の 張 力 をUゲ ー ジ(7)で測 定 す る こ と に よ って モ ー タ外 周 で の 反 力 が 測 定 さ れ る .た だ し,こ の 測 定 に は,モ. ー タの 反 力 が 安 定 化 す る た め に 十 分 な 時 間. を お く必 要 が あ る.こ. の よ うに して 巻 糸 体(6)を取 り. 付 け た と き と外 した と き の 反 力 の差 を と り,こ よ る トル ク をT,回. 転 角 速 度 を ω とす る と,動 力L. は これ らの積(Tω)で 実 験 で は,回. る 動 力Lの. 与 え られ る.な お,動 力 測 定. 転 数 は2000〜7000rpmの200rpm. 間 隔 と し,試 料 は2節 図11は,こ. れに. と 同 じ もの を 用 い た.. の よ うに して 求 め ら れ た 各 試 料 に 対 す 値 を,横. 軸 に 次 式 の レ イ ノ ル ズ数Reを. と って 示 した も の で あ る.. 図10動. T6. 力測定実験装置概略図.

(7) (論 文 集)Vol.43,No.1(1990). 93. 図12流. 量の説明図. 図13仮. 定1の 説 明 図. (5)式に お い て,積 発 範 囲 は 巻 糸 体 のZ方 向 の 全 長 の0 〜0 .42mで. あ る.こ こ で 流 量 及 び速度 ヘ ッ ドに 対 し. て 次 の よ うな 仮 定 を お く. 仮 定1.図13の. よ う な流 れ 域 中 のr=一. の 点Aとz方. 向 に隣接 す る点B,Cに. ぞ れ の 中 点 をX,Vと. し,XV間. 定 の面 内. お い て ,そ れ. の速 度Vは. 点Aの. 速 度Vθ,に 等 しい. 仮 定2. な り,吸. 吹 き 出 した 空 気 の 流 速 は 無 限 遠 点 で0と い込 ま れ る空 気 の速 度 エ ネ ル ギ は 常 に0で. あ る. 以 上 の 仮 定 に よ りLaは, 図11巻. (6) こ このiは測 定点 を,ΔZiはi点でのZ方 向 の測定 点間距. 糸 体 回 転 に要 す る動 力Lと レイ ノル ズ数Reの 関係. 離 を示 す.な お計 算 の対象 とな る面 は,巻糸体 の表面 に最 も近 い測 定 点(本 実 験 で は巻 糸 体 表 面 か ら10. (2) た だ し,rsは 巻 糸 体 の 最 大 半 径 で,Vsはrsの. 巻 糸体. mm離. 表 面 め 周 速 度 で あ り,μ は空 気 の動 粘 度 で あ る.. 3.2. れた面)と す る.. 次 にカバ ー を取 り付 けた場合 の巻 糸体 とカバ ー間 のせ ん断 流 を考 え る.こ こで は巻 糸体 の表面 を平板. 速 度 分 布 に よ る動 力 の推 定. とみ な した境 界 層 理 論 よ りせ ん 断 応 力τを求 め る. 巻糸 体周 りの流 れ状 態 が流体機 械 の ポ ンプ に似て い る ことか ら,本 報 で はすで に確立 され て いる ポ ン. 1/8乗 法則 か ら出発 して次 式7)が与 え られ る. (7). プ の動 力 理 論 を利 用 して そ の 空気 動 力 を求 め る. 又,カ バー を取 り付 けた場合 は,巻 糸 体 とカバー 間 のせん 断流 を扱 うに当た り,巻 糸 体 の表面 を平板 と. こ こ でlに は巻 糸 体 円 周 長 を代 入 す る. せ ん 断 応 力 τに巻 糸 体 の カ バ ー 部 分 の 表 面 積Ap. みな した速度 境界 層理 論 よ り,せ ん断 力 を求 めて前. を 乗 ず る こ と に よ っ て 巻 糸 体 全 体 の せ ん 断 力Fpを. 者 の空気 動力 に加 算す る ことを考 え た.. 求 め,こ. ま ず巻 糸体 回 転 に要 す る動 力Leを 巻 糸 体周 りの 速度 分布 か ら算 出す る.図12の. (8). 次式 で与 え られ. (9) Lcを(5)式. (3) の帯 を通 過 す る流 体 の 速 度 ヘ ッ ドHは. Lcは. 加算 す るとカバ ー付 きの. 算 出 され る.た. だ し,上. 式の. 平 板 の 表 面 が な あ らか な 状 態 の 場 合 の み に あ. て は ま り,表 面 が あ らい 状 態 の 場 合 は 境 界 層 の 剥 離. 動 力 加 速 で あ る.. よ っ て,空 気 動 力Laは. の 空 気 動 力Laに. 巻 糸 体 回 転 動 力Leが. ち. (4) こ こでgは. 乗 ず る と巻 糸 体 と カ バー 間. 求 め ら れ る.. よ うな微 小幅dzの. 帯 を半 径方 向 に通過 す る流量dQは る. 又,こ. れ に 周 速Vsを. の 消 費 動 力Lcが. な どを 考 慮 しな け れ ば な らな い が,今. 次 式 で 与 え ら れ る.. 回 は これを含. ん で い な い. 3.3. (5). 考. 察. 動 力損失 の実 験結 果図11と,こ の縦 軸 の動力Lを. T7.

(8) 繊維 機 械 学 会 誌. 94. 一方. ,カ. バ ー を設 置 す る こと で,回. らず ナ イ ロ ン巻 糸 体 で 約20%,綿. 転数 に かかわ. 巻 糸 体 で 約30%. も消 費 動 力 が 減 少 し,カ バ ー 効 果 が 十 分 に あ らわ れ た こ と が 確 認 で き る.こ. の カ バ ー 設 置 に よ る動 力 の. ほ と ん ど は巻 糸 体 と カ バ ー 内 側 間 の せ ん 断 力 で 消 費 さ れ る.表2に. お い てLとLeが. ナ イ ロ ン巻 糸 体 の 場 合,せ Lcは10.91Wで. よい一致 を みせ た. ん 断 力 に よ る消 費 動 力. あ り,形ポ ン プ.作用 に よ る 空 気 動 力. Laは1.33Wで'こ. の 動 力 値 は 全 体 の11%以. 上で. あ る. 次 に流 速 測 定 結 果 か ら ポ ンプ の空 気 動 力 及 び 境 界 層 理 論 を 引 用 し た値 を 表 零2に示 す.こ. の結 果 よ り両. 者 は ほ ぼ よ い一 致 を み せ た と い え る が う 一 般 に 流 速 か ら求 め た 動 力 値 が 低 い.こ の 測 定 誤 差,特. の 両 者 の 差 は流 速 分 布. に計 算 対 象 面 が 巻 糸 体 の 表 面 で な い. こ と 及 び機 械 的 損 失 だ と考 え られ る.又 表2中 の ケ ー ス(e)で ,流 速 に よ る計 算 値 と測 定 値 と に か な り大 き な 差 が 出 て い る の は,こ. の巻 糸 体 の 表 面 が あ ら く. 先 に 示 した 境 界 層 理 論 の 適 用 に 無 理 が あ っ た も の と 図14摩. 解 釈 され る. 擦 係 数Cfと レイ ノ ル ズ数Reの 関 係. 次 の(10)式で 無 次 元 化 した 摩 擦 係 数C5)で した 結 果,図14に. 4.. 整 理 しな お. り,レ. rpm)付. イ ノ ル ズ 数0.9×105(回. 部か ら回転 しなが ら中央部 に集 中 して,こ こか ら半 径方 向 に吹 き出 して いた.こ の現象 を その速度 分布 か ら定 量的 に示 す こ とが で きた.. 転 数4000. 近 で 層 流 か ら乱 流 へ の 遷 移 が 認 め られ た.. 又,図11よ. 2) 巻糸 体周 りの流 速分 布か ら回転 に要 す る動 力. り,綿 巻 糸 体 の 動 力 は ナ イ ロ ン の そ れ に. を推定 す る ことがで きた.. 比 して 非 常 に 大 き く,こ れ は流 れ 場 解 析 で も述 べ た. 3) 本実験 範 囲内 で は,回 転数 や巻 糸体 表面状 態. よ う に,綿 表 面 の 毛 羽 周 り に も渦 流 れ が 発 生 して 巻 の. に よ る流 れ状 態 の変化 は少 な く,た だ回転 数が大 き. らか の 原 因 で 巻 き取 り の 工 程 中 に 巻 糸 体. い ほ ど,ま た表面 状態 が あ らい ほど流 速 が大 き くな. 糸 体 表 面 の 境 界 層 厚 さ が 増 加 す る た め で あ る.こ こ と は,何. 言. 1) 回転 す る巻糸体 周 りの流 れ は,巻 糸 体 の上下. 注 目 しよ う.. (10) 図14よ. 結. 表 面 に ほ つ れ や 毛 羽 が 生 じた 場 合 に,動. た.こ の傾向 は動力 に. 力 は急 激 に. いて も同様 で あ った. っ. 4) 設計 ・試作 したカベ ー によ り,巻 糸体 周 りの. 増 加 す る こ と を意 味 して い る.. 表2流. れ場 か ら求 め た動 力 と測 定 した動 力 の比 較. ※ 表 内 の(a)〜(e)の意 は 次 の 様 で あ る.. た だ し(d)と(e)の場 合 に 限 り,巻 糸 体 と カバ ー 間の せ ん断 力 か ら 算 出 さ れ る動 力Lcは. い ず れ の 場 合 も10.91Wと. T8. した..

(9) (論 文 集))Vol.43,No.1(1990). 95. 吹 き出 しをお さえ スム ーズ な流 れ が生 じ,こ れよ り 動 力 は20%も. 参考文献. 改 善 され た.. 1). 中 村 ら;日. 本 機 械 学 会 論 文 集B,49,446,2230. ,(1983‑. 10). な お,本 研 究 は,平 成元 年度 の 日本繊維機 械学 会 の年 次大 会 で発表 した もので あ る.又,本 研究 の流. 2). 中 村 ら;日. 本 機 械 学 会 論 文 集B,51,470,3391,(1985‑. 10). れ場 の理 論 的考察 につ いて は,本 学 の上野 久儀,松. 3) 中 村 ら;日. 井良 雄両 先生 にお世話 にな った.そ して実験 実施 に. 4). 小 林 ら;日. 本 機 械 学 会 論 文 集B,52,478,2374,(1986‑6) 本 機 械 学 会 関 西233回. 講 演 論 文 集:308. ,p.24. (1975‑6). あた って,伴 場 秀樹 君,加 藤 宏 明君 の協 力 を受 けた. さ らに旭 化成 工業 ㈱ よ り試料 を提 供 して頂 い た.い ず れ も ここに記 して感 謝 の意 を表 したい.. T9. 5). 新 宅 ら;繊. 学 誌,39,10,96,T=432(1983‑10). 6). "技 術 資 料. 流 体 計 測 法",p.308.日. 7). "機i械 工 学 便 覧",p.8‑49,日. 本 機 械 学 会(1985) 本 機 械 学 会(1976).

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