カーブ区間における速度感に関する実験的研究
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(2) 4-321. 土木学会第60回年次学術講演会(平成17年9月). 4-2 カーブ区間定速自動走行の実現 本実験では、作成した CG の道路を定速走行している車両のドライバーから見た映像を被験者に提示する。 これまでの CG 映像提示実験 1)、2)はいずれも直線を対象としていたが、本実験はカーブを一定の速さで 走行する映像を提示する必要がある。このような自動走行にはアクセル開度、ステアリング角度を外部計算 機からの入力に切り替える必要がある。 具体的には、CG の道路を手動で走行. 自動走行. 自動走行. 手動走行. 成し自動走行させる。手動走行データに 基づき、ステアリングを一定量きったス テアリング角度(図 3)で制御する。アクセ ル開度は、速度に対するアクセル開度の 応答特性を考慮して一定時間内に所要の. 35. 5 アクセル開度(%). タの数値を元に車両運動プログラムを作. ステアリング角度(°). した際の走行データを記録し、そのデー. 手動走行. 40. 6. 4 3 2 1. 30 25 20 15 10 5 0. 0 25. 29. 33. 37 41 経過時間(s). 45. 図3. ステアリング角度. 定速走行を実現する必要があるため、あ. 25. 49. 29. 33. 図4. 37 41 経過時間(s). 49. アクセル開度 自動走行. カーブ. 45. 手動走行. 80. る速度を超えた場合はアクセルを緩め、 下回った場合はアクセルを踏むという制 御方法(図 4)で擬似的に定速走行を実現 する(図 5)。ここで速度変動により走行位. 直線. 車両速度(km/h). 70 60 50 40 30 20 10. 置が徐々に変化してしまうため、実験用. 0 0. の自動走行シナリオの実現にはステアリ ング角度とアクセル開度の微調整を行う. 図5. 4. 8 12 16 20 24 28 32 36 40 44 48 経過時間(s). 実験コースと車両速度. 必要がある。本実験には曲線半径 3 種 (R100,R400,R1000)、曲折方向 2 種(左右)、速度 7 種(30〜90km/h)、映像提示順序 2 種(パターン A,B)の計 84 種のシナリオを使用するため、各条件毎に同様の作業を行った。 5.実験結果及び考察 順序に統計的な有意差が無かったため、パターンを区別せずに集計を 行った。半径 100m 右カーブのみ、等速認知映像速度が基準映像(直線) の速度を下回り、カーブの方が直線よりも速度を速く感じているが、 その他のカーブ条件・実験条件では、むしろカーブの方が直線よりも 遅く感じている傾向がある。しかしいずれも統計的に有意差はない。 また若干ではあるが、左カーブの方が右カーブより速度を遅く感じる 傾向がみられる。これは、既存研究. 1). で遮音壁までの距離(側方余裕). が広いほど速度を遅く感じるとされることから、右カーブの側方余裕 が左カーブより少ないために生じた結果と考えられる。本実験は直線. 表1. 実験結果. カーブ条件 被験者数 平均等速認知映像速度(km/h) 61.7 左R100 15名 67.8 左R400 15名 65.0 左R1000 15名 58.3 右R100 15名 66.8 右R400 15名 64.3 右R1000 15名 左カーブ. 等速認知映像速(km/h). 表 1 に実験結果を示す。実験映像をランダムに提示することで提示. 右カーブ. 75.0. 70.0 65.0 60.0 55.0 R100. R400 曲線半径(m). R1000. を基準映像、カーブを対象映像としての比較実験である。今後カーブを基準映像、直線を対象映像とした実 験、直線との比較だけでなく、カーブどうしの比較実験を行うことによって、本実験の妥当性を確認する必 要がある。. 参考文献 1)濁澤雅、上岡高之、片倉正彦、大口敬、鹿田成則:視覚環境が運転者の速度感に 及ぼす影響要因解析、土木計画学研究・講演集、No.28、CD-ROM、2003 年 2)磯田大輔,大口敬:車線幅員と路肩幅員が速度感に与える影響分析、第 60 回土木学 会年次学術講演会概要集、CD-ROM、2005 年 -642-.
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