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問 9 地球環境問題の代表である地球温暖化問題に関する 各国の具体的な状況や取組についての理解を問うた 正答率は妥当であった 問 10 平和維持や人権保障 開発援助に関する代表的な国際協調の取組についての理解を問うた 正答率は低かった 第 2 問市場は 私たちの生活の利便性を格段に高めてきた しかし

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Academic year: 2021

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政治・経済

第3 問題作成部会の見解

1 問題作成の方針 高等学校の段階における基礎的な学習の達成程度を判定することを主たる目的として、作問はな されており、この点は従来と変わっていない。ただし、「現代の社会について主体的に考察させ、 理解を深めさせる」ためにも、「現代の諸問題や時事的現象」を取り上げ、「情報を主体的に活用す る学習活動を重視する」、という高等学校学習指導要領の記載も生かし、いわゆる時事問題や論理 問題なども加えた。 全体としては、いわゆる基礎的知識の習得度を問う問題のみに偏ることを避け、できる限り総合 的な理解力、論理的な思考力を、そしてそれらに基づいた応用力を試すことを目指した。考えさせ る問題である。例えば、表やグラフを用いた問題では、特定の知識を前提とせずに、表やグラフそ れ自体を読み解けるかに主眼を置いた。 形式的には、大問5問、小問計38問という前年度のパターンを踏襲している。難易度について は、各問題の均衡を考慮しつつ、正答率が6割程度になることを目標とした。 2 各問題の出題意図と解答結果 第1問 戦後の国際政治・経済体制に関わる諸事実・諸問題について幅広く理解を問うた。その 際、時々の国際的な主要制度・政策の在り方や先進諸国の取組・状況を問うのみでなく、発展 途上国に関わる諸問題も、国際協調を要する課題として積極的に取り上げることとした。な お、本問は経済分野と政治分野の融合的な大問である。全体として得点率は低かった。 問1 国際連合の様々な原則や制度の意義を正確に理解できているかを問うた。正答率は低 かった。 問2 国際通貨体制の変容とそれに伴う為替相場制度の変化の具体的な中身や意味についての 理解を問うた。正答率は低かった。 問3 1980年代後半以降の国際経済と各国経済の動向を、具体的な経済指標の推移と関連さ せて理解できているかどうかを問うた。正答率は低かった。 問4 日米安全保障条約の内容や、同条約をめぐる近年の展開について、基本的な理解を確認 する設問である。正答率は妥当であった。 問5 冷戦終結が契機となって発生した出来事を、複数の重要な出来事のうちから選ばせるこ とで、論理的思考力を問うた。正答率は低かった。 問6 民族紛争に伴って発生する事態や、それに対応するための国際的な制度について、最近 の動向も含め、幅広い角度から出題した。正答率はやや高かった。 問7 リード文にも述べられた開発援助政策の展開を踏まえて、1980年代以降の政府開発援 助の地域別動向をグラフから読み取るものである。正答率は低かった。 問8 FTA(自由貿易協定)やEPA(経済連携協定)が、実際の企業活動にとっていかな る意義を持つのかという観点から、現代の多数国間・二国間の通商条約に関する理解を問う た。正答率は低かった。

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問10 平和維持や人権保障、開発援助に関する代表的な国際協調の取組についての理解を問 うた。正答率は低かった。 第2問 市場は、私たちの生活の利便性を格段に高めてきた。しかし、市場が失敗することもあ り、政府の介入が要請される。とはいえ、市場が失敗したからといって政府がいつもうまく問 題を解決できる保証はなく、市場と同様、政府も失敗することは避けられない、というのが真 実であろう。リード文は、市場経済の機能と限界及び政府の役割を結び付けることで、現代社 会の経済は市場に任される部分と政府が関与する部分が混在するシステムになっているとい う、現代経済の特質について理解してもらうことを目的としている。そして、消費者問題と消 費者保護、公害防止と環境保全について、理論的な側面と日本の事例に関連した問題を採用 し、時事的な問題も含めて、総合的な学力を判定できるような出題を心掛けた。問1、問4、 問5の正答率が高かった反面、問3の正答率が低く、問6の正答率は妥当であり、全体として の得点率はやや高かった。 問1 経済主体の間での取引に関して、基本的な理解を問うた。正答率は高かった。 問2 現市場での財やサービスの取引(均衡価格・取引数量)の決定に関して、基本的な理解 を問うた。正答率はやや高かった。 問3 外部性の状況に関して、基本的な理解を問うた。正答率は低かった。 問4 ゴミ問題を通し、循環型社会実現に向けての日本の取組に関して、基本的な理解を問う た。正答率は高かった。 問5 公害問題を通し、公害防止ついての日本の取組に関して、基本的な理解を問うた。正答 率は高かった。 問6 消費者保護についての日本の取組に関して、基本的な理解を問うた。正答率は妥当だっ た。 問7 財政の役割に関して、基本的な理解を問うた。正答率は高かった。 第3問 本問は、日本経済の発展過程、現代経済の特徴を読み解くヒントが、古典の中に見いだ し得ることをリード文で示唆し、各経済学説、物価、国民所得、企業、金融政策、経済のグ ローバル化、近年の経済危機に関する基本的な理解を問うものである。 問1 各経済学説の特徴についての理解を問う問題である。正答率は低かった。 問2 物価に関連して、物価変動の要因、物価と景気循環の関係、物価と関係のある内外価格 差、物価を知る際の統計といった、物価変動を考える上で重要な知識を問う問題である。正 答率はやや高かった。 問3 国民所得の各指標がどのように作成されているかについて、諸指標の項目が理解できて いるかを問う問題である。正答率は妥当であった。 問4 現代企業の特色や形態を問う出題を行った。会社の出資者と資本調達の方法、所有と経 営、企業の形態など、現代の企業の仕組みについての理解を問う問題である。正答率は低 かった。 問5 金融政策について、各種の政策の効果、2000年以降の近年に経済的な課題に応じて行

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政治・経済 われた政策、原則的に禁止されていて実際には行われていない政策を出題した。主要な政策 の理解を問う問題である。正答率は低かった。 問6 経済のグローバル化に関しての基本的な特徴の理解を問う問題である。正答率は妥当で あった。 問7 1990年代以降に発生した経済危機に関する基本的な理解を問う問題である。正答率は やや低かった。 第4問 「政治・経済」の目標の一つである「民主主義」と「人権保障の在り方に関する理解の 深化」及び「現代の日本の政治などについての客観的な理解」に焦点を当て、近年の統治機構 全般にわたる制度改革に関するリード文を基に、統治の基本原理及び現代政治・行政並びに人 権の保障に関する知識を問う問題である。リード文は、昨今の統治機構改革について、内閣と 国会の制度改革の概要を説明した上で、その特徴の一つとして、政治のトップに権限を集中さ せる側面があることについて、人権保障という観点からその問題点を挙げ、民主主義における 司法の意義に言及しつつ、市民が果たすべき役割について今後の課題を提起するものである。 各小問は、リード文の趣旨を受け、地方自治、大統領制、公務員制度、国会、人権の救済法、 人身の自由、司法制度、日本の政治に関する基礎的な知識を問うものである。全体として、正 答率はやや低かった。日本の地方公共団体とアメリカの政治機構の共通性を問う問1と、検察 審査会に関する知識を問う問6はやや難易度の高い問題でもあり、正答率が低かった一方、そ の他の問題については妥当あるいはやや高いものが多かった。 問1 日本の地方公共団体の機構とアメリカの大統領制についての基礎的な知識を問う問題で ある。同じく二元的代表制と言われることのある両制度について、その相違点を正しく理解 しているかどうかを確認する意図である。正答率は低かった。 問2 現在の国家公務員の制度とその実態についての知識を問う問題である。近年、公務員制 度については大きな政治的・社会的争点となっており、それに関する知識を問うことは有意 義であると考え、国家公務員の制度と実態を理解しているかどうかを問うことを意図してい る。正答率は高かった。 問3 日本の国会の制度とその実際、立法過程についての知識を問う問題である。近年の「ね じれ国家」において特に争点となり得る問題も含め、唯一の立法機関である国会について、 単に法律上の仕組みだけでなく、その実際についても理解しているかどうかを問うことを意 図している。正答率は妥当だった。 問4 人権の保障の在り方についての知識を問う問題である。日本国憲法の下での司法を中心 とした人権の保障だけでなく、国際的にも、国際機関やNGO(非政府組織)によって人権 を保障するための試みがあり、人権保障の様々な在り方を理解しているかを確認する意図で ある。正答率はやや高かった。 問5 憲法が保障する適正手続の意義について、論理的に思考する能力があるかどうかを確認 する問題である。正答率はやや高かった。 問6 裁判員制度の導入とともに関心が高まっている検察審査会についての知識を問う問題で ある。検察審査会についての知識の他に、民事裁判・行政裁判・刑事裁判についての知識を 具体例に応用することによって、論理的に思考する能力があるかどうかを確認する意図もあ

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問う問題である。2009年の政権交代により、改めてそれまでの歴史的経緯を問うことは有 意義であると考え、戦後の日本政治の特徴や流れを理解しているかどうかを確認することを 意図している。正答率はやや低かった。 第5問 本問は、家族をめぐる政治・経済の事象や制度に関する多面的な理解を問うことを中心 としつつ、関連する社会保障やその実現を図る政治機構についての基本的な知識を問うことを 基本方針としている。全体として正答率は妥当であった。 問1 法の下の平等に関するこれまでの最高裁判所の判例についての基本的知識を問う問題で ある。正答率は低かった。 問2 子供の人権をめぐって、児童虐待など様々な問題が提起されていることに鑑み、子供の 人権に関係する法状況についての知識を問う問題である。1 及び 4 で取り上げた児童虐待や 児童ポルノ等に関する最近の改正は、新聞等でも大きく報道されている、知っておいてほし い基本的な知識である。正答率はやや高かった。 問3 累進課税の下での課税単位の違いによる税負担の変化を素材として、租税負担の公平や 公正な在り方について考えてもらうことを目的とする問題である。累進税制に関する基本的 な知識を前提として、資料を読み解く能力、そしてそれらを総合して正答を導く思考力を問 うことを目的としている。正答率はやや低かった。 問4 年金保険の方式である積立方式と賦課方式について、その仕組みやそれぞれのメリッ ト・デメリットについての基本的知識を問う問題である。正答率はやや高かった。 問5 男女差別の撤廃から男女共同参画への流れの中、労働関係法制において、これまでにど のような法整備がなされてきたのかについての基本的知識を問うものである。正答率は高 かった。 問6 首長と議会の関係や、自治体の条例制定権など地方自治制度に関する基本的な知識を問 う問題である。より一層の地方分権が叫ばれる今日、住民・自治体は地方自治の主体として の覚悟が求められており、地方自治の仕組みに関する基本的知識は是非とも知っておいてほ しいものである。正答率はやや低かった。 問7 明治憲法下及び日本国憲法下において生じた人権をめぐる出来事についての基本的知識 を問う問題である。正答率はやや高かった。 3 出題に対する反響・意見についての見解 第1問 「統治の不安定と貧困の蔓延との悪循環に陥る国々が数多く存在する現状を前に、国際 協力の新たなビジョンを求めるリード文」と、「統計資料の読み取りや思考力を問う良問」を 含む「戦後の国際政治と経済の歴史的展開を幅広く踏まえた政治・経済分野の融合問題」であ るとの評価であった。 問1は、国際連合憲章に基づいて国際連合の理念や制度について問う設問であり、「標準的な 知識を問う問題である」との評価を得た。正答率は低かったが、出題のレベルとしては妥当 であったと考えられる。

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政治・経済 問2は、第二次世界大戦後の国際通貨体制の推移を問う、やや難易度の高い問題であるとの評 価であった。適切な出題であったと思われる。 問3は、正確に資料を読む力が試される総合的な学力が必要な質の良い難問であるとの評価で あった。正答率が低かったことは残念であるが、良問であったと思われる。 問4は、日米安全保障条約の内容やその関連事項についての理解を問う設問であり、「日米地 位協定や周辺事態法の内容に触れるなどやや難易度の高い問題である」との評価であった。 もっとも、正答率はおおむね妥当な水準であり、適切な出題であったと考えられる。 問5は、冷戦終結後の国際情勢について問う設問であり、「基本的な知識を問う問題である」 との評価を得た。正答率は低かったが、出題のレベルとしては適切であったと思われる。 問6は、民族紛争に関する出来事や制度を問う設問であり、「基本的な知識を問う問題である」 との評価を得た。正答率はやや高く、基本的事項の理解を問う適切な出題であったと言え る。 問7は、思考力や資料を読む力を問う良問であるとの評価であった。正答率は低かったが、出 題の意義は十分にあったものと思われる。 問8は、現代の通商条約に関する理解を問う設問であり、「企業経営者という特定の立場から 経済事象を見るというユニークな設問」であり、「一つの事象が、異なる立場から見れば、 どのように見えるかを考えさせる良問である」との評価を得た。正答率は低かったが、出題 の形式及びレベルとしては適切であったと考えられる。 問9は、地球温暖化問題に関する、時事的要素も織り込んだ基本的知識を問う問題であるとの 評価であった。正答率は妥当であり、適切な出題であったと思われる。 問10は、国際協力に関する国際機関や各国政府の取組について、正確な知識を問う問題であ るとの評価であった。正答率は低かったが、適切な出題であったと思われる。 第2問 「現代の市場経済の問題を幅広く扱った問題」であり、「政府の介入が逆に問題を悪化さ せる可能性を含んでいることを指摘するリード文は、作問者の高い見識が伺われる」との極め て好意的な評価がなされている。 問1は、「三つの経済主体の相互関係を問う平易な問題」との評価であった。正答率は高かっ たが、経済循環に関しての基本的な問題を取り扱った本問は、妥当な出題であったと言え る。 問2は、「需要曲線と供給曲線のシフトを扱う」問題であり、「正確な知識と思考を要求するや や難度は高いが良問である」との評価であった。正答率はやや高かったが、需要・供給曲線 に関する基本的な問題を取り扱った本問は、妥当な出題であったと言える。 問3は、「外部経済や外部不経済について基本的な知識を問う問題」との評価であった。正答 率は低かったが、外部性は重要な事項を取り扱った本問は、妥当な出題であったと言える。 問4は、「いわゆる3Rに関する知識を問う問題」であり、「3 、 4 は、生活に密着した分かり やすい選択肢である」との評価であった。正答率は高かったが、身近な事例を取り上げた問 題を取り扱った本問は、妥当な出題であったと言える。 問5は、「公害防止の施策に関する知識を問う問題」との評価であった。正答率は高かったが、 公害は消費者問題と並んで重要な事項であり、本問は妥当な出題であったと言える。

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る。 問7は、「財政の役割について知識を問う問題」との評価であった。正答率は高かったが、財 政の役割は基本的な事項であり、本題は妥当な出題であったと言える。 第3問 「教科書に基づく知識により正解が得られる問題」が五つ、「教科書に基づく知識を使っ て思考力や応用力により正解を導く問題」が一つ、「時事的・社会的な知識から国内的・国際 的な諸課題を考えさせる問題」が一つ、という評価を得た。正答率はやや低かったが、全体的 にバランスの取れた出題であったと思われる。 問1は、「それぞれの経済学者が生きた当時の社会状況を尋ねたユニークな問題」であり、正 答率は低かったが、「単なる知識だけでなく思考力を問うやや難易度は高いが良問である」 との評価であった。適切な出題であったと思われる。 問2は、「物価に関する基本的知識を問う問題である。リード文との関連がやや薄いように思 われる。」との評価であった。正答率はやや高かったが、全体的に物価に関連する広い内容 を出題した、バランスの取れた適切な出題であったと思われる。物価のキーワードはリード 文にも入っているため、リード文の趣旨との関連性については、今後検討する余地がある が、全体として支障がないと思われる。 問3は、「国民所得の諸指標に関する基本的知識を問う問題である。3 の国内総資本形成とい う用語は受験者にはなじみがなかったかもしれない。」という評価であった。多くの教科書 の国民所得の諸指標の図解には、国内総資本形成が示されており、これがフロー指標である ことの理解も必要である。正答率は妥当であった。全体的に国民所得の諸指標について、 様々な例を基に、重要な知識を問う適切な出題であったと思われる。 問4は、「様々な企業の在り方に関する知識を問う問題である。」という評価であった。正答率 は低かったが、現代企業の特徴について、教科書記述の多い内容を基に、多様な角度から正 確な知識を問う適切な出題であったと思われる。 問5は、「日本銀行の金融政策に関する基本的知識を問う問題である。」という評価であった。 単なる暗記問題にならないように教科書記述にあることを基に、効果を考えさせる内容も含 んだ。正答率は低かったが、金融政策について基本的かつ重要な内容の理解を問う適切な出 題であったと思われる。 問6は、「経済のグローバル化に関する知識を問う問題」であり、「2 、 3 、 4 は受験者には十 分理解しておいてほしい」との評価であった。正答率は妥当であり、適切な出題であったと 思われる。 問7は、「1990年代以降の経済危機に関する時事問題を含むやや難易度の高い問題である」と の評価であった。正答率はやや低かったが、適切な出題であったと思われる。「なお、UN DP(国連開発計画)の認知度はさほど高くない。消去法で正答を導き出すにも難易度が高 い問題である」との指摘もあり、今後作問する際には留意するようにしたい。 第4問 「1990年代以降の日本の行政や立法機構の制度改革から政治のリーダーシップを強化す る改革の意義を説くとともに、そのことによる問題点にも触れ、人権保障の重要性を述べてい

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政治・経済 る。政治をより良いものにするため努力を積み重ねることの重要性を求めたリード文」である が、「リード文の下線部と設問との関連性が薄い問いがあった」との評価があった。正答率は 全体としては、やや低かった。 問1 「やや難易度の高い問題である」という評価があったとおり、正答率は低かった。だが、 諸外国との比較論的観点から制度的特徴について把握することは重要であり、設問として妥 当だったと思われる。また、「リード文の下線部からこの問題の出題には強引さが否めない」 との意見があった。確かに、リード文の内容全体は主として日本の中央政府レベルの事柄に 焦点を当てたものである一方、設問では日本の地方公共団体とアメリカの連邦レベルの政治 機構とを比較したもので、若干の距離感を感じる向きもあるかもしれない。しかし、下線部 は「行政・立法機構」となっており、設問内容と離れているわけではなく、「強引」とまで は言えないだろう。 問2 「国家公務員に関する制度や実態に関する知識を問う問題である」との評価を得、正答 率も高かった。 問3 「国会に関する基本的な知識を問う問題である」との評価を得、正答率は妥当だった。 問4 「人権保障に関する知識を問う問題である」との評価を得、正答率はやや高かった。 問5 「法定手続きと罪刑法定主義に関する知識の問題であり……選択肢に日本国憲法の条文 を直接使った工夫された問題である」との評価を得た。また、「受験者にとって憲法は基本 的知識として十分な理解が必要である」という評価であり、正答率もやや高かった。 問6 「やや難易度の高い問題である」との評価であり、正答率は低かった。だが、近年、検 察や検察審査会に関する国民的関心も高まっている折、受験者にとっても知っておくべき知 識として、設問は妥当だったと思われる。 問7 「戦後の日本の政治に関する知識を問う問題」との評価を得た。正答率はやや低かった が、戦後政治の流れを把握しておくことは、受験者にとっても必要なことであり、設問は妥 当だったと思われる。 第5問 「戦後日本の法制度と家族の在り方の変遷について記述したリード文」であり、「社会や 家族をめぐる意識や環境の変化の中で公権力はどのように家族と関わるのか、個人の尊厳や平 等などに配慮しながら政策の在り方を考えていく必要性を説いている」との評価を受けた。 問1 「やや難易度の高い問題である」との評価であった。「Cの判断には、やや細かい知識が 必要である」との見解もあった。正答率は低く、受験者にはやや難問であったと言える。 問2 「他の選択肢と比較して2 に違和感を感じる」との見解もあった。憲法の政教分離原則 から誤りと判断する選択肢であり、国民としての子どもに(他の憲法上の要請との関係か ら)どのような権利が認められるのか理解しているかを問うものであった。正答率はやや高 かったが、標準的な問題であったと言える。 問3 「累進制度に関する知識、出題の意図を把握する理解力、資料を読み取る読解力、そし て答えを導く思考力などを求める良問である」との評価であったが、「何を理解させたいの か、出題の意図が汲み取れない」との見解もあった。本問の出題趣旨は、累進課税が課税単 位の構成次第で働き手の構成が異なる世帯間で税負担を異ならせることを意識させ、あるべ き公平や公正の形について考える機会を提供することにあった。正答率はやや低かったが、

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高かったが、標準的な問題であったと言える。 問5 「雇用についての法制度に関する知識を問う問題である」との評価であった。正答率は 高かったが、標準的な問題であったと言える。 問6 「地方自治体の制度に関する知識を問う問題である」との評価であった。「第4問の問1 との重複や兼ね合いが気になる問題」との意見もあったが、地方自治体に関する制度の知識 を総合的に問うのが本問の趣旨であった。正答率は低かったが、標準的な問題であったと言 える。 問7 「日本における人権をめぐる出来事に関する知識を問う問題である」との評価であった。 正答率はやや高かったが、標準的な問題であったと言える。 4 今後の問題作成に当たっての留意点 今年度の問題についての我々の基本的な見解は前述のとおりであるが、各方面からの意見・指 摘・評価を真摯に受け止めた上で、以下のような諸点に留意して、今後の作問に取り組んでいきた い。 ⑴ 高等学校学習指導要領準拠の原則を、誠実に遵守する。かつ、高等学校学習指導要領の改訂の 方向性も視野に入れる。 ⑵ 「公民」教育への社会的要請に配慮し、大学入試センター試験の社会的な責任や影響力を考慮 し、公民教育の一環として現行の質を維持しつつ、更に改善し向上させる。 ⑶ 教科書に準拠した基礎的知識の習得を促進する問題とともに、総合的な理解力・論理的思考 力・資料読み取り等を求めるような問題や、時事問題を適切に導入する。 ⑷ 現行の高等学校教育の範囲と水準に配慮しつつ、同時に、「政治・経済」についての高等学校 教育の内容的発展に貢献できる問題とする。 ⑸ 「公民」科目間の不公平が生じないように、得点目標値を念頭に置きながら、適切な難易度の 問題になるよう心掛ける。また、「政治・経済」内においても、政治・経済間の難易度のバラン スにも配慮する。 ⑹ 問題数・形式についても、リード文の効果的な位置付けや設問との関連性、問題の質の向上に 伴う妥当な問題数、時事問題の適切な出題範囲、選択肢の適切な表現など、更に検討・改善を行 う。

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