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精密制御人工震源に要求される位相精度

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Academic year: 2022

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(1)I-A089. 精密制御人工震源に要求される位相精度. ○ 東京大学工学系研究科 東京大学地震研究所. 1 はじめに. 学生会員. 佐伯 昌之. 正会員. 東原 紘道. ρ = 2.7 [t/m3] Vp = 5700 [m/s] Vs = 3300 [m/s]. 本研究の目的は,精密制御人工震源に要求される位相精 度を定量的に解析することである.. (500,50)[m] 2. 我々は,以前より,調和波動を用いた地下探査手法の開. 1 (r,z)=(50,100)[m]. 発を行っている.本手法については,これまでに幾つかの. r 3 (2000,200)[m]. 論文 1)2) で紹介しているので,ここでは説明を省くが,そ の分解能については,未だ現場試験においても数値解析に. d=2000[m]. おいても,具体的に示されていない. 本手法の分解能を大きく左右する要因としては,ソフト. z. ρ = 2.8 [t/m3] Vp = 8600 [m/s] Vs = 5000 [m/s]. 面では,地盤のモデル化,散乱体のモデル化,観測波形の 図 1: 1 つの反射面をもつ全無限媒体の計算モデル. 解析手法などが挙げられる.また,ハード 面では精密制御 人工震源の回転精度や,精密制御人工震源の位相と観測に おけるサンプリングの同期など が挙げられる.分解能は, これら全体のネックとなる部分で決まるため,ネックとな る部分を解析または実験により洗い出しながら,開発研究 を進めていく必要がある. ここでは,上述の要因のうち,精密制御人工震源の位相 精度について検討する.我々は,観測波形をスタッキング することにより Signal/Noise 比を向上させる.そのため, ある必要な分解能が決まれば,必要な観測波形の S/N 比. 0.2[Hz] おきにとった 11 成分とする.1 つの周波数成分に 対する運転時間は観測時間長を周波数成分の数で除して求 める.また,人工震源の力は F =10 [kN] に固定する. ここで考慮するノイズは,観測におけるノイズのみとす る.観測ノイズは完全にホワイトとし ,ノイズの標準偏差 は σ = 100 [µkine] とする.また,観測時間長は Ts とし , サンプリング周波数は 250[Hz] とする.. が決まり,スタッキングするのに必要な観測時間長が決ま. 3 反射面の深さ d を推定する. る.この観測時間長から,精密制御人工震源に要求される 位相精度が決まる.. ここでは,上述のモデルにおいて,反射面の深さ d を. 本研究は,本手法の分解能を定量的に評価するため,そ の重要な要因の一つである精密制御人工震源の位相精度を,. 未知定数とし て推定する.また,モンテカルロシミュレ ー ションにより,深さ d を推定する分解能を求める.. 数値解析により定量的に評価する.. 3.1. 2 計算モデル. 推定方法. 反射面の深さ d の推定方法について説明する.反射面の. 本稿では,最も簡単と思われる計算モデルを用いて,分 解能について説明する.地盤のモデルを図 1 に示す.地盤 は,全無限媒体に 1 つの反射面がある場合を考える.円筒 座標系の原点に精密制御人工震源を置き,震源の回転軸を. z 軸と一致させる.また,反射面は z 軸と直角とする.図 中,d は精密制御人工震源と反射面の距離,vp は P 波速. 深さ d は,まず d を仮定し て観測波形 u(d) を計算し ,観 測値 ū と理論値 u(d) の差のノルムが最小となる d とする.  |ū − u(d)|2 Error(d) = → 最小値 ここで ,. は全ての観測点の全ての観測データについて. の和である.. 度,vs は S 波速度,ρ は媒質の密度である.観測点は図の 通り 3 点配置する.. . 例とし て,図 2 に,観測時間長 Ts = 24 時間とし た場合 の,ある観測ノイズに 対する関数 Error(d) を示す.ただ. 精密制御人工震源は,一定の周波数で運転する場合を考. し ,d は 1000[m]∼3000[m] までを 1[m] 間隔で仮定し ,そ. える.用いる周波数成分は,14.0 ∼ 16.0[Hz] を等間隔に. の中で Error(d) が最小値をとる d を反射面の深さと推定. キーワード :調和波動,地下探査手法,位相精度,分解能 連絡先( 住所:〒 113-0032 東京都文京区弥生 1-1-1 東京大学地震研究所・TEL:03-5841-5785・FAX:03-5841-5693 ) -178-. 土木学会第56回年次学術講演会(平成13年10月).

(2) I-A089. する.. 図 4 に観測時間長と推定誤差の関係を示す.縦軸が深さの 推定値の標準偏差 [m] ,横軸が観測時間である.また,こ れまでは観測ノイズの強さを σ = 100[µkine] としたが,図 には σ = 1.0, 10.0[µkine] の場合も示してある.深いボア. Error(d). ホール中に地震計を設置した場合には,観測ノイズは数十. [µkine] 以下となる.. 1.5. 1.0. 2.0. 2.5. standard deviation [m]. 500. 3.0. depth of reflective surface [km]. 図 2: ある観測ノイズに対する関数 Error(d). σ=100 [µkine] σ=10 [µkine] σ=1 [µkine]. 400 300 200 100. 図 2 を見ると,ほぼ等間隔に Error(d) が極小値をとる. 1. 深さ d が存在することが 分かる.この間隔は,約 110[m]. 10 Observation time [day]. 100. である.今回のシ ミュレ ーションで用いた周波数 14.0 ∼ 図 4: 観測時間長と推定誤差の関係. 16.0[Hz] から S 波長を計算すると,約 λvs = 236 ∼ 206[m] である.これより,反射面の深さ d を与える候補点は,S 波の半波長間隔で存在することが分かる.図 2 の例では, 候補点のうち,d = 2305[m] が推定される深さとなる.. 図 4 から観測時間長の増加に伴い,誤差が小さくなる様 子が見れる.S 波の半波長を分解能の目安とすれば,ノイ ズが σ = 10[µkine] の場合であれば ,約 10 日間の観測に. 3.2 モンテカルロシミュレーション. より必要な分解能を得ることができる.. 上述の推定方法を用いて,モンテカルロシミュレーショ ンにより d の推定誤差を求める.d を推定する試行回数は. 4 まとめ. 2000 回とする.観測時間長 Ts = 10 日とし た場合の d の 確率分布を図 3 に示す.. 本研究では,1 つの反射面をもつ全無限媒体に精密制御. pdf of the expected depth. 人工震源を 1 台ほど 配置し た場合を考え,反射面と人工 震源との距離を推定した.また,モンテカルロシミュレ ー. 0.015. ションを用いて,ある分解能を実現するのに必要な観測時 間長を求めた.この観測時間長からは,精密制御人工震源. 0.010. に必要な位相の長期安定性や,観測におけるサンプリング との同期に要求される精度が決まる.. 0.005. 今後は,本研究により得られた成果を元に,現場試験で 得られる試作機の性能結果と比較しつつ,精密制御人工震. 0.0 1.0. 源や観測装置の設計を行っていく. 1.5 2.0 2.5 depth of reflective surface [km]. 3.0. 5 参考文献. 図 3: Ts = 10 日のときの d の確率分布. 1) 東原 紘道,ACROSS the tide of recession, 月刊地球. 図 3 を見ると,2000[m] を中心にパルス状に確率の高い 反射面の深さ d が現れる.図 2 のところで説明したように, この間隔はほぼ S 波の半波長と等し い.観測時間長を 10. 号外,20,pp.204-208 ,1998 2) 佐伯 昌之,精密制御人工震源の波動場励起力に関す る理論的研究,応用力学論文集,Vol.3 ,pp.679-686. 日とした図 3 の例では,d = 2000 ± 20[m] と推定する確率 は約 19 %である. 次に,観測時間長 Ts を変化させたときの,深さの推定 誤差の変化を見る.推定誤差は,標準偏差により定義する.. -179-. 土木学会第56回年次学術講演会(平成13年10月).

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