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著者 岸 真由美

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中国第二の大陸アフリカ ‑‑ 一〇〇万人の移民が築 く新たな帝国 (資料紹介)

著者 岸 真由美

権利 Copyrights 日本貿易振興機構(ジェトロ)アジア

経済研究所 / Institute of Developing

Economies, Japan External Trade Organization (IDE‑JETRO) http://www.ide.go.jp

雑誌名 アフリカレポート

巻 55

ページ 112‑112

発行年 2017

出版者 日本貿易振興機構アジア経済研究所

URL http://doi.org/10.20561/00049293

(2)

資 料 紹 介

112 アフリカレポート 2017年 No.55

Ⓒ IDE-JETRO 2017

中国第二の大陸アフリカ

――一〇〇万人の移民が築く新たな帝国――

ハワード・W・フレンチ 著 栗原泉 訳 東京 白水社 2016年 334p.

本書は猛烈な勢いでアフリカに進出する中国を「人の移動」という側面から描き出したルポル タージュである。著者は『ニューヨーク・タイムズ』の元記者で、世界各地の支局長も務めたハ ワード・W・フレンチ氏である。著者はアフリカ10カ国で、多くの中国人移民とアフリカの現地 人を取材して本書を書きあげている。

中国政府は 1990年代後半から「走出去(中国語で「出ていく」の意)」政策として、中国企業 の海外投資戦略を積極的に推奨してきた。本書によれば、中国の対アフリカ投資額は毎年前年比 20パーセントの勢いで伸び、2012年には対アフリカ貿易額は欧米各国をはるかにしのぐ推計2000 億ドルに達した。ある試算では、中国企業がアフリカで行う事業は、中国の海外収入の 3 分の 1 を占めるという。こうした貿易や投資の伸びに比例して、もう一つの現象が進行している。著者 曰く、それは中国が大勢の自国民を輸出しているということである。この10年間でアフリカに移 住した中国人は少なく見積もっても 100万人だという。今やアフリカの至るところに中国人がお り、あらゆるビジネスに浸透し始めている。

登場する中国人は多様である。アフリカ各国の道路やダムの建設など、公共事業を受注した中 国企業で管理者・作業員として働く者、ザンビアで銅精製所を経営する者や畜産・養鶏業を営む 者、モザンビークで土地を手に入れ農場経営を行う者、セネガルやタンザニアで衣類や雑貨など の小売を行う者、リベリアやシエラレオネでホテル業を営む者。彼らがアフリカに渡る理由は人 それぞれだが、共通するのは、祖国の現状に閉塞感を感じ、祖国より自由でチャンス溢れる場所 としてアフリカを見ていることだ。

こうしてあらゆる分野に中国人が進出する一方で、アフリカの現地人たちとの間に競争が発生 し、軋轢が生まれていることも事実である。評者も2012年の夏にケニアの首都ナイロビで、現地 の露天商らが首相府前に詰めかけ、増える中国人露天商に対する抗議デモを行うのをテレビの報 道で目にした。彼らは「中国人が道路建設に来るのはいいが、モノを作ってケニアに輸出し、卸 業や小売、行商をするのはやめてくれ」と主張していた。

本書は、アフリカと中国との間で、草の根レベルでは今何が起きているのかを知ることのでき る良書である。

真由美(きし・まゆみ/アジア経済研究所)

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