航 空 機 に よ る 地 上 損 害 と そ の 賠 償 責 任
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(2) 航空機による地上損害とその賠償責任. 三六八. ︵八八︶. 上の蓮邊手段をしのぐに至り︑我々の日常生活に多大の便盆を與え︑その地位は不動のものとなった︒. このような人類杜會に封する偉大なる貢献の反面では︑航空機の製造・蓮航技術及び設備の著しい進歩にもか﹄わ. らず︑主として航空機が重力に反して空中を飛翔する三亥元の蓮途用具であるという宿命のために︑今日においても. なお︑航空機の構造上の鉄陥︑操縦に關する過失︑天候その他の自然現象︑飛行場設備の不完全等に基因する事故に. よつて墜落・不時着陸することにより︑或は機艦の空中分解や機騰よりの物品の離脱︑バラスト等の投下によつて︑. 航空機の旋客・乗員・積荷並びに地上・水上の人及び財産に封して莫大な損害を與えていることもまた明かな事實で. ある︒たとえば最近数ヵ月の新聞縮刷版を試みに鑛げるならば︑世人の想像をはるかに上廻る國内・外國双方にわた ︵一︶ る枚畢にいとまがない程の航窒機災害の記事で紙面が埋められていることに驚かされる︒. しかも現在︑機髄はますく大型化する傾向を示しており︑自重百トン以上の實用機がさかんに製造され︑とりわ. け國際航空路線ではジェット.エンジンを装備した超大型機による成暦圏翰邊が常識とされ︑その速力は音速に接近. しつ﹄あるので︑もしひとたびこの種の航空機が墜落するならば︑物理學の法則に從い︑落下物の破壊力は物艦の質. 量と速度及び高度の函敷として表わされるから︑その各々のファクターが増大すれば破壌のエネルギτを表示する敷 ︵二︶ 字は幾何級激的に増加し︑地上︵︒・仁詩8︶に魔紳の亘斧の一振の如き凄滲な損害を與えることは不可避である︒. 從つて航穴工機事故を原因とする損害を金銭を以て評贋するならば︑機騰損害を除外しても恐らく天文學的敷字に達 ︵三︶ するであろうことは想像に難くない︒若し航空機が都市の人口密集地匠に墜落するならば︑何萬人という犠牲者や何. 億圓という物質的損害を惹起するに相違ないのである︒この瓢が地上において自動車・列車等により惹起される損害.
(3) に比して著しく異り︑又船舶の場合にも類比しえない航空機事故を原因として獲生する損害の特殊性の一面であると いえよう︒. 勿論航空機事故の豫防手段として︑製造・蓮航技術の向上による安全度上昇のために日夜をわかたぬ努力が沸わ. れ︑そして眞暗闇や濃霧の中でも航空路を適確に指示する暗観装置︵き︒響ζ自︶やレーダー︑飛行場における離着陸. を容易にするためのテレヴイジョン装置などが設備されてかなりの効果を襲揮しているが︑それにもか﹄わらず︑事. 故が護生すると航空機が三次元の運邊用具であるという宿命と︑機騰が互大であり且つ機械のメカニズムが複雑であ. るために︑慮急修理や不時着陸の可能性が二亥元の運邊用具である船舶や自動車等に比較して著しく制限されるの で︑航空機蓮航から生ずる損害を完全に回避することは不可能といわねばならない︒. 上述の如く航空機の蓮航に際しては︑事故護生豫防のためにすべての有効適切な手段が動員されなければならない. ことは勿論であるが︑航空機蓮航の不可避的な結果としてたとえ或る程度の損害が地上に護生する可能性があると. しても︑航空機の運航が人類肚會の福祉の上から又國土防衛の手段として要請されるならば︑地上に住む者はこれを ︵四︶. 拒むことを許されない︒たとえばZフンスにおいては︑土地所有者︵冥ε幕鼠器8蓉醇︶その他の地上の第三者︵膏鵠. ≧餌の鼠霧︒︶が﹁土地の所有灌は上空及び地下に及ぶ﹂と規定する佛民法典第五五二條第一項に定められた灌利を行. 痩して航空機の通過を妨げることは︑いわゆる灌利の濫用に属するものとして許されず︑土地所有者は公共の利盆と ︵五︶ いう見地から︑航空機蓮航者のために法によつて設けられた地役灌︵今9号舅葺&︒﹀部ち航空機の土地上空通. 三六九 ︵八九︶. ︵六︶ 過灌︵黛︒一乙霧二笥&を承認しなければならないのである︒この結果︑航空機の蓮航が如何に危瞼に感じられてもこ. 航空磯による地上損害と・ての賠償責任.
(4) ︵七︶. 航空機による地上損害どその賠償責任. へ八︶. 三七〇. ︵九〇︶. れを中止するよう請求しえないから︑航空機蓮航の結果として襲生する地上損害については︑被害者は金鑓賠贋を以 て満足するほかはない︒. 一方において航空機に私有地上空の通過灌を容認した以上︑護生を豫想される地上損害について︑被害者に婁して. 民事責任︵奮3塗節藍ま身詩︶を負憺すべき者と民事責任獲生の要件及び民事責任の法的性格を明瞭に定め︑更に損 害賠償支梯確保の手段を講じて被害者の救濟を保障しなければならないのは當然である︒. 航空機蓮航者︵︒豆9巷乙皿.器3潟︷︶は︑蓮邊中の乗客及び貨物に生じた損害について︑航空蓮邊契約に基く責任. を負い︑航空機によつて地上の第三者に封して惹起された人的・物的損害について︑不法行爲に基く責任を負うが︑. 前者についての研究は後日に譲り︑航室法に猫自の領域である地ヒ損害に封する航空機蓮航者の民事責任について︑. たとえば日本経濟新聞縮刷版は︑ユ︑の目衣中に特に﹁飛行機事故﹂と題する一項目を設け︑一ヶ月三件以上︵昭和三︸年二. 痔別の立法を有するフランス法を中心として若干の考察を試みたいと思う︒ ︵一︶. 同書によれぼ航空機事故襲生回敷の減少に反比例して︑事故一件當りの損. ︒霞諭8とは地表を意味する語であるが便宜上﹁地上﹂をもつて地上︵齢o畦o︶と水上︵ヨ段︶との双方を代表させた︒以下 ︒. 月乃至七月︶の國内飛行機事故について報道している︒. 旨頃かヨ巽貸﹇88艮声富8ヨ茸震2き済ワ臼N. 同檬である︒. ︵二︶. ︵三︶. 地上の第三者とは航空磯蓮航者と蓮邊契約關係にある乗客や航空貨物の所有者等と︑雇傭契約關係にある代理人・被用者及. 害額が増大しつエあることが指摘されている︒同旨︑明石三郎︑空中旅客張制保瞼を論ず︑﹁法學﹂第一一巻第九號四八頁︒. び飛行場施設の管理者︑被用者を除外した一般大衆を意味する︒傘Oo三・窪ユ88ヵ05ρ慈営鉱這瀦讐Oo毫窪酔圃8三ξ. へ四︶. ﹈.ρ﹄急貧言幕8量5霧曇一霧邑薯く毎ωき図血︒葺暴σq霧呈葱ω麗二窃器3&の鎧二圃器と鴛良勉3翼駕.
(5) フヲンア航空法︵同−aお一&お︾﹃塁ぐ蒔餌ゴ言器感窪箒島信Qo一営巴一〇漣︶第一九傑第一項は︑﹁航空機は︑本法第八條へ外. 但し航空法第一九條第二項は︑﹁航空機の私有地の上空通過襟は︑所有者の襟利行使を妨げる檬な方法で行使してはならな. 一サ. 07鋤⊆<窪FUδ旨器ユ①PおOどワゆ8●. ︵六︶. 地上損害とは地上に在る第三者に甥して惹起さ九た損審︵一霧号ヨヨお霧S拐雷窪図一ざ毎︾鼠ω霞融8︶の省略である︒. 佛民法典第五五二條第一項と上空通過権. 航空機の私有地上空通過罐︵8母身唇貫毒器き蓉︷留象遷号二窃鷺ε泳野℃門諒旦. 地上損害賠償責任の基礎. ︵八︶. 〇三一α①一帥ω魯一ρ8U信ぎ這置︵いoのoρ冒き需一αo象o#踏曾一①7マ8y. い︒﹂と規定する︒航空法制定以前において︑土地所有搬に基く航空機の上空通過禁止請求を棄却した到例がある︒↓ユぎ霧一. ︵七︶. 國機の航行制限︶の規定の適明ある場合を除き︑フランス領土上室を自由に航行することができる︒﹂と規定する︒. ︵五︾. 一. 一 イ. 航空機が海岸の砂濱や.原野の上空を飛翔していた實験飛行の段階を脆して︑族客や貨物の蓮邊のため實用に供され. るようになるに從い︑必然的に他人の私有地上空を通過しなければならなくなつたので︑こ﹄に民法典第五五二條第. ︵一︶. 一項の﹁土地の所有灌は上空及び地下に及ぶ﹂との規定に抵鰯し︑他人の土地所有罐の侵害となるのではないかとい う問題が獲生した︒. 元來佛民法典第五五二條第一項の規定は︑Oε5更︒︒○ごβ①甘ω塗霧2Φ&8︒一彗皿a鼠霞8という古法諺に. 根捺を置くものであるが︑この解繹としてフランスの到例は土地所有者の土地上室に封する排他的所有罐を何等の制. 三七一. ︵九一︶. 限もなく認める立場を探つてきた︒もつとも有線電信︵杢猪獲喜酬葉委σ︸器︶に關する一八五一年二一月二七日のデク 航空磯による地上損害とその賠償責任.
(6) 航空機による地上損害とその賠償責任. 三七二. ︵九二︶. レ・ロワをはじめとして電氣・電信電話に關する諸法令が次々に公布され︑上空に關する土地所有灌に次第に制限が. 加えられて行つたが︑いずれの場合についても︑鋼例はこれらの諸制限を例外とみなして︑依然として土地所有者の ︵二︶ 灌利を擁護する立場を攣えなかつた︒ ︵三︶. しかし時代の攣遷が公盆のためにする航室機の蓮航を必要とするに至つたため︑土地所有権に種々の新しい制限が. 加えられてきた︒今世紀の初頭になると︑多くの學者は上空及び地下に無制限の土地所有罐を認める到例の態度に批. 到を加えはじめ︑先ず一九〇二年にはGoぎ﹃到例集の到例批評に﹁民法典第五五二條第一項の土地上空に關する所有. 罐は︑眞の所有灌ではなくして︑私的な排他的使用についての法律上の椹能︵⁝亀零隻2聲幕α︑碧震o冥菖9︶にす. ぎない﹂とする見解が表われ︑次いで一九〇八年には﹁占有を件わない所有構は存在しえず︑土地上部の空間は所有. 者により實質的に占有されていないのだから︑所有灌の目的たりえない﹂とする意見が擁頭し︑更に一九一四年には. ﹁使用なくして灌利なし︵饗ψ山.&蒙も霧号母oε﹂とする學読が出現するに至つた︒以上の諸説はいずれも︑土地. 所有者の土地上空に關する所有灌を否定することにより︑空間は何人の私的所有にも鵬さないことを理由として︑航 空機に私有地上空通過樺を容認しようとする法律家の努力のあらわれであつた︒. 一九二四年に制定された佛航空法は︑このような學者の試みた理論付けについては全くふれることなく︑部ち土地. 所有構をめぐる論雫とは異つた角度からこの問題に解決を與えた︒同法は民法典第五五二條第一項を巖止することな. く︑その第一九條第一項に診いて︑航室機に私有地上室通過灌を認める一方︑第二項において通過権は所有者の灌利. 行使を妨げるような方法で行使してはならないと定め︑私有地上空の私的所有灌を明示的に確認すると共に航空機蓮.
(7) ︵六︶ 航者のための地役灌︵︒・霞身&︒︶を法定したのである︒. この結果︑必要ある場合は土地所有者の反封あるときと錐︑私有地上空を通過することができ︑土地所有者は航空 ︵七︶. 路に近接していることを原因として生ずる不便︑たとえば騒音等をある程度迄は忍ばねばならず︑航空機の通常の方 ︵八︶. 法による蓮航を妨げることはできないこと﹂なつた︒もつとも航空法第一九條の法的性質について︑これを地役権の 設定とは解さず︑同法第五三條の輩なる前提にすぎないとする読もないわけではない︒. 法諺は佛民法典第五五二條第一項と同一内容である︒しかしこの格言は中世の註繹學派︵岡︑曾oぴ山窪90霧舞窪諺︶の學者. てめるコニ世紀の>9震8の手になるもので︑彼がローマ人の断片的な判例を想籐もしくは墜形することによつて作成した. ︵一︶. 從つて元來佛民法典第五五二條第一項は架空の典族から襲生したものなのである︒. もので︑ローマ法の法源中には︑土地所有者の上空所有櫃を確認するようないかなる言葉も存在しないことが誰明されている︒. ︒. ︒.. 三七三. へ九三︶. ぞ一﹂轟再計6琶串象菖Φ旨葺⑦αΦ象︒紫器需p這輿三曾88︵①ご鼠﹂し印三協ρギ豊︒Dひ一Φ臼窪酔魯︒α︒象9器冨戸. 0ゴき<①帥Foマ9. 上空通過灌の制限 航空磯による地上損害とその賠置責任. ロ. 後出︑う問接損害﹂の項参照︒. Oずきく塁Foやo芦℃b㎝蜜. ご吃霞計oマo賞マ一〇︒︒ o 申O﹃きく窪FoマoF℃沁㎝o︒. 反封︻δのo界oP︒ヂマ紹●. 旨αq一巽計o℃︒o一fマ一謡し認●. ごαQ一貰計o℃●oFP嵩O甲零Oo戸oP︒Fつ①9. 層留c. 甘αQ一貰計ε●oF℃レO㎝︸一①9. 一〇㎝Goリワ曽o ︒甲︸2●Oo欝お一r︾O亀Φ&80︷罫諏質鷺舞巨のき︵一てξ霧o︒︒︸穿︵﹇a 這一〇︒︾℃.一〇. ハ. 八七六五四三二 ) ) ) ) ) ) ).
(8) 航空硝機による地上損害とユ︑の賠償責任. 三七四. ︵九四︶. 航空法第一九條第二項を實質的に捲保しているのは︑つまり航空機の私有地上空通過灌に條件を課しているのは航. 空法第二一條をはじめとする公法的規定である︒同條によれば︑航空機が都市もしくは團地︵餌露ざ筥曾器8︶の上空. 通過をなすには︑エンジンその他の推進機能が停止した場合においても︑團地以外の場所もしくは公醤飛行場︵器挙. 身・馨旨宴︒︶に着陸しうる高度を常に保持することが要求されており︑これに違反した場合には︑同法第六八條に ︵ご より︑一〇〇フラン以上五〇〇フラン以下の罰金をもつて庭罰され︑更に事情により︑ 一日以上五日以下の禁鋼をも つて庭罰されることがある︒. また具艦的にはフランス及びフランス連合領土上の航室に關する一九四七年八月二一日のデクレ・ロワの施行規則. 第四章第二節上空通過及び高度︵薯署oざ貫ぎ注琶によれば︑所轄官聴の事前の許可ある場合を除いて別表に示す高. 度を保持しなければならない︒但しこれらの諸規定は飛行場地域倉鴛8霧号身2藝3︵一︑落萎ぎ菖亀については ︵二︶ 適用されない︒又パリについては別に命令をもつてこれを定めること瓦されている︒フランス以外においても上空通 ︵三︶. 過の制限は私法々規をもつてでなく︑國民の生命・財産の安全を保障するため︑行政法によつてこれを設けるのを例 としている︒. 鉦讐ぎ90や蝕£マ曽9ベルギー法では一九三八年八月︸八日の勅令︵貰冨みさ釜一︶第〜八條をもつて定めている︒. ご笹帥苫虐︶●息εマεoo旧旨ピ零oヨ訂g鼠●Gっ巷o昌欝い霧一〇筋︵δ一︑讐さε認︶マω9︐. ︵一︶罰金の額については手許に資料がないので不明ではあるが現在の貨幣贋値から考えて勿論檜額さ九ているものと思わ礼る︒ ︵三︶. ︵二︶.
(9) 所. 表 航空機獲動機籔. 同右. 双護以上. 軍襲. 一︑OOO米以上. 一︑○OO米以上. 佛航空法における諸規定. 同右. 人口一〇〇︑ OOO以上の都市上空. 五〇〇米以上. 五〇〇米以上. 度. 二︑OOO米以上. 双護以上. 高. 箪獲. 人口一〇︑ OOO乃至一〇〇︑ OOOの都市上空. すべての町村の團地及び聚落の上空. 別. {. r『. 航空機による地上損害とその賠償責任. 三七五 ︵九五︶. 一九二四年五月三一日に公布されたフランス航空法第五三條及び第五四條は航空機蓮航者の地上損害賠償責任に關. ︵一︶. 度︵最高限度額を定める方法による︶をとるかの瓢で見解が勤立している︒. の立法主義があり︑また︑責任の範園についても︑これを一般の不法行爲責任と同様無限責任とするか︑有限責任制. 關しては各國の立法は一致しているが︑その責任の法的性質を過失責任とするものと無過失責任とするものとの二つ. 被害者に封する直接の國家補償という手段によらず︑航空機の蓮航者もしくは所有者にこの責任を負捲させる瓢に. 害者に︑何人からどのような方法でまた如何なる内容の損害賠償を取得させるかという問題として考えられる︒. 賠償責任を負推させるのが妥當且つ合理的であるかという問題は︑立場をかえてみれば︑航室機による地上損害の被. 航室機が地上の第三者に勤して惹起した人的・物的損害について︑何入にどのような條件でどのような内容の損害. 二. 場.
(10) ︵二︶. 航室機による地上損害と︾︑の賠償責任. ︵三︶. して次のような規定を設けている︒. 三七六. ︵九六︶. 航空機蓮航者は︑航室機の蓮航により︵饗二霧曾〇一客︒5の山.一︑器吋︒博︒︷︶︑もしくは航空機から離睨した物によつ. へ第五三條 ω. て︑地上に在る人及び財産に劉して惹起された損害につき︑法律上當然に責任を負う︒ ︵四︶. ㈹ この責任は被害者の過失︵︷き冨号ド≦︒酔巨︒︶の謹明ある場合を除き︑輕減もしくは冤除することができない︒﹂. ﹁第五四條. ω 不可抗力︵§8ヨ暑霞①︶による場合を除き︑正規のバラスト以外の商品もしくは物を︑蓮航中の航空機︵器吋o︐. 不可抗力による投下もしくは正規のバラストの投下と錐︑それが地上に在る人もしくは物に損害を惹起した場. ま略窪曾〇一琶oεより投下してはならない︒. 働. 合には︑その責任につき前條の適用あるものとする︒﹂. この二箇條は明かに航空機蓮航者の客観的責任︵誘写霧鉦頴︒三9一ぎ︶印ち無過失責任︵誘宕霧豊一冨鶏霧富三①︶. を規定したものであつて︑被害者救濟の手段として損害の原因を與えた行爲者の過失を立讃する義務を取除いたので. あり︑引績き制定された各國の地上損害賠償責任に關する諸立法のモデルとされたものである︒そして現在に至る迄 ︵五︶ 殆ど改正を受けていない︒. この二つの條文がどの様な根篠と沿革に基いて制定されたか︑またその責任の性質及び條文適用範園に關しての到 例にょる解鐸について概説しよう︒.
(11) ︵一︶ フンンス航空法はフランスにおける航空に關する基本的な法律である︒本法案はパリ大學法學部長ジ隷ルジュ・リペールを び刑事立法委員會により採揮された︒審8ヨざ9ω巷9昼oマ息・︶や旨9ぎ8︵一︶・. 主席とする立法研究協會︵の8蚕Φ傷︑︵轟&霧ぼα︒邑鶏オ霧︶により起草された草案に殆ど修正を加えることなく︑上院の畏事及. ︵二︶本法は︾蒔曾δについては一九二六年一月一九日のデクレにより適用され︑霞震9については一九二八年一〇月一日のモ. ・ツコ首長令︵U嘗εにより殆ど同一内容のものが公布され︑↓毒鉱Φについては一九三五年二月八日の知事命令︵U曾お酔. U誓ぼα瓢一〇3一旨GQ︵蜜費OO︶窪け.㎝蝉U曾希帥ぴ2浮巴山90 Q︷曾. 一㊤留︵↓9昌邑O︶貰幹畠は同文である︒ぴ80琶訂9. び2浮巴︶により同様の法規が施行された︒雪8簿ぎ匁ω巷9昼oマoF℃bG︒伊謡3悼82N﹃鯉 ︵三︶. 民問航空事務総局いΦ. U魯岸α信一〇3お鵠︵竃霞oo︶餌詳認馴O曾お酔びo胤一8圃傷信G o諭≦・這器︵弓=巳巴①︶弩﹃お・は同文であるQ﹇80ヨ訂象. ω巷○昌欝oPoFマま刈g鵠Go一り. ︵四︶. 航空法の老朽化に件い新しい航空技術に適慮した同法の改正が既にかなり以前から企圃されている︒. ︒一︐. oっ巷o旨簿︸oり葺﹂サ旨刈簿鱒Q. ︒DoR響貧薫αQ雪騨巴陣一︑麩一呂窪巳&oと二つの民問團艦フランス航空法制委員會霊8昌串甘噌こ5器P弩βす審. ︵五︶. ぼきO巴︒︒o留騨9一器冨づは共同して法律改正を研究している︒現在のとこ. ろ︑第九條前段が一九三〇年五月一六日の法律により追補されているだけである︒審8奪σ09ω巷自5名怠8℃●︑9卜o罫. 一.慧団駐嘗とフランス航空法協會い︑霧8︒翼δ. 無過失責任制度. 口08︵一︶〇一器凶β08︵q︶・. 三. イ 航空法第五三條の無過失責任. 航空法第五三條が航空機蓮航者に課しているところの責任は︑地上損害が蓮航中の航空機により獲生せしめられた ︵一︶. ものである限りにおいて︑不可抗力︵♂H8目a︒弩︒︶及び偶獲事象︵︒器蜀εεの場合であつても航空機蓮航者の責. 三七七 ︵九七︶. 任を免除せず︑た父被害者の過失が立謹された場合にのみその責任が輕減もしくは菟除されうるものとする︑殆ど完 航空機による地上損害とその賠償責任.
(12) 航空機による地上損害とその賠償責任. 三七八. ︵九八︶. 全な意味における無過失責任であつて︑不法行爲責任の原則を定める過失責任に闘する佛民法典第一三八二條の規. 定︑及び物の管理者の責任につき偶獲事象︑不可抗力及び物の管理者の責任に婦すべからざる外界の原因言お甕莚 ︵三︶. ︵二︶ 傘錘お9︒2一ま蛋ω9一短ω巨を声三︒︶を冤責事由として認める責任推定︵箕霧oヨ唇8号お呂o霧曽琶議︶の規定であ. 不可抗力その他の免責事由が認められないとする黙について學読は一致している︒O訂毫SFoマo賞℃﹄①廿甘αq獲詳oマ. るといわれる第一三八四條第一項の例外をなしている︒ ︵一︶. Oo霞留 O 器 鶏 江 o P O ﹃ 墨 彗. 富盆ぐμおQoO︵℃①鰹Oo留Ω≦O巴げN這9マ鰹Go︶・偶震事象と不可抗力はフヲンスの通. ︒9寓●い巴oF弓琶5嘆卑δ莞鉱︒一伽話呂8舞ぼ一一5︒三す・盆しり㎝P℃︒お鉾 ︒芦サ一〇. 読︑到例においては同一内容のものと認めており︑また第三者の行爲及び被害者の過失のごとく物の管理者の責に蠕すべから. ︵二︶. ざる外界の原因に基く損害もまた一種の不可抗力と考えることもできる︒野田良之︑自動車事故に關する7ランスの民事責任. 法︑﹁法學協會雑誌﹂第五七巻第三號四八頁以下︒野田教授のこの論文は自動車事故のみならず民事責任一般に關する詳細な. 同様な立法としてイギリス民問航空法︵O一並︾≦讐自︾︒二逡O︶第四〇條第二項をあげることができる︒同項は被害者の. 研究であり貴重な文献である︒ ︵三︶. は被害者に艶して損害賠償をすべきであるとしている︒但し不可抗力︵>︒↑90&︶によつて獲生した損害については本條の. 過失が寄與過失︵8p巳訂δ蔓まσq凝窪8︶となる場合を除き︑故意過失又はその他の訴訟原因の立讃なしに︑航空機蓮航者. 下においては責任を生じないが︑その範園をできるだけ狭く解し︑雷・突然の濃霧・鳥によるブロペ一フの損害などは不可避的. マゆo. ︒︒. ぎ類段○鴇き傷切o雲ヨ○糞︶O旨︾騨ζヨお認︸マ蕊ρ蕊㊤き山魔08一の︵犀︶・もつとも不可抗力・不可避的事故を共に免責. 事故︵ぎo≦鼠乞o鋤8箆o韓︶であるとして免責事由として認めず︑僅かに阻石との衝突のごとき場合のみを指すとしている︒. 危陰責任理論︵浮g号留膏20︶. 事由として承認しない見解もある︒竃琴Z鋤ド一.箒¢毛o=ぎ︾FぎαΦ伍◎し㊤8. Gり. 口.
(13) 航空機による地上損害がその性質上被害者の責に蹄しえないものであることは自明の理であるが︑輩に被害者の保. 護救濟という見地のみからすれば︑とにかく何等かの方法によつて被害者が何人からか損害の補償をえられ瓦ぼよい. のであり︑方法や相手方の如何を問わないのであるが︑佛航室法は地上損害と因果關係を有する原因行爲の主艦に到 して︑危瞼責任理論に立脚して損害賠償責任を課している︒. 勿論最初から危険責任理論が學読到例を支配していた諜ではなかつた︒航空機事故を原因とする航空機運航者の損. ︵二︶. ︵三︶. 害賠償責任についても︑當初は自動車事故におけると同檬︑責任推定の規定たる民法典第一三八四條第一項が適用さ ︵一︶ れ︑加害者の過失に原因する個人的な損害賠償責任のみを封象とする法條のみが到決理由中に引用されていたが︑過. 失責任理論が機械文明の進歩の副産物である勢働災害や航空機・空中ケーブルなどによる損害についての企業者の擬. 大された責任を説明するための充分な根擦たり得なくなつたので︑人類肚會にとつて特別重大な危瞼を創り出す者は ︵四︶. ︵五︶. たとえ過失なき場合であつても︑その結果につき責任を負櫓しなければならないという︑個人責任というよりもむし. ろ企業責任というべき危険責任理論が形成された︒これは先ず一八九八年四月九日の勢働者災害救助法に探用され︑ ついで各種の特別法の基礎となつた︒. 航空機による地上損害について︑法が航空企業に危険責任理論に基く無過失損害賠償責任を負捲せしめることとし. たのは︑航空危険の特殊性に封する顧慮からであつた︒第一は加害者・被害者問における地位の不卒等性である︒地. 上の第三者は航空機の利用と全く無縁であるのに︑充分の庇護なくして地面に釘付けにされているため︑航室機の墜. 三七九. ︵九九︶. 落・離着陸・物品投下などの際に被害を冤れることができず︑一方が常に被害者である反面︑他方は常に加害者であつ 航空機による地上損害とその賠僕責任.
(14) 航空機による地上損害とその賠償責任. 三八○. ︵一〇〇︶. ︵六︶ て︑危険に關する相互性が全く存しないし︑ましてや相劃的地位における李等性は存在しえないのである︒この黙で. 加害者・被害者の地位の逆轄が常に豫想されうるところの一般の不法行爲と異質のものであるといえよう︒航室法第. 五二條が︑空中にある航空機が他の航空機によつて損害を蒙つた場合において︑航空機蓮航者及び操縦士の責任につ. き過失責任主義に立脚する民法典の諸規定に從うべき旨を定めているにもか瓦わらず︑特に地上の第三者に封して惹. 起された損害につき航空機蓮航者に無過失責任を課しているのはこの理由によるのである︒もし被害者に航空機蓮航. 者の過失を立護する責任を課すならば︑殆ど損害賠償をうることは不可能に近いのに反して︑航空機蓮航者は技術上そ. の無過失を容易に立謹しうるから︑被害者は無過失責任制度をとることによつてのみはじめて救濟されうるのである︒. 第二の理由は航室機が三次元の蓮邊用具であつて︑如何に手段をつくしても事故を原因とする地上損害を完全に防. 止することができないのにもか﹄わらず︑敢て他人に危瞼を與える可能性があることを知りながら航空企業が螢まれ. るという驕である︒しかもこの危陰は化學工業における爆護事故や︑一般に航空機事故と類比される自動車事故など. に比べて︑損害の規模において著しく互大であり︑人間の知能や髄力によつてこれを豫防又は待避するには飴りにも. 急激且つ瞬問的に獲生する上に︑航空機が完全に損壊してしまう場合が多いので︑被害者による故意過失の立讃を甚. しく困難ならしめる︒更に航空機蓮航者に故意過失が全くなかつた場合にも事故が獲生し︑地上の第三者に人的・物. 的損害を與える場合があり︑もし被害者が何等の補償も受けえないとすれば︑衡李及び正義に反するという黙でいわ. ゆる過失責任理論の盲貼をカヴァーする危瞼責任理論が登場する必然性があつたのである︒そして現實の航空機敷及. び距離の増加に件う事故の綾出という事實が航空法第五三條・第五四條の制定に拍車をかけたのである︒.
(15) ︵一︶. 勢働災害についても最初は危瞼責任理論が採用されていたが︑後に杜會連帯︵8ま霞蒜8︒芭①︶の理論が有力になつてく. マOげきく窪Fい霧冨巷o霧簿窪蒜Gaユg霞き馨o旨oξG︒導ピo黛o評国︶ユ︿ひ津きゆ獣のき葺艶一〇彊鉱瓜︶︵図巴ひ巳ρ︑一.o葺o瞬岡も●G. 空中ケーブルに關しては一九四一年七月八日の法律を参照︒霞き芭舞匹需芦○つo一£マ509. oOGo. ︵二︶. 企業責任は﹁損害の嶺補﹂という損害賠償制度の纒濟的機能に重馳を置くものであり︑危瞼責任理論はこの根擦となる理論. る︒一︶一きδ一9匹需昌℃貧マ悔ωB色P↓轟冨冥弾瓜ρ蓉留籠O詳鼠色律顛蓉鈴す悼盆︐↓O菖①<どワ39 ︵三︶. の一つとされている︒我妻榮︑岡松博士﹃無過失損害賠償責任論﹄に績くべきもの︑﹁法學協會雑誌﹂第七〇巻第四號二九七. ︵四︶. o一r℃﹂①餌. 責任保陰制度の護達. 甘αq囲餌芦 o ℃. 危陰責任理論については霞きδ一卑覆窟詳Oやo帥炉や黛曽滲照︒. 頁以下︒ ︵五︶. ︵六︶. ハ. 危瞼責任理論は︑航空機による地上損害につき航空機蓮航者に無過失責任を負捲せしめる航空法の諸規定に理論的. 根擦を與えるものであるが︑實際に損害賠償責任を負澹すべき私企業たる航空企業が支沸能力を訣く場合は︑被害者. がたとえ裁到で勝訴到決をえて彊制執行をしても満足をえられないのみでなく︑その結果は航穴工企業をも破産させて. しまうことになる︒この訣階を救濟するための手段が責任保瞼︵婁霞き8号お呂自器蓬蒜︶の制度である︒ ︵一︶. 民事責任についての法律原則と保瞼という技術的な制度との相互的な影響は︑勿論航空機運航者の地上損審賠償責. 任保瞼︵霧︒︒貫器8号虜零霧節墜募くげ︑㍗診α9蔚肘のと顛︒Q億冨8︶において始めて出現したものではない︒傅統的な. 過失責任理論に代つて登場した危瞼責任理論は︑文明の獲達が人類肚會にもたらした種々の悪影響を︑かなりの程度. 三八一. ︵一〇一﹀. において輕減するものであるが︑もし立法者が︑保険制度の企業に封する貢献という相當信頼しうる裏付を持つてい 航空機による地上損害とその賠償責任.
(16) 航空機による地上損害とその賠償責任. 三八二. 二〇二︶. ︵二︶ なかつたとしたならば︑危瞼責任理論を背景とする諸立法は容易に陽の目をみることはできなかつたであろう︒. 到例もまた保瞼の効果について大きな關心を示していた︒責任保瞼が一八九六年以來利用され充分な成果をあげて. いたという事實がなかつたならば︑破殿院をはじめ各裁到所は︑傳統的な過失責任理論に疑問を抱きつつも︑民法典. 第二二八四條第一項に新しい解繹を加えることに詣り企業に封して物の保管者としての地位に基く損害賠償責任を課 することを︑おそらく躊躇したのではなかろうか︒ ︵三︶. 箪責任主義の立警︑その前提として︑責任保瞼であれ︑色く縄醤意睦存る損害罎︵鰍霧瀦蕪. 捲することあるべき賠償責任が︑保瞼制度の利用によつて保瞼者に韓嫁され肚會的に分憺されうる可能性をもつ場合. 麟灘膨︶で盈︑何等かの罎制度の存在姦季る.量.葉をかえ≦︑︑えば︑襲企業が地上の第三蒼署養. にのみ︑はじめて無過失責任制度は圓滑に機能しうるのである︒被害者たる第三者の側からみても︑また企業維持の. 齪黙からしても︑無過失責任を負推すべき者が保瞼を利用することにより︑損害賠償責任の履行が捲保され︑他面に. おいて企業の存績が全うされて︑はじめて航杢機蓮航者に無過失責任を課している意義が認められうるのである︒別. の角度からみれば︑過失責任主義の下における不法行爲責任に關する責任保瞼に比して︑無過失責任主義の下におけ. 第三者賠償責任保険︵↓田鼠℃巽ξぼω蔑雪︒o︶とも云われ︑航空機蓮航者が航空機を蓮航する際に︑地上の第三者に封し. る不法行爲責任に關する責任保瞼は︑経濟的にも耐會的にも遙かに重要な役割を果しているのである︒ ︵一︶. される保瞼である︒. て惹起した人的・物的損害に封する損害賠償責任の護生を保瞼事故として︑航空機蓮航者を保瞼契約者兼被保瞼者として締結. ︵二︶界9薯①一賞洲︑躰馨彗8①二霊3薯塁一︒霧葺Φ毎餌ぎ琶Φ乙①一こ婁︒暴一︶旨曾訟①番歪⇒p一垂う斡.
(17) ︵三︶︸ン閃冨殴窪畢①藝︸〜色︾峯ぎ¢仁昼昌8︷9↓篤曲︒≦︒ユβお興¢巳〜o断9謀o簿一餌寄霧ρマ漣節器ρ. 四 無限責任制度. 航空法第五三條及び第五四條は︑航空機運航者の地上損害賠償責任につき︑無過失責任を課していると同時に又無 限責任を定めている黙にその第二の特徴を見ることができる︒. フランス航空法において無限責任制度が採られたのは主として次のような理由によるといわれている︒第一に被害. 者たる地上の第三者の保護を目的としたものである︒航室機の蓮航による利盆の獲得と全く無關係な地上の第三者. は︑阻石や流星と同じく天から降つてくる災害に封して全く無抵抗であり︑この危険に劃して豫防手段を講ずること. もまた不可能であつて︑絶封的に劣弱な地位に立つものであるから︑完全な賠償をもつて酬いられなければならない︒. 第二に地上損害の獲生は航空機の墜落によるのを通例とするから︑その後の航空機が一般に實質上殆ど無償値に近く︑. 海商法におけるがごとき船舶の冤責委付の方法を利用しえないことから︑この方法による有限責任制度を採れないか. らである︒そしてもし責任限度額を金額を以て表示する方法による有限責任制度をとるとしても︑責任限度額を決定. することが實際上極めて困難な仕事となる鉄陥がある︒有限責任限度額が高額であるときは︑第一に無限責任制度と. 實質的に異らないとの批到を航空機蓮航者の側から蒙り︑第二に保険料支出が企業にかなりの負捲となるから︑もし. 責任限度額が高く定められ﹄ば企業は保瞼料負撫の重荷にうちひしがれ︑國際的競箏力を弱められる結果となる︒反. 封にこれを飴り低額に定めると︑少額の損害のみが墳補され︑重大な被害が生じて多額の賠償が必要とされるときに. 三八三. ︵︸〇三︶. は︑無過失責任によつて約束された被害者に封する保障は︑殆ど有名無實化して法律自髄の意義すら失わしめること 航空機による地上損害とその賠僕責任.
(18) 航室機による地上損害とその賠償責任. 三八四. ︵一〇四︶. になつてしまう︒そしてこのほかにも又訴訟法上︑國際私法上種々の困難な問題が豫想されうるからである︒. 佛航空法に採用された無過失責任制度が︑學者及び實務家から好意的な目をもつて迎えられたのに反して︑無限責. 任制度は既にその制定された一九二四年當時から︑かなり嚴しい批到を受けてきた︒加害者である航室機蓮航者たる. 企業か地上の被害者に劃して無過失責任を負澹する以上︑被害者との利盆の均衡において︑ つまり企業維持の翻黙 ︵一ご から︑有限責任制度を採用することによつてその責任を輕減すべきであるとの主張である︒我國においても航室法に ︵三︶ ︵四︶. へ五︶. おける有力説はこの見解を支持し︑公衆保護の目的と航空事業襲達の促進の調和黙として︑無過失責任と有限責任爾 制度の組含せによることが望ましいとされる︒. 有限責任制度は一九三三年のローマ條約により採澤され︑一九五二年のローマ條約においても維持されたが︑それ ︵六︶. は主として次のような理由によるものである︒第一に保瞼契約を締結するためには有限責任制度をとることが不可訣. の前提であり︑第二にこの制度は國家的見地からして獲展の途上にあり交通上砒會に縄大な貢献をする航室企業の助. 成に役立つものであり︑第三に有限責任制度は決して法律上の騎形児ではなく︑過失主義の原則をすて︑嚴格な無過 ︵七︶. 失責任を認める限り︑他方において無限責任原則を修正して有限責任を認めるのが衡李の理念に合致するからである とする︒. フランスの航室法學者もまた︑航空機の蓮航が航空法制定當時におけるごとくスポーツや冒瞼として輩なる個人的. 欲求の充足のために行われていた時代と異り︑公共の利盆のために行われ︑しかもわれくの日常生活に滲透してい. る今日︑航空機蓮航者の責任が人問活動の他の分野に適用されているよりも︑更に嚴格な法規で規律されなければな.
(19) ︵八︶ らない必然性は存在せず︑航空法第五三條の責任は將來輕減さるべきものであるとし︑被害者にとつては︑支彿能力. を訣く者が無限責任を負捲しても意味がなく︑むしろ責任保瞼などによつて裏付けされている有限責任制度の方が好 ︵九︶ ましいとする見解を表明している︒. 航空機蓮航者の地上責任に關し︑不法行爲法上の重要課題である有限責任・無限責任の爾制度の利害得失につき詳. 論することは本稿の目的ではないが︑現在の世界各國立法の趨勢から到断するならば︑有限責任制度に賛意を表する. 傾向が強く︑フランスの學読もまた現行法が無限責任制度をとつているにもか﹄わらず︑大勢は有限責任制度の採用. に傾いていることは翫述の通りである︒勿論有限責任制度を探用するとしても︑航空危瞼の特殊性に鑑み︑無過失責. Q震睾膏︶の創設による地上損害に封する綜合的封策 任制度の維持︑強制保除︑保障基金︵3巳切号︒・・8霞︒・\︒&の号α の完備が先決問題である︒. ︵一︶ 佐瀬昌三︑航空機による地上損害賠償責任法制の比較︑﹁法曹會雑誌﹂第一二巻第一一號六三頁以下︒. 0 D忌︿. ︵二︶ 鼠︒甘αq一霞計い.霧冥謬α5辞o詳器は窪ぼ嘗而費〆ゼ①騨o詳鷲貯ひ時餌拷巴の窪彗崖o仁傷信図図巴曾一〇︸↓o旨ΦH督℃︒齢一2. ︵三︶ 池田文雄︑地上損害と民事責任︑﹁空法﹂第一號六七頁︑佐瀬︑前掲︑六六頁︒ Oo毫o馨ご昌母男oヨρ膿蟹蝕h8Go讐師昌Oo.. ︵五︶ Oo薯Φ暮δ鐸留園o百p刈03お麗︸Oo毫窪ユ窪お鄭貯①きαoBヨ茜$8霧傍鎖舞膏誘餅鼠ψ霞富︒o℃弩側窃蹄8ま駿. ︵四︶. 三八五. へ一〇五︶. 8つc二︑一巽おく曾oP>駿¢毒霧や嵩a︐嵐yお笠. 有限責任制度が保瞼契約締結の不可駅の前提籐件ではないことは︑野田良之︑Z7ンスの責任保瞼法︑﹁法學協會難誌﹂第. 簿鍔霞αQRPミ登ご︒. ︵六︶. 五六巻第二號一一一頁以下︑ζ婁峯&Ψoマ9εマ畠一. 航空機による地上損害とその賠償責任.
(20) 二. 〇一霞ごoやo賞ワ8ゴOげきく霊FU3旨器ユoシマ頴ヒ 甘α. 小町谷操三︑航空機事故と賠償責任︑五六頁以下︒. 航空機による地上損害とその賠償責任 ︵七︶. Oげ恥q︿窪90㌻9£や謡①. ︵八︶ ︵九︶. 地上損害の護生とその賠償責任の概要. 航空機の意義. 一 蓮航中の航室機 イ. 三八六 ︵一〇六︶. 航空法第五三條は蓮航中の航室機によつて地上に惹起された損害について適用される︒航空機︵器3ま琶の定義. 一九二四年五月三一日の航空. を與えている航空法第一條にょれば︑﹁本法の適用ある航空機とは︑空中を上昇し︑もしくは航行しうるすべての器 具をいう︒﹂と定められている︒この抽象的な定義に具艦的な内容を與えているのは︑. 法の委任するところに基き民間航空機の使用の條件を定める一九三六年九月一二日の航空省令第八條第一項である︒. 同項に掲げる表に從えば︑航空機の範園は︑一般に重航空機︵器ε需富覧霧一︒ξ房2巴︑貰︶を意味するいわゆる飛行. 機︵鐘自︶及びグライダー︵暑濤琶より遙かに廣く︑また陸上機のほか水上機︵げ逸3聖︑ぎ︶水陸爾用機︵豊9弩・. ︵一︶. 嘗蕎①︶ヘリコプター︵墨凶8ヌ鮮Φ︶オートジロ︵鋤無︒α ︒一黍︶搏翼式飛行機︵︒旨嘗8感3をも含み︑硬式及び軟式の飛. 行船︵餌三αq窪幕︶自由氣球及び繋留氣球︵ぴ箋︒巳§︒︒寡ぞま︶熱氣々球︵目︒葺αQ・一頴並などもこの範疇に入る︒操縦 ︵二︶. 士その他の乗員が塔乗することは要件とされていないから︑無電操縦の航空機も含まれるし︑氣象翻測用の凧もまた これに罵する︒但しパラシュτトは除外される︒.
(21) ︵二︶ご覧9︒欝︑々巴番a騨蓉三巴3αΦ繕o一帥器ユoPワ 9. ︵一﹀ 一﹂聾8糞ぼo陣の巷o吋貫oワ良 やωo︒㎝9の鉱ぐ. ロ 蓮航中の航室機の意義. 到例は﹁運航中の航室機﹂︵器吋89睾曾o一&o⇒︶とは機髄が空中にある場含のみでなく︑プロペラを回轄し空中に ︵一︶ 浮揚するため固有の推進力によつて地上を獲進したときから︑着陸作業を完了する迄であるとする︒翻ち離陸の以前 ︵二︶ においても航空機は蓮航中であるとされる︒. また着陸後一時静止して乗客及び積荷を降したあと︑自力で滑走路を離脱し︑航室機を格納庫に整列させること. も︑航空機の着陸作業中に含まれるものとみなされ︑從つて︑第五三條の意味における航空機の範園に入るものと考 ︵三︶ えられなければならない︒. ︵四︶. 但し着陸しエンジンを停止した航空機を︑トラクターで牽引して移動させる場合に生じた地上損害は︑航空法第五. 三條の適用範園外のものである︒ ︵五︶ 航空機は地面に接鰯している場含でも︑敷メートル上空にある場合と同様に危瞼であり︑地上の第三者は雫うこと. の困難な危険の下に常に置かれていることに鑑み︑航空法は民法典第二二八四條第一項のそれよりも遙かに嚴しい責 ︵六︶. 三八七. こ〇七︶. サ舘Oご罫一〇ヂ. 任を航室機蓮航者に課しているのであるから︑地上損害について﹁蓮航中の航空機﹂の定義はできるだけ廣く解する. ︑. ∩o霞号O器器ぎpO7︵風一戸ゆ①筥畦︒︒這鐙︵︸夷﹃昌oマ9〜マO汐ζ8旨竃gω巷o旨欝oや簿. ことが望ましい︒ ︵一︶. 航空機による地上損害とその培質責任.
(22) 航空機による地上損害とその賠償責任 oやoF唱︒お笛 ごαQ鼠夢oマo詳ワ這9包き一〇一g菊一需詳8・9rマ一〇〇合88︵O︶・. 三八八. ︵一〇八︶. ︵三︶ギ3毒巴α︒匹一p︒ま ご多Oo畦鎚︑︾慧︒一山︒Uo黄悼ふ旨突︒D一8一︵ζ8旨ぴ︒卑ω巷o壁もマ息εマま9蜜一〇F. ︵二︶. 霊き一〇一禽菊首Φ昌︾oやo一件︒り唱●一〇〇食88︵①︶・. r巴oFoマo賞マおP. oマo芦マおO︶・. ﹄仁αa一帥昌︶OやO登一マ一GO轡. ︵四︶ ︵五︶. 地上に在る人もしくは財産︵需30き︒の騨幕霧ω言需2餌のξhΦ8︶. ︵六︶. 二. 地上に在る財産については︑事實の灘察の結果に從えばよいから特に問題を生ずる鯨地がないが︑地上に在る人に. ついては︑如何なる者がこの範園から除外されるかについて考察されなければならない︒航空機蓮航者と運逸契約關. 係にある人の場合はどうなるか︒たとえぱこれから搭乗豫定の航空機に乗ろうとして傷けられた乗客は︑航空法第五. 三條にいう﹁地上に在る人﹂に該當するか︒彼は航空法第五三條と族客蓮邊契約のいずれに基いて損害賠償を請求す ︵一︶ べきであろうか︒到例は二個の責任の競合を認めず︑いずれか一方に擦るべきであるとした︒この問題に關し一般的. な解決を與えることは困難であり︑損害獲生の際のすべての具騰的事情を考慮して到断するほかはないが︑少くとも ︵二︶. 當該乗客を乗せるべきもしくは乗せていた航空機によるものであるときは︑族客蓮邊契約に基き損害賠償請求をなす. べきであろう︒またたとえ蓮邊契約關係にある場合でも︑航空貨物の荷邊人が︑地上で蓮邊人に属する航室機によつ ︵三︶ て負傷したときは︑勿論第五三條にいう﹁地上に在る人﹂である︒. 航空機蓮航者と雇傭關係に立つ者の場合はどうなるか︒直接の雇傭關係に立つ被用者は航室法第五三際の適用によ.
(23) ︵四︶ らず︑勢働災害に關する補償を受けることになる︒或る會融たとえば航空整備會祉の被用者が︑他祉印ち航空蓮逸會. 肚の爲に作業中に︑後者の航空機により損害を蒙つたときはどうなるか︒彼は自己の属する會肚より勢働災害補償を ︵五︶ 受け︑航空機蓮航者はその會肚に償還を行うことになる︒. ︵二︶. ︵一︶. O訂毫舞FoマoFマN9 旧口なぼρoP鼠∫マ器9. O訂毫塁Fつワ9£ワOO鮮. 航空機上にあるかもしくはパラシュートで降下中の人または物が航空機から離脱した物によつて衝突され損害を蒙 ︵六︶ つた場合は第五三條の適用を受けない︒. ︵三︶. お09づ90︵一︶︒. きく窪F8●o一計マ鱒O蒔. ¢零ぼρo℃.o圃ごマ誌O︐. じ言ぎρoワa£や8③. O冨毫Φ 弩 導 o や o F マ N O ↑. ︵四︶. ︵五︶. 剣︶一参一〇一2一ん督o貸o℃●〇三 ℃. 性質及び因果關係. 墳補さるべき損害. ︵六︶. Ω一. 航空機による地上損害と漁鳳の賠質責任. 三八九. ︵一〇九︶. 法第五三條の規定により︑間接齢ち軍なる上空通過によつて惹起された損害については所有灌並びに相隣關係に關す ︵一︶ る規定により損害賠償の責任を負う︒その損害の内容が精融的もしくは無形︵ヨ︒邑︶なものであるか︑物質的もしく ︵二︶ は有形︵墓母芭︶なものであるかを問わない︒その航空機自艦もしくは航空機から離脆した物によつて地上損害が護. 航空機蓮航者は地上の第三者並びにその財産に封し︑直接翻ち事故によつて護生せしめられた損害については航空. イ. 三.
(24) 航空機による地上損害とその賠償責任. 三九〇. ︵一一〇︶. ︵三︶ 生した事實があればよく︑一般的には事故と損害との問に因果關係が存することが責任護生の要件とされる︒. 因果關係︵一奪留︒窪絶募︶に關するフランスの學説並びに到例は必ずしも一致していない︒相當因果關係読︵ま︒槻罵 ︵四︶ 留8名巴ま&Φε器︶はフランスに齢いても多敷の學者の信奉するところではあるが︑かなりの學者は依然として條 ︵五︶. 件読︵昏ぎ蕾留ま麓ξす・8号の8&ぎ霧︶を支持しており︑到例についてはそれが如何なる方向を志向しているか. を把握することは更に困難である︒しかしいずれにしても︑航室機運航者の地上損害賠償責任は法定の無過失責任で. あるから︑被害者は軍に地上損害と當該航空機の蓮航との問の因果的事實︵8島鋤頴暴醇醒①︶の存在のみを立証すれ. ばよく︑責任主禮の故意過失のごとき蹄責性︵ぎ讐浮影ひ︶もしくは因果性の主齪的要素︵︒貰絶︑5導︒同幕︶といわれ ︵六︶ るもの玉存在を立証する必要がないことは勿論である︒. ↓ユぴ琶巴Ω<臨留㌶ω①ぼ9一〇甘一昌ご認︵び鎖8ヨびo糞QD巷o降欝8・o犀●︸サ謡O︶6. ︵一︶ 密αq一震計oマoFP一〇︒S. ︵三︶ 泣帥巳o︸9覆℃R♂oマ︒一εや刈もoρ池田︑前掲︑七八頁︒もつとも墜落した航空機により惹起されたガスタンクの爆護な. ︵二︶. 貫一ヨoの鼠亀Φ. どは︑航空蓮邊に内在するというよりもむしろガス産業に内在する危瞼てあり︑航空機のみによつて負推されるべきではない =きδ一卑 菊 ぎ o 旨 ︾ o や 9 £ ワ お 9. とする主張もある︒犀UユoPごヨぎ銘o昌亀ピ貯露澤即窃渉ぎ冨讐&9峯囲︾ぼい働ヨマ一堕 ︵四︶. 竃・の筈臨色窯巽ぎζ冨︸象一〇p留︒窪器帥集g8蓉彰08⇒α獣8αo影お名o霧筈一一一5息£ρπo<一お. αo昏o津〇三ご一8Pマ刈Oい. ︵五︶. ︵六︶ ℃一窪臨巳2刃昼O講︸Oマ息ご︾qωど刈GQ雪. ・ 直接損害.
(25) 直接損害とは航空機もしくは航空機から離脆した物により︑直接地上に獲生せしめられた撮害であつて︑墜落した. 航室機を原因とする家屋の火災︑離着陸の際の事故による負傷などがこれにあたる︒航空機から離脱した物とは︑機. 禮の一部分が分離した場合のみでなく︑機騰の内部に設置された物が室中に飛出したような場合をも包含する︒法令. に蓮反して乗客もしくは乗員が物を投下した場合でも︑その目的が密輸品の投下であれ︑その他の正當と思われるも. のであれ︑航空機蓮航者は地上損害賠償責任を冤れることはできない︒勿論蓮航者が法令蓮反行爲の主膣に封して求 ︵一︶ 償権を行使することは差支えない︒. 乗客もしくは乗員が航空機からパラシュートにより降下した結果︑地上の人又は財産に衝突し地上損害を護生させ. た場合はどうなるか︒パヲシュートは航空機から地上に降下しようと試みた人がその手段として使用したのであり︑. 從つて彼の普通法上の不法行爲責任が問題とされるだけであつて︑人は物ではないから航空法第五三條は適用されえ ︵二 ︶. ない︒また蓮航中の航空機から︑特に離着陸の前後に自殺の目的で飛降りた人によつて惹起された地上損害について. ︵一︶. ごαq一貰ごo℃・o一f℃●一Qoざ一〇〇Qo︒. O冨量$50やoF一︶いま9. もまた同檬である︒. ︵二︶. ハ 問接損害 ︵一︶. 問接損害とは航空機の通常の利用にあたり︑土地所有者などの地上の人及び財産に與える損害であつて︑騒音・振. 三九一. ︵一一一︶. 動・不動産の減償・螢業不能などの事例が豫想しうる︒この種の損害もまた航室法第五三條の問題として扱いうるも 航空機による地上損害とその賠償責任.
(26) 航室機による地上損害とその賠償責任 のであろうか︒. 三九二. ︵一一二︶. 航空法第五三條は︑その規定中に航空機の上空通過による損害と︑直接損害との問に何等の差別も設けていないの ︵二︶ で︑條丈の文理解繹からは肯定的に解することも可能である︒この結果同條の解繹をめぐつて︑問接損害に第五三條. の適用を認める立場と︑これを否定する學読とが繋立している︒この爾者の相違職は航室法第一九條に關する見解の. 相違から出獲しているのである︒印ち肯定読は第一九條第二項は第五三條を間接損害にも適用する前提として置かれ. ていると解するに反し︑否定説は同項は民事裁到所に封して︑低空で頻繁に土地上室を通過する航空機に封し︑地上. 財産の利用を著しく阻害することを理由として︑土地所有椹に基き所有者が專用を認められている空問への接近禁止 を請求することを許す根擦を與えるものと解する︒. 現在では間接損害のうち通常の上空通過より生ずる損害については第五三條の適用なしとし︑民法典第五五二條第 ︵三︶ 一項と航空法第一九條第二項の關連において解決すべしとする學説が有力である︒師ち航空法第一九條第一項は土地. 上空に關する土地所有者の灌利を否認した課ではなく︑輩に航空機の上空通過のための地役権を創設したにすぎない. から︑こ﹄に上空利用者と土地所有者との問に一般の李面的な相隣關係でなく︑上下の立膣的な相隣關係が護生し︑. 航空機の上空通過によつてトヲブルが生じた場合には︑所有者は民法典第五五二條第一項に基いて損害賠償請求の訴. を提起することができる︒それ故この種の間題は所有権に關する法理に基き航窒法第一九條の範園内で解決さるべき ︵四︶ 問題であり︑同法第五三條の適用なく︑土地所有者は同條に基いて問接損害の補償を求めることはできない︒. 所有灌に基く損害賠償請求をなしうるためには︑航空機の上空通過が通常ならざる方法で行われ︑且つその結果損.
(27) 害が獲生したことが條件とされる︒たとえば低空飛行の.結果土地所有者の家族が紳.脛性疾患にか・つたこと︑鳥・家. 畜の繁殖停止︑特別の静けさを要する病院・療養所などが維持不能に至つたことなどが畢げられる︒しかし多くの場合 ︵五︶. 騒音の原因は離着陸のはげしい飛行場に近接しているからであるから︑航空機蓮航者よりもむしろ飛行場管理者に封. する訴訟が豫想される︒通常ならざる飛行により生じた損害の補償を求める根捺として︑以上のほか上空通過灌の濫 ︵六︶. 用とか土地牧用の際において正當な補償を求める灌利のごとき憲法もしくは公法上の諸原理を援用することもできよ うo. 航空法第五三傑の適用に關し次のような事件が獲生した︒航空機が耕地に墜落し︑耕作者は乗客救助と積荷の搬出 ︵七︶. のためかけつけ︑その際彼は過失によつて負傷した︒彼はどのような資格で補償を求めうるか︒破殿院はこの事件に. 第五三條を適用したが︑この到決は學者の活渡な議論の封象となつた︒航空機蓮航者を民法典第一三八四條第一項に. いう保管者とみれぱ︑同項は不可抗力及び偶護事象による損害獲生の際︑被害者に過失あるときは保管者を冤責する. から被害者を救濟しえず︑また肚會連帯理念のあらわれである事務管理︵けQ婁喜傷.熱農︒︶も充分な根篠たりえない. ので︑やはり事故と損害との問に因果關係を認め︑第五三條で解決した到例の態度は安當であると思われる︒同條の ︵八︶. 適用をあく迄拒否しようとする者は︑損害が﹁蓮航中の航空機﹂でなく墜落後地上にある航空機によるものであるこ とを理由として反論するが︑これは籠辮のようである︒. og 仁2ぼρoラ葺﹂マNG. ). マbo密の. (. O訂髪Φきゆoワ9. 航空機 に よ る 地 上 損 害 と ・ て の 賠 償 責 任. 九. (( )).
(28) 三九四. ︵一一四︶. O訂琴窪F8●〇三マ謡㊤一軍き一99覆毬昌oや︒Fりさ8響學説と異り牧牛飼育者及び漁業. つ58罷o︒一︵渉︷∈︿SFoつ︒三マ鵠即8φ但し池田助教授は肯定読を全面的に支持されて悟るようで. 航空機による地上損害とその賠償責任 ﹄夷ご訴 ○ マ 魯 c 注αQ醇計ε︒︵鮮掌一〇︒o. ある︵前掲︑七九頁︶︒. ︵三︶. ︵四︶. 竃貰器三P一〇宣βド這認︵督霧oヨげ①卑ω餌℃o旨♪o℃・o一rマ舘Oγなお同二の^一劉例に﹄つき︸仁屯畦二教授は﹁この到決は損害賠. 者に勢する航空機の悪影響につき︑これを航空法第五三條にいう損害であるとする到例がある︒円凱ぴ琶巴800響旨震8号. ︵五︶. 冒αQ一帥詳oマ︒5℃︐一①ざ一〇〇︒9. 償講求を容れるにあたり主齪的過失︵貯q8巽ど︒aぎ︶の理念に根嫁を求めている﹂と述べている︒誉αQ鼠詳o宰︒鮮や嵩c︒・. ︵六︶. ooQ Oo霞80霧郵江oFO劉菊2●vω一箏震ψ一80︵甘αqポ夢o℃︒9 ℃.一Q ︶●. 0﹃きくo窪︶oや︒F℃.謡堕. 飛行場に齢ける損害. ごαq一巽計o℃.魯す℃●一〇〇¢︒. ︵七︶ ︵八︶. 二. 飛行場︵器8母o還︶及びその附近において獲生した航空機による損害について航空法第五三條の適用があるか否か の鮎をめぐつて學説は鏡い封立をみせている︒. 否定読は航空法第五三條は︑地上に在る保護なきもしくは航空機による損害の襲生を豫見しえない第三者のみを救. 濟するための規定であると解繹する︒從つて航空機の離着陸に排他的に充てらるべき飛行場の地域内の︑地上もしく. は上室に航室機があるときは︑航空機蓮航者はその過失によつて地上に惹起された損害についてのみ責任を負う︒も. し輩なる野次馬a鼠︒舞︶が飛行場で被害を受けたとしても︑彼等は自らのなした不注意な行動の結果を自身で甘受. しなければならない︒飛行場において航空機により地上に惹起された損害の責任は︑飛行場の特殊性に鑑み︑危瞼責.
(29) ︵輔︶ 任理論に立脚する航空法第五三條の適用を受けるものではなく︑普通法上の責任であると主張する︒. 肯定説の根篠は次の如くである︒法律解繹からすれぼ︑航空法第五三條における﹁地上︵象牒霧︒︶﹂という語の中. には飛行場も他の場所と全く同様に包含され︑飛行場を除く旨の如何なる制限も設けられていないから︑當然飛行場 ︵ε を含むものと解される︒立法者はすべての地上の第三者を差別なしに保護しようと欲しているのである︒到例もまた. 飛行場において︑航空集會︵琶馨魯薦爵碁一囲S︶の一役員が危陰を豫知した同僚の注意を聞いていなかつたため︑ ︵三︶ 地上を移動中の飛行機の尾翼にふれて負傷した場合に第五三條を適用し︑主催者團艦の損害賠償責任を認めた︒. 立法趣旨によれば︑航室法第五三條は被害者の過失が立謹された場合を除き︑すべての地上損害につき︑航空機蓮. 航者に封し完全な法律上の責任推定を設けようとするものであり︑飛行場における地上損害をその勤象から除外する. ものとは考えられない︒何故ならばもし或る行爲が飛行場でなされたならぼ﹁被害者の過失﹂を構成したような場合. でも︑航室機の運航という要素を取除いてしまえば地上損害は襲生しえないから︑飛行場以外の場所では被害者の行. 爲が地上損害の獲生に關係しうるチヤンスは極めて少く︑從つて航空法第五三條第二項の豫想する﹁被害者の過失﹂ ︵四︶ が立謹されるような場合は殆ど起りえない︒第五三條がもし飛行場における地上損害に適用されないとすれば︑同條. 甘σqσ呂 o マ 3 ︷ ワ 一 露 9. pごαqポ旨︸○マ息£マ這ゆu這野. 三九五 ︵一一五︶. は極めて稀な場合について規律する内容空虚な規定に過ぎないことになつてしまうから︑肯定的に解するのが安當で. ︵一︶. あると思う︒. ︵二︶. 航室機による地上損害とその賠償責任.
(30) 四. 航空機による地上損害とその賠償責任 縁ユげ仁塁 陣 Ω < 臨 血 o = 一 一 〇 ︶ Q 欝 2 ︒ ご お. ﹄仁αQ一費計oマ息rマ一醤・. 菟責事由 被害者 の 過 失 ︵ 雷 幕 留 鼠 く す ぎ ① ︶. こ轟㌶30マ息fマ. 三九六. ︵一一六︶. ち楠︸ピ900碁ぴ09ω帥℃o塁εo℃り9齢﹂℃●髄㎝ど昌o$. ︵謹︶︶一. い︒何故ならば︑駐車を除き一般の使用が禁止されていない國道上に軍に立つていたという事實は︑損害襲生の一因. に立つていたとき︑飛行機が着陸しようとして道路を横切つた﹄め頭部に負傷した場ム旦は被害者の過失を構成しな. 自動車のフロントガラス拭きを修理するため︑縣條例をもつて駐車を禁止されている飛行場沿いの國道上に駐車し傍. 被害者の過失が否定された事件として次の例をあげることができる︒﹃一人の自動車蓮韓者が雨の夜︑調子の悪い. の制止があつたにもか瓦わらず︑職業的競雫心からこの制止を犯し︑自ら欲して危瞼に挺身して被害を受けた場合﹄ ︵一︶ につき被害者に特に重大な過失ありとして蓮航者の責任を冤除した︒. 會の際にパラシュートで降下する人を撮影しようとして︑主催者團膿及び行政警察官︵8唐巨..節..︒伽︒℃︒一一︒︒儀︑︒.山円.︶. して冤責された例として︑次の到例にあらわれた事件を畢げ届ことができる︒﹃被害者は映画技師であつて︑航空集. 如何なる場合に被害者に過失ありとされるかについて到例を参照してみよう︒航空機蓮航者が被害者の過失を立誰. 菟責事由としては被害者の過失について検討すれば足りる︒. みその責任を輕減もしくは冤除されうるにすぎず︑不可抗力や第三者の過失の誰明によつては冤責されない︒從つて. 無過失責任主義をとる佛航室法の下では︑航空機蓮航者は地上損害につき被害者の過失を謹明した場合においての. イ. (( 四三 )).
(31) とみなされるところの過失もしくは鰯怠を構成するものでない︒この場合航空機が衝突したのは彼であつて彼の自動 ︵二︶ 車ではなかつたからである︒. 被害者の過失が存在するときは︑蓮航者と被害者の責任分配︵麗量鴨留§宕霧畳一冨︶に關する複雑な問題を生. ずる︒航空法第五三條は︑被害者の過失が法律上當然に蓮航者の冤責を生ぜしめるとするものではなく︑輕減もしく. は冤除しうることを認めているにすぎない︒從つて同條を文字通りに理解し︑被害者の過失の存在を全く勘酌するこ ︵三︶ となく航空機運航者に全責任を負わせうるとする到例もあるが︑航空機蓮航者は被害者の過失を立謹する以外には如. 何なる冤責事由も認められていないのであるから︑裁到所が被害者側に過失がある事實を認定した場合においては︑ ︵四︶. 少くとも蓮航者の責任を輕減すべきであり︑もしそう解さなければ航空機蓮航者に餓りに苛酷に過ぎるとする學読も 有力である︒. 被害者に過失があつた場合︑蓮航者の責任を輕減もしくは冤除すべきか︑または全く斜酌する必要がないかを剣噺. する基準は何であるか︒法はこの黙につき明文を訣く︒學説は︑あるいは被害者の犯した過失自艦の輕重の度合であ. るとし︑あるいは被害者の過失は地上損害の護生との關蓮性においてのみ問題となるのであるから︑たとえぼ輕過失. であつてもそれが地上損害獲生に際して決定的な役割を果していれば︑運航者の免責を生ずる場合もあり︑反封に被. 害者に重大な過失があつても損害の護生との關係が薄弱なときは︑過失の存在を無覗しても差支えないとする︒前者. の見解に從うと︑危瞼責任理論に立脚して無過失責任制度をとつている航杢機蓮航者の地上損害賠償責任の解繹にあ. 三九七. ︵一一七︶. たつて︑別の艦系である過失責任理論にとらわれた解繹を固執するという誤りを犯すことになり︑その結果航空法第 航空機に よ る 地 上 損 害 と そ の 賠 償 責 任.
(32) 航空機による地上損害とその賠償責任 ︵五︶. 三九八. 二一八︶. 五三條の精憩に反することになる︒從って地上損害が被害者の過失に基因する場合にこれを樹酌するか否かは︑被害. 者の注意義務違反もしくは慨怠の輕重とは關係なく︑獲生した損害に封する起因力︵箸5.昌塗霧島の強蜴に鷹じて 決定されるべきである︒. また︑被害者の過失が立護された場合であつて︑しかも航室機蓮航者側にも過失が存するときは︑一般不法行爲に. 90︵Φ︶︶︒. Ooξ山︑︾℃ ℃ ① 一 山 ① 竃 o 艮 勺 o 一 一 一 〇 び も oOヨ巽の這㎝O︵勾o︿go鼠旨Φの霞芭一〇山o象o謬9並りお㎝ρP㎝09び霧o疹ぴo卑なり節−︵三勲. Ooξα︑︾℃℃①一号博霞賞嶺ヨ巴這GoU︵b㊤8菖びo卑ω巷o旨斜oやoF掌boαご︸二覧斡昌o宰o賞や一旨︶●. 關する諸原則との關係において問題は更に一層複雑化するが︑か﹄る場合には裁到所は双方の責任について到漸する ︵六︶ にあたり︑後者の過失をも参酌すべきであろう︒ ︵一︶ ︵二︶. o︶︒. O冨瑳雷Foサ住εや鵠どト⊃総●. ↓該ぴ¢轟一山Φ℃o一ユoβ一〇昌o︿.這畠︵Ω一窪くo貰ごo℃︒o一εマまど. oや9∫︾謡ごピ巴05︶oやαrサおG. 密αQ︸巽計o唱.9﹂亨ご90げ窪︿$FoやoFマまピ. ︵三︶. ︵五︶. ︵四︶. の決定した範園においてのみ. Oざ衰窪Foワ9£やまもo旧国き§9空需詳oマo賞やε8二さ言︵ωy到例は被害者の責に露すべき重遍失が讃明され. た場合であつても航空機蓮航者の側に過失あるときは︑後者は事實審裁到官︵甘ひq①号♂&︶. ︵六︶. 責任を冤れるものとしている︒ Oo賃号O器器甑OPOぴOユ彗遭O導貰ω一8ごOo黛α︑>暑Φ一号U9§︶㎝p≦■おooP ︵rゆ8騨げ02ω巷o旨倉oサo一ε︾謡O︶●. ロ 航空法第七〇條と被害者の過失. 被害者が﹁接近禁止﹂ ︵葺︒套&書山.琴︒霧︶もしくは﹁危瞼﹂と表示した制札があるにもか瓦わらず飛行場に曼入.
(33) した場合に︑常に航空法第五三條にいう被害者の過失を構成するか︒. 航室法第七〇條は︑公共の用︵ω︒三82窯︒︶に充てられている飛行場の規則及び一般標識︵8量ケQ蓉ωσQ言貧藁こ. により出入を禁止されている場所に侵入又は滞留する者は刑法典第四七一條第一五號に定める刑を以て庭罰すること. とし︑更に事故が護生した際にもすべての損害賠償請求罐を失うことあるものとしているが︑この規定の目的は︑特 定の飛行場に診ける國家の民事責任を排除しようとする馳にある︒. しかしこの規定は通常の場合に第五三條の適用を排除するものではない︒何故なら第七〇條の規律する封象は︑飛. 行場の所有者もしくは管理者と地上の第三者との關係にっいてであつて︑航空機蓮航者と地上の第三者との關係では. ないからである︒一般に飛行場における規則の侵犯が︑ア・プリオリに第五三條にいう被害者の過失を構成するか否. かについては否定的に解すべきであろう︒何故ならば大衆の航室知識の敏如の結果︑飛行場に接近することが危瞼を. 承認し︑もしくは豫見しているものと考えることはできないから︑この理由で航空機蓮航者の責任が必然的に制限も ︵一︶ しくは冤除されるべきであると結論することは早計である︒ ︵一︶ 甘αQ一震計o℃o一εマ一総. 航空機運航者. 五 責任の主髄. イ. 航空機によつて生じた地上損害につき︑被害者たる地上の第三者に封して損害賠償責任を負謄するのは蓮航者であ. 三九九. ︵一一九︶. る︒船舶艦装者︵畦き旨Φ霞︶が船舶所有者と異るごとく︑航空機蓮航者は航室機の所有者と異る概念であることは明 航空幾にょる地上損害とその賠賞責壬.
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