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住宅におけるマイクロコージェネレーションシステムと太陽光発電システムの導入効果に関する研究 [ PDF

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Academic year: 2021

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(1)住宅におけるマイクロコージェネレーションシステムと 太陽光発電システムの導入効果に関する研究. 永田 1. はじめに 地球環境問題に対応するエネルギー自立型サ ステナブル住宅の住宅仕様、設備仕様を提案し、 その省エネルギー効果を定量化することが本研 究の目的である。. 修三. 15200 3600. 2800. 3800. 400. 5000. nook. 車庫 便所 洗面所. 居間 up. 本論文では今年度建設予定の第 3 期実験棟に おける太陽光発電と固体高分子形燃料電池の併. 5400. 7600. 台所. 食堂. 1800. 用システム検討の第 1 段階として、各設備システ ムと運用方法の検討、省エネルギー効果の定量的. 玄関. a) 2 階平面図. 把握を目的とし、それぞれの要素について段階的 に数値シミュレーションによる検討を行う。. 15200 3600. 2800. 3800. 400. 5000. 浴室. 2800. 4000. 2. 入力用負荷データ 住宅の負荷形態は住宅の建物仕様や居住者の. 寝室. ミュレーションを行う際はどのような負荷デー タを用いるかが重要な点となる。実験棟における. 3200. バルコニー. 家族構成、住まい方によって様々である。よって、 個別分散型電熱源システムのエネルギー需給シ. 便所. 洗面所. down. 主寝室. 和室. N バルコニー. a) 1 階平面図. 年間の予測負荷データ(1 分間隔、電力負荷と給 湯負荷から成る)作成概要を以下に述べる。. 単位[mm]. 図 1 実験棟平面図. 生活スケジュール自動生成プログラム SCHEDULE Ver2.01) による居住者( 4 人家族を. 表 1 実験棟の部位構成 部位. 想定)の生活パターンと多数室室温変動・熱負荷 算出プログラム TrP2)により算出した暖冷房負荷. 材料 ( 室内側より表示、[ ]内単位: mm). 壁. 石膏ボード[12]、グラスウール[100]、密閉中空 層、合板[5]、非密閉中空層、煉瓦[110]. 窓. 普通複層ガラス(フロートガラス[3]). を基に、負荷データを作成した。図 1 に実験棟の 平面図、表 1 に部位構成、図 2 に壁体構成を示す。. 天井. この実験棟は福岡市内に計画中のもので、細部の. 床. 仕様はまだ決定されていない。今回の検討では次 世代省エネルギー基準のⅣ地域における指針に. ドア. 石膏ボード[12]、グラスウール[180] 合板[10]、合板[12]、グラスウール[100] 金属製高断熱構造扉. 室 室 外 5040 12 内 側 110 5 100 側. 従い外壁の断熱材(グラスウール)厚さを決定し た。熱損失係数は 1.95〔W/m2 K〕、夏期日射取得. 煉瓦 通気層 防水シート 木製パネル 空気層 グラスウール. 係数は 0.0045 でともにⅣ地域の基準値以下であ る。TrP により算出した暖冷房負荷を 4 通りの異 なる設備で賄うこととし、それぞれの予測負荷デ ータを作成した。暖冷房負荷算出時の計算条件を. 内装材 単位[mm]. 表 2 に、予測負荷データの概要を表 3 に示す。EHP エアコンは従来機の COP を暖房 3.5、冷房 3.0 と. 図 2 壁体構成 (ブリックベニア仕様). し、トップランナー機は暖房、冷房ともに COP 34-1.

(2) を 5.1 とした。. 表 2. 計算条件(空調設定について) 空調対象室. 3. 太陽光発電システムの導入効果 3-1. 計算概要 まず、拡張アメダス気象データ(福岡、標準年) の外気温度、大気放射量、アレイ面日射量(斜面. 居間、主寝室、子供室1(和室)、子供室2(寝室)  計4室. 夏季 冷房期間. 6月1日∼9月30日(4ヶ月間). 冬季 暖房期間. 11月1日∼3月31日(5ヶ月間) 冷房:27℃、暖房20℃ (居間に床暖房を設置した場合は居間のみ18℃). 設定温度 空調スケジュール. 在室時. 気象データ. 日射量)を入力とし、アレイ面表面温度とアレイ 面日射量から時刻毎の発電量を算出し、それを 1. 拡張アメダス気象データ(福岡市 標準年). 表 3. 実験棟における予測負荷データの概要. 分間隔に換算した。太陽光発電(以下 PV)モジ ュールは多結晶 Si を想定した。1kW から 4kW ま. 予測負荷データⅠ. EHPエアコン( 従来機)により暖冷房. での標準出力を変化させ、予測負荷データⅠを入 力とした場合の従来システム(図 3)と PV シス. 予測負荷データⅡ. EHPエアコン(トップランナー機)により暖冷房. 予測負荷データⅢ. EHPエアコン( 従来機)により暖冷房 居間に温水式床暖房を設置 EHPエアコン(トップランナー機)により暖冷房 居間に温水式床暖房を設置. 予測負荷データⅣ. テム(図 4)の 1 次エネルギー消費量を比較する。 3-2. 計算結果 図 5 に従来システムと各 PV システムを設置し. 買電. 系統電力 買電. た場合の年間1次エネルギー消費量を示す(余剰 電力を 1 次エネルギーに換算した値をマイナス. 電力. 系統電力 逆 潮 流. 電力. 発電. 温水ボイラー. PV. 給湯. 温水ボイラー. 給湯. ガス. 値で記載)。標準アレイ出力 4kW の PV システム で逆潮流無しの場合約 16.7[GJ/年]、逆潮流有りの. ガス. 図 3 従来システム. 場合で 48.5[GJ/年]の1次エネルギー消費量削減 となる。発電容量が大きいほど1次エネルギー消. 図 4 PV システム. 80.00. 費削減量は大きくなるが、逆潮流の有り無しによ る 1 次エネルギー消費削減量の差も大きくなる. 1次エネルギー消費量[GJ/年]. 1次エネルギー消費量(ガス). ことを確認した。 4. 固体高分子形燃料電池 CGS の導入効果 4-1. 計算概要 図 6 に固体高分子形燃料電池コージェネレー. 60.00. 16.01 16.01. 16.01. 16.01. 42.61. 40.93. 40.00 20.00 0.00. 余剰電力(1次エネルギー換算). 54.14. 0.00. 45.79 - 3.52. - 12.20. 2kWPV 3kWPV. 図5. 宅の電力負荷を,ガス温水ボイラーにより給湯負 荷を賄う。一方,PEFC-CGS モデルではガスを改. - 22.39. - 20.00 - 40.00 従来システム 1kWPV. ションシステム(PEFC-CGS)モデルを示す。従 来システムモデルでは系統からの買電により住. 1次エネルギー消費量(電力). 16.01. 37.19. - 31.56. 1kWPV 2kWPV 3kWPV 4kWPV. 南面に設置 南面に設置 南面に設置 南面に3kW、西面に1kW設置. 4kWPV. 1次エネルギー消費量の比較. 系統電力. 買電. 電力 発電. ガス. 排熱. 質して得られた水素を用いて PEFC を作動し、そ の発電と系統からの買電により電力負荷を賄う。 給湯負荷は排熱回収により貯湯槽に蓄えられた 湯で賄うが,貯湯がない場合は温水ボイラー(効. PEFC-CGS 貯湯槽. 温水ボイラー. 給湯. ガス. 図 6 PEFC-CGS. 率:80%(HHV))を使用する。貯湯の熱損失は 直接考慮せず,代わりに毎日午前 2 時に貯湯を廃. 表 4. PEFC-CGS の仕様 発電効率/ 排熱回収効率 定格発電出力 定格排熱出力 発電出力変化速度 最大増加速度 最大減少速度. 棄するものとする。市水温度は夏季 25℃,中間 期 18℃,冬季 10℃とする。 表 4 に PEFC-CGS の仕様を示す。発電出力は 1kW とし、発電効率、排熱回収効率は実機の仕様 書に記載された目標値を採用した(発電効率を. 貯湯温度 貯湯槽容量. 35%、40%とした場合の検討についても後述す る)。排熱回収効率は常に定格効率とし,貯湯温. 31.7%/ 51.5% 1kW 1.63kW 50W/ min 250W/ min 60℃ 200L ※効率はHHV基準. 34-2.

(3) 度 60℃、貯湯槽容量 200L とする。発電効率は部 分負荷特性を考慮する。運転方法はこれまでの検. し、各住宅設備システムにおける 1 次エネルギー 消費量を比で示す。従来システム 1 に PEFC-CGS. 討で最も現実性の高い運転方法であると考えら れる DSS 電力負荷追従運転とする。これは 1 日 2. を設置する(PEFC-CGS1)と、年間約 16%の 1 次エネルギー消費量削減効果がある。また、床暖. 回まで起動・停止を繰り返し、作動中は電力負荷 に追従して部分負荷制御運転を行うものである。. 房を設置する(従来システム3)と、冬季の 1 次 エネルギー消費量は増加してしまう。しかし、こ. 予測負荷データⅠ∼Ⅳを使用して様々な住宅設 備システムに関して検討を行った。全電化システ. れに PEFC-CGS を設置する(PEFC-CGS3)と年 間 1 次エネルギー消費量は 104 から 82 まで大幅. ムにおける CO2 HP 給湯機の COP は 3.0 とする。 4-2. 計算結果. に削減され、PEFC-CGS1 の 84 よりも小さな値と なった。床暖房設備により給湯負荷が増加したた. 図 7 に計算結果を示す。図 3 の従来システムに 予測負荷データⅠ∼Ⅳを入力とするシステムを. め、効率的に PEFC を作動させることができたた めである。しかしながらトップランナーEHP エア. それぞれ従来システム 1∼4 とする。従来システ. コンも考慮すると、PEFC-CGS2 の年間 1 次エネ. ム1における年間 1 次エネルギー消費量を 100 と. ルギー消費量 76 が最も小さい値となった。PEFC. 年間1 次エネルギー消費量. 100. 84 PEFC - C GS 設置. 86. 従来システム1. PEFC- CG S 1. EHPエアコン(従来機). EHPエアコン(従来機) C O 2 HP給湯機 設置. 91. 全電化システム1 EHPエアコン(トップランナー機). 76 従来システム2. P EFC - CGS 設置. EHPエアコン(トップランナー機). 104. 82. 居間に床暖房 設置. P EFC- CG S 2 EHPエアコン(トップランナー機). PEFC - CGS 設置. 居間に床暖房 設置. 従来システム3. PEFC- CGS 3. EHPエアコン(従来機). EHPエアコン(従来機). 89 居間に床暖房 設置 C O 2 HP給湯機 設置. 98. 全電化システム2 居間に床暖房 設置. EHPエアコン(トップランナー機). 従来システム4 EHPエアコン(トップランナー機). 居間に床暖房 設置 PE FC- C GS 設置. 78. PEFC- CG S 4 EHPエアコン(トップランナー機) 1 次エネルギー換算値 電力:昼間1 0 .2 5 (MJ / kWh )、夜間 9 .6 2 (MJ /kWh) ガス:4 5 .9 (MJ /Nm 3). 図7. 各住宅設備システムの年間 1 次エネルギー消費量比較. 34-3.

(4) -CGS を導入する際は、床暖房設備と併設すると、 その稼動効率、効果度が高く、年間 1 次エネルギ. 凍機やデシカント空調などと組み合わせること で夏季における稼働率を上げることができ、さら. ー消費量を最小とするためにはルームエアコン をトップランナー機とすることが望ましい。. に年間の 1 次エネルギー消費削減量が伸びる可 能性がある。今後はその点についての検討が必要 である。 6. おわりに. 5. MACC 発電の電力 1 次エネルギー換算値を用 いた PEFC-CGS の検討 5.1 計算概要. 太陽光発電システム、固体高分子形燃料電池 CGS についてそれぞれ省エネルギー効果を定量. これまでの検討では省エネ法の定める電力の 1 次エネルギー換算値を用いていて電力消費量か. 的に把握した。両システムを併用した場合につい ても試算済みであるが、今後は実機の運用実験を. ら 1 次エネルギー消費量への換算を行ったが、数 年後には多くの発電所が超高効率火力発電. 通してさらに数値シミュレーションの精度を上 げ、個別分散電熱源システムの最適仕様を検討す. (MACC)を採用し、その電力 1 次エネルギー換. る。 全電化システム. 算値は受電端効率 50%を想定して、7.2[MJ/kWh] となると言われている。系統電力の高効率化によ. 年間 1 次エネルギー消費量. 1 00. り、全電化システムの省エネルギー効果が大幅に 向上することとなる。しかし PEFC についても現. 78 CO 2 H P給湯機 設置. 全電化システム1. 従来システム1. 在盛んに開発研究が行われているため、数年後に は機器効率が上昇しているものと考えられる。そ. E HP エアコン(トップランナー機). E HP エアコン(従来機). 82 居間に床暖房 設置 CO 2 H P給湯機 設置. こ で 、PEFC-CGS の 排 熱 回 収 効 率 は 現 行 機 の 51.5%とし、発電効率を 35%、40%(2010 年以降. 全電化システム2 E HP エアコン(トップランナー機). の導入段階における仕様目標、HHV)とし、系統 電力は MACC 発電によるものと想定した場合の. 1 次エネルギー換算値 電力:7 .2 (MJ /kWh) ガス:45 .9 (MJ /Nm 3). 図 8 全電化システムの省エネルギー効果. 住宅設備システムの検討を行う。ここでは、全電 化システム 1、全電化システム 2 と前検討で省エ. (系統電力:MACC 発電). ネ ル ギ ー 効 果 の 高 か っ た PEFC-CGS2 、 PEFC-CGS4 を対象とする。. 固体高分子形燃料電池 CGS. 固体高分子形燃料電池 CGS.   発電効率: 35 % 排熱回収効率: 51 .5 %. 5.2 計算結果 算出した各システムにおける年間の 1 次エネ ルギー消費量の比を図 8、図 9 にまとめて示す。 従来システム 1 の年間 1 次エネルギー消費量を 100 とすると全電化システム 1 は 78、PEFC-CGS2. 1 00. 80 PE FC - C GS 設置. 77 PE FC - C GS 設置. 従来システム 1. PE FC- CGS2. P EFC- CGS 2. EH Pエアコン(従来機). EHPエアコン(トップランナー機). EHP エアコン(トップランナー機). 居間に床暖房 設置 PE FC - C GS 設置. における数値は、発電効率 35%の場合で 80、発 電効率 40%の場合で 77 となった。また、床暖房.   発電効率: 4 0 % 排熱回収効率: 5 1 .5%. 年間 1次エネルギー消費量. 88. 居間に床暖房 設置 P EF C- C GS 設置. 85. P EFC- CGS4. P EFC- CGS 4. EHPエアコン(トップランナー機). EH Pエアコン(トップランナー機). 1 次エネルギー換算値 電力: 7 .2 ( MJ /kW h) ガス:4 5 .9 (MJ /Nm 3 ). を設置する場合は PEFC-CGS よりも全電化シス テムの方が省エネルギー効果が高く、現行の電力. 図 9 PEFC-CGS の省エネルギー効果 (系統電力:MACC 発電). 1 次エネルギー換算値を用いた検討とは逆の結果 となった。MACC 発電の本格導入時期、全電化シ ステムと固体高分子形燃料電池 CGS のどちらが 省エネルギー性能の高いシステムであるかは、 PEFC の発電効率が 40%程度を達成しているか否 かという点で評価できそうである。しかしながら、 系統電力の発電効率が受電端で 50%を達成した としても、総合効率では PEFC-CGS の 80∼90% の方が高い値である。PEFC-CGS には、吸収式冷 34-4. 【謝辞】 本研究は科学技術振興機構戦略的創造研究推進事業研究課 題“スループットを最大化する住空間システム”研究代表 者:松藤泰典教授(九州大学大学院)によるものである。記 して、謝意を表します。 【参考文献】 1) 空気調和・衛生工学会シンポジウム「住宅における生活 スケジュールとエネルギー消費」テキストと付属プロ グラム「SCHEDULE Ver2.0」 , 2000 年 2) 林 徹夫:マイコンによる住宅の多数室室温変動・熱 負荷計算プログラムの開発 ,住宅総合研究財団研究年 報 , No20, pp.334-346, 1992 年.

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