• 検索結果がありません。

子供を媒介にした地域社会参入のシステム -

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "子供を媒介にした地域社会参入のシステム -"

Copied!
2
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

The Development of the Community Systems through Children

- Research on the Neighboring Communication in the Mini-development Residential Section S of the 1960s (Part.2) -

Minoru SUGIURA, Yoko SONE

子供を媒介にした地域社会参入のシステム

1960

年代ミニ開発住宅地区における近隣コミュニケーションに関する研究(その2)-

日大生産工

(

)

○杉浦 稔 日大生産工 曽根陽子

1 はじめに

本稿ではS地区内にある大小さまざまなグルー プ活動の内、子供を中心とした三つの活動(少年野 球、青少年育成部、PTA)を取り上げ、子供を媒介 にした地域社会参入のシステムについて報告する。

2 調査方法

①ヒアリング調査

少年野球チームの会長(60代男性)監督(40代男 性)コーチ(30代1人、40代6人、50代2人、全て男 性)保護者(30代5人、

40代5人、全て女性)、S町

内会青少年育成部役員(40代4名、全て女性)に、

年間の活動や行事についてヒアリング調査を行い 記録した。

②参与型ヒアリング調査

筆者らが実際に少年野球の練習や試合、青少年 育成部が計画した活動、

S町会が主催し少年野球チ

ームと青少年育成部が参加する地域行事に参加し、

気づいたことを記録した。(表1)また、行事参加 者にヒアリングを行った。

調査期間は2007年4月~2008年9月、調査回数は

18回である。

調査結果

3.1「Sジャイアンツ」について 1)Sジャイアンツの活動

少年軟式野球チーム「Sジャイアンツ」は、平成 元年からS地区住人の中で有志のボランティアに よって発足された。Sジャイアンツのメンバーは、

S小学校の生徒が中心で2007年の人数は6年生9名、

5年生1名、4年生以下15名の計25名である1)

。練習 は毎週土日の午後であるが、ほぼ毎週公式戦や練 習試合が行われているため早朝から集合し試合に 備えている。2007年は年間に62試合

2)

行った。

Sジャイアンツは野球以外にもS地区の各行事に

参加している。春と夏にはS町会が主催する青少年 まつり(餅つき)と夏まつり(子供御輿)、秋はS 公民館が主催する文化祭(模擬店)である。

Sジャイアンツの保護者は子供が参加する活動全

てに参加しサポート役に徹している。具体的には、

練習時は当番制で3~4人でお茶出し、試合時には応 援はもちろん、車での送り迎えを行っている。練

習・試合以外には夏と冬に合宿と称してキャンプや スキーに引率し、親子同士の親睦を深めるために親 子ソフトボール、クリスマス会、新年会を企画運営 している。また、地域活動では、夏祭り・文化祭の 模擬店で活動費を稼ぎ、青少年まつりではもちつき の料理のお手伝いをしている。(図1)

2)コーチについて

現在、Sジャイアンツにはコーチが14名いる。

彼らは、保護者の中で野球に興味のある人が監督 や会長の誘いでチームに参加するケースが殆ど である。具体的には、保護者が子供の応援をして いるうちに頻繁に練習にも顔を出すと、会長や監 督に「良ければコーチしてみませんか」と誘われ る。そこで、興味のある人はそのまま練習に参加 し新しいコーチとして向かい入れられる。このよ うな保護者からなるコーチは、子供と一緒に卒団 する人もいるが、多くの人がそのままコーチを続 けている。

3)保護者の地域社会参入について

地区内にある大小様々なグループ活動の一つ であるSジャイアンツは、地区内の各行事に積極 的に参加しているため、他のグループ活動のメン バーとも密接に関係している。このため、Sジャ イアンツに子供が参加することで保護者が他の グループ活動のメンバーに顔見知りや友人知人 ができ、自然と地域社会に参入するシステムが作 られている。

Sジャイアンツの保護者多くは子供の卒団と共

に地域活動をやめてしまうが、活動時代に仲良く なった人との付き合いはその後も継続されてい る。また、Sジャイアンツが行う地域活動は新し い子供の保護者によって継続している。(図2)

図1 Sジャイアンツ保護者の夏祭りでの模擬店の様子

表1 調査した行事・活動

少年野球 ・第95回川口市少年軟式野球大会 2試合

・練習 6回

青少年育成部 ・子供アトラクション(夏祭り) 2回

・子供研修会(川口市科学館) 1回

地域行事 ・青少年育成まつり 1回

・夏祭り 4回

・文化祭 2回

(2)

3.2 S町会青少年育成部について 1)青少年育成部の活動

S町会には地域社会を通じて子供を育てるこ

とを目的とした青少年育成部がある。青少年育 成部の役員は40代の女性4名である。青少年育 成部の主な活動は第1 ・3土曜日にS公民館で会 議を行い、S地区の子供のための行事や活動の 計画運営である。具体的な活動は、夏祭り(輪 投げやクジ、ストラックアウトやPKなどのアト ラクション)(図3)、ラジオ体操(夏休み中のS 小学校のグラウンド)、春と秋の子供研修会(荒 川遊園地、川口市科学館など)である。また、

各活動に青少年育成部がS町会の組織であるた め、町会の役員がサポートをしている。

2)青少年育成部役員とPTAの関係

青少年育成部の役員は現在あるいは元PTA

3)

の役員である人が殆どであり、

PTA役員と深い

つながりがある。しかし、PTAから青少年育成 部に強制的に参入するシステムはなく、青少 年育成部役員や友人知人からの誘いで参加し ている。

例えば、Aさん(40代女性)はPTAの役員を務 めている時に、近所に住む友人で青少年育成部 の部長であるWdさん(60代女性)に誘われ参加 を決めた。

一方、

Aさんの誘いによりPTAから青少年育成

部に参加した人たちもいる。その例は、

Wtさん

(40代女性)Tさん(40代女性)Mさん(40代女 性)である。彼女らはAさんと小学生・中学生 の子供が同学年でPTAを三年間一緒に努めたこ とで絆が深まり、Aさんが青少年育成部に参加 して一年後、Wdさんの推薦

4)

により青少年育成 部部長に就任した時から参加している。(図4)

3)比較的若い世代の地域社会参入について

青少年育成部は、高齢者を中心とした町会の 組織の中で比較的若い世代

5)

の人が活躍してい る組織である。これは現在あるいは元PTAの役 員で成り立っているからである。

一般の地域自治体の組織はどこにおいても 高齢化やメンバーの固定化が問題視され、自治 会の若返りや更新がされていないのが現状で ある。しかし、

S

地区では子供を媒介に比較的 若い世代の人が地域社会に参入するシステム が存在し、町会の若返りやコミュニティの継 続・更新が成されている。

比較的若い世代の人が地域の行事や活動に 参加することが少ない現在において、S地区に おける子供を媒介に地域社会参入のシステム は、これからの地域計画やコミュニティを形成 する要素として役立つと考えられる。

【注釈】

1) 近隣のさいたま市B小学校からも生徒が参加している。

2) 年間(平成19年度)62試合行い。うち公式戦が39試合、

練習試合が23試合。

3) S町内にあるS小学校のPTA役員。

4) WdさんはAさんを青少年育成部部長に推薦後辞任。

5) 30代後半~40代。

【謝辞】

本研究に際し、Sジャイアンツ、育成部の役員の皆様をはじめ S地区住民の皆様には多大なご支援ご協力を賜りましたこと をこの場を借りて御礼申し上げます。

図2 少年野球を通じて地域社会参入のシステム

図3 夏祭りでの青少年育成部の活動の様子

図4 青少年育成部とPTAの関係

参照

関連したドキュメント

2面 ●子どもの見守りアンケート結果から ●子ども会スポーツ大会(駅伝)結果について ●学校紹介⑩

[r]

次代の社会を担う子どもが健やかに生まれ、育成される環境を整備すると

青少年にとっての当たり前や常識が大人,特に教育的立場にある保護者や 学校の

 母子保健・子育て支援の領域では現在、親子が生涯

女子の STEM 教育参加に否定的に影響し、女子は、継続して STEM

① 新株予約権行使時にお いて、当社または当社 子会社の取締役または 従業員その他これに準 ずる地位にあることを

この大会は、我が国の大切な文化財である民俗芸能の保存振興と後継者育成の一助となることを目的として開催してまい