防災科学技術総合研究報告
第29号 1972年3月
551,556.6:699.8:111
高層建築物の風圧性状に関する研究
* ** *** ***
牧野 稔・和泉正哲・中原満雄・佐藤 卓
建設省建築研究所
Wind Pressure Measurements on Ta1l Buildings in the GustyWind
By
Minom Makino,Ma胴■10ri lzumi,Mitsuo l,1aka11araand Takashi Sato 肋〃加8他∫θακ〃〃鮒1〃θ,〃肋∫卯oグ0o〃∫舳c〃o〃,肋りo
Abstract
Fo1lowing a brief review of fie1d wind pressure measurements on bui1dings both in Japan and foreign countries,measured and analyzed data on a Waseda University building
(18−storied)are presented as fonows=
1. Ana1ysis of differences of the wind pressure prope正ty between windw肛d and1ee,vard sides.
2. Statistical analysis on the Ielation between the wind pIessu正e and the re−
sponse of the building−
3. The comparison betweell the wind pressuエe distribution derived from the wind tume1test and that derived from the full−sca1e measurements.
The Oe1d tests show some difference from corresponding w1nd−tunne1tcsts,though the latter has the similarity prob1em.The present design−wind loads(replaced static load)arerechecked,and some functions for stochastic ana1ysis肛e conside正ed.The正esults show the possibility of the determimtion of the functions thmugh wind−tunne1tests,
provided that the sim皿arity between the models and actual bundings is we11satisfie吐
目 序 135 1,高層建築物における風圧測定などの
縦週と現状 135
Z 早大理学部1号館における風圧測11二巨 136 序近年わが国においても高層建築物が順次建設さ れる気運となつた。これら市街地の高層化に伴い,
市街地においては,強風時に風向や風速分布がか なり変動することが予測され,建築物に与える影
響も,
i)構造骨組の設計に関するもの 1i)外装材の設計に関するもの
1ii)居住者の物理的あるいは心理的不安感に感 するもの
などが考えられる。
これらの影響は風洞実験のみでは解決できない 点を多く含むので,強風時に実際の建物について,
3.4.
附 参
次
風洞実験による風圧測定 考 察
各種統計量の数値計算について 考 文 献
142 144 145 145
風圧愛動,建物の振動ならぴに変形などの挙動を 測定し,その性状を解明しようとするものである。
なお,本研究のうち,早大理工学部1号館に関し ては,早大の松井源吾,永井亮一,風間了他の各 氏,気象研の相馬清二,江口博の各氏,日立エレ ベーター研究塔に関しては,日立製作所・日研の 早瀬俊一邸他の各氏およぴ東日建設コソサノレタン トKKの蔵方昭治他の各氏の御協力をいただいた。
ここに関係各位に厚く謝意を表します。
1.高層建築物における風圧測定などの経過と現状 1.1 我が国における既往の研究
我が国においては耐風設計の重要性は,昭和9
*元第2耐震研究室長・工博 **振動研究室長・工博,米米米枝管
最近の都市開発に伴う水害拾よぴ風害に関する研究 防災科学技術総合研究報告 第29号 1972
年の室戸台風において,木造の学校校舎の大被害 を生じたものが多く,児童生徒に多数の死傷者を 見たことより強く認識されるようになつた。この 終験は建物の設計上および構造Lの改善となつて,
以後台風などによる風0)被害を少なくするのに役 立つた。戦時巾は格納庫の.没計のために風洞実験 がf∫われ,新たな知兇か加えられたが,実測と此 較する気運はなかつた。
戦後・建築研先所においては,亀井が実際の各 種建物について,H然風中で牛として風力係数の 測定を行い,風洞o)幣流中での実験値とかなり差 異のあることをホしたが,深く追求されずに終つ
た。
最近に至つて,高層建築物が続々建設されるよ うになると,これらの建築物で風圧の実測を行う 気運が生じ,幾つかの計画が立案され,一部実行 に移さ㍗始めている。しかし一方では,高層建築 物周辺での風速の増加と,風の乱れによる障害が 問題とされるようになり、都市開発の観点からも 風の竹状を研究しなけれぱならないとする気運も 生じつつある。
1.2 諸外国における既往の研究
高層建築物の風月三性状の実験的な研究は,1940
年頃Empire State Bui1dingについて行われ
たが,以後戦争の影響のためか実測についての報 告はほとんどない。1963年に初めて風の構造物に及ぼす影響につ いての国際会議がイギリスで開催され,実測の重 要性が喚起された。そして,1967年のカナダの 国際会議では,イギリス,オーストラリヤ,カナ ダおよびオランダにおける実測結果が報告された。
イギリスにおける研究は一番早く,Newberry は窓ガラスに取り付けられるような薄型の電気抵 抗線歪計を利用した風圧計を開発し,ρソドン市 街で実測を閑始し,
a)壁舳(風が直角に吹くとき,風圧力は風上 面に大きく現われて,風下面には現われない。
b)部分的に強い吸引力が作用するのは,長手 方向に沿つて浅い角度で風が吹くときで,一秒以 下の短いガストになつていて,最大値は風圧係数
で一2.5に達する。
等が報告されている。
オーストラリヤでは,メルポルン大学の建物で 30秒以上の長い風のガヌトの影響を解析して,
風洞ての模型実験と比較し,風の孤抗係数や力の 作川点は,ほ二一」致するが,風ハ三分布はみだれ劫
く完令プよ一致を見ていない。
カナダではモントリオール市の建物での測定結 果と境界層風洞での実験とを比較し,風洞実験の 有効性を検討し,オ・ランダでは,鉄骨遣アパート の柾の歪と,風速,1己録の長舳削の杣閑より統討的 な収汲いの妥当性を検証している。なお,■メリ カやホンコンで人規模な実験計画が立案されてい
る。
1.ろ 高層建築物の風圧測定の問題点 各国で臼然風中での高屑建築物1フ)風圧性状が尖 測されているか,いすれも自然現象を把握して,
これより普遍竹を見出すことをねらいとしている。
最終的には自然風中での測定結果が風洞実験て町 現できれぱ,普遍性は確立されたと見ることがて きるので,各国で目然風そのものの研究,〔然風 と近似せしめる実験技術等,広範な研究が展開さ れている。しかL一般には実際の建物に作用する 風の構造を充分調べることは周辺の条件や費用の
面で不口∫能に近い。また風洞実験では後流を相似 せしめるカ法が確立されていない。このためアナ
ログコソピユー一ターを操作するように,風洞実験 を駆使することはできない。
円然風の性状は非常に複雑で,迂遠であるが,
実測にまたねぱ解明できない間題点が多い。実測 は一般に非常に費用がかさみ,しかも得られるデ ーターか限定され易い欠点があり,能率的でない が,現状では,一歩一歩問題ごとに実測で検討し なけれぱならないのではなかろうか。
2.早大理工学部1号館における風圧測定 2.1 測定方法
測定を行つた建物は,地上18階の早大埋工学
部1号館で,贈鉄新宿駅の北方約1.5kmのとこ
はに建つている。建物の概要および周囲の状況を図一1〜2および写真一Iに示す。建物壁面に加
わる風圧力を測定するために前面にブレースのな い位置を選んで風圧計を窓ガラス面に取り付ける ことにした。その結築,隅数階と奇数階とでは風 圧計の取付け位置がや二すれることになつた。図一3に風圧計の収イーけ位置を示す。以下では風 圧計の位置を同図の各階を示す記号と窓ガラスの
タテの列につけた記号とによつて示す。(例えぱ
11階の35のタテの列の位置は11F3Sとする。=
高層建築物の風圧性状に関する研究一牧野・和泉・中原・佐藤
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図一1 一般階平面図
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周囲の状況(鈴木 悠氏撮影)
図一2 立 面 図
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なお,風圧計は英国のBui1ding Research StationにおいてC.W.Newberryらによつて
開発されたB.R.S型を使用し建物の窓ガラスを 円形の穴あきのものに取り換え,これに風圧計を 取りつけた。風圧計に作用する背面圧を各風圧計 について同一にするような処置を行わず,壁面の 差圧を測定することにした。また中央ペントハウ ス屋上北西の隅に設置されたプロペラ型の風向風 速計によつて,風向およぴ風速を測定した。2.2 測定およぴ解析結果
ここでは昭和44年4月および8月の測定の場
合について述べる。4月の強風は,温帯性低気圧南 o 允 缶
図一3 風圧計の取付位置
に起因したものであり,8月の強風は,台風22
号によるものであつた。風圧測定は,上記の強風 時のうち,特に風の強い.時を選んで行つた。(11風圧記録の考察
表一1には測定日時,風速およぴ風圧力の各種
の値について示したが,解析に当つては600秒
間の風圧記録を1秒間隔にサソプリソグしたもの をデーターとした。風圧計は合計11ケ取付けた が,いろいろな都合で欠測となつたところもある。図一4は変動風圧力の記録の例であるが,これら の記録によると,いずれの場合にも風下面では風 上面に比較して風圧力がかなり小さく,風上面と 風下面とでは風圧力の波形には,はつきりとした
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廿■■ 一L →図一4 風圧測定記録(Da t a No.4)
最近の都市開発に伴う水害およぴ風害に関する研究 防災科学技術総合研究報告 第29号
1972
表一1 測定記録の一覧表
風 速
DataM 測定日時 壁面の風圧力(Kg/榊2)
早 大
気象庁
測定位置 言己録の長さ と限値共 平均値 下限値共 標準偏差瞬問最大
18F6S
0. 一1.4 一3.O O.61969年4月2日 瞬間最大
18F2N 600sec
11.2 4.4 一〇.6 2.21
12時35分より 風速12m/S 風速1?.6rrレ/s18F4S
一〇、8 一1.9 一3,6 O.418F4N
△t=1SeC{ N=600ケ14−0 6.9 1.9 2.3 風向NNW 風向NNW
11F3S
1.0 一1.4 一3.8 O.611F3N
14,7 8.1 4.5 2.318F6S
30.4 12,4 一1.9 5,91969年4月4日 瞬間最大 瞬問最大
18F2N
4.O O.1 一4.O 1.22 風速19n1/S 風速20.On1/s
18F4S 600sec
32.1 15.2 2.4 6,515時18分より
18F4N ㌃二111二
4.8 1,6 一1.6 O.?風向SW 風向S 11F3S 11F3N
28.75.2 13,3O.8 一5.22.ワ 1.O5.8瞬問最大 瞬間最大
18F6S
21,9 5.4 一1.5 4.11969年4月8日 風速16m/s
18F2N 600sec
1.8 一2.2 一5.4 1.33
13時52分より 風速23,7n1/s18F4S
㍑二111二 22.1 6.0 一1.7 4.918F4N
一1.O 一2,6 一5.6 1,2風向SW 風向S 11F3S
22.6 7.O 1.O 4.111F3N
1.9 一1.5 一3.8 1.1瞬問最大 平均風速
18F4N
O. 一1.5 一3.2 O.412.O叫/s
18F4S
43.9 8.4 一17.3 12.51969年8月23日風速15m/s
18F2N
3.2 一〇.5 一5.? 1.512時より
18F6S 600sec
53,5 19.5 O. 1O.5風向 S
1?F3N
3.O 一〇.7 一5.7 O.84 17F3S
{△t=1SeC N=600ケ52.O 21.O 2.7 1O.7 瞬問最大
1?F5S
49.2 21.1 4.4 1O.O風速30.4m/s
11F3S
45.O 22.3 9.1 7.7(12時22分)
11F3N
一〇.6 一4.9 一10.9 1.O11F1N
一〇.3 一4.1 一10.2 1.6風向S 11F5S 18F4N
39.323,9 13.51.2 一1.62.6 6.61.3瞬間最大
18F4S
48.2 ?.O 一29.6 12.21969年8月23日風速13m/s
18F2N 240sec
4,6 1.O 一L8 1.118F6S
58,O 11.4 一33.O 15、?12時18分より
1?F3S に1二c
50.7 19.2 4.1 7.?5 風向S 17F5S
40.1 17.1 3.O 6.611F3S
40.3 19.8 6.5 6.511F3N
一〇.3 一4.O 一6.4 O.811F1N
一〇.8 一4.4 一10.2 1.511F5S
30,9 10.8 O. 4,6瞬間最大 平均風速
17F5S
一3.O 一12.1 一35.5 4.91969年8月23日風速11m/S 14.3m/s
11F3N 600sec
6
13時52分より 6.ワ O.7 一2.4 1.4風向S
風向SSW11F1N
△t=1SeC{ N=600ケ8.4 4.5 2.3 O.?
11F5S
一3.3 一8.8 一22.4 3.218F4N
O.3 一4.818F4S
一2.4 一15.2 一20.7 2.8瞬問最大 平均風速
18F2N
2.3 O.2 一2.5 1.21969年8月23日風速21m■s 1O.8m/s
18F6S 600sec
16.2 3.4 一3.2 2.6? 14時50分より 風向 S 風向SSW
1?F3S
△t=1SeC 16,3 3.2 一2.4 2.ワ17F5S
N:600ケ 5−4 一4.1 一24.6 3.711F3N
8.2 也5 2.4 O、?11F1N
3.6 一〇.1 一3.1 1.O11F5S
O. 一〇.6 一12.4 2.2備考
N 米上限値一下隈値の意味は,変動風圧力が平均値を中心にし 早大理工学部一号館 て,上限値から下限値の範囲
内の値であることを示す。
1突 △tはサノプリノグ問隔
Nはサンプル個数
高層建築物の風圧性状に関する研究一牧野・和泉・中原・佐藤
違いが認められる。
(2/風圧.分布
表一1に示した値によつて風圧分布を立体的に 図示すると図2■■■5のようになる。同図の左は風が 風上面にほ一ぽ垂直に当つた場合であり・右は約
45oの角度をもつて当つた場合である。これに
よると,風上面は風下面より風圧力がかなり大き く,建物に加わつている全風圧力の大部分は風上 面に加わつているとみることができる。同図の中の下殿の数値は解析した600秒の記録中の最大
¢)風圧力を示したものであるが,これを見ると・
平均風圧力に較べて瞬間的には,かなり大きな風 圧力が作用していることが知られる・この場合の 瞬問的な最大の風圧力と平均風圧力との比は,風 上面ではZ0〜3−O程度であるカ㍉見付面の中央 都よりも端部の方がやや大き目な傾向がわずかに 伺える。風下面の場合も上記の比は,多くの点で 2・O〜ふO根度であるが,犀上に近い端部の点に は,平均風圧力が小さいので,かなり大きな値を 示したところもある。
次に風圧力の頻度分布を図一6にホした。風上 およぴ風下面のいず:rしの面の場合にも一定の分布 型をホさず,止規分布との適合度は良くないが,
風圧力は多くの場合,平均値を中心として・ほ∫
士3σ(σは漂準偏差)の範囲内となつている。
図一7には二次元頻度分布(Two−Dimentiona1 Histogram)を風上および風下面の場合につい
て,その特徴的なものを示した。これらの凶一一7〜図一10によると概して風上およぴ風下面の同 一壁面上の2点では,同じ程度の大きさの風圧力 が同時に作用することが多いが・風下面上の2点 では,一方の点に大きな風圧力が作用している場 合がかなり多いことを示している。
(3/風圧力の動的な性質
図一4のような記録を,風向が受圧面に対して,
ほ∫垂直な場合について観察すると,風圧力の波
形は,風上面の場合には,50〜150秒程度の
比較的長い時間間隔で風圧力が全体的に大きく変 動しており,その上に更に各種の短い周期的な変 動成分が加わつたような波形をしているが・長い 時間間隔の変動も短い周期的な変動も,その含ま れ方は極めてラソダムである。これに対して風下 面の場合には,激しい短周期成分の変動が少なく・かなり周期的である。これらのことを次に統計的 解析結果によつてホす。
3S4S 5S6S 1N2N 3N4N
1817 ●152{1,14〕 ●124093〕 0j(OO1〕 1も02〕 18F
17F
32.1 3 40 ω
11F ■ ■08(◎96〕 11F
1330.O〕
28,7 52
{百(OL上石〕 づヒ石(口■下面)
幽
17F
1N N 4N
18 伽38︶.39
19;○田) 一敏002) ●一15{00η 18F
1
● 535 一57 一32 17F カ以α弘) 21.1{095 一07←003)5ω 的2 一5フ
11
● 1F
η3uO〕 135(06 〕
450 黎3 ㈹)潜0η〕
白百〔旦上石〕 北己(几下面〕
D^TA NO!
( 上貝ω彼む
年灼,L圧力(仰 〕 丁段o孜む
^大風圧カ(}μ〕
11F350平均雌カを■幕とした比♀
{,舳㌫a
図一5 風圧分布(風向ガ及ぴ45。の場合)
18F17F
1F
{o 11F3S 11F5S 16F6
一コー20■1→姐軌げ竈●□〃o 102030一釦一t 山〕30−30100
t030
口
二向
11F3N 11FlN 18F2N
1
_30一止Doω30一コー1 o 0 一 _ noo
m30
一3D 一一〇 〇一0 30 −3D lo o山〕 30
図一6 風圧力の頻度分布(D AT A 岨4)
図一11拾よび12は,自己相関係数Rノ(τ)春 よびスベクトル密度S1ぴ)(附参照)の例として 表一1のデータκ4の場合について示したもので ある。これによると,風上面では,周期性はほと んど認められないのに対し,風下面では,約10
〜12秒(O.1〜O.08Hz)程度の周期性が認めら れる な拾,ここに示さなかった場合も考え合わ
○せると,同一壁面上の受圧面におけるスベクトル は全体的な傾向は似ているが,位置によって,周
最近の都市開発に伴う水害春よぴ風害に関する研究 防災科学技術総合研究報告 第29号 1972
姐50
先
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一5C−40−30−20−1001−02◎304050 一一一)短牟化Lた昆圧仙1?F3s)
畑潅50
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一4
團圏圓團口□
一〇〇、止上 99』50 49_25 2ξ_5 4_ 1 0図一7 風圧力の二次元頻度分布(DATA附.4 風止面)
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−i一◆規牟化Lた鵬な{1?F3N)
團圏囮團ロロ
一◎O.仙 蟹_50 49_25 24 5 ム. 1 (図一9 風圧力の二次元頻度分布(DAT A No4 風下面)
姐
牟化4
走風3
圧旭2
︺⁝
一50 40−30−20 −1C 0 1」0 20 30 40 50 ■■■■■ ・・一 タユ牢4b Lた凪圧但01F3S〕
團圓回国圓□
1004止 99−50 49−25 24−5 4−1 0図一8 風圧力の二次元頻度分布(DATA No.4 風上面)
波数成分の含まれ方は異っており詳細な動的な件 質は受圧面の位置によってかなり異っていること が推定される。
図一13,14は,同一一壁面上の2点に拾ける
風圧力の問の相互相関係数Rx y (τ)の例を示したものであるが,傾向的には風上面の場合には,
τ二〇秒の附近のところに高い柵関をノ」ミす傾向が 顕著てあるが,風下面の場合には,そういう傾向 は少ない。また図一13,14にはR■パτ)の値を,
Zagτの関数として表わしたが,ここでτが特
定のときの値,例えぱτ=τ。のときの相互相関係 数Rxy(τ。)を考えると,これはτの関数ではなく定数であって,2点に拾ける風圧力の集合{xi}
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風圧ノ」のn己杣関係数(Data No・4)
高層建築物の風圧性状に関する研究_牧野・和泉・中原・佐藤
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α01 01 10 一一一一◆犯功徴(Hl〕
図一12 風圧力のスベクトル密度(DATA No.4)
と1・i・、1(i一…,・・・・・…廿)との間 の関連性を表わす梧関係数でもある。こうした見 方から風上面釦よび風下面の中央部に拾ける風圧 力と,それぞれの面上のその他の点に拾ける風圧 力との相関性をτ=qの場合について相関係数によ
って立体的に図示すると図一15のようになるo
な拾,この図ではO印の位置の風圧力と・印の位 置の風圧力との相関係数を1印の位置に記入した。図一13〜図一15からみると,風上面の場合に
は,同時刻に拾ける2点の風圧力の間の相関係数 ば比較的大きく,加gτ が大きくなるにつれて 相関性は小さくなってゆく傾向が認められる。一 方風下面の場合には2点の風圧力の相関性は余り 高くなく,必ずしも同時刻における相関が一番大きくはない。この違いは・風上面が自然風の構造 と,また風下面は建物の後流の性質と関係してい ることを示しているものと考えられるo
(4)風圧と建物の応答
昭和46年9月14日の台風22号の接近時に,
18Fの加速度の測定を行った。その結果は,一
般に1次の曲げ振動とねじれ振動が混在し,時折N−S方向の曲げ振動のみが観測されたが,E−
W方向の曲げ振動は観測されなかった。図一16
ユ
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05図一13
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ノ ・ 一 、・・㌔ イ0911
10ソτ㌻ 。Oふ160
風圧力の相互相関係数(DATA心.1)
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一60ト50一ω一30一 ゴニ10しv 10 蜘 50 60
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図一14 風圧力の相互相関係数(DATA No4)
3S4S 5S6S 1N2N 3N.4N
18F ●035 ●036 ●Q61
I=
17
一〇]1
1=
11F o 0 1F
lO lo
竈〃.o (α丁日) =叱々」石 (凪上o)
㎜
F F
1F
3.4 5S.6 1N2N 3N州
移F ● ● ● ●
F
.077 .072 一Q01 ● 004
一Q08
F
086 080
11F ○ ● ■ O 1F
口 079 αOC り
竈ηo(凪」=竈〕
図一15
F F
工仁〃o(瓜下6〕
D^τA N〇一 1og7;0se〔の篶合∩1日互堀口原ユR身㌣t〕
同一・壁面上の2点の風圧力の聞の相関性
最近の都市開発に伴う水害およぴ風害に関する研究 防災科学技術総合研究報告 第29号 1972
○方り 向
A EW BE・W
l N・S
3〜S 6N−S 8 S
(A) (B)
(ω郷定虹形
ユ 4 6
く
旧川臭
ω変形凸㌫
図一16建物の応答(18Fの加速度、昭和42年台風22号)
のaはその時の加速度波形の一部である。(加速 度計は18Fの廊下に設置した。)a図の①通りと
⑧通りが同位相のA時点の振動周期は約1.1秒,
逆位相のB時点では約O.87秒で振動している。
逆位相の場合の18Fの床面の変形状態を加速度 が最も大きい時について示すと図一16−bのよ
うになる。な拾,早大が行った強制振動実験によると,この建物の1次国有周期は,N−S方向が
1.1O秒,E−W方向がO.89秒である。(参考
文献1参照)次に建物に作用する風圧力と建物の変位との同 時測定の結果を示す。測定は,前述の昭和44年
台風9号の時で表一1のData〃6拾よび7の時
刻頃に行った。図一17は,同時刻における風圧 力と変位波形の包絡線である。両者の測定波形は ほぼ対応しているが,細部にわたっては多少のずれ がある これは建物全面で風圧力が一様で在く時 ○問のずれもあり重た建物も瞬間的に風圧力に追従できないこと等によるものと考えられる。これら の風圧力と変位応答との関連性を調べるために,
頻度分布,自己相関々数およびスペクトル密度の
比較をしてみる。図一18は17F5Sの風圧力と
18F⑤通りN−S方向の頻度分布であるが,風
圧力の場合は図一6の場合と同じような傾向であ り,変位応答の場合には,応答に期待されるように正規分布に近い。また図一19釦よび20は,
自已相関関数拾よびスペクトル密度であるが,い ずれの場合にも風圧力と変位応答とでは傾向的に
よく一致している。
& 風洞実験による風圧測定 (1)風洞実験の方法
ゲッチソゲーン型風洞(気象研究所,吹出口径
1.45m)により写真 2に示すような1/200の
模型を使用し・層流歩よび乱流格子による3種類の乱流中に拾ける風圧分布を傾斜多管マノメータ
図一一17 風圧カと変位応答との同時潰1」定記録 蔓
遺⁝
蓬
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20
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㎜リ
1
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㎜リ
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1Jが∠ 1 rつ⊃
衡 2
30 (鶉C)60
10 1352 崎
11FlN
風圧1
◎
30
(SeC) θo3
1352 寄 18FN−S30 (SeC) 6C
図一18 風圧力およぴ変位の頻度分布
13崎52 17F5S
図一19
︵黙
風圧力
60
変雌盾炊
風圧力およぴ変位応答の包絡線の自已相関関数
5 ω 風圧力 5(H一〕(ω
図一20 風圧力および変位応答の包絡線のスペクトノし密度
高層建築物の風圧性状に関する研究一牧野・和泉・中原・佐藤
一によって測定した。使用した乱流格子とそれら による風の乱れの測定値(熱線風速計による)を 表一2に示す。また模型地面盤上の境界層の高さ は層流の場合で1O〜20㎜程度であり,格子のあ る場合には定常流への遷移が明瞭でないが・ほぼ 似たような性状を示すようで,いちじるしい差は ないo模型との関係では,ほぼ1階部分が境界層 に含まれる部分である。
写真一2 風洞実験用模型
一 unlor11、 ,1o}
一一一一9−i ^ ・・一・・一… 町1d 日 ・一・一・一〇fid C
0・
ド 憤1
(2)模型建物の風圧分布
代表例として,11Fに拾ける0。,453,85o,90。
の各風向に対する.風圧係数の変化を図一21〜24 に示す。風向が側面に直角の場合には整流と乱流 とで風圧分布に大きな変化はないが,平行の場合 は乱流の方が風上に近い方で吸引力が大きく,風 下に近い方で吸引力が小さくなった。重た柱が壁 面より突出している影響が測定値が鋸型を示すな
狢 ≠
^
B C
なし 盆1.
註2.
表一2 乱流格子および乱れの大きさ
格
正カ形断廊 一辺の人 ささb(㎜〕
15 20 3u
戸 の 寸 格チの.瑚㈱
Mて□■〕
105 120 1−5
法
b/M
o,143 0,1舳 u.171
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斤
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喘rからヰ箕型中一し{1…箇まての距継は串」】.5πf 風速の瞬間値U(t〕をUω=百十uωとする、
一un1,Orm .・OW 一一一・一 町1d ^ ・・一・・一・一gnd 目 ・一・一・一町1d C
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図一22 風圧分布(風向45.11F)
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図一23 風圧分布(風向85.11F)
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図一24 風圧分布(風向90.11F)
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最近の都市開発に伴う水害拾よぴ風書に関サる研究 防災科学技術総合研究報告 第29号 1972
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図一25 実物実験およぴ風洞実験による風圧分布の比較 (風向O。)
どに表われているo正圧の最大値ぱ測定面と正対 するとき中央部分に,負圧の最大値は,風が測定 面に50の角度で当る場合に風上隅角部に表われ ているが,これらの最大値は格子の有無による差 はあまりない
o
(3)実物実験値拾よぴ模型実験値にもとづく風 崖分布の比較
図一25は風洞実験によって求めた風圧係数に もとづいて風圧分布を求めたものであるoこの図 中に実物実験値も示したが,〜二の場合,風上面の 共
11F中央で実測値が風洞実験値とほぼ一致する
ようにした。 (即ち,11F中央での風力係数が 風向がOo拾よぴ45oの場合にほぼ1.O拾よび
O.5となるように基準速度圧を定め,実測時の室 内圧係数がO.2炉O.2であったと仮定した。)図
一25,26のうち図一25は風向がOρ,図一26
は45。の場合である。模型の風圧測定点は比較的 粗く更に柱および梁が壁面より突出している影響 のたあに風洞実験値が不連続に変化するところがあり,かなり粗っぼく言とめたo図一25,26に
よると実物実験結果と模型実験結果とは風圧分布 の傾向は余り一致せず,特に風下面の場合の相違 が著しい。これは,一つは鉛直分布地は後流の相 違によるものと考えられる。4.考 察
(1) 本報告では,早大理工学部第1号館の風圧性状 について述ぺたが,ここでは別に行った日立エレ ベーター研究塔についての同種の測定結果(参考 文献2参照)とも合わせて,強風時に拾ける高層 建物の風圧性状に関して考察を行う。測定例が少 ないので断定しがたい面が多いが,2つの建物の
¥実物建物に拾ける測定風圧力は風万孫薮に対応しているもの。
18F17F14FllF8F5F2F
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1下 {i] 凪上oi I.慨鮒削…1平舳に組催。 O■
図一26 実物実験およぴ風洞実験による風圧分布の比較 (風向45。)
実測結果から考えられる最も特徴的なことは1建 物に加わる風圧力は・風上,風下拾よび風向に平 行の3つの各面に分けた場合その性質が静的にも 動的にもはっきりと異っているということであるo
これらの相違は,風上面の場合は,主として変動 風速に関係するものてあり,風下紅よび風向に平 行な面の場合には・主として建物の後流に関係す るものであるように考えられるo従って・自然風 中の建物に加わる風圧性状は・風向の変動に大き
く左右される。
(2)風に対する建物の応答を静的な量と動的な 量とに分けて考えると,静的な量は,今回の実測 の結果,①同一壁面上の風上の比較的接近した位 置には,比較的同じ程度の風圧力が作用している と考えられるが,風下面や風向に平行な面の場合 には必ずしもそうではないと考えられる。②風速 と風圧力との相関性も風上面以外の場合ではかな り小さいと考えられる。更に③2つの高層建物の 風圧測定結果から求めた風上,風下及び平行の各 面に作用する風圧力の比は,今回の風洞実験結果 釦よぴ一般に知られている風洞実験結果と余り 良く一致しない。等のことから千ると従来からの 静的な取扱い方法が,どの程度実状に即している のか疑問を感ずる0今後更にデータを集積して検 討をする必要がある
o
(3)次に風に対する構造物の動的な応答量につ いて考えてみる。不規振動理論(参考文献4参照)
によると,nケの入力一1出力の線形系の場合
には,入出力の統計量とその系の動特性の間には,形式的に書くと,次のような関係がある O
Rη(τ)=F(Rij(τ),k(t))・・ ・. .. .. 1 . (a)
Rη(τ);出力の変動分η(t)についての自己相関
高層建築物の風圧性状に関する研究 牧野・和泉・中原・佐藤
関数
Rij(τ);入力xi(t)とxj(t)の変動分について の相互相関関数
k(t) ;系のインパルス応答関数
これは,時間領域における関係式であり,Rη¢)
からは応答量の標準偏差を求めることができ,
Rη(τ)をフーリェ変換すれぱ応答量のスペクト ル密度を求めることができる。即ち/づの関係を周 波数の領域の関係に書きかえると,
Sη(∫)=F(Sijσ ),kσつ)………・…・・…(b
Sηω;出力の変動分η(t)のスペクトル密度 Sijω;入力xi(t)とxj(t)の変動分についての 相互スベクトル密度関数
kヶ) ;k(t)をフーリェ変換したもの
ここでは上の関係式から,風に対する建物の動的 応答量と風圧力の情報量との関係を原理的に見る ことによって,風応答の動的な解析のための風圧 力に関する必要な情報量拾よびその追求方法につ いて考えてみるo
(d,(b等の関係式をみると,動的応答量に関係 する風圧力の統計量としては,相互相関関数或は相 互スペクトル密度,とくに相互相関関数が1本質 的に必要な量であると考えられるo一方実測デー ターについて解析した相互相関関数(本報告では 相互相関係数として表現した)を見ると,詳細な 様子は,測定時刻や,その時の風の状態(特に風 ¥向の変化)などによって,か哀り異なると考えら れるが,一定の条件のもとに得られる多数のそれ らの統計量を検討すれば各条件下で大局的には一 定の傾向があるように予測されるoそして,もし
このことが可能であるならぱ,次の問題は,①考 えるぺき風速等の気象条件を設定する1二とと,② その条件下に券ける相互相関関数等の統計量の一 定の傾向を求めることである。しかし,考えられ る数多くの受圧面に関する相互相関関数の数は非 常に多いのでこれをすべて実測によって追求する ことは,ほとんど不可能に近い。しかしながら前 者の①については,風速の観測資料にもとづいて 考えるべきであるし,後者の②については,建築 工学の立場から考える必要がある。今回の実測デ ーターの解析結果をみると,風上面の場合でも,
風圧変動は風速の詳細な変動とはそれほど大きを 関連性がなく,それよりも風向の変化の影響の方 が大きいと考えられること また,特に,風下面 ○
拾よぴ風向に平行な面の場合には,風圧変動は,
風速の変動よりも建物の形状や受圧面の位置拾よ び風向の変化等に大きな関係があるように考えら れること等の点からみて,建物の動的応答に関係 する風圧力の統計量としての相互相関関数等の本 質的な把握は,大局的に行うのがよいのではない かと考えられ,そしてそれは風洞実験によって求 められる可能性もあり,またそれが有効な方法で はないかと考えられる
○
別な見方からすると,最近各所で,風荷重を対 象とした実物実験が行われるようになってきてい るが,建物の立地条件や使用上等の制約のため,
解析上必要とするデーターを充分に集めることは 非常に難かしい。自然風を対象としているために 実際の建物に拾ける測定が現段階ではな拾必要で あるが,これと共に,自然風の構造をシュミレー トすることのできる風洞実験技術の開発を早急に 行う必要性を感ずるo
附 各種統計量の数値計算について
2.2で示した各種統計量は,主として参考文献 3にもとづいて行ったo自己相関関数,相互相関 係数,スペクトル密度および相互スペクトル密度 等の計算は,サンブリングして得たもとのデータ
ーXiを,Xi1:Xr天のように変換したデータXi について行ったoこのとき1もとのデータXi等
についての自己相関係数Rx¢)や相互相関係数Rxy(τ)とxi等についてのRx (τ)やRx y (τ)と の間には,次の関係がある
o
・・(1)一㈲2+学・ノ(1)
X
・、。←)一x1・十S・.S.W(τ)
斥
ここでSx2およびSy2は分散とする。
1.2.
参 考 文 献
風問了地(1970):強風時の早大理工学部1 号館の応答実測とその解析,構造物の耐風性 に関する第1回シンポジューム論文集,
281−287頁
中原満雄他(1970):強風時に拾ける塔状建 物壁面の風圧性状,日本建築学会学術講演会
梗概集(構造系)287−288頁
J・S・B㎝d・t(1966):〃刎〃舳・〃α〃ルσゆ∫心・/他・do㎜
ル〃.
&H−CIandall(1963):只2〃40榊 〃 〃わη加 ξc先0 比口ξ∫γ∫■
θ〃∫.
共ここでは,平均的な主風向の変化のことを意味する。これに対し風向の変動は主風向を中心とした風向の変動を意味する。