高等学校
平 成7年 度
教 育 研 究 員 研 究 報 告 書
地 理 歴 史
東 京 都 教 育 委 員 会
平 成7年 度
教 育研 究 員(高 校 ・地 理 歴 史)名 簿
科 目 所 属 氏 名
一
都 立 国 際 高 校 金 田 喜 明
都 立 淵 江 高 校 石 黒 保 憲
都 立 篠 崎 高 校 近 藤 明 夫
日 本 史 都 立 八 王 子 北 高 校 糸 井 一 郎
都 立 多 摩 高 校 宮 部 精 一
都 立 小 金 井 北 高 校 石 戸 敏 弘
都 立 清 瀬 高 校 外 山 至 生
都 立 広 尾 高 校 浦 部 利 明
都 立 向 丘 高 校 佐 々 木 巧
世 界 史 都 立 高 島 高 校 佐 野 誠
都 立 多 摩 工 業 高 校 戸 谷 由 弥 子 都 立 清 瀬 東 高 校 小 板 橋 又 久
都 立 小 山 台 高 校 井 川 一 実
地 理 都 立 両 国 高 校 榎 本 康 司
都 立 秋 川 高 校 羽 生 英 雄
担 当 東京都教育庁指導部高等学校教育指導課 指導主事 上 原 徹
研 究 主 題
国際社会 に生 きる人間 と しての資質 を育成す る授業展開 の工 夫
目 次
主題設定 の理 由 と研究 の経過
1近 代 に お け る ア ジ ア と の 国 際 関 係 と 民 間 交 流
1
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幕 末 か ら明 治 期 に お け る 日本 人 の ア ジ ア 観
明 治 後 期 〜 大 正 初 期 の 日 中 民 間 交 流 に み る 日本 観 と 中 国 観 朝鮮半 島か らの労働者 の移住 と日本社会
国 際 法 か らみ た 日中 開 戦 に つ い て
日本 軍 政 下 の シ ン ガ ポ ー ル に お け る民 間 交 流 朝 鮮 半 島 の 人 々 と の 交 流 に 貢 献 した 日本 人
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II
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現代 の国際的課題 と歴史 的背景 資本主義 形成期 におけ る貧 困 フ ィ リ ピ ンの 独 立 運 動 と経 済 的 困 窮 フ ィ リ ピ ン革 命 に み ら れ る 国 民 国 家 観 フ ィ リ ピ ン の 都 市 問 題 と そ の 背 景
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m日 本 に お け る 文 化 受 容 一 身 近 な 素 材 を 通 して 一
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花 と 日 本 人
飲 茶 の 習 慣 を 通 して み た 日 本 と新 彊 ウ イ グ ル 自 治 区 豊 臣 秀 吉 の 朝 鮮 出 兵 と や き も の
「な れ ず し」 の 伝 播 と 「握 り ず し」 の 誕 生 日本 に お け る 西 洋 ス ポ ー ツ の 受 容
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研究 主題 国際社 会 に生 きる人 間 と しての資 質を育成 する授業 展開の工夫
主 題 設 定 の 理 由 と 研 究 の 経 過
今 日 の 国 際 社 会 は 、 冷 戦 構 造 の 崩 壊 、 経 済 の グ ロ ー バ ル化 な ど に よ り相 互 依 存 を 一 層 深 め 、 一 方 で は 、地 域 紛 争 、民 族 対 立 、 南北 格 差 な どの諸 問題 を抱 え複 雑 に変 化 して い る。 こ う し た 現 代 の 国 際 社 会 の な か で 、 国 際 協 調 の 精 神 に基 づ き 、 相 互 理 解 や 協 力 、 人 や 文 化 の 交 流 を 推 進
して い く こ と は 、 経 済 的 に 大 き な 影 響 力 を 持 っ 日本 に と っ て 、 今 後 ま す ます 重 要 な課 題 で あ る 。 そ こ で 本 部 会 で は 、 平 和 な 国 際 社 会 の 実 現 を 目指 し、 歴 史 に 学 び っ っ 、 現 代 の 国 際 社 会 の 課 題 を 的 確 に 把 握 す る と と も に 、 異 文 化 に 対 し て 寛 容 な 心 を も つ 生 徒 の 育 成 を 目 指 し、 「近 代 に お け る ア ジ ア と の 国 際 関 係 と民 間 交 流 」 「現 代 の 国 際 的 課 題 と歴 史 的 背 景 」 「日 本 に お け る 文 化 受 容 」 の 三 っ の 視 点 か ら研 究 主 題 に 取 り組 む こ と に した 。
1近 代 に お け る ア ジ ア と の 国 際 関 係 と 民 間 交 流
明 治 維 新 以 降 の 日本 の 近 代 化 は 、 日本 を 欧 米 諸 国 と 同 等 の 地 位 へ 引 き上 げ よ う と す る も の で あ っ た が 、 ア ジ ア近 隣 諸 国 に 対 して は 、 欧 米 諸 国 と同 様 、 権 益 の 拡 大 の 対 象 と して 強 圧 的 な 姿 勢 を と る 結 果 と な っ た 。 ま た 、 日 中 ・太 平 洋 戦 争 な ど で は 、 ア ジ ア な ど の 人 々 に 対 して 多 大 の 惨 禍 を も た ら し た 。 こ の こ と は 、 今 日 も ア ジ ア 近 隣 諸 国 な どか ら問 題 に さ れ る こ と が 多 い 。 一 方 、 ア ジ ア 近 隣 諸 国 と の 政 治 ・経 済 ・文 化 の 交 流 は一 層 活 発 に な り 、 真 の 友 好 に 基 づ く 国 際 関 係 を 築 く こ と が 強 く求 め られ て い る 。 そ こ で 、 こ の グ ル ー プ で は 、 過 去 の 歴 史 的 事 実 に 対 す る 認 識 を 深 め る と と も に 、 ア ジ ア 近 隣 諸 国 と の 友 好 に 努 力 し た 人 物 の 姿 に 注 目 し、 平 和 で 民 主 的 な 国 際 社 会 の 実 現 に 貢 献 で き る生 徒 を 育 成 す る授 業 展 開 の 工 夫 を 試 み た 。
II現 代 の 国 際 的 課 題 と そ の 歴 史 的 背 景
19世 紀 以 降 、 近 代 世 界 シ ス テ ム の 世 界 各 地 へ の 浸 透 は 、 ア ジ ア を 世 界 資 本 主 義 体 制 に 組 み 込 ん で い っ た 。 そ の 結 果 、 ア ジ ア で は既 存 の 伝 統 的 社 会 が 変 質 し 、 貧 困 や 民 族 対 立 な ど を は じ あ と す る 、 現 代 の 国 際 社 会 が 抱 え る 構 造 的 課 題 が み ら れ る よ う に な っ た 。 そ こ で こ の グ ル ー プ で は 、 現 代 の 国 際 社 会 が 抱 え る課 題 の 歴 史 的 背 景 な ど に 着 目 し、 「フ ィ リ ピ ン の 独 立 運 動 と 経 済 的 困 窮 」 「フ ィ リ ピ ン革 命 に み ら れ る 国 民 国 家 観 」 「資 本 主 義 形 成 期 に お け る 貧 困 」 「フ ィ リ ピ
ンの 都 市 問 題 と そ の 背 景 」 の 四 っ の テ ー マ を 通 して 、 国 際 的 課 題 の 本 質 を 構 造 的 に 把 握 さ せ る と と も に 、 主 体 的 に そ の 解 決 に取 り組 も う とす る態 度 と能 力 を育 成 す る授 業 展 開 の 工 夫 を 試 み た 。 皿 日 本 に お け る 文 化 受 容 一 身 近 な 素 材 を 通 して 一
人 の 国 際 化 が 進 展 す る 日 本 に お い て 、 望 ま し い 国 際 交 流 の 推 進 を 図 る た め に は 、 異 文 化 に 対 して 偏 見 や 差 別 感 を 抱 く こ と な く、 全 て の 文 化 が 価 値 を も っ こ と を 認 識 で き る生 徒 を 育 成 す る こ と が 必 要 で あ る 。 そ の た め に は 、 日本 の 文 化 を 世 界 的 な 視 野 か ら 多 面 的 に 見 直 す と と も に 、 日 本 の 文 化 が 世 界 の 諸 地 域 の 文 化 の 影 響 を 受 け て 形 成 さ れ て き た こ と を 理 解 す る こ と が 大 切 で あ る 。 そ こ で こ の グ ル ー プ で は 、 「花 と 日 本 人 」 「飲 茶 の 習 慣 を 通 し て み た 日本 と 新 彊 ウ イ グ ル 自 治 区 」 「豊 臣 秀 吉 の 朝 鮮 出 兵 とや き もの 」 「『な れ ず し』 の 伝 播 と 『握 りず し』 の 誕 生 」 「日 本 に お け る 西 洋 ス ポ ー ッ の 受 容 」 の 五 つ の テ ー マ を 取 り上 げ 、 日本 の 基 層 文 化 の 重 層 性 に っ い て の 理 解 を 深 め さ せ る授 業 展 開 の 工 夫 を 試 み た 。
1近 代 に お け る ア ジ ア と の 国 際 関 係 と 民 間 交 流
1.幕 末 か ら 明 治 期 に お け る 日本 人 の ア ジ ア 観
(1)教 材 と して 取 り上 げ た 理 由 明 治 期 、 日本 と近 隣 ア ジ ア 諸 国 と の 国 際 関 係 は 大 き く変 化 し 、 ま た 、 そ の 背 景 に は 、 日 本 人 の ア ジ ア 観 の 変 化 が 存 在 し た 。 鎖 国 下 の 江 戸 時 代 、 朝 鮮 通 信 使 は 現 在 の 国 賓 同 様 の 扱 い を う け 、 対 等 の 国 家 意 識 が 存 在 し た 。 しか し、 欧 米 列 強 の ア ジ ア 進 出 は 、 日 本 人 の ア ジ ア 観 の 転 機 と な り、 ま た 、 明 治 期 の 脱 亜 入 欧 の 思 想 や 近 代 化 の 進 展 は 、 朝 鮮 半 島 な ど ア ジ ア に 対 す る 優 越 感 情 な ど を 醸 成 さ せ 、 日 本 人 の ア ジ ア観 を 変 化 さ せ た 。 そ こ で 、 幕 末 か ら 明 治 に か け て の 日 本 人 の ア ジ ア 観 の 変 化 を 、 岩 倉 遣 外 使 節 団 と こ の 一 員 と
して フ ラ ン ス に 留 学 し た 中 江 兆 民 と の ア ジ ア 観 の 違 い を 通 して 理 解 さ せ 、 現 代 の 国 際 社 会 の 基 本 理 念 で あ る主 権 国 家 間 の 対 等 と 平 等 に っ い て 認 識 を 深 あ さ せ る こ と を ね ら い と して 、 本 教 材 を 取 り上 げ た 。
(2)本 時 の ね ら い 本 時 は 、3時 間 構 成 の 第2時 限 に あ た る 。 第1時 限 で は 、 文 禄 ・慶 長 の 役 か ら幕 末 ま で の 日本 と朝 鮮 半 島 と の 関 係 を 理 解 さ せ る 。 本 時 で は 、 「特 命 全 権 大 使 米 欧 回 覧 実 記 」 及 び 中 江 兆 民 の 著 述 を 取 り上 げ 、 岩 倉 遣 外 使 節 団 の 歴 史 的 背 景 や 意 義 を 理 解 さ せ る と と も に 、 留 学 生 と し て こ れ に 参 加 し、 後 に 明 治 政 府 の 外 交 方 針 を 批 判 し た 中 江 兆 民 の 考 え 方 を 考 察 さ せ る 。 第3時 限 で は 、 福 沢 諭 吉 を は じ め とす る 明 治 初 期 の 欧 米 思 想 の 紹 介 者 た ち に っ い て 学 習 さ せ る 。 学 習 指 導 要 領 で は 、 「日 本 史A」 の 「(4>近代 日 本 の 形 成 と 展 開 」 の
「ア 欧 米 文 化 の 導 入 と 明 治 維 新 」、 「日本 史B」 の 「(5)近代 日本 の 形 成 と ア ジ ア 」 の 「ア 欧 米 文 化 の 導 入 と 明 治 維 新 」 で 扱 う。
(3)展 開 例
学 習項 目 学 習 活 動 備 考
導
・前 時 の 復 習 ○ 江 戸 時 代 か ら明 治 期 の 日 本 と 朝 鮮 半 島 な ど 近 隣 ア ・年 表
な ど ジ ア諸 国 と の 関 係 の 変 化 を 概 観 す る 。 ・絵 「通 信 使 の 行
入 列 」
・岩 倉 遣 外 使 ○岩倉遣外使節 団が欧米 に派遣 された歴 史的意義 や ・絵 「岩 倉 大 使 欧
節 団 背 景 を 理 解 す る 。 米派遣」
展 ・使 節 団 の 足 ○ 使 節 団 の 足 ど り を 地 図 を 利 用 し て 知 り 、 ま た 、 そ ・資 料 地 図 「使 節 ど り の 記 録 で あ る 「特 命 全 権 大 使 米 欧 回 覧 実 記 」 を 通 し 団 の 足 ど り 」
て 使 節 団 が 欧 米 で 見 聞 し た こ と や エ ピ ソ ー ドな ど を ・資 料 「米 欧 回 覧
知 る 。 実 記 」
・使 節 団 の ア ○ 使 節 団 が 帰 国 す る 途 中 、 ア ジ ア の 植 民 地 の 実 態 を ・資 料 「米 欧 回 覧 ジ ア 観 見 て 、 日 本 の 近 代 化 を す す め ア ジ ア の 後 進 性 か ら脱 実 記 」
け 出 そ う と 感 じ た こ と を 理 解 す る 。
・留 学 中 の 中 ○ パ リ の 映 像 を 見 な が ら、 中 江 兆 民 の 留 学 中 の 生 活 ・VTR「 パ リ 右
江兆民 の 様 子 や 行 動 を 理 解 す る 。 岸 」
・中 江 兆 民 の ○ 中 江 兆 民 が 独 自 の 外 交 論 を 展 開 した こ と を 理 解 す ・資 料 「論 外 交 」
ア ジ ア 観 の る 。 「自 由 新 聞 」
開 形成 ○ 中 江 兆 民 は 留 学 中 、 当 時 の パ リの 庶 民 層 の 人 た ち と の 交 流 な ど を 大 切 に し、 岩 倉 使 節 団 と は異 な っ た 国 際 感 覚 を 身 に っ け た こ と を 理 解 す る 。
福 沢諭 吉 と中 ○ 明 治18年 に 福 沢 諭 吉 の 脱 亜 論 が 発 表 さ れ た こ と に ・資 料 「脱 亜 論 」 ま 江兆民 よ り、 脱 亜 入 欧 の 考 え 方 が 多 く の 人 た ち に 影 響 を 与
と え た こ と を 理 解 す る 。
め ○ 中 江 兆 民 の 思 想 な ど 、 脱 亜 入 欧 の 考 え に 対 す る批 判 が あ っ た こ と を 理 解 す る 。
(4)評 価 の 観 点 ① 明 治 期 の 日本 と近 隣 ア ジ ア 諸 国 と の 外 交 関 係 の 変 化 の 背 景 に は 、 日 本 人 の ア ジ ァ 観 の 変 化 が あ っ た こ と を 理 解 で き た か 。 ② 岩 倉 遣 外 使 節 団 が 果 た し た 役 割 や 意 義 が 理 解 で き た か 。 ③ 留 学 生 と し て 岩 倉 遣 外 使 節 団 に 参 加 し た 中 江 兆 民 が 、 使 節 団 と は 異 な っ た
ア ジ ア 観 を 形 成 し た 背 景 を 理 解 で き た か 。
(5)指 導 上 の 留 意 点 ① 写 真 ・VTRな ど の 視 聴 覚 教 材 を 効 果 的 に 活 用 す る こ と に よ り 、 実 感 的 に 理 解 で き る よ う配 慮 す る 。 ② 明 治 期 初 期 の 日 本 へ の 欧 米 思 想 の 紹 介 に っ い て は 、 様 々
な 考 え 方 が あ っ た こ と を 多 面 的 に 把 え さ せ る よ う留 意 す る。
2.明 治 後 期 〜 大 正 初 期 の 日 中 民 間 交 流 に み る 日 本 観 と 中 国 観
(1)教 材 と し て 取 り上 げ た 理 由 今 日 、 ア ジ ア 諸 国 は 、 日 本 に 対 し て 多 くの 留 学 生 を 派=遣 し、
日 本 の 経 済 発 展 な ど に 学 ぼ う と して お り 、 日本 へ の 期 待 感 は 高 い も の が あ る 。 日 清 戦 争 直 後 に も中 国 に お い て 日本 へ の 留 学 熱 が 高 ま っ た こ と が あ る 。 ま た 、 こ の 時 期 に は 、 孫 文 を は じ あ 中 国 の 革 命 運 動 に 身 を 投 じた 人 々 が 日 本 に 多 数 亡 命 し、 宮 崎 酒 天 な ど 中 国 問 題 に 関 心 を 持 っ 様 々 な 立 場 の 人 々 と盛 ん に 交 流 し た 。 しか し、 近 代 化 の 模 範 と ア ジ ア の 連 帯 を 求 め て 来 日
し た 中 国 人 留 学 生 ・亡 命 者 の 期 待 は 、 日 露 戦 争 の 勝 利 を 契 機 と す る 日本 の 帝 国 主 義 の 進 行 に 伴 い 、 批 判 と 反 発 へ と変 化 し た 。 そ こ で 、 明 治 後 期 か ら大 正 初 期 の 中 国 人 留 学 生 ・亡 命 者 の 日本 観 の 変 化 と 日 本 人 の 中 国 観 を 理 解 さ せ る こ と を 通 して 、 ア ジ ア 諸 国 と の 真 の 友 好 関 係 に っ い て 考 察 を 深 め る こ と を ね ら い と して 、 本 教 材 を 取 り上 げ た 。
(2)本 時 の ね ら い 本 時 は 、4時 間 構 成 の 第4時 限 に あ た る 。 第1時 限 で は 「日 清 戦 争 と 中 国 分 割 」、 第2時 限 で は 「日露 戦 争 と戦 後 の 国 際 関 係 」、 第3時 限 で は 「第 一 次 世 界 大 戦 と 日 本 の 中 国 進 出 」 を 取 り上 げ る 。 本 時 で は 、 日 清 戦 争 直 後 か ら五 ・四 運 動 ま で の 期 間 に 、 日 本 を 訪 れ た 中 国 人 留 学 生 や 亡 命 者 の 日 本 観 と そ の 変 化 、 ま た 、 彼 ら と 積 極 的 な 交 流 を も ち 、 ア
ジ ア の 近 代 化 を 構 想 し た 日本 人 の 中 国 観 に っ い て 理 解 さ せ る 。 特 に 、 日本 が 脱 亜 と 帝 国 主 義 へ と転 換 す る こ の 時 期 に 、 ア ジ ア 近 隣 諸 国 と の 国 際 関 係 に お い て 、 民 主 的 な 連 帯 を め ざ そ う
と す る 思 想 や 運 動 が あ っ た こ と を 、 宮 崎 酒 天 と孫 文 の 交 流 を 通 して 考 察 さ せ る 。 学 習 指 導 要 領 で は 、 「日 本 史B」 の 「(5)近代 日本 の 形 成 と ア ジ ア 」 の 「ウ 国 際 関 係 の 推 移 と 近 代 産 業 の 発 展 」 で 扱 う 。
(3)展 開 例
学習項 目 学 習 活 動 備 考
一
導 ・前 時 ま で の ○ 日 清 戦 争 か ら第 一 次 世 界 大 戦 ま で の 日 本 の ア ジ ァ ・ ワ ー ク シ ー ト 復習 に対す る外交政策を帝国主義への進行を示す諸事項
入 を 中 心 に 、 ワ ー ク シ ー ト で 作 業 し て 確 認 す る 。
・中 国 人 留 学 ○ 中 国 人 留 学 生 ・亡 命 者 の 来 日 目 的 と 日 本 観 に っ い ・資 料 「中 国 留 学 生 ・亡 命 者 の て 、 清 国 政 府 の 「中 体 西 用 」 政 策 、 ま た 、 中 華 思 想 生 史 談 」 「三 十 年 動 向 か ら の 脱 却 を め ざ す 社 会 的 背 景 を 関 連 さ せ て 理 解 す 日 記(清 国 人 日 本
る 。 留 学 日 記)」 「日 本
展 ① ア ジ ア に お け る 近 代 化 の 先 駆 者 と し て の 日 本 留 学 精 神 史 」 「留 (西 洋 文 明 を 学 ぶ た あ の 日本)に っ い て 日 回 顧 」 「近 代 日
② 中 国 の 民 族 独 立 ・民 主 主 義 確 立 の た あ の 日 本 中 交 渉 史 話 」 「孫 (孫 文 の 「大 ア ジ ア 主 義 」 講 演 と 日 本 の 反 応)に 文 選 集 」
っ い て ・資 料 「ア ジ ア と
・ 日 本 人 の 中 ○ 「大 東 亜 共 栄 圏 」構 想 へ とっ な が り 「ア ジ ァ 主 義 」 近 代 日 本 」 「近 代 国観 と 総 称 さ れ た 様 々 な 外 交 論 を 通 し て 、 日 本 人 の 中 国 日本 の 中 国 認 識 」 観 を 、 民 権 論 か ら国 権 論 へ の 変 質 と帝 国 主 義 の 進 行 「三 十 三 年 の 夢 」
開 に 伴 う国 内 情 勢 を 関 連 さ せ て 理 解 す る 。 「中 国 ・朝 鮮 論 」
① 弱 小 民 族 を 併 呑 す る 「ア ジ ア 主 義 」 に っ い て
②帝国主義 か らの被圧迫民族 の解放 と平等 を実現 す る 「ア ジ ア主 義 」'(宮 崎 浴 天 の 世 界 民 主 化 革 命 思 想)に つ い て
ま ・ ア ジ ア 諸 国 ○ 民 主 的 で 平 和 的 な ア ジ ア世 界 の 形 成 に 尽 力 した 人
一
・資 料 「二 っ の 顔 と と 日 本 と の 相 々 の 足 跡 を 通 し て 、 真 の 友 好 に 基 づ い た 国 際 関 係 に の 日 本 人 」 め 互協 力 つ い て 考 察 す る 。
i
(4)評 価 の 観 点 ① 明 治 後 期 か ら大 正 初 期 に 来 日 し た 中 国 人 留 学 生 や 亡 命 者 の 期 待 と 脅 威 な ど が 交 錯 した 複 雑 な 日 本 観 を 理 解 で き た か 。 ② 帝 国 主 義 の 進 行 す る 日本 に あ っ て 、 ア ジ ア 諸 国 と の 連 帯 や 民 主 化 に 奔 走 した 人 々 の 思 想 や 行 動 に っ い て 理 解 で き た か 。
(5)指 導 上 の 留 意 点 ① 論 説 や 書 簡 、 滞 在 日 記 な ど の 難 解 な 表 記 に つ い て は 、 現 代 語 訳 し た 資 料 を 提 示 す る よ う配 慮 す る 。 ② 論 説 な ど の 解 釈 に 当 た っ て は 、 様 々 な立 場 の 解 釈 を 提 示 し、
一 面 的 な 解 釈 に 陥 ら な い よ う配 慮 す る 。
3朝 鮮 半 島 か ら の 労 働 者 の 移 住 と 日 本 社 会
(1)教 材 と し て 取 り上 げ た 理 由 人 の 国 際 化 の 進 展 に 伴 い 、 日本 で 生 活 す る 外 国 人 労 働 者 は 増 加 して い る 。 こ の 国 際 化 す る 日 本 に あ っ て 、 生 活 文 化 の 違 い な ど に よ る 、 外 国 人 労 働 者 に 対 す る 差 別 観 や 偏 見 が 問 題 に な る こ と が あ る 。 こ う した 問 題 は 、 現 在 だ け で な く、 過 去 の 日 本 社 会 に も存 在 し た 。 韓 国 併 合 後 、 朝 鮮 半 島 か ら労 働 者 が 移 住 し て き た 時 期 、 日 本 人 労 働 者
の 経 済 的 な 危 機 意 識 や 、 生 活 様 式 に 対 す る無 理 解 な ど が き っ か け に な り 、 関 東 大 震 災 の 混 乱 の な か で 、 殺 害 事 件 が 生 じた こ と な ど が あ げ ら れ る 。 そ こ で 、 関 東 大 震 災 を 事 例 と し て 、 韓 国 併 合 後 の 朝 鮮 半 島 か ら の 労 働 者 の 移 住 を 、 日本 社 会 が ど う受 け と め た の か を 考 察 さ せ 、 ま
た 阪 神 。淡 路 大 震 災 時 の 救 援 活 動 に お い て 、 各 国 の 人 々 が 相 互 に 協 力 した 姿 を 理 解 さ せ る こ と を 通 し て 、 民 族 共 生 の 在 り方 を 考 え させ る こ と を ね ら い と し て 、 本 教 材 を 取 り 上 げ た 。 (2}本 時 の ね ら い 本 時 は3時 間 構 成 の 第2時 限 に あ た る。 第1時 限 で は 「戦 後 恐 慌 か ら金
融 恐 慌 」、 第3時 限 で は 「金 解 禁 と 世 界 恐 慌 」 を 扱 う 。 本 時 で は 、 韓 国 併 合 後 の 朝 鮮 半 島 か ら の 労 働 者 の 移 住 を 日本 の 社 会 が ど の よ う に 受 け と め た の か を 、 日本 の 植 民 地 政 策 と 経 済 的 背 景 か ら考 察 さ せ る 。 ま た 、 関 東 大 震 災 の 混 乱 の な か に あ って 、 朝 鮮 半 島 か ら の 労 働 者 の 側 に 立 っ て 発 言 、 行 動 し た 日本 人 が い た こ と を 理 解 させ る と と も に 、 阪 神 ・淡 路 大 震 災 に お け る 各 国 の 人 々 が 相 互 に 協 力 した 姿 か ら 、 国 際 社 会 に 生 きて い く人 間 と し て の 認 識 を 高 め さ せ る 。 学 習 指 導 要 領 で は 、 「日 本 史B」 の 「6両 世 界 大 戦 と 日本 」 の 「ア 第 一 次 世 界 大 戦 と 日 本 の 経 済 」 で 扱 う 。
(3)展 開 例
学習項 目 学 習 活 動 備 考
導 ・在 日 外 国 人 ○ 外 国 人 登 録 者 数 の 推 移 、 国 籍 別 外 国 人 登 録 者 数 、 ・資 料 「小 金 井 市 労 働者の現状 外 国 人 意 識 調 査 な ど か ら、 在 日 外 国 人 労 働 者 の 現 状 在住外国人意識 調
入 と 問 題 点 と 問 題 点 を 理 解 す る 。 査 」
・韓 国 併 合 と ○韓国併合後の土地調査事業、産米増殖運動 な どに ・ 年 表 、 グ ラ フ
労 働者 の移住 よ り、 農 民 な ど の 没 落 が 進 み 、 大 戦 景 気 に わ く 日 本 へ 移 住 す る 人 々 が 多 く な っ た こ と を 理 解 す る 。 展 ・ 日 本 社 会 へ ○戦後恐慌期、企業が朝鮮半 島か らの労働者 を低 賃
の影 響 金 で 雇 い 入 れ た た め 、 日本 人 労 働 者 の な か に危 機 意 識 と 差 別 意 識 が 高 ま っ て い っ た こ と を 理 解 す る 。
・関 東 大 震 災 ○ 関 東 大 震 災 の 混 乱 の な か で 殺 害 事 件 が 起 こ っ た こ の な か で の 事 と を 知 る 。
件 と 事 件 へ の ○ 関 東 大 震 災 直 後 の地 方新 聞 が偏 見 を持 った報 道 を ・資 料 「荘 内 新 報 」 批 判 行 い 、 人 々 が 不 安 と恐 怖 を 抱 い た こ と を 知 る 。 「下 越 新 報 」
○ 横 浜 鶴 見 警 察 署 長 大 川 常 吉 の 決 断 に よ っ て 、 多 く ・資 料 「神 奈 川 県 開 の 人 命 が 救 わ れ 、 第 二 次 世 界 大 戦 後 、 顕 彰 碑 が 建 立 警 察 史 」 「顕 彰 碑 」
さ れ た こ と を 知 る 。 ・写 真
0弁 護士 山崎今朝 弥が事件を謝 罪すべ きだ と主張 し ・ 資 料 「地 震 ・憲 た こ と を 知 る 。 ま た 事 件 の 背 景 に あ る植 民 地 政 策 を 兵 ・火 事 ・巡 査 」 批 判 し、 朝 鮮 半 島 の 独 立 を 論 じた こ と を 理 解 す る 。
ま
・諸 外 国 の 人 ○ 阪 神 ・淡 路 大 震 災 に お け る在 日 外 国 人 の 被 害 を 調 ・ 「神 戸 新 聞 」 々 と の 国 籍 を べ 、 そ こ で の 救 援 と 協 力 の 様 子 な ど か ら、 人 の 国 際
と 越 えた共生 化 の 進 展 す る 日 本 の な か で 、 諸 外 国 の 人 々 と 共 生 し
あ て い く こ と の 意 義 を 考 察 す る 。 し
(4)評 価 の 観 点 ① 朝 鮮 半 島 か らの 労 働 者 の 移 住 の 背 景 を 、 日本 の 植 民 地 政 策 や 当 時 の 経 済 状 況 か ら理 解 す る こ と が で き た か 。 ② 経 済 的 な 対 立 や 異 な る生 活 文 化 へ の 不 寛 容 が 、 偏 見 や 差 別 を 生 み 出 し た こ と を 理 解 す る こ と が で き た か 。 ③ 人 の 国 際 化 の 進 展 す る 日本 の な か で 、 共 生 の 努 力 の 必 要 性 を 理 解 す る こ と が で き た か 。
(5)指 導 上 の 留 意 点 ① 当 時 の 新 聞 な ど の 資 料 を 通 して 、 朝 鮮 半 島 か ら の 労 働 者 の 移 住 に よ り起 こ っ た 問 題 を 具 体 的 ・実 感 的 に理 解 さ せ る よ う に 配 慮 す る 。 ② 関 東 大 震 災 の な か で 起 き た 事 件 な ど に っ い て は 、 そ の 社 会 的 背 景 や 現 代 的 意 味 に も触 れ 説 明 す る よ う に 配 慮 す る 。
4.国 際 法 か ら み た 日 中 開 戦 に つ い て
(1)教 材 と し て 取 り上 げ た 理 由 現 代 の 国 際 社 会 に み ら れ る様 々 な 国 際 紛 争 は 、 国 際 法 上 の 正 式 な 戦 争 と し て 扱 わ れ る こ と が な い 。1937年 の 盧 溝 橋 事 件 に 始 ま る 日 本 と 中 国 と の 戦 争 に っ い て も、 当 時 の 日本 政 府 が 「支 那 事 変 」 と称 した こ と か ら も知 られ る よ う に 国 際 法 上 の 正 式 な 戦 争 で は な い 。 こ れ は 、 戦 時 国 際 法 に お い て 、 宣 戦 布 告 に よ る正 式 な 戦 争 で は 、 中 立 国 か ら戦 争 当 事 国 へ の 軍 需 物 資 の 輸 出 が 禁 止 さ れ た た あ で あ る 。 そ こ で 、 国 際 法 上 の 平 時 と 戦 時 の 規 定 に っ い て 理 解 さ せ る こ と を 通 して 、 現 代 の 国 際 社 会 で 起 こ っ て い る 紛 争 と 呼 ば れ て
い る 武 力 衝 突 に っ い て の 認 識 を 深 め る こ と を ね ら い と して 、 本 教 材 を 取 り上 げ た 。
② 本 時 の ね ら い 本 時 は 、3時 間 構 成 の 第2時 限 に あ た る 。 第1時 限 で は 、 山 海 関 占 領 か ら第 二 次 国 共 合 作 に 至 る 時 期 の 日 中 関 係 、 第3時 限 で は 、 南 京 占 領 か ら第 一 次 近 衛 内 閣 総 辞 職 ま で の 日 中 戦 争 の 推 移 を 扱 う 。 本 時 で は 、 「開 戦 二 関 ス ル 条 約 」 を 説 明 し 、 開 戦 法 規 締 約 、 批 准 後 の 事 例 と して 第 一 次 世 界 大 戦 へ の 参 戦 や 二 十 一 か 条 要 求 に っ い て 理 解 さ せ る 。 ま た 、 盧 溝 橋 事 件 以 降 、 両 国 が 国 際 法 上 の 戦 争 と しな か っ た 理 由 を 「海 戦 ノ 場 合 二 於 ケ ル 中 立 国 ノ 権 利 義 務 二 関 ス ル 条 約 」 な ど に よ っ て 理 解 さ せ る 。 さ ら に 、 近 衛 首 相 に よ る 「爾 後 国 民 政 府 ヲ対 手 トセ ス 」 と の 声 明 が 「事 変 」 の 短 期 終 結 を 困 難 に した こ と な ど 、 「事 変 」 中 の 外 交 に っ い て 理 解 さ せ る 。 学 習 指 導 要 領 で は 「日 本 史A」 の 「(4)近代 日 本 の 形 成 と展 開 」 の 「オ 両 大 戦 を あ ぐ る 国 際 情 勢 と 日 本 」、 「日 本 史B」 の 「㈲ 両 世 界 大 戦 と 日 本 」 の 「ウ 第 二 次 世 界 大 戦 と 日本 」 で 扱 う 。
(3}展 開 例
学習項 目 学 習 活 動 備 考
。 日 中 戦 争 勃 ○ 広 田 弘 毅 内 閣 の総 辞 職 か ら、林 銑 十 郎 内 閣 の 成 立 、 ・年 表 導 発前 の情勢 総 辞 職 、 第 一 次 近 衛 文 麿 内 閣 の 成 立 に 至 る 国 内 の 政
入 治 情 勢 を 理 解 す る 。
一
・盧 溝 橋 事 件 ○ 盧 溝 橋 事 件 の 勃 発 と 、 こ れ に つ い て 現 地 軍 が 休 戦 ・資 料 「東 京 朝 日 協定を結んだ に もかかわ らず近衛 内閣 が華北派兵 を 新 聞」記事
決 定 し た こ と を 理 解 す る 。
・開 戦 法 規 ○ 「開 戦 二 関 ス ル 条 約 」 を 紹 介 し、 開 戦 に は 宣 戦 布 ・資 料 「開 戦 二 関 展 告 か 最 後 通 牒 が 必 要 で あ る こ と を 考 察 す る 。 ス ル 条 約 」
・戦 争 で な く ○ 日 本 と 中 国 の 両 国 が 宣 戦 布 告 を しな か っ た こ と に ・資 料 「海 戦 ノ場 事 変 と した 理
由
っ い て 、「中立 国 ノ権 利 義 務 二関 ス ル 条 約 」 を通 して 、
●
中 立 国 か らの 軍 需 物 資 の 輸 入 が 不 可 欠 な 日 中 両 国 の
合 二於 ケ ル 中 立 国 ノ 権 利 義 務 二 関 ス
事 情 を 理 解 す る 。 ル 条 約 」
・華 中 へ の 拡 ○ 近 衛 内 閣 に よ る 「暴 支 麿 懲 」 声 明 に よ り 、 日本 は ・資 料 「東 京 朝 日 大 期 の 内 閣 の 中 国 を 事 実 上 の 敵 国 と み な す こ と に な っ た こ と を 理 新 聞」記事
対応 解 す る 。
開 ・ 「国 民 政 府 ○ 近 衛 首 相 の 声 明 「国 民 政 府 ヲ対 手 トセ ス」を 示 し、 ・資 料 「東 京 朝 日 ヲ対 手 トセ ス 」 こ の 声 明 が 両 国 大 使 の 引 き 揚 げ を 生 じ さ せ 、 日 中 戦 新 聞 」 記 事
争 の 収 拾 を 困 難 に し た こ と 、 ま た 、 中 国 国 民 を 敵 視 して い な い と い う政 府 の 見 解 と 矛 盾 して い た こ と を 理 解 す る 。
・ 日 中 戦 争 の ○ 日 中 戦 争 は 国 際 法 上 の 正 式 な 戦 争 と は い え な い が ま
と め
性格 事 実 上 の 戦 争 で あ っ た 。 ま た 、 陸 軍 が 始 め た 戦 争 と は い え 、 日 中 戦 争 長 期 化 に は近 衛 内 閣 の 対 応 に 大 き な 責 任 が あ っ た こ と を 理 解 す る 。
(4)評 価 の 観 点 ① 日 中 戦 争 の 国 際 法 上 の 位 置 づ け と、 日 中 両 国 が 宣 戦 を せ ず 「事 変 」 と し た 理 由 を 理 解 で き た か 。 ② 日 中 戦 争 の 本 格 化 に は 、 近 衛 内 閣 の 中 国 政 策 に よ る と こ ろ が 大 き か っ た こ と を 理 解 で き た か 。
〈5)指 導 上 の 留 意 点 ① 国 際 条 約 に っ い て は 、 資 料 の 読 み 取 り に 十 分 時 間 を 取 る な ど し て 、 条 約 の 内 容 に っ い て の 理 解 を 深 あ させ る よ う配 慮 す る 。 ② 新 聞 記 事 の 資 料 に つ い て は 、 資 料
の 意 味 を 正 確 に 理 解 さ せ る よ う配 慮 す る 。
5.日 本 軍 政 下 の シ ン ガ ポ ー ル に お け る 民 間 交 流
(1)教 材 と し て 取 り上 げ た 理 由 中 国 と の 戦 争 が 長 期 化 す る と 、 日本 は そ の 打 開 策 を 南 方 進 出 に 求 め 、 英 米 な ど 連 合 国 と の 戦 争 に 踏 み き っ た 。 こ の 戦 争 で 、 日本 は ア ジ ア 近 隣 諸 国 の 多 くの 地 域 を 軍 政 下 に お き 、 多 く の 人 々 に 惨 禍 を も た ら し た 。 しか し一 方 、 戦 時 下 の も と 、 シ ン ガ ポ ー ル に お い て 、 日本 の 科 学 者 た ち が 博 物 館 と植 物 園 を 守 る た め に 英 国 の 科 学 者 た ち と
協 力 し合 う な ど 、 日 本 の 民 間 人 の 中 に は 、 そ の 立 場 を 越 え て 対 戦 国 の 国 民 と の 友 好 に 努 め た 例 も多 く あ っ た 。 そ こ で 、 日 本 軍 政 下 の シ ン ガ ポ ー ル に お け る 日 英 の 友 好 、 協 力 を 事 例 と し て 、 人 類 愛 に 基 づ い た 民 主 的 で 平 和 的 な 国 際 関 係 の 実 現 に 努 め る こ と の 重 要 性 に っ い て 考 察 を 深 あ さ せ る こ と を ね ら い と して 、 本 教 材 を 取 り上 げ た 。
② 本 時 の ね ら い 本 時 は 「太 平 洋 戦 争 と ア ジ ア の 民 衆 」 を テ ー マ と し た 授 業 の 中 で 取 り 上 げ 、3時 間 構 成 の 第3時 限 に あ た る 。 第1時 限 で は 「第 二 次 世 界 大 戦 の 勃 発 」 を 、 第2時 限 で は 「太 平 洋 戦 争 の 勃 発 と 戦 局 の 推 移 」 を 扱 う。 本 時 で は 、 日 本 の 軍 政 下 に お か れ た シ ン ガ ポ ー ル を 題 材 と して 、 ア ジ ア を 欧 米 の 植 民 地 支 配 か ら解 放 し 「大 東 亜 共 栄 圏 」 の 建 設 を 名 目 と し て 行 わ れ た 戦 い が 、 実 際 に は 、 ア ジ ア 諸 民 族 に 多 大 な 惨 禍 を も た ら し た こ と を 理 解 さ せ る 。 ま た 、 敵 対 す る 関 係 に あ り な が ら、 マ レ ー 半 島 の 歴 史 と 文 化 の 貴 重 な 宝 庫 で あ る 博 物 館 と 世 界 屈 指 の 熱 帯 植 物 園 を 守 る た あ に 協 力 し あ っ た 人 々 が い た こ と を 理 解 さ せ る 。 学 習 指 導 要 領 で は 、 「日本 史B」 の 「⑥ 両 世 界 大 戦 と 日本 」 の 「ウ 第 二 次 世 界 大 戦 と 日 本 」 で 扱 う 。
(3)展 開 例
学習項 目 学 習 活 動 備 考
導 ・前 時 の 復 習 ○ シ ン ガ ポ ー ル な ど 、 日本 の 占 領 地 域 を 地 図 上 で 確 ・地 図 「日本 軍 占
入 認 す る 。 領 地 図 」
・ シ ン ガ ポ ー ○ シ ン ガ ポ ー ル の 歴 史 を 概 観 し 、 こ の 島 が イ ギ リ ス ・年 表 、 写 真 「シ ル の 歴 史 の ア ジ ア 最 大 の 拠 点 で あ っ た こ と を 理 解 す る 。 ン ガ ポ ー ル 」
・日 本 軍 政 下 ○ 日本 軍 政 下 の シ ン ガ ポ ー ル の 実 態 を 理 解 す る 。
の シ ン ガ ポ ー ① イ ギ リス の 植 民 地 支 配 か ら 日本 軍 占 領 に よ っ て ・資 料 「シ ン ガ ポ 展 ル 昭 南 島 と 改 称 さ れ 、 以 後3年6ヵ 月 の 間 、 日本 軍 一 ル の 歴 史 教 科 書 」
政 下 に お か れ た こ と 。
② 日 本 軍 に よ っ て 、 シ ン ガ ポ ー ル 在 住 の 多 く の 中 国 人 が 、 「抗 日 分 子 」 と し て 殺 害 さ れ た こ と 。
③ 日本 軍 の 軍 用 手 票(軍 票)の 濫 発 に よ っ て 、 米 ・写 真 「郡 票 」 の 値 段 が3年6ヵ 月 の 間 に 約150倍 に 高 騰 す る な
ど 、 激 し い イ ン フ レ が お き た こ と 。
・昭 南 博 物 館 ○ 日本 の 軍 政 下 で 、 昭 南 博 物 館 お よ び 植 物 園 が 略 奪 ・資 料 「思 い 出 の を あ ぐ る 日 英 と破 壊 の 危 機 に み ま わ れ た こ と を 知 る 。 昭南博物館」
民 間人の協力 ○ 館 長 ・園 長 に な っ た 田 中 館 秀 三 ら は 、 戦 争 中 と い 開 う極 め て 困 難 な 状 況 の 中 で 、 献 身 的 な 努 力 を し博 物
館 と植 物 園 を 守 り抜 い た こ と を 理 解 す る 。
0イ ギ リス 人 科 学 者 は 解 放 さ れ 、 そ の ま ま 研 究 を 続 ・写 真 「国 立 博 物 け た こ と、 資 料 や 文 献 は 散 逸 を 免 れ 、 日 本 の 敗 戦 後 館 」 「植 物 園 」 は 元 の ま ま で 返 還 さ れ た こ とを 理 解 す る 。
1 ・ 日 本 と ア ジ ○ 日本 の 軍 政 下 で 、 戦 争 当 事 国 の 日 英 の 科 学 者 が 敵 ま ア諸 国 と の 交 味 方 で あ り な が ら協 力 し あ った 事 実 を 理 解 し、 今 後 、 と 流 、 連 帯 ア ジ ア諸 国 と ど の よ う に 連 帯 して い くべ き か を 考 察
め す る 。
r
(4)評 価 の 観 点 ① 日 本 軍 政 下 の シ ン ガ ポ ー ル を 通 し て 、 日本 の 占 領 下 に お か れ た ア ジ ア の 地 域 の 実 態 が 理 解 で き た か 。 ② 日 本 軍 政 下 の 中 で 、 文 化 財 と学 問 を 守 る た め に 努 力 し た 日 本 人 科 学 者 と イ ギ リ ス 人 科 学 者 た ち の 連 帯 と そ の 功 績 を 理 解 す る こ と が で き た か 。
⑤ 指 導 上 の 留 意 点 ① 資 料 、 写 真 な ど を 活 用 して 、 日本 軍 政 下 の シ ン ガ ポ ー ル の 様 子 を 実 感 的 に 捉 え さ せ る よ う配 慮 す る 。 ② 具 体 的 事 例 を あ げ 、 戦 争 当 事 国 の 国 民 相 互 の 協 力 が い か に 困 難 で あ っ た か を 理 解 さ せ る よ う配 慮 す る 。
6朝 鮮 半 島 の 人 々 と の 交 流 に 貢 献 した 日本 人
(1)教 材 と して 取 り上 げ た 理 由 大 韓 民 国 ・朝 鮮 民 主 主 義 人 民 共 和 国 は 日 本 の 隣 国 で あ り 、 古 来 よ り 日本 と 密 接 な 関 係 に あ っ た が 、 近 代 に お い て は 、 植 民 地 支 配 ・被 支 配 と い う歴 史 を 経 験 した 。 韓 国 併 合 後 の 日 本 の 植 民 地 政 策 や そ れ に よ っ て 引 き起 こ さ れ た 諸 問 題 を 認 識 す る こ と 、 ま た 、 朝 鮮 半 島 の 人 々 と の 友 好 に 貢 献 す る生 き方 を した 人 物 が 存 在 した こ と を 知 る こ と な ど は 、 こ れ か らの 国 際 社 会 に 生 き る 人 間 と して の 資 質 の 育 成 に 大 切 で あ る と 考 え 、 本 教 材 を 取 り上 げ た 。
(2)本 時 の ね ら い 本 時 は 、5時 間 授 業 の 第5時 限 に あ た る 。 第1時 限 で は 、 大 韓 民 国 の 史 跡 ・博 物 館 の 紹 介 を 通 して 、 朝 鮮 半 島 と 日本 と の 関 係 を 概 観 させ る 。 ま た 、 現 在 の 大 韓 民 国 に お い て 、 植 民 地 時 代 の 日 本 の 諸 政 策 や 抗 日運 動 家 が ど の よ う に 評 価 さ れ て い る か を 理 解 さ せ る 。 第2時 限 で は 強 制 連 行 、 従 軍 慰 安 婦 、B・C級 戦 犯 な ど を 学 習 さ せ る 。 第3時 限 で は 、 福 沢 諭 吉 や 伊 藤 博 文 の 言 説 を 通 して 日本 の 植 民 地 支 配 の 背 景 に あ っ た 思 想 を 理 解 さ せ る 。 ま た 、 伊 藤 博 文 を 殺 害 した 安 重 根 が ど の よ う な ア ジ ア 観 を 持 っ て い た か を 理 解 さ せ る 。 第4時 限 で は 、 「朝 鮮 半 島 の 人 々 と の 交 流 に 貢 献 し た 日 本 人(1)」 と して 、 安 重 根 と 交 流 を 持 っ た 日 本 人 看 守 の 千 葉 十 七 と 、 朝 鮮 文 化 の 価 値 に つ い て 、 柳 宗 元 に 示 唆 を 与 え た工 芸 研 究 家 の 浅 川 巧 に つ い て 学 習 さ せ る 。 本 時 で は 、 「朝 鮮 半 島 の 人 々 と の 交 流 に 貢 献 し た 日本 人 ② 」 と して 、 禺 長 春 と李 方 子 に っ い て 学 習 さ せ る 。 学 習 指 導 要 領 で は 、 「世 界 史A」 の 「(4)現代 世 界 と 日 本 」 の 「ウ 民 族 主 義 と ア ジ ア ・ア フ リカ 諸 国 」 で 扱 う 。
(3)展 開 例
学習項 目 学 習 活 動 備 考
導 入
・前 時 の 復 習 ○ 千 葉 十 七 と浅 川 巧 の 生 涯 を ふ り か え り、 彼 らが ど の よ う に 友 好 に 貢 献 し た の か 確 認 す る 。
・ ワ ー ク シ ー ト の 配 付
・萬 長 春 の 生 い立 ち
○ 閾 妃 殺 害 事 件 に 関 係 し た軍 人 の 父 と亡 命 後 知 り あ っ た 日 本 人 の 母 と の 間 に 生 ま れ 、 母 の 手 に よ っ て 日
・写 真 「明 成 皇 后 遭 難 之 地 碑 」
本 で 育 て ら れ た 長 春 の 生 い立 ち を 知 る 。
・長 春 の 渡 韓 ○ 農 学 博 士 と な り育 種 業 界 で 活 躍 して い た 長 春 が 大 ・資 料 「長 春 の 渡 展 と農業指導 韓 民 国 で お こ っ た 招 聰 運 動 に こ た え 、 第 二 次 世 界 大 韓後 の談話 と臨終 戦 後 間 も な い 時 期 に 渡 韓 した こ と を 知 る 。 の 言 葉 」 「禺 長 春
○ 長 春 が 家 族 を 日本 に 置 い て 大 韓 民 国 に 渡 ろ う と 決 博士追悼 文」
意 した 理 由 を 考 え る 。
○ 長 春 が 、 大 韓 民 国 で は 教 科 書 に 取 り上 げ られ る ほ ど 高 く 評 価 さ れ て い る こ と を 知 る 。
・李 方 子 の 結 ○ 梨 本 宮 家 に生 ま れ 李 朝 王 子 李 恨 と 結 婚 し、 皇 族 の ・新 聞 「李 王 家 の
婚 一 員 と して 過 した 戦 前 の 方 子 を 知 る。 御 慶 事 」
・方 子 の 渡 韓 0戦 後 、 方 子 が 夫 と と も に大 韓 民 国 に渡 り 、 福 祉 事 ・資 料 「李 方 子 自 開 と福祉事業 業 に 従 事 し た こ と を 知 る 。 伝 」 「晩 年 の 韓 国
○ 方 子 が 、 大 韓 民 国 で の 永 住 を 決 意 し た理 由 を 考 え で の 方 子 」
る 。
○ 方 子 に よ る 福 祉 事 業 な ど の 活 動 に 対 す る様 々 な 評 価 を 通 して 、 日韓 関 係 の 現 状 に っ い て 理 解 す る 。
ま ・民 間 交 流 の ○ 長 春 や 方 子 な ど は 、 国 策 的 な 立 場 か ら で は な く、 ・興 味 を 持 っ た 人 と 役割 民 間 に お け る一 個 人 と し て 大 韓 民 国 の 人 々 と の 友 好 物 に っ い て の 感 想
め に 貢 献 し た こ と を 理 解 す る 。 文の作成
(4)評 価 の 観 点 ① 萬 長 春 、 李 方 子 の 生 き 方 を 通 して 、 国 際 社 会 に お け る民 間 交 流 の 果 た す 意 義 に っ い て 理 解 で き た か 。 ② 時 代 に お け る 政 治 状 況 が 個 人 の 生 涯 に 大 き な 影 響 を 与 え た こ
と 、 ま た 、 真 の 友 好 に基 づ く 日 韓 関 係 の 在 り方 に っ い て 考 察 で き た か 。
(5)指 導 上 の 留 意 点 ① 写 真 ・談 話 ・新 聞 記 事 な ど は 、 萬 長 春 、 李 方 子 の 生 涯 が 実 感 的 に 把 え ら れ る よ う 、 構 成 を 工 夫 す る 。 ② 感 想 文 を 書 か せ る に あ た っ て は 、 あ ら か じめ 着 目 点 を 説 明 して お く 。
皿 現代の国際 的課題 と歴史的背景
1資 本 主 義 形 成 期 に お け る 貧 困
く1)教 材 と し て 取 り上 げ た 理 由 日清 ・日露 戦 争 の 前 後 の 時 期 は 、 明 治 政 府 の 殖 産 興 行 政 策 を 土 台 と し て 、 金 融 制 度 の 確 立 や 産 業 基 盤 の 整 備 も 伴 い 、 産 業 革 命 が 軽 工 業 か ら重 工 業 へ と 進 展 し、 資 本 主 義 の 基 礎 が 確 立 して い っ た 時 期 で あ る 。 ま た 、 こ の 時 期 、 日 本 の 産 業 構 造 の 変 化 に よ り 、 農 村 か ら都 市 へ の 人 口 流 入 が 著 し くな る と と も に 、 農 村 か ら海 外 へ の 移 民 も 生 じた 。 そ こ で 、 明 治 時 代 の 都 市 の 貧 民 問 題 と移 民 を 事 例 と して 取 り上 げ 、 資 本 主 義 形 成 期 に お け る貧 困 の 社 会 的 背 景 に っ い て 理 解 を 深 め さ せ る と と も に 、 現 代 の 国 際 的 課 題 で あ る 貧 困 問 題 に っ い て 考 察 を 深 あ る こ と を ね ら い と して 、 本 教 材 を 取 り上 げ た 。
(2)本 時 の ね ら い 本 時 は3時 間 構 成 の 第2時 限 に あ た る 。 第1時 限 で は 、 日 清 ・日 露 戦 争 の 前 後 の 時 期 に お け る 資 本 主 義 の 確 立 と寄 生 地 主 制 の 広 が り に つ い て 理 解 さ せ る。 本 時 で は 、 農 村 か ら都 市 へ の 人 口 流 入 に よ る 貧 民 問 題 に つ い て 東 京 を 事 例 と して 理 解 さ せ る 。 ま た 、 ベ
ン ゲ ッ ト移 民 を 取 り上 げ 、 貧 困 に起 因 す る問 題 と して 移 民 に っ い て 理 解 さ せ る と と も に 、 現 代 の 国 際 社 会 に お け る 外 国 人 労 働 者 の 問 題 に つ い て も考 察 さ せ る。 第3時 限 で は 、 労 働 問 題 や 社 会 主 義 運 動 に っ い て 理 解 さ せ る 。 学 習 指 導 要 領 で は 、 「日本 史A」 の 「(4)近代 日 本 の 形 成 と展 開 」 の 「ウ 近 代 産 業 の 発 展 と 国 民 の 生 活 」、 「日本 史B」 の 「(5)近代 日 本 の 形 成 と ア
ジ ア 」 の 「ウ 国 際 関 係 の 推 移 と近 代 産 業 の 発 展 」 で 扱 う。
(3)展 開 例
学習項 目 学 習 活 動 備 考
導 ・農 村 で の 寄 ○ 前 時 の 復 習 を す る と と も に 、 農 村 で の 寄 生 地 主 制 ・ 「小 作 農 の 増 加 生地主制 の広 の 広 が り に よ っ て 、 生 活 に 困 窮 した 小 作 農 が 職 を 求 に 関 す る 表 」 入 が り め て 都 市 に 流 入 した こ と に 着 目 す る 。
・東 京 の 人 口 ○ 日露 戦 争 の 前 後 の 時 期 に お け る東 京 の 人 ロ 増 加 が ・ 「東 京 の 人 口 動
増加 他 県 か らの 流 入 に よ る こ と が 多 い こ と を 通 し て 、 寄 向 」
生 地 主 制 の 広 が り を 理 解 す る 。 ・ 「宿 泊 延 べ 人 数 」
・貧 民 問 題 ○ 急 激 な 人 口 増 加 に対 して 、 工 業 化 が 追 い っ か ず 、 ・ 「東 京 の工 場 数 」 展 労 働 力 を 受 け 入 れ き れ な か っ た こ と を 理 解 す る 。 ・ 「東 京 の 工 場 の
○ 資 本 主 義 形 成 期 の 東 京 に お け る貧 民 問 題 に つ い て 日 給 」
考 察 す る 。 ・ 「細 民 の 家 賃 」
① 東 京 の 工 場 労 働 者 の 低 賃 金 に っ い て ・ 「長 屋 構 造 図 」
② 「共 同 長 屋 」 「木 賃 宿 」 な ど の 住 環 境 に つ い て ・ 「海 外 で の 賃 金
・移 民 の 背 景 ○ 都 市 労 働 者 の 貧 困 に つ い て 理 解 す る と と も に 、 日 に 関 す る 表 」 本 と海 外 で の 賃 金 格 差 を 通 し て 、 高 額 の 賃 金 を 求 あ ・ 「海 外 移 民 数 」 開 て 海 外 へ の 移 民 が 行 わ れ た こ と を 理 解 す る 。 ・ 「到 着 移 民 の 況
・ ベ ン ゲ ッ ト ○ フ ィ リ ピ ン へ の ベ ン ゲ ッ ト移 民 か ら 移 民 の 様 子 や に 関 す る 表 」
移民 問 題 点 を 理 解 す る 。 ・ 「ベ ン ゲ ッ ト 移
民 の 死 亡 者 数 」
一
・資 本 主 義 形 019世 紀 よ り 資 本 主 義 的 世 界 シ ス テ ム に ア ジ ア が 組 ま 成 の 過 程 と貧 み 込 ま れ て い く 中 で 、 欧 米 型 の 資 本 主 義 経 済 を 築 こ と 困 う とす る 日本 の 社 会 に 生 ま れ た 構 造 的 な 問 題 の 一 っ め が 貧 困 で あ っ た こ と を 考 察 す る 。
・現 代 の 問 題 ○ 現 代 の 発 展 途 上 国 の 貧 困 や 外 国 へ 働 き に 行 く労 働 ・ 「国 別 労 働 力 送 者 の 問 題 と類 似 す る 側 面 が あ っ た こ と を 考 察 す る 。 出 動 向 」
(4)評 価 の 観 点 ① 明 治 期 の 貧 困 が 資 本 主 義 の 成 立 過 程 に お け る 産 業 構 造 の 変 化 に と も な う
問 題 で あ っ た こ と を 理 解 で き た か 。 ② ベ ンゲ ッ ト移 民 を は じめ 外 国 へ の 移 民 が 行 わ れ た 社 会 的 背 景 を 理 解 で き た か 。 ③ 現 代 の 発 展 途 上 国 の か か え る外 国 へ 働 き に 行 く労 働 者 の 問 題 が 日 本 に も存 在 し た こ と を 理 解 で き た か 。
(5)指 導 上 の 留 意 点 ① 資 料 や グ ラ フ 、 図 版 な ど の 読 み 取 り に 際 して は 、 着 目 点 を 説 明 し て お き 、 明 治 時 代 の 貧 困 の 状 況 を 具 体 的 に 考 察 さ せ る よ う に 配 慮 す る 。 ② 明 治 時 代 の 日本 と 現 在 の フ ィ リ ピ ン の 社 会 的 状 況 の 相 違 に配 慮 し、 ベ ンゲ ッ ト移 民 と 現 代 の 日 本 な ど に お け る 外
国 人 労 働 者 の 問 題 に っ い て 説 明 す る 。
2.フ ィ リ ピ ン の 独 立 運 動 と経 済 的 困 窮
(1}教 材 と し て 取 り 上 げ た 理 由 近 代 に は い る と 、 東 南 ア ジ ア諸 国 の 多 く は 資 本 主 義 的 国 際 経 済 に 組 み 込 ま れ 、 伝 統 的 な地 域 経 済 は 崩 壊 し、 植 民 地 宗 主 国 に 依 存 せ ざ るを 得 な くな った 。
第 二 次 世 界 大 戦 後 、 東 南 ア ジ ア 諸 国 は 、 独 立 を 達 成 す る が 、 国 際 経 済 に お け る構 造 的 矛 盾 の な か で 、 経 済 的 自立 が 難 し く、 多 く の 国 々 が 経 済 的 に 困 窮 し た 状 況 に あ る 。 今 日 、 東 南 ア ジ ア 諸 国 と 日本 と の 関 係 は 、 政 治 ・経 済 ・文 化 の 各 方 面 で 緊 密 に な っ て い る 。 し か し、 東 南 ア ジ ア 諸 国 と 日本 と の 関 係 が 、 必 ず し も東 南 ア ジ ア 諸 国 の 社 会 発 展 に 結 び つ い て い る と は 言 い 難 い 。 そ こ で 、 典 型 的 な 植 民 地 経 済 に 陥 り、 現 在 も経 済 的 自 立 を 目 指 す フ ィ リ ピ ンを 事 例 と して 取 り上 げ 、 東 南 ア ジ ア諸 国 の 経 済 が 共 通 して か か え る 構 造 的 問 題 の 理 解 を 深 め る と と も に 、 発 展 を 阻 害 して き た 要 因 を 考 察 さ せ る こ と を 通 して 、 今 後 の 友 好 関 係 の 在 り方 を 探 る こ と を ね ら い と して 、 本 教 材 を 取 り上 げ た 。
(2)本 時 の ね ら い 本 時 は 「世 界 史A」 の 「(4)現代 世 界 と 日 本 」 の 「(ウ)民族 主 義 と ア ジ ア ・ ア フ リカ 諸 国 」、 「世 界 史B」 の 「(6)20世紀 の 世 界 」 の 「Wア ジ ア ・ア フ リカ 諸 国 の 民 族 運 動 と 独 立 」 で 扱 い 、 「第 三 世 界 の 抱 え る諸 問 題 」 を テ ー マ と し て1時 間 の 授 業 と して 構 成 す る 。 19世 紀 中 頃 か ら現 代 に 至 る フ ィ リ ピ ンの 歴 史 を 取 り上 げ 、 ス ペ イ ン及 び ア メ リ カ の 植 民 地 支 配 に よ る モ ノ カ ル チ ャ ー経 済 の 形 成 と 、 そ の 結 果 生 み 出 さ れ た 貧 困 の 過 程 を 理 解 さ せ る と と
も に 、 現 在 の フ ィ リ ピ ンの 抱 え る 諸 問 題 の 歴 史 的 背 景 を 、 植 民 地 時 代 に 形 成 さ れ た 社 会 構 造 を 通 して 理 解 さ せ る 。 ま た 、 今 後 の フ ィ リ ピ ン と 日 本 の 共 存 関 係 の あ り方 を 考 え さ せ る 。
(3)展 開 例
学習項 目 学 習 活 動 備 考
導 ・ 現 在 の フ ィ ○ 輸 出 品 目 に は 、 輸 入 部 品 を 組 み 立 て た 工 業 製 品 と ・「世 界 国 勢 図 会 」
・「ア ジ ア経 済1995」
リ ピ ン の 貿 易 一 次 産 品 が 多 く、 先 進 国 へ の依 存 型 経 済 で あ る こ と
入 を 理 解 す る 。
・ ス ペ イ ン 支 016世 紀 中 頃 、 ス ペ イ ン の 領 有 宣 言 に よ り 、 フ ィ リ ・ 「 フ ィ リ ピ ン 」 配 の 内 容 と独 ピ ンの 領 域 の 大 枠 が 策 定 さ れ た こ と を 理 解 す る 。 の 名 の 由 来
立運動 0東 洋 貿 易 の 中 継 拠 点 か ら プ ラ ンテ ー シ ョ ン経 営 へ ・「ガ レ オ ン 貿 易 」
展 と支 配 方 針 が 転 換 さ れ た こ と に よ り 、 大 土 地 所 有 制