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道路通信標準の構造化検討 道路情報の効率的利用に向けて

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Academic year: 2021

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道路通信標準の構造化検討 道路情報の効率的利用に向けて

国土交通省 国土技術政策総合研究所 高度情報化研究センター 情報基盤研究室 ○ 有 賀 清 隆

同 小 原 弘 志

同 上 田 英 滋

1.はじめに

道路管理者の運用している情報処理システムは、業務や地域ごとに個別に構築され、データはそれぞれのシ ステムが管理している。そのため、データを他の目的に流用するために拡張する場合、個別システムのデータ 参照先を確認できない問題に直面することがある。この問題は、それぞれのシステムが取り扱うデータの共通 定義ができていないことが原因と考えられ、システム間のデータ連携の実現にはこれら問題の解決が必須であ る。本報告では、データ連携のための通信で取り扱うデータ定義を共通化するため、データモデルの構築に着 目し、業務分析だけに頼らないモデリングの手法について報告するものである。

2.業務モデルと実態モデルによるデータの共通化

2.1 業務モデルの現状と課題

近年の情報システム構築では、データ構造を模式的にあらわし、それぞれのデータの関係性や属性等を視覚 的表現(データモデル)により確認してシステム構築を進めている。そのなかでも業務モデルとは、実際の業 務で取り扱うデータに着目してデータモデルを作成したものであり、システム構築を効率的に行える方法であ るが、できあがったモデルは既存業務や既存システムに依存するものとなる。これにより個別システムで取り 扱うデータは、業務に依存したモデルとなるため、データ連係を行うには、その都度連携のための仕組みを作 る必要が出てくる。この仕組みづくりは場合によって大きなコストを伴う事となるため効率的なデータの連携 にはモデルの共通化を将来にわたって担保できる仕組みづくりが必要であるものと考えられる。

2.2 実態モデルの活用

現状の業務依存型モデルの課題を解決するための手法として、各業務で共通して取り扱う対象の実態を表す モデル(実態モデル)を介在させる手法が考えられる。実態モデルは業務分析によるものでは無いため個別業 務に依存しないが、対象の捉え方を表したものであるため、将来に渡って新しい業務においても活用できるこ とが想定できる。この実態モデル

の作成にあたっては、個々の作成 者によるゆらぎや捉え方の違いが 生まれること、また新しい対象を モデル化する際の方向性の違い等 の課題があるが、モデル化の細か な部分をマニュアル化したり、一 定の運用ルールによる一元化によ り解決が可能であると想定される。

図-1に位置を表現するための実 態モデルの例を示す。

2.3 モデリングの二層化によるデータ共通化

しかし、実態モデルは、業務における細かなデータ定義や業務固有の情報は網羅しないため、実際のシステ ム構築には不十分である。この問題を解決する為には、通常用いられる業務モデルと実態モデルの対比による 共通データが 存在している。

共通データが 存在している。

図-1 位置を表現した実態モデルと業務モデルの例

区間 区間ID 端点

基点ID 終点ID

緯度経度の位置 緯度 経度 高度

区間 区間ID

キロポスト KP

時間交通量

DRMリンクID リンクID

VICS ID

道路名称 名前

緯度経度の位置 緯度 経度 高度

・ ・ ・

・ ・ ・

・ ・ ・

交通量の業務モデル

施設管理DBの業務モデル 区間ID方式の実態モデル

2036

第29回日本道路会議

(2)

データ定義の共通化をおこなう必要がある。一元的なものとして提供される実態モデルと個別業務を分析した 業務モデルを対比し、固有の業務モデルの中にあるデータが、実態モデルの中と同じ項目を抽出し、または整 合させる事でデータに対する共通の解釈を持たせる。共通の解釈が可能となる事で、システム同士の連携を容 易に実現できるものと想定される。

3.道路通信標準における取扱

3.1 モデリングプロセスの共通化

道路通信標準においては、道路や道路の構造に関する項目ならびに道路上で起こる事象を共通項目として実態 モデルを検討している。図-1に示した位置のモデリングもこの検討の中で作成された。このモデルを用いる ことで、異なる位置表現を用いたデータを連携、比較させるためには道路の区間ID方式の位置参照を用いる 事で明確になる。図-2参照。

3.2 データの共有

データの関係性を明らかにすることで、年度が異なる毎に変化するノードIDやリンクIDを含んだ VICS、

DRMなどを利用した情報でも、緯度経度や区間ID方式を介してデータ連係を図ることができるようになる。

このような仕組みを整えていくことで、例えば、センサ情報を用いる個別システム間や台帳システム等との データ共有化を、効率的に実現することができるようになる。このようなデータ連携を進めていくと今後はセ ンサやデータ蓄積の他、アプリケーションレベルのシステム機能を明確に区別し、シンプルな機能を実装した 装置間の連携による、道路管理業務向けのシステムを構築できるものと考えられる。個別の装置の機能がシン プルになることにより、システム構築や、維持管理のコスト最適化をする事ができるものと考えられる。

4.まとめ

道路情報システムにおける道路情報共有の効率化を目指し、通信機能とデータ構造に着目をして検討を進め てきた。この検討にあたっては、システムの構成や構築するときの意志決定について、可能な限り現状の体制 で可能なものを目指したが、今後は異なる管理者やシステムベンダによって生じる揺らぎを排除し、データ定 義を共通化するための仕組み作りが必要である。これは運用面に依存する割合が高いと考えられることから、

基準やマニュアル類などのルール作りをすすめていきたい。

図-2 実態モデルによるデータ連係例

緯度経度を経由した 情報の参照や流用が 可能になる。

2006 DRM

2010 DRM 区間

区間ID 端点

基点ID 終点ID

緯度経度の位置 緯度

経度 高度

2..*

1..*

2006 VICS 2

2010 VICS

VICSにおける位置の実態モデル 区間ID方式の実態モデル DRMにおける位置の実態モデル

区間 区間ID 端点

基点ID 終点ID

緯度経度の位置 緯度 経度 高度 区間

区間ID 端点

基点ID 終点ID

緯度経度の位置 緯度 経度 高度

区間 区間ID 端点

基点ID 終点ID

緯度経度の位置 緯度 経度 高度 区間

区間ID 端点

基点ID 終点ID

緯度経度の位置 緯度 経度 高度

・ ・

・ ・ ・ ・

緯度経度が共通項目 となり、これを介して データ連係が図れる。

第29回日本道路会議

参照

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