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厚生労働科学研究費補助金食品の安全確保推進研究事業

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Academic year: 2022

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厚 生 労 働 科 学 研 究 費 補 助 金 食 品 の 安 全 確 保 推 進 研 究 事 業 分 担 研 究 報 告 書

リ ス ク 認 知 の 測 定 法 の 検 討 と 調 査 研 究

研 究 分 担 者   竹 村 和 久   早 稲 田 大 学 文 学 学 術 院   教 授

研 究 要 旨   本 研 究 で は 、 ま ず 、 リ ス ク 認 知 測 定 の 方 法 論 を 調 査 1 で 検 討 し て 、そ の 結 果 を も と に 、リ ス ク 事 象 に 関 す る 知 識 の 程 度 に 対 す る 態 度 と リ ス ク 認 知 の 関 連 性 を 探 索 的 に 検 討 す る こ と 目 的 と し 調 査 2 を 実 施 し た 。   調 査 1 で は 、大 学 生 221 名( 男 性 106 名 、女 性 113 名 、平 均 年 齢 20.67 歳 、SD=5.82、 年 齢 及 び 性 別 無 記 入 2 名 ) に 、「 日 本 国 内 10 万 人 に お け る 年 間 死 者 数 」、「 日 本 国 内 に お け る 年 間 死 亡 率 」 を 推 定 さ せ た 場 合 、「 日 本 の 総 人 口 に お け る 年 間 死 者 数 」を 推 定 さ せ た 場 合 よ り 、非 常 に 多 く の 死 者 数 を 推 定 し て い る こ と が わ か り 、ア ン カ ー を 与 え て 日 本 の 総 人 口 を 提 示 し た ほ う が 比 較 的 正 確 な リ ス ク 認 知 の 測 定 が 可 能 で あ る と 考 え ら れ る 。   調 査 2 に お い て 、日 本 国 内 の 医 師 300 名( 男 性 265 名 、女 性 35 名 、平 均 年 齢 48.70 歳 (25~68 歳 )、SD=9.49)、 一 般 消 費 者 300 名 ( 男 性 265 名 、 女 性 35 名 、 平 均 年 齢 48.60 歳 (24~69 歳 )、SD=9.79)、 大 学 生 270 名( 男 性 115 名 、女 性 152 名 、平 均 年 齢 21.21 歳(18~42 歳 )、SD=2.79、 年 齢 及 び 性 別 無 記 入 3 名 ) を 対 象 と し た 。 知 識 の 程 度 に 対 す る 態 度 と リ ス ク 認 知 の 関 連 性 が 示 唆 さ れ た 。具 体 的 に は 、リ ス ク 事 象 に 関 す る 自 身 の 保 有 知 識 の 程 度 を 適 切 に 把 握 し て い る 医 師 は 、死 亡 者 数 の 推 定 精 度 が 高 い 傾 向 が 示 さ れ た 。さ ら に 、評 価 対 象 リ ス ク 事 象 に 関 す る 知 識 も 全 く 持 っ て い な い と い う こ と を 強 く 自 覚 し て い る 、い わ ゆ る「 無 知 の 知 」の よ う な 態 度 を 持 つ 人 は 、 死 亡 者 推 定 の 精 度 が 高 い 傾 向 が 示 唆 さ れ た 。

A . 研 究 目 的  

一 般 市 民 の リ ス ク 認 知 は 、 通 常 は 、 質 問 紙 法 で 検 討 さ れ て い る 。 例 え ば 、 こ の よ う な 質 問 紙 調 査 で 、リ ス ク 認 知 は 、「 恐 ろ し さ 」、「 未 知 性 」 と い っ た 次 元 で 判 断 さ れ や す い こ と 、 実 際 の リ ス ク と は 乖 離 が あ る こ と が わ か っ て い る(Slovic,1987

; 竹 村,2006;吉 川,1999)。 こ の よ う な リ ス ク 認 知 を 測 定 す る 場 合 、 ど の よ う な 方 法 で 測 定 す る こ と が 比 較 的 正 確 な リ ス ク 認 知 を 測 定 で き る の か と い う 問 題 が あ る 。

本 研 究 で は 、 ま ず 、 リ ス ク 認 知 測 定 の 方 法 論 を 調 査 1 で 検 討 し て 、 そ の 結 果 を も と に 、 リ ス ク 事 象 に 関 す る 知 識 の 程 度 に 対 す る 態 度 と リ ス ク 認 知 の 関 連 性 を 探 索 的 に 検 討 す る こ と 目 的 と し 調 査 2を 実 施 し た 。

社 会 的 状 況 下 で 一 般 の 人 が 行 う リ ス ク 認 知 は 、 当 該 リ ス ク 事 象 の 生 起 確 率 や 結 果 の 重 大 さ を 正 確 に 把 握 し て い る と は 必 ず し も 仮 定 す る こ と は で き な い ( 竹 村, 2006)。   こ の よ う に 、 一 般 の 人 が リ ス ク 事 象 に 関 す る 知 識 を 正 確 に 有 し て い る

(2)

と は 言 え な い 状 況 を 鑑 み る と 、 リ ス ク 事 象 に 関 し て 自 身 が 保 有 し て い る 知 識 に 対 し て ど の よ う な 認 識 を 持 っ て い る か と い っ た 、 自 身 の 保 有 知 識 に 対 す る 態 度 ( メ タ 知 識 ) が リ ス ク 認 知 と 関 連 す る 可 能 性 が あ る 。 特 に 、 不 確 実 性 下 に お け る リ ス ク 認 知 で は 、 分 か ら な い こ と 、 曖 昧 な こ と に 対 す る 態 度 が 重 要 な 要 因 と な り う る と 考 え ら れ る ( 吉 川 ら,2014)。   分 か ら な い こ と 、 曖 昧 な こ と に 対 す る 態 度 に 関 し て は 、 人 文 学 に お い て は 、「 無 知 の 知 」 と い う 概 念 が 存 在 し て い る 。「 無 知 の 知 」 と は 、「 自 分 は 何 も 知 ら な い 」と い う こ と を 自 覚 し て い る 状 態 を 指 す 。 ス ク 認 知 に お い て も 、「 無 知 の 知 」の よ う な 、自 身 の 保 有 知 識 に 対 す る 態 度 が 重 要 な 要 因 と な る 可 能 性 が あ る 。

調 査 2 で は 、 こ の よ う な 知 識 に つ い て の 自 己 の 態 度 ( メ タ 知 識 ) も 測 定 し て 、 リ ス ク 認 知 を 測 定 し て 、 リ ス ク 認 知 に 関 わ る 要 因 を 検 討 し た 。 ま た 、 医 師 と 一 般 成 人 、 大 学 生 に も リ ス ク 認 知 調 査 を 実 施 し 、 群 間 の 比 較 も 行 っ た 。

B . 研 究 方 法

調 査 1: 年 間 死 亡 者 数 の 推 定 に よ る リ ス ク 認 知 の 測 定 法 の 検 討

リ ス ク 認 知 の 測 定 項 目 と し て 、「 日 本 国 内 10 万 人 に お け る 年 間 死 亡 者 数 」な ど の 方 法 が し ば し ば 用 い ら れ る が 、 予 備 調 査 で は 各 リ ス ク 事 象 に 対 す る 推 定 死 亡 者 数 の 合 計 が 10 万 人 を 超 え た 参 加 者 が 認 め ら れ た 。 こ の よ う な 問 題 が あ る た め 、 リ ス ク 事 象 に よ る 年 間 死 亡 者 数 の 推 定 方 法 を 検 討 す る た め の 調 査 を 実 施 し た 。 リ ス ク 事 象 に よ る 年 間 死 亡 者 数 の 推 定 方 法 を 6 種 類 作 成 し 、 推 定 方 法 ご と に 質 問 用 紙 を 作 成 し た 。 そ し て 各 推 定 方 法 に よ る 回 答 傾 向 の 比 較 を 行 っ た 。

調 査 期 間 ・ 調 査 参 加 者   2014 年 10 月 24 日 に 、大 学 生 221 名( 男 性 106 名 、女 性 113 名 、平 均 年 齢 20.67 歳 、SD=5.82、

年 齢 及 び 性 別 無 記 入 2 名 ) を 対 象 に 実 施 し た 。 リ ス ク 事 象 は 、 厚 生 労 働 省 平 成 25 年 度 の 死 因 簡 単 分 類 別 に み た 性 別 死 亡 数

・ 死 亡 率( 人 口 10 万 対 )な ど を 参 考 に し て 、「 遺 伝 子 組 み 換 え 食 品 」「 食 品 添 加 物 」

「 牛 海 綿 状 脳 症 」「 脳 梗 塞 」「 糖 尿 病 」「 悪 性 新 生 物 」 の 6 事 象 を 採 択 し た 。

質 問 項 目

調 査 参 加 者 の 主 観 的 知 識 及 び 科 学 的 解 明 の 程 度 に 対 す る 信 念 に 関 す る 質 問 項 目

( 問 1〜 問 4)

問 1 で は 、 参 加 者 が 当 該 リ ス ク 事 象 を ど の 程 度 知 っ て い る か(「 あ な た は 、こ の 事 象 ( も の ) に つ い て 、 ど の 程 度 知 っ て い ま す か ? 」)、 問 3 で は 、 参 加 者 が 、 当 該 リ ス ク 事 象 が ど の 程 度 科 学 的 に 解 明 さ れ て い る と 思 う か(「 あ な た は 、こ の 事 象

( も の ) が ど の 程 度 科 学 的 に 解 明 さ れ て い る と 思 い ま す か ? 」)を 、そ れ ぞ れ 問 う た 。

ま た 、 問 2、 問 4 で は 、 そ れ ぞ れ 問 1、

問 3 の 回 答 に 対 す る 確 信 度 を 問 う た(「 問 1( 問 3) の 回 答 に 対 し て 、 あ な た は ど の 程 度 自 信 を 持 っ て い ま す か ? 」)。 各 問 の 評 定 尺 度 は 7 件 法 で あ っ た 。

4.3.2.4.2.リ ス ク 事 象 に よ る 年 間 死 亡 者 数 の 推 定 に 関 す る 質 問 項 目( 問 5、問 6)

  年 間 死 亡 者 数 の 区 間 推 定 と 点 推 定 を 問 う 項 目 ( 問 5、 問 6) に お い て 、 計 6 種 類 ( 質 問 文 の 文 言 (3 種 類 )×参 考 情 報 の 有 無(2 種 類 ))の 質 問 形 式 を 採 択 し た 。 質 問 文 の 形 式 と し て は 、 以 下 の 6 種 類 の 形 式 を 用 い た 。

① 日 本 国 内 10 万 人 あ た り の 年 間 死 亡 者 数 、 参 考 情 報 あ り

問 5:「 こ の 事 象 ( も の ) に よ り 、 日 本 国 内 に お い て 、毎 年 10 万 人 あ た り 何 人 か ら 何 人 く ら い の 人 が 死 亡 し て い る と 思 い ま す か ?

【 参 考:交 通 事 故 】日 本 国 内 10 万 人 あ た り の 年 間 死 亡 者 数 (2013 年 ):4.8 人 」

問 6:「 こ の 事 象 ( も の ) に よ る 、 日 本

(3)

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質問項目 問1 あなたは、この事象(もの)について、どの程度知っていますか?

問2 1)の回答に対して、あなたはどの程度自信を持っていますか?

問3 あなたは、この事象(もの)が、科学的にどの程度解明されていると思いますd 問4 3)の回答に対して、あなたはどの程度自信を持っていますか?

この事象(もの)により、日本国内において、毎年10万人あたり何人から何人くらいの人が死亡していると思いますか?

【参考:交通事故】日本国内10万人あたりの年間死亡者数(2013年):4.8人

この事象(もの)による、日本国内10万人あたりの年間死亡者数は正確には何人だと思いますか?

【参考:交通事故】日本国内10万人あたりの年間死亡者数(2013年):4.8人 問7 この事象(もの)に対するあなたのイメージをお答えください。

問6 問5

国 内 10 万 人 あ た り の 年 間 死 亡 者 数 は 正 確 に は 何 人 だ と 思 い ま す か ?

【 参 考:交 通 事 故 】日 本 国 内 10 万 人 あ た り の 年 間 死 亡 者 数 (2013 年 ):4.8 人 」

② 日 本 国 内 10 万 人 あ た り の 年 間 死 亡 者 数 、 参 考 情 報 な し 問 5:「 こ の 事 象 ( も の ) に よ り 、 日 本 国 内 に お い て 、 毎 年 10 万 人 あ た り 何 人 か ら 何 人 く ら い の 人 が 死 亡 し て い る と 思 い ま す か ? 」

問 6:「 こ の 事 象 ( も の ) に よ る 、 日 本 国 内 10 万 人 あ た り の 年 間 死 亡 者 数 は 正 確 に は 何 人 だ と 思 い ま す か ? 」

③ 日 本 国 内 ( 総 人 口 :1 億 2700 万 人 ) に お け る 年 間 死 亡 者 数 、 参 考 情 報 あ り

問 5:「 こ の 事 象 ( も の ) に よ り 、 日 本 国 内( 総 人 口:1 億 2700 万 人 )に お い て 、 毎 年 何 人 か ら 何 人 く ら い の 人 が 死 亡 し て い る と 思 い ま す か ?

【 参 考 : 交 通 事 故 】 日 本 国 内 の 年 間 死 亡 者 数 (2013 年 ):6060 人 」

問 6:「 こ の 事 象 ( も の ) に よ る 、 日 本 国 内( 総 人 口 :1 億 2700 万 人 )の 年 間 死 亡 者 数 は 正 確 に は 何 人 だ と 思 い ま す か ?

【 参 考 : 交 通 事 故 】 日 本 国 内 の 年 間 死 亡 者 数 (2013 年 ):6060 人 」

④ 日 本 国 内 ( 総 人 口 :1 億 2700 万 人 ) に お け る 年 間 死 亡 者 数 、 参 考 情 報 あ り

問 5:「 こ の 事 象 ( も の ) に よ り 、 日 本 国 内( 総 人 口:1 億 2700 万 人 )に お い て 、 毎 年 何 人 か ら 何 人 く ら い の 人 が 死 亡 し て い る と 思 い ま す か ? 」

問 6:「 こ の 事 象 ( も の ) に よ る 、 日 本 国 内( 総 人 口 :1 億 2700 万 人 )の 年 間 死 亡 者 数 は 正 確 に は 何 人 だ と 思 い ま す

か ? 」

⑤ 日 本 国 内 に お け る 年 間 死 亡 率 、 参 考 情 報 あ り

問 5:「 こ の 事 象 ( も の ) に よ り 死 亡 す る 確 率 は 、 日 本 国 内 で 年 間 何 パ ー セ ン ト か ら 何 パ ー セ ン ト だ と 思 い ま す か ?

【 参 考 : 交 通 事 故 】 日 本 国 内 の 年 間 死 亡 率 (2013 年 ):0.0048%」

問 6:「 こ の 事 象 ( も の ) に よ り 死 亡 す る 確 率 は 、 日 本 国 内 で 、 正 確 に は 年 間 何 パ ー セ ン ト だ と 思 い ま す か ? 」で あ っ た 。

【 参 考 : 交 通 事 故 】 日 本 国 内 の 年 間 死 亡 率 (2013 年 ):0.0048%」

⑥ 日 本 国 内 に お け る 年 間 死 亡 率 、 参 考 情 報 な し

問 5:「 こ の 事 象 ( も の ) に よ り 死 亡 す る 確 率 は 、 日 本 国 内 で 年 間 何 パ ー セ ン ト か ら 何 パ ー セ ン ト だ と 思 い ま す か ? 」

問 6:「 こ の 事 象 ( も の ) に よ り 死 亡 す る 確 率 は 、 日 本 国 内 で 、 正 確 に は 年 間 何 パ ー セ ン ト だ と 思 い ま す か ? 」

リ ス ク 事 象 に 対 す る イ メ ー ジ に 関 す る 質 問 項 目 ( 問 7)

問 7 で は 、 藤 井 ・ 竹 村 ・ 吉 川 (2004) を 参 考 に 、 リ ス ク 事 象 に 対 す る イ メ ー ジ

( 恐 怖 認 知 、危 険 認 知 )を 問 う た 。「 恐 ろ し い―恐 ろ し く な い 」「 危 険―安 全 」 に 関 し て 、SD 法 に よ る 7 件 法 の 評 定 を 求 め た 。

実 際 に 用 い た 質 問 紙 の う ち 、 形 式 ① に お け る 、 遺 伝 子 組 み 換 え 食 品 に 対 す る 質 問 項 目 を 表 1 に 示 し た 。 ま た 、 他 の リ ス ク 事 象 に 対 し て も 同 様 の 質 問 項 目 を 用 い た 。

表 1   調 査 1 に お け る 質 問 紙 項 目

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手 続 き

大 学 の 講 義 内 で 調 査 票 を 配 布 し 、 回 答 記 入 後 に 回 収 し た 。回 答 に 要 し た 時 間 は 、 約 20 分 で あ っ た 。ま た 、リ ス ク 事 象 の 掲 載 順 序 に よ る 順 序 効 果 を 相 殺 す る た め 、 リ ス ク 事 象 の 掲 載 順 序 を 4 系 列 作 成 し た 。

調 査 2 : リ ス ク 認 知 の イ ン タ ー ネ ッ ト 調 査

本 調 査 で は 、 医 師 や 一 般 成 人 に 、 調 査 1 で 有 効 と 判 断 さ れ た リ ス ク 認 知 測 定 を 行 い 、 食 品 リ ス ク に つ い て の 知 識 や 知 識 に つ い て の 知 識 で あ る メ タ 知 識 に つ い て の 関 連 性 を 検 討 し た 。 質 問 紙 は 下 記 の と お り で あ る 。

質 問 項 目

リ ス ク 事 象 に 関 す る 主 観 的 知 識 に 関 す る 質 問 項 目 ( 問 1〜 問 2)

調 査 1 を 参 考 に 、 各 リ ス ク 事 象 に 対 し て 、 問 1 で は 、 参 加 者 が 当 該 リ ス ク 事 象 を 主 観 的 に ど の 程 度 知 っ て い る か(「 あ な た は 、 こ の 事 象 ( も の ) に つ い て 、 ど の 程 度 知 っ て い ま す か ? 」)、 問 2 で は 、 問 1 の 回 答 に 対 す る 確 信 度(「 問 1 の 回 答 に 対 し て 、 あ な た は ど の 程 度 自 信 を 持 っ て い ま す か ? 」)を 問 う た 。各 問 の 評 定 尺 度 は 7 件 法 で あ っ た 。

リ ス ク 事 象 に よ る 年 間 死 亡 者 数 の 推 定 に 関 す る 質 問 項 目 ( 問 3〜 問 4)

  調 査 1 の 結 果 を 踏 ま え 、 問 3 で は 、 日 本 国 内( 総 人 口 :1 億 2700 万 人 )に お け る 年 間 死 亡 者 数 の 区 間 推 定(「 こ の 事 象

( も の ) に よ り 、 日 本 国 内 ( 総 人 口 :1 億 2700 万 人 )に お い て 、毎 年 何 人 か ら 何 人 く ら い の 人 が 死 亡 し て い る と 思 い ま す か ? 」)、問 4 で は 、日 本 国 内( 総 人 口 :1 億 2700 万 人 )に お け る 年 間 死 亡 者 数 の 点 推 定 (「 こ の 事 象 ( も の ) に よ る 、 日 本 国 内( 総 人 口 :1 億 2700 万 人 )の 年 間 死 亡 者 数 は 正 確 に は 何 人 だ と 思 い ま す か ? 」)

を 問 う た 。

リ ス ク 事 象 に 対 す る イ メ ー ジ に 関 す る 質 問 項 目 ( 問 5)

問 5 で は 、 藤 井 ら (2004) を 参 考 に 、 リ ス ク 事 象 に 対 す る イ メ ー ジ( 恐 怖 認 知 、 危 険 認 知 ) を 問 う た 。「 恐 ろ し い―恐 ろ し く な い 」「 危 険―安 全 」 に 関 し て 、SD 法 に よ る 7 件 法 の 評 定 を 求 め た 。

リ ス ク 事 象 に 関 す る 知 識 問 題 ( 問 6)

大 学 生 19 名 に 行 っ た 予 備 調 査 の 結 果 を も と に 、 リ ス ク 事 象 毎 に 3 問 ず つ の 知 識 問 題 を 掲 載 し た 。 回 答 方 式 は 、 掲 載 さ れ た 問 題 文 が 、 正 し い 文 章 か 、 誤 っ た 文 章 か を 判 断 す る 2 肢 選 択 問 題 で あ っ た 。 実 際 に 掲 載 し た 知 識 問 題 を 表 26 に 示 し た 。  

な お 、 架 空 の リ ス ク 事 象 で あ る ジ ル チ ヌ ス 菌 に お け る 知 識 問 題 は 、 国 立 感 染 症 研 究 所 感 染 症 情 報 セ ン タ ー (2001) を 参 考 に 、「 リ ス テ リ ア ・ モ ノ サ イ ト ゲ ネ ス 感 染 症 」 に 関 す る 知 識 問 題 を 3 問 作 成 ・ 掲 載 し た 。 作 成 し た 問 題 は 表 2 に 示 し た 。

以 下 に 具 体 例 と し て 、 実 際 に 用 い た 質 問 紙 の う ち 、 遺 伝 子 組 み 換 え 食 品 に 対 す る 質 問 項 目 を 表 3 に 示 し た 。

手 続 き

医 師 、一 般 消 費 者 を 対 象 と し た 調 査 は 、 イ ン タ ー ネ ッ ト 調 査 に て 実 施 し た 。 大 学 生 を 対 象 と し た 調 査 は 、 大 学 の 講 義 内 で 調 査 票 を 配 布 し 、回 答 記 入 後 に 回 収 し た 。 ま た 、 リ ス ク 事 象 の 掲 載 順 序 に よ る 順 序 効 果 を 相 殺 す る た め 、 リ ス ク 事 象 の 掲 載 順 序 を 4 系 列 作 成 し た 。

調 査 参 加 者

調 査 参 加 者 は 、 楽 天 リ サ ー チ に よ る イ ン タ ー ネ ッ ト に よ っ て 応 募 し た 人 々 で あ り 、日 本 国 内 の 医 師 300 名( 男 性 265 名 、 女 性 35 名 、 平 均 年 齢 48.70 歳 (25~68 歳 )、SD=9.49)、 一 般 消 費 者 300 名 ( 男 性 265 名 、 女 性 35 名 、 平 均 年 齢 48.60 歳 (24~69 歳 )、SD=9.79)、 大 学 生 270

(5)

- 20 - 名 ( 男 性 115 名 、 女 性 152 名 、 平 均 年 齢 21.21 歳 (18~42 歳 )、SD=2.79、 年 齢 及 び 性 別 無 記 入 3 名 ) を 対 象 と し た 。

実 施 日 期 間

実 施 期 間 は 、 医 師 と 一 般 消 費 者 と 大 学 生 と は 若 干 異 な っ て い る 。 医 師 、 一 般 消 費 者 を 対 象 と し た 調 査 は 、2014 年 12 月

5 日 〜2014 年 12 月 8 日 で あ っ た 。 大 学 生 を 対 象 と し た 調 査 は 、2014 年 11 月 12 日 〜12月 1日 で あ っ た 。大 学 生 の 調 査 は 、 大 学 の 教 室 な ど を 利 用 し た 質 問 紙 法 に よ る 調 査 で あ っ た 。

表 2  調 査 2 で 用 い た 知 識 問 題

表 3   調 査 2 で 用 い た 食 品 に 関 す る リ ス ク 認 知 項 目 の 例

C . 結 果 と 考 察   調 査 1

調 査 1 に お い て は 、 リ ス ク 事 象 に よ る 年 間 死 亡 者 数 の 推 定 方 法 の 選 定 を 目 的 と

質問項目

問1 「あなた」は、この事象(もの)について、どの程度知っていますか?

問2 問1の回答に対して、「あなた」はどの程度自信を持っていますか?

問3 この事象(もの)により、日本国内(総人口:1億2700万人)において、毎年何人から何人くらいの人が死亡していると思いますか?

問4 この事象(もの)による、日本国内(総人口:1億2700万人)における年間死亡者数は正確には何人だと思いますか?

問5 この事象(もの)に対するあなたのイメージをお答えください。

問6 以下の3つの文章は正しいと思いますか?(「正しい」、「間違っている」の2択)。

① 肉料 の場合、肉の中心部を75℃で1分以上加熱すると、食中毒の原因となる細菌やウイルスはほとんど死 する。

② カンピロバクターはあらゆる動 が保有している細菌であり、ペットとの接触を通じて人間が感染する場合がある。

③ 食中毒の原因となる細菌は、0℃以下で増殖を停止する。

「遺伝子組み換え食品」およびその影響について以下の質問にお答え下さい。

(6)

①10万換算・

②10万換算・

③総人口・参

④総人口・参

⑤死亡 換算

⑥死亡 換算

し た 。 そ こ で 、 各 質 問 形 式 群 に お い て 、 各 リ ス ク 事 象 に 対 す る 推 定 死 亡 者 数 の 代 表 値 の 合 計 が 日 本 の 総 人 口 で あ る 2700 万 人 を 超 え た 参 加 者 数 を 表

し た 。 な お 、 質 問 形 式 に よ る 回 答 傾 向 を 比 較 す る た め 、日 本 国 内

年 間 死 亡 者 数 に お い て は 、推 定 値 に を 乗 じ 、 総 人 口

年 間 死 亡 者 数 に 変 換 し た 値 ( 以 下 、 換 算 と 記 載 ) を 掲 載 し た

内 に お け る 年 間 死 亡 率 に お い て は 、 推 定 値 に 1億

万 人 に お け る 年 間 死 亡 者 数 に 変 換 し た 値

( 以 下 、 死 亡 率 換 算 と 記 載 ) を 示 し た 。   表 4  調 査 1 の 結 果

表 5   種 々 の リ ス ク 認 知 測 定 法 に よ る 推 定 代 表 値 の 平 均 と 標 準 偏 差 値

・参考情報なし

・参考情報あ 参考情報なし 参考情報あり 算・参考情報 算・参考情報

し た 。 そ こ で 、 各 質 問 形 式 群 に お い て 、 各 リ ス ク 事 象 に 対 す る 推 定 死 亡 者 数 の 代 表 値 の 合 計 が 日 本 の 総 人 口 で あ る

万 人 を 超 え た 参 加 者 数 を 表

し た 。 な お 、 質 問 形 式 に よ る 回 答 傾 向 を 比 較 す る た め 、日 本 国 内

年 間 死 亡 者 数 に お い て は 、推 定 値 に を 乗 じ 、 総 人 口 1

年 間 死 亡 者 数 に 変 換 し た 値 ( 以 下 、 換 算 と 記 載 ) を 掲 載 し た

内 に お け る 年 間 死 亡 率 に お い て は 、 推 定 億 2700万 を 乗 じ 、総 人 口

万 人 に お け る 年 間 死 亡 者 数 に 変 換 し た 値

( 以 下 、 死 亡 率 換 算 と 記 載 ) を 示 し た 。 調 査 1 の 結 果

種 々 の リ ス ク 認 知 測 定 法 に よ る 推 定 代 表 値 の 平 均 と 標 準 偏 差 値 参加者

し り

報なし 報あり

し た 。 そ こ で 、 各 質 問 形 式 群 に お い て 、 各 リ ス ク 事 象 に 対 す る 推 定 死 亡 者 数 の 代 表 値 の 合 計 が 日 本 の 総 人 口 で あ る

万 人 を 超 え た 参 加 者 数 を 表

し た 。 な お 、 質 問 形 式 に よ る 回 答 傾 向 を 比 較 す る た め 、日 本 国 内 10 万 人 あ た り の 年 間 死 亡 者 数 に お い て は 、推 定 値 に

1 億 2700 万 人 に お け る 年 間 死 亡 者 数 に 変 換 し た 値 ( 以 下 、 換 算 と 記 載 ) を 掲 載 し た 。 ま た 、 日 本 国 内 に お け る 年 間 死 亡 率 に お い て は 、 推 定

万 を 乗 じ 、総 人 口

万 人 に お け る 年 間 死 亡 者 数 に 変 換 し た 値

( 以 下 、 死 亡 率 換 算 と 記 載 ) を 示 し た 。 調 査 1 の 結 果

種 々 の リ ス ク 認 知 測 定 法 に よ る 推 定 代 表 値 の 平 均 と 標 準 偏 差 値 者数(人)

3 1 1 0 26

4

し た 。 そ こ で 、 各 質 問 形 式 群 に お い て 、 各 リ ス ク 事 象 に 対 す る 推 定 死 亡 者 数 の 代 表 値 の 合 計 が 日 本 の 総 人 口 で あ る 1

万 人 を 超 え た 参 加 者 数 を 表 4 に 示 し た 。 な お 、 質 問 形 式 に よ る 回 答 傾 向 を 万 人 あ た り の 年 間 死 亡 者 数 に お い て は 、推 定 値 に 1270 万 人 に お け る 年 間 死 亡 者 数 に 変 換 し た 値 ( 以 下 、10

。 ま た 、 日 本 国 内 に お け る 年 間 死 亡 率 に お い て は 、 推 定 万 を 乗 じ 、総 人 口 1億 2700 万 人 に お け る 年 間 死 亡 者 数 に 変 換 し た 値

( 以 下 、 死 亡 率 換 算 と 記 載 ) を 示 し た 。

種 々 の リ ス ク 認 知 測 定 法 に よ る 推 定 代 表 値 の 平 均 と 標 準 偏 差 値 し た 。 そ こ で 、 各 質 問 形 式 群 に お い て 、

各 リ ス ク 事 象 に 対 す る 推 定 死 亡 者 数 の 代

1 億

に 示 し た 。 な お 、 質 問 形 式 に よ る 回 答 傾 向 を 万 人 あ た り の 1270 万 人 に お け る 10 万

。 ま た 、 日 本 国 内 に お け る 年 間 死 亡 率 に お い て は 、 推 定 2700 万 人 に お け る 年 間 死 亡 者 数 に 変 換 し た 値

( 以 下 、 死 亡 率 換 算 と 記 載 ) を 示 し た 。

表 4

日 本 国 内( 総 人 口 :

け る 年 間 死 亡 者 数 、 参 考 情 報 あ り 」 で あ っ た 場 合 、 各 リ ス ク 事 象 に 対 す る 推 定 死 亡 者 数 の 代 表 値 の 合 計 が 日 本 の 総 人 口 で あ る

い な い こ と が 示 さ れ た 。 そ こ で 、 調 査 に て 用 い る 質 問 紙 で は 、 死 亡 者 数 推 定 方 法 と し て 、「

万 人 ) の 死 亡 の 総 人 口 で あ る

参 加 者 数 が い な い こ と が 示 さ れ た 。 そ こ で 、 調 査

者 数 推 定 方 法 と し て 、「 口 :

数 、参 考 情 報 あ り 」を 用 い る こ と と し た 。

   

種 々 の リ ス ク 認 知 測 定 法 に よ る 推 定 代 表 値 の 平 均 と 標 準 偏 差 値 4 よ り 、年 間 死 亡 者 数 の 推 定 方 法 が「

日 本 国 内( 総 人 口 :

け る 年 間 死 亡 者 数 、 参 考 情 報 あ り 」 で あ っ た 場 合 、 各 リ ス ク 事 象 に 対 す る 推 定 死 亡 者 数 の 代 表 値 の 合 計 が 日 本 の 総 人 口 で あ る 1 億 2700

い な い こ と が 示 さ れ た 。 そ こ で 、 調 査 に て 用 い る 質 問 紙 で は 、 死 亡 者 数 推 定 方 法 と し て 、「 ④

人 ) の 死 亡 の 総 人 口 で あ る

参 加 者 数 が い な い こ と が 示 さ れ た 。 そ こ で 、 調 査 2 に て 用 い る 質 問 紙 で は 、 死 亡 者 数 推 定 方 法 と し て 、「

口 :1 億 2700

数 、参 考 情 報 あ り 」を 用 い る こ と と し た 。

   

種 々 の リ ス ク 認 知 測 定 法 に よ る 推 定 代 表 値 の 平 均 と 標 準 偏 差 値 よ り 、年 間 死 亡 者 数 の 推 定 方 法 が「

日 本 国 内( 総 人 口 :1 億

け る 年 間 死 亡 者 数 、 参 考 情 報 あ り 」 で あ っ た 場 合 、 各 リ ス ク 事 象 に 対 す る 推 定 死 亡 者 数 の 代 表 値 の 合 計 が 日 本 の 総 人 口 で 2700 万 人 を 超 え た 参 加 者 数 が い な い こ と が 示 さ れ た 。 そ こ で 、 調 査 に て 用 い る 質 問 紙 で は 、 死 亡 者 数 推 定 方

④ 日 本 国 内( 総 人 口:

人 ) の 死 亡 者 数 の 代 表 値 の 合 計 が 日 本 の 総 人 口 で あ る 1 億

参 加 者 数 が い な い こ と が 示 さ れ た 。 そ こ に て 用 い る 質 問 紙 で は 、 死 亡 者 数 推 定 方 法 と し て 、「

2700 万 人 )に お け る 年 間 死 亡 者 数 、参 考 情 報 あ り 」を 用 い る こ と と し た 。

種 々 の リ ス ク 認 知 測 定 法 に よ る 推 定 代 表 値 の 平 均 と 標 準 偏 差 値 よ り 、年 間 死 亡 者 数 の 推 定 方 法 が「

億 2700 万 人 )に お け る 年 間 死 亡 者 数 、 参 考 情 報 あ り 」 で あ っ た 場 合 、 各 リ ス ク 事 象 に 対 す る 推 定 死 亡 者 数 の 代 表 値 の 合 計 が 日 本 の 総 人 口 で 万 人 を 超 え た 参 加 者 数 が い な い こ と が 示 さ れ た 。 そ こ で 、 調 査 に て 用 い る 質 問 紙 で は 、 死 亡 者 数 推 定 方

日 本 国 内( 総 人 口:

者 数 の 代 表 値 の 合 計 が 日 本 2700 万 人 を 超 え た 参 加 者 数 が い な い こ と が 示 さ れ た 。 そ こ に て 用 い る 質 問 紙 で は 、 死 亡 者 数 推 定 方 法 と し て 、「 ④ 日 本 国 内( 総 人 万 人 )に お け る 年 間 死 亡 者 数 、参 考 情 報 あ り 」を 用 い る こ と と し た 。

種 々 の リ ス ク 認 知 測 定 法 に よ る 推 定 代 表 値 の 平 均 と 標 準 偏 差 値 よ り 、年 間 死 亡 者 数 の 推 定 方 法 が「 ④ 万 人 )に お け る 年 間 死 亡 者 数 、 参 考 情 報 あ り 」 で あ っ た 場 合 、 各 リ ス ク 事 象 に 対 す る 推 定 死 亡 者 数 の 代 表 値 の 合 計 が 日 本 の 総 人 口 で 万 人 を 超 え た 参 加 者 数 が い な い こ と が 示 さ れ た 。 そ こ で 、 調 査 2 に て 用 い る 質 問 紙 で は 、 死 亡 者 数 推 定 方

日 本 国 内( 総 人 口:1 億 2700 者 数 の 代 表 値 の 合 計 が 日 本 万 人 を 超 え た 参 加 者 数 が い な い こ と が 示 さ れ た 。 そ こ に て 用 い る 質 問 紙 で は 、 死 亡 日 本 国 内( 総 人 万 人 )に お け る 年 間 死 亡 者 数 、参 考 情 報 あ り 」を 用 い る こ と と し た 。

種 々 の リ ス ク 認 知 測 定 法 に よ る 推 定 代 表 値 の 平 均 と 標 準 偏 差 値

④ 万 人 )に お

っ た 場 合 、 各 リ ス ク 事 象 に 対 す る 推 定 死 亡 者 数 の 代 表 値 の 合 計 が 日 本 の 総 人 口 で 万 人 を 超 え た 参 加 者 数 が 2 に て 用 い る 質 問 紙 で は 、 死 亡 者 数 推 定 方

2700 者 数 の 代 表 値 の 合 計 が 日 本 万 人 を 超 え た 参 加 者 数 が い な い こ と が 示 さ れ た 。 そ こ に て 用 い る 質 問 紙 で は 、 死 亡 日 本 国 内( 総 人 万 人 )に お け る 年 間 死 亡 者 数 、参 考 情 報 あ り 」を 用 い る こ と と し た 。

種 々 の リ ス ク 認 知 測 定 法 に よ る 推 定 代 表 値 の 平 均 と 標 準 偏 差 値

(7)

- 22 - 表 5 に は 、 各 リ ス ク 認 知 測 定 法 に よ る 代 表 値 の 平 均 値 と 標 準 偏 差 値 を 記 し た 。 こ の 結 果 、「 日 本 国 内 10 万 人 に お け る 年 間 死 者 数 」、「 日 本 国 内 に お け る 年 間 死 亡 率 」 を 推 定 さ せ た 場 合 、「 日 本 の 総 人 口 に お け る 年 間 死 者 数 」 を 推 定 さ せ た 場 合 よ り 、 非 常 に 多 く の 死 者 数 を 推 定 し て い る 。 こ の よ う な こ と か ら 、 ア ン カ ー を 与 え て 日 本 の 総 人 口 を 提 示 し た ほ う が 比 較 的 正 確 な リ ス ク 認 知 の 測 定 が 可 能 で あ る と 考 え ら れ る 。

  調 査 2

各 質 問 項 目 に お け る 回 答 傾 向 の 検 討   医 師 群 は 、 知 識 問 題 の 正 答 数 が 、 食 中 毒 以 外 の 全 て の リ ス ク 事 象 に お い て 最 も 高 か っ た 。 本 調 査 で は 、 医 師 群 を 、 リ ス ク 事 象 に 関 し て 豊 富 な 知 識 を 持 つ と 仮 定 し て 調 査 参 加 者 に 加 え た が 、 そ の 仮 定 通 り の 傾 向 が 示 さ れ た 。 特 に 、 医 学 的 リ ス ク に 関 し て は 、 い ず れ に お い て も 一 般 消 費 者 群 、 大 学 生 群 よ り 有 意 に 高 い 正 答 数 を 示 し た 。 ま た 、 主 観 的 知 識 に 対 す る 信 念 ( 問 1) に お い て は 、 す べ て の リ ス ク 事 象 に お い て 最 も 高 い 値 を 示 し た 。 特 に 医 学 的 リ ス ク に お い て は 、一 般 消 費 者 群 、 大 学 生 群 よ り も 有 意 に 高 い 値 を 示 し た 。 ま た 、 問 1 の 回 答 に 対 す る 確 信 度 ( 問 2)

に 関 し て は 、 毒 キ ノ コ 、 ジ ル チ ヌ ス 菌 以 外 の リ ス ク 事 象 に お い て 最 も 高 い 傾 向 を 示 し た 。特 に 、医 学 的 リ ス ク に お い て は 、 一 般 消 費 者 群 、 大 学 生 群 よ り も 有 意 に 高 い 値 を 示 し た 。以 上 の 傾 向 か ら 、医 師 は 、 医 学 的 リ ス ク に 関 し て 豊 富 な 知 識 を 持 つ と 同 時 に 、 主 観 的 に も 豊 富 な 知 識 を 持 つ と 考 え て お り 、 そ の 確 信 度 も 高 い 傾 向 が 示 さ れ た 。 す な わ ち 、 自 身 が 持 つ 、 医 学 的 リ ス ク に 関 す る 知 識 の 程 度 を 適 切 に 把 握 し て い る 傾 向 が 示 唆 さ れ た 。 ま た 、 食 品 リ ス ク に お い て も 、 実 際 に 保 有 す る 知 識 の 程 度 に 応 じ て 、 主 観 的 知 識 に 対 す る

信 念 及 び そ の 回 答 に 対 す る 確 信 度 の 回 答 が 変 化 し て い る 傾 向 が 見 ら れ た 。 以 上 の 傾 向 か ら 、 医 師 は 、 食 品 リ ス ク に お い て も 、 知 識 の 程 度 を 適 切 に 把 握 し て い る 傾 向 が 示 唆 さ れ た 。 ま た 、 主 観 的 知 識 に 対 す る 態 度 及 び そ の 回 答 に 対 す る 確 信 度 の 評 定 が 、 リ ス ク 事 象 に よ っ て 大 き く 異 な る こ と か ら 、 医 師 は 一 つ 一 つ の リ ス ク 事 象 を 区 別 し て 評 価 し て い る 傾 向 が 示 唆 さ れ た 。

  一 般 消 費 者 群 で は 、毒 キ ノ コ 、食 中 毒 、 糖 尿 病 と い っ た リ ス ク 事 象 に お い て 、 知 識 問 題 の 正 答 数 が 高 か っ た 。 医 学 的 リ ス ク 、BSE、 毒 キ ノ コ に お い て 、 医 師 よ り 有 意 に 低 い 正 答 数 を 示 し た 。 ま た 、 主 観 的 知 識 に 対 す る 信 念 ( 問 1) で は 、 食 中 毒 、 糖 尿 病 、 悪 性 新 生 物 に お い て 高 い 傾 向 が 見 ら れ た 。 ま た 群 間 の 有 意 差 が 認 め ら れ た す べ て の リ ス ク 事 象 に お い て 、 医 師 群 よ り 有 意 に 低 い 傾 向 が 見 ら れ た 。 ま た 問 1 の 回 答 に 対 す る 確 信 度 ( 問 2) に 関 し て は 、 食 中 毒 や 脳 梗 塞 に お い て 高 か っ た が 、 他 の リ ス ク 事 象 と の 差 は あ ま り 大 き く な か っ た 。 以 上 の 傾 向 か ら 、 一 般 消 費 者 群 に お い て は 、 食 中 毒 、 糖 尿 病 な ど の 知 識 問 題 の 正 答 数 が 多 い リ ス ク 事 象 に 対 し 、 問 1 及 び 問 2 に お い て も 高 い 評 定 を 示 す 傾 向 が 見 ら れ た こ と か ら 、 リ ス ク 事 象 に 関 す る 知 識 の 程 度 を 適 切 に 把 握 し て い る 傾 向 が 示 唆 さ れ た 。 し か し 、 食 中 毒 及 び 糖 尿 病 に 対 す る 問 1、 問 2 の 評 定 値 が 、 他 の リ ス ク 事 象 に 対 す る 評 定 値 と あ ま り 変 わ ら な か っ た 点 を 考 え る と 、 知 識 の 程 度 に 対 す る 判 断 の 適 切 さ は 、 医 師 群 に 比 べ て 劣 る 傾 向 が 示 唆 さ れ た 。 ま た 、 リ ス ク 事 象 の 違 い に よ る 問 1 の 評 定 の 異 な り 度 合 い が 医 師 群 よ り も 小 さ い こ と か ら 、 一 般 消 費 者 は リ ス ク 事 象 の 違 い を あ ま り 区 別 せ ず に 評 価 を 行 っ て い る 傾 向 が 示 唆 さ れ た 。 こ の 傾 向 は 、 大 学 生 を 調 査 対 象 と し た 調 査 1 に お い て も 同 様 に

(8)

1 2 3 4 5 6 7

医師(N =300) 219 38 14 21 7 0 1

一般消費者(N =300) 249 17 12 13 5 1 3

大学 (N =254) 199 26 10 9 6 3 1

主観的知識に対する信念(問1)の各評定値における評定人数(人)

1 2 3 4 5 6 7

医師(N =219) 156 1 0 9 2 5 46

一般消費者(N =249) 169 0 1 6 3 6 64

大学 (N =199) 104 5 1 4 4 7 74

問1の回答に対する確信度(問2)の各評定値における評定人数(人)

お い て も 示 唆 さ れ た 。

  大 学 生 群 は 、3 つ の リ ス ク 事 象 に お い て 、 一 般 消 費 者 群 よ り も 知 識 問 題 の 正 答 数 が 少 な い 傾 向 が 示 さ れ た が 、 主 観 的 知 識 に 対 す る 信 念 及 び そ の 回 答 に 対 す る 確 信 度 に お け る 回 答 傾 向 が 一 般 消 費 者 群 と 近 い し い も の で あ っ た こ と か ら 、 大 学 生 の 回 答 傾 向 と 一 般 消 費 者 群 の 回 答 傾 向 は 近 し い も の で あ る こ と が 示 唆 さ れ た 。   ま た 、 医 師 群 は 一 般 消 費 者 群 及 び 大 学 生 群 に 比 べ て 、 医 学 的 リ ス ク に よ る 死 者 数 を 、 幅 を 持 た せ て 推 定 す る 傾 向 が 見 ら れ 、 食 品 リ ス ク に お い て は 、 幅 を 狭 く 見 積 も る 傾 向 が 示 唆 さ れ た 。

4.3.2.架 空 の リ ス ク 事 象 に 対 す る 回 答 傾 向 に 基 づ い た 、 知 識 の 程 度 に 対 す る 態 度 と リ ス ク 認 知 の 関 連 性 の 検 討

架 空 リ ス ク 事 象 で あ る ジ ル チ ヌ ス 菌 に お け る 主 観 的 知 識 に 対 す る 信 念 ( 問 1) 及 び そ の 回 答 に 対 す る 確 信 度 ( 問 2) の 回 答 傾 向 を も と に 、 知 識 の 程 度 に 対 す る 態 度 と リ ス ク 認 知 の 関 連 性 を 検 討 し た 。  

架 空 の リ ス ク 事 象 に 対 す る 回 答 傾 向 に 基

づ い た 参 加 者 の 分 類

  ま ず 、 架 空 リ ス ク 事 象 に 対 す る 主 観 的 知 識 に つ い て 検 討 す る た め 、 各 対 象 者 群 に お け る 、 ジ ル チ ヌ ス 菌 に 関 す る 主 観 的 知 識 に 対 す る 信 念 ( 問 1) の 回 答 結 果 を 表 6 に 示 し た 。

表 6 よ り 、医 師 群 で は 、300 人 中 81 人 の 参 加 者 が 、主 観 的 知 識 に 対 す る 信 念( 問 1) に お い て 2 以 上 の 評 定 値 を 選 択 し た 。 一 般 消 費 者 群 で は 、300 人 中 51 人 の 参 加 者 が 2 以 上 の 評 定 値 を 選 択 し た 。 大 学 生 群 で は 、254 人 中 55 人 の 参 加 者 が 2 以 上 の 評 定 値 を 選 択 し た 。 各 対 象 者 群 に お い て 2 以 上 の 評 定 値 を 選 択 し た 参 加 者 数 を 比 較 す る と 、 医 師 群 (27% の 参 加 者 が 2 以 上 を 選 択 )、 大 学 生 群 (21.7%の 参 加 者 が 2 以 上 を 選 択 )、一 般 消 費 者 群(17%の 参 加 者 が 2 以 上 を 選 択 ) の 順 に 2 以 上 の 評 定 値 を 選 択 し た 参 加 者 が 多 か っ た 。   次 に 、 ジ ル チ ヌ ス 菌 に 関 す る 主 観 的 知 識 に 対 す る 信 念 ( 問 1) に お い て 1 の 評 定 を 選 択 し た 参 加 者 の 、 問 1 の 回 答 に 対 す る 確 信 度 ( 問 2) に 対 す る 回 答 結 果 を 表 7 に 示 し た 。

表 6 ジ ル チ ヌ ス 菌 に お け る 主 観 的 知 識 に 対 す る 信 念 ( 問 1) の 回 答 結 果

表 7 ジ ル チ ヌ ス 菌 に お け る 問 1 の 回 答 に す る 確 信 度 ( 問 2) の 回 答 結 果

(9)

- 24 -   表 7 よ り 、全 て の 対 象 者 群 に お い て 、1 の 評 定 を 選 択 し た 参 加 者 が 最 も 多 く 、 続 い て 7 の 評 定 を 選 択 し た 参 加 者 が 多 か っ た 。 す な わ ち 、 架 空 の リ ス ク 事 象 に 対 し て 主 観 的 に 全 く 知 ら な い と 回 答 し 、 そ の 回 答 に 対 す る 確 信 が 全 く な い と 回 答 し た 参 加 者 が 最 も 多 く 、 架 空 の リ ス ク 事 象 に 対 し て 主 観 的 に 全 く 知 ら な い と 回 答 し 、 そ の 回 答 に 対 す る 確 信 が 非 常 に 強 い と 回 答 し た こ と 参 加 者 が 2 番 目 に 多 い こ と が 示 唆 さ れ た 。

最 後 に 、 知 識 の 程 度 に 対 す る 態 度 と リ ス ク 認 知 の 関 連 性 を 検 討 す る た め 、 ジ ル チ ヌ ス 菌 に 対 す る 主 観 的 知 識 に 対 す る 信 念 ( 問 1) 及 び そ の 回 答 に 対 す る 確 信 度

( 問 2) に お け る 回 答 傾 向 に 基 づ き 、 参 加 者 を 表 8 の よ う に 群 分 け し た 。 主 観 的 知 識 に 対 す る 信 念 ( 問 1) で 1 の 評 定 を 選 択 し 、 そ の 回 答 に 対 す る 確 信 度 ( 問 2)

で 1〜3 の 評 定 を 選 択 し た 参 加 者 を 、「 問 1-1×問 2-低 」 と し て 分 類 し た 。 ま た 、 主 観 的 知 識 に 対 す る 信 念 ( 問 1) で 1 の 評 定 を 選 択 し 、そ の 回 答 に 対 す る 確 信 度( 問 2) で 5〜7 の 評 定 を 選 択 し た 参 加 者 を 、

「 問 1-1×問 2-高 」 に 分 類 し た 。 ま た 、主 観 的 知 識 に 対 す る 信 念 ( 問 1) で 2 以 上 の 評 定 を 選 択 し た 参 加 者 を「 問 1-2 以 上 」 に 分 類 し た 。

架 空 の リ ス ク 事 象 に 対 す る 回 答 傾 向 に 基 づ い た 参 加 者 の 分 類 に 基 づ い た リ ス ク 認 知 の 検 討

参 加 者 毎 に 各 リ ス ク 事 象 に 対 す る 平 均 を 算 出 し た デ ー タ に お け る 、 推 定 死 亡 者 数 の 推 定 幅 、 代 表 値 、 推 定 乖 離 値 ( 推 定 死 亡 者 数 の 代 表 値 か ら 実 際 の 死 亡 者 数 を 引 い た 値 )、 リ ス ク 事 象 に 対 す る 恐 怖 認 知 、 危 険 認 知 を 対 象 に 、 各 群 の 回 答 傾 向 を 比 較 し た 。

な お 、 推 定 死 亡 者 数 の 推 定 幅 、 代 表 値 に 関 し て は 、 各 推 定 値 に 1 を 足 し 、 自 然

対 数 を 用 い た 対 数 変 換 を 施 し た 値 を 比 較 対 象 と し た 。 ま た 、 代 表 値 乖 離 に 関 し て は 、 推 定 死 亡 者 数 の 代 表 値 を 対 数 変 換 し た 値 か ら 、 実 際 の 死 亡 者 数 を 対 数 変 換 し た 値 を 引 い た 値 を 比 較 対 象 と し た 。 以 下 で は 、 推 定 死 亡 者 数 の 推 定 幅 と 推 定 乖 離 値 に 関 す る 結 果 の み を 記 載 し た 。

  推 定 死 亡 者 数 の 推 定 幅 に お け る 平 均 推 定 値 、SD を 表 9 、図 1 に 示 し た 。  表 8、図 2 よ り 、推 定 死 亡 者 数 に お け る 推 定 幅 に お い て は 、全 て の 対 象 者 群 に お い て 、

「 問 1-2 以 上 」 群 に お け る 評 定 値 が 最 も 高 く 、「 問 1-1×問 2-高 」 条 件 に お け る 推 定 値 が 最 も 低 い こ と が 示 さ れ た 。

ま た 、 架 空 リ ス ク 事 象 に 対 す る 問 1 及 び 問 2 の 回 答 傾 向 と リ ス ク 認 知 の 関 連 性 を 検 討 す る た め 、 推 定 死 亡 者 数 の 推 定 幅 を 従 属 変 数 と し 、 対 象 者 群 ( 医 師 群 、 一 般 消 費 者 群 、 大 学 生 群 の 3 水 準 ) を 被 験 者 間 要 因 、 架 空 リ ス ク 事 象 に 対 す る 回 答 傾 向(「 問 1-1×問 2-高 」「 問 1-1×問 2-低 」

「 問 1-2 以 上 」 の 3 水 準 ) を 被 験 者 間 要 因 と し た 2×2 デ ザ イ ン の 2 要 因 分 散 分 析 を 実 施 し た 結 果 、 対 象 者 群 要 因 (F (2, 826)= 9.61, p<.01)、架 空 リ ス ク 事 象 に 対 す る 回 答 傾 向 要 因 (F (2, 826)= 9.94, p<.01)の 主 効 果 が 有 意 で あ っ た 。一 方 、 交 互 作 用 に 主 効 果 は 認 め ら れ な か っ た(F (2, 826)= .15, n.s)。 ま た 、 架 空 リ ス ク 事 象 に 対 す る 回 答 傾 向 要 因 に 関 し 多 重 比 較 (Bonferoni 法 ) を 行 っ た と こ ろ 、 医 師 群 (p<.05)、 大 学 生 群 (p<.05) に お い て 、「 問 1-2 以 上 」群 に お け る 推 定 値 が

「 問 1-1×問 2-高 」群 よ り も 高 い こ と が 示 さ れ た 。 一 般 消 費 者 群 に お い て は 、「 問 1-2 以 上 」 群 と 「 問 1-1×問 2-高 」 群 の 評 定 値 の 差 に 有 意 傾 向 が 示 さ れ た ( p

<.10)。

次 に 、 推 定 死 亡 者 数 の 推 定 乖 離 値 に お け る 平 均 推 定 値 、SD を 表 10、 図 2 に 示 し た 。 表 10、 図 2 よ り 、 推 定 死 亡 者 数 に お け る 代 表 値 乖 離 に お い て は 、 全 て の 対

(10)

群名 問1-1×問2-低 問1-1×問2-高 問1-2以上

分割基準 問1に対する評定が1

問2に対する評定が5〜7 問1に対する評定が1

問2に対する評定が1〜3 問1に対する回答が2以上

医師(N =291) 53 157 81

一般消費者(N =298) 73 170 51

大学 (N =250) 85 110 55

平均 SD 平均 SD 平均 SD

医師 5.45 1.41 5.74 1.59 6.35 1.95 一般消費者 5.72 1.55 6.05 1.75 6.40 2.24 大学 6.21 1.56 6.42 1.65 6.97 2.08 問1-1×問2-低 問1-2以上 問1-1×問2-高

0.0 1.0 2.0 3.0 4.0 5.0 6.0 7.0 8.0 9.0 10.0

医師 一般消費者 大学生

対 数 変 換 後 の 推 定 幅

問1‑1×問2‑高 問1‑1×問2‑低 問1‑2以上 象 者 群 に お い て 、「 問 1-2 以 上 」群 に お け

る 評 定 値 が 最 も 高 く 、「 問 1-1×問 2-高 」 条 件 に お け る 推 定 値 が 最 も 低 い こ と が 示

さ れ た 。

表 8 ジ ル チ ヌ ス 菌 に お け る 問 1、 問 2 の 回 答 結 果 に 基 づ い た 参 加 者 の 分 類

表 9 推 定 死 亡 者 数 の 代 表 値 に お け る 平 均 推 定 値 、SD

図 1 推 定 死 亡 者 数 の 推 定 幅 に お け る 平 均 推 定 値 、SD

(11)

- 26 -

平均 SD 平均 SD 平均 SD

医師 1.24 1.10 1.59 1.45 2.23 1.64 一般消費者 1.58 1.46 1.97 1.80 2.40 2.26 大学 1.98 1.50 2.54 1.62 2.95 2.18 問1-1×問2-低 問1-2以上 問1-1×問2-高

0.0 1.0 2.0 3.0 4.0 5.0 6.0 7.0 8.0 9.0 10.0

医師 一般消費者 大学生

対 数 変 換 後 の 推 定 死 亡 者 数

問1‑1×問2‑高 問1‑1×問2‑低 問1‑2以上

表 10 推 定 死 亡 者 数 の 推 定 乖 離 値 に お け る 平 均 推 定 乖 離 値 、SD

図 2 推 定 死 亡 者 数 の 推 定 乖 離 値 に お け る 平 均 推 定 乖 離 値 、SD

( エ ラ ー バ ー は SD を 示 す )

  ま た 、 架 空 リ ス ク 事 象 に 対 す る 問 1 及 び 問 2 の 回 答 傾 向 と リ ス ク 認 知 の 関 連 性 を 検 討 す る た め 、 推 定 死 亡 者 数 の 代 表 値 乖 離 を 従 属 変 数 と し 、対 象 者 群( 医 師 群 、 一 般 消 費 者 群 、 大 学 生 群 の 3 水 準 ) を 被 験 者 間 要 因 、 架 空 リ ス ク 事 象 に 対 す る 回 答 傾 向 (「 問 1-1×問 2-高 」「 問 1-1×問 2- 低 」「 問 1-2 以 上 」の 3 水 準 )を 被 験 者 間 要 因 と し た 2×2 デ ザ イ ン の 2 要 因 分 散 分 析 を 実 施 し た 結 果 、 対 象 者 群 要 因 (F (2, 826)= 13.87, p<.01)、 架 空 リ ス ク 事 象 に 対 す る 回 答 傾 向 要 因 ( F (2, 826)= 14.77, p<.01)の 主 効 果 が 有 意 で あ っ た 。 一 方 、 交 互 作 用 に 主 効 果 は 認 め ら れ な か っ た (F (2, 826)= .22, n.s)。 ま た 、 架 空 リ ス ク 事 象 に 対 す る 回 答 傾 向 要 因 に 関

し 多 重 比 較 (Bonferoni 法 ) を 行 っ た と こ ろ 、医 師 群 に お い て 、「 問 1-2 以 上 」群 に お け る 乖 離 値 が「 問 1-1×問 2-低 」群(p

<.05)、「 問 1-1×問 2-高 」 群 (p<.01) よ り も 高 い こ と が 示 さ れ た 。 一 般 消 費 者 群 (p<.05)、 大 学 生 群 (p<.01) に お い て は 、「 問 1-2 以 上 」群 に お け る 乖 離 値 が

「 問 1-1×問 2-高 」群 よ り も 高 い こ と が 示 さ れ た 。

  以 上 の 結 果 よ り 、 推 定 死 亡 者 数 の 推 定 幅 に 関 し て は 、 い ず れ の 対 象 者 群 に お い て も 、「 問 1-1× 問 2-低 」群 の 推 定 幅 が「 問 1-2 以 上 」 群 よ り も 有 意 に 低 か っ た 。 す な わ ち 、 架 空 リ ス ク 事 象 に 対 し て 、 多 少 な り と も 主 観 的 に 知 っ て い る と い う 信 念 を 持 っ て い る 人 よ り も 、 架 空 リ ス ク 事 象

(12)

に 対 し て 、 主 観 的 に 全 く 知 ら な い と 回 答 し 、 そ の 回 答 に 対 し て 強 い 確 信 を 持 っ て い る 人 の ほ う が 、 推 定 死 亡 者 数 の 推 定 幅 を 狭 く 見 積 も る 傾 向 が 示 唆 さ れ た 。     ま た 、 推 定 死 亡 者 数 の 推 定 乖 離 値 に 関 し て は 、 い ず れ の 対 象 者 群 に お い て も 、

「 問 1-1× 問 2-低 」群 の 推 定 幅 が「 問 1-2 以 上 」 群 よ り も 有 意 に 低 か っ た 。 す な わ ち 、 架 空 リ ス ク 事 象 に 対 し て 、 多 少 な り と も 主 観 的 に 知 っ て い る と い う 信 念 を 持 っ て い る 人 よ り も 、 架 空 リ ス ク 事 象 に 対 し て 、 主 観 的 に 全 く 知 ら な い と 回 答 し 、 そ の 回 答 に 対 し て 強 い 確 信 を 持 っ て い る 人 の ほ う が 、 推 定 死 亡 者 数 の 代 表 値 と 実 際 の 死 者 数 と の 乖 離 が 小 さ い こ と が 示 唆 さ れ た 。

  推 定 死 亡 者 数 の 推 定 幅 、 推 定 乖 離 値 に お い て 架 空 リ ス ク 事 象 に 対 す る 回 答 傾 向 に よ る 差 が 見 ら れ た こ と か ら 、 知 識 の 程 度 に 対 す る 態 度 と リ ス ク 認 知 の 関 連 性 が 示 唆 さ れ た 。 具 体 的 な 傾 向 と し て は 、 関 連 知 識 を 全 く 持 た な い リ ス ク 事 象 に 対 し 、 知 識 を 持 た な い こ と を 強 く 自 覚 し て い る 人 は 、 推 定 幅 を 狭 く 見 積 も る 傾 向 、 実 際 の 死 亡 者 数 に 近 い 値 を 推 定 す る 傾 向 が 示 唆 さ れ た 。 特 に 、 実 際 の 死 亡 者 数 に 近 い 値 を 推 定 す る 傾 向 は 、 不 確 実 性 下 に お け る リ ス ク 認 知 に お い て 重 要 な 意 味 合 い を 持 つ と 考 え ら れ る 。

こ の よ う に 、 関 連 知 識 を 全 く 持 た な い こ と を 自 覚 す る 、 す な わ ち 、 知 識 の 程 度 を 適 切 に 把 握 し て い る 人 ほ ど 、 死 亡 者 数 の 推 定 精 度 が 高 い 傾 向 が 伺 え た 。 こ の 傾 向 は 、 医 師 群 、 一 般 消 費 者 群 、 大 学 生 群 の 各 問 に 対 す る 回 答 を 比 較 し た 際 の 医 師 の 回 答 傾 向 に も 伺 え た 。 す な わ ち 、 医 師 は 、 知 識 の 程 度 を 適 切 に 把 握 し 、 死 亡 者 数 の 推 定 精 度 が 高 い 傾 向 を 保 持 し て い る が 、 医 師 の 中 で も 、 知 ら な い こ と を 明 確 に 自 覚 し て い る 人 ほ ど 、 死 亡 者 数 の 推 定

精 度 が 高 い 傾 向 が 示 さ れ た 。 こ の 傾 向 よ り 、 知 識 の 程 度 を 適 切 に 把 握 す る 態 度 の 中 で も 、 知 識 が 無 い こ と を 適 切 に 把 握 す る 態 度 、 す な わ ち 「 無 知 の 知 」 の よ う な 態 度 が 、 不 確 実 性 下 の リ ス ク 認 知 に お い て 重 要 で あ る こ と が 示 唆 さ れ た 。

 

D . 結 論

  本 研 究 で は 、 ま ず 、 リ ス ク 認 知 測 定 の 方 法 論 を 調 査 1 で 検 討 し て 、 そ の 結 果 を も と に 、 リ ス ク 事 象 に 関 す る 知 識 の 程 度 に 対 す る 態 度 と リ ス ク 認 知 の 関 連 性 を 探 索 的 に 検 討 す る こ と 目 的 と し 調 査 2 を 実 施 し た 。

  調 査 1 で は 、「 日 本 国 内 10 万 人 に お け る 年 間 死 者 数 」、「 日 本 国 内 に お け る 年 間 死 亡 率 」を 推 定 さ せ た 場 合 、「 日 本 の 総 人 口 に お け る 年 間 死 者 数 」 を 推 定 さ せ た 場 合 よ り 、 非 常 に 多 く の 死 者 数 を 推 定 し て い る こ と が わ か り 、 ア ン カ ー を 与 え て 日 本 の 総 人 口 を 提 示 し た ほ う が 比 較 的 正 確 な リ ス ク 認 知 の 測 定 が 可 能 で あ る と 考 え ら れ る 。

  調 査 2 に お い て 、 知 識 の 程 度 に 対 す る 態 度 と リ ス ク 認 知 の 関 連 性 が 示 唆 さ れ た 。 具 体 的 に は 、 リ ス ク 事 象 に 関 す る 自 身 の 保 有 知 識 の 程 度 を 適 切 に 把 握 し て い る 医 師 は 、 死 亡 者 数 の 推 定 精 度 が 高 い 傾 向 が 示 さ れ た 。 さ ら に 、 評 価 対 象 リ ス ク 事 象 に 関 す る 知 識 も 全 く 持 っ て い な い と い う こ と を 強 く 自 覚 し て い る 、 い わ ゆ る

「 無 知 の 知 」 の よ う な 態 度 を 持 つ 人 は 、 死 亡 者 推 定 の 精 度 が 高 い 傾 向 が 示 唆 さ れ た 。 こ れ ら の 傾 向 か ら 、 不 確 実 性 下 に お い て リ ス ク を 適 切 に 見 積 も る に は 、 自 身 の 保 有 知 識 の 程 度 を 把 握 す る 態 度 、 特 に 保 有 知 識 が 無 い こ と を 把 握 す る 態 度 が 重 要 で あ る こ と が 示 唆 さ れ た 。

ま た 調 査 2 に お い て 、 医 師 と 一 般 消 費 者 及 び 大 学 生 と の 比 較 、 知 識 問 題 の 掲 載 を 通 じ て 、 リ ス ク 事 象 に 関 す る 実 際 の 保

有 知 識 と リ ス ク 認 知 と の 関 連 性 を 検 討 し

た が 、 両 者 の 関 連 性 は 見 ら れ な か っ た 。 こ の 傾 向 は 、 竹 村 (2006) に お け る 記 述

(13)

- 28 - と 一 致 し て い る 。 以 上 の 傾 向 か ら も 、 リ ス ク 認 知 に お い て は 、 リ ス ク 事 象 に 関 す る 知 識 量 や 主 観 的 知 識 の 程 度 で は な く 、 知 識 の 程 度 に 対 す る 態 度 ( メ タ 知 識 ) の 影 響 が 伺 え る 。

  ま た 、 調 査 2 に お い て 、 医 師 群 は 、 評 価 対 象 と な る リ ス ク 事 象 が 変 わ る と 、 主 観 的 知 識 に 対 す る 信 念 ( 問 1) 及 び 問 1 の 回 答 に 対 す る 確 信 度 ( 問 2) の 回 答 傾 向 も 大 き く 変 化 す る 傾 向 が 示 さ れ た が 、 一 般 消 費 者 群 と 大 学 生 群 に お い て は 回 答 傾 向 の 変 化 が あ ま り 見 ら れ な か っ た 。 こ の 傾 向 は 調 査 1 に お い て も 同 様 に 示 さ れ て い る こ と か ら 、 専 門 家 と 一 般 の 人 々 と の 、 リ ス ク 事 象 に 対 す る 認 識 方 法 の 違 い を 反 映 し て い る 可 能 性 が あ る 。

E . 引 用 文 献

藤 井 聡 ・ 吉 川 肇 子 ・ 竹 村 和 久.(2004). 東 電 シ ュ ラ ウ ド 問 題 に み る 原 子 力 管 理 へ の 信 頼 の 変 化. 社 会 技 術 研 究 論 文 集, 2(0), 399–405.

吉 川 肇 子 (1999). リ ス ク ・ コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン ―相 互 理 解 と よ り よ い 意 思 決 定 を 目 指 し て― 福 村 出 版

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Slovic, P. (1987). Perception of risk.

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竹 村 和 久 (2006). 安 全 の 認 知 科 学 リ ス ク 社 会 に お け る 判 断 と 意 思 決 定. 認 知 科 学, 13(1), 17–31.

吉 川 侑 記 ・ 井 出 野 尚 ・ 小 山 慎 一 ・ 竹 村 和 久(2014).  無 知 に 対 す る 態 度 が リ ス ク 認 知 に 及 ぼ す 影 響   日 本 心 理 学 会 大 会 第 78 回 大 会 発 表 論 文 集 .

F . 研 究 発 表   な し

G . 知 的 財 産 権 の 出 願 ・ 登 録 状 況

な し H . 付 記

本 調 査 は 、吉 川 侑 記( 早 稲 田 大 学 )、井 出 野 尚( 早 稲 田 大 学 )、小 山 慎 一( 千 葉 大 学 ) と の 共 同 研 究 に よ り な さ れ 、 本 プ ロ ジ ェ ク ト へ の 協 力 を 得 た 。 記 し て 謝 意 を 表 す 。  

 

(14)

 

厚 生 労 働 科 学 研 究 費 補 助 金 食 品 の 安 全 確 保 推 進 研 究 事 業 分 担 研 究 報 告 書

ソ ー シ ャ ル メ デ ィ ア を 用 い た 食 品 リ ス ク コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン の 検 討

: 知 識 量 及 び 事 前 態 度 に よ る セ グ メ ン テ ー シ ョ ン の 有 効 性

研 究 分 担 者   杉 谷 陽 子   上 智 大 学 経 済 学 部   准 教 授  

 

研 究 要 旨   本 研 究 の 目 的 は 、 食 品 リ ス ク コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン に お け る ソ ー シ ャ ル メ デ ィ ア の 活 用 の 可 能 性 に つ い て 検 証 す る こ と で あ る 。先 行 研 究 よ り 、ソ ー シ ャ ル メ デ ィ ア 上 の 食 品 リ ス ク 情 報 は 、既 存 メ デ ィ ア と 同 程 度 の 影 響 力 を 持 ち 、ま た 、人 々 の 食 品 リ ス ク へ の 関 心 を 引 き 出 す 効 果 が 認 め ら れ て い る 。し か し 、そ れ ら の 食 品 リ ス ク 情 報 が 、す べ て の 利 用 者 に 対 し て 、同 じ 強 さ 、同 じ 方 向 性 の 影 響 力 を 持 つ わ け で は な い 。そ こ で 本 研 究 で は 、マ ー ケ テ ィ ン グ 領 域 で 広 告 効 果 を 捉 え る 際 に 用 い ら れ る セ グ メ ン テ ー シ ョ ン・タ ー ゲ テ ィ ン グ の 考 え 方 を 援 用 し 、一 般 生 活 者 を セ グ メ ン ト 化 し て 、セ グ メ ン ト ご と に 適 切 な リ ス ク コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン を 計 画 す る 必 要 性 に つ い て 検 証 す る こ と と し た 。本 年 度 は 、検 証 実 験 の 第 一 段 階 と し て 予 備 調 査 を 実 施 し た 。そ の 結 果 、食 品 リ ス ク に 関 す る 知 識 量 お よ び 事 前 の リ ス ク 認 知 レ ベ ル に よ っ て 一 般 生 活 者 を セ グ メ ン ト 化 す る こ と の 有 効 性 が 確 認 さ れ た 。セ グ メ ン ト に よ っ て 、食 習 慣 や パ ー ソ ナ リ テ ィ 、ソ ー シ ャ ル メ デ ィ ア の 利 用 状 況 が 異 な る こ と が 示 さ れ た 。イ ン タ ー ネ ッ ト ニ ュ ー ス の 利 用 頻 度 が 高 い と 食 品 リ ス ク 知 識 量 が 多 く 、 ま た 、Twitter の 利 用 者 は リ ス ク 認 知 レ ベ ル が 高 い と い う 傾 向 が 示 さ れ た 。メ デ ィ ア ご と の 利 用 者 層 の 差 異 や 、影 響 力 の 違 い を 考 慮 し た リ ス ク コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン の 計 画 が 今 後 の 課 題 と し て 示 さ れ た 。

 

A . 研 究 目 的    

本 研 究 は 、 食 品 リ ス ク 情 報 を 提 供 す る メ デ ィ ア と し て の イ ン タ ー ネ ッ ト の 有 効 性 に つ い て 検 証 を 行 う こ と を 目 的 と し て い る 。  

か つ て は 、 消 費 者 は 食 品 リ ス ク に 関 す る 情 報 を 主 に マ ス メ デ ィ ア か ら 入 手 し て い た と 考 え ら れ る 。 例 え ば 、 ニ ュ ー ス 番 組 や 新 聞 な ど を 通 じ て 、 食 中 毒 事 件 な ど を 知 り 、 そ れ に 付 随 し て 情 報 提 供 を 受 け る よ う な 形 が 多 か っ た と 思 わ れ る 。ま た 、 厚 生 労 働 省 な ど を は じ め と し た 公 的 機 関 か ら の 情 報 提 供 に 関 し て も 、 マ ス メ デ ィ ア を 介 し て 一 方 向 的 に 情 報 を 得 て い た と

思 わ れ る 。  

し か し な が ら 近 年 は 、 主 に 若 年 層 を 中 心 と し て 、 テ レ ビ 離 れ 、 新 聞 離 れ が 指 摘 さ れ て お り 、 そ の 一 方 で 、 イ ン タ ー ネ ッ ト 利 用 率 は 高 い 水 準 と な っ て い る 。 中 で も ソ ー シ ャ ル メ デ ィ ア の 利 用 率 が 特 に 高 く 、 パ ソ コ ン を 所 有 し な い 単 身 世 帯 で あ っ て も 、 ス マ ー ト フ ォ ン な ど を 通 じ て ア ク セ ス す る 若 者 は 非 常 に 多 い 。 こ の よ う な 現 状 に お い て 、 消 費 者 に 食 品 リ ス ク に 関 す る 情 報 を 効 率 的 に 提 供 し よ う と す る 際 、 イ ン タ ー ネ ッ ト や ソ ー シ ャ ル メ デ ィ ア の 活 用 は 非 常 に 重 要 な 課 題 で あ る と 言 え る 。  

(15)

- 30 -  た だ し 、 イ ン タ ー ネ ッ ト の 大 き な 特 徴 と し て 、 誰 も が 容 易 に 情 報 発 信 者 に な れ る と い う 問 題 が あ り 、 そ こ で や り 取 り さ れ る 情 報 に 対 す る 信 頼 性 は 必 ず し も 高 い と は 言 い 切 れ な い 。 特 に 食 品 リ ス ク の よ う な 、 誤 れ ば 命 に か か わ る よ う な 重 要 な 情 報 に つ い て は 、 ソ ー シ ャ ル メ デ ィ ア の よ う な CGM ( C o n s u mer   G e n e r ate d   M e d i a ) で は な く 、 あ る 程 度 権 威 づ け さ れ た メ デ ィ ア か ら の 情 報 で な け れ ば 信 頼 さ れ ず 、 し た が っ て 適 切 な リ ス ク 認 知 や リ ス ク 回 避 行 動 を 動 機 づ け る 力 を 持 ち 得 な い か も し れ な い 。そ の 一 方 で 、イ ン タ ー ネ ッ ト 、 特 に ソ ー シ ャ ル メ デ ィ ア は 、 利 用 者 に と っ て 、 情 報 の 発 信 者 が 自 分 と 同 じ よ う な 立 場 の 生 活 者 で あ る と い う 特 徴 が あ る 。 医 師 な ど の 専 門 家 が マ ス メ デ ィ ア を 通 じ て 情 報 発 信 す る 場 合 に は 、 あ ま り 自 分 に 関 わ る 問 題 と し て 食 品 リ ス ク に 関 心 を 持 つ こ と が 出 来 な か っ た 人 々 に と っ て 、 近 し い 人 間 が 情 報 の 発 信 者 で あ る と い う こ と は 、 関 心 を 持 っ て 情 報 に 接 す る き っ か け と な り 得 る 。そ の よ う に 考 え る と 、「 誰 も が 情 報 の 発 信 者 に な れ る 」 と い う 特 徴 は 、 イ ン タ ー ネ ッ ト が リ ス ク コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン の 場 と し て 非 常 に 有 効 で あ る 可 能 性 が 想 定 で き る 。  

こ の 予 測 通 り 、 杉 谷 ( 2 0 1 4 )で は 、 イ ン タ ー ネ ッ ト が 食 品 リ ス ク 情 報 を 提 供 す る メ デ ィ ア と し て 、 有 効 で あ る 可 能 性 が 示 さ れ た 。 具 体 的 に は 、 次 の よ う な 知 見 が 得 ら れ て い る 。  

  1 .Fa c eb o o k 、Tw i tt e r 、Y ah o o! 知 恵 袋 な ど の 食 品 リ ス ク 情 報 は 、 公 的 機 関 の ウ ェ ブ サ イ ト の 情 報 と 同 程 度 に 信 頼 で き る 情 報 と 認 識 さ れ て い る 。 こ れ は 、 年 代 を 問 わ ず に 見 ら れ る 現 象 で あ る 。  

  2 . か と い っ て 、 人 々 は そ れ ら の 情 報 を 鵜 呑 み に す る こ と は な く 、 食 品 の リ ス ク に つ い て は 冷 静 に 吟 味 す る 姿 勢 を 持 っ て い る 。  

3 . ソ ー シ ャ ル メ デ ィ ア に お い て デ ィ ス カ ッ シ ョ ン を 行 う こ と で 、 人 々 は 食 品

リ ス ク に 関 す る 関 心 を 高 め 、 ま た 、 リ ス ク 対 処 行 動 を 積 極 的 に と ろ う と す る 意 思 を 強 め て い る 。  

以 上 の 結 論 は 、 食 品 リ ス ク 提 示 メ デ ィ ア と し て も 、 イ ン タ ー ネ ッ ト お よ び ソ ー シ ャ ル メ デ ィ ア の 有 効 性 を 示 唆 す る も の と 言 え よ う 。  

し か し な が ら 、 食 品 リ ス ク 情 報 に 接 し た 時 の 人 々 の 反 応 は 一 様 に は 予 測 で き な い 。 す な わ ち 、 そ の 人 が 立 場 や リ ス ク に 関 す る 知 識 量 に よ っ て 、 同 じ 情 報 に 接 し て も そ の 反 応 は 大 き く 異 な る だ ろ う 。 例 え ば 、 幼 い 子 供 を 持 つ 親 と 高 齢 者 、 あ る い は 健 康 な 2 0 代 の 若 者 で は 、同 じ リ ス ク 情 報 を 提 供 し て も 、 そ の 反 応 は 異 な る も の と 予 測 で き る 。 ま た 、 例 え ば 料 理 に 関 心 が 高 く 、 普 段 か ら 食 品 の リ ス ク に つ い て 考 え る 機 会 が 多 く 知 識 が 多 い 人 と 、 1 日 3 食 を 外 食 で 済 ま せ る こ と を 当 た り 前 と し て い る よ う な 人 と で は 、 や は り 同 じ 情 報 に 接 し て も 反 応 は 異 な る だ ろ う 。 こ れ ま で の 研 究 は 、 そ う い っ た 前 提 を 一 切 問 わ ず に 行 わ れ た 検 討 で あ る た め 、 現 実 場 面 へ 知 見 を 応 用 す る た め に は 限 界 が 多 い と 考 え ら れ る 。 

マ ー ケ テ ィ ン グ や 消 費 者 行 動 の 研 究 領 域 に お い て は 、 消 費 者 を 年 齢 や 性 別 の よ う な 人 口 学 的 特 徴 だ け で な く 、 価 値 観 や ブ ラ ン ド 態 度 の よ う な 心 理 学 的 変 数 で 分 類 し 、 マ ー ケ テ ィ ン グ 活 動 へ の 反 応 を 予 測 す る 手 法 が 一 般 的 で あ る 。 例 え ば 、 あ る 一 つ の 広 告 を 提 示 し た 場 合 、 そ れ に 消 費 者 が ど う 反 応 す る か は 、 そ の 人 の 事 前 の 態 度 や 知 識 量 に よ っ て 大 き く 異 な る 。 消 費 者 を マ ス で 一 様 に 捉 え る の で は な く 、 ま ず 消 費 者 を い く つ か の セ グ メ ン ト に 分 け 、 そ の 中 の 誰 を 対 象 に し て い る の か 、 タ ー ゲ ッ ト を 絞 る こ と で 、 意 図 通 り の 最 大 限 の 効 果 を 得 る こ と を 目 指 す 。  

食 品 の リ ス ク コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン に お い て も 、 同 様 の 視 点 が 重 要 で あ ろ う 。 す な わ ち 、 一 般 生 活 者 を い く つ か の セ グ メ ン ト に 分 け て 捉 え 、 そ れ ぞ れ の 特 徴 に 応

参照

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