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サ ニコンの施工実績
U.D.C.024.012.35:69.057.12;69.∞ 3
近 藤 敏 明 *
要 約
前号では,サニ コン構法開発に伴 う構造実験について述べたが,現在は,確認申請のみで建設可能 な建設大臣認定 を受けて,数棟の工事 を施工 してきた。
本論文はこの構法を実際に施工 してみて感 じた特徴,問題など在来工法 との比較 を含めて,施工実 績について記 したものである。
この構法により,敷地いっぱいの施二Lが可能 とな り専用の建方 クレー ンを導入 したこともあって, 二】二期は在来RC造の約半分,コス ト的に も十分対抗できるものになっている.施工上では,各部ジ ョイ ン トなど
,ほ
ぼ技術的 な改良は終 ったが,今後,量産に向っての標準化,省力化 など効率的な営業, 設計,施工 システムの開発の面で問題が残 されている。目 次
§1. は じめ に
§2. サ ニ コンの概 要
§3. 施工 実績
§4. 今後 の開 発の方 向
§5. 終りに
§1. は じめ に
中小規模 ビル に対 す る社会 のニ‑ ズは近年 大 き く変化 し, 単 な る貸 ビルか ら個性 の集約 され た複 合 ビルへ と市 街地 の表情 は 日々趣 を変 えて い る。具 体 的 には商業 用 に も住宅 用 に も互換性 の あ る スペー スの確 保, 土地 の有効 利用, よ り早 い竣工 , 資本投 資のバ ラ ン ス等が検 討 され, また,都 市再 開 発 の面 では, 耐 火, 耐震, 耐 久性 に優 れ た建 物 に よ る表情 豊 か な街づ くりが 求め られ て い る。従 莱, 中小規模 ビルの場 合 に は, 立地 条件, 諸 法規 の制 約, 建 物 用途 な どさま ざまな要 求が あ るため,建物 は比較 的 融通性 の あ る在 来 のRC造, 鉄 骨 造 等 の工 法 が採 用 され て きた。 しか しこれ らの工 法 は, 施工 面 か ら見 る と市街 地 の狭 い敷地 で作業工程 も多 く, また, 現場 の工事 管理 者 も十分 に配属 され て ない こ とな どか ら安 全対 策,工事 に伴 う近隣迷惑 な ど多 くの問題 を残 してい た。 それ故施
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別が一 番望 ん でい る二l二期 の短縮,建 設 費の コス トダウ ン等 に対 して二l二法 と しての限 界が あ った。サ ニ コンは, こ う した社会 の ニ‑ ズ, 施工 面 での問題 を工 業化 シ ステム に よ り解 決 しよ う と して開発 され た構
*建築設計部設計課
144
法 で あ る。開 発経緯 につ いては, 技報 第2号 に掲 載 され て い るが, 当構 法 は,既 に確 認 申請 のみ で実施 可能 な建 設大 臣認定 を取得 してお り, 西松建 設 「サ ニ コン」 は, 店舗,事務 所, 住宅 等‑ の二L業 化建 設 シ ステム として, 全 国的 に販売 ・施二1二体制 に 入 ってい る。
建 設大 臣認定 :評定 番号BCJ‑C951, 建 設省東庄指 発106号 (S.54年4月26日)
§ 2. サ ニコンの概要
サ ニ コンは, 市街 地 に建 つ 中小規模 ビルの建 設 を 目標 に開 発 され た工 業化工 法 で, プ レキャ ス ト鉄 筋 コン クリ ー ト(PC)部 材 を工場 生産 し, それ を現場 で組 立 て るい わ ゆ るプ レ‑ ブ建 築 で あ るが, 従来 の画一化 され たプ レ
‑ ブ建 築 と異 な り, 敷地 の有効 利用 を考 えた 自由 な間取 りと建 物 用 途 に合 わせ た外観 デザ インが可能 で, 店舗 , 事務 所, 住宅 等 を対 象に, 個性 を生 か す こ との で きる注 文建 築 であ る。
2‑ 1 サ ニ コ ンの特徴
(1) 短 い工 期 ‑ ‑在 来 の鉄 筋 コン ク リー ト工 法 と比べ て, 約 半分 の工 期 で完成 で きる。
(2)優 れ た品質 と快 適 な居住性 ・・・・・・工 場 生産 に よ t)ば らつ きの ない高精 度 の部 材 で建 設 され るため, 耐 火, 耐 震, 耐 久性 に優 れ た快 適 な屠住性 が得 られ る。
(3)敷地 の有効 利用 ‑‑‑現場 の作業 は全 て建 物 内部 か ら施二Lで きるよ うに考 え られ てい るため, 狭 い敷 地 で も間口い っぱ いに建 設 で きる。 また, 柱 と外壁 は 夫 々独 立 した構造 形 式 を採 用 して い るため, 柱 の割 付 け は拘 束 されず, 敷地 形状 に合 った
平
面計 画が可サニコンの施工実鎌
能 で,無駄のない合理的 な建物 が計画 で きる。
(4) 多目的 な用途‑‑・店舗,事務所,住宅,車庫,倉 庫 な ど中小規模 の ビル としていろいろな用途に対応 で きる。 また,個性 を生か した 自由なデザ インが選 べ る。
(5)公害のない工法‑‑施工 は建物 内部 か ら騒音の少 ない専用 クレー ンで効率 的に行 われ るため,工事 に 伴 う騒晋や塵嬢 の発生 もな く,近隣に迷惑 をかけ る ことはほ とん どないO
(6)適正 な価格‑‑ 多 くの利点 を備 えていて も,在来 のRC迄 に比べ て同程度以下の コス トで建 設可能。
2‑2 サニコンの規模
サニ コン構法に よる建 設可能 な建物 の規模 は,次の通 りであるO
階 数 : 地上5階 まで 軒 高 : 地上16mまで 階 高 : 各階最高3.5mまで 間 口 : 3m〜7.5m
柱の間隔 : 最大4.5mまで 間 口 と奥行 の比:1:1‑ 1:5 間 口 と高 さの比:1:4以下 2‑3 構法 の概要
主要構造部 の概要 を図‑ 1に示す。図の よ うにサニ コ ンの構造体 は, プ レキャ ス ト鉄筋 コン クリー ト製の柱梁 部材④,壁部材⑧, 床部材⑥ で構成 され るO構造形式 は, 梁間方向が 「型の柱梁部材 を相互 に接 合 させ た門型 ラー
メンを積重ねて 1スパ ン多層 ラー メン構造 とし,桁行方 向は壁部材による独立耐震壁構造 となっているO ラ‑ メ ン と壁は直接接合 されてお らず,建方終了後 に現場打 ち 床⑳に よって初め て接合 され構造的 に一体化が図 られ るO この床に よって水平 力が伝達 され,壁の面外方向の座屈 を拘束 しているO床板 は桁行方向の各ラー メン毎‑方向 にかけわた され るので,鉛直荷重のほ とん どはラー メン が 負担す るこ とになるOなお,基礎, 1階床は現場打 ち 鉄 筋 コン クリー ト造 である。
2‑4 施工概要
過去 の実績 をもとに, サニ コン構法の施工概要 を躯体 工事 にそって述べ るo
(1) 二L 程
竣工 した
5
件の建物 におけ る工程 を平均 してみ る と, 図‑ 2の よ うに なってい る。(2) 杭工事
杭 は,騒音振動等に よる公害の法規制 があるため, 今迄全 て現場造成杭 (BH杭 )を採用 してい る。 しか
し市街地 の敷地 の狭 い現場 が 多い こ と もあ って, 大型機械 に よる施工 が雅か し く,作業性 は低 い。実
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図‑ 1 主要構造部の概要
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図‑2 サニ コンにおけ る
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準:T.棉積 では,杭長約10mの場 合1本 当 りの 施工 に1〜
1.5日要 している。
このため設計段階で,工期上 の こ とを含めて杭本 数 をで きるだけ少 な くお さえるように平面計画上の 検討 を行 っている。
(3) 基礎 及び1階床工事
1階床は建方用の クレ‑ ン土台 ともなるため,作 業性 を考慮 してマ ッ トスラブを採用 し, クレー ンの 荷重 に耐 えられ るよう厚 さ60cmの立上 りの ない平 担 なスラブを打設 してい るO また,壁帆 柱梁都祁 のア ンカ‑プ レー トや差 し筋等が コン クリ‑ ト打設 時 に数 多 く埋込 まれ, その寸法許容 誤 差 を±5mm 以内 と定めているため現場 では事前にア ングル材 を
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墨出 し線にそって流 し.差筋等 をこれに溶接 にて仮 止め してお き, コン クリー トの打設時に移動 しない よ うに してい る。 (図‑ 4)コン クリー ト硬化後,差 掛 まア ングル下端 で か ソトす るo この方法に よる差 筋のセ ッ トは割合正確 で, 今の ところ支障の発生 し た例 は な いO な お これ らの 差 筋 は,壁 用 がD16
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柱梁川がD19‑D25を使用 してお り,総 本 数は1棟 卑 )40‑50本であるO1
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図‑3マットスラ7
(4)PC部材の製造 PC部材には,柱梁部材,壁部材(耐力壁,カ‑チンウォール),床部材(各階床板,屋根板)がある。これらの部材の寸法,重量は,トラック輸送と建方時のクレ‑ン吊上げ能力を考慮して,重量2.2t,幅2.4m,高さ2.9m以内こし,できるだけ小型化するようにしている。 PC部材は工場で製造されるか,敷地形状や施工条件に合せて貴も合理的な部材の製造が可能なように,設計標準寸法から10cmピッチで大小にスライドできる型枠テーブルを備えてある。なお製造に当っては,「PC部材製造規定」があり,それに従って製造される。
146
サ ニコンの施工実績
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柱用差 し筋 のセ ッ ト
図‑4 差筋のセ ッテ ィング
(5) 建 方
PC部 材の建 方 は, 各階毎に次 の順序 で行 われ る0 1)ラー メン部材
「型の柱梁部 材 を床 よ りサ ポー トで 自立 させ, 梁 中央部 の ジ ョイン トを行 う。寸法的 に輸送可能 であれば,最初か ら一体化 した門型 ラー メンを使 い,建 方効率,工事 費低減 を図 る。
2)床部 材
ラー メン材 にかけ渡 し,仮設 ジ ョイン ト (プ レ ー ト溶接 )に よ りラー メンに仮止めす る。 この床 板 は壁部材セ ッ ト時の作業床に もなる。
3)壁部材
ラー メン部材 とは独立 して,床 よ りサ ポー トで 自立 させ る。設計 では ラー メン材 と20mmの クリ ア ランスを とってあ リ.建方 はラ‑ メンや床板 に 拘束 され ない。
以上の建方が終 了後, それぞれの レベ ル調整,過 t)合わせ を行 い, 床 と壁の取合部 に現場 打 スラブ を 施工す る。 この現場打 スラブの型枠は,壁板用サ ポ ー トと兼用になってお l上 在来工法の よ うな型枠, サ ポー トは必要 としないO
ラー メン部材,壁部材のサ ポー ト方法 を図‑5, 図‑6に,現場打 スラブの型枠詳細 を図‑7に示す。
PC部 材の建方工程 は,仮設サ ポー ト,ジ ョイン ト の改良,現場作業の標準化 とあいまって効率的 な も のになって きている。現場 によっては休 日しか行 え ない ところ もみ られ るが,標準的 には約1週間程度 でPC建方 は完了 している。建方工程 の実績 を表 ‑
サ ニコンの施工実績
1に示 す。
図 ‑5 PC那Hのサ ボ‑ ト)j法
図 ‑
6 柱梁
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(6) ジ ョイン ト, 防水工事
ジ ョイン トは, ス リ‑ ブに異型鉄 筋 を差 し込み, グラウ トキ1 (無収縮 モル タル) を注入 して緊結す る スプ ラ イス ス り‑ ブ を採 用 し,耐 力壁 及び柱 な どの 重要 な部分 の接合 に使 用 してい るO (図‑8、図‑9
参
照)
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写真‑ 1 サ ボ‑ ト状 沢
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6那ヰj建 設大 臣認定 に おいては,構 法 及び接 合 部に関す る規定 が あ るが, 耐 力壁 の鉛直 方向の接 合部分 を取 り上 げ て 見 る と, ドラ イジ ョ イン ト (プ レー ト溶
揺), ウェ ッ トジ ョイン ト (差 し筋+ コン クリ‑ ト) の どちらの ジ ョイン トを使用 Lて も差 し支 えないよ
うに なっている。
両 ジ ョイン トとも
施r
最を験 は あるが, ドラ イジ ョ イン トは溶接時 の熱 に よるPC板 の クラ ッ クが ど う して も発生 しや す く,管理 を完全 に行 なお うとすれ ば, 大候,溶接 棒 の太 さ、 乾燥,溶接 の早 さ, プ レ‑ トの冷却時間, 溶接二Lの嚢棺 な どを規定 しなけれ ば な らず, また,接 合が確実 に行 われたか ど うかの チ ェ ックを現場 で行 うこ とは なか なか輝 か しい。 も ちろん ドラ イジ ョイン トの利点 も数 多 くあ るが,現 在 ではいちいち検査 を しな くて も信
纏
性 が あ り,管 理 上問題の ない ウェ ッ トジ ョイン トを採 用 しているOなお,主要構造部 の ジ ョイン ト及び防水等 の施」二 に関 しては,専 門業 者の 売任 地」二とL,
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員が承認 す る体制 で行 っている0[7ti松私刑と純\'OL∴i
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148
プ ラ グ 空 気 排 出 口 ス グ プ ラ ラ ウ イ ト ン ス 主 ス 入 リ
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主 筋
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図‑8 杵の接合
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コンプ リフォ‑ム
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一排気 クラウト村
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サニコンの施二乗練
(7) 建方機械
サニ コンでは,建物 は隣地境 界いっぱいに建 て ら れ るこ とを前提 に考 えているため,施工 はすべ て敷 地 内で行 うよ うに建方機械 もそれに合 った もの を開 発 しているO この建方機械 は ジャ ッ トクレー ン と呼 ばれ, トラックの積み降 し,移動, セ
ッ
ト, ブーム の立上 i)など一切 を機械 自体 で行 うこ とがで きるO(図‑10参照)
クレー ンは建物 の 1階にセ ッ トされ るが, ブーム を収 納 した ときの クレー ン最小高 さは2.6mあ り, その ため建物 1階 の床 か ら梁 下 までの高 さを虜 低 2.65m以上 としている。(標準階高は1階3.1m,一般 階2.9m)また,吊上荷重 は2.2t,最大作業半径7mで ある。
建方作業は建物 内部 か ら行 われ るため, クレー ン のブームが 当る位置にあ る床板 は,全体 の作業が終 了す るまで各階に仮置 き してお き,ブームが堪 った 時点 でこれ らの床板 をチェー ンブ ロック等 でセ ッ ト す るOブームの最 小収納半径は1.65mである。
ジャ ッ トクレ‑ ンは現在戸 田橋機材 センター に1 台配備 されているが,地方支店や施工 条件等に よっ ては, トラ ッククレー ンを使用す る場合 もある。
図‑10‑ 1 ジャ ッ トクレ‑ ンの仕 様
サ ニコンの施工実練 iliz松Ii生.投柁観 \'()L :i
説メ月
1,トラ ックで粘 入 、現 場 近 くで降 ろす。
2′ ア ウ ト リガ ー リ フ トア ッ プ 3, トラ ック退去
4,才妾地 、走行 5,マ ス ト立 て起 こ し 6. ス ピ ン タ ー ン
7,作業位 置 を挟 め る 8′ 7 ‑ム先端 部 引出 し 9′ ブ ーム引 出 し 10.マ ス ト引 出 し 11′作業 姿勢
2.2ton
作 紫 半 椎 アウ トリガー 7max 7.,バン3.Old2m以上の磯舟 mirl 1.1m
17.2m 港L.油 性
:jJ't,r/Lv̲i一速 舷 0.5r/min 7.5m/mn(60H21ー 6.25m/帆nf50Hz) 滋行速 度 6.0m/mn(60Hz) 5.0m/m∩(50Hz) り久ト7pソプ掛 だ 1.0m/m∩
̲fjlll]/)角 舷 360○
図‑10‑ 2 ジ ャ ッ トク レー ンの現
場
搬 入か ら搬 出 まで の図解 説明‡7tlt,.弘一'lL托靴 \'()I. 〜
§ 3. 施工実績
中小規模 ビルの工 業化 システム として開発 され たサ ニ コンは,施 工面 で も数 多 くの特 徴 を持 ち, それ らが在来 工 法 では実現 で きなか った短期 間 の竣工, 間 口いっぱ い の施工 とい った もの を解 決 させ て きた. こ うしたサニ コ ン構 法の特 徴 を,在 来工 法 と比較 しなが らま とめ てみ る。
サ ニ コン構 法 で建 設 され た建物 の概要 を図‑11に示す。
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サニ コンのJ二 車 夫績
サニコンの施工実績
3‑ 1 工期
サニ コン構法の大 きな特 色の一つに,在来工 法には真 似ので きない短期間の完成がある。土一升 金一升 といわ れ る市街地,特 に表通 りに面す る個 人の商店舗に とって, 建物 を建替 えるこ とは大 きな冒険である。工事期間中は 永 い間休業 を余儀 な くされ るし,代替店舗 といって も繁 華街 ではおいそれ と見つか る ものではない。
そのため建替 えの意志があって もなか なか実行す るま でに至 らず, こ うした顧客のニー ズを満足 させ るには, 従来,常 識的に考 えられてい る工事期間 を少 しで も短縮 す るこ とが必要 となるO休業 に よる減収,跡絶 えた客の 呼 び戻 し,或いは代替店舗にかか る経 費な どを考 えた場 令, この種の ビルに とって工期 の短縮 に よるメ リッ トは 計 り知 れ ない ものがある。
サニ コンの工期 を過去 の実績 か ら見 る と,在来のRC 造 と比較 した場 合, 2‑ 3ケ札 鉄骨 ALC迄の場 合1.5
‑2ケ月 ぐらいの短縮が図 られている。在来工法 との工 程比較 を表‑ 2に掲 げ る。
3‑2 敷地 の有効利用
サニ コン構法は,敷地 を少 しで も有効 に利用す るため に,隣接建物 との間隔 をで きるだけつめて施工 で きるよ
うに考慮 されている。
地価の高い市街地にお いては, 限 られ た敷地 にで きる だけ広 く,間 口いっぱいに建物 を建 てたい と願 っていて ち,従来は建物 の施工上,隣接建物 との間は人間1人が 入れ る ぐらいの空隙が必要 とされていたため,建替 えに よって今 までの建物 よ り間 口が狭 くなった リ,建築面積 の縮小 な どを余儀 な くされていた。
サニ コンでは,施工 は全 て内部 か ら行 えるよ うに,外 壁板の吊込みは建方専用の クレー ンを使用 し,外壁板の
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ジ ョイン トは スプライスス リー ブ, (または溶接 )を採用 してお り, 防水 も防水性 のあるスポンジ状 の コンプ リフ ォーム を建方時に張 りつけ る方法で解決 している。 その ため,理論上 では外壁板 を吊 り下げ られ るスペ‑ スがあ れば,隣地境 界線にそって建物 を建 てるこ とが可能 であ るが,地震時におけ る隣接建物 との競合 を考慮 して,敷 地境 界線 よ り外壁 まで10cmの隙間 を確保 して施工 され る。
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図‑12隣接建物 との スペー ス比較
秦‑2 在来工 法 との工程比較表
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サコン 梢
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衣栄 RC追 衣栄 秩骨
AヒC+ キ了合 せ 描法検討 才建設 賓等T合
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昌箕計 確 言.JJ.申去荷 現場 施 工 竣工○確 言忍中油 現場 施 工 竣工
建物規機 地上5階 塔屋1階 廷 画桟100時 1F店舗 2‑3F夢精所 4‑5F住宅
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写真‑3 隣接建物いっぱいに施工 して いるところ
3‑3 躯体工事費の構成
サニ コン構法は,躯体のほ とん どがPC部材 で構成 さ れ るため,工事 費の内訳は,RC造,鉄骨ALC道 とやや 異 なる。躯体工事 の うち,秩,基礎 (一階床 )は在来工 法で行 われ るのでRC道 とほぼ同 じ構成 となるが,上部 躯体に関 してはPC工事 費がほ とん どを占め る。
サニ コンにおける躯体工事費の実績 を,在来のRC造, 鉄骨ALC造の場合 と比較 した もの を表‑ 3に掲 げ る。
ただ しこの表は同規模 の建物 を仮定 して工事 費の比較 を 行 った ものである。
表‑ 3 各種工法躯体工事 内訳比較
RC造 鉄骨ALC遥 サ ニ コン構法
サニコンにおけるPC工事費の構成は,秦‑4に示す如くPC板製造費が半分以上を占めている。また,型枠費は,型枠損料,改造費,製造費等が含まれており,‑般152 サニコンの施工東銀 の大量生産できるPC板に比べると割高になる傾向にある。 表‑4サニコンPC工事費の内訳
3‑4 施工管理
サニ コンでは,杭,基礎 を除 く躯体のほ とん どがPC部 材で構成 されている。 このため在来工法のような,配筋, 型枠, コンクリー ト打設 といった作業は必要 とせず,常 に整理整頓 された作業環境が保持 される。一般 に建設現 場 においては,建設資材や仮設資材は非常に広範囲にわ た り, これ らを工程に合わせ,正確 に手配 し搬出入させ ることは,街中の小 さな現場 に とっては多大 な労力 と時 間 を費や し, また,在来工法の現場管理 には, ある程度 の経験 と知識 を持 った管理者数 人が必要 となる。
サニ コンの場合,PC工事が主体 となるため,管理の ポ イン トはPC部材の製造,輸送建方に しぼ られ る。PC部 材の製造管理 は工場 に移 されてお り,工場 での製品検査 は建方に先立 って行 われ るので,現場へ欠陥のある部材 が搬 入され ることはない。現場 での管理 ポイン トは建方, 特 にジ ョイン ト工事が主 となるが, ジョイン トには管理 の しやすい方式 を採用 してお り,僅かな人数 で施工管理
を行 うことがで きる。
具体的には,JASSIO「壁式プレキャ ス ト鉄筋 コンクリ ー ト工事 ・同部相の製造基準」 (日本建築学会 )及び 「壁 式プ レキャ ス ト鉄筋 コン クリー ト工事施工技術指針」(社 団法人プ レ‑ブ協会)を基本に したサニ コン施工要領書, PC部材製造規定があ り,この中にはサニ コン施工上,気
をつけなければならない点,施工の 二つなどが手引 きと してまとめ られ,施工 の標準化,現場管理 の簡素化 を図 っている。
サニコンの施工乗親
秦‑5 サ ニ コンの施工要領書,PC部材製造規定 施工要領書 1.安 全対策
2.PC部材受 入検査 3.建方計画
4.建方工事 5.接合工事
6.ジ ョイン トコン クリー ト工事 及び型枠工事
7.防水工事 PC部材製造規定
1.材料 、部 品 2.製品規格 3.製品工場設備 4.部材製作
5.型枠 及び製品検査 6.貯蔵 及び出荷
§ 4. 今後 の開発 の方向
サニ コンは,今 までの設計,施工 の実績か らみ て,PC 板の製造,建方, ジ ョイン ト方法, 防水の納 f)などのハ ー ド的 な技術上の問題 はほぼ解決 してい る。 しか しこれ はあ くまで構法 としての具体的 には躯体 に関 してのみの 技術開発 で, いわゆ るソフ ト面の開発につ いては よ うや
く手 をつけた段階にす ぎない。
サニ コン構法の開発 をふ t)返 る と,秦‑6に示す よう に現在 は第3段 階の量産初期 の状態に該 当す るQ
表‑ 6 サニ コン開発の段階
第1段 階 基本設計 、さまざまな構法の比較検討 、 試行建設
第2段階 実施設計 、接合方法改良、実施建設 第3段階 量産初期 作業 、図書の標 準化
構法認定 (‑‑ ド面開発済 ) 第4段階 量産期 、標準化 の応用 、
(ソフ ト面開発済 )
サニ コンにおいて,建 設費に 占め る躯体工事 費の割合 は,秦‑7に示す ように約40%で, いかに躯体部分 を工 業化, システム化 したい といって も躯体工事 費に含 まれ る杭,基礎, 1陪席 は在来工法 と変 らず,全体的には僅 か1/4の割合 しか工業化 されていない ことになる。つ ま り あ との3/4は旧態依然の ままで,今後の開発可能 な部分 と して残 ってい る。
また,サ ニ コンが対象 とす る中小規模 ビル とい う面か ら考 える と, ビルの企画,融資斡旋, テナ ン ト紹介 とい った幅広 い営業活動が要求 され るため,受注拡大には専
i'tl松llit,壮絶糾 VOl∴ う
秦‑7 工事 費に見る工 業化の割 合
任の営業マ ンを配 し, 各地 の商工会議所, 金融機関‑の 宣伝,協 力依頼 などが必要 となって くる。
施工面 では,電気給排水な どの設備工事 を一括 して行 う工事業種 の統合, コンス タン トな受注に よる下請体制 の育成整備等が考 えられ る し, 各種施工図の作成, 承認, 施主 との打合せ な ど現場 での管理項 目を極 力減 らす設計 図書の標準化の検討 も残 されている。
サニ コンにおけ るこ うした ソフ ト面の今後の開発項 目 をま とめ てみ る と次 の よ うに なる。
1.設計上 の開発
1)経済設計の手引作成
2)経済プラン集,デ ィテ イル集作成
3) コス トコン トロー ル, コス トデザ インの開発 2.営業上の開発
1)専任セールスマ ンの養成,営業の手引作成 2)全国的 な販売体制
3)各地 区商工 会議所へ の宣伝,金融機関‑の協 力 体制
4)店舗 システム として とらえた総合的 なコンサル テ ィング
5) コンスタン トな受 注体制 3.施工上 の開発
1)設備,仕上工事の標準化,省力化,工業化 2)業種 の統合,下請 の育成
3)施工代理店方式の開発 4)施工の手引作成
§ 5. 終 り に
サニ コンは現在 までに数棟 の実績 を経 て,設計,PC部 材製造,建方 といった構法上 の問題 はほぼ出つ くし, そ れ らに対す る対応 も解決 されつつ ある。 しか しこの種 の 中′ト規模 ビルの分野には,新 しい工業化工法 とい うだけ で解決 で きない問題点 も多い。例 えば小規模 ビル とい う こ とか ら くる営業,設計の効率化, ビルの企画,採算, 融資な どの コンサ ルテ ィング,地元工務 店の競合, コン
スタン トな受注に対す る計画的 なPC部 材の生産, また, 施工面 では小廻 りの き (下請体制,工事業種 の統合等が
lltr松JJiit‖'k托 純 \川 、 サニコンの施工実績
あって,工業化 のため に標準化や生産施工 に関連 したマ 今後, こ うした問題且 も含めて,一歩一歩前進 させ な ニュアル化 を行 っているに もかかわ らず,計画生産が可 が ら西松建 設 として,社会のニ‑ ズに応 えられ るよ り良 能 な部分は限 られ, すべ てが合理的 に解決 された ものば い建物 を創 り出 して行 きたい0
か t)ではないO
‑ サニ コン構法 に よる竣工 ビル写真集‑
杉浦 ビル
永井薬局ビル
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