Q & A
Q: チェレンコフ光は浴びると死にますか?また、なんで死ぬんですか?
A: チェレンコフ光自体はただの青白い光(可視光線)です。青色LEDの光と何も変わ りません。ですので浴びても問題ありません。ただ、スライドにあったチェレンコフ光で 青白く光っている原子炉の炉心をのぞき込むと、同時に存在する放射線を浴びること になるので、死ぬかどうかわかりませんが、体には良くないと思います。
Q: 太陽が莫大なエネルギーを放出していることはわかりましたが、いつかはエネル ギーの放出も止まってしまうんですよね。
A: 太陽の寿命は100億年くらいです。現在はその半分の50億歳くらいで、後50億 年くらいは光り続けます。次々回くらいでやります。
Q: 核融合は核分裂と違って放射性物質を出さないのでクリーンですが、技術的に起 こすのは難しいと聞いたことがあります。現在でも研究は行われているのですか?
A: 核分裂は今日やります。核融合の研究は今も行われています。日本では茨木県 に新しい実験装置が来年完成します(建設費630億円)。
Q: ニュートリノは空気中を満たしている物質などに干渉されないのですか?それに よって曲がったりしないのですか?
A: ニュートリノは地球や太陽もスカッと通過するので曲がりませんが、ブラックホー ルの近傍等で空間の歪みにより光が曲がるのと同じ理由でニュートリノも曲がります
①
自然界のニュートリノ
・ 太陽ニュートリノ ~10 MeV 660億個/(cm2・秒)
核融合反応からのne
・ 大気ニュートリノ ~GeV 1個/(cm2・秒)
宇宙線と大気分子との反応で生成されるニュートリノ(ne,ne,nm,nm)
・ 地球ニュートリノ ~3MeV 400万個/(cm2・秒)
地球内部の放射性物質の崩壊からのne(トリウム系列・ウラン系列)
カムランド(KamLAND)が2005年に検出に成功
・ 超新星ニュートリノ ~20 MeV 600億個/cm2
電子陽電子追消滅等からのニュートリノ(ne,ne,nm,nm,nt,nt)
・ 宇宙背景ニュートリノ ~meV 10兆個/(cm2・秒)
ビッグバンで生成されたニュートリノ(ne,ne,nm,nm,nt,nt) 検出されていない。
スーパーカミオカンデで観測できるニュートリノ:数 MeV 以上
(チェレンコフ光のリングを観測できる)
(SN1987Aの場合)
②
2015年ノーベル物理学賞
受賞理由:ニュートリノ振動の発見により、ニュートリノに質量があることを示したこと
大気ニュートリノの ニュートリノ振動
この後に説明
梶田隆章 アーサー・マクドナルド
太陽ニュートリノの ニュートリノ振動
2001年、サドバリー郊外地下2千メートルの深さにある鉱山に作られた サドバリー・ニュートリノ観測所 (SNO:スノー) で、マクドナルド率いる 研究チームは、太陽からのneの65%がnm ,nt へと振動していることを示唆する
直接的な観測データを得た。35%はne のまま。
㉞
たかあき
(参考)ニュートリノ振動①
n
e, n
m, n
tne, nm, nt は決まった質量を持っていない。(質量の固有状態でない)
ne, nm, nt は電子、m 粒子、t粒子と対をなす弱い相互作用で決まる状態
W+ p+ u
d
m+ nm
m+ W+ nem+
ne 時間
m+と対で生成されるので、nm
e+と対で生成されるので、ne
ne e-
W±
外から来た チェレンコフ光
m+が変化したものなので、nm
弱い力を媒介する粒子
d
中性子の中の
u
陽子の中の
変化したものが e なのでne
㉟ 試験には出ません
p+→m+ nm
m+→ e+ ne nm
(参考)ニュートリノ振動②
n
1, n
2, n
3決まった質量を持っている(質量の固有状態な)のは n1, n2, n3 ne, nm, nt はその重ね合わせで表現できる。
例:ne = a n1 + b n2 + c n3 (a, b, c は複素数)
n1, n2, n3 はそれぞれ異なる質量(エネルギー)の固有状態なので 時間経過とともに、それぞれ異なる振動数で位相が変化する。
例えば t = 0 にneであっても時刻 t の状態 n(t) は n(t) = ae-iw1t n1 + be-iw2t n2 + ce-iw3t n3
最初 ne でスタートしても nm や nt である振幅が存在する。
(ニュートリノ振動)
ちゃんと理解するには量子力学の知識が必要
E1=hw1/2p E2=hw2/2p E3=hw3/2p
㊱ 試験には出ません
座標変換に似ている:x’ = ax + by + cz (a, b, c は実数)
大気ニュートリノ(電子ニュートリノは?)
電子ニュートリノ ミュー・ニュートリノ
振動がない場合とほぼ同じ
→ニュートリノ振動無し
下から来る(地球を貫通した)ミュー・ニュートリノは タウ・ニュートリノに変わった
スーパー・カミオカンデでは、タウ・ニュートリノは上のような解析が難しい。
㊲
振動がない場合の期待値 振動がある場合の期待値
振動がない場合の期待値 振動がある場合の期待値
振動がある場合とほぼ同じ
→ニュートリノ振動有り
自然界のニュートリノ
・ 太陽ニュートリノ ~10 MeV 660億個/(cm2・秒)
核融合反応からのne
・ 大気ニュートリノ ~GeV 1個/(cm2・秒)
宇宙線と大気分子との反応で生成されるニュートリノ(ne,ne,nm,nm)
・ 地球ニュートリノ ~3MeV 400万個/(cm2・秒)
地球内部の放射性物質の崩壊からのne(トリウム系列・ウラン系列)
カムランド(KamLAND)が2005年に検出に成功
・ 超新星ニュートリノ ~20 MeV 600億個/cm2
電子陽電子追消滅等からのニュートリノ(ne,ne,nm,nm,nt,nt)
・ 宇宙背景ニュートリノ ~meV 10兆個/(cm2・秒)
ビッグバンで生成されたニュートリノ(ne,ne,nm,nm,nt,nt) 検出されていない。
スーパーカミオカンデで観測できるニュートリノ:数 MeV 以上
(チェレンコフ光のリングを観測できる)
(SN1987Aの場合)
②
超新星爆発 SN 1987A
大マゼラン星雲での 超新星爆発
1987
年2
月23
日地球⇔大マゼラン星雲
16
万光年supernova
24日発見 5月に明るさ最大(3等級)
質量が太陽の約20倍の青色超巨星
前
㊳ 後
1054年に出現 昼間でも見えた
かに星雲( M1 )
地球から 7000 光年
距離:1987Aの24分の1 天の川銀河内
NASA ハッブル宇宙望遠鏡
重力崩壊( II 型超新星爆発)
鉄の核 核融合停止
H He C,O
中性子星 ブラックホール
衝撃波
膨大な重力エネルギーの解放
99%のエネルギーを ニュートリノが持ち去る
高温(高エネルギー)のため様々な素粒子反応が起こる。
ニュートリノが生成される反応も起こる。例: e-+ p → ne + n ニュートリノは脱出できるが、他の粒子は閉じ込められる。
③
p
太陽の内部で起こっている核融合 4p + 2e-→ He + 2ne + 26.7 MeV 太陽では C,Oまで
それ以上の核融合は
更なる高温・高圧が必要(重い星)
鉄
㉚
核力のみの結合エネルギー
電気力(反発力)による 結合エネルギーの減少
㊵
カミオカンデが検出した超新星ニュートリノ
13秒間に11個の ニュートリノを検出
日本時間 1987年2月23日 16:35:35±1min この瞬間に重力崩壊が起こった
可視光では 日単位でしか
わからない
ニュートリノのエネルギー[MeV]
爆発に伴って 約
600
億個/cm
2 のニュートリノが 地球を通り抜けた地下1000mの 観測施設で 望遠鏡では 観測できない
重力崩壊の 瞬間が観測できる。
(スーパー・カミオカンデの約1/20の水の量)
④
Q: 小柴先生がノーベル賞を受賞されたときに観測したニュートリノは、大マゼラン星 雲の超新星爆発で発生したものとされていますが、なぜそこで発生したとわかるので すか?
A: とてもよい質問です。検出された11個のニュートリノは、その一個一個だけでは、
どこから来たかわかりません。しかし、以下に述べるような状況証拠より、そうとしか 考えられないということです。
カミオカンデは、スーパー・カミオカンデの 1/20 しかニュートリノを検出できません。
太陽から大量に来ている太陽ニュートリノでさえ、カミオカンデは1日に1個くらいしか 検出できません。ですので13秒間に11個のニュートリノを検出できる事象は、超新 星くらいしかないのです。しかもタイミングが1987Aが光で見つかった1日前であり、
超新星の爆発の理論と矛盾しません。また、その検出したニュートリノの量(11個)も 大マゼラン雲で起こった、太陽の20倍の超新星に伴って発生するニュートリノとして 期待される数と一致しているからです。
⑤
超新星爆発で発生するエネルギー
万有引力による位置エネルギー U(r) = -G m1m2 r
m1
m2 r
問題:もし、質量2×1030 kg ,半径 70万 km の太陽が 半径 10 km に収縮すると 開放されるエネルギーはいくらか?G = 6.67×10-11
DE = U(7×108) -U(10000) ≒-U(10000) ≒ 1.6×1046 [J]
太陽が一生(100億年)に出すエネルギーの100倍以上を一瞬で放出 現在の太陽:3×1026 W [J/s]
その99%以上がニュートリノによって運び出される(透過力があるので)
M
質量 M,半径Rの球の万有引力による位置エネルギー U(R) = -G
R 3M2
5R
⑥
R が変化しないときは、考える必要がなかった。
位置エネルギーの減少分が、解放されるエネルギー
m1
m2 r
万有引力による位置エネルギー
R M
基準点
(質点) 無限遠
⑦
基準点に運ぶために Gm1m2 のエネルギーが必要 r
球を構成する各部分をそれぞれ基準点に運ぶために G 3M2 のエネルギーが必要 5R
基準点 無限遠
U = 0 の点
U = 0 の点
積分を使うとどちらも公式を導くことができます。興味のある人は挑戦してみて下さい。
超新星爆発 SN 1987A
大マゼラン星雲での 超新星爆発
1987
年2
月23
日地球⇔大マゼラン星雲
16
万光年supernova
24日発見 5月に明るさ最大(3等級)
質量が太陽の約20倍の青色超巨星
前
㊳ 後
超新星ニュートリノ観測の意義
・ 爆発のエネルギーの99%をニュートリノが持ち出す理論を大筋で確認
・ ニュートリノの質量が、当時の地上での実験の上限とほぼ同じ上限を与える 16万光年も離れているのに、ニュートリノはほぼ光と同時に来た。
質量が大きければ、エネルギーの大きい(速度の大きい)
ニュートリノが先に到着する。
将来の超新星ニュートリノ観測
・ 天の川銀河(我々の銀河)で爆発が起これば、10000事象のニュートリノ
・ 中性子星の形成が時間を追って見える。
・ ブラックホールの形成が起これば、その瞬間からニュートリノも来ない。
・ ニュートリノの観測により、天文台に爆発を事前に知らせることができる。
(光学での変化は数時間以上後)
小柴昌俊先生のノーベル物理学賞(2002年)
(スーパーカミオカンデで)
1987Aの時は、カミオカンデ
⑧
戸塚洋二氏、梶田隆章氏の恩師
(太陽ニュートリノの業績も受賞理由)
一昨年、重力波の観測で天文台に中性子星の合体を天文台に事前に知らせることができた。
光より速いニュートリノ?
名古屋大学などが参加する国 際研究グループ(OPERA)は、スイ ス・ジュネーブ郊外の欧州合同原 子核研究所(CERN)から約730キ ロ離れたイタリア中部の研究施設 にニュートリノのうちミュー型と呼ば れるものを飛ばし、到達するまでの 時間を最新の全地球測位システム
(GPS)技術などを使って精密に測 定。光速(秒速約30万キロ)よりも ニュートリノが60ナノ秒(1億分の6 秒)早く到達し、光速より約0.002 5%速かった。
測定は過去3年間にわたり約1 万5000回実施しており、観測ミス や誤差があるとは考えにくいという。
光ケーブルの
接続不良 (16万年なら4年)
⑨ 当時の
新聞記事
名古屋大のOPERAのリーダー
(吉田の学生時代のボス)
K. Niwa(丹羽公雄)
(タウ・ニュートリノ発見の中心人物)
は入れなかった。
実験グループの中でも著者として 名前を載せなかった者もいた。
世紀の大発見かもしれない 論文に名前を入れないのも
勇気のある決断
⑩
(2011年)
自然界のニュートリノ
・ 太陽ニュートリノ ~10 MeV 660億個/(cm2・秒)
核融合反応からのne
・ 大気ニュートリノ ~GeV 1個/(cm2・秒)
宇宙線と大気分子との反応で生成されるニュートリノ(ne,ne,nm,nm)
・ 地球ニュートリノ ~3MeV 400万個/(cm2・秒)
地球内部の放射性物質の崩壊からのne(トリウム系列・ウラン系列)
カムランド(KamLAND)が2005年に検出に成功
・ 超新星ニュートリノ ~20 MeV 600億個/cm2
電子陽電子追消滅等からのニュートリノ(ne,ne,nm,nm,nt,nt)
・ 宇宙背景ニュートリノ ~meV 10兆個/(cm2・秒)
ビッグバンで生成されたニュートリノ(ne,ne,nm,nm,nt,nt) 検出されていない。
スーパーカミオカンデで観測できるニュートリノ:数 MeV 以上
(チェレンコフ光のリングを観測できる)
(SN1987Aの場合)
②
問題:6種のクォーク,6種のレプトンのうちで、
この宇宙で数として最もたくさんあるのは?
身の周りの 物質 陽子:uud 中性子:udd
電子
太陽ニュートリノ
(生成時)
大気ニュートリノ
(生成時)
最も重いクォーク
地上に届く宇宙線
超新星ニュートリノ
⑪
W:sss
出典:
ニュートリノの面白い話が いろいろ載っています。
⑫ 理由は、ビッグバンのところで話します。
宇 宙 全 体 で な ら し た 場 合
放射線
放射線の種類
a
線 ,b
線 ,g
線 ,X
線 , 陽子線,
重イオン線,
・・・高速で運動 するヘリウム
の原子核
高速で運動 する電子 (陽電子もb+線)
電磁波
高速で運動 する陽子 がん治療等に
電離性を有する高いエネルギーを持った電磁波や粒子線
例:炭素イオン線 がん治療等に
p n p
n
物質中では荷電粒子の飛跡に沿って 電離(電子がはぎとられる)・励起が起こる
⑬
電離と励起
荷電粒子の場合
(a線、b線、陽子線、重イオン線等)
荷電粒子が通過する際、電場の変動によって飛跡にそって電離・励起が起こる。
荷電粒子 電離 励起
⑭
励起 電離
自由電子
原子核 電子
空席
泡箱
1952年発明 液体水素中の
素粒子(荷電粒子)
の飛跡に 沿って泡が できる。
それを 写真撮影
B ×
⑮
bubble chamber
サイクロトロン運動
衝突
中性の粒子の崩壊
電離や励起(異物)
を核にして泡が成長 後で見せる霧箱も
電離や励起を核にして 水滴(雲)が成長
電離と励起
電磁波(X線,g線)の場合
X線・g 線は電荷を持たないので、飛跡に 沿って電離・励起は起こらない
電子との散乱
(コンプトン散乱)
光電効果
原子全体と相互作用 X線・g線は消滅
光電子
光電子の飛跡に
沿って電離・励起が起こる。
⑯
原子核・原子のサイズ 0.4~0.8 mm アンテナのサイズ
電磁波(光子)の種類
ガンマ線 X線 紫外線 可視光線 赤外線 電波
短い 波長l(波としての性質) 長い
大きい 光子のエネルギーE 小さい
化学結合の エネルギー H2Oの共有結合 5 eV
2 eV
放射線
がんの原因になる
放射線でない
がんの原因にならない
数万eV
ストーブ ラジオ レントゲン
PET
E = h c
O l
H H
結合切れる 結合切れない
波の 性質顕著
吉田
⑰
粒子の 性質顕著
粒子(光子)としての X 線 , ガンマ線
ピッピッと音がでる毎に X線,ガンマ線光子を検出
(1個,2個と数えることができる)
放射線(
X
線,
ガンマ線)測定器Super KAMIOKANDEの 光電子増倍管も可視光の光子を
1個、2個と数えることができる。
⑱
a 崩壊
大きな原子核は陽子の電荷のために 互いに反発力が発生し、不安定である。
電気力はすべての陽子に作用するので 電気力による反発力は原子番号とともに 大きくなる。
一方、核子どうしを結びつけている核力は 隣の核子にしか作用しない。
到達距離≒核子の大きさ≒10-15m
引力=一定
a線は高速で運動しており、
電子はまとっておらず
裸のヘリウム原子核となっている。
238
U
92 23490
Th
+ + 約4 MeV
4
He
2
a線 例:
崩壊で親核と比べると、
娘核の原子番号は2減り 質量数は4減る。
F = q1q2 4pe0r2
ウラン トリウム
質量数(核子の数)
原子番号
(陽子の数)
a線を含めると陽子の数や中性子の数は 崩壊の前後で変化していない。
⑲
p
U(ウラン)の核分裂 200 MeV
a崩壊の例:238U(ウラン)の場合 崩壊すると残り234個の核子の 核子あたりの結合エネルギーが
少し(約0.02MeV)大きくなる。
崩壊で増加した結合エネルギーが、
崩壊の際にa線のエネルギーになる。
鉄
4p + 2e-→ He + 2ne + 26.7 MeV
238U
⑳ 結合エネルギー=-位置エネルギー
トンネル効果
4He(a粒子)の 位置エネルギー 電気力による
位置エネルギー
電気力による 位置エネルギー
+
核力による 位置エネルギー
親核の 中心
原子核内の a粒子の エネルギー
(位置+運動)
a線の運動エネルギー
古典力学(力学や電磁気学)では 核内のa粒子はポテンシャルの壁を
超えることできない。
不確定性原理により 短時間であれば
エネルギーが不足していても ポテンシャルの壁を
超えることができる。
||
トンネル効果
4Heの位置
U = q1q2 4pe0r
㉑
正のエネルギー 壁が無ければ
束縛されない
238U を 234Th と 4He(a粒子)として考える
トンネル
4He(a粒子)の 位置エネルギー
4 MeV
4Heの位置
電気力による位置エネルギー
(クーロン・ポテンシャル)
4 ×106×1.6×10-19
=
4p1e0
90e×2e r
r = 1 ≒ 6×10-14 [m]
4pe0 4×1090e6×1.6×2e×10-19
問題: 左上の図でクーロン・ポテンシャルが
4 MeV となる位置 r (トンネルの出口)を求めよ。
O r
参考:核力の到達範囲≒10-15 = 0.1×10-14 [m]
234
Th
90
≒トンネルの長さ
㉒
90e r
2e
U(r) = 1 4pe0
(2e)(90e) r
| |
9×109
原子核 の半径
0.7×1014 m r に関する式:
霧箱
過冷却状態の気体(エチルアルコール)の中に荷電粒子の放射線を入射させると、
その飛跡に沿って気体分子のイオン化が起こり、
そのイオンを凝結核として雲ができ飛跡が観測される。
㉓
ユークセン石
(Y,Ca,Ce,U,Th)(Nb,Ta,Ti)2O6
ウラン,トリウム
238U → 234Th + 4He(a)
232Th → 228Ra + 4He(a)
実験
放射線測定器を ユークセン石に
近づけてみる。
㉔
U (ウラン,原子番号 92 )の同位体
235U:存在比 0.72 % 半減期 7.038億年 中性子の数: 個
238U:存在比 99.28 % 半減期 44.68億年 中性子の数: 個
中性子
中性子
核分裂反応
139I 95Y + 2n
+ 約200MeV
235Uに中性性を吸収させると、2つの原子核と幾つかの 中性子に分裂する。発生した中性子が235Uに吸収されると さらに核分裂が起こる(連鎖反応)。238Uは核分裂を起こし にくい。原子力発電の燃料は、235Uの割合を高めてある。
(濃縮ウラン)3~5%程度。原子爆弾は、ほぼ100%235U。 原子力発電:核分裂の連鎖反応を
制御しながら、ゆっくり進め、
発生した熱で発電。
原子爆弾:核分裂の連鎖反応を瞬間的に 進める。
電気力による 反発がない
劣化ウラン(弾)
0.2~0.3%
137Cs
134Cs
131I
㉕
143 146
p
U(ウラン)の核分裂 200 MeV
a崩壊の例:238U(ウラン)の場合 崩壊すると残り234個の核子の 核子あたりの結合エネルギーが
少し(約0.02MeV)大きくなる。
崩壊で増加した結合エネルギーが、
崩壊の際にa線のエネルギーになる。
鉄
4p + 2e-→ He + 2ne + 26.7 MeV
238U
⑳ 結合エネルギー=-位置エネルギー
地球の重元素ができた年代の推定
(注意:いいかげんな推定です。)
が、けっこうまともな値
235U 238U
現在 72個 現在 9900個
7 億年前 140個 14億年前 280個 21億年前 560個 28億年前 1100個 35億年前 2200個
42億年前 4400個 45億年前 20000個 49億年前 8800個
56億年前 18000個 63億年前 36000個 70億年前 72000個 77億年前 140000個 84億年前 280000個
91億年前 560000個 90億年前 40000個 存在比:0.72% 99.28%
このあたり?
㉖
約60億年前
問題:地球の重元素は太陽系が できる前の超新星爆発や 連星中性子星の合体の際に
生成され、まき散らされる と考えられている。
その際には 235U と 238U が
同数生成されたと仮定して その時期を推定せよ。
ヒント:右の表の空欄に 数字を入れて考えよ。
数字は有効桁2桁で十分 参考:太陽系の年齢46億年
宇宙の年齢138億年
b 崩壊( b
-崩壊)
3
H
1 32
He
電子(β線)
中性子 陽子
最大18.6 keV 例:
3
H →
3He + e
-+ n
e式で書くと
物質の階層を下げて考えると
n → p + e
-+ n
e更に物質の階層を下げて考えると
d → u + e
-+ n
e反電子ニュートリノ
電子(β線)
中性子 陽子
反電子ニュートリノ
電子(β線) 反電子ニュートリノ
dud u du
原子番号は1増える 質量数は変わらない。
(どの階層でも電荷は保存している)
三重水素 トリチウム
㉗
b 崩壊のファインマン図
d → u + e
-+ n
ed
W
-u e
-n
eW-の静止エネルギーは約80 GeV(陽子,中性子の約100倍弱)
不確定性原理により許されるが半減期は長い(3Hの場合は12.3年)
参考:
t → b + e
++ n
et
W
+b e
+n
eトップクォークの静止質量は(170 GeV)なので
エネルギー的に許される。寿命 10-25秒程度(寿命には他の要素も関係)
(
b
+ 崩壊)弱い力を媒介する粒子
(陰電子崩壊)
㉘
b
+崩壊
18
F
9 188
O
例:
陽電子(β+線)
最大634 keV
PET で利用
18
F →
18O + e
++ n
e式で書くと
物質の階層を下げて考えると
p → n + e
++ n
e更に物質の階層を下げて考えると
u → d + e
++ n
e原子番号は1減る 質量数は変わらない。
電子ニュートリノ
陽電子
(β+線) 電子ニュートリノ
duu d du 陽子 中性子
(どの階層でも電荷は保存している)
(陽電子崩壊)
㉙
b
+崩壊のファインマン図
u
W
+d e
+n
et
W
+b e
+n
eu → d + e
++ n
em
+n
mu d s d
トップクォークは重い
c
(静止エネルギーが大きい)
ので様々な崩壊が可能
s t
+n
t終状態は これしか エネルギー的に
許されない
㉚
崩壊のチャンネルが多いこともトップクォークの寿命が短い一因である。
軌道電子捕獲(EC: Electron Capture )
40
K
19 4018
Ar
例:
軌道電子 電子ニュートリノ
40
K + e
-→
40Ar + n
e式で書くと
物質の階層を下げて考えると
p + e
-→ n + n
e更に物質の階層を下げて考えると
u + e
-→ d + n
e原子番号は1減る 質量数は変わらない。
(b+崩壊と同じ)
軌道電子 電子ニュートリノ
duu d du 陽子 中性子
㉛
軌道電子捕獲と b
+崩壊
u
W
+d n
ee
-u + e
-→ d + n
eu
W
+d n
ee
-u → d + e
++ n
ee
+u
W
+d n
e①②の図では
電子はAに向っている
③でも電子が時間に逆行して Aに向かっていると考えてもよい
時間に逆行する電子
||
時間に順行する陽電子
①と③は本質的に同じ
A
①軌道電子捕獲
②
③ b+崩壊
A
A
時間
e
-㉜
空間
時間
(陽子中のクォーク)
q は quark の q
( u または d )
(反陽子中の反クォーク)
( u または d )
トップクォーク生成のファインマン図
トップ クォーク 反トップ クォーク
β-崩壊
β+崩壊
ボトムクォーク 寿命~10-12 s
グルーオン 強い力を媒介 する粒子
対消滅→ ←対生成
寿命~10-25 s
e-
e+
↑
lepton の l
㉝
反粒子の矢印が逆向きになっていることに注意
b
-崩壊:n → p + e
-+ n
eb
+崩壊:p → n + e
++ n
e 矛盾しない?静止エネルギー
陽子
938.3 MeV
中性子
939.6 MeV
電子
0.5 MeV
(陽電子も)中性子の方が陽子より 1 MeV 以上重い。
原子核内にない単独の中性子は b-崩壊をする。
(半減期約10分、平均寿命約15分)
原子核内にない単独の陽子は b+崩壊しない(安定)。
原子核内では核力や電気力による結合エネルギーも考慮しなければならない。
中性子は電気力による反発力が作用しない分、核内では陽子より安定
㉞
安定同位体と放射性同位体
b-崩壊 ,b+崩壊,軌道電子捕獲では質量数は変化しない
原子番号 Z エネルギー
14 15 16 17 18 19 20
安定同位体
陽子の多い核種は
b+崩壊をする
中性子の 多い核種は
b-崩壊をする
同じ質量数でエネルギーの谷底の核種が安定同位体,他は放射性同位体 a崩壊は
ウラン等の 重い元素のみ
㉟
陽子の数 vs 中性子の数
陽子の数
||
中性子の数 陽子の数
中性子の数
重い元素は、
中性子の数の方が多い 陽子は電気力による
反発力が働くので
軽い元素は、
陽子の数 ≒ 中性子の数
U(ウラン)
ニホニウム等 超ウラン元素
82
50
82 28
20 8
魔法数
陽子・中性子の数が 魔法数だと特に安定
例:126 C, N, O
16 8 14
7
(安定)
半減期 長い
㊱
類似:希ガスが安定
b
-b
+中性子の数 陽子の数
4He,16O,40Ca,48Caは どちらも魔法数
質量数36
㊲ 陽子の数
||
中性子の数
半減期
放射性同位体等が崩壊して半分に減る期間 半減期の2倍の期間では、4分の1に減る 半減期の3倍の期間では、8分の1に減る
N(t) = N
0( ) 1 2
t T
N0 :時刻 t = 0 における放射性同位体の数
N(t) :時刻 t における放射性同位体の数
T :半減期
N(t) = N
0e
-t :
平均寿命放射性同位体,素粒子等の平均の寿命。(崩壊して 1/e に減る期間)
寿命の2倍の期間では、e2分の1に減る 寿命の3倍の期間では、e3分の1に減る
平均寿命(寿命)
tt
e ≒2.72
主に放射性同位元素に用いる
主に素粒子に 例:p中間子
㊳
半減期と(平均)寿命
N
0N
0/2 N
0/4
T 2T
N
0N
0/e N
0/e
2t 2 t
N
0 :時刻t = 0
における放射性同位体や素粒子の数T
:半減期 , t : 平均寿命N(t) = N
0( ) = N 1
0e
-2
t
T t
t
2 = e
t T
tt 自然対数をとると
t
T ln 2 = t
t
T = t ln 2 ≒ 0.69 t t ≒ 1.44 T
ln 2 = loge2
逆数:
N(t) N(t)
㊴
問題
ここに三重水素(トリチウム, 3H)の原子が2つある。
この2つ原子を様々な装置で詳しく調べたら
どちらが先に崩壊するかを、ある程度予想できるか?
力学では、初期条件を決めると未来は完全に決定された。
量子力学においては、初期条件を決めても、未来は確率しかわからない。
未来は決まっていない・・・(1個の原子の未来もわからない)
㊵
答:できない。
原子には、個性はない。原子はどれも全く同じ。
「今にも崩壊しそうな原子」や「まだ当分崩壊しない原子」はない。