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細胞移植早期拒絶の制御に世界で初めて成功 ̶

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Academic year: 2021

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 国内約740万人の糖尿病患者のうち、生涯イン スリンを注射し続けなければない重症患者は約10 万人です。インスリン注射から解放される方法の 一つとして注目されているのが、インスリンを作 る膵島細胞を糖尿病患者の肝臓内に移植する膵島 細胞移植です。しかし、免疫抑制剤を使用しても、

移植後数時間で起こる早期拒絶反応によって移植 した膵島細胞が破壊されるため、1回の移植では 治療効果が得られず、数回の移植を行う必要があ りました。このため、膵島細胞移植を成功させ、

糖尿病を治療するためには、移植早期拒絶を制御 することが最も重要な課題となっていました。

 今回の研究では、膵島細胞移植直後におこる早 期拒絶反応が、膵島細胞自身から細胞外に放出さ れる核内タンパク質HMGB1によって引き起こさ れることを見出しました。HMGB1は、 免疫細胞 の一種類であるNKT細胞を活性化し、移植が引 き金となって集まってきた多形核白血球を活性化 して、早期移植拒絶を引き起こします(図1)。

実際、HMGB1に対する抗体を投与することに よって、移植膵島細胞の早期拒絶反応を回避する ことが可能となり、移植効率が飛躍的に改善しま した。実験では、これまで糖尿病マウス1匹を治 療するのに2匹分(400個)の膵島細胞を移植す

る必要がありましたが、抗体を投与することで 1/4(100個)の膵島細胞移植で完治しました。

 今回明らかにされた膵島細胞移植早期拒絶の仕 組みは、ヒトにおいても存在することから、重症 糖尿病の根本治療となることが期待されます。長 期的にみて体への負担が極めて少ない膵島細胞移 植は、インスリン注射に代わる治療法として注目 されており、本研究の成果が糖尿病治療に画期的 な進歩をもたらすものと言えます。

平成18−20年度 基盤研究  「臨床膵島移植成 功へのブレイクスルー:NKT細胞を標的にした 新規治療法開発」

平成22−24年度 基盤研究  「新たに見出され たNa+/Ca2+交換体を介した移植膵島細胞死の制 御に関する研究」

【研究の背景】

【研究の成果】

【今後の展望】

【関連する科研費】

膵島移植の臨床応用に関する研究 重症糖尿病の根本治療法を開発

̶ 膵

すい

とう

細胞移植早期拒絶の制御に世界で初めて成功 ̶

福岡大学 医学部 教授

安波 洋一

▶図1  膵島細胞からのHMGB1の放出。(移植3 時間後の様子)早期移植拒絶反応により、

膵島細胞から放出されているHMGB1(黒 矢印)。正常の膵島細胞(赤矢印)では茶 色に染色されたHMGB1は主に細胞核に存 在している。

生 物 系

最近の研究成果トピックス

2.

(記事制作協力:科学コミュニケーター 五十嵐海央)

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プロセスシアン

プロセスシアンプロセスマゼンタプロセスマゼンタプロセスイエロープロセスイエロープロセスブラックプロセスブラック

参照

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