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在宅 重 度 重 複 障害 児 ・者 を介 護 す る 親 か らの ア プ ロー チ
藤 田 雅 子 ・日浦 美 智 江
Opinions of the Parents Who Take Care of Their Severely Handicapped Children and Youth at Home
Masako Fujita') and Michie Hiura2
The aim of this essay is to survey of the opinions of the parents who are taking care of their severely handicapped children and youth at home. The severe handicap means the overlapping disabilities of serious motor disturbance and profound mental retarded. The age of their children is elementary school to adult . The number is two hundred and eight.
Psychological support of these parents is mainly their spouse, and sister and brother of the handicapped. Second is friends of another parents having the handicapped children.
Parents encourage and help each other. One third has the experience of being discouraged by medical doctor, and one fourth was discouraged by the staff of social welfare office or child consultation center. These results are grave, because professionalists do not play their roles sufficiently.
If medical problems happen, three fourths have the specialized hospital or doctor.
But the ratio of the adult having the medical services is lower than children. This ratio of elementary school age is 90%. But adult is only 60%. Social-medical services should take considerration about the severely handicapped adult at home.
Most cases need night care including diapering nappy, correcting posture, treatment of epilepsy, taking off phlegm and so on. These make the parents become exhousted owing to insufficient sleep every night. Nursing of taking meal is very important
for 90% of the handicapped. Over 40% need special meal, that is to say, liquid, mashed or cutted food. Especially mothers must put a great deal of work in serving meal. Most parents must give their children baths. About half of them need special bath for the motor disabled. But actually the ratio of possessing these is very low.
Mainly mothers take care of and help their children's daily living. If mothers can not do, the other family member should do it. The substitute person nursing their
1) Masako Fujita belongs to Bunkyo University.
2) Michie Hiura is the director of TOMO, day center for the multipule and profound
handicapped adult.
..
childern at home will not be found from outside . When emergency arises, short-stay service will be used by 12% parents.
Respite-service for the parents is necessary. They should take rest to be released from heavy works temporarily
For their children's independence, parents wish day center from their home , institute with medical care, or conbination of day center and night care service instead of family life.
1研 究 目 的
こ こ で い う重 度 重 複 障 害 とは 重 度 の 運 動 機 能 障 害(身 体 障 害 者手 帳1〜2級)と 重 度 お よび 中 度 の精 神 遅 滞 を併 せ もつ 心身 障 害 の こ とであ る.い わ ゆ る重 症 心 身 障 害 は,こ こ で い う重 度重 複 障 害 に含 まれ る とす る.
重 度 重 複 障 害 児 ・者 が 年 齢 にふ さわ しい通 常 の生 活 を送 るた め に は,い か な る人 的,物 理 的 条件 を提 供 す べ きで あ ろ うか.重 度 重 複 障 害 児 の親 か らの ニ ーズ を把 握す る こ とに よ り,現 状 の分 析 と今後 望 まれ る条件 を 整 備 す るた め の方 向を 探 る もの であ る.
所 施 設 の 成 人 重 度 重 複 障 害 者(学 校 教 育 修 了 の10代 と成 人)を 対 象 と し,こ れ ら の 親 に 対 し て 別 紙 の よ うな ア ン ケ ー ト調 査r日 頃,お 子 さん に つ い て 考 え る こ と』 を 実 施 す る.い ず れ も在 宅 の 心 身 障 害 児 ・者 で あ る.
在 学 中 の 児 童 ・生 徒162名 と,更 生 施 設 に 通 所 す る46名 の 合 計208名 が 対 象 で,概 要 は 第1表 〜 第3表 に 示 す.こ の 後 の 分 析 で,小 学 生 と成 人 の 比 較 を 試 み る の で,第4表 は そ れ ぞ れ の 父 母 の年 齢 を 示 す.
第2表 対 象 者 の 性 別
性 別 人 数 構成比
H実 施 方 法 1.研 究 対 象
横浜 市 内 お よび 周辺 の養 護学 校6校 の 小学 部 ・中学 部 ・高 等部 に通 学 す る重 度 重 複 障害 児(学 校 教 育 期 間 中 の児 童)お よび 同市 の通
男 子
女 子
不 明
120名 85
3
57.5 40.9 1.4
208 ..;
第3表 対象者の精神遅滞の程度
程 度 人 数 構成比
第1表 対 象者の年齢別構成
年 齢 人 数 構成比
小 学 部 児 童 ・生 徒
中 学 部
162名 高
77.9%) 等 部(
不 明
87名 38 32 5
41.8%
18.3 15.4 2.4
中 度 遅 滞 重 度 遅 滞
不 明
30名 157
21
14.4%
75.5 10.1 208100.0
運 動機 能 の障 害 程 度 は全 員 が 重 度(身体障害者手帳1〜2級)
第4表 子ど もの年齢 と親の年 齢の関係
10代
通 所 生
20代 (za.i%>3
0代
不 明
5 35 5 1
2,4 16.8 2.4 0.5
平均年齢 年齢範囲
合 計 208 100.0
小学部児童 父親 母親 通 所 生 父親 母親
40.5歳 37.8 55.9 53,0
30〜58歳 30^‑51 47^‑68 45^‑66
2.調 査 内 容
最 後 に 添 付 す る ア ソ ケ ー トの よ うに,27項 目 の 設 問 か ら な る.次 に 項 目 内 容 の 概 要 を 示 す.
A〔1〕 〜 〔3〕 重 度 重 複 障 害 児 ・者 の 親 の 専 門 家,家 族,友 人 な ど と の 人 間 関 係 B〔4〕 〜 〔21〕 重 度 重 複 障 害 児 ・者 の 家
庭 生 活 に お け る 直 接 的 介 護 の 状 況
・ 〔4〕 地 域 に お け る医 療 と の 関 わ り
第5表 心 の 支 え
(問 〔1〕 ・2項 目以 内選 沢) 順
位 心 の 支 え 人 数 全員中
の 比
① 連れ合い(夫 ・妻)
② 障害の子のき ょうだい 同 じように障害の子のい
③ る親
④ 子 どもが通 う施設の職員
⑤ 子 どもが通 う学校の先生
137名65.9%
7938.0
75 33 28
36.1
15.9×
13.5
・ 〔5〕 〜 〔6〕 夜 間 の 介 護
・ 〔7〕 〜 〔9〕 食 事 の 世 話
・ 〔10〕 〜 〔12〕 排 泄 の 世 話
゜ 〔13〕 〜 〔15〕 風 呂 の 世 話
・ 〔16〕 〜 〔18〕 介 護 者 不 在 の 場 合 の 介 護
・ 〔19〕 〜 〔21〕 外 出 の 手 段
C〔22〕 〜 〔27〕 重 度 重 複 障 害 児 ・者 の 生 活 に 関 わ る 諸 課 題
・ 〔22〕 〜 〔23〕 重 度 重 複 障 害 児 ・者 の 巣 立 ち(自 立)
・ 〔24〕 重 度 重 複 障 害 児 ・者 入 所 型 施 設 へ の 要 望
・ 〔25〕 重 度 重 複 障 害 児 ・者 の 性 に つ い て の 考 え
・ 〔27〕 介 護 者 の 心 身 の 疲 労 か ら の 回 復
皿 調 査 結 果 と分析
1.重 度 重 複 障 害 児 ・者 を介 護 す る親 の人 間 関 係
分 析 の焦 点:重 度 重 複 障 害 児 ・者 とそ の 親 に関 わ る人 々 と して,家 族 を 中核 に し て,友 人,さ らに はわ が 子 の医療 ・教 育
・福 祉 に携 わ る専 門家 な どが い る.親 は これ らの人 々を どの よ うに認 識 し,い か な る人 間 関係 を確 立 して い るか を分 析 す る.
① 心 の 支 え
子 育 てお よび 介護 に お い て親 の 心 の支 え と な って い る人 は誰 か.こ の結 果 は第5表 に示, す とお りであ るが,断 然 家 族 で,連 れ 合 いが
※(成 人 に関 す る限 り,46名 中32人,成 人 全体 占め る 率669.6%)
心 の 支 え で あ る の は65.9%,介 護 を 要 す る 子 ど も(親 か ら見 た 子 ど も で あ る の で,成 人 も 含 ま れ る.以 下 同 じ)の 兄 弟 姉 妹 が 心 の 支 え で あ る の は38.0%と い う結 果 に な っ て い る.
兄 弟 姉 妹 に 関 す る 親 の 考 え に つ い て は,後 半 の 第36表 の 分 析 と の 関 連 で 把 握 す る 必 要 が あ る.
家 族 以 外 で は 同 じ よ うに 障 害 児 を も つ 親 が 心 の 支 え で あ る と い う回 答 が 多 く,全 体 に 占 め る 率 は36.1%に な っ て い る.現 在 の 学 校 や 施 設 に お け る 職 員 と の 人 間 関 係 は 重 大 で あ る が,学 校 の 先 生 が 心 の 支 え で あ る と い う回 答 は,わ ず か28/162で あ る.こ れ に 対 して 成 人 は 施 設 の 職 員 が 心 の 支 え で あ る と い う回 答 が, 32/46に も 達 し て い る.
② 勇 気 づ け られ た 人 ・失 望 させ られ た 人 子 育 て や 介 護 を 継 続 す る 過 程 で,親 は 勇 気 づ け られ た り,逆 に 失 望 さ せ ら れ た りす る 人 と 出 会 う.ま ず 勇 気 づ け ら れ た の は,第6表 に 示 す よ うに,同 じ よ う に 障 害 の 子 の い る 親 が ト ッ プ で60.6%に 達 し,い わ ゆ る 専 門 家 と い わ れ る 人hで は な い.親 同 志 の 連 帯 を 促 進 す る 場 と機 会 が 提 供 され る な ら,親 の メ ソ タ ル ヘ ル ス に と っ て 望 ま し い 方 向 づ け が で き る だ ろ う.
プ ロ フ ェ シ ョナ ル な 人hの 数 字 は 大 幅 に 下 が り,学 校 の 先 生 は 全 体 の28.4%,医 師21.2
%,訓 練 の 専 門 家18.7%な ど で あ る.
一 方,失 望 さ せ ら れ た 人 は 第7表 に 示 す が, 失 望 さ せ られ た 率 の 高 い 順 に 示 す と医 師 が
一90一
33.2%,児 童 相 談 所 や 福 祉 事 務 所 の 職 員26.0
%,学 校 の 先 生14.4%で あ る.
208名 中,医 師 に 勇 気 づ け られ た44名 で あ る の に 対 し て 失 望 させ られ た69名,児 童 相 談 所 や 福 祉 事 務 所 の 職 員 で は 勇 気 づ け られ た の は25名 で あ る の に 対 して 失 望 させ ら れ た の は
第6表 勇 気 づ け ら れ た 人 (問〔2〕 ・2項 目以内選択)
倍以 上 の54名 に も達 してい る.障 害 の子 ど も を もつ 親 が最 初 また は 早期 に訪 れ るの が医 師
または 児 童相 談 所 な ど の窓 口で あ る.こ の時, 親 は不 安 や絶 望 な どを 抱 え危 機 的 状 況 に あ る 者 も少 な くな く,医 師 や この よ うな 窓 口業 務 に携 わ る専 門 家 は親 の心 理 を 共 感 的 に理 解 す る包 容 力 と技 術 を要 求 され る のだ ろ う.
2.重 度 重複 障 害 児 ・者 の 家庭 生 活 に お け る 直 接 的 介 護の 状 況
順
位 勇気づけ られた人 人 数 全員中
の 比 0
0 0
④ 0
⑥
同 じように障害の子のい る親
学校の先生 医 師 施設の指導員
PT,OT,養 訓 など訓 練の 専門家
児童相談所や福祉事務所 の職員
無 回 答
126名60.6%
59 44 40 39
25 5
28.4 21.2 1s.z 18.7
12.0 2.4
第7表 失 望 さ せ ら れ た 人 壷 (問 〔3〕 ・2項 目以 内 選 択)
分 析 の焦点:重 度重 複 障 害 児 ・者 を連 続 的 か つ 継続 的 に家庭 で介 護 を して い る親 は,・直 接 に 日常 生 活 に関 わ る介護 と して, 何 を し,い か な る配 慮 を して い るか を 分 析 す る.家 族 が 求 め て い るサ ポー トの 内 容 を明 らか にす る と と もに,施 設 に求 め られ る 「 家 庭 的 介護 」 の意 味 へ の洞 察 を 与 え る.
順
位 失望 させ られた人 人 数 全 員中
の 比 0
0 0
④ 0
⑥ 医 師
児童相談所や福祉事務所 の職員
学校の先生
PT,OT,養 訓 な ど訓練の 専門家
同 じように障害の子のい る親
施設 の指導員 無 回 答
69名33.2%
54
30 20
19 is 48
26.0
14.4 9.6
9.1
7.7 23.1
① 医 療
重 度 重 複障 害 児 ・者 の親 が 家庭 で介 護 を継 続 す る場合,医 療 との密 接 な連 携 が 必須 で あ る者 も少 な くな いは ず で あ る.そ の状 況 を第
8表 に示 す.
近所 に診療 時 間 で あれ ば診 て くれ る医 師が い る80.3%,昼 夜 を 問 わ ず いつ で も診 て くれ た り相 談 にの って くれ る医 師が い る35.1%, 容 態 の急 変 の場 合 受 け 入れ 病 院 が 決 ま って い る73.1%で あ る.
第9表 は年 齢 別 の比較 で あ るが,小 学 生 の 場合 は 近所 に診 て くれ る医 師 が い る率が9割 で あ る のに対 して 成 人 で は6割 であ る.容 態
第8表 家 庭 と 医 療 の か か わ り(問 〔4〕)
項 目番号 医 療 の 状 況 人 数 全員中の比
1 2 3 4 5 6
近所に診療時間内な ら診 て くれ る医師がいる
昼夜を問わず診て くれ,相 談にの って くれ る医師がいる 容態が変化 した とき受け入れ病院が決まっている 子 どもについて救急車を頼んだ ことがある
保健所か らの巡回看護や訪問看護を受けた ことがある 医療 について,他 に協力が得 られる人や機関がある
167名 73 152 70 75 52
80.3 35.1 73.1 33.7 36.1 25.0
第9表 家 庭 と 医療 の か か わ り(小 学 生 と成 人 の比 較)
項 目番号 医 療 の 状 況 小学生 の
人 数
小学生に 占める比
通所生の
人 数
通所生に 占め る比
1 2 3 4 5 6
近所 に診て くれる医師がいる 昼夜を問わず診て くれる医師がい る 受け入れ病院が決 まっている 救急車を頼んだ ことがある 巡 回看護や訪問看護を受けた 他 に協力が得 られ る人や機関があ る
78名 29 74 35 36 18
89.7%
33.3 85.1 40.2 41.4 20.7
28名 20 24 10 15 19
so.s%
43.5 52.2 21.7 32.6 41.3
が 変 化 し た 場 合 の 受 け 入 れ 病 院 が 決 ま っ て い る 率 は,小 学 生 が85.1%で あ る の に 対 して 成 人 で は52.2%で あ る.重 症 心 身 障 害 成 人 の 医 療 拠 点 の 充 実 と,地 域 で の医 療 の 拡 大 が 望 ま れ る.
② ナ イ ト ケ ア
ナ イ トケ ア の 状 況 は 第10表 〜 第12表 に 示 す.
連 夜 続 く介 護 は 重 度 重 複 障 害 児 ・者 の 家 族 に と っ て 大 き な 負 担 で あ る と推 察 で き る.第11 表 の よ う に ナ イ トケ ア が と く に 必 要 な い の は 1/4だ け で,残 り の3/4が 何 ら か の 介 護 を 必 要
と し て い る.
第10表 に 示 す よ うに 主 た る 介 護 者 は 母 親 で
小学生人数 87名 通所生人数 46名
あ る が,2/5の 父 親 が ナ イ ト ケ ア に 関 わ っ て い る.
第11表 に 示 す よ うに,主 た る 介 護 は 排 泄 で あ っ て,オ ム ツ の 交 換48。6%(順 位 ①)と ト
イ レに 連 れ て い く15.4%(順 位 ⑤)に 表 わ れ て い る.夜 間 の 排 泄 の世 話 は 親 は 覚 醒 状 態 で 行 わ な け れ ぽ な らず,わ が 子 で あ れ ば オ ム ツが ぬ れ れ ぽ 放 置 して お け ず に 交 換 す る で あ ろ う か ら,親 を 慢 性 の 寝 不 足 に 陥 れ る 危 険 が あ る.
第11表 ナ イ ト ケ ア の 内 容 (問 〔6〕 ・該 当 項 目すべ て選 択) 順
位 ナ イ トケ ァ の種 類 人 数 全員 中
の 比
第10表 ナ イ トケ ア に当 た る人 (問〔5〕 ・該 当項 目すべて選択)
全員中 人 数
の 比
0 0 0
オ ム ツを 取 り替 え る 体位 を変 え る
て ん か んの 発 作 が 生 じた 場 合 に処 置
痰 がつ ま りや す い の で, 注 意 を払 う
トイ レに連 れ て い く 夜 間 は世 話 を 必 要 と し な い
101名48.6%
7134.1
順 ナ イ トケ ァの 介護 者 位
193名92.8%
8641.3 146.7
④
⑤
46
32
22.1
0 0 0
母 親 父 親
祖母 または祖 父,そ の他
32 52
15.4 15.4 25.0
第12表 ナ イ トケ アの 内 容(小 学 生 と成 人 の比 較) 全体の
順 位 ナ イ トケ ァ の 種 類 小学生の
人 数
小学 生に 占める比
通所生の
人 数
通所生に 占め る比 0
0
③
④
⑤
オ ム ツ を取 り替 え る 体 位 を変 え る
て ん か ん の発 作 が 生 じた場 合 に処 置 痰 が つ ま りや す いの で,注 意 を払 う
トイ レに連 れ て い く 夜 間 は 世 話 を必 要 と しな い
46名 32 21 1s 9 20
52.9%
36.8 24.1 is.4 10.3 23.0
28名 17
8 8 11 5
so.s%
37.0 17.4 17.4 23.9 10.9
小学生人数87名 通所生人数46名
一92一
排 泄 以 外 の 夜 間 の 介 護 と し て は,睡 眠 を と りや す い よ うに 体 位 を 変 え る34 .1%,て ん か ん の 発 作 が 生 じた 場 合 の 処 置22 .1%,痰 が つ ま りや す い の で 注 意 す る15.4%な どが あ る . 他 に ぜ ん そ く の 発 作 が 生 じや す い の で 注 意 す
る8名(3.9%)も あ る.排 泄 の 介 護 と こ れ らが 重 複 して い る 親 も い る わ け で,常 に 子 ど も の 様 子 に 細 や か な 注 意 を 払 い な が ら 寝 て い る 親 も 少 な くな く,睡 眠 は 浅 く,し か も断 続 的 に な りが ち で あ ろ う.ナ イ トケ ア に 関 して, と くに 医 療 関 係 者 か ら の 現 実 に 即 した 詳 細 な 指 導 が 望 ま れ る.
第12表 は ナ イ ト ケ ア の 年 齢 別 比 較 で あ る.
年 齢 が 高 い ほ ど介 護 の 必 要 度 が 増 加 し,と く に 排 泄 の 夜 間 の 介 護 の 率 が 高 い.成 人 の 介 護 は 体 重 も あ り介 護 者 へ の 肉 体 負 担 を 重 くす る.
体 位 を 変 え る,て ん か ん の 処 置,痰 の 処 置 は 年 齢 に よ る 差 が な い が,こ れ ら は 家 庭 に お け る ナ イ ト ケ ア と して 長 期 に わ た っ て 継 続 す る こ と を 意 味 して い る の か も しれ な い.
重 度 重 複 障 害 者 の ナ イ ト ケ ア は 地 域 サ ー ビ ス と して 今 後 の 課 題 で あ ろ うが,親 が 連 夜 継 続 し て い る 注 意 力,持 続 力,介 護 技 術 そ し て 愛 情 が,親 に 代 わ る 専 門 家 に よ っ て 提 供 さ れ る の で な け れ ば,重 度 重 複 障 害 者 の ナ イ ト
ヶ ア は 危 い も の に な る.
最 後 の 第37表 は,介 護 者 が 世 話 で 疲 れ た 時 の 回 復 方 法 の 結 果 を 示 し て い る .58.2%が 「ぐ っ す り眠 る」 と回 答 して い る結 果 か ら も,親 の ナ イ トケ ア の重 い 負 担 が 裏 づ け られ る .ま た 第 30表 一 第32表 で 重 度 重 複 障 害 児 の 巣 立 ち に つ い て の 親 の 考 え を 示 し て い る が,適 切 な 時 機 に 子 離 れ で き る よ うな 方 策 と し て,デ イ ア ク テ ィ ビ テ ィ の 場 の 確 保 と ナ イ トケ ア の サ ー ビ ス を 講 じな け れ ば な ら な い.親 子 の 関 係 ゆ え に30年 以 上 も,昼 の み な らず 夜 の 介 護 を 続 け る 状 態 は 改 善 が 必 要 で あ る.
③ 食 事
食 事 に 関 して は 第13表 〜 第16表 に 示 す と お りで あ る.第14表 は 食 事 の 世 話 の 様 子 で あ る が,全 介 助 が3/4で,世 話 の 必 要 の な い の は2.9%だ け で あ る.第13表 の よ うに 介 護 者
は 母 親 で あ る が,父 親 の1/3が 食 事 介 助 に 参 加 し て い る.
食 事 の 内 容 は 第15表 に 示 す よ うに,家 族 と 同 じ食 事 は29.3%だ け で あ る.同 じ だ が 食 べ や す く調 理 す る の は34.6%で あ る.特 別 食 と し て,流 動 食,や わ らか くつ ぶ した 食 事,き ざみ 食 も そ れ ぞ れ30名 ち か くあ り,こ れ ら を 合 わ せ る と全 体 の2/5(41.3%)を 占め る.一 日 三 度 の食 事 の支 度,外 出 時 の特 別 食 な ど,重 度 重 複 障 害 児 ・者 を子 ど も に もつ 母 親 の食 事 に か け る時 間 と 労 力,そ し て 愛 情 は 当 事 者 に しか
第13表 食 事 の世 話 をす る人
(問 〔7〕 ・該当項 目すべて選択)
順位 食事 の介護者 人 数 全員中
の 比
① 母 親
② 父 親
③ 祖母 ・祖 父 ・そ の 他
198名 74 29
95.2°/p 35.6
13.9
第14表 食 事 の 世 話 (問 〔8〕 ・1項 目選 択) 順
位 介 護 の 状 況 人 数 項 目内
の 比 O
0
③
す べ て手 助 け が必 要 手 で握 れ る食物 は食 べ る が,手 助 け が必 要 こぼす が,ほ と ん ど 自分 で食 事 を して い る
と くに世 話の 必 要 は な し・
150名72.1%
38
19
6
18.3
9.1
2.9
第15表 特 別 食 を準 備 す る必 要 (問 〔9〕 ・1項 目選択) 順
位 特別食の状況 人 数 項 目内
の 比 0
0 0
④
家 族 と同 じだ が,食 べや す く調理 に工 夫 流 動食 に 近 い食 事
29名(13.9%) きざみ 食
29名(13.9%) やわ らか くつ ぶ した 食 事28名(13.5%)
特 別 食 の 必 要 な し
72名34.6%
86
61
41.3
29.3
第16表 特 別 食 を準 備 す る 必要(小 学 生 と成 人 の比 較) 全体の
順 位 特 別 食 の 状 況 小学生の
人 数
小学生に 占め る比
通所生の
人 数
通所生に 占める比 0
0 0
④
家族 と同 じで食べやす く調理に工夫 流動食に近い食事
きざみ食
やわ らか くつぶ した食事 特別食の必要 な し
26名 14 13 19 24
so.o%
16.1 14.9 21.8 27.6
17名 11
7 3 9
37.0%
23.9 15.2 6.5 20.0
小学生人数87名 通所 生人数46名
分 か ら な い 苦 労 が あ る だ ろ う.
第16表 は 年 齢 別 の 比 較 で あ る が,年 齢 が 高 い ほ ど,食 事 が 栄 養 補 給 へ の 色 彩 が 濃 くな る よ うで あ る.質 問 項 目 に 注 入 栄 養 を 入 れ な か っ た が,別 の 課 題 が あ る と推 察 で き る.
④ 排 泄 と風 呂
第17表 〜 第20表 は 排 泄,第21表 〜23表 は 風 呂 に つ い て 結 果 を 示 し て い る.
排 泄 の 状 況 は 第18表 に 示 す が,世 話 の 必 要 の な い の は3.8%だ け で,大 半 が 世 話 が 必 要 で あ る.家 庭 で は オ ム ツ使 用64.9%(順 位 ①)
と夜 間 は オ ム ツ 使 用15.4%(順 位 ③)で オ ム ツ 使 用 が 多 い.家 族 と 同 じ トイ レ で 全 介 助 22.1%(順 位 ②)と 部 分 介 助10.1%(順 位 ④) な ど,オ ム ツ 以 外 で は 一 般 トイ レを 使 用 し て い る こ とが 分 か る.第17表 の よ うに,父 親 の 排 泄 介 助 は2/5と 参 加 度 が 比 較 的 高 い が,ト イ レへ の 移 動 に と っ て 父 親 の 参 加 が 必 要 な の だ ろ う.
第22表 の よ うに,一 般 的 な 風 呂 を 使 用 し て い る 家 族 は9割 以 上 で あ る.重 度 の 運 動 機 能
第17表 排 泄 の 介 護 者
(問〔10〕 ・該当項 目すべ て選択)
順位 排泄の介護者 人 数 全員中
の 比 O
O
③ 母 親 父 親
祖母 ・祖父 ・その他 世話の必要はない
199名 85
25 8
95.7%
40.9 iz.0 3.8
第18表 排 泄 の 様 子
(問 〔11〕 ・該 当 項 目す べ て選 択)
順位 排 泄 の 状 況
人 数 鈩 毘
0 0 0
④ 0
⑥
家庭 では オ ム ツを 使 用 家族 が使 う トイ レに つ れ て い き,す べ て 手 助 け 夜 だけ,オ ム ツを 使 用
家族 が 使 う トイ レに つ れ て い き,部 分 的 に 手 助 け 特 別 の トイ レ(障 害者 や 高
齢者 用)で,す べ て 手助 け 自動 洗 浄 式 トイ レを使 い, 衣 服 の 上 げ 下 げ を 手助 け
家 族 が 使 う トイ レで 自分 で 用 が た せ る
135名64.9%
46
32 21
13
2
8 22.1 15.4 10.1
6.2
1.0
3.8
第79表 排 泄 の 様 子(小 学 生 と成 人 の比 較)
全体の順 位 排 泄 の 状 況 小学生の
人 数 小学生に占
め る比 通所生の
人 数 通所生に占
める比 0
0 0
④ 0
⑥
家 庭 で は オ ム ツを使 用 家 族 の トイ レです べ て 手 助 け 夜 だ け,オ ム ツ を使 用 家 族 の トイ レで部 分 的 に 手 助 け 障 害 者 用 で すべ て 手 助 け 自動 洗 浄式 トイ レ
家 族 の トイ レで 自分 で す る
67名 16 17 3 3 0 0
77.0%
18.4 19.5 3.4 3.4 0.o o.o
29名 9 5 3 7 0 0
63.0%
19.6 10.9 6.5 15.2 0.o o.o
小学生人数87名 通所生人数46名
.,
第20表 特 別 の トイ レの 必 要 性 (問 〔12〕) 特 別 の トイ レの 必 要 性 特別 の トイ レの所有 者(率)※
・)必要で鷺 糖
あ る11名(19,3%) な い41名(71.9%) 無 回 答5名(8.8%)
2)必 要 な い132名(63.5%) 3)無 回 答17名(8.2%)
※所 有 率 は,1)必 要 で あ る とい う57名 中 の率 で あ る.
第21表 風 呂 の 介 護 者
(問 〔13〕 ・該 当項 目すべ て 選 択)
順位 風 呂の介護者 人 数 全員中
の 比
① 母 親
② 父 親
③ 祖母 ・祖父 ・その他 世話 の必要はない
184名 154
29 5
88.5%
74.0 13.9 2.4
第22表 風 呂 の 設 備 (問 〔14〕 ・1項 目選 択)
順位 使 用 して い る風 呂
人 数 野 箆
① 一般的な風呂
② 障害者用に くふ うされた風呂
③ 流 し場 と湯舟に段差のない風呂
192名92.3%
83.8 62.9
第23表 特 別 の 風 呂の 必 要性 (問〔15〕) 特別の風呂の必要性 特別の風 呂の所有者(率)※
・)必 要である(48謝
あ る6名(59名) な い81名(80.2%) 無 回 答14名(13.9%)
般 の 家 庭 用 風 呂 で の 介 助 は 大 変 で あ る.第21 表 の よ うに 風 呂 の 介 助 に 携 わ る 父 親 が3/4と 高 い の は,必 要 に 迫 ら れ て 介 助 して い る の だ
ろ う と推 測 さ れ る.
排 泄 や 風 呂 に 関 して は,福 祉 機 器 の 導 入 や トイ レ ・風 呂 場 の 改 造 に よ っ て 介 助 の 負 担 を 軽 減 で き る は ず で あ る.障 害 児 本 人 も オ ム ツ で は な く トイ レ の 使 用 が 可 能 に な る か も しれ な い.住 宅 事 情 や 経 済 的 負 担 と の 関 係 で 思 う に 任 せ な い 状 況 が 結 果 に 出 て い る.
第20表 に 示 す よ うに,特 別 な トイ レが 必 要 で あ る と い う57名 の 内 で,持 っ て な い の は41 名(71.9%)で あ る.第23表 に 示 す よ うに, 特 別 の 風 呂 を 必 要 と し て い る の が101名 で あ る の に,こ の 内 持 っ て い な い の は81名(80.2
%)と い う数 字 に な っ て い る.
福 祉 機 器 の 積 極 的 導 入 と同 時 に,昼 間 の 生 活 の 場 で 風 呂 サ ー ビ ス が 得 られ る シ ス テ ム が あ れ ぽ,家 族 の 介 護 負 担 は い くぶ ん 軽 減 され, 本 人 の 清 潔 が 保 た れ る は ず で あ る.
⑤ 介 護 者 の 代 替 え
こ れ ま で の 結 果 か ら分 か る よ うに,主 た る 介 護 者 は 母 親 で あ る.介 護 か ら 離 れ る場 合 に は ど う し て い る の だ ろ うか.長 年,一 定 の 介 護 者(ほ とん どは 母 親)が 重 度 重 複 障 害 児 ・ 者 の わ が 子 と密 接 な 関 係 を 保 っ て い る ほ ど, 一 時 的 で あ れ 介 護 の 中 断 は 双 方 に と って 重 大 な 問 題 で あ る.第24表 と第25表 は 介 護 者 の 代 替 え に つ い て 示 す.
第24表 介 護 者 が 泊 ま りが け で 出 かけ る時 の代 替 え
(問〔16〕・該当項 目すべて選択)
順位 介護者宿泊の代替 え
人数 鈩 毘
2)必 要 な い98名(47.1%) 3)無 回 答9名(4.3%)
※所 有 率 は,1)必 要 で あ る とい う101名 中 の 率 で あ る.
障 害 が あ る場 合 は,リ フ ト付 きの 障害 者 用 の 風 呂が あ る とか,せ め て も介 助 者 が障 害 児 ・ 者 と共 に 湯舟 に入 る こ とが で き る大 き さで あ る な ら介 助 の 負担 は減 少 す るで あ ろ うが,一
① 連 れ 合 いが 世 話
② 出か け ない こ とに して い る
③ そ の時 に な らな い と分 か らな い
④ 子 ど もの き ょ うだ いが 世 話
⑤ シ ョー トス テ イ を活 用
⑥ その 他
⑦ 親 戚 に 頼 む
⑧ 通所施設 の職員や学校の先生に頼む
⑨ 近所の人 ・ボランティァに頼む
110名 73 52 34 25 rs 18 13 4
52.9%
35.1 25.0 16.3 ia.0 9.1 8.7 6.2 1.9
第25表 介 護 者 が 急病 の場 合 の 代 替 え (問 〔17〕・該 当項 目すべて選択)
第27表 外 出 時 の 交 通 手 段
(問 〔19〕・該当項 目すべて選択)
順位 介護者急病の代替 え
人数 舒 毘
順位 交 通 手 段
人数 舒 毘
① 連 れ 合 い が 世 話117名
② そ の 時 に な らな い と分 か らな い87
③ シ ョー トス テ イ を活 用52
④ 親 戚 に 頼 む37
⑤ 通 所施 設 の職 員 や 学 校 の 先 生 辷頼 む33
⑥ 子 ど もの き ょ うだ い が 世 話24
⑦ そ の他20
⑧ 近 所 の 人 ・ボ ラ ンテ ィァ に頼 む12
56.2%
41.8 25.0 17.8 15.9 11.5 9.6 5.8
① 自家 用 車187名89.9%
② 一 般 の タ ク シー5325.5
③ 電 車 や バ ス な ど公 共 輸 送 機 関3416.3
④ 福 祉 タクシー ・ボ ラ ンテ ィ ァの運 転83.8
第28表 自 家 用 車 の 有 無
(問〔20〕 ・該当項 目すべて選択)
順位 自家用車所有 人 数 全員中の比
第26表 介 護 者 の代 替 え と して の 理 想 的 な援 助
(問 〔18〕・2項 目以 内選択)
燈 理想的介護者鰭 え飜 人 数 禽轆
① あ る
② ボ ラ ン テ ィア の 車
③ 借 りる
な い ・無 回答
193名 8 4 6
sz.8%
3.8 1.9 2.9
① 受け 入 れ 施 設 が あ る166名79.8%
② ホ ー ムヘ ル パ ー の 派遣7234.6
③ 訪 問 看 護 の サ ー ビス3818.3
④ ボ ラ ンテ ィァ の 人 に来 て も ら う2210.6
第24表 の よ う に 泊 ま りが け で 出 か け る 場 合, 代 替 え と し て 家 族(連 れ 合 い52.9%順 位 ①, 子 ど も の 兄 弟 姉 妹16.3%順 位 ④,親 戚8.7%順 位 ⑦)が 頼 りで あ る し か し泊 ま りが け で は 出 か け な い35.1%や そ の 時 に な っ て み な け れ ぽ 分 か ら な い25.0%も 多 く,介 護 者 の 個 人 と し て の 生 活 の 自 由 が 拘 束 され て い る 様 子 が う か がtる.シ ョ ー トス テ イ(一 時 入 所)を 望 む 者 も12.0%い る が,公 的 サ ー ビ ス を 利 用 し よ う と い う親 は 少 数 派 で あ る.
介 護 者 の 急 病 な ど 緊 急 の 場 合 を 第25表 に 示 す が,家 族 が 頼 りで あ る 傾 向 は 同 じで あ る.
シ ョー トス テ イ(緊 急 一 時 保 護)が25.0%, 通 所 施 設 や 学 校 に 解 決 を 頼 む15.9%が 増 え て
い る.し か し そ の 時 に な っ て み な け れ ば 分 か ら な い と い う人 も2/5あ り,家 族 依 存 の 地 域 サ ー ビ ス の 一 端 を 証 明 して い る.
で は,理 想 的 に は どん な 公 的 援 助 が 得 られ れ ぽ,介 護 者 は 泊 ま りが け で 出 か け た り,急 病 の 場 合 な ど緊 急 時 の 介 護 を 心 配 し な く て す.
む の だ ろ うか.第26表 に 示 す よ うに 受 け 入 れ
施 設 を 望 む の は 全 体 の4/5,日 常 的 な 家 事 の た め の ホ ー ム ヘ ル パ ー の 派 遣1/3,訪 問 看 護1/5,ボ ラ ン テ ィ ア の援 助1/10と い う結 果 に な っ て い る.
横 浜 市 の 場 合,シ ョ ー トス テ イ(一 時 入 所
・緊 急 一 時 保 護)が 充 実 し て お り,場 所 を 問 わ な け れ ぽ こ の サ ー ビ ス の 利 用 が 可 能 で あ る 事 実 が 周 知 さ れ て い る の で 「受 け 入 れ て くれ
る 施 設 」 を 犀 ぶ 人 が 多 い と考 え ら れ る.
しか し理 想 的 に は ホ ー ム ヘ ル プ ・サ ー ビ ス や 訪 問 看 護 あ る い は ボ ラ ソ テ ィ ア の援 助 を 望 む な ど,わ が 子 で あ る重 度 重 複 障 害 児 の 生 活 を 変 え た が ら な い 親 も 多 い こ とが 分 か る.
⑥ 移 動 手 段
重 度 重 複 障 害 児 ・者 の 移 動 に と っ て 交 通 手 段 の 確 保 は 必 須 で あ る.第27表 に 示 す よ うに, 外 出 の 手 段 は9割 が 自 家 用 車 で 圧 倒 的 に 多 い.
第28表 の よ うに 自 家 用 車 の あ る 家 庭 は92.8%
で,高 い 自家 用 車 保 有 率 で あ る.し か し常 に 運 転 が で き る 人 が い る と は 限 らず,第29表 の よ う に 運 転 で き る の は,父 親78.4%,母 親 74.5%,兄 弟 姉 妹11.1%で あ る.
しか し第27裘 の よ うに,タ ク シ ー の 利 用 率 も25.5%と 高 く,電 車 や パ ス な ど も16.3%使 わ れ て い る か ら,重 度 の 障 害 者 に も一 般 の乗
一96一
り物 を 使 い や す くす る必 要 も あ る.ま た 車 の な い 家 庭 や 運 転 す る 人 が い な い 場 合,輸 送 の た め に ボ ラ ン テ ィ ア の 車 と ボ ラ ソ テ ィ ア の運 転 に 頼 る 人 も3.8%い る こ と も特 記 す べ き で あ る.行 動 の 自 由 は 交 通 手 段 の 確 保 が ま ず 第 一 で あ る .
第30表 理 想 的 な 巣立 ちの 時 期 (問〔22〕・1項 目選択)
第29表 運 転 す る 家 族 (問 〔21〕 ・該 当 項 目す べ て選 択)
觴 巣立ちの理想的躙 人 数 募目箆
① 親が世話で きな くなった時
② 成 人式の頃
③ 高等部の卒業の頃
④ 親亡 き後 無 回 答
102名49.0%
4421.2 3818.3 167.7 125.8
順位 運 転 者 人 数 全員中 の比
① 父 親
② 母 親
③ 子 ど もの き ょ うだ い
④ そ の他 の家 族 し、な し、●無 回 答
163名78.4%
15574.5 2311.1 73.4 73.4
第31表 巣 立 ち の た め の 理 想 的 な サ ー ビ ス (問 〔23〕 ・1項 目選 択)
燈 巣立ちの理想的サ ービス
人数 野 毘
3重 度 重 複 障 害 児 ・者 の 生活 に関 わ る諸課 題
夜は家族 と過ごし,昼 間通 える0 施設
② 医療設備の整った入所施設 家庭的な施設か ら昼間に通え る0 場がある
④ 衣食住の整った入所施設
93名44.7%
5325.5 4220,2
19 9.1
分 析 の焦 点:今 た だ ち に介護 に関 わ る問 題 では ない が,周 辺 領 域や 将 来 の課題 と して重 度 重 複障 害 児 ・者 の生 活 に重 大 な 影 響 を及 ぼ す はず の問題 を ピ ッ クア ップ してみ る.巣 立 ち,施 設へ の要 望,兄 弟 姉妹 の関 わ りな どで あ るが,加 えて,従 来 あ ま り問題 に され なか った重 度 重 複 障 害 児 ・者 の 性 に関 す る親 の考 え方 も分 析
してみ る.
① 巣 立 ち の 時 機 と サ ポ ー ト
重 度 重 複 障 害 児 ・者 の 巣 立 ち の 時 機 は い つ で あ ろ うか.
第30表 に 示 す よ うに,親 の 意 識 と し て は, 多 い順 に,親 が 世 話 で き な くな っ た 時49.0%
と半 数 を 占 め,次 い で 成 人 式 の 頃21.2%,高 等 部 卒 業 の 頃18.3%で あ る が,親 亡 き 後 と い
う回 答 も7.7%あ り,回 答 で き な か っ た 者 も 5.8%い た.兄 弟 姉 妹 が 世 話 で き な くな っ た 時 と答 え た 者 は 誰 も い な か っ た.
親 が 世 話 で き な くな った 時,あ る い は 親 亡 き 後 に 子 ど も の 巣 立 ち を 考 え ざ る を え な い 者 が 合 わ せ て56.7%と 半 数 以 上 に 達 して い る.
青 年 期 の 適 切 な 時 機 に 巣 立 ち を 促 進 す る に は, ど う して もナ イ トケ ア の 部 分 を 引 き受 け る サ ー ビ ス が 緊 急 で あ ろ う.家 庭 が 現 在 引 き 受 け て い る ナ イ ト ケ ア の 様 子 に つ い て は,第11表 と第12表 で 示 した が,家 族 に 代 わ る ナ イ トケ ア の あ り方 が 課 題 で あ ろ う.
で は,親 は ど の よ うな サ ー ビ ス や 制 度 が あ れ ぽ 子 ど も が 巣 立 つ こ とが で き る と考 え て い る のか.結 果 は 第31表 に 示 す が,要 望 の 多 い 順 に 見 て い く と,夜 間 は 家 族 と過 ご し昼 間 通
rる 施 設44
.7%,医 療 設 備 の 整 っ た 入 所 施 設 25.5%,家 庭 的 な 施 設 か ら昼 間 通 う施 設 の 組 み 合 わ せ20.2%で あ る.衣 食 住 の 整 っ た 入 所 施 設 は9.1%と 少 な い.
年 齢 に よ る 違 い が あ り,第32表 に 示 す よ う に 小 学 生 で は,夜 間 は 家 族 と過 ご し昼 間 通 え
る施 設 を 多 くが 求 め(48.3%),家 庭 的 な 施 設 か ら 昼 間 通 う施 設 の 組 み 合 わ せ は 少 な い (14.9%).し か し 現 に 通 所 施 設 に 家 庭 か ら 通 って い る成 人 が 求 め る の は こ の 組 み 合 わ せ 型 施 設(32.6%)と 医 療 設 備 の 整 っ た 施 設
(32.6%)で あ る.
第32表 巣 立 ち の ため の 理 想 的 な サ ービ ス(小 学 生 と成 人 の 比 較) 全体の
順 位 巣 立 ち の理 想 的 サ ー ビス 小学生の人 数 小学生に占
める比 通所生 の
人 数 通所生 に
占め る比 0
0 0
④
夜は家族 と過ご し,昼 の通所施設 医療設備の整った入所施設 家庭的な施設か ら昼 間に通え る場 衣食住の整 った入所施設
42名 20 13 19
48.3%
23.O i4.s 21.8
10名 15 15 7
21.7%
32.6 32.6 15.2
小学生人数87名 通所生人数46名
小学 生 で も医 療 設備 の整 った 入 所 施設 を求 め る者 は1/4程 度 あ り(23.0%),重 症 心 身 障害 児 ・者 に とって 医療 とのか かわ りは 重 要 な課 題 で あ る こ とが 分 か る 。医 療 の 問題 が 解 決 す るな ら,家 族 と共 に過 ご し昼 間通 う施 設,あ るい は家 庭 的 な施 設か ら昼 間通 う施 設
の組 み 合 わせ を望 む.
② 望 ま しい 入所 施 設
入所 施 設 を利 用 す るな ら何 を優 先 した いか を示 す めが 第33表 で あ る.
病 院 の よ うな 雰 囲気 よ りは 家庭 的 な介護 を す る施 設 を 望 む者 が半 数 い る.次 に,昼 間通 え る施 設 を 持 つ 入所 型施 設 を1/3が 望 む.
3番 目が,親 や 兄 弟姉 妹 が 自由 に 出入 りし宿 泊 で き る施 設31.7%で あ るが,入 所 施 設 を利 用 す る こ とに な って も家 族 の絆 を求 め て い る
と解 釈 で き,こ の気 持 ちを 施 設 側 は大 切 に し た い も ので あ る.医 師 や 看 護 婦 が常 駐 して い る施 設 は27.9%で あ るが,こ こで も医 療 を求 め て い る者 が1/4以 上 い る こ とが分 か る.
さ らに,人 と して のは じらいや ふ つ うの気
第33表 望 ま しい 入 所 型 の 施 設 (問 〔24〕 ・2項 目選 択)
順位 理想的入所施設の条件
人数 鈩 毘
病 院 の よ うな 雰 囲 気 よ りは,家0 族 的 な介 護
家 庭 的 な施 設 か ら昼 間 に通 え る0 場 が あ る
親 が き ょ うだ い が 自由 に 出 入 り0 し宿 泊 で き る
医 師 や看 護 婦 が24時 間,待 機 し
④ て い る
人 と して のは じらい や ふ つ うの0 気 持 ち を汲 む
映 画,ス ポ ー ツ観 戦,買 い物,
⑥
外 食 な ど外 出 の機 会 が あ る 音 楽,ド ラマ,創 作 な ど子 ど も0 の 興 味 を伸 ば す 機 会 が あ る
105名50.5%
67
66
58
28
26
20 32.2
31.7
27.9
13.5
12.5
9.6
持 ち を 汲 む13.5%,外 出 の機 会 が あ る12.5%, 趣 味 を 伸 ぽ す9.6%も あ る.人 間 と し て の 尊 厳
と 自 由 を 望 む 親 も少 な か ら ず お り,施 設 内 の 生 活 条 件 や デ イ ア ク テ ィ ビ テ イ に つ い て 詳 細 な ニ ー ズ を 確 か め る必 要 が あ る だ ろ う.
年 齢 に よ る 比 較 は 第34表 に 示 す と お りで,
第34表 望 ま しい入 所 型 の 施 設(小 学 生 と成 人 の 比 較) 全体の
順 位 理想的入所施設の条件 小学生の
人 数 小学生に占
める比 通所生の
人 数 通所生に
占め る比 0
0
③
④ 0
⑥ 0
病院的雰 囲気 よ り家族的な介護 家庭的施設 か ら昼間に通える場 親 き ょうだいが自由に出入 り宿泊 できる 医師や看護婦 が24時間待機 している は じらいやふつ うの気持ちを汲む 外出の機 会がある
興味を伸ぽす機会が ある
43名 25 25 23 10 6 11
49.4%
28.7 28.7 26.4 11.5 6.9 12.6
24名 25
5 16 3 6 4
52.2%
54.3 10.9 ,;
6.5 13.0 8.7
小学生人数87名 通所生人数46名
一98一
第35表 性 の 認 識
(問 〔25〕 ・項 目 ご とに1つ だ け 選択)
項 目番 号 性 の 考 え 回 答 人 数 各項 目内の比
1
一 女 ら 一 一 一 聴
147名459 7
70.70 21.6
4.3 3.4
2
一 一 一 一 嚥 回1
38名 54 98 17
18.3%
26.0 47.1 8.2
3
一 一 一 二 麟
94名887 18
45.2%
42.3 3.4 8.7
両 者 共 に 病 院 的 雰 囲 気 よ り も家 庭 的 介 護 を 半 数 が 求 め る と い う共 通 の ニ ー ズ を も ち な が ら
も,年 齢 に よ る差 が 出 て き て い る.成 人 で は, 昼 間 通 え る 施 設 を 持 つ 入 所 施 設 が や は り半 数 以 上(54.3%),医 療 関 係 者 の 待 機 し て い る 施 設(34.8%),外 出 の 機 会 が あ る(13.0%)
と続 い て い る.
小 学 生 で は,親 や 兄 弟 姉 妹 が 自 由 に 出 入 り 宿 泊 で き る 施 設 が28.7%も あ り,入 所 施 設 が 小 児 病 棟 的 な病 院 管 理 体 制 か ら,家 族 の 絆 を 大 切 に で き る 場 へ の 転 換 を 求 め て い る と い え る.
③ 男 性 性 と 女 性 性
重 度 重 複 障 害 児 ・者 の わ が 子 に 対 して 親 は, 広 い 意 味 で の 性 に つ い て ど の よ うに 考 え て い
る だ ろ うか.第35表 に あ る よ うに3項 目に つ い て,は い ・ど ち ら で も な い ・い い え,と い
っ た い ず れ か を 選 択 し て も ら っ た.
男 ら し い 服 装 や 女 ら し い 服 装 に 気 を 配 っ て い る(項 目1)70.7%(「 ど ち ら と も い え な い 」21.6%),思 春 期 に な れ ぽ 性 の 目覚 め を 尊 重 し て や りた い(項 目3)45.2%(「 ど ち ら と も い え な い 」42.3%)と い う結 果 で あ る.
9割 前 後 が 男 性 性 あ る い は 女 性 性 に 対 し て 配 慮 し て い る か,あ る い は 少 な く と も 中 性 と し
て わ が 子 を 見 て い な い と推 測 で き る.男 性 と し て 女 性 と し て 子 ど も を 考 え な い(項 目2) と い う否 定 文 の 質 問 に 対 して,そ の と お りだ 考 え な い と い うの は18.3%で あ る こ とか ら も, こ の 結 果 に 矛 盾 が な い こ と が 分 か る.
親 の こ れ ら の 気 持 ち を 汲 む の で あ れ ぽ,入 所 施 設 で 行 わ れ が ち の 人 前 で の オ ム ツ 交 換 や
ず ら っ と並 ん だ 戸 の な い トイ レで の 排 泄,そ し て 人 前 で の 着 替 え な どは 慎 ま な け れ ぽ な ら な い で あ ろ う.ま た,全 員 が ト̀レー ナ ー 姿 と い うの も考 え も の で あ る.
④ 兄 弟 姉 妹 の 生 き 方
重 度 重 複 障 害 児 ・者 の 兄 弟 姉 妹 に 対 し て 親 は ど ん な 気 持 ち を 抱 い て い る だ ろ うか.
第36表 に 結 果 を 示 す よ うに,4項 目 に つ い て,は い ・ど ち ら で も な い ・い い え,と い っ た い ず れ か を 選 択 す る 方 法 を と っ た.
兄 弟 姉 妹 が 生 涯 に わ た っ て 重 度 重 複 障 害 児
・者 の 世 話 を し て ほ し い と思 う者 は6名 だ け で,逆 に そ うは 思 わ な い と い う者 は94名 で 圧 倒 的 に 多 い.次 に 兄 弟 姉 妹 は 自分 の 道 を 歩 ん で ほ し い とい う親 は131名 で や は り多 く,そ
うは 思 わ な い と い う者 は わ ず か に6名 で あ る.
兄 弟 姉 妹 は 障 害 児 の よ き 理 解 者 で あ り協 力 者 で あ り続 け て ほ し い と考 え る 親 は 多 く125名
第36表 き ょ う だ い に 望 む こ と
(問 〔26〕 ・項 目ご と に1つ だ け選 択)
項 目番号 き ょ う だ い へ の 期 待 回 答 人 数 各項 目内の比
1
一 一 一 一7憬
回1
6名 44 94 61
2.9%
21.2 45.2 29.3
2
自分 … 進 ん で ほ ・い一 囀
131名 1s
6 12
63.0%
8.7 2.9 5.8
3
一 一 一 一一 麟
125名286 io
so.i%
13.5 2.9 4.8
4
一 一 一 一 一 麟
130名25410
62.5%
12.0 1.9 4.8
第37表 世 話 で疲 れ た 時 の 回復 方 法 (問〔27〕 ・2項 目選択) 順
位 疲 労 回 復 方 法
人数 鈩 毘
① ぐっす り眠 る
② 外出を して気分転換をはかる
③ 親 しい友人 と話をす る
④ 障 害の子 どもの親同志で話をする
⑤ 趣味 に力を入れ る
⑥ その他
121名 86 n 41 36 8
58.2%
41.3 34.1 19.7 17.3 3.8
であ る.親 自身 の よ き理 解 者 で あ り協 力者 で あ り続 け てほ しい親 はや は り多 く130名 で あ る.
兄 弟 姉 妹 に は 自分 の道 を 歩 ん でほ しいが, 障 害 児 に と って も親 に と って も よき理 解 者 で 協 力者 で あ ってほ しい とい う複 雑 な気 持 ち が 表 現 され て い る.現 実 には 兄 弟姉 妹 は 自分 だ け の道 を 歩 む の は難 しい であ ろ う.
第5表 で兄 弟 姉 妹 が親 の心 の支 え で あ る と 回答 した 者 が79名(38.0%)も い る し,実 際
面 で も 第24表 と第25表 に 見 た よ う に,代 替f の 介 護 者 と し て 年 長 者 や 成 人 の 兄 弟 姉 妹 が そ の 任 を 果 た す 者 が1割 以 上 い る こ と に も,そ の 一 端 が 表 わ れ て い る.
⑤ 疲 れ を 癒 す 方 法
介 護 者 で あ る親 は ど の よ うに 介 護 の 疲 れ を 癒 し て い るか を 示 す の が 第37表 で あ る.ま ず は ぐ っ す り眠 る58.2%,次 は 外 出 して 気 分 転 換 を 図 る41.3%が 多 い.親 し い 友 人 と の 会 話 34ユ%や 障 害 の 子 ど も の い る 親 同 士 の 会 話 19.7%も あ り,会 話 は カ タ ル シ ス効 果 を も っ て い る よ う で あ る.眠 る ・外 出 ・会 話 と い っ た,贅 沢 で は な い や りか た の 介 護 の 疲 れ の 癒
しや 気 分 転 換 の た め に,親 を 一 時 的 に で も介 護 か ら解 放 し,息 ぬ き を す る サ ー ビ ス(レ ス パ イ ト ・サ ー ビ ス)を 提 供 し な け れ ぽ な ら な
い.
〆 一100一
N考 察
考 察 の重点:医 療 及 び 訓練 の意 義 を 問 い 直 し,福 祉 との融 合 を 図 る
重 度 の運動 機 能 障 害 と重 ・中 度 の精 神 遅 滞 を併せ もつ障 害 児 を,家 庭 で介 護 す る親 に と って,医 療 と密 接 にか か わ らざ るを え な い.
3/4が 受 け入れ 病 院 が 決 ま って お り,1/3が 昼 夜 を問 わ ず いつ で も診 て くれ た り相 談 に の
って くれ る医 師 が い る こ とに も証 明 され て い る.
医 療 は 文 字 どお り命 綱 の役割 を担 って い る とい え るが,成 人 の重 症 心 身障 害 者 が 普通 の 生 活 を継続 す るには,簡 単 な病 気 な ら近 所 で 診 て くれ る医 師 が 少 な い し,容 変 が変 化 した 場 合 の受 け入 れ病 院 が決 ま っ て いな い もの も 多 い.こ れ らの障 害 者 を支 え る医療 の拠 点 と して,現 在 の重 症 心 身障 害 児施 設 が 役 割 を担 え な いだ ろ うか.
入所 施 設 にわ が 子 が 入 る と した ら,ど の よ うな施 設 で あ って ほ しいか とい う親 の願 い と して,医 師 や 看 護 婦 が常 駐 す る施 設 とい う答 が1/4以 上 を 占め,と くに成 人 で は1/3以 上 に達 して い る.医 療 の重 要 性 を認 め なが ら
も,医 療 優 先 とい うよ りは 家庭 的 介 護 との二 人三 脚,あ るい は昼 間通 え る施 設 との結 合 型 な ど,生 活 の 場 と して の施 設 の あ り方 に 多様 性 が 求 め られ て い る の も事 実 で あ る.と くに 児 童 では 親や 兄弟 姉 妹 が 自由 に 出入 り し,宿 泊 で き る施 設 を望 む 声 も大 きい.施 設 で あ っ て も家 族 の絆 を大 切 に した い.
75%が ナ イ トケ アを 必要 と して お り,連 日 連 夜 続 く親 の介 護 の大変 さを思 う時,介 護 へ の医 師,看 護 婦,PT,OTな どの専 門家 か ら の助 言や 指 導 の意義 を改 め て認 識 しな けれ ば な らない.ナ イ トケアで,例 えぽ,睡 眠 を と り や す い よ うに体位 を変 え る34%,て んか ん 発 作 の処 置22%,痰 が つ ま りや す い の で注 意す る15%な どは,こ れ に該 当 す る.な る べ く長 く,地 域 に暮 ら し,自 宅 に 住 み,人 間 的 な生
活 を維 持 す るに は,医 療 ・訓練 関 係 者 のサ ポ ー トが不 可 欠 で ,そ の余地は まだ残 されてい る.
親 が 介 護 が で きな くな って,子 ど もを手 放 す の では な く,青 年 期 の適切 な時 機 に,医 療 と介護 力そ して 人権 尊 重 に裏 づ け られ た ナ イ トケア を引 き受 け るサ ー ビス を考 えな けれ ば な らな い.
一 方 ,昼 夜の ケアで食事を例 にとるな ら, 全 介助 と半 介 助 が88%を 占め てい る.OTや STに よ る ポ ジ シ ョニ ソ グの 指 導 や 訓 練,器 具 の工 夫 な どに よ り,重 度重 複 障 害 児 ・者 は 自立 の程 度 が促 進 され,介 護者 は 介 護 しや す くな る可 能 性 を残 して い る.家 庭 に お け る食 事 の 内容 は,流 動 食 ・や わ らか くつ ぶ した食 事 ・き ざみ 食 を 合わ せ る と41%を 占め て お り, と くに訓 練 関係 者 の協 力V'よ り,ゆ た か な食 事 を安 全 に 摂 るため の訓 練や 指 導 が 待 たれ る.
注 入栄 養 の場 合 は な お さ らで あ る.
風 呂 に関 して も特 別 な風 呂 を必 要 と して い る率 が 半 数 で あ るが,も って い な い家庭 が そ の8割 以 上 で あ る.つ ま り必 要 な のに も って い な い とい う家 庭 が 大 半 な のが 現 状 で あ る.
経 費 や 持 ち 家か ど うか の問題 な ど もあ るが, PTや 建 築 士 との連 携 に よ り,家 族 の 多 大 な 犠 牲 に よ って重 度 重 複障 害 児 ・者 の清 潔が 保 た れ る とい う矛 盾 を 解決 す る道 は あ る.
こ の調査 か ら結 論 を導 き出せ ぽ,重 症 心 身 障 害 児 ・者 へ の医療 及 び訓 練 は,歩 行やADL
の完 全 自立 を 目標 とす るこ とは 難題 で あるが, まず は生 命 を守 り,か つ生 活 の 質 を改 善 し, 生 活 領域 を拡 大 し,結 局 は,障 害 児 ・者 自身
の人 間 と して の尊厳 を守 る こ とに寄 与 す るは ず で あ る.逆 に言 え ぽ,医 療 及 び訓 練 の軽 視 は,生 命 維 持や 人 間性 に対 す る危 機 感 を助 長 す る もの であ る.調 査 の結 果か ら,医 療 と福 祉 は 対立 す るの では な く,地 域 サ ー ビス の充 実 と と もに,そ こに おけ る医 療 及 び 訓練 の意 義 を再 度 問 い 直 さなけ れ ぽ な らな い とい う事 実 が示 され た.
しか し残 念 な こ とに,こ の よ うに 障 害 の重
い子 ど もを 育 て て い る過 程 で,失 望 させ られ
た 人 の筆 頭 が 医 師 で,次 に児 童 相 談所 や 福 祉 事 務所 の職 員,そ して3位 が 学校 の先 生 が 挙 げ られ て い る こ とで あ る.医 師 と児 童 相 談 所 や福 祉事 務 所 の職 員は 勇 気づ け られ た 人数 よ りも失望 させ られ た 人数 の ほ うが 多 い の で あ る.
重 度 重 複 障 害 児 ・者 の人 間性 を 回復 す る に は,専 門 家 が信 頼 に値 す る技 術 と人格 を 身 に つ け,経 験 豊か な介 護 者 で あ る親 を,重 度 重 複 障 害 児 ・者 の生 活 をサ ポ ー トす る 仲間 と
して招 き入 れ る覚悟 が 必 要 であ る.
制 度 と して 別 個 に歩 ん で きた 在 宅 と施 設 (病 院 を 含 む)が,協 調 と共 存 を 進 め な け れ ぽ な らな い.こ の調査 結 果 には,重 度 重 複 障害 者 が 年 齢 にふ さわ しいふ つ うの生 活 を推 進 す るた め の ヒソ トが提 供 され て い る.
Vま と め
重 度 重複 障 害 児 ・者(身 体 障 害 者手 帳1〜
2級 と重 度 お よび中 度 の精 神 遅滞 を併 せ もつ 障 害.重 症 心 身 障 害 を 含む)が 年 齢 にふ さわ しい通 常 の生 活 を送 るため には,い か な る人 的 ・物 理 的 条 件 を整 備す べ きか を探 る.在 宅 の重 度 重 複 障 害 児 ・者 を介 護 す る親 へ の ア ン ケ ー ト調 査 を通 して,現 状 を 分 析 し,今 後望 まれ る課 題 解 決 へ の資 料 を提 供 す る.
学 校 教 育 を 受 け て い る児 童 ・生徒162名 と 更 生 施 設 に通 所 す る成 人46名 の合 計208名 の 親 を対 象 と し,『 日頃,お 子 さん に っ い て考 え る こ と』 とい うア ン ケー トを 実施 した.ア ンケ ー トは27項 目の設 問 か らな り,A.介 護 者 で あ る親 の 人 間関 係,B.日 常 的 か つ 直 接 的 な介 護 の状 況,C.生 活 に関 わ る諸 課題,
とい った3つ の領 域 に大 別 され る.
ア ン ケ ー トの結 果 を分 析 して,特 徴 的 な 側 面 を次 に 列挙 し,ま とめ とす る.
a介 護 者 で あ る親 は,い か な る 人 間関 係 で 生 きて い るの だ ろ うか.親 の心 の支 えは,ま ず 連 れ 合 い そ して障 害児 の 兄弟 姉 妹 で あ る.
家 族 以 外 で は,同 じよ うに障 害 児 を もつ 親 が 多 い.学 校 教 育 中 の児 童 で あ って も学 校 の先 生 は 少 な い.し か し成 人 施設 では 職 員 が 心 の
支 え に な って い る.
家庭 の外 の 出会 い に お い て,勇 気 づ け られ た人 としては,圧 倒 的 に同 じよ うに障害児 を も っ 親 で あ る.専 門 家 と呼 ぽれ る人 の数 値 は 下 が る.
失 望 させ られ た 人 との関 係 で見 る と,医 師 に 勇気 づ け られ た44名 に対 し失望 させ られ た 69名,児 童 相 談所 や 福 祉 事 務所 の職 員 に勇 気 づ け られ た25名 に 対 し失 望 させ られ た54名 と い う数 字 が 出 て い る.危 機 的 状況 に あ る親 を 支 え る専 門家 の共 感 的 理解 と技 術 が 求 め られ
る.
b日 常 の 介護 の状 況 を ま とめ てみ よ う.家 庭 で重 症 心 身障 害 児 ・者 を世 話 してい て心 配
な のは 医療 の対 応 で あ る.受 け入 れ病 院 が 決 まってい る家庭 は全体 としては3/4(73%)で あ るが,児 童は横 浜市 の場合 には県 立子 ど も医 療 セ ソタ ーが あるの で,85%と い う高い 比率 を 示 して い る の に対 して,成 人 は52%と 低 く, 成 人 の重 度重 複 障 害 者(重 症 心 身 障 害 者 を含 む)へ の 対応 が で き る医療 拠 点 が 必 要 で あ る.
日常 的 に は,近 所 に診療 して くれ る医 師が い る のは 全体 と して80%に 達 してい る.児 童 では90%で あ る の に対 し,成 人 は61%と 差 が あ る,町 の 小児 科 医 の意識 が 良 い意 味 で変 容 した と言 え る と同 時 に,成 人 の 重 度 重 複 障 害 者 に と って は軽 い病 気 で も地 域 の医 師 が対 応 しな い(で き な い)と い う状 況 もあ る.
昼 夜 を 問わ ず 相 談 に の った り診 療 して も ら え る医 師 も,児 童 で33%,成 人 で44%あ り, 医 療 機 関 とは 比較 的 密 接 な関 係 と対 応 が あ っ て,地 域 で の生 活 が 保 た れ る とい う結 果 を示
して い る.
大 半 が ナ イ トケ アを 必要 と し,主 た る介護 者 は 母 親 で あ るが 補 助 的 に2/5の 父親 も参加 して い る.オ ム ツ の交 換 あ るいは トイ レに連 れ て い くとい う排 泄 関 係 が圧 倒 的 に 多 く,全 調 査 者 の2/3に 達 して い る.体 位 を 変 え る 34%,て んか ん発 作 の処置22%,痰 が つ ま り や す い ので 注意15%,ぜ ん そ く発 作 が生 じた
とき の処置 な ど,命 に関 わ る介 護 もあ る.ケ ア の種 類 が重 複 して い る場合 もあ って,介 護
一102一
者 の 眠 りを 浅 く,寸 断 し て い る.親 が 介 護 の 疲 れ を 癒 す に は 「ぐ っす り眠 る 」 と い う回 答 を した 者 が58%い る こ と に も関 連 す る.
c食 事 で 全 介 助 と大 半 の 介 助 を 必 要 と す る 者 は90%を 占 め,し か も流 動 食 ・つ ぶ し食 ・ き ざみ 食 を 合 わ せ る と41%に な り,食 事 の 支 度 と介 助 に 母 親 は 多 大 な 時 間 と労 力 を 割 い て
い る こ と が 推 察 で き る .
排 泄 に 関 し て は オ ム ツ 使 用 が 多 く,家 庭 で は オ ム ツ使 用(65%)や 夜 間 の オ ム ツ使 用 (15%)と い う結 果 で あ る.ト イ レに 連 れ て い く介 助 の 労 力 が 大 変 で あ るが,特 別 な トイ レが ほ しい と い う57名 の うち 持 っ て い な い 家 庭 が7割 で あ る.本 人 を オ ム ツか ら 解 放 す る た め に も 使 い や す い トイ レ の 導 入 が 緊 急 で あ る.
風 呂 は 一 般 用 を 使 用 し て い る 家 庭 が92%で あ る.特 別 な 風 呂 や 改 造 を 望 む101名 中 で, 現 に あ る 者 は6名 だ け で あ る.父 親 の 介 助 の 参 加 度 は,風 呂 〉 排 泄 〉食 事 の 順 で 高 く,風 呂 に 関 して は 父 親 の 介 助 は3/4に 達 ず る が, 必 要 に 迫 られ て 動 か ざ る を え な い の だ ろ う.
d介 護 者 の 代 替 え で あ るが,連 れ 合 い,障 害 児 の 兄 弟 姉 妹,親 戚 な ど身 内 が 頼 りで あ る が,泊 ま りが け で は 出 か け な い35%,そ の 時 に な っ て み な け れ ぽ わ か ら な い25%と い う回 答 も あ り,公 的 サ ー ビ ス で あ る一 時 入 所 を 利 用 と い うの は12%だ け で あ る.緊 急 の 場 合 を 見 て み る と,や は り家 族 が 頼 りで あ る し,そ の 時 に な っ て み な け れ ぽ 分 か ら な い と い う親 も42%い る が,公 的 サ ー ビス(緊 急 一 時 保 護) の 利 用 が25%と 多 く な る.
ど の よ うな 公 的 援 助 が あ れ ぽ,介 護 者 の 代 替 え が 可 能 か と い う と,受 け 入 れ 施 設 が あ る (80%)と い う回 答 が 多 い が,こ の サ ー ビ ス が 整 っ て い る横 浜 とい う土 地 柄 を 反 映 し て い
る.し か し ホ ー ム ヘ ル パ ー の 派 遣(35%)や 訪 問 看 護(18%)も 望 ま れ て お り,子 ど も の 日常 環 境 を 変 え た くな い 気 持 ち が 表 わ れ て い る.
e大 人 と し て わ が 子 が 巣 立 つ 時 機 と し て, 親 が 世 話 で き な く な っ た 時 が49%と 半 数 で,