大正大学大学院研究論集43号 007北林 茉莉代「『類雑集』表現考(一)  ― 敬語表現の用例から ―」

全文

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『類雑集』表現考(一)

『類雑集』表現考(一)

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敬語表現の用例から

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茉莉代

一、はじめに

『 類 雑 集 』 は、 近 世 成 立 と 推 定 さ れ る 唱 導 資 料 で あ る。 版 本 は 二 種 あ り、 「 慶 安 四 辛 卯 十 月 吉 辰   石 黒 庄 太 の刊記を持つもの(以下、 「慶安四年版」とする)と、後印版と見られる「明暦三 丁 酉年三月吉辰   寺町通圓福寺前町 秋 田 屋 平 左 衛 門 板 行 」 の 刊 記 を 持 つ も の( 以 下、 「 明 暦 三 年 版 」 と す る ) が あ る。 ど ち ら も 全 十 巻 お よ び 総 の十一冊からなる。 『 類 雑 集 』 を 主 題 に し た 研 究 は 数 少 な い が、 嚆 矢 と な る の は 牧 野 和 夫 氏 の 研 究 で あ る。 牧 野 氏 は、 版 本 二 牧 野 氏 蔵 の 写 本 一 種( 巻 九 ・ 十 ) の 書 誌 事 項、 所 蔵 者、 構 成 な ど を 紹 介 し た う え で、 出 典 に つ い て 言 及 し、 の関わりを指摘し た ( 1 ) 。清水宥聖氏は、 『言泉集』との詳細な比較検討の結果、 「『類雑集』編者が閲覧していた『言泉集』 は叡山文庫本系統」であると特定してい る ( 2 ) 。ほかに、拙稿では、引用書『塵荊鈔』は文明十四年(一四八二)以降の 成 立 と 考 え ら れ て い る こ と か ら『 類 雑 集 』 は そ れ 以 降 の 成 立 で あ る こ と や、 『 下 学 集 』 十 種 と 比 較 し た 結 果、 漢字に二つの読みが付された単語が一致するのは亀田家本であることを明らかにし た ( 3 ) 。また、 『類雑集』巻八「苦患」

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大正大学大学院研究論集   第四十三号 二 第 六 話 の 漢 詩 と 和 歌 を 手 が か り に、 『 宝 物 集 』 の 第 二 種 七 巻 本 系 統 の う ち 久 遠 寺 本 に 連 な る 一 本 を 参 照 し て い た こ と ( 4 ) を 推 定 し た。 さ ら に、 『 類 雑 集 』 所 載 の 全 て の 和 歌 を 検 証 し、 略 本 系『 沙 石 集 』 や『 金 葉 和 歌 集 』 再 撰 二 度 本 系 統 の うち精選本系および中間本系に類する本が使用されたであろうこと、日蓮著作『法華初心成佛抄』のうち朝師本を参 照していることを指摘し た ( 5 ) 。その他の先行研究には、 出典との校異を取った翻刻紹 介 ( 6 ) や、 他作品との関連で『類雑集』 に触れた論 考 ( 7 ) はあるが、 『類雑集』の基礎研究は途上にあるといえる。 本稿は、 『類雑集』 の基礎研究として、 表現機構を分析する研究の一部である。 今回は 『類雑集』 の敬語表現を取りあげ、 その様態を詳らかにする。本研究の特色は、 第一に『類雑集』における敬語表現を全て掲載する点、 第二に『類雑集』 独自の敬語表現から『類雑集』作者あるいは編者(以下、単に「作者」とする)の敬意の対象を明らかにする点にあ る。本稿では、 大正大学図書館蔵『類雑集』慶安四年版を底本とし、 引用は私に翻刻し た ( 8 ) 。引用の際は原文表記に従っ たが、一部の異体字は正字で代用した。字数の制限上、敬語の用例紹介に大部分を割いた。本稿で指摘できなかった 敬語表現以外の特徴 や ( 9 ) 、引用文献・引用態度などの報 告 )11 ( は、別稿に譲りたい。

二、

『類雑集』における敬語の用例

本項では、 『類雑集』 における敬語表現を抽出する。しかし、 漢字単体では、 敬語と確定できない場合が多い。例えば、 「言」 には 「イハク」 「ノタマハク」 「マウサク」 など多様な読みがあり、 「仏」 に対しては慣用的に 「ノタマハク」 と読む。 しかし、 この読みは読者の解釈であり、 ここから作者の意識をうかがうことはできない。そのため、 「 言 ノ玉ク 」(宣ハク) 、「知 玉 フ 」( 給 フ )、 「 見 上 ル 」( 奉 ル )、 「 白 言 ク 」( 申 シ テ 申 サ ク ) な ど、 訓 点 や 振 り 仮 名 に よ っ て 確 実 に 敬 語 表 現 と 特 定 で き る も の の み 調 査 対 象 と し た。 ま た、 「 見 マ ツ リ 」 の よ う に、 送 り 仮 名 の 一 部 を 付 し て「 奉 ル 」 と 読 ま せ る 捨 て 仮 名 的 用

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『類雑集』表現考(一) 法も対象とした。可能な限り用例を蒐集したが、その送り仮名に続く読みが二つ以上あり、敬語か否か確定しえない ものは扱わなかった。また、 「有 マス 」 のように 「マシマス」 (尊敬語) もしくは 「アリマス」 (丁寧語) と読めるものは、 いずれも敬語であるため用例として採取し、 敬語の種類は文脈で判断した。漢字の読みは、 『角川大字源』 (角川書店、 一九九二年二月初版、一九九二年三月再版)によって確認した。 以下、 巻毎に敬語表現を抜き出し、 丁数、 用例、 敬語の種類、 敬意の対象の順に整理した。用例は「   」内に引用した。 謙譲語の場合は動作主を示すよう工夫したため、 「……」と中略する場合がある。 「/」とあるのは、割注の行の区切 りを表すものである。連続した文章で敬意の対象が同一であれば、まとめて引用した。同一の文章であっても敬意の 対象が異なる場合はそれぞれ立項した。一部の例外として「奏玉フ」など二方面敬語は敬意の種類と対象を続けて示 した。敬語の種類は、 「尊敬語」は 、「謙譲語」は 、「丁寧語」は のように、 頭文字の略称で示した。敬意の対象は、 一般名詞を優先的に記したが、前後の文脈から固有名詞が特定できる場合には記載するよう努めた。対象が不明な場 合 は 空 白 と し た。 な お、 釈 尊 を 指 す 言 葉 に「 仏 」、 「 如 来 」、 「 世 尊 」、 過 去 世 に お け る「 王 」 な ど が あ る た め、 指す用例はすべて 「釈尊」 と統一表記した。 接頭語や敬称も敬語として採取した。 書物の場合、 固有名詞であっても が敬意の手がかりとなることから採っている。また、著作者を敬って「書名+動詞+玉ヘリ」とする例も見受けられ るため、 「書物」と書いたうえで「→」以下に人名を記した。 さ ら に、 『 類 雑 集 』 独 自 の 敬 語 と、 引 用 書 の 敬 語 が そ の ま ま 引 か れ た 敬 語 と を 区 別 し た。 出 典 に 敬 語 が 使 い な い と 確 定 し た 場 合 や、 『 類 雑 集 』 に お い て 付 さ れ た と 考 え ら れ る 題 名 や 一 字 下 げ の 注 記 に お け る 敬 語 は、 し て 示 し た。 た だ し、 『 類 雑 集 』 は 出 典 未 詳 の 引 書 が 多 く、 ま た、 本 地 垂 迹 思 想 や 偈 文 と い う 敬 意 の 対 象 が のもある。今後の調査によって数値が変わるであろうことを予め断っておく。 三

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大正大学大学院研究論集   第四十三号 巻一 3ウ「佛説 玉ヘハ 三十七品 釈尊 25ウ「臣……白 レ 王言 ク 」 王 「佛住 玉フ 王舎城 釈尊 27オ「御抄云」 書物(→日蓮) 45オ「跏趺 玉フ 三寳 智顗 「端坐 玉フ 智顗 46オ「佛食 涕唾 シ玉フ 事」 釈尊 46ウ「阿難白 レ佛」 釈尊 「救護 玉へ 釈尊 47ウ「白 レ ニ 」 釈尊 48オ「開目抄引 玉ヘリ 書物(→日蓮) 50オ「佛記 シ玉ハク 釈尊 58オ「御者 ノ 白 レ ク 王 ニ 」 王(帝釈) 巻二 1オ「悉達太子……得 玉ヘル 三菩 釈尊 「師説 玉ヘル 何法 ヲカ 釈尊 2オ「佛問 マフ 釈尊 「佛問 マフ 釈尊

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『類雑集』表現考(一) 「佛 玉ヘ 請」 釈尊 「今不 マハ 釈尊 「佛 マヘル 釈尊 「王白 レ ス 仏」 釈尊 3オ「沙 ― 弥持 二 テ 和上 ノ 三衣 一 レ ル 佛 ニ 」 釈尊 3ウ「舎利弗 玉フ 舎利弗 「迦葉等 ……得 玉フ 縁覺 迦葉 4ウ「阿難 佛記 我」 釈尊 5オ「阿難……白 レ 佛 ニ 言 ク 」 釈尊 5ウ「白 レ ニ 」 釈尊 7オ「佛知 シメシテ 難陀受戒 時至 レリ 釈尊 「照 玉フ 釈尊 11オ「佛見 玉フ 釈尊 「佛……令 玉フ 釈尊 11ウ「佛 玉フ 布施 獲報無數 ナル 釈尊 12オ「還 テ 至 二 テ 兄 ノ 所 ニ 具 ニ 白 二其情 一 ヲ 」 目連 13オ「佛初 成道 マフテ 釈尊 「以 出家 マヘルヲ 世間 釈尊 16ウ「佛種 シ玉フ 釈尊 「佛初 出家 シ玉フ 釈尊

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大正大学大学院研究論集   第四十三号 「初 シ玉フ 釈尊 17オ「女白 レ 王 ニ 」 王(浄飯王) 19ウ「佛常 マハク 釈尊 「佛…… タマヒヌ 閻浮提 釈尊 「座 マス 佛」 釈尊 20オ「見 ツリ 「王見 マツリ 釈尊 「札 マツル 釈尊 20ウ「舎利弗白 レ 佛 ニ 」 釈尊 21オ「舎利弗……白 レ 佛 ニ 」 釈尊 21ウ「舎利弗……白 レ 佛 ニ 」 釈尊 22ウ「比丘……白 レ 佛 ニ 」 釈尊 33ウ「白 レ王」 王 「白 レ 王」 王 34ウ「弟子白 二 龍樹 一 ニ 」 龍樹 37ウ「慈氏相 好言莫 能宣 シ玉フ 妙法 弥勒 40ウ「佛 世」 釈尊 「若 玉ハヽ 釈尊 「現 玉フ 釈尊 「佛何 ……説中 玉ハ 此圓 頓上」 釈尊

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『類雑集』表現考(一) 七 41オ「現 玉ハン 釈尊 45オ「釈 ― 尊 ハ 摩 ― 耶 ノ 御子也」 釈尊 45ウ「悉多 玉フ 浄飯王宮 釈尊 48ウ「大覚世尊 ハ ……猶 ― 玉ヘリ 」 釈尊 「無 ― 明 ノ 根 ― 本猶傾 玉ヘリ 」 釈尊 49ウ「成 ヘリ 道」 釈尊 50オ「佛從 爲現 玉フ 双足 釈尊 「佛……涅槃 シ玉リ 釈尊 50ウ「涅槃 シ玉ヘリ 釈尊 「受 傳白 釈尊 「人民 マツル 釈尊 51オ「供 シ上ル 釈尊 53オ「大臣白 王(優填王) 「供養 ヘト 釈尊 53ウ「大臣白 王(優填王) 57ウ「応持菩薩……不 上ラ 尊之頂」 釈尊 「不 佛身 近幾 釈尊 「佛 御声事」 釈尊 58オ「彼 菩薩白 佛」 釈尊 58ウ「白 レ佛言 ク 目連」 釈尊

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大正大学大学院研究論集   第四十三号 「愍念 玉ヘ 釈尊 「願 玉ヘ 釈尊 「阿難白 レ佛」 釈尊 61ウ「白 二 ス 海 ― 師 一 ニ 」 海師 「佛度 マフニ 釈尊 「白 レ 一 ニ 」 釈尊 63オ「有 二智臣 ニ 」 王(優填王) 「白 レ テ 佛 ニ 」 釈尊 66ウ「 佛相好具 玉フ 故事」 釈尊 67オ「佛断 玉フ 吾我 釈尊 「自嚴 玉ヘル 其身 釈尊 「佛身相 レハ シ玉ハ 釈尊 「相好嚴 玉ヘリ 其身 釈尊 「婦白 レ 壻 ニ 」 婿 「白 レ壻」 婿 巻三 6ウ「一生 ノ 間 ニ 可 レ ノ 經 一 ヲ 」 書物(→釈尊) 「速成就佛身 ト 授 玉ヘリ 」 僧 「倫通 ヲ 返 二 シ玉フ 娑婆 一 ニ 」 閻魔 八

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『類雑集』表現考(一) 8オ「倶 マミユ 閻羅 閻魔王 8ウ「傳教大師御誕生 ノ 時左 ノ 御手 ニ 握 二 リ 御經 一 ヲ 給」 最澄 9ウ「天子御即位 ノ 時」 聖徳太子 「聖徳太子法華經 ニ 加 二 玉フ 文字 一 ヲ 事」 聖徳太子 10オ「法師大 ニ 竒 ミテ 合掌禮拜 シ玉フ 」 聖徳太子 「此經 ハ 卅六歳 ノ 御時青龍 ノ 車 ニ 乗 迎 ヘ 」 聖徳太子 12オ「勇猛比丘白 レ ニ 」 釈尊 12ウ「佛知 メスカ 衆生 諸根性欲不顛倒 釈尊 14ウ「佛聽 シ玉フ 比丘 外論 釈尊 15ウ「大師 ミツカラ 位在 マス 初依 カラ 玉フ 大師(一般名詞) 16ウ「佛説 玉フ 佛法 釈尊 「三世 諸佛 般若ハラウ生 玉ト 諸仏 19ウ「迦葉白 レ 佛 ニ 」 釈尊 「迦葉白 レ 佛 ニ 」 釈尊 20オ「迦葉白 レ 佛 ニ 」 釈尊 21オ「如來付 玉ヘ 之」 如来 21ウ「諸々 ノ 比丘白 レ 佛 ニ 」 釈尊 33オ「大師事」 大師(一般名詞) 「故 ニ 号 二大師 一 ト 」 大師(一般名詞) 「蒙 レ リ 勑 ヲ 賜 レ ハル 号 ヲ 者 ノナリ 」 天皇 九

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大正大学大学院研究論集   第四十三号 「三惠大師」 雲顥 「淨光大師」 僧徹 「法智大師」 知礼 「青蓮大師」 重謙 40ウ「金色女白 二 文殊 一 ニ 」 文殊 「聽 シ玉ヘ 出家 47オ「長 佛前 ……稽首 頭面 シ上ル 釈尊 49ウ「佛 ノ玉フ 釈尊 50ウ「五比丘白 レ ニ 」 釈尊 51ウ「佛在 二 マス 祇恒 一 ニ 」 釈尊 52オ「佛在 ス 世 ニ 時 ニ 」 釈尊 56オ「国王……白 レ 佛 ニ 」 釈尊 56ウ「垂 シ玉ヘ 法要 釈尊 63ウ「有 二龍王而白 二 世尊 一 ニ 」 釈尊 64オ「倶 ニ 白 レ ニ 」 釈尊 65オ「殺 乄 取 レ ヲ 以上 レ王」 王 巻四 5 オ「 菜 ヲ 摘 ミ 髙 岩 ヲ 越 玉 フ 時 ハ 昔 ノ 御 倉 登 ヲ 思 シ 食 シ 出 テ 埋 木 ヲ 踏 玉 フ 時 ハ 古 ノ 寳 花 ノ 机 御 足 ヲ 承 シ ヿ ヲ 思 食 シ 出 テ 散 敷 木 葉 ノ 上 ヲ 通 玉 フ 筵 ヲ 道道敷設 ケ 紫 ノ 絹 ノ 上 ヲ 歩給 ニ 鳥獸 ノ 聲 ヲ 聞 テハ 奏時云者時奏 ルニ 準 ヘ サテ谷 ニ 下 リ 水汲木皮 ヲ ハ キ テ 網 レ 御 ミクシニ 首 戴 キ 嶮 キ 一〇

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『類雑集』表現考(一) 岩根ツヽラヲリナル路 ヲ 行 玉フニ コホレカヽル水 ヲ 御覧 乄ハ 王 ノ 冠 ノ 瓔珞 ノ 如 ニ 思食」 釈尊 5ウ「釋尊往昔 身得 玉フ 一偈 事」 釈尊 6ウ「諸臣白 曰」 王 7オ「汝可 二 シ 縛 ハテ 進 一 マツル 」 王(新王) 7ウ「皈 マツル 十方 諸仏 「表 玉ヘ 我心浄 一レ 諸仏 9オ「釋尊往昔兎 玉フ 捨身供養 事」 釈尊 10オ「以 レ身奏 二 ― 上道人 一 燃燈仏 「可 レ一日 ノ 粮 一 燃燈仏 11ウ「是 玉フ 一レ セヨト 釈尊 13ウ「不 レ レ 玉フ 」 草繁比丘 「其國大王彼野 ニテ 狩 シ玉ヒ 時」 王 15オ「解脱 聖人 道心 事」 貞慶 「天下 ノ 御皈依」 貞慶 「天下御皈依 ニ 」 貞慶 「一首 ノ 歌 ヲ 書 テ 遁世 シ玉フ 」 貞慶 24ウ「是 王大仁慈 アリ 一切宜 シニ 救護 シ玉フ 25ウ「釋 モチ玉ハ 也」 帝釈 26オ「愍 ミ玉ヘ 貧窮 26ウ「若 上 タテマツランニハ 二大王 一 ニ 」 王 一一

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大正大学大学院研究論集   第四十三号 29ウ「佛神歡喜 守 玉ヘハ 」 仏神 29ウ「諸佛來 リ 坐 玉フ 」 諸仏 31オ「佛初 出 玉ヒトシキ レ世」 釈尊 33オ「身延山御抄 ニアリ 書物(→日蓮) 40オ「阿難白 レ ニ 」 釈尊 42オ「夫人白 レ王」 王(阿育王) 46オ「婆羅門……白 レ 佛 ニ 」 釈尊 47オ「阿難……白 レ 佛 ニ 」 釈尊 49ウ「本門弘經抄分別品 玉ヘリ 之」 書物(→日隆) 50オ「本門弘經抄分別品 玉ヘリ 之」 書物(→日隆) 51オ「乃 メ玉フ 遣劫 釈尊 「阿難白 レ ク 佛 ニ 」 釈尊 56オ「即白 レ ノ 」 釈尊 59ウ「白 二國王「聽 玉ヘ 我徒衆與共 61オ「即往 テ 白 レ ニ 」 王 巻五 3ウ「佛稱 シ玉フ 釈尊 7オ「佛……三月安 玉フ 釈尊 一二

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『類雑集』表現考(一) 7ウ「以 二此偈母」 摩耶夫人 玉ヘ 真浄 9ウ「録外御抄尾張刑部右衛門女房御抄委判玉ヘリ」 書物(→日蓮) 12オ「難陀白 レ ニ 」 釈尊 18ウ「黒者 ハ 奉 レ ツラン 母」 母 19ウ「母 在 マシマサハ 」 母 21オ「二人 ケ玉ヘト 云」 「母ノ白 ス 㪽 尤 ナレ トモ」 王 「母白 ク 」 王 「弟誅 助ケ玉ヘシト」 「王 ノ 宣 ハク 」 王 「母白 ク 」 王 「父終 シ 時 キ 我子 ノ 如 ク ハクヽムヘシト申 セシ カハ……ト白 ス 」 王 「二人共 ニ 臣下 ニ 召 シ 仕 ハレ 」 王 23オ「孔子聞給 テ 」 孔子 24オ「奉 レ ス 母 ニ 」 母 25オ「遇 二 テ 王 ノ 出 テヽ 猟 一 ヘルニ 」 王 28オ「男答 テ 申 ク 」 王 29オ「無元正天皇 ノ 御時」 天皇 「時 ニ 御門此事 ヲ 聞召 」 天皇 一三

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大正大学大学院研究論集   第四十三号 一四 「御覧 シ ケリ」 天皇 「感セサセ給テ」 天皇 30ウ「録外尾 張刑部右衛門女房御抄 引言泉 在之」 書物(→日蓮) 33ウ「帝 ……ニクミ 玉フ 37オ「白 レ母」 母 39オ「夫人大王 ニ 告 ケテ ノ玉ハク」 夫人 「大王 蹔 ク 軍 ヲ 退 ソケ ― 玉ヘシ」 大王 41ウ「報 二 ノ 恩 一 ヲ 者奉 レ報二十方三世 ノ 諸佛菩薩之恩 一 43オ「行基菩薩孝養報恩給 ケルニハ カクソ讀給 ケル寶物集アリ 行基 「モモサカヤヤソサカソヘテタマヒテシチフサノムクヒケフソワカヌル」 母 44ウ「伊弉諾伊弉冉陰陽和合 アレマス 一女三男 事」 45オ「二神是 ヲ 海邊 ニ 流 玉ヘリ 」 神(伊弉諾 ・ 伊弉冉) 「サレハ二神イカハカリ哀レト思召ラム」 神(伊弉諾 ・ 伊弉冉) 「彼蛭子天照太神ノ御前ニ」 神(天照) 「参リ玉ヒシ時」 神(天照) 神(蛭子) 「太神ノ仰ニハ」 神(天照) 45ウ「被仰間」 神(天照) 「三男ニ當リ玉フ故 ニ 」 神(蛭子) 「天照大神伊勢奉 崇時代事」 神(天照) 「垂仁天皇御宇」 垂仁天皇

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『類雑集』表現考(一) 一五 「鎮坐給也」 垂仁天皇 46オ「譽田 ノ 天皇 ノ 御霊也」 応神天皇 「欽明天皇 ノ 御宇」 欽明天皇 「此天皇ノ御事ハ胎内ニ坐シ玉ヒシヨリ」 欽明天皇 「神異ニマシ〳〵キ住𠮷明神御教ヘニ依テ」 神(住𠮷明神) 「御母 ノ 神功皇后新羅百済高麗等ノ國ヲ平ケ給キ」 皇后 「胎内ノ天皇ノ治給ヘキ國也」 応神天皇 「 勑 給 シヨリ 」 天皇 「八幡トハ申也」 神 「譽田 ハ 往昔御号」 天皇 「八幡 ハ 和光 ノ 御稱也此八幡 ノ 御稱号 モ 」 神 「文武天皇 ノ 御子開成皇子……誓願 シ 給時」 皇子 46ウ「八幡 大菩薩男山 ニ 遷 玉フ 時代 ハ 」 神(八幡) 「清和天皇 ノ 御宇也」 清和天皇 「法体御装束」 神(八幡) 「女体御衣」 神(八幡) 「八幡法体御尊形事」 神(八幡) 47オ「聖武天皇……巡礼給即此寺出家得 度ヘキ由託 シ 給 テ 」 聖武天皇 「敦實親王寛平御子」 皇子 「毎日御供」

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大正大学大学院研究論集   第四十三号 一六 「僧形御躰箸令立給」 神(八幡) 「仍僧形安置申 スト 也」 神(八幡) 「八幡大菩薩本地釋迦 ニテ スト 云事」 「八幡 ノ 御誕生……御崩御」 神 47ウ「佛神顕 テ 利益 シ玉フ 」 仏神 「萬 ノ 神 ト 顕レ玉フヲ言也」 神 48オ「傳教御皈朝」 最澄 49オ「天照太神御託宣云」 神(天照) 49ウ「八幡大菩薩御託宣云」 神(八幡) 50オ「七歳 ニ 託 ― 宣 シ玉フ 也」 神(八幡) 「小兒託宣 シ玉フ 」 神(八幡) 「平城天皇御宇」 天皇 50ウ「傳教大師奉爲八幡大菩薩」 神 「太神御託宣」 」 神(天照) 「歴 二 玉ヘリ 歳年 一 神(天照) 「奏 二 和 ― 上 一 二 」 師 「垂 二 玉ヘト 納 ― 受 一 ヲ 」 神 51オ「 大菩薩御託宣」 51ウ「山王御託宣」 「同日吉御託宣」

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『類雑集』表現考(一) 一七 52オ「賀茂明神御託 宣」 「一條院御宇」 天皇 「念時示 玉フ 也」 神(賀茂明神) 「傳教大師賀茂社 ニ 参詣 誦 二 玉フ 法 ― 華 ― 経 一 ヲ 時」 最澄 「神喜 テ 自 甲冑 ヲ 布施 シ玉フ 也」 神(賀茂明神) 52ウ「御記」 書名(→諏訪明神) 53オ「稲荷明神御託宣」 神(稲荷明神) 53ウ「北野天神御託宣」 神(北野天神) 54オ「神ハ本地佛ニテ在セトモ」 「衆生 ノ 愛欲煩惱 ヲ 吸 玉カ 即三熱 ノ 毒 虵 ト 顕 シ玉フ 也」 神 「春日明神御託宣」 神(春日明神) 54ウ「八幡御哥」 神(八幡) 「和泉國 ニ イマス蟻通明神 ノ 歌也」 神(蟻通明神) 「昔御門」 王 55オ「並 ヒノ國 ノ 御門」 王 「彼國 ノ 御門」 王 55ウ「御門此事 ヲ恠シミテ尋給 ニ 」 王 56オ「神ノ御誓」 神(筑摩明神) 56ウ「天照太神御託宣」 神(天照) 「春日明神御歌」 神(春日明神)

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大正大学大学院研究論集   第四十三号 57オ「能 囙 ……マイリヨメル」 神 57ウ「稲荷明神御歌」 神(稲荷明神) 「此事コトハリ給ヘ」 神(稲荷明神) 「祈 リ 申ケル法師」 神 58オ「社ノ中ヨリ云出シ給ケル歌」 神(稲荷明神) 「此歌祇園大明神御告」 神(祇園明神) 62オ「賢白 曰 ク 」 神 65オ「佛語 二 玉ハク 阿難 一 釈尊 65ウ「白 レ佛言 サク 」 釈尊 66オ「即還 二 玉フ 其 ノ 子 一 ヲ 」 釈尊 「長跪白 レ 佛 ニ 」 釈尊 66ウ「金剛薩埵白 二 世尊 一 ニ 」 釈尊 71オ「神明利生 ヲ 佛陀 ニ 譲 リ玉フ 事」 釈尊 71ウ「天照太神 倭 ヤマト 姫 ヒメニ 託 乄ノ玉ハク 」 神 72オ「垂仁天皇 ノ 御宇」 天皇 「倭姫……クタリ玉ヘリ」 神 「天照太神御歌」 神(天照) 巻六 2オ「世尊……知 メセリ 諸衆生 上中下根 釈尊 一八

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『類雑集』表現考(一) 12オ「佛 タマヘハ 八風 損益 釈尊 13オ「佛告 文殊 釈尊 14オ「録外六味 御抄 遊也」 書物(→日蓮) 27オ「廻向 ト 者如 二 ク 少 ノ 物 ヲ 上 マツルカ 一レ 王」 王 35オ「若佛 玉ハ 諸佛 釈尊 42オ「唯佛能度 玉フ 釈尊 45オ「安然和尚云」 安然 48オ「此釋子申 レ孝報恩救苦」 母 52オ「有 二大聖人 二 於西方 一 ニ 」 釈尊 52オ~ 52ウ「天人於 二窓中 一 ニ 叉手 白 言 ク 」 釈尊 53オ「西方有 二大聖人 釈尊 53ウ「炎帝臣也 故黄帝 ヲ 打 テ 炎帝 ヲ 位 ニ 奉 レ ントセシカ 付返 テ 蚩尤打 レヌ 」 王 「依 レ之黄帝平和術成 玉フニ 感 二 ス 天告 一 ヲ ……故其 ノ 弊身 ヲハ 破 テ 五節 ノ 備 ト 成給成」 王 54オ「周 靈王腹悪 ク 御座 ケルニ 」 王 「智臣常 ニ 以 二草餅進時」 王 「御心𠮷 ク 成給 フ 故御心 ヲ 和 ル 藥也」 王 54ウ「昔有 二國王一臣ヲ流罪 玉フ 」 王 「有 二智臣 サク 」 王 55オ「此中 ニ 一足 ノ 王子瘧病鬼 ト 成給 ヌ 」 王子(鬼) 「素麵 ヲ 彼 ニ マツレハ鬼病 ヲ ヤマサル也」 王子(鬼) 一九

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大正大学大学院研究論集   第四十三号 55ウ「 昔 魏 文 帝 生 給 シ 時 紫 雲 如 二 輪 一 二 ル 殿 上 一 相 不 思 議 ア リ テ 遅 ク 生 レ 御 年 七 歳 ニ 御 即 位 治 二 下 一 相 者 云 壽 命 不 レ 過 二十五帝聞 二 食 シ 之 一十五漸近付給 テ 歎 玉フ 時」 王 「昔周 ノ 穆王八疋 ノ 駒 ニ 乗 四荒八極馳給 フ 時」 王 「靈山 ニ 佛説 二 玉フ 法華 一 釈尊 56オ「砌 ニ 至給」 王(穆王) 「寳 ト 次第傳授 シ玉フ 」 王(穆王) 「秦始皇時愛 二 玉フ 慈童 一 ヲ 」 王(始皇帝) 「万事不足 ノ 時 キ 妙法蓮華經 ト 常 ニ 可 レ ト 唱教 玉ヘリ 」 王(始皇帝) 56ウ~ 57オ「私云五節供事遁師録外 曽谷殿 被遊也可拜之五節 者妙法等 五字也 書物(→日蓮) 57ウ「太子香 ヲ 焼 キ 花 ヲ 供 シ 日別 ニ 諦 ツマヒラカニ 御覧 アリ 至 二 リ 同冬 一 ニ 一遍高覧 シ 畢」 聖徳太子 「太子奏 云」 天皇 「帝釋 ノ 王子十五日 ハ 自降玉 フ 」 帝釈天の王子 「帝釋天王……衆生 ノ 善根 ヲ 知見 シ 御座故 ニ 毎 ニ 此 ノ 六齋日 ヲ 禁 メ 給 フ 」 帝釈天 58オ「帝釋天王欲界 ノ 頂 ノ 摩醯首羅天自在天日神月神北斗七星七曜九曜廿八宿天下 ヲ 廻 玉フ 」 帝釈天 「 冥 途 主 秦 廣 王 初 江 王 宗 (ママ) 帝 王 五 官 王 閻 魔 王 變 成 王 泰 山 王 平 等 王 都 市 王 五 道 轉 輪 王 司 命 司 禄 堅 牢 地 神 地 下 ノ 十 二 冥衆等 ノ 三界六欲四禅八定天王天衆悉須臾 ノ 間 ニ 彼天正樹 ノ 下 トニ 會合 シ 坐 娑婆世界 ノ 善悪業 ヲ 御評定 アリ 」 十王 58ウ「天 ノ 冥官……琰魔大王 ニ 奏聞 ス 」 閻魔王 「二ノ札 ヲ 炎魔大王 ニ 献 ス 」 閻魔王 「炎魔王 ヨリ 帝釋天 ニ 献 ス 」 帝釈天 「帝釋天大三界主大梵天王 ニ 献 ス 」 大梵天王 二〇

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『類雑集』表現考(一) 「其時大梵天王二札ヲ御覧 金札ニハ寳印ト云御判ヲスヘテ」 大梵天王 「帝釋御預 リ アリテ……善法堂 ニ 納 メ 置 玉フ 」 帝釈天 「鐵札 ニハ 縛印 ト 云御判 ヲ スエテ炎魔大王御預 リ アリテ冥途 ノ 誦經院 ニ 納 メ 置 玉フ 」 閻魔王 59オ「一切 ノ 諸佛三世 ノ 世尊及無數万億 ノ 菩薩等諸法 ヲ 演説 シ 於 二衆生 レ 玉フ 楽時也」 諸仏 59ウ「此八神……三覆八校 シ玉フ 也」 八神 「八神者……一年 ニ 二度大梵天 ヘ 奏 玉フ 時」 大梵天 八神 巻七 4ウ「衆内 ニ ……六分之一 ヲ 以 貢 タテマツル 二田主 一 ニ 」 田主 5オ「 時菩薩 慈悲化 玉ヘリ 日月 菩薩 6ウ「私云處々 御抄 近須弥山 鳥金色 ナル 持二法 /華經 者成 金色 ト云 書物(→日蓮) 9オ~ウ「此直河 佛未 ニモ マハ 文」 釈尊 9ウ「佛説 玉フ 法」 釈尊 10ウ「鹿至 二 テ 王 ノ 前 一 ニ 跪 テ 白 レ 王言 ク 」 王 「王以 テ小 一時 玉フ 於死 「有 二 テ 一ノ母鹿 一 白 二 テ 其 ノ 主 一 ニ 言 ク 」 王 11オ「即 チ 至 二菩薩 ノ 王 ノ 所 一 ニ 具 ニ 白 レ 王 ニ 言 ク ……白 ス 」 王 「以 レ 白 レ ス 王 ニ 」 王 16ウ「忉利天 ノ 衆味具足 一 セラル 」 忉利天の衆 18オ「塵荊抄五云問曰國之數六十六 ニ 定給」 二一

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大正大学大学院研究論集   第四十三号 18ウ「六十六箇國分給……而表シ給男數 ハ 十九億九萬四千八人」 20オ「百濟國 ノ 日羅上人」 日羅 30オ「牛頭栴檀芥子許 モ 奉 二 レハ 佛僧 一 ニ 」 僧 30ウ「諸 ノ 醫師白大王」 王 「長者問 レ王何故自來 玉ヘル 」 王 37オ「院有叡感 一而不移也」 天皇 37ウ「已上本門弘經抄妙音品下引 玉ヘリ 書物(→日隆) 42ウ「皇極天皇 ノ 御宇」 天皇 43オ「圍碁 ハ 尭王 ノ 御子」 王子 45オ「或人七歳 ノ 時帝位 ニ ツク天下大 ニ 旱魃 ス 皇是歎 キ玉フ 」 王(或人) 51ウ「詣 二佛所 一 ニ 白 言 フ 」 釈尊 53ウ「白 レ佛云」 釈尊 55オ「白 レ 佛 二 言」 釈尊 55ウ「迦葉菩薩白 レ 佛 ニ 言」 釈尊 56オ「白 レ佛言」 釈尊 巻八 6オ「阿難白 レ佛言 ク 」 釈尊 6ウ「普廣菩薩白 レ佛言」 釈尊 8ウ「白 レ ク 王 ニ 」 王 二二

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『類雑集』表現考(一) 9オ「佛爲 比丘 玉フニ 死想 釈尊 「有 二 リ 比丘 一佛」 釈尊 9ウ「有 二一人 ノ 長者 一 來 二 テ 佛處 一 ニ 白 二 ク 世尊 一 ニ ……又廻 ― リ 來 二 テ 白 ク 」 釈尊 10オ「長者又白 ク 」 釈尊 11オ「諸佛常 玉フ 此身 諸仏 14ウ「 八 ヤ 雲 クモ 御 コ 抄第四 ニモ 見タリ」 書物 15オ「八雲 御 コ 抄第四云」 書物 16ウ「頂 シ上ル 無上尊 釈尊 18ウ「王至 キ玉ヘ 21オ「如 キク 一時薄伽梵在 マス 室羅伐城逝多林給孤獨園 釈尊 23ウ「白 二閻羅王 一 ニ 」 閻魔大王 26オ「阿難陀長跪 白 レ 佛 ニ 言 ク 」 釈尊 「唯 玉ヘ レニ ンヲ 伯父 釈尊 26ウ「白 レ 佛 ニ 言……四王倶 ニ 白 レ 佛 ニ 言」 釈尊 48オ「佛眠人 呵責 シ玉フ 事」 釈尊 「禮 上ル 釈尊 54オ「女白 二 仙人 一 ニ 言」 王 「女先遣 レ信白王」 王 54ウ「女白 レ 王 ニ 言」 王 55ウ「術婆伽……奉 レ テ 見 二國王 ノ 后 一 ヲ 」 后 二三

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大正大学大学院研究論集   第四十三号 「若シモ后 ノ 御哀 レミヤ 蒙 ルトテ ……后恠 テ 其 ―故ヲ問 玉フニ 」 后 「シカ〳〵ト申 ケレハ 」 后 「 相 ヒ 待 テ ト 約 束 シ 玉 ヒ シ カ ハ 術 婆 伽 …… 魏 々 堂 々 ト 入 玉 フ 待 二 玉 フ ニ 術 々 々 一 ヲ …… 立 廻 リ 呼 ヒ 給 ケ ル ニ …… 金 玉 ノ 御 衣 ヲ 脱 テ 懸 二 テ 術婆 カ 上 一 ニ 空 ク 還 リ 給 ヌ ……術々々目覺 メテ 見 二 テ 金玉 ノ 御衣 一 ヲ 后 ノ 是迄入給 タリケルヲ 」 后 59オ「 諸 ノ 比 ― 丘不 レ ラ 白 レ ス 佛 ニ 」 釈尊 巻九 5オ「鄭玄 ト 云人刺史 ニ ナリ玉 ケルニ 」 鄭玄 7オ「昔孔子領 二 諸 ノ 弟子 一 ヲ 至 二 玉フ 楚国 一 ニ 」 孔子 8オ「息 カ 曰公 好 ヨシミシ玉フ 二何物 一 ヲカ 」 晋の献公 「朝官 カ 曰……荀息乃 上 タテマツル レ書」 晋の献公 9ウ「大倉之米給 ― 二 シ玉フニ 百姓 一 ニ 」 晋の献公 10オ「三公奏 テ 曰 サク 」 漢の昭帝 10ウ「願 ハ 與 二 玉ヘ 臣 ニ 九刕 ノ 學士 一 ヲ 」 漢の昭帝 12ウ「嵯峨帝御時」 嵯峨天皇 13オ「御門御氣色アシクナリテサテハ臣所爲歟 ト 被 レ仰ケレハ」 嵯峨天皇 「智臣朝 ニ 進 ミ カタクヤ ト 申ケレハ」 嵯峨天皇 「御門……書 セ 給 テ 是 ヲ 讀 メトテ 給 ハセ ケリ……御氣色ナヲリ ニ ケリトナン」 嵯峨天皇 13ウ「魯仲尼門徒 ヲ 具 路 ニ ヲワシケルニ或所 ノ 垣 ヨリ 馬 ノ カシラヲ指 シ 出 タルヲ 見 テ 牛 ト ノ玉ヒケリ」 孔子 14オ「言人能 勤 (ママ) 學則榮貴後自有/良田好宅僕從妻妾之奉也」 真宗皇帝 二四

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『類雑集』表現考(一) 16オ「奉勸 二 讀 レ ム 書人 一 ニ 」 18ウ「 古 ノ 之 聖 人 ノ 其 出 レ ル ヿ ヤ 人 ニ 也 遠 ― シ 矣 猶 ― 且 ツ 從 レ テ 師 ニ 而 問 ― ヒ キ 焉 今 ノ 之 衆 人 ハ 其 レ 去 二 ヿ ヤ 聖 人 一 ヲ 也 」 聖 名詞) 22オ「舎利弗白 レ 佛 ニ 言」 釈尊 24オ「章安大師」 章安 24ウ「天台大師」 智顗 「天台大師」 智顗 25ウ「文殊白 一レ スカ 佛 ニ 」 釈尊 「佛涅槃 玉テ 後樹無 音聲 釈尊 27オ「十万億 佛刹 マフ 釈尊 32ウ「南岳大師無常詞」 慧思 33ウ「天台大師四十八箇條起請文」 智顗 35オ「恵心僧都四十一箇條御詞」 源信 「一聖教御前 ニ 」 「一奉 二 ル 讀經 一 36ウ「同先徳御語曰」 源信 40オ「釋迦大師」 釈尊 40ウ「 發 心 起 請 表 白 …… 敬 テ 白 二 十 方 法 界 不 可 説 不 可 説 ノ 三 寳 ノ 境 界 天 照 太 神 春 日 權 現 等 ノ 垂 迹 和 光 別 ハ 三 世 聖文殊師利菩薩清涼山中一万眷属等 一 ニ 而言弟子」 43ウ「文殊一万眷 属哀二愍 弟子 カ 愚意一 ヲ 令 レ 玉ヘ 發 二真實 ノ 道心 一 眷属 二五

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大正大学大学院研究論集   第四十三号 44オ「行基菩薩臨終遺言」 行基 44ウ「性空上人御語」 性空 46ウ「空也上人常言」 空也 47オ「智覺禪師八箇條起請文」 永明延寿 47ウ「千觀内供八箇條起請」 千観 48オ「覚鑁上人詞」 覚鑁 49オ「佛昔在 因位   精進 玉フ   我今居 凡地 釈尊 52ウ「吾聞 ク 聖人 ハ 上知 二天命 一 ヲ 」 聖人(一般名詞) 53ウ「聖人 ハ 一食 シ 俗人 ハ 三食 ス 」 聖人(一般名詞) 56オ「嵯峨天皇御宇」 嵯峨天皇 58ウ「諸佛幾 カ 思 ヒ 侘 ヒ 給 ラン 」 諸仏 巻十 2オ「六十 ノ 比丘悲泣 白 レ ク 佛……一 ノ 比丘白 レ佛……比丘重 テ 白 レ佛」 釈尊 3オ「有 二 テ 二百人 一佛」 釈尊 3ウ「一 リノ 外道一聞 下 テ 佛經 ニ 説中 玉フヲ 食 二 人 ノ 信施 一 ヲ 後 ニ 爲 二牛馬 一 ト 以 テ 償 中施主 上 ニ 」 釈尊 4ウ「父母常在 シ 多 ク 有 二 テ 兄弟 一……各各説已 テ 廻白 二大王 一 ニ 」 王 「諸王……白 レ ニ 」 釈尊 「佛説 二 玉フニ 八苦 一 ヲ 」 釈尊 9ウ「陛下」 王 二六

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『類雑集』表現考(一) 10オ「帝時御行殿」 王 10ウ「臣等上啓」 王 11オ「請 玉フト 法要 17ウ「臣白 レ 王 ニ 」 王 「 是 父 智 二 非 二 臣 カ 之 力 一 ニ 唯 願 ク ハ 大 王 一 切 國 土 還 聽 レ 玉 ヘ 養 レ 老 レ 即 歎 羔 心 ニ 生 二 悦 一 奉 養 臣 父 一 尊 テ 以 王 18ウ「孔子佛云聖人 事」聖人(一般名詞) 18ウ ~ 19オ「 法 苑 五 十 五 ニ 云 故 史 録 太 宰 嚭 問 二 子 一 ニ 曰 夫 子 聖 人 也 ヤ 與 對 テ 曰 博 識 強 ― 記 非 二 人 一 ニ 也 又 問 三 王 聖 對 曰 三 王 善 ク 用 智 勇 一 ヲ 聖 ハ 非 二 カ 所 一 レ ル 又 問 五 帝 ハ 聖 人 與 對 テ 曰 五 帝 善 ク 用 二 義 一 ヲ 聖 ハ 非 二 丘 所 一 レ 聖人 與 ナリヤ 對 テ 曰三皇善用 二時政 一 ヲ 聖 ハ 非 二丘所 一レ 知太宰大 ニ 駭 ヲトロイテ 曰然則孰 ンヤ 爲 二聖人乎」 聖人(一般名詞) 19オ「佛供 二養 玉フ 法一 所以 事」 釈尊 19ウ「比丘……白 レ佛」 釈尊 25ウ「大王不 ンハ 信斫 ミ玉へ ……大王試 玉ヘ 26オ「陛下不 レ信割 ヲ 看 レ 玉ヘ 之 ヲ 」 王 26ウ「爲 二天子 一 ト 」 王 27ウ「又如 二 キ 阿難 ノ 白 一レ セルカ 佛 ニ 」 釈尊 29オ「寳明菩薩白佛言」 釈尊 31オ「松野殿御書 ニアリ 書物(→日蓮) 32オ「舎衛 九億 三億 ツル 佛三億 而不 見上三億 釈尊 「佛在 二 ス ヿ 」 釈尊 二七

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大正大学大学院研究論集   第四十三号 33オ「十方世界 珍寶奉施法王」 34ウ「佛告 ハク 舎利弗 釈尊 36オ「百千 佛出 玉ヘトモ 得道 諸仏 39オ「解脱上人」 貞慶 44ウ「一切 如来 也讃嘆 シ玉フ 如来 47ウ「佛説 ヘリ 釈尊 48オ「如 世尊 玉カ 釈尊 50オ「或 ハ 是聖人 ナラン 」 聖人(一般名詞) 51オ「右持戒 ヨリ 已下日道上人御作持念要文 有之 日道

三、分析

前項において、約四七〇例の敬語表現箇所を掲出したところ、そのうち約一五〇例は『類雑集』独自の敬語表現と 考えられる箇所であった。文脈上「丁寧語」と判断できるものは皆無であり、 残りは「謙譲語」が三割程度、 「尊敬語」 が七割程度であった。これを「敬意の対象」 、「尊敬語」 、「謙譲語」の項目毎にまとめると、左の表の如くになる。太 字で示したのが、 人名または一般名詞である。複数の人物が含まれる場合は(   )内に別記した。 「尊敬語」 、「謙譲語」 の欄にも大項目全体の用例数と、 (   )内に人物毎の用例数を明記した。 『 類 雑 集 』 独 自 の 敬 語 表 現 を パ ー セ ン テ ー ジ に 換 算 す る と、 五 十 五 % を 占 め る の が「 釈 尊 」 へ の 敬 意、 つ い で 多 い のが十四%を占める「僧」への敬意、 さらに十一%の「日本の神」への敬意がつづき、 六%の「諸仏」と、 同じく六% の「 王 」、 三 % の「 特 定 不 可 」 と な る。 こ の「 特 定 不 可 」 の 四 例 中 二 例 は 本 地 垂 迹 に 言 及 す る 箇 所 で あ り、 神 か 仏 か 二八

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『類雑集』表現考(一) 釈尊 諸仏 (うち如来) (うち菩薩) 仏弟子 (うち舎利弗) (うち迦葉) 帝釈天 閻魔王 日本の神 (うち優填王) 聖徳太子 (僧(一般名詞) ) ( 大 師( 一 般 名 詞 )) ( 聖 人( 一 般 名 詞 )) (うち智顗) (うち行基) (うち貞慶) (うち日蓮) (うち日隆) (うち日道) 特定不可 敬意の対象 八十三例 一〇例 (三例) (二例) 二例 (一例) (一例) 一例 なし 十七例 九例 (二例) 一例 二十一例 (一例) (二例) (一例) (二例) (一例) (一例) (九例) (三例) (一例) 四例 尊敬語 三例 なし (なし) (なし) なし (なし) (なし) なし 一例 なし なし (なし) なし なし (なし) (なし) (なし) (なし) (なし) (なし) (なし) (なし) (なし) なし 謙譲語 判断がつかないために「特定不可」としている。その他の項目は、各 一%である。比率から作者の敬意の対象を考えたい。唱導書という性 質から考えて、 「釈尊」に対する敬意が突出しているのは当然である。 また、巻五で「神祇門」を立てることから「日本の神」への敬意が強 い点も得心がいく。 注 目 す べ き は、 「 僧 」 二 十 一 例 の な か で 九 例 を 占 め る「 日 な い だ ろ う か。 た だ し、 書 名 の「 御 抄 」 や「 引 玉 ヘ リ 」 の 用 例 へ の 敬 意 が う か が え る の み で あ り、 『 類 雑 集 』 に「 日 蓮 」 の されない点が大きな特徴である。これは、日蓮の著作であることが明 らかであるため名前を出す必要がないと判断したのか、憚りがあって 意図的に控えたものかは判断できない。ほかに日蓮宗関係者への敬意 は、 「日隆」への敬意が三例、 「日道」への敬意が一例ある。合計する と、 「 僧 」 二 十 一 例 中、 日 蓮 宗 関 係 者 は 十 三 例 と 半 数 を 超 え 数 字 は、 牧 野 氏 が 指 摘 す る「 『 類 雑 集 』 刊 行 時 に 日 蓮 宗 関 係 していたこと」を表現上からも裏づける証左たり得ないか。また、そ の他の書名においても、特筆すべき箇所がある。それは、 『八雲御抄』 の振り仮名である。 『八雲御抄』 は順徳天皇が著した歌学書であり、 ク モ ミ シ ョ ウ 」 以 外 の 読 み は 確 認 で き な い。 と こ ろ が、 『 類 八では 14ウと 15オの二箇所とも「八雲 御 コ 抄」と振られている。日蓮宗 において「御書」を「ゴショ」 、「御抄」を「ゴショウ」と読む慣例を、 二九

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大正大学大学院研究論集   第四十三号 『八雲御抄』にも適用した可能性が浮上する。 一斑を見て全豹を卜すことは控えるが、これらのことを『類雑集』の敬語表現の一特質として理解しておきたい。

四、おわりに

『 類 雑 集 』 研 究 で は、 こ れ ま で 表 現 の 分 析 は な さ れ て い な か っ た。 本 稿 で は「 敬 語 表 現 」 に 着 目 し、 一 度 全 て の 敬 語を抽出したのち、 『類雑集』独自の敬語を特定し、 さらに敬意の対象や敬語の種類ごとに分類した。これにより、 『類 雑集』の敬語を概観することが可能となり、およそ四七〇例のうち、尊敬語が七割、謙譲語が三割であること、謙譲 語はほぼ出典どおりであり、尊敬語を中心に補記していること、補記は大字にせず送り仮名として振ることが確認で き た。 ま た、 作 者 の 敬 意 の 対 象 と し て、 「 釈 尊 」 に 対 す る 敬 意 が 半 数 以 上 を 占 め る こ と、 つ い で「 僧 」、 「 日 本 の 神 」 に 対 す る 敬 意 が 続 く こ と、 「 僧 」 へ の 敬 語 二 十 一 例 中「 日 蓮 」 へ の 敬 語 が 九 例 を 占 め、 ほ か に 日 蓮 宗 関 係 者 へ の 敬 意 が四例あることを了解した。 今 後 の 課 題 と し て、 今 回 触 れ ら れ な か っ た「 上 人 」「 聖 人 」 の 使 い 分 け や、 題 目 を 敬 意 と 捉 え る か 否 か と い う 問 題 がある。 『類雑集』において「上人」と「聖人」は混用されている。 「上人」が頻出するのは巻十であることから、各話の引 用書の表記によったものとも考えられる。名称が一定しない例として、貞慶が挙げられる。巻四では「解脱聖人」で あったのが、巻九では敬称もなく「貞慶」とし、さらに巻十では「解脱上人」と表記される。こうした例が意識的な 使い分けであるのか、引用元の表記に従ったものであるのか、検討の余地がある。 また、 本稿では敬語に含まなかったが、 巻八 27オ~ 28オの無常門第三十六話 「無常要文事」 に題目が見える。 この話は、 三〇

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『類雑集』表現考(一) 「 大 集 經 云 ……」 「 止 九 云 …… 文 」 と 各 二 行 ほ ど 経 典 を 引 用 し、 つ づ け て「 先 徳 云 …… 文 」 と 約 十 行 に わ た っ たのち、 「南無妙法蓮華經 法界受苦衆生 」と題目を記す。この「先徳」が誰を指すのかは現段階では不明であるが、題目を 記すことで「先徳」に敬意を表しているとも考えられる。 今 回 の 考 察 結 果 は 小 さ な 発 見 の 一 端 で あ る が、 今 後 の 分 析 と 総 合 し て 考 え る と き、 重 要 な 証 左 と な る。 『 の正確かつ詳細な理解のために、今後も「表現」や「引用」など多角的な視点から検討を進め、逐次学界に報告して いきたいと考えている。そのうえで、 『類雑集』の表現機構に対する総合的見解を提出したい。 (1)牧野和夫 『中世説話の説話と学問』 (和泉書院、 一九九一年十二月) 。なお、 一八〇~一八一頁には、 次のようにある。 平 安 時 代 か ら 室 町 末 期 近 世 初 頭 頃 に 到 る 各 時 代 の 成 立 の 幅 広 い 引 書( 孫 引 き 等 も 考 慮 し な け れ ば な に基づく輯成である。注目すべきことは、主に小字双行の割注形式を以て示された「法華題目抄」 「開目抄」 「録外曾谷抄」 「知謗法論」等の名であり、日蓮の著作類の引用が認められる点である。先に指摘した『類雑 集 』 の 刊・ 写 本 が 日 蓮 宗 内 を 中 心 に 流 伝 し て い た と 覚 し い 事 実 と 符 合 し て、 『 類 雑 集 』 刊 行 時 に 日 者が関与していたことは確実となったのである。 (2)清水宥聖「 『言泉集』と『類雑集』 」( 「国文学踏査」第二十号、大正大学国文学会、二〇〇八年三月) (1)拙稿「慶安四年版『類雑集』巻六「時節門」出典考――第十七話「十二月ノ異名事」を中心に――」 (「国文学試 論」第二十五号、大正大学大学院文学研究科国文学研究室、二〇一六年三月) (4)拙稿 「『類雑集』 における 『宝物集』 受容」 (「国文学試論」 第二十六号、 大正大学大学院文学研究科国文学研究室、 二〇一六年三月) (5)拙稿「 『類雑集』の和歌にみる編纂意識」 (「国文学踏査」第二十九号、大正大学国文学会、二〇一八年三月) 三一

(32)

大正大学大学院研究論集   第四十三号 (1)近世唱導文芸研究会「 『類雑集』翻刻[一]~[八] 」( 「大正大学綜合佛教研究所年報」第三十三~第四十号、大 正大学綜合佛教研究所、二〇一一年四月~二〇一八年三月) (7)『宝物集』の受容として『類雑集』を挙げる、大島薫「宝物集の生成――享受をめぐる改変の様相――」 (「中世 文学」第四〇号、 一九九五年六月) 、『孝子伝』との関連で『類雑集』の書名を挙げる、 幼学の会『孝子伝注解』 (汲 古書院、 二〇〇三年二月) 、『三社託宣』との関連で言及する八木意知男『 『三社託宣』の研究と資料』第四章(京 都女子大学研究叢刊四十九、 二〇一一年二月)がある。 (1) (6)に挙げた翻刻資料は、現在巻八までの発表であることから使用しなかった。 (9)「『類雑集』表現考(二)――注記表現を中心に――」として発表準備中。 (11)「『類雑集』引用考」として発表準備中。 (11)註 (1)に同じ。一八一頁。 三二

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