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大学におけるキャリア教育の意義と方法桐村晋次

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Academic year: 2021

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特別寄稿

大 学 にお け るキ ャリア教 育 の意 義 と方 法

桐 村 晋 次

1.研 究 の 背景 一キ ャ リア教 育 の 必 要 性

キ ャ リア教 育 は、次 の よ うな理 由 で学校 教 育 の 重要 な課題 とな っ て きた。

① フ リー ターや ニ ー ト、進 路 を決 め られ な い若 年層 が増加 し、 ま た就職 後 短 期 間 の離 職 者 も多 い こ とか ら、若年 層 の労 仇観 、人 生観 の 育成 ・充 実や 就 労 支援 が求 め

られ てい る こ と。

② ワー ク ・ライ フ ・バ ラ ンスや フ ァ ミ リー ・フ レン ドリー な ど人生 と仕 事 のバ ラ ンス を考 え る発 想 が 広 が り、働 き方 が多 様化 して きて い る こ と。

③ 企 業 の倒 産 、合 併 ・統 合 、事 業 の縮 小 や移 転 な どに よっ て、 会社 都 合 に よ る離 職 も多 く、新 た な キ ャ リア を開発 しな けれ ば な らな い状 況 が続 い て お り、 自分 の進 路 を ど う切 り拓 くか につ い て学 ぶ 必 要 が 出て きて い る こ と。

④ 終身 雇 用 や年 功 制 な どの 日本 的 経 営 の修 正 が始 ま り、成 果 主 義 が 導入 され 、 エ ンプ ロイ ヤ ビ リテ ィの養 成 が求 め られ 、生 涯 にわ た る職 業 能力 の 開発 が 求 め られ て き てい る こ と。

⑤ 企 業 が雇 用 ポ ー トフ ォ リオ とい う考 え方 を取 り、 コス ト削減 や 人員 数 調 整 を狙 い と して 、パ ー トや 派 遣 労働 者 等 の非 正規 労働 者 の 比率 を高 め て き てお り、雇 用 が いつ 不 安 定 に な るか 予測 しがた い状 況 にな っ て きて い る こ と。

⑥ 若 年 層 が 自分 の キ ャ リア につ い て 考 え、 「な りた い 自分 」 に 向 け て学 習 計 画 を 進 め る こ とに よって 学力 が飛 躍 的 に伸 張 した とい う事例 が 報 告 され 、社 会 の 関心 事

とな っ て きて い る こ と。

⑦ 文部 科 学省 や厚 生 労働 省 が 、若 年 層 の キ ャ リア教 育や就 労支援 の政策 を推 進 し、

高等 学 校 や 大学 で様 々な試 みが 始 ま り、 関連 す る学 会 にお いて も研 究 や 議論 が盛 ん にな っ て きて お り、 学校 に お け るキ ャ リア教 育へ の期待 が高 ま って きてい る こ と。

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国 際 経 営 フォ ー ラムNo.16

⑧ 日本 経営 者 団体 連 盟(現 、 日本 経 団連)が 、2001年10月 に 「エ ンプ ロイ ヤ ビ リ テ ィ形成 ・向上 の た め の産 学連 携 教 育 の推 進 一大学 ・大 学院 にお け る社 会人 教 育 お

よび大 学 にお け る キ ャ リア教 育」 をま とめ 、 「大 学 にお け るキ ャ リア教 育 の 充 実 一

① 大学 内 キ ャ リアセ ンター の設 置 と機 能 の充 実 、② イ ンター ンシ ップのプ ロモー シ ョ ン 、③職 業観 ・勤 労観 を養 うた めの講 座 の設 置 、④ エ ンプ ロイ ヤ ビ リテ ィ形 成 に主 眼 を置 い たi授業 の拡 充 」 を提 出 した。 同 じ頃 、 首相 の私 的諮 問機 関 で あ る教 育 改 革 国民 会議 や 中央教 育 審 議会 の答 申、文 部 科 学省 、厚 生 労働 省 や 内 閣府等 か らも キ ャ リア教 育 の 充 実 が提 言 され 、 い くつ か の大 学 で 「キ ャ リア ・デ ザ イ ン」 「ライ フ ・ デ ザ イ ン」 等 の学 部 、 学科 も設 置 され 、 ま た 「キ ャ リア形成 論 」等 の講 座 が多 くの 大 学 で 開講 され て きて い る こ と。

2.研 究 の 目的 と 方 法

(1)研 究 の意 義 と 目的

① 大 学 生 の キ ャ リア に 関す る現状 と意 識 を調 査(「 キ ャ リア に 関す る ア ンケ ー ト 1」)し 、 キ ャ リア形 成 の 上 で何 が 問題 なの か 、 大 学 生 自身 は何 を求 めて い るの か を把握 して 、大 学生 の キ ャ リア形成 の支 援 方法 につ い て考 えて み る。

② 「キ ャ リア形 成 論 」 の授 業 で 、 開講 時 に受 講 学 生 を対 象 に して学 生 の意 識 調査

「キ ャ リア に 関す る ア ン ケー ト1」 を実施 した が 、3ヶ 月 半 後 の授 業 終 了 時 に ど う い う変化 が あ っ た か につ い て、 同一 項 目で 再度 ア ンケ ー ト調 査(「 キ ャ リア に 関す るア ンケ ー トII」)を 行 な った。 授 業 の他 に 、他 の科 目に よ る学 習 ・学生 個 人 の 自 主 的学 習 や アル バ イ ト等 の社 会 的体 験 、家 庭 環境 の変 化 な ど複 合 的 な要 素 の影 響 が あ る と考 え られ る。

③ 「キャ リア形 成論 」 の どの項 目(テ ー マ)の 授 業 が 、学 生 に刺激 を与 え、役 立 っ て い るの か につ き、項 目ご とに ア ンケ ー トに よ る評 価 を とっ た。講 義 の 内容 、教 え る側 のプ レゼ ンテ ー シ ョン能力 、学 生 の参加 方法 な ど授 業 の進 め方 、 また 学生 側 の レデ ィネ ス(授 業 を受 ける準備 度)の 高低 に も影響 され るが、講義 とい う知 的な サー ビス の受 け手 で あ る学 生 の評 価 を参 考 に してFDの 進 め方 に役 立 て たい。

(2)研 究 の 方法

① 調 査 の対象 者

神 奈川 大 学経 営 学 部 の キ ャ リア形成 論受p生 。 回答 者 は授 業 開始 時(2004年9月)

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特別 寄稿 ●大学 におけるキャリア教 育の意義 と方 法 223名 。 授 業 終 了 時(2005年1月)165名 。

② 調 査 の 方 法

質 問 紙 に よ る ア ン ケ ー ト方 式 。

授 業 開 始 時 は 、 キ ャ リア に 関 す る27の 設 問 に 、 授 業 終 了 時 は 、27間 中授 業 に よ る 影 響 が あ る と考 え られ る23問 に 、5段 階 評 価 で 回 答 す る。 無 記 名 。

評 価 点 評 価

5と て も そ うで あ る 4か な りそ うで あ る 3ど ち ら と もい え な い

2あ ま りそ うで は な い 1ま っ た くそ うで は な い

授 業 終 了 時 の ア ン ケ ー トを と る 際 に 、 ア ン ケ ー トの 精 度 を 高 め る た め 、 授 業 の 出 席 率 が 良 く な い 人 は 回 答 しな い よ うに指 示 した 。

と く に 、 授 業 の 項 目(テ ー マ)に つ い て は 、rを 受 け な か っ た 項 目は 、 回 答 しな い こ と」 を ア ン ケ ー ト用 紙 に 明 記 した 。

(3)期 待 され る 結 果

ア ン ケ ー トに よ り、 現 状 と問 題 点 を 把 握 し、 そ れ に対 す る 対 策 を検 討 す る。

3.研 究 結 果 とそ の 分 析

(1)「 キ ャ リア に 関 す る ア ンケ ー ト1」 に つ い て(第1表)

ア ン ケ ー トの 回 答 中 、 「5」 と 「4」 が 意 識 が 高 い 層(以 下 「高 意 識 」 と い う)、

「3」 が 中 間 層 、 「2」 と 「1」 が 意 識 が 低 い 層(以 下 「低 意 識 」 とい う)と して 分 類 す る。

問1の 「自分 の将 来 の職 業(進 路)は 、決 まっ て い るか 」 につ い て は 、高 意識39

%、 中間層28%、 低 意 識33%で ほ ぼ3分 割 され る。 本 学部 志望 者 の 中に は 、学 部選 択 に際 して 目的 意識 が 明確 にな って い た者 と、 大 学 でそ れ を見つ けた い者 が、 そ れ ぞれ3分 の1強 い る と考 え られ る。 前 年度 全 学 で 実施 され た 学 生 に よ る授 業 評価 の 際 に 、 「キ ャ リア形 成 論 」は、 実質 的 に授 業 に対 す る反 応 で あ る12項 目中、8項 目が

「4」 以 上で 平 均 で も 「4」 に達 して い るこ とか ら、1年 後 期 に 「キャ リア形成 論 」 を開講 して い る こ とは 学生 に歓 迎 され て い る と考 えて よい ので は な いだ ろ うか。

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国 際 経 営 フ ォ ー ラ ムNo.16

問2の 「自分 の 将来 の職業(進 路)に つ いて 考 え るこ とが あ るか」 につ い て は 、 86%が 高意 識 で あ り、低 意識 は4%に 過 ぎない 。 フ リー ターや ニー トの予備 軍 とは 明 らか に異 なっ た 学生 層 が入 っ て い る と期 待 され る。

問3の 「自分 の長 所 や 適性 につ い て 考 え る こ とが あ るか 」 につ い て は 、高意 識 が 7割 で あ り、人 生設 計 の第一 歩 で あ る 自己理解 へ積 極 的 に取 り組 も うと して い る と 考 え られ る。 しか し、低 意識 が1割 もい るこ とは気 に な る点 で あ る。

問4の 「自分 の長 所 や 適性 」 につ い て は、42%が 「理解 してい る」 と回 答 してお り、 問3の 「長 所 や 適性 につ いて 考 え る こ とが あ るか」 とい う数 値 の6割 に留 ま っ て い る。 しか し、1年 次 とい うこ とを考慮 す る と、 自分 につ い て 考 えて い る学 生 の 割合 は か な り高 い と言 え るので は な い だ ろ うか。 これ に 関連 して 問6の 「長 所 や 適 性 にっ いて友 達 と話 し合 うこ とが あ る」 は、 高意 識 が4人 に1人 で あ り、 自分 の長 所 や 適 性 につ い て考 えて い る割 に は 、友 達 と話 し合 うこ とが少 な い。 自分 の進 路 や 人 生 につ い て思 索 し、友 人 と語 り合 い、悩 み つ つ 生 き方 や職 業 を見 つ け て い く とい う青 年 期 の課 題 に正 面 か ら取 り組 む とい うこ とが 出来 ず 、未 成 熟 な まま成 人 期 に入 り、社 会 に 出 た後 で 多 くの課題 を抱 え る こ とに な るプ ロセ ス が伺 え る。 友 人 と将来 の夢 や 希 望 、仕 事 ・社 会 と人 生観 な どを語 り、相 互 に刺激 を受 け啓発 し合 う場 の設 定 が 、 キ ャ リア教 育 の重 要 な課 題 で あ る と思 われ る。

問5の 「自己分析 テ ス トや 職 業適 性 テ ス ト」 は 、高 意識 が60%で 、入 学 時 の就 職 部 に よ る 自己理解 テ ス ト等 に よ り自分へ の 関心 が深 ま って い る と考 え られ る。 しか し、大 学1年 次 とは言 え低 意 識 が3割 近 くに達 してい る こ とは見逃 せ ない。 大 学 側 が 、入 学 時 点 で何 の た め に 自己理解 テ ス トを実施 して い る のか につ いて 、授 業 や 演 習(ゼ ミナ ール)を 通 じて意 識 を向 上 させ る努 力 が全 学 的 に求 め られ て い る と言 え よ う。 これ は 、 コ.̲̲̲ス選 択 → 進 路選 択 → ゼ ミの選 択→ イ ン ター ンシ ップ→ 就 職 活 動 につ な が る重 要 な第 一 歩 で あ ろ う。 自己理解 は 、人 生 と仕 事 を考 え た り進 路 につ い て考 え る こ とと深 い っ な が りを持 っ てい る。

問7の 「職 業 の種 類や 内容 」 につ い ては 、3割 が 高意 識 で あ るが 、 低意 識 も26%

で2極 に分 かれ てい る。

問8の 「職 業 の種 類や 内容 につ い ての教 育 」 につ い て は、34%が 受 け た こ とが あ るが、受 け た こ とが な い者 が5割 で2人 に1人 に達 してお り、 問7お よび 問8か ら 本 学 部 生 が主 と して進 学 校 出身 者 で 高校 時代 は大学 受 験 以外 に精神 的 、時 間 的余 裕 がな か っ た状 態 が想 像 され る。 高校 ま で の職 業教 育 の レベ ル の低 さと、大 学選 び に 際 して将 来 の進 路 との結 び つ きが希 薄 で あ る こ とが感 じられ る。

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特別 寄稿 ●大学 にお けるキャリア教育 の意義 と方 法 問9の 「仕 事 と人 生 」 や 「働 くこ との意 味 」 につ い て は 、考 えて い る者 が6割 強 で あ り、大 学 生 に な って仕 事や 人 生 につ い て思 索 し始 め てい る こ とが伺 え るが、 こ れ にっ い て 「友達 と話 し合 う」者(問10)は 、3割 弱 で考 えて い る者 の半数 に充 た ない。 問3の 「自分 の長 所 や 適 正 」 と同様 に 、 自分 で は考 えて い るが友 達 と話 し合

うま で は な って い ない の で あ ろ う。

問11の 「職 業経 験 」 につ いて は 、87%が 高意 識 で あ り、アル バ イ トが学生 生 活 の 日常 に密 接 に結 びつ いて い る こ とを伺 わせ る。 低 意識 が9%い るが 、年 次 が進 む に つ れ て減 少 して い くもの と思わ れ る。

問12の 「自分 の将 来 の職 業(進 路)を 考 え るた め に、職 業 の体験(ア ル バ イ ト等) を した い か にっ い て は、85%が 高 意pで あ り、低 意 識 は6%に 過 ぎな い。 自分 の将 来 の職 業(進 路)を 念 頭 に置 き なが ら、イ ン ター ンシ ップや アル バ イ ト等 の啓 発 的 職 業 体 験 を したい とい う意 欲 が感 じ られ る。適 切 な進 路相 談や キ ャ リア ・コ ンサル テ ィン グが求 め られ る。

問13の 「中学 ・高校 時代 の進 学以 外 の進 路指 導」 につ いて は51%の 人 が 「あま り」、

「ま った く」 受 けた こ とが な い 、 と答 えて い る。 今 日の学校 教 育 で は 、進 学指 導 が 優 先 され て い て進 学 を含 めて進 路全 体 につ い て学 ん だ り、考 えた りす る機 会 が少 な い 、 とい うこ とで あ ろ う。 問8の 「職 業 の種 類 や 内容 につ い て の教 育 」 の貧 困 さ と

同 じで 、生 き方や 仕 事観 を養成 す る教 育 が 忘れ られ 、進 学 のた め の受 験教 育 に のみ 目が 向 け られ て い るの で あ ろ う。 何 の た め に学 習 す るの か を考 え る こ とな く受 験 競 争 に追 い込 まれ て 、学 ぶ 目的意識 や 意 欲 を持 てず に大 学 に来 て い る学 生 が増 え てい るの は 、 ここに原 因が あ る と思 われ る。 大 学 で は 、人 生観 や 仕 事観 を き ちん と見 据 えた 人材 作 りを考 えて い か な けれ ば な らない。

問14の 「職 業選 択 や 進 路(就 職 、 大学 院 進 学)に つ い て親 と話 し合 っ た こ と」 に つ い て は、72%が 話 し合 って お り、話 し合 って い な いの は16%で あ る。 ま た 、 「友 達 と話 し合 った こ と」(問15)に つ い て は、57%が 話 し合 っ て お り、話 し合 っ て い

ない のは21%で あ る。 友 達 とよ り親 との 関係 が近 い こ とを感 じ させ る。

親 との 間 に距 離 を置 き、親 に は話 が 出来 ない が友 達 とは話 せ る とい う青年 期 の行 動 に変化 が 出て 来 て い るよ うに も思 え る。 授 業 中に レポ.̲̲.ト課 題 を出 した場合 、欠 席 した学 生 が友 達 に 聞 かず に、次 の授 業終 了時 に教師 に直接 「先 週欠 席 した の で レ

ポー ト課 題 を教 えて 下 さい」 と言 って くるこ とが 少 な くない。 企 業 に入 って か らも、

若 年 層 間 の コ ミュニ ケ ー シ ョン作 りが 出来ず に、 上 司 と部 下 の 関係 の方 が 円滑 に行 く者 も珍 しくない。 タテ社 会 の人 間 関係 が 強 くなっ て きて い るの で あ ろ うか。 親離

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国 際 経 営 フォー ラムNo.16

れ 、子 離iれの 問題 とも関係 が あ りそ うで あ る。

問16の 「将 来 の職 業 を考 えて 、学校 の授 業 計画 を立 て て い る」者 は、43%で 「立 て てい な い」 は21%を 上 まわ っ てい る。 将 来 の職 業(進 路)は 明確 に は決 ま っ てい ない もの の 、大枠 の方 向 を考 え なが ら学 校 で の学 び 方 を考 えて い る とい うこ とで あ ろ う。1年 次 とい うこ とを考 え る と、 まず まず の数 値 で あ ろ う。 中間層 が35%で あ

り、 この層 を高意 識 に近 づ け る工夫 が望 まれ る。

問17の 「将 来 の職 業 を考 えて 、学 校 以 外 の場 にお け る学 習 計 画 を立 て て い る」者 は26%で 、 「立 て てい ない 」45%の 方 が は るか に 多 い。 大 学 生 活 にお い て は 、 学校 にお け る学 習 だ けで な く、学外 にお け る 自助 努 力 が 大切 な こ と もゼ ミな どを通 じて 学生 に意識 を持 たせ る こ とが 必要 で あ る。

問18の 「国家 資格 や検 定 の資 格 を取 る計 画 」 は、高 意識 が7割 近 くに達 して お り、

低 意 識 は12%だ けで あ る。 資格 取 得 が就 職 に有利 に な る とい う情 報 が学 生 の 間 に流 れ て お り、企 業 は即 戦 力 を求 め てお り、資格 は そ の証 明 にな る とい う誤 解 が あ る。

即 戦 力 が必 要 な らば 、専 門 学校 生 を採 用 すれ ば よい 。 将来 の 自分 の進 路 に必 要 な資 格 や 英語 力 の検 定等 は、 時 間 と金 をか け る意 味 が あ るだ ろ うが 、 大学 卒 者 に求 め ら れ て い るの は高校 卒 や 専 門 学校 卒 とは異 な った 巾広 い 教養 、論理 的思 考 力 、多 角 的 な視 野 、 リサ ー チカ 、 コ ミュニ ケ ー シ ョン能 力 な ど身 に付 け るの に 時 間が か か る能 力 で 、将 来 企業 の 中で 同世 代 の リー ダー にな る基礎 的 な能 力 で あ る。

大 学 にお け るキ ャ リア形 成 の 支援 の た めの教 育 は 、職 業観 、人 生 観 、 キ ャ リア デ ザ イ ンの構 築 な どに よっ て 、社会 へ の参加 と貢 献 、仕 事 を通 して の 自己実現 を学 生 に考 え させ る こ とで あ る。

問19の 「履歴 書 の 書 き方 や 面接 の受 け方 につ い て の授 業 」 は 、高 意識 が36%、 低 意 識53%で あ る。 法政 大 学 キ ャ リアデ ザ イ ン学 部2年 生 を対象 に昨 年4月 に行 っ た 調 査(以 後 「法政 調 査」 とい う)で は、高意 識18%、 低 意識72%で 本 学 の方 が 高い。

本 学 部 生 の方 が 、 実践 的教 育 を受 け るチ ャ ンス が あ った とい うこ とだ ろ うか。

問20の 「イ ン ター ンシ ップ とは何 か 」 につ い て は 、高意 識45%で あ るが 「ま っ た くわ か らない 」 も3人 に1人 で あ り、 「2」 評 価 の14%と あ わせ る と45%に な り、

2人 に1人 はイ ンター ン シ ップ につ い て1年 後 期 に な って も関心 を持 って い な い。

仕 事 と人 生 とい うよ うな青年 期 の基 本 課題 にっ いて の取組 み を、教 学 サ イ ドと して も真 剣 に考 え る必 要 が あ ろ う。

問21の 「社 会 で活 躍 した人 が如何 に して 自分 の能 力 を高 めて きたか 」 につ い て は、

84%が 「知 りたい 」 と答 え、低 意 識 は6%で あ る。 問25の 「社 会 で活躍 した人 の伝

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特別 寄稿 ● 大学 にお けるキャリア教育 の意 義と方法 記 や 自叙 伝 を読 み た い と思 い ま す か 」 は 、48%が 「読 み た い 」 と回 答 し、21%が

「そ うで は な い 」 と答 え て お り、 問21と 問25の 問 で 社 会 で 活 躍 した 人 の 能 力 開 発 や 活 躍 した 方 法 は 知 りた い が 、 自分 で 本 を 読 も う と は して い な い とい う大 き な ギ ャ ッ プ が あ る 。 学 習 方 法 に っ い て の 理 解 が 未 成 熟 で あ る が 、 関 心 は 持 っ て い る の で 、 授 業 な ど で 自 己 開 発 の 進 め方 に っ い て 指 導 す れ ば 効 果 が 出 る と思 わ れ る。

問22の 「職 業 の 選 択 や 進 路(就 職 、 大 学 院 進 学)の 専 門 家 が い れ ば 相 談 した い と 思 い ま す か 」 にっ い て は 、85%が 「相 談 した い 」 と答 え 、 低 意 識 は4%に 過 ぎ な い 。 学 生 は キ ャ リア 開 発 の 相 談 が 出 来 る人 を 強 く求 め て い る こ とが 分 か る。

問23の 「ブ リ・.一タ ー も ひ とつ の 進 路 と し て 考 え られ ま す か 」 に つ い て は 、 「考 え られ る 」 が16%、 「「考 え られ な い 」 が7割 で あ る。 「法 政 調 査 」 に よ る と、 「考 え ら れ る」 が23%、 「考 え られ な い 」 が54%で 、 本 学 部 の 学 生 の 方 が フ リー タ ー に っ い て シ ビア な 見 方 を して い る 。 財 団 法 人 経 済 広 報 セ ン ター の 「若 年 層 の 就 労 に 関 す る ア ン ケ ー ト結 果 報 告 書 」(2004年6.月)に よ る と 、 「フ リー タ ー と して 働 く こ と に は 問 題 が あ る 」 とい う回 答 が 全 体 で71%と な っ て お り、29才 以 下 は50%だ が 世 代 が 上 が る に つ れ て そ の 割 合 が 増 加 し、60才 以 上 で は80%以 上 を 占 め て い る 。 同 報 告 書 に

よ る と 「フ リー ター と して 働 く こ とに 問 題 は な い 」 と回 答 した 学 生 回 答 者 は38%に 達 して お り、 本 学 部 生 は き わ め て 堅 実 な 考 え 方 を して い る と判 断 され る。

問24の 「派 遣 労 働 もひ とつ の 進 路 と して 考 え られ ます か 」 に つ い て は 、 肯 定23%、

否 定52%で 学 生 が フ リー タ ー と派 遣 社 員 を 明 確 に 区 別 して 認 識 して い る こ とが うか が え る。 こ の 数 値 は 、 「法 政 調 査 」 の 「フ リー タ ー に 関 す る 問 」 へ の 回 答 に き わ め て 近 い 。 フ リー タ ー と派 遣 社 員 の 違 い につ い て は 、 非 正 規 労 働 の 増 加 と雇 用 形 態 の 多 様 化 な ど を ア ル バ イ ト体 験 等 に よ っ て 理 解 を深 め て い る の で あ ろ う。

問26の 「職 業 の 選 択 や 進 路 に つ い て 先 輩 の 話 を 聞 き た い と思 い ま す か 」 に っ い て は 、 「聞 き た い 」 が76%で 、 低 意 識 は9%で あ る。

ま た 、 問27の 「祖 父 母 の 話 を 聞 き た い と思 い ま す か 」 に つ い て も 、 「聞 き た い 」 が5割 で あ る。 学 生 は 、 キ ャ リア 相 談 の 専 門 家 、 先 輩 、 親 の 話 を 聞 き 、 参 考 に した い と望 ん で い る。 キ ャ リア の 相 談 を受 け る人 の 専 門性 の 向 上 と、 学 生 が キ ャ リア 相 談 に気 軽 に 行 く シ ス テ ム の 構築 が 進 め られ な け れ ば な らな い 。

㈹ 日本 私 立 大 学 連 盟 の 報 告 書 「大 学 教 育 と就 職 支 援 一 大 学 の 変 革 に 向 け て 一 」 (2001年9月)は 、 授 業 履 修 の 相 談 体 制 に つ い て 、 次 の よ うに 述 べ て い る。

『教 員 の 学 習 支 援 活 動 と して 、 ま だ 問 題 意 識 の 浅 い 学 生 に 対 す る履 修 ア ドバ イ ス が あ げ られ る。 科 目履 修 の段 階 か ら学 生 との 密 な コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン を 取 りな が ら、

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国 際 経 営 フ ォー ラムNo.16

学 生 の社 会 的 な関 心や 問題意 識 を 引 き出 し、そ れ をべ 一 ス に して 、幅 広 い 専 門 的知 識 の習得 を助 言 して い くべ きで あ る。

最 近 、複 数 の コー ス制 設定 に よ る多 くの必修 科 目群 の履 修 とい う伝 統 的 な履 修 方 法 か ら、カ リキ ュ ラ ムの履 修 にお い て学 生 の 自由選 択 の幅 を広 げ る努 力 が な され て い る。 ただ 、 自由選 択 の 余地 が 広 が る と、 ど うして も教 員 が積 極 的 に学 生 の履 修 科 目の選 択活 動 に入 って い か ざるを得 ない。 積 極 的 に相 談 相 手 に な り、履 修 につ い て 助 言 を与 えな けれ ば、学 生 時代 の貴 重 な 時 間が 浪 費 され る危 険性 が あ る。 未 熟 な学 生 が よ くわ か らな い ま ま に、 た とえ ば単位 習 得 が容 易 であ る とか 、時 間 的 に都 合 が よい とか とい う理 由だ け で、 関 心 も学 習意 欲 もな い の に科 目履 修 すれ ば 、学 生 の能 力 は ほ とん ど鍛 え られ ない か らで あ る。

特 に、就 職活 動 に直 接 つ なが るよ うな社 会 的 な 問題 を扱 う科 目の履 修 につ い て は、

学 生 の将 来 へ の夢 や 期待 を引 き 出 しな が ら、学 生 時 代 に習 得 してお くべ き総 合 的 な 知識 と専 門科 目群 の 選択 履 修 を学生 に助 言す る こ とが望 まれ る。 教 員 の助 言 を も と に 、選択 履 修 した 科 目群 の学 習 を進 めて い く と、 将 来 の進 路 が ます ます 明確 に な っ て い く場 合 が しば しば 見 られ る。 そ れ だ け 、教員 の助 言 が学 生 の将 来 設計 に とって 重 要 な役 割 を果 た して い る。』

(2)「 キ ャ リア に 関 す る ア ンケ ー トII」 お よ び 授 業 前 後(授 業 開 始 時/終 了 時)

の 比 較 につ い て(第1、2、3表) M1

問1の 「自分 の 将 来 の 職 業(進 路)は 、 決 ま っ て い る か 」 に つ い て ア ン ケ ー トII (授 業 終 了 時)で は 、 高 意 識41%(前 回39%、 以 下()内 は 前 回)、 中 間 層32%(28

%)、 低 意 識27%(33%)で3分 割 され て い る の は 前 回(授 業 開 始 時)と 同 様 で あ る が 、 少 しず つ 高 意 識 に シ フ トし、 「1」 は11%→5%に 減 じた 。

問2の 「自分 の 将 来(進 路)に つ い て 考 え る こ とが あ る か 」 に つ い て は 、 高 意識 89%(86%)、 中 間層9%(10%)、 低 意 識2%(4%)で あ るが 、「1」 が0%に な った 。

問3の 「自分 の 長 所 や 適 性 に つ い て 考 え る こ とが あ る か 」 に っ い て は 、 高 意 識71

%(70%)、 中 間層24%(20%)、 低 意 識6%(10%)で 、少 し高 意 識 に シ フ トした。

と りわ け 「5」 が22%→30%と な り、3人 に1人 は 自 己分 析 へ の 思 策 を 深 め つ つ あ る と思 わ れ る。

問4の 「自分 の 長 所 や 適 性 に つ い て 理 解 」 は 、 高 意 識42%(42%)、 中 間 層38%

(40%)、 低 意 識20%(18%)で 、 変 化 が 見 られ な い 。 授 業 に よ っ て 、 自 己理 解 が 不 足 して い る こ と を認 識 した こ と も考 え られ る が 、 指 導 に も うひ と工 夫 しな け れ ば な

(9)

特別 寄稿 ● 大学 にお けるキャリア教育 の意 義と方 法 ら な い と反 省 され る。 問3の 「長 所 や 適 性 に つ い て 考 え る こ とが あ る」 の 高 意 識 は 71%も あ る の で 、 自 己 理 解 の た め の 授 業 方 法 の 改 善 を急 が な けれ ば な らな い 。 これ に 関 連 して 問6「 長 所 や 適 性 に つ い て 友 達 と話 し合 う こ とが あ る」 は 、 高 意 識 が32

%(25%)に 伸 び 、3人 に1人 は 友 人 との 話 題 に 取 り上 げ て お り、 進 路 や 適 性 とい うテ ー マ が 学 生 生 活 に 入 り込 み つ つ あ る様 子 を うか が わ せ る。

問7の 「職 業 の 種 類 や 内 容 」 に っ い て は 、 高 意 識 が29%(31%)で 「1」 は6%

→4%に 減 じた 。 ア ル バ イ ト等 の 社 会 体 験 が 職 業 理 解 を 深 め る の に 役 立 っ て い る と 考 え られ る が 、 社 会 体 験 に よ っ て 自分 の 理 解 の 浅 さ を認 識 す る結 果 に な っ て い る の

で あ ろ うか 。

問9の 「仕 事 や 人 生 」 や 「働 く こ と の 意 味 」 に つ い て 考 え る こ とは 、 高 意 識 が65

%(62%)で 、 低 意 識 は16%→9%に 減 じた 。 これ に つ い て 、 「友 達 と話 し合 う」

者 は 、 高 意 識 が28%→32%に 増 え 、 「1」 が21%→13%に 大 き く減 じた 。 仕 事 、 人 生 な どの 青 年 期 の 発 達 課 題 に 向 き合 う姿 が 増 加 しつ つ あ る様 子 が 窺 え る 。

問11の 「職 業 経 験 」 に つ い て は 、 高 意 識84%(87%)で 、 ア ル バ イ トが 今 日の 学 生 生 活 と深 く結 び つ い て い る こ とが 感 じ られ る。

ア ル バ イ トを した 時 期 お よび 職 種 に つ い て は 、 次 の よ うで あ る 。 小 学 校 、 中 学 校(実 家 の 農 業 等 の 手 伝 い)… …4人

高 校31人 浪 人1人

大 学1年 生87人 大 学2年 生2人

コ ン ビ ニ(17人)、 ス ー パ ー(16)、 飲 食 店(9)、 居 酒 屋(7)、 家 庭 教 師(4)、

引 越 し(4)、 ホ テ ル(3)、 運 送(3)、 焼 肉 屋(3)、 マ ク ドナ ル ド(3)、 派 遣 バ イ ト(3)、 郵 便 配 達(3)、 パ ン屋(2)、 ケ ー キ 屋(2)、 レ ン タル 屋(2)、

レス トラ ン(2)、 本 屋(2)、 販 売 員(2)、 電 器 店(2)、 リネ ン 、 家 業(農 業)、

懐 石 料 理 店 、 ウエ イ ター 、 ウエ イ トレス 、 映 画 技 師 、 コー ヒー シ ョ ップ 、 薬 局 、 ホ ー ム セ ン タ ー 、 塾 、 映 画 館 、 ダ ン ゴ屋 、 プ ー ル 監 視 員 、 受 付 け 、 ケ ン タ ッ キ.̲̲.、倉 庫 内 の ピ ッ キ ン グ 作 業 、 ブ テ ィ ッ ク裏 方 、 テ ニ ス の コ ー チ 、 ス ー パ ー 、 ガ ソ リン ス タ ン ド、 家 業(生 コ ン)、 テ ー マ パ ー ク 、 住 宅 ハ ウス メ ー カ ー(お 茶 くみ)、 ゲ ー ム セ ン ター 、 結 婚 式 場 、 デ ィ ス カ ウ ン トシ ョ ップ 、 カ ラ オ ケ 店 、 旅 館

問12の 「自分 の 将 来 の職 業(進 路)を 考 え る た め に 、職 業 の 体 験(ア ル バ イ ト等) を した い と思 い ま す か 」 に つ い て は 、 高 意 識 が88%(85%)、 中 間 層6%(9%)、

(10)

国 際 経 営 フ ォ・一 ラムNo.16

低 意 識6%(6%)で 、 前 回 調 査 と あ ま り変 わ りは な い。

問14の 「職 業 の 選 択 や 進 路(就 職 、 大 学 院 進 学)」 にっ い て親 と話 し合 っ た こ と」

に っ い て は 、 高 意 識74%(72%)で 、 あ ま り変 化 は な い が 、 「1」 が7%→3%に 減 じ た 。

ま た 、 「友 達 と話 し合 っ た こ と」(問15)に つ い て も、 高 意 識 が59%(57%)で 変 化 は な い が 、 「1」 が8%→4%で 半 減 した 。 人 生 や 仕 事 の テ ー マ(問9、10)と

同 様 に 、 高 意 識 が 少 しだ け伸 び て い る が 、 グ ル ー プ ワー ク等 の 場 を作 り友 人 と議 論 す る 習 慣 を作 り出 す 必 要 が あ る と思 わ れ る 。

話 し合 うテ ー マ に つ い て 見 る と 、 「人 生 と仕 事 」 の 高 意 識 が 、 友 人 と の 間 で は31

%(28%)で あ り、 「職 業 の選 択 や 進 路 」 の 高 意 識 は 、 親 との 間 で は74%(72%)、

友 人 と の 問 で59%(57%)で あ り、 親 と友 人 とい う話 し合 い の 対 象 に よ っ て も か な り違 い が 出 て い る。 本 学 部 生 は 親 との 距 離 が 近 い と も考 え られ る。 しか し、 友 人 よ り親 と の 話 し合 い の 率 が 高 い の は 、 親 へ の 依 存 度 が 高 い と も 考 え られ る。

問16の 「将 来 の職 業 を 考 え て 、 学 校 の 計 画 を 立 て て 」 い る者 は48%(43%)で 、 前 回 よ り5%伸 び た。 「立 て て い な い 」 は16%で 前 回 の21%よ り5%改 善 した 。

問17の 「将 来 の職 業 を 考 え て 、 学 校 以 外 の 場 に お け る 学 習 計 画 を 立 て て い る 」 は 38%で 、 前 回 の26%よ り12%も 伸 び た。4割 の 人 が 将 来 の 職 業 を 考 え て 能 力 開 発 に 取 り組 ん で い る の は 、 頼 も しい こ と で あ る。

問18の 「国 家 資 格 や 検 定 の 資 格 を 取 る計 画 」 は71%で 、 前 回 の69%と あ ま り変 化 が な い が 資 格 取 得 へ の 関 心 は き わ め て 高 い もの が あ る 。

問21の 「社 会 で 活 躍 し て い る人 が 如 何 に して 自分 の 能 力 を 高 め て きた か 」 に つ い て は 、8割 が 「知 りた い 」 と回 答 した 。 前 回 と比 し変 化 は 少 な い 。 これ に 関 連 して

「社 会 で 活 躍 した 人 の 伝 記 や 自叙 伝 を 読 み た い と思 い ま す か 」 は 、53%の 人 が 読 み た い と回 答 して お り、 前 回 の48%を か な り上 回 っ た 。 しか し、 社 会 で 活 躍 した 人 の 能 力 開 発 の 方 法 を知 りた い 人 が8割 で あ る の に 、 本 を読 み た い 人 は53%で 前 回 同様

に 大 き な ギ ャ ップ が あ る。

問22の 「職 業 の 選 択 や 進 路(就 職 、 大 学 院 進 学)の 専 門 家 が い れ ば 相 談 した い と 思 い ま す か 」 に つ い て は 、77%が あ 「相 談 した い 」 と答 え て い る が 、 前 回 の85%よ

り8%減 少 した 。 何 故 で あ ろ うか 。 「相 談 す る こ と」 と 「結 論 が 出 せ る こ と」 の 違 い に 気 づ い た の か 、 自分 自身 で 考 え て い くべ き で あ る と思 い 始 め た の か 、 キ ャ リア に つ い て 何 か 手 が か りを つ か め た の か 、 い ろ い ろ考 え られ る。

問23の 「フ リー タ ー 」 に つ い て は 、 肯 定 的 な意 見 が16%→13%に な っ た 。 否 定 的

(11)

特 別 寄稿 ● 大学 にお けるキャリア教育 の意 義と方法 な 見 方 は7割 で 変 わ らな い 。

問24の 「派 遣 社 員 」 に つ い て は 、 肯 定 が23%一 →22%、 否 定 が52%→51%で 変 化 は 見 られ な い 。

問26の 「職 業 の 選 択 や 進 路(就 職 、 大 学 院 進 学)に つ い て 、 先 輩 の 話 を 聞 き た い と思 い ます か 」 に っ い て は 、 「5」 が41%→31%に 激 減 した が 、 「4」 が35%→43%

で 、 合 計 す る と あ ま り差 は認 め られ な い 。

問27の 「親 や 祖 父 母 の 話 を 聞 き た い と思 い ま す か 」 に つ い て は 、 「聞 き た い 」 が 50%→56%へ 増 え 、 低 意 識 は23%→17%へ 減 じた 。 人 生 の 先 輩 と して の祖 父 母 に 対 す る見 方 が キ ャ リア 学 習 に よ っ て 変 わ りつ つ あ る の で は な い だ ろ うか 。 レポ ー トの 作 成 で 、 祖 父 母 の 体 験 を ま とめ た 者 も多 く、 祖 父 母 の 人 生 や キ ャ リア 形 成 を 聞 く こ と に よ っ て 多 くの こ と を 学 ん だ と感 じ る者 も 多 数 お り、 そ の こ と に よ っ て祖 父 母 に 対 す る 関 心 が深 ま っ た と考 え られ る。 とか く希 薄 に な りが ち な 親 子 や 家 族 の紐 帯 が 、 祖 父 母 の ライ フ ヒ ス ト リー を 聞 く こ とに よ っ て 強 化 され る な ら ば 、 キ ャ リア 教 育 は 家 庭 教 育 や 祖 父 母 を 通 じて 社 会 との つ な が りを 実 感 させ る教 育 の 有 力 な 方 法 に な る 可 能 性 を持 っ て い る と言 え る の で は な い だ ろ うか 。

(3)「 キ ャ リア形 成論 」 の授 業 項 目別 の 学生 評 価(第4表)

キ ャ リア形 成 論 は、2004年9月30日 か ら2005年1月13日 まで 、計13回 。 シ ラバ ス に 沿 い な が ら適 宜 修 正 を加 えた。

授 業 項 目を次 の グル ー プ に分類 して 、学 生 の評 価 を検討 す る。

1)キ ャ リア形 成 の基礎

キ ャ リアガ イ ダ ン ス、仕 事 と人 生

2)キ ャ リア形成 に 関す る理 論(レ ビン ソン他) 生涯 発 達 理 論 、産 業 組 織 心理 学 、キ ャ リア 理論 3)社 会 の変 化 と働 き方 の 多様 化

経 営環 境 の変化 と企 業 の対応 、社 会 が 求 め る能力 、エ ンプ ロイ ヤ ビ リテ ィ、ア メ リカ のホ ワイ トカ ラー の働 き方 、雇 用機 会 均 等 法 と女 性 の働 き方

4)自 己理解 とアセ ス メ ン ト

交流 分析(エ ゴグ ラム)、VPI職 業興 味テ ス ト等 5)日 本 企 業 とキ ャ リア形 成

経 営組 織 の仕組 み とマネ ジメン ト理論 、労働 者 の権利 と労働 法 、企業 内教 育 とキャ リア形 成

(12)

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6)キ ャ リアデ ザ イ ンの作 り方 、進 め方

キ ャ リア 目標 と仕 事 の選 択 基 準 、 キ ャ リアデ ザ イ ンの考 え方 、企 業 内の キ ャ リア 支 援 制度

7)起 業 とア メ リカ の大 学 の教 育

8)レ ポ ー ト 「先 輩 の職 業 選択 と職 業 能力 の 開発 」

① キ ャ リア形成 の基 礎 につ い て

キ ャ リア 開発 の 手順(キ ャ リアガ イ ダ ン ス)は 、有 効71%、 無 効11%。 自己理 解 や 職 業 理解 にっ い て 、 課題(例 えば 、 「自分 の 長 所 と短所 」)を 出 して3‑5分 ノー ト に書 かせ 、 そ の 後5‑10分 ほ ど5‑6人 で グル ー プデ ィス カ ッシ ョン させ た。 グル ー プ ワー クを取 り入 れ たの で 参画 意識 が 高 ま った と思 われ る。 現在 、全 国 の大 学や 高 校 で キ ャ リア教 育 が成 果 を上 げっ っ あ るが、福 岡城 南 高校 で1年 生 か らキ ャ リア教 育 を導 入 し、 目的意識 を持 って 学ぶ こ とで希 望 す る大 学へ の進 学 率 が い っ き ょに3割 ア ップ した ケー ス を、VTR「 あな た の夢 は何 です か」 を見せ た後 、 グル ー プデ ィス カ ッシ ョンを入 れ た。 肯 定 的評 価 が65%に 達 した。

② キ ャ リア形成 に 関す る理 論 につ い て

生涯発 達 と青年 期 の課題 、産 業組 織心理 学(テ イ ラー 、人 間関係論 、行動 科学 等)、

キ ャ リア理 論(パ ー ソンズ 、 スー パ ー 、 レ ビン ソ ン等)は 、有 効53%、 無 効9%。

実社 会 経 験 の少 ない 学 生 に対 して は 、理 論 の授 業 は相 当に 工夫 を要す る こ とを実感 した。

③ 社 会 の変化 と働 き方 の多 様化 につ い て

「企 業 が 求 め る能 力 」 につ い て は 、有 効72%、 無効4%で 高 い評 価 で あ る。 具 体 例 や 経 団連 等 の ア ンケ ー トを引用 す る こ とで理 解 が深 ま った と考 え られ る。 私 自身 が大 学 生 の採 用 を担 当 してい た こ とが役 立 っ た と思 われ る。 女 性 の働 き方 が変化 し て きた こ とを、 プ ロジ ェ ク トX「 女 達 の10年 戦 争 一雇 用機 会均 等 法 」 を見 せ て 考 え させ た。 有 効37%、 無 効19%、 中 間層44%。 母親 の 時代 には 、定 年年 令 に男 女 差別 が あ った こ とに驚 き の声 が上 が っ た。 先 輩 た ちの努 力 と苦 労 に よって雇 用機 会 均 等 法 が 出来 た のだ か ら、 さ らに女 性 が活 躍 で き る社 会 の実現 に力 を尽 く して も らい た い 、 とい う解 説 に女 子 学 生 が うなず く姿 が見 られ た。 時 間 の 関係 で30分 程度 しか見 せ られ なか った の で理解 が十 分 で な い者 も出 た と思 われ る。

④ 自己理解 とアセ ス メ ン トにつ い て

キ ャ リア形 成 の 重 要 な ポイ ン トで あ る 自己理解 を進 め る 目的 で 、交流 分 析 の エ ゴ

(13)

特別 寄稿 ●大学 にお けるキャリア教育 の意義 と方 法 グ ラム(対 人 的 な性 格 分 析 テス ト)を 試 み た。 有 効77%、 無 効6%。 数 人ず つ の グ ル ー プで テ ス ト結果 につ い て話 し合 い を させ た とこ ろ、議 論 が活 発 で あっ た。 ホ ラ ン トの 開発 したVPI職 業 興 味テ ス トは、 有 効77%、 無 効5%。 これ も、 進 路や 職 業 と 自分 の適 性 を考 え るき っか け と して 十分 な成 果 を上 げた。

⑤ 日本 企 業 とキ ャ リア形成 につ いて

「日本 の企 業 内教 育 とキ ャ リア 開発 」 で は、組 織 論 、労働 法(労 働 基 準法 な ど労 働 者 の権 利 を 中心 と して)、 企 業 内教 育 の現 状 につ い て解 説 した。 有効54%、 無 効 7%。 近鉄 とオ リ ックス の合併 を例 に して、 労働 組 合 、労働 三権 、選 手会 とス トラ イ キ等 を話 した ら関 心 が深 ま った 。 自己 申告 、社 内公 募 、FA制 等 の企 業 内 の キ ャ

リアデ ザ イ ン支 援 制度 の現 状 と課 題 につ い て の講義 は 、有 効62%、 無 効6%。

⑥ キ ャ リアデ ザ イ ンの作 り方 、進 め方 につ いて

キ ャ リア 目標 の作 り方 や職 業選 択 の具 体的 な基 準 に 関す る考 え方 につ い て の講 義 は 、有 効 とい う回答61%、 無 効8%で 、1年 生 が 理解 す るの にはや や 難 しいテ ー マ で あ っ たが 、職 業 選択 の方 法 に つ い て の学習 は 出来 た と思 われ る。

⑦ 起 業 とア メ リカ の大学 の教 育

今 後 、 日本 にお い て も若 者 の起 業 が増 え る と思 われ るの で、VTRで ス タ ンフ ォー ド大学 の教 育風 景 を見せ 、解 説 した。 有 効73%、 無 効6%で 、 学 生 の 関心 の 高 さを 感 じた。 「1」 は0%で あ った。

⑧ レポー ト 「先 輩 の職 業選 択 と職 業 能 力 開発 」 につ い て

「一人 の人 を選 ん で、 次 の こ とを論 述 せ よ」

① 今 の仕 事 を ど うして選 ん だ のか(こ れ まで の職 業 遍歴 と現 在 の仕 事 の決 定 要 因)

②職 業能 力 を ど うや って 向 上 させ て きた のか

③ 現在 の仕 事 の喜び と苦 しみ とい う課 題 の提 出 を求 めた。

祖 父母 等 の 肉親 や アル バ イ ト先 の経 営者 等 の ライ フ ヒス トリー の作成 を通 じて 、 キ ャ リア形 成 に関す る ヒン トを探 し当て た学 生 が 大勢 い る。 「面 白か った 」 「将 来 の 進 路 に向 う勇 気 が 出 た」 等 の感 想 が 出 され てい る。 有 効64%、 無 効10%。 人 に会 っ て調 査 す る こ との意 義 につ い て も理解 が深 ま った と思 う。

4.考 察

(1)大 学 生 の意 識 調査 か ら見 た キ ャ リア形成 に 関す る考 察

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国 際 経 営 フ ォー ラムNo.16

① 自分 の将 来 の職 業(進 路)に つ い て は、決 ま って い る者 、決 ま って い な い者 、 中間層 で3分 割 され るが 、決 ま って い ない者 も 日頃か ら進 路 につ い て考 えて い る。

② 自分 の長所 や 適 性 につい て 考 えて い る者 は7割 に達 してい るが 、か な り理 解 で きて い る と回答 してい る者 は4割 で あ り、 これ につ い て友 達 と話 し合 って い る人 は

3〜4人 に1人 で さ らに少 ない 。

③ 自己分析 テ ス トや職 業適性 テ ス トへ の理 解 は 同年 代 の人 達 に比 し高 い と思 われ る。 入 学 時 の就 職 部 に よ る 自己理解 テ ス ト等 に よ り、 自分 へ の 関心 が深 ま って い る

と思 われ る。

④ 「職 業 の種 類 や 内容 」 につ い て は3分 の1の 人 が理 解 して い るが、2人 に1人 は 高校 まで に教 育 を受 けた こ とが な い。 本 学部 生 は主 と して進 学 校 出身者 で大 学 受験 以外 に精神 的 、時 間的余 裕 が な い状 態 にあ った ど想 定さ れ る。 大 学 お よび 学 部選 び に際 して 、将 来 の進 路 との結 び つ きが希 薄 で あ る と考 え られ る。

⑤ 「仕 事 と人 生 」や 「働 くこ との 意 味」 につ い て考 えて い る者 は6割 強 い るが 、 これ につ い て友 達 と話 合 って い る者 は約3割 で考 えてい る者 の半数 に充 た ない。 自 分 の長 所 や 適 性 と同様 に、 友達 と意 見 交換 す る習 慣 が必 要 で あ ろ う。 授 業 で 、 そ の 必 要性 を言 った後 、数 人 の学生 が 「話 合 い は ど うや って進 めれ ば い いん で す か」 と 質 問 に きた。 話合 い方 の 指導 や 話合 い の機 会 が求 め られ て い る。

⑥ アル バ イ トが学 生 の 日常 に密 接 に結 び つ い てお り、 自分 の 将来 の職 業(進 路) を考 えて アル バ イ トを した い とい う学生 も多 い。

⑦ 「職 業 の選 択 や 進 路(就 職 大 学院 進 学)に つ い て」 は7割 以 上 が親 と、6割 弱 が友 達 と話合 って い る。 友 達 よ り親 と話合 う比 率 が 高 く、親 との 関係 が近 い こ と

を感 じさせ る。 「法 政調 査 」 で は、2年 次4月 で は親 と友 達 との 問 に差 が な く、2 年 次12月 調 査 で は 「親 と」 が67%で あ るの に比 して 、 「友 達 と」 が79%に 急伸 して お り、2年 次 の1年 間 の変 化 が 大 き い こ とを示 して い る。 高校 まで は友達 関係 を作 る こ とが難 しい環境 に置 かれ て い る ので あ ろ う。 社 会 状 況 と青 年 期 の発 達 が深 い 関 係 に あ る こ とを窺 わせ る。

⑧1年 次12月 に 、将 来 の職 業 を考 えて授 業 計画 を立 て てい る」 者 は48%、 「学 校 以 外 の場 にお け る学習 計 画 を立 てて い る」者 は38%で 、意 識 は かな り高い と思 われ る。 「法 政調 査 」 で は 、 キ ャ リアデ ザ イ ン学 部 で 、 キ ャ リア に関 す る授 業 を1年 間 受 けた後 とい う特殊 な状 況 で あ り、 ま た 自己の キ ャ リア形 成 に 関心 を持 っ 学 生 が多 い集 団 を対 象 と した ア ンケ ー トで あ るが 、2年 次4月 の意識 調 査 で授 業計 画 は58%、

学校 以外 の学習 計 画43%と い う数 値 に な って い る。

(15)

特別 寄稿 ●大 学にお けるキャリア教 育の意 義と方 法

⑨ 国 家資 格 や検 定資 格 の取得 に対す る意欲 が 高 いが 、資 格 取 得e就 職 に有利 とい う風潮 に影 響 され て い る面 が強 い と考 え られ る。

⑩ イ ン ター ン シ ップ につ い て 関心 が薄 い学 生 が1年 後 期 に なっ て も45%い る。 変 化 の 時代 に対応 して 、生涯 学 習 と 自己防衛 上 も キャ リア ガイ ダ ンス、 キャ リア相 談 、 イ ン ター ンシ ップ(啓 発 的職 業 体験)の 重 要性 を認 識 させ る必 要 が あ る。

⑪ 職 業指 導 の 専 門家 、先輩 、祖 父母 の話 を聞 き たい とい う意欲 は 高 い。

⑫ フ リー ターや 派 遣 社 員 につ い て の意 識 を 「法政 調 査 」 と比 較す る と、次 の通 り で あ る。

本 学 「キャ リア形成論 」1年 次後 期 法政「キャリアデザイ ン論」2年次通期

調 査 時 期

Zoo4.9 2005.1

2004.4 2004.12

フ リ ー タ ー

肯定 16% 13% 23% 20%

否 定 70% 70% 54% 63%

派遣社員 肯定 23% 21% 33% 22%

否定 52% 51% 37% 50%

フ リー ター や 派遣 社 員 につ いて本 学部 生 の 方 が シ ビア な 見方 を して い る。 キ ャ リ ア形 成 に対 して真 面 目な取組 み が期 待 で き る可能 性 が あ る。 また 、授 業 、ゼ ミナ ー ル 、アル バイ ト等 の社 会 体 験 、 キ ャ ンパ ス ライ フな どに よっ て学 生 の考 え方 が短 期

間 に大 き く変 わ る様 子 が うかが われ る。

(2)授 業 評価 とFD

① キ ャ リア ガイ ダ ン スや 自己理解 は 、キ ャ リア形成 の基礎 で ある と とも に、人生 、 仕 事 、友 情 、恋 愛 等 の青年 期 の課 題 に取 り組 む 知識 や 技 法 、 思考 方 法 を学ぶ こ とで

も あ る。 学 生 が 、授 業 に積 極 的 に参加 す る よ うに グル ープ デ ィス カ ッシ ョン等 を取 り入れ 、参 画型 の学 習 形態 を とる こ とが望 ま しい 、 と思 われ る。,

② キ ャ リア形 成 に 関す る理 論 の 講義 は、 学生 の レデ ィネ ス(成 熟 度 、準備 度)に よって受 け入 れ方 が異 な るので 、 ケ ー ス ス タデ ィや 産 業界 で起 って い る具体 例 を話 しなが ら理 解 しや す い よ うに工 夫 す る こ とが 求 め られ る。

③ 実 社 会体 験 の少 ない学 生の理解 を深 めるために、適 切 な映像 の使 用 、社 会 人 講 師 による実 体験 談 、若 者 の就 労支 援 施設 の見 学会 等で 臨場 感 を引き出す ことが望 まれ る。

④ 自己理 解 のた め の アセ ス メ ン トは、学 生 が 興 味 を持 ちや す く、 主体 的 に参 加 で き るので 学生 評価 は 高 いが 、 半年13〜14回 の授 業 な ので2回 程 度 しか 実施 す る時 間

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国 際 経 営 フォー ラムNo.16

が ない。 自己理解 テ ス ト後 の解 説 、 フ ィー ドバ ック、希望 す る学 生 へ の個 別 キ ャ リ アカ ウンセ リン グが効果 を持 ち得 るポイ ン トで あ ろ う。1年 生 の基礎 ゼ ミの授 業 で 、

自己理解 をテー マ にデ ィス カ ッシ ョンす る こ とも必 要 と思 われ る。

⑤ 日本 企 業 とキ ャ リア形成 につ い て は 、企 業 の人 事 部 門 の ス タ ッフや キ ャ リア形 成支 援 担 当者 の現 場 の話 を聞 くこ と、会社 の オ フ ィスや生 産 工 場 を訪 問 す る こ と も 考 え られ る。1年 次 を基 礎 理解 、2年 次 を フ ィール ドワー クの年 と位 置 づ け る と2 年 の演 習 で 見学 会 を行 な い、 イ ン ター ン シ ップ につ な げ るこ とが 出来 よ う。

⑥ レポー トで職 業 人 を訪 ね て 、仕 事 の 内容 や 労働 に まつ わ る喜 び、 苦 しみ を聞 く 作 業 は、 学生 間の個 人差 はあ る もの のか な り効果 的 で あ った と思 われ る。 学 生 か ら

も レポー ト学 習 につ い て 自分 の体 験 を積 極 的 に話 しか けて く る こ とが多 い。

⑦ 働 き方 の多様 化 へ の対応 につ い て

女子 学 生 は、結 婚 、 出産 、育 児 とい う男性 とは違 う役 割 が あ り、仕 事 との兼 ね合 い で キ ャ リア デ ザイ ン につ いて 悩 む こ とが 多 い。 これ につ いて 、雇 用 形 態 の変 化 、 雇 用 ポー トフォ リオ、育児 ・介護 休 業 、ポジテ ィブ ア クシ ョン、SOHO(smalloffice,

homeoffice)に つ い て説 明 した が 、 も っ と具 体例 を集 め て 特別 の 能力 を持 っ た ひ とで な く普通 の女性 が どん な生 き方 、働 き方 が 出来 るか を講義 す る必 要 が あ る。 今 後 の重 要 な課題 で あ る。

5.提 言

① グ ル ー プ ・エ ン カ ウ ン タ ー の 導 入

自分 の 長 所 や 適 性 、仕 事 と人 生 、 働 く こ との 意 味 に っ い て 考 え て は い る が 、 友 達 と話 す ま で に な っ て い な い 学 生 が 多 い 現 状 を考 え る と、 自 己 理 解 や 自 己 開 示 を 進 め や す い 方 法 と して グル ー プ エ ン カ ウ ン タ ー の 導 入 を試 み る価 値 が あ る と思 わ れ る 。 グル ー プ ・エ ン カ ウ ン ター は 、 グル ー プ ・カ ウ ン セ リ ン グ の ひ と っ で グル ー プ 独 自 の ダ イ ナ ミズ ム を 活 用 して 、 心 の ふ れ あ い 体 験 と 自 己発 見 に よ り人 間 的 成 長 や キ ャ リア 形 成 を進 め よ う とす る 心 理 プ ロセ ス で あ る。 メ ンバ ー は 、8〜10名 程 度 で メ ン バ ー の 心 理 的 成 長 を 高 め よ う とす る も の で 、 エ ン カ ウ ン タ ー の 技 術 を習 得 した カ ウ ン セ ラ ー(フ ァ シ リテ ー タ ー と 呼 ぶ)が リー ドす る。 フ リー ・デ ィ ス カ ッ シ ョ ン よ りも入 りや す く、 グ ル ー プ ・エ ン カ ウ ン タ ー で 発 言 す る力 を つ け て か ら グ ル ー プ ・ デ ィ ス カ ッ シ ョ ン に入 る と 円 滑 に行 く と思 わ れ る。

② コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン能 力 と ア サ ー シ ョ ン ・ トレー ニ ン グ

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特別 寄稿 ●大学 にお けるキャリア教 育の意 義と方 法 日本 経 団連 が毎 年 実施 してい る 「新 卒者 採 用 に 関す るア ンケ ー ト調 査(2004年)」

に よ る と、企 業 が採 用選 考 で重視 す る能 力 の第1位 は 昨年 に続 い て 「コ ミュニ ケー シ ョン能 力 」 で あ る。 コ ミュニ ケ ー シ ョンは 、 自己 を表 現 ・主 張す る能 力 と他 人 の 表 現 ・主 張 を聞 き とる能力 の両方 が求 め られ る。 自己を主 張 す る能 力 の開発 のひ と つ に 、 アサ ー シ ョン ・トレー ニ ングヵミあ る。 アサ ー シ ョン は 「自分 も相 手 も大 切 に した 自己表 現 」 と言 われ 、 「自分 の意 見 、考 え、欲 求 、気 持 な どを率 直 に 、正 直 に 、 そ の 場 の 状 況 に あ っ た適 切 な方 法 で述 べ る こ と」(日 本 産 業 カ ウ ンセ リン グ学 会 監 修 「産 業 カ ウンセ リン グ:ハ ン ドブ ック」金 子 書 房)と 定 義 され る。 攻 撃 的 な議 論 や 非 主 張的議 論 と異 な り、相 手 の 納得 も得や す い 自己主 張 の方 法 で 、 自分 も相 手 も Win‑Winの 関係 と表 現 され る こ ともあ る。 ロー ル プ レイや ビデ オ等 に よっ て教 育す

る こ とが可 能 だ と思 われ る。

③ ジ ョハ リの 窓の 活 用

ジ ョハ リの 窓 とい う考 え 方 が あ る。

Aは 、 自分 に つ い て 自分 も他 人 も知 っ て い る領 域 で あ る。 「よ く気 が つ く」、 「責 任 感 が 強 い 」、

「時 間 に ル ー ズ で あ る 」 等 の 自 分 自身 が 知 っ て い る こ とは 自分 で 改 善 す れ ば よ い 。

Bは 、 自分 は 知 っ て い る が 他 人 が 知 らな い 部 分 で 、 他 人 に 見 せ て な い だ け だ か ら、 自分 で 改 良 発 展 させ て 行 け ば よ い 。

自 分

知 って い る

知らない 知

A C

い る

知 ら

B D

Cは 、 自分 は気 がつ い てい な い が 自分 の こ とを他 人 が知 っ てい る領 域 で あ る。 企 業 で は 、上 司が部 下 の長 所 を見 抜 い て伸 ば し、短所 を改 め させ て能 力 開発 に努 め るが、

部 下本 人 の気 づ か ない 部 分 を引 き出 す の が上 司 の手 腕 であ る。 学 校 で は 、指 導 教授 や 友 達 が 当人 の か くれ た長 所 を見 つ け、 引 き出す 役 割 を負 っ てい る。

Dは 、 本 人 も周 囲 も気 がつ い て い な い"自 分"で あ る。 若 い学 生 は 、 キ ャ リア 形成 を考 え る際 に、 自分 の狭 い経 験 だ けで得 意 と不得 意 、長 所 と短 所 を決 め るのは もっ たい ない。 このDの 部 分 を 、読 書 、 友 達 との議 論 、旅 行 、音 楽 、絵 画 鑑 賞 、 ス ポ ー ツ等 に よっ て充 実 させ 、新 しい 自分 を どん どん拡 大 して行 くこ とが期 待 され る。 大 学 生 活 は、Dの 部 分 を広 げ て い く時 期 で もあ る。 大学 はそ れ を サ ポー トす る役 割 を 負 っ てい る。

④ リー ダ ー シ ップ訓 練

リー ダー シ ップ は講 義 だ けで な く実 践 に よっ て習得 出来 る もの で あ り、 タテ 社 会

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国 際 経 営 フ ォー ラムNo.16

で は ない 学 生時 代 こそ実 践能 力 習 得 の チ ャ ンス で あ る。 そ れ には ゼ ミの 場 を活 用 す る こ とが 出来 る。 ゼ ミ開始 時 に15〜20人 のゼ ミ生 に このゼ ミで この1年 何 をや りた いか 議論 させ る。 そ うす る と企 業訪 問 、旅 行 、飲 み 会 、他 のゼ ミとの交 流等 の沢 山 の要 求 が 出 て くる。 それ ぞれ の項 目に1〜2名 の責任 者 を希 望 に よって決 定 し、 そ の項 目(プ ロジ ェク ト)の リー ダー と して ゼ ミ生 全 員 を リー ドす る こ とにす る。例 えば 、企 業 見 学 の場 合 には 、訪 問先 の決 定 、企 業 との 交渉 、 日程 調 整 等 生 きた マ ネ ジ メ ン トの勉 強 に な る。

⑤ 読 書 発 表会 に よ って批 判 力 を養 成

学 生 を見 る と読 書 量 が 不足 して い るだ けで な く、ハ ウツー本 に頼 って い る こ とが 多 い。2年 生 の演 習(15〜20人)で 、総合 雑 誌 を読 ん で興 味 の あ る論 文 や 記 事 を5 分程 度 で他 の メ ンバ ー に紹 介 し、3〜4分 でそ の内容 につ い て批評 す る 、 とい うこ とを実施 した。 「総合 雑 誌 って何 で す か」 とい う質 問 が 出た ので 図書館 につれ て行 っ て、文 芸春 秋 、諸 君 、 中央公 論 、世 界 な どの棚 でバ ックナ ンバ ー の所在 を知 らせ る。

読 み 、 書 き、 計算 の能 力 は神 大 生 は相 当 に高 い。1回 目は原稿 用 紙 に書 い て きて 読 み 上 げ るが、2〜3回 や る と急 速 に上 達 す る。 しか し、批 評 につ いて は著 者 の考 えが 白紙 に絵 具 で描 くよ うに そ のま ま受 け入れ られ る こ とが多 い。 例 えば 、 自衛 隊 のイ ラ ク派 遣反 対 の文 を読 め ば反対 派 に な り、賛 成 の 文 を読 めば簡 単 に賛 成 意 見 に な る。 知 識 も少 な く、思 考力 の トレー ニ ン グが 出来 て な い若者 の批 判 力 を鍛 え る に は、デ ィ ベ ー トや 自分 の考 え と異 な る立 場 か ら発 見 させ る等 、 多面 的 な ものの 見方 を養 成 す る努 力 が必 要 で ある。 自分 の頭 で考 え る こ とが 出来 る若 者 が少 な いか らこ そ 、 そ うい うこ とが 出来 る若者 は光 るので あ る。

⑥ シ ョー ウ ィン ドウの外 を見 る発 想

「試 験 に選 択 問題 は 出 ます か 」 と聞 いて くる学 生 が い る。 「下 記 の5つ の項 目の 中か ら正解 を選 べ 」 とい う学 習 の仕 方 で 育 って くる と、選 択 肢 がな い と ど うして よ い か手 がか りが ない。 これ は、学 生食 堂 に行 って 、 そ こ に並べ て あ る もの の 中か ら 昼食 を選 ぶ の と同 じで 、本 当に食 べ た い ものが分 か って い るわ けで は ない。 私 は 、 これ を 「シ ョー ウィ ン ドウの 中の 自己決 定 」 と呼 ん でい る。 シ ョー ウィ ン ドウの 中 に飾 られ て は じめて 自分 の視 野 に入 って くる。 コ ン ピュー タ に よ る情 報 検 索 がや り 易 くな った今 日にお い て は、特 に この こ とを意 識 す る必 要 が あ る。 シ ョー ウ ィン ド ウの 外 を見 る意 識 を持 つ こ と、不測 の事 態 へ の対応 方 法 と して5つ く らい の解 決 策 を考 え 、そ の 中か ら最 適解 を選 ぶ とい うプ ロセ ス を 自分 で 作 る こ と等 を学生 とい っ し ょにや ってみ せ る こ とで 、問題 発 見 能 力 と問題 解 決 能 力 が 向上 す る と思 われ る。

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特別 寄稿 ●大 学 にお けるキャリア教 育の意 義 と方法

第1表 キ ャ リア に 関 す る ア ン ケ ー ト1(授 業 開 始 時2004.9)

5… 一 とてもそ うで ある 4・・… か な りそうであ る 3… 一 どち らともい えない 2・・… あ ま りそうで はな い 1… ・・ま ったくそうで は ない

回 答 項 目 貫 間 項 目

5 4 S 2 1 計

4696%%%

1.自 分の将 来の職業 は{進 路 ンは、戻 まっ ていますか。

27 i2% BO 27% 63 28艶 50 22% 23 11% gas

一.‑

2.自 分 の将 来の職業(進 路)に つい て、考 えること摂 あ ります か。

aas 47% 88 39瑞 za 10% 7 3% 1 1% 2za

3.自 分 の長 所や適性 につ いて考え るこ とが あ りますが。

49

10B 48瓢 45 2091 18 3% 223

4.自 分 の長 所や適性 につい て理解 してい ると思いますか。

2174 3376 88 AO% 32 14% T 4% 122

5.自 分の長所 や適性 を知 るた めに、 自己分析 テス トや職業 遭性テ

ス トを受 けたこ とが あ りますか。 73 33% $1 27% 24 11脂 15 7!6 50 2296 223

8.お 互 いの長所や適性 に っいて友達 と話合 うことがあ りますか。

17 8% 37 1フ鴨 7i 3276 58 25晃 42 18% 223

7.職 業 の種 類や内容 につ いて理解 しています カ㌔

11 5% 57 26橘 97 A3% 45 20瓢 13 6X 223

8.綱 類禰 こつい て教育 を受 けた こ痂 醗1ず か。そ れ はいっ頃 です か。{具 体的 に 「高校1年Jと い うよ うに回 答 して

くだ さい 】 31 15帖

19駕 33 16% 40 19弘 68 six 212 9.「 仕事 と人生」や 「働 くこ との意味 」につ いて考え るこ と炉 あ

りますかa ⑤o 2'791 η 35讐 48 22曳 29 13瓢 9 3% 223

10.「 仕事 と人生」や 「働 くこ との意味 」につい て友逢 と話合

うことが あhま す か。 25 11瓢 38 17% 66 30% 46 21鷲 48 21ii 223

lE.こ れ までに家業の 手伝 い ヤアルパイ トな ど職 業の経験 を し たこ とが あ ります か。 それは 、いつ頃 ですか0(具 体的に 「大学1

年 」 としL〕身」並 蔓 回笠 』工 ≦凱) i4a 65% 48 227E e 4% 4ti 7% 21了

12.自 分の将 来の職業(進 路}を 考 えるために、職業 の体験

(アルバ イ ト等)を したい と思 います か。 iii 59% 57 26覧 20 9% 7 3% 7 3% 222

13.中 学。 ・高校時代 に進学 以外 の進踏 や羅業の選 択につ いて 指導を受 けた ことがあ ります か。それ はいつ頃 ですか。(具 体的 に

「高校1年1と い う」Lユに回笠 して くだ ざい) 44 20% 34 15曳 30 14% 27 12X 86 39% 221

14.職 業 の避 択や進 踏(就 職 、大学院進 学)に ついて親 と話

合 った こ とがあ りますか。 82 37% n 35瓢 27 12瓢 2116

'

1% 223 15.職 業の選 択や進略(就 職、 大学院進学)に っ いて友達 と話

合 った ことがあ ります か0 50

7$ 35% 48 22% 28 13瓢 18 8% 223

1fi.将 来の職 業を考 えて 、学校の授 業計面 を立ててい ますか。

33 i5x 64 29% 77 35% 30 13瓢 ss 8% 223

17.将 来の職 業を考えて 、学校以 外の場にお け る学習計 画を 立て

てい ます か。 27 12% 32 14穐 B5 29鴨 50

49 23% zza

18.国 家資格や按 定の資格 を取 る計 画炉あ りますか。

8B

56 281[ 42 19% 10 4X 17 8覧 223

19.履 歴書の 書漏 面接 の受 け方につ いて授 業 を受 けた こ と があ りま すか。それは いつ頃 ですか。(具 体的 にf高 校1年 」 とい

うように同芯 して ぐだきい.) 43 20覧 35 16覧 23 11曳 22 10覧 45 43X 2i8

20.「 イ ン ター ン シ ップ 」 と は 、 何 か 知 っ て い ま した か 。

49 22% 50 23覧 22 10悌 30 14% 71 3116 222

21.祉 会 で活躍 した人が如 何に して自分の能 力を高 めてきたか 、

進路 を闘 拓 してい行 ったか を知 りた いと思い ますか。 i23 551r 6t 29x 2Z 10覧 rtO 4% 4 2% 223 22.職 業の遇択や進 路(就 職 、大学院 進学}の 専門家が いれ

ば相談 したい と思い ますか0 taa 471G

25 11% 2 1% 7 3鮎 221

23.フ リー ター も ひ とつ の 進 路 と し て 考 え ら れ ま す か 。

75 7X 21 9t 31 iax ai f8% 115 52% 223

24.派 遣社員 もひ とつの進路 として考え られ ます か。

}g 9x 31 1"25覧 48 21% 72 31% 223

25.祉 会で活躍 した 人の伝記や 自叙伝 を読み たいと思い ます か0

s2 24x 2" 69 31% 27 12監 19 9% 22i

一‑̲邑 ド ーA「 ■

26.職 業の選択や 進路(就 職 、大学 院進学)に ついて、 先輩の話

を聞きたい と思い ます か。 92 4S%

̲一̲

78 D 鈴 15% 12 5覧 a ax

223

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223 2z職 業 の選 択や進路(就 職 、大学院進 学}に つ いて、親や祖

父 母の話を聞 きたい と思い ますか。 38 iフ帖

認 D 61 25

参照

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