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米子高専と米子市児童文化センターの連携(ジョイント観望会の紹介) 第20回天文教育研究会 集録

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Academic year: 2018

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(1)

米子高専と米子市児童文化センターの連携

( ジョイント観望会の紹介)

竹内彰継、山脇貴士(米子工業高等専門学校)

,塚田慎介(米子市文化ホール)

湯嶋稔(米子市児童文化センター)

Cooperation between the Yonago National College of

Technology and the Child Culture Center of Yonago City

Akitsugu Takeuchi, Takashi Yamawaki (Yonago National College of Technology),

Shinsuke Tsukada (Culture Hall of Yonago City),

Minoru Yushima (Child Culture Center of Yonago City)

Abstract

We have started on the cooperation between the Yonago College of Technology and the Child Culture Center of Yonago City. In this report we explain the cooperation and discuss some problems included in the cooperation.

1.はじめに

平成 16 年度に全国の国立高等専門学校(国立高専)が一斉に独立行政法人化された。その影 響もあり、高専には今まで以上に地域貢献が求められるようになってきた。その要求に答えるた

め、米子高専では平成17年度から「出前講座」を始め、筆者(竹内)も「デジタル天体観望会」 という出前講座を登録し、本校の地域貢献に寄与した。[1]

一方、平成 18 年度には米子市の多くの施設に指定管理者制度が適用された。米子市児童文化 センター( 米子市の児童向け文化施設でプラネタリウムなどの設備がある。) もその例外ではなく、

多様化する市民ニーズに効果的・効率的かつ適切に対応していくために、これまで以上に市民サ

ービスの向上と経費の節減に取り組む必要が生じた。

そこで、米子高専と米子市児童文化センターとの連携が模索され、平成 18 年度から「ジョイ ント観望会」という名称で連携事業が始まった。以下、ジョイント観望会の紹介を行い、観望会

の開催を通してわかってきた問題点についても言及する。

2.米子高専と米子市児童文化センターのジョイント観望会の紹介

米子市児童文化センターには 15c m屈折望遠鏡が設置されており、今まで月に 1 回のペースで天

体観望会が開催されてきた。しかし、それは望遠鏡の視野内に天体を導入して眼視で見せるとい

う昔ながらの観望会であった。そこで、15c m屈折望遠鏡に高専のCCDカメラなどを搭載してデ

ジタル化し、子供たちにとってより魅力のある観望会とすることを目指した。なお、これは両者

の共同による観望会なので「ジョイント観望会」と称した。

(2)

-米子工業高等専門学校

● 天体観測機材等

・ 冷却 CC D カメラ ・ Hα フィルタ

・宇宙科学の最新情報

● ものづくりセンター

・アダプターなどの工作

天体観測会の充実

● 天体を撮像・映写し、解説

● 天体画像をプリンタ出力

● 雨天・曇天時は天体解説

米子市児童文化センター

● 1 5 c m 屈折望遠鏡

● プラネタリウム

● 星座・神話の話

図1.米子高専と米子市児童文化センターの連携事業「ジョイント観望会」の模式図。

図 1 にジョイント観望会の模式図を示す。ジョイント観望会では、まず児童文化センターの 15c m

屈折望遠鏡にCCDカメラを取り付けて観望対象の天体を撮像する。そして、その画像をプロジ

ェクタでスクリーンに投影して解説を行う。その後に子供たちに眼視で観望させ、最後にその天

体画像をプリンタ出力してプレゼントするという手順を基本とした。ところで、この望遠鏡は昭

和 52 年に設置されたもので、現在の望遠鏡と接眼部のサイズが異なっており、そのままではCC

Dカメラなどが接続できなかった。そこで、本校の「ものづくりセンター」でアダプター類を製

作・利用した。

また、雨天・曇天の場合は子供たちをプラネタリウムに集合させて今夜の星空を解説し、その後

にパワーポイントなどを用いて観望予定であった天体についての解説を行う。そして、プレゼン

トとして事前に撮像しておいた天体写真を配布するという雨バージョンも準備した。

なお、観望会の終了時には必ずアンケート調査を行い、参加者の満足の度合いを「①非常に満

足した」、「②満足した」、「③普通」、「④つまらなかった」、「⑤非常につまらなかった」の5段階

で評価してもらい、次回開催の参考とした。ちなみに①と②の合計の割合を「満足度」として定

義した。

(3)

-表1.今年度のジョイント観望会の実施テーマと満足度

回数 日程 タイトル 満足度

1 4月29日(土) 土星を見よう 92%

2 5月6日(土) 月のクレーターの写真を撮ろう 100%

3 6月3日(土) 木星の写真を撮ろう 71%

4 8月20日(日) 生きた太陽の姿を見よう 85%

3.ジョイント観望会を通してわかってきた問題点

表1 に本年度開催したジョイント観望会の一覧とその満足度を示す。ジョイント観望会はおお

むね良い評価を受けているが、いろいろな問題点もわかってきたので以下に紹介する。

● 受講者は必ずしも「科学」の話が聞きたいわけではない。

筆者( 竹内) は主に科学的な話題を提供したが受講者の中には星座の由来などを聞きたい人が

少なからずいた。話題の選定には注意が必要である。

● 雨天バージョンの準備は極めて( ! ! ) 重要である。

観測会は必ずしも晴れるとは限らない。以前筆者は雨天バージョンの準備を怠り、受講者か

ら満足度 71%という低い評価を受けたことがある。なお、雨天バージョンは既製品の番組より、

手作りのパワーポイントの方が受けが良いようである。

● 配布写真は月、太陽にとどめたほうが無難である。

受講者は配布写真をハッブルの写真と比較するため、15c mで最高級の写真が撮れても「ピン

ボケ」と感じる。そのため写真は小口径でも映りが良い月、太陽にしたほうが良い。

● 連携事業では前もってお互いの目的を明確にしておく必要がある。

本連携では、当初米子高専は児童文化センターから単なる「お助けマン」としか理解されず、

子供たちに高専を宣伝するという目的は必ずしも達成されなかった。連携を実りある物にする

ためにもお互いの目的の明確化は極めて大切である。

4.おわりに

大学・高専、博物館・科学館は生き残りをかけて連携に取り組まざるを得ない状況になってき

た。本業をおろそかにせず、連携を通して社会に貢献する方法を探るためにも、今後情報交換が

ますます重要になってくると考えられる。

参考文献

[1]竹内彰継、2006、米子高専のデジタル天体観望会、『天文教育』、3月号、p.47

質疑応答

Q:高専の学生は参加していますか?

A:現在は参加させていませんが将来的には参加させる予定です.

Q:この連携での米子高専のメリットは何ですか?

A:将来の入学生確保です.

参照

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