医療法人と株式会社
著者 川口 恭弘
雑誌名 同志社法學
巻 60
号 7
ページ 869‑892
発行年 2009‑02‑28
権利 同志社法學會
URL http://doi.org/10.14988/pa.2017.0000011658
医療法人と株式会社
八六九同志社法学 六〇巻七号医療法人と株式会社
川 口 恭 弘
(三八八七)
はじめに
病院、医師もしくは歯科医師が常時勤務する診療所または介護老人保健施設を開設しようとする社団または財団は、
医療法人とすることができる(医療法三九条一項・二項)。医療法人を設立するには都道府県知事の認可が必要である
(医療法四四条一項)。厚生労働省の調査によると、平成二〇年三月三一日現在、わが国には四万五〇七八の医療法人が存在する (
る。で人法療医団社が二七六四万四たるあにトンセーパ九九、ちうのこあ 1)(
対療の討検を人法医。団社はで稿本 2)
象とする。
病院 (
、を診が者いなで師医き所とるすとうよし設開療 3)(
受設を可許の事知県府道都の地開を、はきとるすとうよし設開 4)
けなければならない(医療法七条一項)。都道府県知事は、右許可の申請があった場合において、その申請に係る施設
医療法人と株式会社
八七〇同志社法学 六〇巻七号の構造設備およびその有する人員が厚生労働省令の定める要件に適合するときは、許可を与えなければならない(医療
法七条四項)。もっとも、営利を目的として医療機関を開設しようとする者に対しては、開設の許可を与えないことが 0000000000
できる 000(医療法七条五項)。この規定に関して、規制当局の通知が存在する。たとえば、厚生省健康政策局総務・指導 課長連名通知(平成五年二月三日総五号・指九号)は、医療機関の開設許可の審査にあたって、﹁開設主体が営利を目的とする法人でないこと﹂を確認することを求めている (
会局式株、てしと拠根を知通の当制規びよお項五条七法療医。 5)
社による医療事業への参入が禁止されていると解されている。
内閣府に設置された総合規制改革会議は、﹁規制改革の推進に関する第一次答申﹂(平成一三年一二月一一日)におい て、医療サービスの向上のために株式会社による医療経営への参入を検討することを提言した (
年サー医療改革のビジョンと医療ーしビス提供体制の改革﹂(平成一六て指友療経済同目会が、﹃医先進国ニッポン﹄を 経さらに、。済界からも、 6)
四月五日)と題する報告書において、営利法人による医療機関設置を解禁するように求めた。なお、構造改革特別区域法(平成一四年一二月一八日法律一八九号 (
ら業による医療事へ会の参入が認め社式医)ていおに区特療株、きづともに 7)
れた (
じて一成平(省働労生厚﹂(け年向に立確の営経業医な五三透徹講を策方のめたるす底を月性利営非、は))日六二明で 。経検るす関に方り在の営業会医のらかれこ、で方他討﹁的体率効てしと手い担の制供国提療医、るれさ頼信に民 8)
ることによって、国民に信頼される医療提供制度を確保するという方針を打ち出した。平成一八年の医療法の改正では、医療法人の株式会社化に逆行する方向で立法がなされた。改正医療法のもとでは、新たに設立される医療法人について
社員の持分が認められない。さらに、解散時の残余財産の帰属先が、国、地方公共団体、公的医療機関の開設者、財産または持分の定めのない社団の医療法人に限定され、残余財産の分配が認められなくなった。
本稿は、医療法改正後の医療法人と会社法上の株式会社について法規制の内容を比較するものである。両者の比較に
(三八八八)
医療法人と株式会社
八七一同志社法学 六〇巻七号 より、株式会社による医療事業への参入を検討する一助としたい。(
(
1
厚生労働省医) 局指導課調べ。政(
2
四人。るす在存が法〇) 医団財の六療( るつか、れさ織組てしと的目主運をとこるえ与を宜便るきでが、た営(さ)。段後項一第五条一法療医のれけいるものでなればならな 、、が者病傷項は院病)。段前学科と的でかつ適正な診療を受けるこ第一五のを患者を入院させるめの施設た有(す一法療医条うるいをのも
3
はたまた公、が師医科歯は衆こま師医、はと﹂院病﹁ういにこ定特) 多うの上以名〇二、てっあで所場行数を医科歯はたま業医めたの人業( ま入を者患の下以名九十はたのさもいなし有を設施のめたる院せさう)。項二第五の条一法療医(いるをのもるす有を設施のめたせ
4
を師ま衆公、が師医科歯はたま医は、はと﹂所療診﹁ういにここた特) 業院者患、てっあで所場う行を医定科歯はたま業医めたの人数多入。職とこるす議協でま 場すう行を可許設開の院病る厚と的目を生お福が人法利営④合利よ設び当に前事、合場う行を可許は開人の師でな個いに対し病院医 めら法認りよに令療、は合場の人法医て③れ事い経。とこいなるし営てをきのを除も、収益業 者。とこいなし分配に第三上②医療法人の運営生じる剰余金を役職員や いでなりこと。 。こいなを人法るすと的目で営利が体主設開の関機療医①だたとし利こは合場るすと的目を生厚福限の員職の人法該当らぱ、っもの
5
。営るす関に性利非認、はで知通同確事るも) てげ挙をのの項下以てしと等い なお、医療法人制度は昭和二五年の法改正で導入された。その際、﹁従来株式会社等商法上の会社組織により医療事業を行っていた者については、できるだけ医療法人によるよう組織変更せしめると共に、今後会社組織による病院経営は認めない方針をとり、本制度を活用せられたいこと﹂という通達が出されている(各都道府県知事宛て厚生事務次官通達﹁医療法の一部を改正する法律の施行に関する件﹂(昭和二五年八月二日発医九八号))。また、﹁医療法人に対する出資・寄附の制限について﹂(厚生省健康政策局指導課長回答・平成三年一月一七日指二号東京弁護士会会長宛)はつぎのように述べている。
﹁解なることはできないものとす員る。すなわち、出資または寄と社営は利を目的とする商法上の会社、り医療法人に出資することによ附
(三八八九)
医療法人と株式会社
八七二同志社法学 六〇巻七号によって医療法人に財産を提供する行為は可能であるが、それに伴っての社員としての社員総会における議決権を取得することや役員として医療法人の経営に参画することはできないことになる。﹂(
6
) 同答申にはつぎの記載がある。
( すのり方を検討在るきである。﹂べ をビスの向上い図ってくこサー利療医の位本者用必、めたる図をがと要社営経関機療でため含をどな式方医会た式あ。このるめ、今後、株 めハウの導入などを含、経営の近代化効率化ノウ営。市な達調のらか場融に金接直経るいてどよさ達業企や化様多の調る金資の関機療医れ ﹁分会者資出、りな異と人法祉福社の、は産帰財の人法療医るあに持属行定限上実事にれ入借のかどな銀しは法方達調金資のそ、りおてら
( 革律でる(構造改あ特区域法一条)。別 活もに地域の図性化をり、とと構るす進推を革改造ての会社済経もっ国展法るすと的民をとこるす与寄に目発おの生の向上活よび国民経済 祉開発、農業、社会福にその他の分野おける研究、団事たまし施実を業のそ定特が体流共公はの地に物、育教、りよと実こるす進促を施方
7
同最特革改造構たし重尊に限大を法性発自区の体団共公方地、は別) 域たてけ受を用適の置措例特制規じを応に性特の域地該当、し定設の8
産神奈川バイオ医療業し特区が認定された(てと) 、平成一七年七月七日構号造改革特区認定第一第。るならしのニーズの充足を図暮こるるあでのもすと的目をと 経業への図済的波及を連産の関、進促資投へ発開究研な、り化民県か豊心、康健・寿長の民、間新性活業産域地るよに導主た、業事な滑化 、つ病院等に株いてす式会社るを施実よ療医容美度高たし用活をに設る達円の果成究研、しか活を等力調開金資、でとこるすに能可をジー
8
ロノクテオイバ、はれこ)。分定認回一 目的と業務範囲
1
法人化の目的 医療法人は、病院、診療所または介護老人保健施設(以下、病院等という)を開設するために設立される。医療法人制度は、昭和二五年の医療法改正によって導入された。法人は、構成員(社員)と別個独立の権利義務主体である。社団を法人とすることで、その財産を構成員の財産と分
(三八九〇)
医療法人と株式会社
八七三同志社法学 六〇巻七号 離することが可能となる。また、法人の名において権利を有し義務を負うことが認められるため、権利関係の処理が簡明になる。もっとも、昭和二五年の法改正で医療法人制度が創設された趣旨は、﹁私人による病院経営の経済的困難を、 医療事業の経営主体に対し、法人格取得の途を拓き、資金集積の方途を容易に講ぜしめること等により、緩和せんとする﹂ことにあった (すい大するとは考えにく。が個人企業が法人成り拡法と方人格を付与するこの。みで、資金調達の法 1)
る理由の一つとして、税制上のメリットがあることが知られている (
の対は特に考慮こ象のとされてない点 ( て、っ。人もっとも、医療法制た度を創設するにあ 2)
。 3)
株式会社は法人である(会社法三条)。株式会社に関する権利関係の簡明な処理を可能にするため法人格が与えられる (
構社る。合名会社や合資会で異は、法人の債務についてなてのっ産上の権利義務の分離程。度は、会社の種類によ財 4)
成員が連帯責任を負うため(会社法五八〇条一項)、分離の程度は低い。これに対して、株式会社は、株式の引受価額を限度とする間接有限責任を負担するにとどまるため(会社法一〇四条)、分離の程度は高い。なお、医療法において
医療法人の社員の責任について特別の規定は存在しない。
2
業務範囲 医療法人を設立するには、定款を定め(医療法四四条二項)、都道府県知事の認可を受けなければならない(医療法四四条一項)。医療法人は、その主たる事務所の所在地において政令の定めるところにより設立の登記をすることによって成立する(医療法四六条)。医療法人は、病院等の経営のために創設されるもので、それが行うことのできる事業は制限されている。すなわち、医療法人は、病院等の業務に支障のない限り、定款の定めるところにより、つぎの業務
を行うことができるにとどまる(医療法四二条)。
(三八九一)
医療法人と株式会社
八七四同志社法学 六〇巻七号① 医療関係者の養成または再教育
② 医学または歯学に関する研究所の設置③ 診療所(医療法三九条一項)以外の診療所の開設
④ 疾病予防のために有酸素運動(継続的に酸素を摂取して全身持久力に関する生理機能の維持または回復のために行う身体の運動)を行わせる施設であって、診療所が附置され、かつ、その職員、設備および運営方法が厚生労働大臣 の定める基準に適合するものの設置⑤ 疾病予防のために温泉を利用させる施設であって、有酸素運動を行う場所を有し、かつ、その職員、設備および運
営方法が厚生労働大臣の定める基準に適合するものの設置⑥ ①から⑤に掲げるもののほか、保健衛生に関する業務
⑦ 第一種社会福祉事業および第二種社会福祉事業(社会福祉法二条二項および三項)のうち厚生労働大臣が定めるものの実施
⑧ 有料老人ホームの設置(老人福祉法二九条一項) 収益事業は法定業務として規定されておらず、医療法人はこれを行うことができない。もっとも、医療法人のうち、 自由診療の制限、同族役員の制限、給与の制限等、一定の要件 (
療なの款定、り限いのめ障支に務業の等定る病収医会社該当を益のとそ、りよにろこ院る医す会療法人)は、その開設 道都、でをのもすた満県府け知事の認定を受たもの(社 5)
法人が開設する病院等の経営に充てることを目的として、厚生労働大臣が定める収益業務 (
)にや小児緊急医療など地域で特必治要な医療(緊急医療等確保事業療地の)。四二条き二第一項社会医療法人は、へ で行うことがをきる(医療法 6)
の提供を担う医療法人で、業務の性質上、経営の困難が予想されるため、厚生労働大臣が定める収益事業の実施が特に
(三八九二)
医療法人と株式会社
八七五同志社法学 六〇巻七号 認められている。社会医療法人が行うことができる収益業務として、農業、林業、漁業、製造業、情報通信業、運輸業、卸売・小売業、
不動産業(建物売買業、土地売買業を除く)、飲食店・宿泊業、医療・福祉、教育・学習支援業、複合サービス事業、サービス業が定められている。社会医療法人は、①一定の計画の下に収益を得ることを目的として反復継続して行われ
る行為であって、社会通念上業務と認められる程度のもの、②社会的使用を傷つけるおそれがあるものでないこと、③経営が投機的に行われるものでないこと、④開設する病院等の業務の円滑な遂行を妨げるおそれがないこと、⑤当該社
会医療法人以外の者に対する名義の貸与その他不当な方法で経営されるものでないことであれば (
業営るえいと能可がとこ益事むを ( 、収のてべすどんとほ 7)
。 8)
株式会社では、会社自体に利益が生じる事業を営まなければならない。したがって、﹁社会福祉への出資﹂、﹁永年勤続退職従業員の扶助﹂﹁会社および業界の利益のための出費・政治献金﹂などを目的として会社を設立することはでき
ない (
て大めたう行を業事な模規は適社会式株、で方他。るにしで・し実充が度制示開報情関た機部内、りあで態形業企あ例 。たが入参てしと則原にめが止るあで社会式株、たま禁さ型教典のそが療医てしそ育、れ業農。るあものもるいて 9)
いることから、公共性の高い業務を安定かつ継続的に行うために最も的確な事業形態である。そのため、銀行業など、
株式会社組織で参入することが義務づけられる業種もある(銀行法四条の二参照)。
(
1
月行に関する件﹂(昭和二五年八二の日発医九八号)第一﹁一般事項施律) 次各都道府県知事あて厚生事務官法通達﹁医療法の一部を改正する﹂(
1
参照。2
川訂新︹法社会の本日・弘恭口=) 章田森=雄雅田岸=郎一本河第(
9
版︺二六頁参照。3
事注掲前・達通官次務生) 厚てあ事知県府道都各(1
)第一﹁一般事項﹂1
の法本、はとこるけ設を例特上で税課るす対に人法療医、﹁はの(三八九三)
医療法人と株式会社
八七六同志社法学 六〇巻七号目的とする所ではなく、これについてはむしろ医業一般の問題として別途考慮すべきもの﹂としている。なお、医療法人については、社会福祉法人や学校法人と異なり、法人税の課税対象となる。(
(
4
神一。頁四︺版〇第田) 法社会・樹秀︹( 三られている(医法施行規則療〇第条照参項一)。二の五三の 要に注意が必るであこ。このと旨いならなばれけないてめ定をかほ、公定求がとこるす合適に件要るめめが関令な運営に的し厚生労働て省 は療法人でお、定款いて解会医が社。るなと要必とこるいてっ行時散医のは残るせさ属に人法療会社の他帰た地ま財産国、を方公共団体余 、業病備設造構の等院が(準基るめ定臣大働を労務に行)厚で形るいてし合適績う実の務業、制体のめた生、を医また、救急療等確保事業 働員と厚生労以令で定める特各社内他のそ族親のの等親三びよお者殊省関一。い係らなはてれま含てえ超をなの社分があ者がる員数三の総の 含ま。たいならな、はてれま分てえ超を一の三の数総の員役団が社員医つる偶配のそ、員社のそ、ていに療員社各、はにちうの社の人法者
5
あてお者偶配のそ、員役のそ、いびつに員役各、はにちうの員役よ三が生係関の殊特るめ定で令省働労厚親と員役各他のそ族親の内以等)(
6
厚三収益業務﹂(平成一九年三月〇め日厚生労働省告示九二号)。る定生二労働省告示﹁法第四〇条の第) 一項に規定する厚生労働大臣が7
) 厚生労働省告示・前掲(注(
6
)。( )。でま 既。また、特存のな別医療いはきで人とこるす立設を人法療医法つにい日一三月三年四二成平(るて特れらめ認が置措過経、はてい別にた
8
廃は度制人法療医別特たれさ入導で正改法療医の年九成平、おな止) れ。新、降以日一月四年九一成平る、れさ収吸に度制人法療医会社さ9
) 河本一郎他・前掲(注。設目的として会社を立業することもできないを
2
の等格資の定一にうよの士る理税、士護弁。頁五四事いあをる者に限ってその事業)てうことができるとされ行二 機関
1
役員 医療法人には、役員として、理事三名以上を置かなければならない(医療法四六条の二第一項本文 ()。株式会社には、 1)
(三八九四)
医療法人と株式会社
八七七同志社法学 六〇巻七号 一名または二名以上の取締役を置かなければならない(会社法三二六条一項)。公開会社、監査役会設置会社または委員会設置会社では取締役会は必置の機関である(会社法三二七条一項)。取締役会設置会社においては、取締役の数は三名以上でなければならない(会社法三三一条四項)。医療法人の場合、三名以上の理事で理事会を構成することは医療法上予定されていない。
医療法人の理事について株式会社の取締役に類似した欠格事由が法定されている(医療法四六条の二第二項 (
が式されていない。また、株会明社では、必要な数の取締役記はり、も、株式会社と異なと法人が理事になれないこと も)。っ 2)
欠けた場合に備えて補欠取締役を選任しておくことが可能である(医療法三二九条二項)。医療法人の理事については、医療法上特別の規定はないものの、定款に定めを置くことで補欠理事を定めることは可能と解される (
。病院または診療 3)
所の開設者は、その病院または診療所が医業をなすものである場合は臨床研修等修了医師に、これを管理させなければならない(医療法一〇条一項)。医療法人では、その開設するすべての病院等の管理者を理事に加えなければならない
(医療法四七条一項本文 (
)。 4)
医療法人の理事の任期は二年を超えることはできないが、再任は認められる(医療法四六条の二第三項 (
)。株式会社 5)
の取締役の任期も原則として二年である(会社法三三二条一項本文 (
の株そ、で議決の会総主は)。たま款定、もとっも 6)
任期を短縮することができる(会社法三三二条一項但書き)。さらに、公開会社以外の株式会社では、定款によって、任期を一〇年まで伸長することが認められている(会社法三三二条二項)。株式会社の取締役は株主総会で選任される
(会社法三二九条一項)。医療法人の理事を選任する機関について医療法上の規定は見当たらない。また、公開会社では、取締役の資格を株主(社員)に限定することができない(会社法三三一条二項)。医療法人の理事の資格について会社
法の規定に相当するものはない。もっとも、医療法人では、定款に役員に関する規定を定める必要があり(医療法四四
(三八九五)
医療法人と株式会社
八七八同志社法学 六〇巻七号条二項六号)、そこで、選任機関および理事の資格が規定される(定款自治の許容 (
)。 7)
医療法人の理事のうち一人は理事長とし、定款の定めるところにより、医師・歯科医師である理事のうちから選出する(医療法四六条の三第一項 (
事四理する(医療法六を条の四第一項)。理総務法業事長は、医療人)。を代表し、その理 8)
長に事故があるとき、または理事長が欠けたときは、定款の定めるところにより、他の理事が、その職務を代理しまたはその職務を行う旨の規定がある(医療法四六条の四第二項)。株式会社で取締役会を設置する会社では、取締役会で
代表取締役が選定される(会社法三六二条三項)。取締役会を設置しない株式会社では、各取締役に代表権がある(会社法三四九条一項本文)。もっとも、定款、定款の定めにもとづく取締役の互選または株主総会の決議で特定の取締役
を代表取締役とすることができる(会社法三四九条一項但書き・三項)。代表取締役に事故があるときは、利害関係者の申し立てにより、裁判所が仮代表取締役を選任することができる(会社法三五一条二項)。その場合、取締役会非設
置会社では、定款の定めで特定の取締役を代表取締役とすることができる (
。 9)
医療法人では、一名以上の監事を置かなければならない(医療法四六条の二第一項本文)。監事は、医療法人の業務
および財産の状況を監査することをその職務とする(医療法四六条の四第三項)。医療法人の監事は株式会社の監査役に相当する。監査役は、取締役が不正の行為をし、もしくは当該行為をするおそれがあると認めるとき、または法令・
定款に違反する事実もしくは著しく不当な事実があると認めるときは、遅滞なく、その旨を取締役(取締役会設置会社では取締役会)に報告する義務がある(会社法三八二条)。また、監査役は、株主総会に提出しようとする議案、書類
等を調査するなかで、法令・定款に違反し、または著しく不当な事項があると認めるときは、その調査の結果を株主総会に報告しなければならない(会社法三八四条)。医療法では、医療法人の監事は、監査の結果、医療法人の業務また
は財産に関し不正の行為または法令・定款に違反する重大な事実があることを発見したときは、これを都道府県知事ま
(三八九六)
医療法人と株式会社
八七九同志社法学 六〇巻七号 たは社員総会に報告することが職務として規定されている(医療法四六条の四第三項四号)。なお、監査役には、取締役の行為の差止権があるものの(会社法三八五条一項)、医療法人の監事には、理事の行為の差止権はない。医療法人の幹事の任期は二年を超えることはできないが、再任は妨げられない(医療法四六条の二第三項)。株式会社の監査役の任期は四年である(会社法三三六条一項)。公開会社以外の会社では、任期を一〇年まで伸長することが できる(会社法三三六条二項)。医療法人の監事および株式会社の監査役は、監査対象となる者との間で兼職が禁止されている(医療法四八条、会社法三三五条二項 (
)。 10)
2
総会 医療法人の理事長は、少なくとも、毎年一回、定時社員総会を開催しなければならない(医療法四八条の三第一項)。株式会社においても、毎事業年度の終了後一定の時期に株主総会を招集しなければならない(会社法二九六条一項)。医療法人の議長は社員総会において選任する(医療法四八条の三第三項)。株主総会の議長の選任について会社法上は特に規定はない。定款に規定がない場合は、会議体の一般原則にもとづき、株主総会において選任することとなる。
株式会社では、総株主権の一〇〇分の三以上の議決権を保有する株主に株主総会の招集権がある(会社法二九七条一
項二項)。医療法人についても、理事長は、総社員の五分の一以上の社員から会議に付議すべき事項を示して臨時社員総会の招集を請求された場合は、その請求のあった日から二〇日以内に、これを招集しなければならない旨の規定があ
る(医療法四八条の三第四項本文)。会社法では、一〇〇分の三という要件を定款で引き下げることができるが、医療法でも、五分の一の割合は、定款で引き下げることを認めている(医療法四八条の三第四項但書き)。
医療法人の社員は、各一個の議決権を有する(医療法四八条の四)。株式会社では、一株一議決権が原則である(会
(三八九七)
医療法人と株式会社
八八〇同志社法学 六〇巻七号社法三〇八条一項)。この点で、医療法人の社員と株式会社の社員(株主)で大きな差が存在する。もっとも、株式会
社においても、公開会社以外の会社であれば、株主総会の議決権に関し、株主ごとに異なる扱いを行う旨を定款で定めることができるため(会社法一〇九条二項)、定款に定めがあれば、医療法人と同様の議決権とすることも可能である。
医療法人の社員総会は、定款に別段の定めがある場合を除き、総社員の過半数の出席がなければ、その議事を開き、議決することはできない(医療法四八条の三第五項)。株主総会では、定款に別段の定めがある場合を除き、議決権の
過半数を有する株主の出席が必要である(会社法三〇九条一項)。また、医療法人の社員総会の議事は、定款で別段の定めがある場合を除き、出席者の過半数で決する(医療法四八条の三第六項)。株主総会では、出席した株主の議決権
の過半数で決議がなされる(会社法三〇九条一項)。さらに、右の決議要件より厳格は特別決議や特殊決議が存在する(会社法三〇九条二項乃至四項)。医療法人については、このような特別の決議要件は定められていない (
。また、医療法 11)
人の社員総会では、議事につき可否同数の場合は、議長が決するものとされている点が注目される(医療法四八条の三第六項)。この場合に関して、議長は社員として議決に加わることができない旨が規定されている(医療法四八条の三
第七項)。株主総会における取締役会決議は、医療法人の社員総会と同様に、取締役の過半数が出席し、出席取締役の過半数の賛成によって成立する(会社法三六九条一項)。定款・取締役会規程等で、出席取締役の賛否同数の場合は議
長が決することができる旨を定める会社がある。議長が一度議決権を行使した後、再度裁決権を行使することで決議を成立させることは、法定決議要件を緩和することとなり認められないとする見解が有力である (
。 12)
(
(
1
た法の理事で足りる(医療四二六条の二第一項但書き)。名はだ可し、都道府県知事の認を) 受けた場合には、一名また人①佐保被はたま人見後被年成
2
、。つぎのいずれかに該当する者はい医と療法人の役員) なることができな(三八九八)