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同志社大学図書館司書課程61年目の出発(たびだち)

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同志社大学図書館司書課程61年目の出発(たびだち)

著者 原田 隆史

雑誌名 同志社大学図書館学年報

号 39

ページ 1‑2

発行年 2014‑03‑31

権利 同志社大学図書館司書課程

URL http://doi.org/10.14988/pa.2017.0000014187

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 2012年に同志社大学図書館司書課程は60周年をむかえた。昨年、2013年3月8日に宇 治郷毅先生の最終講義と日程をあわせて開催した記念式典では、多くの卒業生諸姉兄に も参集いただき、多くの方々からの祝福を受けた。記念式典の基調講演は、ひこ田中氏 の「子どもの物語の力~手渡す仕事」であったが、子どもの言語文化や言語能力を育て るために、適切な図書を選択して渡すことができる図書館員の持つ力は大きいという話 は刺激的で、改めて図書館の力を感じる人も多かったのではないだろうか。

 我が同志社大学図書館司書課程も60年の間に様々な活動を行って、多くの人材を輩出 してきた。演習を多く含む形式での授業設定や学生主体の勉強会・研究会の開催などは、

現在では多くの大学でも行われているが、同志社大学ではじめられた当時は先進的な取 り組みであった。たとえば1980年代初頭には既に

PC

を用いた検索演習やプログラミン グ演習が授業に取り入れられていたことなどはその一例である。また、学生が主体となっ た勉強会・研究会は、多くの学生諸君が図書館に深く興味を持つきっかけともなり、多 くの参加者が現在も図書館員として働いている。

 さらに、学生諸君に対して大学内での教育だけではなく学外とのつながりを多く提供 する活動を行おうとする努力が継続して行われてきたことは、同志社大学の誇るべき歴 史であろう。昨年度の『同志社大学図書館学年報』にまとめたように、在校生を対象と した特別講演会、中部地区や東京地区の図書館見学会、また地味ではあるが卒業生が立 ち寄りやすい研究室・資料室の環境の整備など、その内容は多岐にわたる。中でも学部・

学科の枠を超えた卒業生との交流の場である同志社大学図書館ガイダンス・ホームカミ ングデーは代表的な行事である(1)。1991年から大学の正式行事として行われているこの 催しは、卒業生で図書館に勤務する人に大学に来ていただいて講演会、シンポジウムを 開催するとともに、質疑応答の場や、学生諸君との交流会などを設定するものであり、

学生にとって大きな刺激を受け、情報を収集する機会ともなっている。

 図書館司書課程開設以来の60年という歳月は、人間でいえば還暦ということになる。

還暦という言葉の意味は「本卦還り」といって十干十二支が60年で一回りし、生まれた 年の干支に戻る事からつけられたといわれている。現代は図書館界にとっても大きな変 化がおこってきている時代でもある。図書館の運営形態として指定管理者制度などの導

巻頭言

同志社大学図書館司書課程61年目の出

たびだち

原 田 隆 史

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図書館学年報 第39号

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入が進み、佐賀県武雄市立図書館の運営に関する議論なども活発に行われている。また、

電子書籍が徐々に社会に浸透し、図書館における資料の取り扱いについても今後大きな 変化が予想される。将来の図書館を担う図書館員養成という意味でも、また関西におけ る図書館情報学研究の拠点という意味でも、同志社大学図書館司書課程は、いままでに 行われてきた活動を継続しつつ、新しい活動もはじめていくことが必要であろう。

 幸いなことに、関係各学部学科のご理解をいただき新進気鋭の研究者である佐藤翔先 生を宇治郷毅先生の後任として本年よりお迎えすることができ、多数の学生諸君も集まっ てきてくれて新たな活動のスタートをまずは切ることができた。

 図書館法施行規則の改正に対応して各種のカリキュラムを整備し、従来通り質の高い 教育を維持することはもちろん、図書館ガイダンスや東京地区図書館見学、特別講演会 といった従来から行われてきた各種の活動も継続して行ってきた。さらに、いくつかの 新しい試みも導入している。たとえば授業については、情報検索演習、レファレンス演 習、情報資源組織演習、図書館情報技術論演習など、演習科目の内容を充実させるとと もに、従来図書館現場での実習を中心とした科目であった「図書館演習」を、図書館実 習だけではなく図書館情報学の研究論文の作成についても行う形に再構成している。図 書館演習ではグループ単位で卒業研究に準じる内容の論文を1年間かけてまとめること を課している。このような図書館情報学に関する研究を行うことは、昨今の様々な変化 への対応や新しいサービス展開などを考える必要がある図書館員として有効な経験でも あろう。今年度においても学生諸君が積極的に取り組み、多くの成果をあげている。そ の成果の一部は、本誌の別冊として刊行している「同志社図書館情報学」掲載の論文と してもまとめることができた。

 さらに、本誌でも活動報告が掲載されている「同志社大学図書館情報学研究会:

DUALIS」が学生諸君が中心となって結成され、従来の図書館ボランティアとして行

われていた活動の枠を超えた様々な活動を展開しはじめてくれたことも大きな出来事で ある。その活動の一環として図書館総合展2013でのポスター発表なども行われた。図書 館総合展のポスター発表会場では、多くの卒業生各位にもお立ち寄りいただき、過分な 評価もいただくことができた。卒業生諸兄の中には「同志社大学図書館司書課程が、こ の場に出展する日を待っていた」と言ってくださった方もおられ、DUALIS参加の学 生諸君にとっても大きな経験となったのではないかと思われる。

 60年の歴史を考えると心が引き締まる思いがするが、教育・研究両面について、今後 とも伝統を守りつつチャレンジ精神旺盛に積極的な展開を行っていきたい。

 原田隆史.図書館の現場につなぐ:同志社大学図書館ガイダンス.カレントアウェアネス-E.

No.237 2013.05.23〈http://current.ndl.go.jp/e1428〉

(はらだ たかし。社会学部准教授、図書館司書課程主任)

参照

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